JP2744498B2 - ポリビニルアセタール系樹脂多孔体の表面処理方法 - Google Patents

ポリビニルアセタール系樹脂多孔体の表面処理方法

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JP2744498B2 JP33036489A JP33036489A JP2744498B2 JP 2744498 B2 JP2744498 B2 JP 2744498B2 JP 33036489 A JP33036489 A JP 33036489A JP 33036489 A JP33036489 A JP 33036489A JP 2744498 B2 JP2744498 B2 JP 2744498B2
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幸治 長坂
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鐘紡株式会社
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明、ポリビニルアセタール(以下、「PVAt」と略
記する)系樹脂多孔体の表面処理方法に係り、更に詳し
くは多孔体の表層部を内部より緻密な多孔構造とする、
PVAt系樹脂多孔体の表面処理方法に関する。
(従来の技術) PVAt系樹脂多孔体は、極めて大きな親水性を有し、湿
潤状態において好ましい柔軟性とゴム弾性をもち、その
特長を利用して例えば化粧用のパフ材,浴用のスポン
ジ,洗車用のブロックスポンジやシート、更には工場の
製造工程における拭浄材や吸水ローラー等に用いられて
いる。これらの用途はPVAt系樹脂多孔体の持つ親水性、
柔軟性,ゴム弾性を極めて効果的に利用したものであ
り、就中親水性は他のウレタンスポンジやラバースポン
ジにみられないものである。
PVAt系樹脂多孔体は、その気孔率,気孔径等の構造上
の違いにより、物性,風合,感触等の異なるものが得ら
れる。従って、適宜な構造の多孔体とすることにより、
それぞれの用途に応じた好ましい物性のPVAt系樹脂多孔
体が得られる。
PVAt系樹脂多孔体は一般に大型のブロックを製造し、
これを適宜な形状に切断,スライジング等で成形して、
所望する形態のものとする。従って、得られたPVAt系多
孔体は当然の事ながら、1つの製品の中での気孔率,気
孔径等の構造は略全体に均質なものとなり、異なる構造
の部分が共存するものではない。
しかしながら例えば化粧用のパフとしては、全体的な
風合は柔かく、且つ化粧品の乗りや伸びに優れ、化粧品
のパフ内部への浸透を少なくするような特性のものが好
ましく、このためパフは全体に均質な構造のものより
は、内部構造に比べてその表面が極めて緻密な構造のも
のが好適である。かゝる要求に対し従来は、異った構造
あるいは材質のPVAt系樹脂多孔体を接着剤等によって貼
着し一体化して得ていた。しかし、この方法は煩雑な工
程を必要とし、コスト的にも問題が多く、更にPVAt系樹
脂多孔体を貼着する好適な接着剤がないため、現状では
貼着面が硬くなるなど、風合に問題点があった。また、
これらを縫合等の手段で一体化する方法も試みられてい
るが、未だ満足すべきものは得られていないのが現状で
ある。
(発明が解決しようとする課題) 本発明者等は、上述の問題点に鑑みPVAt系樹脂多孔体
の表面処理方法について鋭意研究を行った結果、乾燥硬
化したPVAt系多孔体に対して加熱したプレートを特定の
条件でプレスすることにより、該多孔体の表皮層が緻密
な構造に変化することを見出し本発明を完成したもので
ある。本発明の目的は、湿潤時における柔軟性,ゴム弾
性を損うことなく、PVAt系多孔体の表面をより緻密な構
造に、容易且つ効率よく加工する処理方法を提供するに
ある。
(課題を解決するための手段) 上述の目的は、含水率50重量%以下に乾燥せしめた硬
化状態のポリビニルアセタール系樹脂多孔体の表面を、
シリコンオイル又はフッ素樹脂で被覆されたプレートで
加熱加圧する表面処理方法において、前記プレートの表
面温度が170〜280℃、押圧力が5〜15kg/cm2であること
を特徴とするビニルアセタール系樹脂多孔体の表面処理
方法によって達成される。
本発明において、PVAt系樹脂多孔体とは、ポリビニー
ルアルコールとアルデヒド類とを気孔形成材と共に混合
し、酸触媒の存在下で反応させて得られた成型体を水洗
したものであり、微細連続気孔組織よりなる多孔体であ
る。このPVAt系樹脂多孔体は、その分子構造中に多数の
水酸基を有するため親水性に富み、水を含んだ状態では
柔軟性及びゴム弾性を有するが、水分を失ない乾燥した
状態では柔軟性及びゴム弾性を失い硬化状態となるとい
った特性を有する。この状態変化は可逆的なものであ
り、含水率によって硬,軟どちらの状態にも変化しうる
ものである。本発明に用いるPVAt系多孔体は、あらかじ
め板状の形態に成形しておくことが好ましい。
本発明においてPVAt系樹脂多孔体は、含水率50重量%
以下に乾燥せしめた硬化状態で処理される。乾燥は熱風
乾燥機等により例えば70〜90℃で行なうことができ、好
ましくは内部まで一様な含水率のものである。PVAt系多
孔体を湿潤状態で加熱加圧した場合には、介在する水分
の蒸発潜熱のため均一な昇温が出来ず、また部分的な変
質が起り、更にゴム弾性を持つため加圧の効果が十分得
られず好ましくない。即ち、PVAt系多孔体は乾燥硬化状
態で加熱したプレートを加圧することによってはじめて
熱効率のよい均一な加熱ができ、加圧の効果も十分に発
揮しうるものである。
本発明に用いるプレートの材質は特に限定されるもの
ではないが、熱効率や耐久性に優れ、変形しにくいもの
が好ましく、例えば金属性やセラミック製のものが挙げ
られる。ただし、上記プレートの表面はフッ素樹脂で被
覆したものか、又は加熱加圧するに際し上記プレートの
表面をシリコンオイルで被覆することが必要である。か
かる被覆をすることにより、PVAt系樹脂多孔体がプレー
トに付着することを防止することができ、加熱加圧処理
後の表面がきれいに仕上るのである。ここで適用される
フッ素樹脂としては特に限定されるものではないが、例
えばポリテトラフルオロエチレンが粘着防止効果が大き
く好適である。
本発明に用いるプレートは通常平坦な表面のものであ
るが、加熱加圧効果を損なわない程度の凹凸のあるもの
であってもよい。
本発明においては、上記プレートの温度を170〜280
℃,押圧力を5〜15kg/cm2とすることが必要であり、か
かる限定範囲において加熱加圧処理をすることにより、
極めて好ましい緻密な構造をした表皮層を形成すること
ができるのである。温度が170℃より低いと表皮層の形
成が十分でなく湿潤状態で元の構造にもどる傾向にあ
り、280℃より高いと素材が硬化して湿潤状態でも柔軟
性及びゴム弾性に欠ける傾向にあり、いずれも好ましい
構造及び物性をした表面を得ることができない。
又、押圧力が5kg/cm2より小さいと良質の表皮層が得
られず、15kg/cm2より大きいとPVAt系多孔体に亀裂が入
る等の組織破壊が起り易く、風合にも問題がある。尚、
加圧時間が長過ぎると好ましくない現象を発現し易いの
で、本発明において加圧時間は10秒以内とするのが望ま
しい。
(発明の効果) 本発明の方法によれば、湿潤時における柔軟性,ゴム
弾性といったPVAt系多孔体のもつ特性を失なうことな
く、PVAt系多孔体の表面を、気孔率,気孔径の小さな緻
密な構造に、容易且つ効率よく加工することができる。
また、本発明の方法によれば、その用途に応じ任意な
面の表面を、良質で緻密な構造に加工することができ
る。
本発明の方法で表面を処理したPVAt系樹脂多孔体は化
粧用のパフとして極めて好適であり、柔らかな風合で肌
に対する感触がよく、水性化粧料の乗りや伸びに優れ、
また化粧料のパフ内部への浸透が少ないため化粧料を有
効に使用することができる。
更に、本発明の方法で得られたPVAt系多孔体は、自動
車の洗車用あるいは窓ガラス拭き等の各種拭浄材として
極めて好適に用いられる。
以下、実施例により本発明を詳述する。
(実施例1) PVAt系樹脂多孔体として、平均気孔径250μm,気孔率9
2%のものを用意した。これを縦,横が150mmで厚さが15
mmの直方体に成形した後、熱風乾燥機によって80℃で6
時間乾燥し、硬化状態とした。熱プレス機の上面プレー
トの表面にシリコンオイルを塗布して250℃に加熱し、
上記PVAt径多孔体の乾燥硬化物に10kg/cm2の押圧力で8
秒間加圧した。
得られたPVAt系樹脂多孔体は約10mmの厚さに圧縮され
ていたが、これを水で湿潤状態にしたところ約12mmの厚
さに複元し、加熱したプレートに加圧されていた面は厚
さ約1mmの緻密な構造の表皮層が形成されていた。この
表層部の平坦気孔径は約75μmで、気孔率は約30%であ
った。又、この部分は押圧前のPVAt系多孔体よりも硬目
の風合であるが、柔軟性,ゴム弾性及び親水性を有する
ものであった。
(実施例2) 実施例1において上面プレートの温度を200℃とする
他は、実施例1と同様の方法でPVAt系樹脂多孔体の表面
処理をした。
得られた表面は、実施例1よりも緻密さに劣っていた
が、内部よりは緻密な構造で且つ好ましい風合のもので
あった。
(実施例3) 実施例1において上面プレートの温度を280℃とする
他は、実施例1と同様の方法でPVAt系多孔体の表面処理
をした。
得られた表面は、やや硬い風合ではあったが、緻密な
構造で且つ湿潤時において柔軟性,ゴム弾性を有するも
のであった。
(比較例1) 実施例1で上面プレートの温度を150℃とし、10秒間
加圧する他は、実施例1と同様の方法でPVAt系樹脂多孔
体の表面処理をした。
得られた表面は、水で湿潤状態にすると、加工前の形
態に複元し、緻密な構造がほんの僅かに見られる程度で
あった。
(比較例2) 実施例1で上面プレートの温度を300℃とし、5秒間
加圧する他は、実施例1と同様の方法で、PVAt系樹脂多
孔体の表面処理をした。
得られた表面は、やや硬質のフィルム状となり、親水
性がなく、柔軟性,ゴム弾性を発現しなかった。
(比較例3〜4) 実施例1において押圧力をそれぞれ3kg/cm2,20kg/cm2
とする他は実施例1と同様の方法でプレートを押圧し、
PVAt系多孔体の表面を加工した。
3kg/cm2で押圧したものは、緻密且つ良質な表面を形
成することができず、20kg/cm2で押圧したものは表面の
一部に亀裂やひびが入った。
(実施例4) 実施例1において、プレートを表面がポリテトラフル
オロエチレンによるフッ素樹脂加工したものを用いる他
は、実施例1と同様の方法で、PVAt系樹脂多孔体の表面
処理をした。
得られたPVAt系樹脂多孔体の表面は、実施例1と同様
に柔軟性,ゴム弾性及び親水性を有する緻密な構造のも
のであった。
(比較例5) 実施例1において、プレートの表面にシリコンオイル
を塗布しない他は、実施例1と同様の方法でPVAt系樹脂
多孔体の表面処理をしたところ、プレートがPVAt系樹脂
多孔体に接着し、うまく剥離されなった。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】含水率50重量%以下に乾燥せしめた硬化状
    態のポリビニルアセタール系樹脂多孔体の表面を、シリ
    コンオイル又はフッ素樹脂で被覆されたプレートで加熱
    加圧する表面処理方法において、前記プレートの表面温
    度が170〜280℃、押圧力が5〜15kg/cm2であることを特
    徴とするビニルアセタール系樹脂多孔体の表面処理方
    法。
JP33036489A 1989-12-19 1989-12-19 ポリビニルアセタール系樹脂多孔体の表面処理方法 Expired - Lifetime JP2744498B2 (ja)

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