JP2019195783A - 水蒸気改質触媒、及び水蒸気改質方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】アンモニアの生成を抑制することができる新規な水蒸気改質触媒を提供する。【解決手段】水蒸気改質触媒は、比表面積が60m2/g未満であり、アルミニウム、チタン、ケイ素、及びジルコニウムから選ばれる少なくとも1つの元素を含む無機酸化物担体に、触媒成分としてルテニウム及びコバルトが担持されており、窒素を含み、酸素を含んでいないか、又は酸素の含有量が酸素/炭素比として0.4未満である炭素数1〜5の炭化水素を改質する。【選択図】なし

Description

本発明は、水蒸気改質触媒、及び水蒸気改質方法に関する。
水蒸気改質触媒は、炭化水素含有ガスと水蒸気とを用いて水素を製造するための触媒であり、工業的な合成ガス(水素と一酸化炭素とを含む)の製造に利用されてきたが、近年、燃料電池で用いられる水素を製造するための触媒として注目されている。
F. Watanabe et al., Fuel Processing Technology, 2016, 152, p15 - 21.
このような水蒸気改質触媒として、ルテニウム(Ru)をアルミナに担持した触媒が知られているが、燃料電池に用いられる水素の原料となる都市ガスや天然ガスなどの炭化水素含有ガスが、窒素(N)を含む場合、窒素が触媒反応中に副生成物であるアンモニアへと変換される(非特許文献1)。
こうして副生したアンモニアによって、燃料電池のうち固体高分子型燃料電池(PEFC)では、その白金電極が被毒され、また、固体電解質型燃料電池(SОFC)では、そのシール部に使用されているガラス部材が腐食されるという問題がある。
このような点から、上述のような従来技術よりも、アンモニアの生成を抑制することができる新規な水蒸気改質触媒への要望がある。
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであって、アンモニアの生成を抑制することができる新規な水蒸気改質触媒を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明者らは鋭意検討した結果、以下の本発明に至った。
即ち、本発明の一態様に係る水蒸気改質触媒は、炭化水素含有ガスに含まれる炭素数1〜5の炭化水素を、水蒸気を用いて改質する水蒸気改質触媒であって、前記炭化水素含有ガスは、窒素を含み、酸素を含んでいないか、又は酸素の含有量が酸素/炭素比として0.4未満であり、前記水蒸気改質触媒は、比表面積が60m/g未満であり、アルミニウム、チタン、ケイ素、及びジルコニウムから選ばれる少なくとも1つの元素を含む無機酸化物担体に、触媒成分として、ルテニウム及びコバルトが担持されている。
本発明の一態様に係る水蒸気改質触媒は、前記触媒成分が、ルテニウム−コバルト合金を含んでいてもよい。
本発明の一態様に係る水蒸気改質触媒は、前記無機酸化物担体が、α−アルミナであることがより好ましい。
本発明の一態様に係る水蒸気改質触媒を用いて、炭化水素含有ガスに含まれる炭素数1〜5の炭化水素と水蒸気とから水素を製造する水蒸気改質方法も、本発明の範疇である。
本発明の一態様によれば、アンモニアの生成を抑制することができる新規な水蒸気改質触媒及び当該水蒸気改質触媒を用いた水蒸気改質方法を提供することができる。
<水蒸気改質触媒>
本発明の一態様に係る水蒸気改質触媒は、比表面積が60m/g未満であり、アルミニウム、チタン、ケイ素、及びジルコニウムから選ばれる少なくとも1つの元素を含む無機酸化物担体に、ルテニウム及びコバルトを含む触媒成分が担持されており、水蒸気を用いて炭素数が1〜5である炭化水素を改質する。ここで、改質の対象である炭素数が1〜5である炭化水素を含む炭化水素含有ガスには、窒素が含まれており、酸素は含まれていないか、又は酸素が含まれているとしても、当該酸素の含有量は酸素/炭素比として0.4未満である。
(無機酸化物担体)
一態様に係る水蒸気改質触媒に含まれる無機酸化物担体は、アルミニウム(Al)、チタン(Ti)、ケイ素(Si)、ジルコニウム(Zr)より選ばれる少なくとも1つの元素を含んでいる。すなわち、無機酸化物担体は、アルミナ(Al)、チタニア(TiO)、シリカ(SiO)、ジルコニア(Zr)より選ばれる1つの無機酸化物担体、又は2つ以上の無機酸化物担体の組み合わせであり得る。また、無機酸化物担体は、アルミナ(Al)、チタニア(TiO)、シリカ(SiO)、及びジルコニア(Zr)より選ばれる少なくとも1つの無機酸化物担体に、当該無機酸化物担体に由来するアルミニウム(Al)、チタン(Ti)、ケイ素(Si)、及びジルコニウム(Zr)より選ばれる少なくとも1つの元素が含まれる無機酸化物担体でもあり得る。無機酸化物担体は、アルミナ(Al)であることが好ましく、中でも耐熱性が高いという観点から無機酸化物担体は、α−アルミナであることが最も好ましい。
無機酸化物担体の比表面積は、60m/g未満であり、30m/g以下であることが好ましく、9m/g以下であることがより好ましく、5m/g以下であることがさらに好ましい。また、無機酸化物担体の比表面積は、0.3m/gよりも大きいことが好ましい。無機酸化物担体の比表面積が、0.3m/gよりも大きく、60m/g未満であることにより、水蒸気改質反応中に無機酸化物担体がシンタリングすることを防止することができ、触媒活性を好適に維持することができる。なお、比表面積は、窒素ガス吸着法(又は水銀圧入法)によって測定するとよい。
無機酸化物担体は、通常知られた各種の形状のものを用いることができ、粉末状のものを好適に用いることができる。担体は、細孔を有するものでもよく、細孔を有さないものでもよい。粉末状の無機酸化物担体は、粉末状のものをそのままを使用してもよいが、成型した形状がより好ましい。例えば、球状やペレット状、ハニカム状のものも使用可能であり、球状の成形体である場合、球状の成形体における直径の平均値は0.5〜30mmであることが好ましい。ここで、球状の成形体における直径の平均値は、例えば、当該成形体の電子顕微鏡写真に写る粒子の直径dの平均値として、以下の式(1)によって算出することができる。
直径の平均値:daverag=Σd/n …(1)
n=は直径dを測定した粒子の数である。
(触媒成分)
無機酸化物担体に担持される触媒成分は、少なくともルテニウム(Ru)、及びコバルト(Co)を含み、ここで、ルテニウム(Ru)とコバルト(Co)とは、無機酸化物担体の表面において、それぞれの成分が個別に金属結晶を形成していてもよく、ルテニウム―コバルト合金として担体に担持されていてもよい。
触媒成分として、無機酸化物担体に担持されているルテニウムとコバルトのモル比は80:20〜20:80の範囲内であることが好ましい。ルテニウムとコバルトとのモル比が80:20〜20:80の範囲内において、コバルトの比率が高いほど、炭化水素含有ガスに含まれる窒素からアンモニアが生成されることをより好適に防止することができ、また、ルテニウムの比率が高い程、水蒸気改質触媒の耐久性が向上する。なお、一態様に係る水蒸気改質触媒は、ルテニウムとコバルトとを併用することによって、例えば、ロジウム(Rh)、白金(Pt)等の高価な金属を使用せずとも、アンモニアの生成を抑制することができる。また、安価なコバルトを併用することによって、ルテニウムの含有量を低減することができる。すなわち、一態様に係る水蒸気改質触媒は、安価に製造することかできるという点において有益である。
なお、触媒成分には、ルテニウム(Ru)及びコバルト(Co)以外の成分が含まれていてもよく、このようなその他の成分には、例えば、銅(Cu)、亜鉛(Zn)、クロム(Cr)、モリブデン(Mo)、ニッケル(Ni)、及び、鉄(Fe)等が挙げられる。これら成分も、後述するようにルテニウム(Ru)及びコバルト(Co)と同様に無機酸化物担体に担持するとよい。触媒成分に含まれるその他の成分は、無機酸化物担体に含まれている上述の元素であってもよい。
水蒸気改質触媒の総質量を100質量%として、ルテニウムとコバルトとを含む触媒成分の含有量の合計は、0.01質量%以上30質量%以下の範囲内であり、0.1質量%以上10質量%以下の範囲内であることが好ましい。触媒成分の含有量を0.01質量%以上にすることで、水蒸気改質触媒としての効果をより好適に発現させることができる。また、触媒成分の含有量を30質量%以下にすることで、触媒成分が無機酸化物担体の表面上において凝集することを防止することができる。
(水蒸気改質触媒の製造方法)
本発明の一態様に係る水蒸気改質触媒は、無機酸化物担体に金属塩を担持し、当該無機酸化物担体を洗浄、乾燥し、さらに焼成することによって製造される。ここで、無機酸化物担体への金属塩の担持は、より具体的には含浸法によって行うことがより好ましい。また、洗浄はアルカリ洗浄、及び/又は、水洗によってなされ得る。金属塩は、ルテニウム(Ru)塩及びコバルト(Co)塩であり、これらの塩の水溶液を無機酸化物担体に供給することによって、無機酸化物担体に担持させる。なお、以下、本明細書中において、単に金属塩と記載されている場合、特に説明がない限り、金属塩とは、ルテニウム(Ru)塩及びコバルト(Co)塩の混合物のことを意味する。
ルテニウム(Ru)塩及びコバルト(Co)塩における対イオンは、有機酸に由来するイオン、無機酸に由来するイオンの両方を用いることができ、ルテニウム(Ru)及びコバルト(Co)のイオンと水溶性の塩を形成するものであることが好ましく、無機酸に由来するイオンであることがより好ましい。無機酸に由来するイオンとしては、硝酸イオン、亜硝酸イオン、硫酸イオン、亜硫酸イオン、炭酸イオン、リン酸イオン、塩化物イオンを例示することができ、中でも、硝酸イオン、塩化物イオンが好ましく、より好ましくは塩化物イオンである。
無機酸化物担体に金属塩の水溶液を供給した後、当該金属塩を担持した無機酸化物担体を、蒸留水、イオン交換水、もしくはアルカリ化合物の水溶液等にて洗浄する。ここで、好ましくはアルカリ水溶液であり、アルカリ水溶液には、例えば、アルカリ金属塩、水酸化カルシウム等のアルカリ土類金属塩、及びアミン化合物等のアルカリ化合物の水溶液を用いることができ、アルカリ金属塩を用いることがより好ましい。ここで、アルカリ金属塩には、水酸化ナトリウム、及び水酸化カリウム等を挙げることができ、水酸化ナトリウムであることがより好ましい。
アルカリ水溶液にて洗浄した場合、金属塩を担持した無機酸化物担体を、蒸留水、イオン交換水等によって水洗し、これにより、金属塩を担持した担体の表面に残留しているアルカリ化合物を除去する。水洗後、金属塩を担持した無機酸化物担体を、5℃以上300℃以下の範囲内の温度にて0.5〜48時間乾燥する。これによって、金属塩を担持した無機酸化物担体に含まれる水分を除去するとよい。
水分を除去した後、金属塩を担持した無機酸化物担体を、水素を含む雰囲気下、300〜1000℃の範囲内の温度にて、0.5〜48時間、焼成する。これによって、無機酸化物担体に担持された金属塩を還元し、ルテニウム及びコバルトを担持した水蒸気改質触媒を得る。
(水蒸気改質方法)
本発明の一態様に係る水蒸気改質触媒を用いた水蒸気改質反応も、本発明の範疇である。
水蒸気改質反応は、水蒸気改質触媒を固定床反応器に充填した状態にて、当該水蒸気改質触媒に炭化水素含有ガスと水蒸気とを流通させることにより行われる。水蒸気改質触媒は1種類、もしくは2種類以上を固定床反応器に充填することがきる。なお、本明細書中において、特に説明がない限り、混合ガスとは、炭化水素含有ガスと水蒸気とを混合した混合ガスのことを意味する。
本発明の水蒸気改質反応において、反応温度は通常1000℃以下であり、好ましくは300〜1000℃、より好ましくは400〜800℃である。反応温度を200〜1000℃の範囲内にすることにより、水蒸気改質反応の効率が低下することを防止することができ、無機酸化物担体に担持されている触媒成分の凝集、無機酸化物担体のシンタリング、及び水蒸気改質触媒を収容している反応容器に使用されている基材の熱劣化を防止することができる。なお、水蒸気改質反応において、水蒸気改質触媒に供給される混合ガスの圧力は、常圧(大気圧)であることが好ましい。
また、水蒸気改質反応において、混合ガスに含まれる炭化水素含有ガス中の炭素原子のモル数を炭素と表したとき、水(水蒸気)/炭素(モル比)は、水蒸気改質反応に用いられる炭化水素含有ガスの種類により適宜調整することができるが、1〜10の範囲内、より好ましくは2〜5の範囲内であり得る。また、水蒸気改質反応において、水蒸気改質触媒に供給される混合ガスのSV(空間速度)は、100〜50000h−1の範囲内であり、より好ましくは200〜30000h−1の範囲内であり得る。
(炭化水素含有ガス)
水蒸気改質触媒によって改質される炭化水素含有ガスに含まれる炭化水素としては、炭素数が1〜5の炭化水素である。炭化水素は、メタン、エタン、プロパン、ブタン及びペンタンから選択される何れか、又はこれら炭化水素の混合物であってもよい。
炭化水素含有ガスには、窒素(N)が含まれており、当該窒素の含有量は、限定されるものではないが、1〜5vol%程度の範囲内であり得る。このように窒素を含む炭化水素含有ガスを水蒸気改質反応に用いてもなお、当該窒素に由来するアンモニアの生成を、イオンクロマトグラフィーによって検出することができる限界値以下にまで抑制することができる。このため、水蒸気改質触媒を用いて改質した改質ガスにアンモニアが含まれることを防止し、当該アンモニアによって、固体高分子型燃料電池(PEFC)の電極に使用されている白金が被毒され、これにより発電効率が低下することを防止することができる。また、固体電解質型燃料電池(SОFC)においてもシール部に使用されているガラス部材が当該アンモニアにより腐食されることを抑制することができ、これにより固体電解質型燃料電池の耐久性を高めることができる。
また、炭化水素含有ガスが酸素(O)を含んでいる場合、炭化水素含有ガス中の炭素原子のモル数を炭素と表したとき、酸素(O)の含有量は、酸素/炭素比として0.4未満であるが、炭化水素含有ガスに含まれる酸素(O)の含有量は少ない方が好ましく、酸素(O)を含まないことがより好ましい。ここで、酸素/炭素比は、炭化水素含有ガスに含まれる酸素分子のモル数と炭化水素含有ガス中の炭素原子のモル数との比として示される。酸素/炭素比が0.4未満の炭化水素含有ガスを用いることによって、炭化水素含有ガス中の炭化水素の割合が小さくなることを防止し、水蒸気改質反応時における水素の生産性が低下することを防止することができる。なお、炭化水素含有ガスにおける、酸素/炭素比は、ガスクロマトグラフィー等によって測定することができる。
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
以下に本発明を実施例により説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
<BET比表面積測定>
測定装置:Macsorb HB1208(Mountech社製)
BET比表面積測定は、無機酸化物担体を窒素気流下、200℃、30分間処理して、窒素ガス吸着法により算出した。
<ICP発光分光分析条件>
測定装置:ICP発光分光分析装置 SPS3100(24HV)(エスアイアイ・ナノテクノロジー株式会社製)
触媒を粉砕し、120℃で一晩乾燥した後、アルカリ融解法によって溶液を作成し、ICP発光分光分析を行った。
<ガスクロマトグラフィー分析条件>
測定装置:GC8A(TCD)(島津社製)
カラム:MS−13X(ジーエルサイエンス社製)
カラム温度:50℃
<イオンクロマトグラフィー分析条件>
測定装置:ICS−1500(Thermo Fisher Scientific社製)
カラム:IonPac CG14 + CS14(Thermo Fisher Scientific社製)
カラム温度:30℃
溶離液:メタンスルホン酸
検出器:電気伝導度検出
〔実施例1〕
水蒸気改質触媒は含浸法を用いて合成した。まず、触媒成分としてルテニウムとコバルトとのモル比が50:50になるように、所定量の塩化ルテニウム、及び塩化コバルトを水に溶解させた溶液を調製し、水蒸気改質触媒の総質量を100質量%として、ルテニウムとコバルトの含有量が合計2質量%になるようにして、当該溶液を無機酸化物担体であるα−アルミナ(比表面積3m/g、球状、直径1〜3mmφ)に滴下し、真空乾燥させることによって触媒成分を担持した無機酸化物担体を得た。この触媒成分を担持した無機酸化物担体を5質量%の水酸化ナトリウムの水溶液、及びイオン交換水にて水洗し、さらに水分を除去した後に、110℃にて12時間乾燥した。続いて、触媒成分を担持した無機酸化物担体を水素雰囲気下、700℃にて、1時間焼成を行い、触媒Aを得た。得られた触媒にICP発光分光分析を行い、当該触媒Aの総質量に対して、α−アルミナに担持されているRuの量が1.36質量%であり、Coの含有量が0.77質量%であることを確認した。
〔実施例2〕
実施例1において、ルテニウムとコバルトとのモル比率が25:75になるように調製した溶液を用いた以外は実施例1と同様の方法によって触媒Bを得た。ICP発光分光分析の結果、得られた触媒Bの総質量に対して、α−アルミナに担持されているRuの量が0.83質量%であり、Coの量が1.30質量%であることを確認した。
〔比較例1〕
実施例1において、ルテニウムのみが含まれるように調製した溶液を使用した以外は、実施例1と同様の方法を用いて、触媒Cを得た。ICP発光分光分析により、得られた触媒Cの総質量に対して、Ruの量が1.96質量%であることを確認した。
実施例、及び比較例で合成した触媒をそれぞれ固定床反応器に充填し、炭化水素がメタンである炭化水素含有ガスを用いて、触媒を水素気流下、600℃、1時間、SV(空間速度)=6,000h−1の条件にて処理した後、水(水蒸気)/炭素=3(モル比)、常圧(大気圧)、反応温度600℃、SV=30,000h−1の条件にて水蒸気改質反応を行った。アンモニア生成評価は、触媒を水素気流下、600℃、1時間、SV=2,000h−1の条件にて処理した後、水/メタン/窒素=2.7/1/0.25(モル比)、常圧(大気圧)、反応温度700℃、SV=200h−1、反応時間1時間の条件にて行い、出口ガス中のアンモニアを5g/Lのホウ酸水溶液で捕集し、イオンクロマトグラフィーにてアンモニアの濃度を算出した。また、実施例、及び比較例で合成した触媒それぞれを用いた水蒸気改質反応におけるメタン転化率を算出した。
メタン転化率は、以下の式(2)より算出した。固定床反応器において、固定床反応器出口メタン流量は、反応中、水分分離後の全ガス流量と、ガスクロマトグラフィーによるメタン分析から算出した。また、固定床反応器入口メタン流量は、全ガス流量を100%メタンによるものとして算出した。
メタン転化率(%)=
[(固定床反応器入口のメタン流量−固定床反応器出口のメタン流量)÷固定床反応器入口のメタン流量]×100…(2)
上記水蒸気改質反応、及びアンモニア生成評価の結果を表2に示す。ルテニウム、及びコバルトを担持した触媒(実施例1、2)は、ルテニウムのみを担持した触媒(比較例1)に比べ、メタン転化率が同等、もしくはそれ以上にも関わらず、アンモニアの生成が抑制されていることがわかる(表2中、N.D.は検出下限以下を示す。)。
これらの結果から、本発明の水蒸気改質触媒及び水蒸気改質方法によれば、水蒸気改質反応中のアンモニアの生成を抑制することができることを確認でき、よって本発明の有用性を確認することができた。
本発明は、燃料電池に供給する水素を製造するための水蒸気改質触媒に利用することができる。

Claims (4)

  1. 炭化水素含有ガスに含まれる炭素数1〜5の炭化水素を、水蒸気を用いて改質する水蒸気改質触媒であって、
    前記炭化水素含有ガスは、窒素を含み、酸素を含んでいないか、又は酸素の含有量が酸素/炭素比として0.4未満であり、
    前記水蒸気改質触媒は、比表面積が60m/g未満であり、アルミニウム、チタン、ケイ素、及びジルコニウムから選ばれる少なくとも1つの元素を含む無機酸化物担体に、触媒成分として、ルテニウム及びコバルトが担持されていることを特徴とする水蒸気改質触媒。
  2. 前記触媒成分が、ルテニウム−コバルト合金を含むことを特徴とする請求項1に記載の水蒸気改質触媒。
  3. 前記無機酸化物担体が、α−アルミナである請求項1又は2に記載の水蒸気改質触媒。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載の水蒸気改質触媒を用いて、炭化水素含有ガスに含まれる炭素数1〜5の炭化水素と水蒸気とから水素を製造することを特徴とする水蒸気改質方法。
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