JP2743909B2 - ディジタル復調回路 - Google Patents

ディジタル復調回路

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JP2743909B2
JP2743909B2 JP8092195A JP9219596A JP2743909B2 JP 2743909 B2 JP2743909 B2 JP 2743909B2 JP 8092195 A JP8092195 A JP 8092195A JP 9219596 A JP9219596 A JP 9219596A JP 2743909 B2 JP2743909 B2 JP 2743909B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はディジタル復調回路
に係り、特に周波数多重された複数のキャリアを復調す
る、1つのディジタル・シグナル・プロセッサ(DS
P)で構成されたディジタル復調回路に関する。
【0002】
【従来の技術】周波数多元接続(FDMA:Frequency
Division Multiple Access)方式による通信において
は、受信された周波数多重された複数のキャリア、ある
いは時分割多元接続(TDMA:Time Division Multip
le Access)方式により時分割多重されたキャリアが、
周波数多重された複数のキャリアをディジタル処理回路
により復調するディジタル復調回路として、従来より図
6のブロック図に示す如き構成が知られている。
【0003】この従来のディジタル復調回路は、周波数
多重された複数のキャリアのそれぞれに対して設けら
れ、受信された後中間周波数(IF)に変換されたIF
信号がハイブリッド1により2分岐されてそれぞれ周波
数変換器2a、2bに供給され、ここでπ/2移相器3
を用いて互いにπ/2位相の異なるようにされた局部発
振周波数と周波数変換されてベースバンドの信号に変換
される。この周波数変換器2a、2bの出力信号は低域
フィルタ(LPF)4a、4bで高域周波数成分が除去
された後、A/D変換器5a、5bによりディジタル信
号に変換されてから、ベースバンドディジタル復調回路
6に供給されて復調される。
【0004】しかしながら、上記の従来のディジタル復
調回路では、各キャリアのそれぞれに対して準同期処理
やLPF演算処理を行うため、キャリア数が多くなる
と、装置全体が大型化し、かつ、重量も重くなり、消費
電力も大幅に増加する。
【0005】そこで、複数の周波数多重キャリアを復調
するディジタル復調回路として、小型・軽量化、低消費
電力化を図るため、一括して準同期を行い、ディジタル
信号処理技術である高速フーリエ変換(FFT:Fast F
ourier Transform)技術を用いて一括分波するディジタ
ル復調回路が例えば1988年発行の「インターナショ
ナル・ジャーナル・オブ・サテライト・コミュニケーシ
ョンズ」という文献(F.TAKAHASHI et.al.,"A PSK GROU
P MODEM BASED ON DIGITAL SIGNAL PROCESSING:ALGORIT
HM,HARDWARE DESIGN,IMPLEMENTATION AND PERFORMANC
E",INTERNATIONALJOURNAL OF SATELLITE COMMUNICATION
S,VOL.6,p.253-266(1988))に開示されている。
【0006】図7は上記の文献記載の従来のディジタル
復調回路の一例のブロック図を示す。同図において、受
信された後中間周波数(IF)に変換されたIF信号が
ハイブリッド11により2分岐されてそれぞれ周波数変
換器12a、12bに供給され、ここでπ/2移相器1
3を用いて互いにπ/2位相の異なるようにされた局部
発振周波数と周波数変換されてベースバンドの信号に変
換される。この周波数変換器12a、12bの出力信号
は低域フィルタ(LPF)14a、14bで高域周波数
成分が除去された後、A/D変換器15a、15bによ
りディジタル信号に変換される。
【0007】以上の構成の準同期回路内のA/D変換器
15a、15bの出力ディジタル信号は、サブフィルタ
16及びFFT演算回路17をそれぞれ経て一括分波さ
れ、各キャリア毎、実数部サンプリングデータと虚数部
サンプリングデータとに変換された後、ベースバンドデ
ィジタル復調回路18に供給され、各キャリア単位で個
別に復調される。
【0008】この従来のディジタル復調回路によれば、
単一の局部発振周波数により一括して準同期を行うよう
にしており、局部発振周波数を複数個持つ必要がなく、
また、調整が面倒な準同期回路(アナログ回路)を各キ
ャリア単位で用意する必要がなく、小型・軽量化、低消
費電力化が図れる。この従来のディジタル復調回路によ
る復調方式は、一般に「一括分波−個別復調方式」と呼
ばれる。
【0009】なお、複数の、ある演算処理を時分割で行
うことは公知の技術であるが、その技術は図8(A)〜
(C)に模式的に示すように、それぞれ決められた演算
処理を、図8(D)に示すように、ある決められた均一
時間間隔で処理を行うことができる個別処理を如何に効
率的に時分割処理できるかという技術であり、たとえ均
一演算数の繰り返しでも、図9(A)〜(C)に模式的
に示すように、クロック周波数誤差、変動等などの原因
により、それぞれ1回分の処理時間が異なるときには、
従来は図9(D)に示すように、ある決められた時間間
隔で時分割処理を行うことができない(各キャリア毎
に、独立して処理時間間隔を適宜補正することが要求さ
れる。)。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】一世代前のDSPでは
処理能力的に乏しいものが多く、また、動作クロック周
波数も数MHzからせいぜい10MHz程度のものであ
ったため、1つのDSPでは大した処理を行うことがで
きなかった。しかしながら、近年の技術の進歩発展によ
り、演算能力的には100kbps以上の(単一)キャ
リアのベースバンド復調処理も可能な、高速で高機能の
DSPが登場してきた。
【0011】また、近年、ディジタル音声信号処理技術
の進歩により、わずか数kbpsで音声伝送を行うこと
ができるようになり、低レートマルチキャリアの移動体
通信が急速に普及し始めている。更に、移動体通信は、
よりグローバルな通信の要望により、衛星を利用した移
動体通信へと発展の兆しがある。多数の複数キャリアを
復調し、交換制御を行う場合でも、陸上移動体通信の基
地局のような場合では、多少規模の大きなものでの問題
ではないが、この交換機の衛星搭載を考えたとき、複数
のキャリアの一括復調回路の小型化、低消費電力化は、
必須の技術課題である。このため、数kbps〜数十k
bps程度のクロック速度のキャリアの一括復調処理
は、非常に重要な処理技術といえる。
【0012】DSPが上記のように高速・高機能化した
ものの、異なるクロック周波数、あるいはクロック周波
数誤差が存在する複数のキャリアを時分割で復調処理を
行おうとすると、各キャリア毎に独立して処理時間間隔
を適宜補正する必要があり、時分割処理においては、こ
のことが以下の理由により問題点として挙げられる。
【0013】すなわち、各キャリアを受信したとき、送
信されてきた各キャリアのクロック周波数がすべて全く
同一で、受信復調側と同期がとれている場合では、復調
回路は、図10(A)、(C)、(E)に示すクロック
の周期間隔で同図(B)、(D)、(F)に模式的に示
すように各キャリアの1シンボル分を復調すればよく
(再生クロックが各キャリア毎独立ではなく単一)、そ
の場合、高速でDSPを動作させることができれば、例
えば同図(G)に示す各キャリア共通の復調クロック
で、同図(H)に模式的に示すように各キャリアの1シ
ンボルの復調に必要な処理を、時間的に割り当てること
が容易である。
【0014】ところが、送信されてきた各キャリアのク
ロック周波数は実際には完全に一致しているようなこと
はなく、また受信復調側でマスタークロックから分周し
たクロックとは同期がとれていないのが普通である。こ
のように微妙に各キャリアの送信クロック周波数がずれ
ている、若しくは異なっている場合、各キャリアに対す
る復調クロックは、図11(A)、(C)、(E)に示
すように独立したものが必要で、各キャリア毎に個別に
同図(B)、(D)、(F)に模式的に示すように1シ
ンボル毎に復調処理する必要があり、時分割で等間隔
に、各キャリアの復調演算処理結果を並べることは同図
(G)に示すように不可能である。
【0015】例えば、送信クロック周波数がS[kbp
s]であるキャリアが、移動体からの送信であったた
め、ドップラーシフトにより受信復調時のキャリアクロ
ック周波数が、あるときはS+α[kbps]になった
り、またあるときはS+β[kbps]になったり
(S,α,βはいずれも任意の値)変動し、これが他の
キャリアにおいても同様のことがいえる場合、もはや1
つの復調クロック周波数で管理できず、時分割で等間隔
に、各キャリアの復調演算処理結果を並べることは不可
能である。
【0016】パケット通信やTDMAのようなバースト
通信では、一般に1バーストの時間が短いため、送受信
のマスタークロックの精度が高ければ、受信時の各キャ
リアの送信クロック周波数と受信復調側で用意したクロ
ック周波数誤差による累積位相誤差が1シンボル以内で
収まり、復調クロック周波数補正を行わなくても復調ク
ロック位相補正処理のみで最終ビットまで正常に復調で
きる場合も考えられる。この場合、図10に示した時分
割処理でも複数キャリア復調処理は可能である。
【0017】しかし、連続信号処理のように長時間の連
続復調処理が要求される場合、あるいは、明らかに周波
数誤差が存在するような場合は、図10に示した時分割
処理では、復調データにおいて、ビットのダブり、ビッ
ト欠けが生じる。
【0018】本発明は以上の点に鑑みなされたもので、
クロック周波数誤差、位相誤差をもち、更にはクロック
周波数の違う複数のキャリアを1つのDSPで効率的に
ベースバンド復調処理することができるディジタル復調
回路を提供することを目的とする。
【0019】また、本発明の他の目的は、小型・軽量
化、低消費電力化可能なディジタル復調回路を提供する
ことにある。
【0020】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
め、n本のキャリアが周波数分割多重された周波数多重
キャリアを準同期処理して、ベースバンドのディジタル
信号を出力する準同期回路と、準同期回路からのディジ
タル信号をフーリエ変換演算して複数のキャリア毎の実
数部と虚数部のサンプリングデータを出力する演算手段
と、演算手段から出力されたサンプリングデータを入力
信号として受け、キャリア同期処理及びクロック同期処
理を行い、各キャリアの復調クロックに基づいてnキャ
リア分のディジタル復調処理を行う単一のディジタル・
シグナル・プロセッサとを有し、ディジタル・シグナル
・プロセッサは、1つのキャリアの復調処理に必要な1
演算処理を基本処理単位としたとき、この基本処理単位
1個の演算処理をn本のキャリアの入力サンプリングデ
ータそれぞれに対して順次巡回的に行うことを繰り返
し、復調クロックの一周期内においては各キャリアの入
力サンプリングデータの基本処理単位がn個おきに繰り
返し存在し、かつ、全部でm個の基本処理単位が存在す
るように動作し、全部で(m−1)個の基本処理単位で
1つのキャリアの1シンボルの復調処理を行うと共に、
各キャリア毎の復調クロック周波数を、送信された各キ
ャリアが持つクロック周波数との差に応じて補正するよ
う構成したものである。
【0021】この発明では、ディジタル・シグナル・プ
ロセッサ(DSP)の演算の特徴である複数ステップ
(例えば、演算を行うデータをメモリからレジスタに
移動、四則演算、論理演算等の演算を実施、演算結
果をレジスタからメモリに移動、の計3つのステップ)
で1演算処理という一般的特徴を利用し、この1演算処
理を基本処理単位とし、復調処理を行うキャリア数だけ
繰り返す。
【0022】一般的には、演算手段から出力される複数
のキャリア毎の実数部と虚数部のサンプリングデータに
対してベースバンド復調処理にあたり、キャリア同期処
理、クロック同期処理を行う同期検波方式の復調処理を
DSPで行う場合、80〜1000ステップ程度、同じ
くサンプリングされたデータに対し遅延検波、クロック
同期処理を行う方式では、同期検波の半分程度のステッ
プ数でDSPでディジタル復調処理することができる。
【0023】ここで、本発明におけるDSPは、1つの
キャリアの復調処理に必要な1演算処理を基本処理単位
としたとき、(m−1)個の基本処理単位で1つのキャ
リアの1シンボルの復調処理を行うことができる場合、
この基本処理単位1個の演算処理をn本のキャリアの入
力サンプリングデータそれぞれに対して順次巡回的に行
うことを繰り返して、全部で(m−1)個の基本処理単
位で1つのキャリアの1シンボルの復調処理を行う。
【0024】つまり、図4に模式的に示すように、DS
Pは基本処理単位が3ステップであるときには、まず第
1番目のキャリアのサンプリングデータに対して左下が
りの斜線で示すように3ステップの最初の1個の基本処
理単位の演算を行った後、続いて第2番目のキャリアの
サンプリングデータに対してクロスハッチングで示すよ
うに3ステップの最初の1個の基本処理単位の演算を行
い、以下同様にして第n番目のキャリアのサンプリング
データに対して網目で示すように3ステップの最初の1
個の基本処理単位の演算を行い、更に続いて第1番目の
キャリアのサンプリングデータに対して左下がりの斜線
で示すように3ステップの2回目の1個の基本処理単位
の演算を行う。以下同様の動作を繰り返す。そして、全
部で(m−1)個の基本処理単位で1つのキャリアの1
シンボルの復調処理が終了する。
【0025】換言すると、あるキャリアの復調処理に着
目した場合、DSPは復調クロックの一周期内において
は各キャリアの入力サンプリングデータの基本処理単位
がn個おきに1個ずつ繰り返し存在し、かつ、全部でm
個の基本処理単位が存在するように動作する。これによ
り、各キャリアの復調クロックのそれぞれの一周期内に
おいて(m−1)個以上の基本処理単位が存在するの
で、各キャリアを復調することができる。
【0026】また、本発明では、DSPが通常基本処理
単位m個(1個は予備)で1シンボルの復調を行うとこ
ろ、各キャリア毎の復調クロック周波数と送信された各
キャリアが持つクロック周波数との差に応じて(m−
1)個あるいは(m+1)個の基本処理単位を用いて復
調処理を行うことにより、各キャリアに対する復調クロ
ック周波数の補正を行う。
【0027】ここで、本来基本処理単位m個で1シンボ
ルの復調処理するところ、(m−1)個あるいは(m+
1)個の基本処理単位を用いて復調処理を行っても、あ
くまで、そのキャリアに割り当てられた演算機会をいつ
もよりも多く(あるいは少なく)用い、そのキャリアの
次のシンボルの復調処理に取りかかるのが遅く(あるい
は早く)なるかの違いだけであるから、このことはまさ
にクロック周波数の補正処理である。
【0028】この基本処理単位の演算機会においては、
いかなる演算を行っても、また演算を行わずアイドル状
態としても、他のキャリアの復調に対して何ら影響を与
えることはない。ちなみに、基本処理単位1個分の補正
量(時間)は、 (DSPのシステムクロック周波数)-1×S×n[s] である。ただし、Sは前記基本処理単位の演算処理ステ
ップ数である。なお、クロック周波数補正量は上記の場
合、±1の基本処理単位分であるが、必要に応じ、基本
処理単位で±1、±2の補正を行う必要がある場合は、
復調クロック周期時間内に(m+1)個の基本処理単位
(予備2個)存在するように、DSPのシステムクロッ
ク周波数(動作クロック周波数)を設定すればよい。
【0029】なお、各キャリア間のクロック周波数が、
誤差程度の違いではない場合においても(例えば、クロ
ック周波数が2倍以上の違いがある複数のキャリアの復
調の場合でも)、1つのDSPで処理するキャリアの中
でクロック周波数が最高の(クロックレートが最速の)
クロック周波数を基本とし、そのクロック周期時間内
に、各キャリアの処理の基本処理動作がm個以上存在す
るようにDSPの動作クロック周波数を選択する。
【0030】この場合も、図5(A)に模式的に示すよ
うに、あるキャリアの復調処理に着目した場合、DSP
は復調クロックの一周期内においては各キャリアの入力
サンプリングデータの基本処理単位がn個おきに1個ず
つ繰り返し存在し、かつ、全部でm個の基本処理単位が
存在するように動作する。これにより、各キャリアの復
調クロックのそれぞれの一周期内において(m−1)個
以上の基本処理単位が存在するので、各キャリアを復調
することができる。
【0031】この場合、低いクロック周波数のキャリア
の復調処理において、自分のクロック周期期間内で(m
+1)以降の余った基本処理単位は演算を行わずアイド
ル状態とする。なお、図5(B)は同図(A)に左下が
りの斜線で示した基本単位のキャリアの復調クロック、
同図(C)は同図(A)にクロスハッチングで示した基
本単位のキャリアの復調クロックである。
【0032】
【発明の実施の形態】次に、本発明の実施の形態につい
て図面と共に説明する。図1は本発明になるディジタル
復調回路の一実施の形態のブロック図を示す。同図中、
図7と同一構成部分には同一符号を付してある。図1に
示す実施の形態は、準同期回路20、サブフィルタ1
6、FFT演算回路17及び1つの複数キャリア時分割
復調DSP21から構成されている。
【0033】図1において、例えば位相変調方式(PS
K)などの所定のディジタル変調方式でそれぞれ変調さ
れている複数のキャリアからなる周波数分割多重信号
(周波数多重キャリア)は受信された後中間周波数(I
F)に変換されIF信号とされ、このIF信号が準同期
回路20に入力されて準同期処理される。
【0034】この準同期回路は、入力IF信号を2分岐
するハイブリッド11と、IF信号を単一の局部発振周
波数と周波数変換する周波数変換器12a、12bと、
局部発振周波数が入力されるπ/2移相器13と、周波
数変換器12a、12bからの信号の不要高域周波数成
分を除去する低域フィルタ(LPF)14a、14b
と、LPF14a、14bからのベースバンド信号をデ
ィジタル信号に変換するA/D変換器15a、15bと
から構成され、従来と同様の回路構成である。
【0035】この実施の形態の動作について説明する
に、準同期回路20内のA/D変換器15a、15bの
出力ディジタル信号は、サブフィルタ16及びFFT演
算回路17をそれぞれ経て一括分波され、各キャリア
毎、実数部サンプリングデータと虚数部サンプリングデ
ータとに変換された後、複数キャリア時分割復調DSP
21に供給される。なお、クロック周波数が異なるキャ
リアの復調の場合、各キャリア個別に準同期回路20を
用意し、各々のその出力が各実数部サンプリングデータ
と虚数部サンプリングデータとなる。
【0036】複数キャリア時分割復調DSP21は、準
同期処理された実数部サンプリングデータと虚数部サン
プリングデータ(通常データクロックレートの4倍程
度)に対して、同期検波、遅延検波等のキャリア同期処
理、及びクロック同期処理により時分割復調処理を行
う。
【0037】この複数キャリア時分割復調DSP21に
よる時分割復調処理は、第1キャリアから第nキャリア
までのn本のキャリアの一括復調処理であって、1つの
キャリアのベースバンド復調処理を、演算を行うデー
タをメモリからレジスタに移動、四則演算、論理演算
等の演算を実施、演算結果をレジスタからメモリに移
動、の計3つのステップの1演算処理で行うという一般
的特徴を利用し、この3ステップを基本処理単位とし、
復調処理を行うキャリア数だけ繰り返す。
【0038】ここで、n本のキャリアのそれぞれのクロ
ックレートをa[bps](周波数誤差を許容)とする
と、1つのキャリアのベースバンド復調処理を、上記の
「3ステップ1演算処理」の基本処理単位で、(m−
1)個(すなわち、3×(m−1)ステップ)実行する
ことで1シンボルの処理をする。
【0039】この場合、複数キャリア時分割復調DSP
21のシステムクロック周波数(動作クロック周波数)
CLKは、 CLK=n[キャリア]×a[bps]×(3×m)
[ステップ] とする。この場合の、DSP処理ステップのタイムチャ
ートを図2に示す。1キャリアあたりの処理の基本処理
単位(1まとまりの3ステップ)は、図2(B)に示す
クロックの1周期(=1/a[s])あたり同図(A)
に示すようにm個存在する。
【0040】また、その基本処理単位は、図2(A)に
示すようにn個のキャリア分整然と並べられた(時分割
多重された)単位で繰り返される。つまり、あるキャリ
アの復調処理に着目すると、そのキャリアの復調処理を
行う基本処理単位は、n個おきに繰り返し存在する。そ
して、基本処理単位(m−1)個以内で1シンボルの復
調処理が行われる。
【0041】また、複数キャリア時分割復調DSP21
は、n本のキャリアのクロックレートが異なる場合、ク
ロックレートをak[bps](ただし、k=1,
2,...,n)とし、そのうちの最大値をamax[b
ps]とすると(amax=MAX{a 1,a2,...,
n})、1つのキャリアのベースバンド復調処理を、
上記の「3ステップ1演算処理」の基本処理単位で、
(m−1)個(すなわち、3×(m−1)ステップ)実
行することで1シンボルの処理をする。
【0042】この場合、複数キャリア時分割復調DSP
21のシステムクロック周波数CLKは、 CLK=n[キャリア]×amax[bps]×(3×
m)[ステップ] とする。なお、この場合、システムクロック周波数CL
Kはすべてのak(k=1,2,...,n)の公倍数
であることが望ましい。公倍数でない場合、クロックジ
ッタにより、ビットエラーレート(BER)が多少劣化
するからである。
【0043】図3はこの場合のDSP処理ステップのタ
イムチャートを示す。1キャリアあたりの処理の基本処
理単位(1まとまりの3ステップ)は、図3(B)に示
すn本のキャリアの復調クロックの周期1/ak[s]
(ただし、k=1,2,...,n)の中で、最も周期
が短い1/amax[s]である復調クロック、同図
(C)に示すそれ以外のある復調クロックのそれぞれに
おいて、復調クロックの1周期(=1/ak[s])あ
たり同図(A)に示すようにm個以上存在する。
【0044】また、その基本処理単位は、図3(A)に
示すようにn個のキャリア分整然と並べられた(時分割
多重された)単位で繰り返される。つまり、あるキャリ
アの復調処理に着目すると、そのキャリアの復調処理を
行う基本処理単位は、n個おきに繰り返し存在する。そ
して、基本処理単位(m−1)個以内で1シンボルの復
調処理が行われる。
【0045】次に、1つのDSP21において、nチャ
ネル(キャリア)の時分割復調をする場合について説明
する。DSP21はあるキャリアに着目し(このキャリ
アをキャリアkとする)、そのキャリアkの復調処理に
おけるクロック同期処理において、復調クロック周波数
が送信されたキャリアkの持つクロック周波数より高い
(早い)と判断したとき、今回のシンボルの復調処理が
(m−1)個の基本処理単位で処理が終了していても、
次のキャリアkのm個目の基本処理単位及び更に次のキ
ャリアkの次のシンボルの1個目の基本処理単位もアイ
ドル状態とし、更にその次のキャリアkに割り当てられ
た次のシンボルの2個目の基本処理単位になって初めて
キャリアkの次のシンボルの復調処理に取りかかる。こ
のことにより、復調クロックを一時的に遅らせ、位相誤
差、周波数誤差を打ち消す処理を行うことができる。
【0046】逆に、DSP21は復調クロック周波数が
送信されたキャリアkの持つクロック周波数よりも低い
(遅い)と判断したとき、(m−1)個の基本処理単位
で処理が終了し、次のキャリアkのm個目の基本処理単
位となったとき、アイドル状態とせず、すぐにキャリア
kの次のシンボルの復調処理に取りかかる(1個目の基
本処理単位の演算処理を行う)。このことにより、復調
クロックを一時的に進め、位相誤差、周波数誤差を打ち
消す処理を行うことができる。
【0047】このように、1つのキャリアの復調処理に
おいて、再生クロック補正処理を行っても、そのキャリ
アに割り当てられた基本処理単位の演算機会が増減する
だけであり、他のキャリアの復調処理に何ら影響するこ
となく、完全に独立した演算処理を行うことができる。
【0048】なお、各キャリアのクロック周波数が異な
る場合、前記したように各キャリアの最もクロック周波
数の高いクロックを基準にして、DSPの動作クロック
周波数を決定するため、その結果、他のクロック周波数
の低いキャリアの場合、そのクロック周期にはm個以上
の基本処理単位が存在することになるが、余った処理時
間(基本処理単位)はアイドル状態とすればよく、それ
以外、上記処理方法と全く同一である。
【0049】また、±1の基本処理単位でのクロック周
波数補正の場合を例に挙げたが、前記したように、必要
に応じてDSP動作クロック周波数を適当に選択するこ
とにより±2以上の基本処理単位での補正も容易に可能
となる。
【0050】また、以上の実施の形態では基本処理単位
を3ステップとして説明したが、使用するDSPの性質
により、4ステップあるいは2ステップの方が適当とい
う場合は、その値を3ステップの代わりに当てはめれば
よい。
【0051】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
各キャリア復調処理を1シンボル単位で時分割的に並べ
て処理するのではなく、DSPでの復調処理の基本処理
単位毎に復調処理をする複数のキャリアのデータに対し
て順次巡回的に行うことにより、他のキャリアに対して
影響を与えることなく独立して各キャリア毎に復調処理
ができ、また、各キャリアに割り当てられた基本処理単
位において復調クロック周波数とそのキャリアが持つク
ロック周波数との差に応じて1シンボルの復調に割り当
てる基本処理単位の数を増減することにより、復調クロ
ックの位相誤差及び周波数誤差を補正することができ
る。
【0052】このため、本発明によれば、周波数多重さ
れた複数のキャリアが、クロック周波数誤差、位相誤差
を持ち、更には各キャリア周波数のクロック周波数が異
なる場合においても、1つのDSPで複数のキャリアを
時分割復調処理することができ、これにより、複数キャ
リアの復調が要求される復調回路の小型・軽量化、低消
費電力化、回路・装置構成の簡易化を実現することがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態のブロック図である。
【図2】図1のDSPの各クロックレート共通の場合の
複数キャリアの復調処理説明用タイムチャートである。
【図3】図1のDSPの各クロックレートが異なる場合
の複数キャリアの復調処理説明用タイムチャートであ
る。
【図4】本発明の基本処理単位時分割処理説明図であ
る。
【図5】本発明の各キャリアのクロックレートが異なる
場合の基本処理単位時分割処理説明図である。
【図6】従来回路の一例のブロック図である。
【図7】従来回路の他の例のブロック図である。
【図8】従来の時分割処理説明図である。
【図9】従来の時分割処理方法では処理が困難な例を示
す図である。
【図10】単純な時分割処理の説明図である。
【図11】クロック周波数誤差・変動が存在する場合の
時分割処理説明図である。
【符号の説明】
11 ハイブリッド 12a、12b 周波数変換器 13 π/2移相器 14a、14b 低域フィルタ(LPF) 15a、15b A/D変換器 16 サブフィルタ 17 FFT演算回路 20 準同期回路 21 複数キャリア時分割復調DSP(ディジタル・シ
グナル・プロセッサ)

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 n本のキャリアが周波数分割多重された
    周波数多重キャリアを準同期処理して、ベースバンドの
    ディジタル信号を出力する準同期回路と、 前記準同期回路からのディジタル信号をフーリエ変換演
    算して前記複数のキャリア毎の実数部と虚数部のサンプ
    リングデータを出力する演算手段と、 前記演算手段から出力された前記サンプリングデータを
    入力信号として受け、キャリア同期処理及びクロック同
    期処理を行い、各キャリアの復調クロックに基づいてn
    キャリア分のディジタル復調処理を行う単一のディジタ
    ル・シグナル・プロセッサとを有し、前記ディジタル・
    シグナル・プロセッサは、1つのキャリアの復調処理に
    必要な1演算処理を基本処理単位としたとき、この基本
    処理単位1個の演算処理を前記n本のキャリアの入力サ
    ンプリングデータそれぞれに対して順次巡回的に行うこ
    とを繰り返し、前記復調クロックの一周期内においては
    各キャリアの入力サンプリングデータの前記基本処理単
    位がn個おきに繰り返し存在し、かつ、全部でm個の基
    本処理単位が存在するように動作し、全部で(m−1)
    個の基本処理単位で1つのキャリアの1シンボルの復調
    処理を行うと共に、各キャリア毎の前記復調クロック周
    波数を、送信された各キャリアが持つクロック周波数と
    の差に応じて補正することを特徴とするディジタル復調
    回路。
  2. 【請求項2】 前記ディジタル・シグナル・プロセッサ
    は、前記n本のキャリアのそれぞれの復調クロックの周
    期が1/a[s]で同一であるとき、n×a×S[H
    z](ただし、Sは前記基本処理単位の演算処理ステッ
    プ数)のシステムクロック周波数で動作することを特徴
    とする請求項1記載のディジタル復調回路。
  3. 【請求項3】 前記ディジタル・シグナル・プロセッサ
    は、前記n本のキャリアのそれぞれの復調クロックの周
    期が1/ak[s](ただし、k=1,2,...,
    n)で互いに異なるとき、n×amax×S[Hz](た
    だし、amaxはakの最大値、Sは前記基本処理単位の演
    算処理ステップ数)のシステムクロック周波数で動作す
    ることを特徴とする請求項1記載のディジタル復調回
    路。
  4. 【請求項4】 前記ディジタル・シグナル・プロセッサ
    は、前記クロック同期処理において前記各キャリア毎の
    復調クロック周波数が、送信された各キャリアのうち対
    応するキャリアが持つクロック周波数より高いときに
    は、(m−1)個の基本処理単位で1シンボルの復調処
    理後少なくとも対応するキャリアの次のm個目の基本処
    理単位と更にその次のシンボルの1個目の基本処理単位
    はアイドル状態とし、前記復調クロック周波数が、送信
    された各キャリアのうち対応するキャリアが持つクロッ
    ク周波数より低いときには、(m−1)個の基本処理単
    位で1シンボルの復調処理後対応するキャリアのm個目
    の基本処理単位から次のシンボルの演算処理を開始する
    ことを特徴とする請求項1乃至3のうちいずれか一項記
    載のディジタル復調回路。
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