JP4012094B2 - 受信機 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、複数のキャリア信号を受信する受信機に関し、複数のキャリア信号についてのA/D(Analog to Digital)変換処理の構成を簡易化した受信機に関する。
【0002】
【従来の技術】
例えば、W(Wideband)−CDMA(Code Division Multiple Access)方式やcdma2000方式などのCDMA方式を採用する基地局装置などでは、複数のキャリア信号を受信して、それぞれのキャリア信号に対して復調処理などを実行することが行われている。
従来において、このようなマルチキャリア方式を採用する受信機では、それぞれのキャリア信号の周波数毎に復調を行う方式(周波数分割方式)が用いられていた。
【0003】
従来技術の一例として、従来では、CDMA無線基地局において、それぞれのキャリア信号毎に復調処理が行われており、具体的には、複数の異なる周波数のキャリア及び複数の異なる拡散符号を用いたCDMA方式の無線信号を受信して、無線処理部により受信信号をキャリア毎に増幅し、複数のベースバンド処理部によりキャリア毎の信号を逆拡散することが行われている(例えば、特許文献1参照。)。
【0004】
【特許文献1】
特開2000−236282号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記のようにキャリア信号毎に復調を行う方式では、それぞれのキャリア周波数毎にデジタル信号処理部が備えられていたため、ハードウエアの容積やコストが大きくなってしまうといった不具合があった。
【0006】
例えば、4つのキャリアが用いられて2つのブランチのダイバーシティが行われる場合には、キャリア周波数毎にデジタル信号処理部を備えると、それぞれのブランチにおいてA/D変換器(Analog to Digital Converter)が4個必要となってしまう。また、それぞれのブランチでは、4個のA/D変換器に対してクロック(CLK)を分配するためのクロックドライバが必要となってしまい、更には、各A/D変換器に付随する直交検波部も4個必要となってしまい、デジタル信号処理部の回路規模やコストが大きくなってしまう。
【0007】
本発明は、このような従来の課題を解決するために為されたもので、複数のキャリア信号についてのA/D変換処理の構成を簡易化することができる受信機を提供することを目的とする。
更に具体的には、本発明は、複数のキャリア信号をデジタル処理する構成において、ハードウエアの容積やコストを効率化することができる受信機を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明に係る受信機では、それぞれ異なる搬送波周波数を有する複数のキャリア信号を受信するに際して、次のような構成により、受信信号を処理する。
すなわち、それぞれのキャリア信号毎に、キャリア信号抽出手段と、キャリア信号レベル調整手段を備える。それぞれのキャリア信号に対応するキャリア信号抽出手段は、受信信号に含まれるそれぞれのキャリア信号を抽出する。それぞれのキャリア信号に対応するキャリア信号レベル調整手段は、一例として、それぞれのキャリア信号に対応するキャリア信号抽出手段の前段において、それぞれのキャリア信号に対応するキャリア信号抽出手段により抽出されるそれぞれのキャリア信号のレベルを調整する。又は、それぞれのキャリア信号に対応するキャリア信号レベル調整手段は、他の例として、それぞれのキャリア信号に対応するキャリア信号抽出手段の後段において、それぞれのキャリア信号に対応するキャリア信号抽出手段により抽出されたそれぞれのキャリア信号のレベルを調整する。
【0009】
また、複数のキャリア信号に対して共通に、キャリア信号抽出手段とキャリア信号レベル調整手段との組み合わせの後段において、キャリア信号A/D変換手段を備える。キャリア信号A/D変換手段は、それぞれのキャリア信号に対応するキャリア信号レベル調整手段によりレベルが調整された複数のキャリア信号をまとめてアナログ信号からデジタル信号へ変換する。
【0010】
また、複数のキャリア信号に対して共通に、又は、それぞれのキャリア信号毎に、デジタル処理手段を備える。複数のキャリア信号に対して共通にデジタル処理手段を備える場合、デジタル処理手段は、キャリア信号A/D変換手段により得られるデジタル信号に基づいて、それぞれのキャリア信号についてのデジタル処理を、例えば時分割で、行う。それぞれのキャリア信号毎にデジタル処理手段を備える場合、それぞれのキャリア信号に対応するデジタル処理手段は、キャリア信号A/D変換手段により得られるデジタル信号に基づいて、それぞれのキャリア信号についてのデジタル処理を行う。
【0011】
従って、それぞれのキャリア信号毎にレベルを調整して、複数のキャリア信号をまとめてA/D変換処理する構成であるため、複数のキャリア信号についてのA/D変換処理の構成を簡易化することができ、これにより、複数のキャリア信号をデジタル処理するためのハードウエアの容積やコストを効率化することができる。
【0012】
また、複数のキャリア信号に対して共通にデジタル処理手段を備える構成では、更に、複数のキャリア信号についてのデジタル処理の構成を簡易化することができ、これにより、更に、複数のキャリア信号をデジタル処理するためのハードウエアの容積やコストを効率化することができる。
【0013】
ここで、受信機としては、種々なものが用いられてもよい。
また、複数のキャリア信号の数としては、種々な数が用いられてもよい。
また、それぞれのキャリア信号の搬送波周波数としては、種々な周波数が用いられてもよい。
また、複数のキャリア信号の数や、それぞれのキャリア信号の搬送波周波数としては、それぞれ、例えば、固定的に設定されてもよく、或いは、可変な構成が用いられてもよい。
【0014】
また、それぞれのキャリア信号毎に手段(ここで、手段Aと言う)を備えるとは、例えば、それぞれのキャリア信号に合わせて手段Aを備え、全体としてキャリア信号の数と同数の手段Aを備えることに相当する。
また、複数のキャリア信号に対して共通に手段(ここで、手段Bと言う)を備えるとは、例えば、複数のキャリア信号に対して共通に1つの手段Bを備えることに相当する。
【0015】
また、キャリア信号抽出手段や、キャリア信号レベル調整手段では、例えば、アナログ信号を処理する。
また、キャリア信号レベル調整手段により調整するキャリア信号のレベルとしては、例えば、振幅のレベルや電力のレベルなど種々なレベルが用いられてもよい。
【0016】
また、キャリア信号レベル調整手段によりキャリア信号のレベルを調整する態様としては、種々な態様が用いられてもよい。
例えば、それぞれのキャリア信号に対応するキャリア信号レベル調整手段は、それぞれのキャリア信号のレベルを、キャリア信号A/D変換手段によりまとめてA/D変換処理することが可能なレベルへ調整し、更に具体的には、それぞれのキャリア信号のレベルを、キャリア信号A/D変換手段のダイナミックレンジの範囲内であってまとめて信号値の識別が可能なレベルに調整し、好ましい一例として、それぞれのキャリア信号のレベルを、同一のレベルに調整する。なお、例えば実用上で有効にA/D変換処理が行われれば、当該同一のレベルについて、誤差があってもよい。
【0017】
また、キャリア信号A/D変換手段は、例えば、全てのキャリア信号をまとめてA/D変換処理する。
また、デジタル処理手段により行われるデジタル処理としては、種々なデジタル処理が用いられてもよく、例えば、復調などの処理が用いられる。
【0018】
また、具体例として、それぞれのキャリア信号に対応するキャリア信号抽出手段は、フィルタを用いて構成される。
また、具体例として、それぞれのキャリア信号に対応するキャリア信号レベル調整手段は、信号のレベルを変化させる信号レベル変化器を用いて構成される。信号レベル変化器としては、例えば、自動利得制御(AGC:Automatic Gain Control)を行う自動利得制御器が用いられる。
また、具体例として、キャリア信号A/D変換手段は、1個のA/D変換器を用いて構成される。
【0019】
また、具体例として、複数のキャリア信号に対して共通に備えられるデジタル処理手段は、キャリア信号A/D変換手段により得られるデジタル信号に基づいてそれぞれのキャリア信号についての復調処理を時分割で行う1個の復調処理器を用いて構成される。信号の復調処理は、通常、当該信号に対して行われた変調処理の方式に対応した方式により行われる。
また、復調処理器は、例えば、直交復調器(直交検波器)を用いて構成される。この場合、受信機により受信されるそれぞれのキャリア信号としては、例えば、送信側において直交変調が行われた信号が用いられる。
【0020】
また、一構成例として、受信機には、複数のキャリア信号に対して共通に、キャリア信号抽出手段とキャリア信号レベル調整手段との組み合わせの後段において、それぞれのキャリア信号に対応するキャリア信号レベル調整手段によりレベルが調整された複数のキャリア信号を合成するキャリア信号合成手段を備える。この場合、キャリア信号A/D変換手段は、キャリア信号合成手段による合成結果をアナログ信号からデジタル信号へ変換する。
また、具体例として、キャリア信号合成手段は、合成器を用いて構成される。
【0021】
以下で、更に、本発明に係る構成例を示す。
本発明に係る受信機では、一構成例として、次のような構成(以下で、構成例Aと言う)とした。
すなわち、複数のキャリア信号に対して共通に、アンテナと、受信信号ダウンコンバート手段を備える。アンテナは、無線により、信号を受信する。受信信号ダウンコンバート手段は、受信信号をダウンコンバートする。
【0022】
また、それぞれのキャリア信号毎に、キャリア信号抽出手段を構成するフィルタと、キャリア信号レベル調整手段を構成する信号レベル変化器を備える。それぞれのキャリア信号に対応するフィルタは、受信信号ダウンコンバート手段によりダウンコンバートされた信号からそれぞれのキャリア信号を抽出する。それぞれのキャリア信号に対応する信号レベル変化器は、それぞれのキャリア信号に対応するフィルタにより抽出されたそれぞれのキャリア信号のレベルを調整する。
【0023】
また、複数のキャリア信号に対して共通に、キャリア信号合成手段と、キャリア信号A/D変換手段を構成する1個のA/D変換器と、デジタル処理手段を構成する1個の復調処理器を備える。キャリア信号合成手段は、それぞれのキャリア信号に対応する信号レベル変化器によりレベルが調整された複数のキャリア信号を合成する。A/D変換器は、キャリア信号合成手段による合成結果をアナログ信号からデジタル信号へ変換する。復調処理器は、A/D変換器により得られるデジタル信号に基づいて、それぞれのキャリア信号についての復調処理を、時分割で、行う。
【0024】
従って、例えば従来と比べて、簡易な構成により、複数のキャリア信号についてのA/D変換処理やデジタル復調処理を行うことができる。
ここで、受信信号ダウンコンバート手段により行われるダウンコンバートの態様としては、種々な態様が用いられてもよい。一例として、受信信号ダウンコンバート手段は、受信信号の周波数を、無線周波数(RF:Radio Frequency)から他の無線周波数(RF)或いはベースバンド(BB:Base Band)周波数へ変換する。
【0025】
本発明に係る受信機では、一構成例として、次のような構成(以下で、構成例Bと言う)とした。
すなわち、複数のキャリア信号に対して共通に、アンテナと、第1のダウンコンバート手段を備える。アンテナは、無線により、信号を受信する。第1のダウンコンバート手段は、受信信号をダウンコンバートする。
【0026】
また、複数のキャリア信号に対して共通に、又は、それぞれのキャリア信号毎に、第1のダウンコンバート手段の後段において、第2のダウンコンバート手段を備える。複数のキャリア信号に対して共通に第2のダウンコンバート手段を備える場合、第2のダウンコンバート手段は、複数のキャリア信号を更にまとめてダウンコンバートする。それぞれのキャリア信号毎に第2のダウンコンバート手段を備える場合、それぞれのキャリア信号に対応する第2のダウンコンバート手段は、それぞれのキャリア信号を更にダウンコンバートする。
【0027】
また、それぞれのキャリア信号毎に、第2のダウンコンバート手段の後段において、キャリア信号抽出手段を構成するフィルタを備える。それぞれのキャリア信号に対応するフィルタは、それぞれのキャリア信号を抽出する。
また、それぞれのキャリア信号毎に、第2のダウンコンバート手段の前段又はフィルタの後段において、キャリア信号レベル調整手段を構成する信号レベル変化器を備える。それぞれのキャリア信号に対応する信号レベル変化器は、それぞれのキャリア信号のレベルを調整する。
【0028】
また、複数のキャリア信号に対して共通に、第2のダウンコンバート手段とフィルタと信号レベル変化器との組み合わせの後段において、キャリア信号合成手段を備える。キャリア信号合成手段は、複数のキャリア信号を合成する。
また、複数のキャリア信号に対して共通に、キャリア信号A/D変換手段を構成する1個のA/D変換器と、デジタル処理手段を構成する1個の復調処理器を備える。A/D変換器は、キャリア信号合成手段による合成結果をアナログ信号からデジタル信号へ変換する。復調処理器は、A/D変換器により得られるデジタル信号に基づいて、それぞれのキャリア信号についての復調処理を、時分割で、行う。
【0029】
なお、本構成例Bに係る配置としては、例えば、アンテナと第1のコンバート手段と第2のコンバート手段とフィルタと信号レベル変化器とキャリア信号合成手段を記載順に並べた配置や、アンテナと第1のコンバート手段と信号レベル変化器と第2のコンバート手段とフィルタとキャリア信号合成手段を記載順に並べた配置を用いることができる。
【0030】
従って、スーパーヘテロダイン方式において、簡易な構成により、複数のキャリア信号についてのA/D変換処理やデジタル復調処理を行うことができる。
なお、スーパーヘテロダイン方式において、信号に対して周波数変換を行う段数としては、必ずしも2段に限られず、3段以上の段数を用いることも可能である。
【0031】
ここで、第1のダウンコンバート手段により行われるダウンコンバートの態様や、第2のダウンコンバート手段により行われるダウンコンバートの態様としては、それぞれ、種々な態様が用いられてもよい。一例として、第1のダウンコンバート手段は、受信信号の周波数を、無線周波数(RF)から中間周波数(IF:Intermediate Frequency)へ変換し、第2のダウンコンバート手段は、当該周波数変換後の信号の周波数を、中間周波数(IF)から他の無線周波数(RF)或いはベースバンド(BB)周波数へ変換する。
【0032】
本発明に係る受信機では、一構成例として、次のような構成(以下で、構成例Cと言う)とした。
すなわち、複数のキャリア信号に対して共通に、アンテナを備える。アンテナは、無線により、信号を受信する。
【0033】
また、それぞれのキャリア信号毎に、受信信号ダウンコンバート手段と、キャリア信号帯域制限手段を備える。それぞれのキャリア信号に対応する受信信号ダウンコンバート手段は、複数のキャリア信号の中心周波数を同一の周波数へ変換する態様で、それぞれのキャリア信号について、受信信号をダウンコンバートする。それぞれのキャリア信号に対応するキャリア信号帯域制限手段は、それぞれのキャリア信号に対応する受信信号ダウンコンバート手段によりダウンコンバートされた信号を、複数のキャリア信号について同一の中心周波数を用いて、帯域制限する。
【0034】
また、それぞれのキャリア信号毎に、それぞれのキャリア信号に対応するキャリア信号帯域制限手段の後段において、キャリア信号ダウンコンバート手段を備える。それぞれのキャリア信号に対応するキャリア信号ダウンコンバート手段は、それぞれのキャリア信号をダウンコンバートする。
また、それぞれのキャリア信号毎に、キャリア信号抽出手段を構成するフィルタを備える。それぞれのキャリア信号に対応するフィルタは、それぞれのキャリア信号に対応するキャリア信号ダウンコンバート手段によりダウンコンバートされた信号からキャリア信号を抽出する。
【0035】
また、それぞれのキャリア信号毎に、キャリア信号帯域制限手段とキャリア信号ダウンコンバート手段との間又はフィルタの後段において、キャリア信号レベル調整手段を構成する信号レベル変化器を備える。それぞれのキャリア信号に対応する信号レベル変化器は、それぞれのキャリア信号のレベルを調整する。
【0036】
また、複数のキャリア信号に対して共通に、キャリア信号ダウンコンバート手段とフィルタと信号レベル変化器との組み合わせの後段において、キャリア信号合成手段を備える。キャリア信号合成手段は、複数のキャリア信号を合成する。
また、複数のキャリア信号に対して共通に、キャリア信号A/D変換手段を構成する1個のA/D変換器と、デジタル処理手段を構成する1個の復調処理器を備える。A/D変換器は、キャリア信号合成手段による合成結果をアナログ信号からデジタル信号へ変換する。復調処理器は、A/D変換器により得られるデジタル信号に基づいて、それぞれのキャリア信号についての復調処理を、時分割で、行う。
【0037】
なお、本構成例Cに係る配置としては、例えば、アンテナと受信信号ダウンコンバート手段とキャリア信号帯域制限手段とキャリア信号ダウンコンバート手段とフィルタと信号レベル変化器とキャリア信号合成手段を記載順に並べた配置や、アンテナと受信信号ダウンコンバート手段とキャリア信号帯域制限手段と信号レベル変化器とキャリア信号ダウンコンバート手段とフィルタとキャリア信号合成手段を記載順に並べた配置を用いることができる。
【0038】
従って、例えばそれぞれのキャリア信号の周波数として種々な態様が用いられる場合においても、簡易な構成により、複数のキャリア信号についてのA/D変換処理やデジタル復調処理を行うことができる。
ここで、具体例として、それぞれのキャリア信号に対応するキャリア信号帯域制限手段としては、フィルタを用いて構成することができる。
【0039】
また、それぞれのキャリア信号に対応する受信信号ダウンコンバート手段は、例えば、全てのキャリア信号の中心周波数を同一の周波数へ変換する態様で、受信信号をダウンコンバートする。
また、それぞれのキャリア信号に対応するキャリア信号帯域制限手段は、例えば、全てのキャリア信号について同一の中心周波数を用いて、信号を帯域制限する。
【0040】
また、一構成例として、受信機では、それぞれのキャリア信号に対応する受信信号ダウンコンバート手段によるダウンコンバートで用いられるローカル信号の周波数(ローカル周波数)が可変である。
また、一構成例として、当該ローカル周波数を制御する手段を備える。当該ローカル周波数は、例えば、送信側から受信されるそれぞれのキャリア信号の周波数などに対応して、制御される。
【0041】
また、一構成例として、受信機では、それぞれのキャリア信号に対応するキャリア信号ダウンコンバート手段によるダウンコンバートで用いられるローカル信号の周波数(ローカル周波数)が可変である。
また、一構成例として、当該ローカル周波数を制御する手段を備える。当該ローカル周波数は、例えば、送信側から受信されるそれぞれのキャリア信号の周波数などに対応して、制御される。
【0042】
なお、上記した構成例A、B、Cの2以上に共通な事項について説明する。
アンテナとしては、種々なアンテナが用いられてもよい。
また、例えば、ダイバーシティの構成が用いられてもよく、この場合には、例えば、それぞれのアンテナ毎に、上記したいずれかの構成例A、B、Cに係る手段が備えられる。
【0043】
また、具体例として、ダウンコンバートを行う手段は、ミキサと、ミキサによりダウンコンバート対象となる信号と混合するための信号(ローカル信号)を生成する信号生成器を用いて構成される。
また、フィルタとしては、種々なものが用いられてもよく、例えば、帯域通過フィルタ(BPF:Band Pass Filter)を用いることができる。
【0044】
また、或る手段の前段としては、必ずしも当該手段の直前が用いられなくともよく、実用上で有効であれば、他の手段を介して前段である態様が用いられてもよい。
同様に、或る手段の後段としては、必ずしも当該手段の直後が用いられなくともよく、実用上で有効であれば、他の手段を介して後段である態様が用いられてもよい。
【0045】
以下で、更に、本発明に係る構成例を示す。
本発明に係る受信機では、一構成例として、次のような構成とした。
すなわち、それぞれのキャリア信号に対応するキャリア信号レベル調整手段では、キャリア信号レベル検出手段が、デジタル処理手段による処理結果に基づいて、それぞれのキャリア信号のレベルを検出する。そして、それぞれのキャリア信号に対応するキャリア信号レベル調整手段では、キャリア信号レベル検出手段により検出されるそれぞれのキャリア信号のレベルに基づいて、それぞれのキャリア信号のレベルを調整する。
【0046】
従って、フィードバック制御を用いて、それぞれのキャリア信号のレベルを調整することができ、これにより、例えばそれぞれのキャリア信号の状況に応じて、精度の良いレベル調整を行うことができる。
ここで、キャリア信号レベル検出手段の検出結果に基づいてキャリア信号のレベルを調整する仕方としては、種々な仕方が用いられてもよい。
【0047】
一例として、キャリア信号のレベルとキャリア信号のレベルを調整する態様との対応付けを記憶する手段を備え、当該対応付けに基づいて、キャリア信号レベル検出手段により検出されるキャリア信号のレベルに対応した態様で、キャリア信号のレベルを調整するような仕方を用いることができる。当該対応付けの内容としては、種々なものが用いられてもよい。
【0048】
他の例として、キャリア信号レベル検出手段により検出されるキャリア信号のレベルの変化に基づく態様で、キャリア信号のレベルを調整するような仕方を用いることができる。具体例として、キャリア信号レベル検出手段により検出されるキャリア信号のレベルが増加した場合にはキャリア信号のレベルを減少させるように制御する一方で、キャリア信号レベル検出手段により検出されるキャリア信号のレベルが減少した場合にはキャリア信号のレベルを増加させるように制御するような仕方を用いることができる。
【0049】
また、本発明に係る受信機は、例えば、W−CDMA方式やcdma2000方式などのCDMA方式を用いる移動通信システムに備えられる基地局装置に設けることができる。
ここで、移動通信システムとしては、例えば携帯電話システムや簡易型携帯電話システム(PHS:Personal Handy phone System)など、種々なものが用いられてもよい。
また、本発明は、例えば、無線又は有線の通信装置、受信装置、送受信機、受信信号処理機、通信システムなど、種々なものに適用することが可能である。
【0050】
【発明の実施の形態】
本発明に係る実施例を図面を参照して説明する。
本実施例では、キャリア信号の数Nが4である場合(N=4である場合)を例として、本発明の実施形態に係る複数のキャリア信号(マルチキャリア信号)を一括して復調する受信機を説明する。
また、本実施例に係る受信機により受信されるそれぞれのキャリア信号は、送信側において直交変調が施された信号であるとする。
【0051】
第1実施例に係る受信機を説明する。
図1には、4キャリア一括復調方式を実現した本例の受信機の構成例を示してある。
本例では、4つのキャリア信号として、周波数軸上で連続して隣接する4つの搬送波周波数F1、F2、F3、F4のそれぞれに対応する信号が用いられているとし、これら4つの搬送波周波数F1、F2、F3、F4の周波数間隔が等間隔であるとする。
【0052】
本例の受信機には、全てのキャリア信号に対して共通な処理部として、アンテナ1と、低雑音増幅器(LNA:Low Noise Amplifier)2と、例えば発振器を用いて構成されたローカル信号生成部3と、例えばミキサを用いて構成されたダウンコンバータ部4と、合成器13と、A/D変換器14と、直交検波部15が備えられている。
【0053】
また、本例の受信機には、それぞれのキャリア信号毎に、バンドパスフィルタ(BPF1〜4)5〜8と、自動利得制御器(AGC1〜4)9〜12が備えられている。
本例の受信機では、ダウンコンバータ部4と合成器13との間に各キャリア信号毎の経路(本例では、4つの経路)が設けられており、各キャリア信号の経路にそれぞれ1個のバンドパスフィルタ5〜8と1個の自動利得制御器9〜12が備えられている。
【0054】
本例の受信機により行われる動作の一例を示す。
受信機では、アンテナ1により、周波数軸上で連続して隣接する4つの搬送波周波数F1〜F4に対応する4つのキャリア信号を受信する。
低雑音増幅器2は、アンテナ1により受信される信号(受信信号)を増幅してダウンコンバータ部4へ出力する。
【0055】
ローカル信号生成部3は、受信信号のダウンコンバートに使用される周波数(ローカル周波数)を有する信号(ローカル信号)を発生させてダウンコンバータ部4へ出力する。
ダウンコンバータ部4は、ローカル信号生成部3から入力されるローカル信号を用いて、低雑音増幅器2から入力される受信信号を周波数変換(ダウンコンバート)し、当該ダウンコンバート後の受信信号をそれぞれのバンドパスフィルタ5〜8へ出力する。このように、ダウンコンバータ部4では、全てのキャリア信号が一括してダウンコンバートされる。
【0056】
ここで、それぞれの搬送波周波数F1、F2、F3、F4を有する信号は、ダウンコンバータ部4によりダウンコンバートされると、それぞれ、周波数f1、f2、f3、f4の信号へ変換されるとする。
本例では、これら4つの周波数f1〜f4に対応する4つのキャリア信号を含む受信信号が、一纏まりの信号として、それぞれ異なる4つの周波数帯でチャネル選択する4つのバンドパスフィルタ5〜8を通過する。
【0057】
具体的には、4つのバンドパスフィルタ5〜8の中心周波数(センター周波数)は等間隔に異なる周波数配置となっており、4つのバンドパスフィルタ5〜8の通過帯域は同一となっている。第1のバンドパスフィルタ5は周波数f1を通過帯域の中心に有しており、第2のバンドパスフィルタ6は周波数f2を通過帯域の中心に有しており、第3のバンドパスフィルタ7は周波数f3を通過帯域の中心に有しており、第4のバンドパスフィルタ8は周波数f4を通過帯域の中心に有している。
【0058】
それぞれのバンドパスフィルタ5〜8は、それぞれのフィルタ特性に応じて、ダウンコンバータ部4から入力される受信信号からそれぞれの周波数f1〜f4に対応する周波数チャネル(キャリア)の信号を抽出し、当該抽出結果をそれぞれの自動利得制御器9〜12へ出力する。
【0059】
それぞれの自動利得制御器9〜12は、それぞれのバンドパスフィルタ5〜8から入力される抽出されたそれぞれのキャリア信号について、キャリア信号毎に個別にゲインを制御し、当該ゲイン制御後のキャリア信号を合成器13へ出力する。
合成器13は、4つの自動利得制御器9〜12から入力されるキャリア信号を合成し、当該合成結果をA/D変換器14へ出力する。このように、A/D変換器14には、全てのキャリア信号が一纏まりの信号として入力される。
【0060】
ここで、上記したそれぞれの自動利得制御器9〜12は、A/D変換器14に入力される4つのキャリア信号のレベル(A/D変換器14への入力レベル)が揃えられるように、それぞれのキャリア信号のレベルを個別に制御する。
これにより、本例では、例えば、受信機に入力される時には、隣接周波数におけるキャリア信号のレベルが、A/D変換器14により受信可能なダイナミックレンジを越えているような場合においても、1個のA/D変換器14により全てのキャリア信号をまとめて受信することが可能となる。
【0061】
なお、本例では、それぞれのキャリア系に対して自動利得制御器9〜12を備えることで、全てのキャリア信号のレベルを同一とするように調整を行う方式を用いている。4つのキャリア信号のレベルを調整するに際しては、A/D変換器14への入力レベルをダイナミックレンジ以内にすることに加えて、信号の識別が可能であるようにする必要がある。具体的には、例えば、A/D変換器14のダイナミックレンジ以内であっても、キャリア信号の入力レベルがバラバラであり、一例として、識別可能な最大レベルのキャリアと最低レベルのキャリアが存在するような場合には、1個のA/D変換器14では、レベルの低いキャリアが入力されたときには、たかだか1ビット(bit)等で識別することが必要となり、現実的には困難である場合が多いと考えられる。
【0062】
A/D変換器14は、合成器13から入力される合成結果をアナログ信号からデジタル信号へ変換し(A/D変換し)、これにより得られるデジタル信号を直交検波部15へ出力する。
ここで、1個のA/D変換器14により全てのキャリア信号(本例では、合成器13による合成結果)をA/D変換する処理としては、例えば、当該合成結果を単純にA/D変換すれば実現される。具体的には、例えば、5MHzの帯域を有する各キャリアの信号を周波数軸上で並べた場合には全体として20MHzの帯域を有する1つのキャリアの信号であるとみなすことができる。
【0063】
直交検波部(Q−DET)15は、A/D変換器14から入力されるデジタル信号に対して、4つのキャリア信号について時分割処理により直交復調を行う。これにより、当該デジタル信号に含まれる4つのキャリア信号がそれぞれ個別に復調される。
【0064】
ここで、例えば、それぞれのキャリア信号毎に直交検波器が備えられる場合には、つまり、4個の直交検波器が備えられる場合には、これら4個の直交検波器はそれぞれ異なる中心周波数(センター周波数)を有する。
これに対して、本例では、全てのキャリア信号が1つのデジタル信号にまとまっているため、1個の直交検波器により時分割処理を行うことが可能であり、概念的には、A/D変換器14からの入力に対して各々のキャリアに対応する直交検波機能により通常の検波処理を行うようなこととなる。
【0065】
なお、本例では、周波数軸上で連続して隣接する複数の搬送波周波数に対応する複数のキャリア信号を処理するが、当該隣接する態様としては、例えば、非現実的な周波数配置でなければ、間隔が開いていてもよく、ダウンコンバートには特には問題とはならない。現実の装置では、キャリアの間隔が開くと、その分、帯域が広い信号として扱うことが必要となるが、原理的には特には問題は無い。
【0066】
また、本例では、複数のキャリアの周波数配置が等間隔である場合を示したが、例えば、初めから設定するキャリア周波数が等間隔ではないような場合においても、それぞれのバンドパスフィルタ5〜8の特性をそれぞれのキャリア周波数に対応する特性とすることにより、有効な動作を行うことができる。但し、現実の装置では、帯域の広い信号となることから、サンプリング周波数が上昇し、デジタル処理の負荷が上昇する可能性は考えられる。
【0067】
また、本例では、自動利得制御器9〜12による自動利得制御処理を動作させて各キャリア信号のレベルをそろえるに際して、例えば、各キャリア信号についてRSSI(Received Signal Strength Indicator)などの受信信号強度に基づく受信信号のレベルを検出して用いるような構成とすることもできる。また、全てのキャリア信号のそれぞれについてRSSIなどの情報をA/D変換器14の後段に備えられるデジタル信号処理部である直交検波部15に通知する構成とすると、自動利得制御処理が動作してレベルが均一化される前における各キャリア信号のレベルを把握することが可能である。
【0068】
以上のように、本例の受信機では、N個の搬送波周波数に対応したN個のキャリア信号を通信する無線通信機に設けられて、これらN個のキャリア信号を受信するに際して、受信信号をダウンコンバータ部4により無線周波数帯からチャネル選択のためのバンドパスフィルタ5〜8に対応した無線周波数帯へ周波数変換し、ダウンコンバータ部4から出力される受信信号に含まれるN個のキャリア信号をN個のバンドパスフィルタ5〜8によりそれぞれの周波数帯でチャネル選択し、当該チャネル選択されたN個のキャリア信号のレベルをN個の自動利得制御器9〜12により適正なレベルへ制御し、当該レベル制御後のN個のキャリア信号を合成器13によりまとめて1個のA/D変換器14によりデジタル化し、当該デジタル化された信号を1個の直交検波部15によりそれぞれのキャリア信号について時分割で直交検波することが行われる。
【0069】
なお、本例の受信機では、例えば、アンテナ1により受信されるキャリア信号は、A/D変換器14によりデジタル信号へ変換される前の段にある処理部2、4、5〜13においてはアナログ信号として処理され、A/D変換器14の後の段にある処理部15においてはデジタル信号として処理される。
また、本例では、N=4である場合を示したが、Nとしては2以上の自然数である種々な数が用いられてもよい。
【0070】
従って、本例の受信機では、マルチキャリア信号を復調する方式を実現するに際して、例えば従来と比べてA/D変換器の個数を減らすことができ、具体的には、A/D変換器の個数を1個にすることが可能であり、また、デジタル信号処理部である直交検波部15の動作を複数のキャリア信号について時分割とすることにより、例えば従来と比べて直交検波部の個数を減らすことができ、具体的には、直交検波部の個数を1個にすることが可能である。これらにより、本例の受信機では、回路規模を小さくすることができ、ハードウエアの容積やコストを低減することができる。
【0071】
一例として、2つのブランチを有するダイバーシティ受信を実現する場合には、本例の受信機では、キャリア信号の数にかかわらず、A/D変換器の個数を2個にすることができ、回路規模的にも十分に実現が可能な個数とすることができる。そして、例えば、基板実装面積や部品コストを抑えることや、部品のバラツキの程度を抑えることができる。これにより、例えば、本例の受信機をセルラー電話網の基地局装置に適用する場合には、基地局装置の単価を低減させることができ、インフラ整備費を低減することが可能なセルラー電話網を構築することができる。
【0072】
なお、本例の受信機では、ローカル信号生成部3の機能やダウンコンバータ部4の機能により受信信号ダウンコンバート手段が構成されており、フィルタであるバンドパスフィルタ5〜8の機能によりキャリア信号抽出手段が構成されており、信号レベル変化器である自動利得制御器9〜12の機能によりキャリア信号レベル調整手段が構成されており、合成器13の機能によりキャリア信号合成手段が構成されており、A/D変換器14の機能によりキャリア信号A/D変換手段が構成されており、復調処理器である直交検波部15の機能によりデジタル処理手段が構成されている。
【0073】
第2実施例に係る受信機を説明する。
図2には、4キャリア一括復調方式を実現した本例の受信機の構成例を示してある。
本例では、4つのキャリア信号として、周波数軸上で連続して隣接する4つの搬送波周波数F1、F2、F3、F4のそれぞれに対応する信号が用いられているとし、これら4つの搬送波周波数F1、F2、F3、F4の周波数間隔が等間隔であるとする。
【0074】
本例の受信機には、全てのキャリア信号に対して共通な処理部として、アンテナ1と、低雑音増幅器(LNA)2と、例えば発振器を用いて構成された1段目のローカル信号生成部21と、例えばミキサを用いて構成された1段目のダウンコンバータ部22と、合成器13と、A/D変換器14と、直交検波部15が備えられている。
【0075】
また、本例の受信機には、それぞれのキャリア信号毎に、例えばミキサを用いて構成された2段目のダウンコンバータ部(DownConvert1〜4)24〜27と、バンドパスフィルタ(BPF1〜4)5〜8と、自動利得制御器(AGC1〜4)9〜12が備えられている。
また、本例の受信機には、全てのキャリア信号に対して共通な処理部として、例えば発振器を用いて構成された2段目のローカル信号生成部23が備えられている。
【0076】
本例の受信機では、1段目のダウンコンバータ部22と合成器13との間に各キャリア信号毎の経路(本例では、4つの経路)が設けられており、各キャリア信号の経路にそれぞれ1個の2段目のダウンコンバータ部24〜27と1個のバンドパスフィルタ5〜8と1個の自動利得制御器9〜12が備えられている。
【0077】
ここで、図2に示される本例の受信機の構成は、例えば、2段階のローカル信号生成部21、23及びダウンコンバータ部22、24〜27の組を備えることによりダブルスーパーヘテロダイン方式を実現した点を除いては、上記第1実施例の図1に示した受信機の構成と同様であり、同様な処理部1、2、5〜15については同一の符号を用いて示す。
【0078】
本例の受信機により行われる動作の一例を示す。
受信機では、アンテナ1により、周波数軸上で連続して隣接する4つの搬送波周波数F1〜F4に対応する4つのキャリア信号を受信する。
低雑音増幅器2は、アンテナ1により受信される信号(受信信号)を増幅して1段目のダウンコンバータ部22へ出力する。
【0079】
1段目のローカル信号生成部21は、1段目のダウンコンバートにおいて受信信号のダウンコンバートに使用される周波数(第1のローカル周波数)を有する信号(第1のローカル信号)を発生させて1段目のダウンコンバータ部22へ出力する。
1段目のダウンコンバータ部22は、1段目のローカル信号生成部21から入力されるローカル信号を用いて、低雑音増幅器2から入力される受信信号を周波数変換(ダウンコンバート)し、当該ダウンコンバート後の受信信号を2段目のそれぞれのダウンコンバータ部24〜27へ出力する。
【0080】
ここで、それぞれの搬送波周波数F1、F2、F3、F4を有する信号は、1段目のダウンコンバータ部22によりダウンコンバートされると、それぞれ、周波数f’1、f’2、f’3、f’4の信号へ変換されるとする。
本例では、これら4つの周波数f’1〜f’4に対応する4つのキャリア信号を含む受信信号が、一纏まりの信号として、2段目のそれぞれのダウンコンバータ部24〜27に入力される。
【0081】
2段目のローカル信号生成部23は、2段目のダウンコンバートにおいて受信信号のダウンコンバートに使用される周波数(第2のローカル周波数)を有する信号(第2のローカル信号)を発生させて2段目のそれぞれのダウンコンバータ部24〜27へ出力する。
2段目のそれぞれのダウンコンバータ部24〜27は、2段目のローカル信号生成部23から入力されるローカル信号を用いて、1段目のダウンコンバータ部22から入力される受信信号を周波数変換(ダウンコンバート)し、当該ダウンコンバート後の受信信号をそれぞれのバンドパスフィルタ5〜8へ出力する。
【0082】
ここで、それぞれの搬送波周波数f’1、f’2、f’3、f’4を有する信号は、2段目のそれぞれのダウンコンバータ部24〜27によりダウンコンバートされると、それぞれ、周波数f1、f2、f3、f4の信号へ変換されるとする。
また、それぞれのバンドパスフィルタ5〜8や、それぞれの自動利得制御器9〜12や、合成器13や、A/D変換器14や、直交検波部15により行われる動作としては、例えば、上記第1実施例の図1を参照して示した場合と同様である。
【0083】
以上のように、本例の受信機では、2段階のダウンコンバータ部22、24〜27を備えてダブルスーパーヘテロダイン方式を実現する構成においても、マルチキャリア信号を一括して復調する方式を実施するに際して、例えば、上記第1実施例で示した場合と同様な効果を得ることができ、A/D変換処理などのデジタル信号処理に係る構成を簡易化することができる。
【0084】
なお、本例の受信機では、1段目のローカル信号生成部21の機能や1段目のダウンコンバータ部22の機能により第1のダウンコンバート手段が構成されており、2段目のローカル信号生成部23の機能や2段目のダウンコンバータ部24〜27の機能により第2のダウンコンバート手段が構成されている。
【0085】
ここで、上記図2に示した受信機について他の構成例(1)〜(2)を示す。
(1)一構成例として、上記図2に示した構成において、2段目における4個のダウンコンバータ部24〜27を1個のダウンコンバータ部に共通化した受信機を実施することが可能である。この場合、1段目のダウンコンバータ部22からの出力は共通化した2段目のダウンコンバータ部に入力され、共通化した2段目のダウンコンバータ部からの出力は分岐されてそれぞれのバンドパスフィルタ5〜8に入力される。
【0086】
(2)一構成例として、上記図2に示した構成において、2段目のそれぞれのダウンコンバータ部24〜27とそれぞれのバンドパスフィルタ5〜8との組み合わせとそれぞれの自動利得制御器9〜12との順序を入れ替えた受信機を実施することが可能であり、つまり、それぞれのキャリア信号の経路において自動利得制御器9〜12、2段目のダウンコンバータ部24〜27、バンドパスフィルタ5〜8が記載順に並べられた受信機を実施することが可能である。この場合、1段目のダウンコンバータ部22からの出力はそれぞれの自動利得制御器9〜12に入力され、それぞれの自動利得制御器9〜12によりそれぞれのキャリア信号毎にレベルが制御されたキャリア信号が2段目のそれぞれのダウンコンバータ部24〜27によりそれぞれの周波数f1〜f4に対応したキャリア信号へ周波数変換され、当該周波数変換後におけるそれぞれのキャリア信号がそれぞれのバンドパスフィルタ5〜8により抽出されて合成器13へ出力される。
【0087】
なお、連続して隣接する周波数チャネル帯からチャネル選択をするために用いられるバンドパスフィルタのフィルタ特性としては、例えば、チャネル周波数帯域に対して急峻であることが要求されるような場合もあり、このような場合には、比較的に低い帯域においてフィルタリングを行うのが好ましいこともある。
また、自動利得制御器9〜12の配置位置としては、例えば、A/D変換器14への各キャリア信号の入力レベルのバラツキ等を考慮すると、上記図2に示されるように、A/D変換器14の前段であってA/D変換器14に近い位置に備えるのが好ましいと考えられる。
【0088】
第3実施例に係る受信機を説明する。
図3には、4キャリア一括復調方式を実現した本例の受信機の構成例を示してある。
本例では、4つのキャリア信号として、周波数軸上で連続して隣接する4つの搬送波周波数F’1、F’2、F’3、F’4のそれぞれに対応する信号が用いられるとし、これら4つの搬送波周波数F’1、F’2、F’3、F’4がそれぞれ変化し得るとする。
【0089】
本例の受信機には、全てのキャリア信号に対して共通な処理部として、アンテナ1と、低雑音増幅器(LNA)2と、合成器13と、A/D変換器14と、直交検波部15が備えられている。
【0090】
また、本例の受信機には、それぞれのキャリア信号毎に、例えば発振器を用いて構成された1段目のローカル信号生成部31〜34と、例えばミキサを用いて構成された1段目のダウンコンバータ部(DownConvert1〜4)35〜38と、例えば4つのキャリア信号について同一の特性を有するバンドパスフィルタ(BPF)39〜42と、例えば発振器を用いて構成された2段目のローカル信号生成部43〜46と、例えばミキサを用いて構成された2段目のダウンコンバータ部(DownConvert5〜8)47〜50と、それぞれのキャリア信号について異なる特性を有するバンドパスフィルタ(BPF1〜4)5〜8と、自動利得制御器(AGC1〜4)9〜12が備えられている。
【0091】
本例の受信機では、低雑音増幅器2と合成器13との間に各キャリア信号毎の経路(本例では、4つの経路)が設けられており、各キャリア信号の経路に、それぞれ、1個の1段目のダウンコンバータ部35〜38と、共通な特性を有する1個のバンドパスフィルタ39〜42と、1個の2段目のダウンコンバータ部47〜50と、異なる特性を有する1個のバンドパスフィルタ5〜8と、1個の自動利得制御器9〜12が備えられている。
【0092】
ここで、図3に示される本例の受信機の構成は、例えば、2段階のローカル信号生成部31〜34、43〜46及びダウンコンバータ部35〜38、47〜50の組を備えるとともに4つのキャリア信号について共通な特性を有するバンドパスフィルタ39〜42を備えるといった点を除いては、上記第1実施例の図1に示した受信機の構成と同様であり、同様な処理部1、2、5〜15については同一の符号を用いて示す。
【0093】
本例の受信機により行われる動作の一例を示す。
受信機では、アンテナ1により、周波数軸上で連続して隣接する4つの搬送波周波数F’1〜F’4に対応する4つのキャリア信号を受信する。
低雑音増幅器2は、アンテナ1により受信される信号(受信信号)を増幅して1段目のそれぞれのダウンコンバータ部35〜38へ出力する。
【0094】
1段目のそれぞれのローカル信号生成部31〜34は、それぞれのキャリア信号に対応して、1段目のダウンコンバートにおいて受信信号のダウンコンバートに使用される周波数(第1のローカル周波数)を有する信号(第1のローカル信号)を発生させて1段目のそれぞれのダウンコンバータ部35〜38へ出力する。
ここで、本例では、1段目のそれぞれのローカル信号生成部31〜34から出力されるローカル信号の周波数は、それぞれ変化させることが可能であり、また、それぞれのキャリア信号に対応して異なる周波数に設定される。
【0095】
1段目のそれぞれのダウンコンバータ部35〜38は、1段目のそれぞれのローカル信号生成部31〜34から入力されるローカル信号を用いて、低雑音増幅器2から入力される受信信号を周波数変換(ダウンコンバート)し、当該ダウンコンバート後の受信信号をそれぞれのバンドパスフィルタ39〜42へ出力する。
【0096】
ここで、本例では、1段目のそれぞれのダウンコンバータ部35〜38の直後にあるそれぞれのバンドパスフィルタ39〜42の周波数特性として、同一の特性が設定されており、中心周波数(センター周波数)及び通過帯域が同一となっている。
具体的には、それぞれの搬送波周波数F’1、F’2、F’3、F’4を有する信号は、1段目のそれぞれのダウンコンバータ部35〜38によりダウンコンバートされると、それぞれ、直後のバンドパスフィルタ39〜42が有する中心周波数f’’と同一の周波数f’’の信号へ変換される。
【0097】
共通な特性を有するそれぞれのバンドパスフィルタ39〜42は、1段目のそれぞれのダウンコンバータ部35〜38から入力される受信信号から共通な周波数f’’に対応する周波数チャネルの信号を抽出し、当該抽出結果を2段目のそれぞれのダウンコンバータ部47〜50へ出力する。
【0098】
2段目のそれぞれのローカル信号生成部43〜46は、それぞれのキャリア信号に対応して、2段目のダウンコンバートにおいて受信信号のダウンコンバートに使用される周波数(第2のローカル周波数)を有する信号(第2のローカル信号)を発生させて2段目のそれぞれのダウンコンバータ部47〜50へ出力する。
ここで、本例では、2段目のそれぞれのローカル信号生成部43〜46から出力されるローカル信号の周波数は、それぞれ変化させることが可能であり、また、それぞれのキャリア信号に対応して異なる周波数に設定される。
【0099】
2段目のそれぞれのダウンコンバータ部47〜50は、2段目のそれぞれのローカル信号生成部43〜46から入力されるローカル信号を用いて、共通な特性を有するそれぞれのバンドパスフィルタ39〜42から入力される受信信号を周波数変換(ダウンコンバート)し、当該ダウンコンバート後の受信信号をそれぞれのバンドパスフィルタ5〜8へ出力する。
【0100】
ここで、本例では、それぞれの搬送波周波数F’1、F’2、F’3、F’4を有する信号は、1段目のそれぞれのダウンコンバータ部35〜38によりダウンコンバートされて周波数f’’の信号へ変換された後に、2段目のそれぞれのダウンコンバータ部47〜50によりダウンコンバートされると、連続して隣接する4つの周波数の信号へ変換されるとし、それぞれ、周波数f1、f2、f3、f4の信号へ変換されるとする。
【0101】
本例では、これら4つの周波数f1〜f4に対応する4つのキャリア信号が、それぞれ個別に、それぞれ異なる4つの周波数帯でチャネル選択する4つのバンドパスフィルタ5〜8を通過する。
また、それぞれのバンドパスフィルタ5〜8や、それぞれの自動利得制御器9〜12や、合成器13や、A/D変換器14や、直交検波部15により行われる動作としては、例えば、上記第1実施例の図1を参照して示した場合と同様である。
【0102】
次に、1段目のそれぞれのローカル信号生成部31〜34により生成するローカル信号の周波数について、具体的に説明する。
例えば、上記第1実施例の図1や上記第2実施例の図2において、4つのキャリアの周波数が等間隔に配列された場合として、受信機に入力される各キャリアの間隔がΔFであって最も低いキャリア周波数がF1であるとすると、各キャリアの中心周波数はそれぞれF1、F2=F1+ΔF、F3=F1+2ΔF、F4=F1+3ΔFとなり、各キャリアに対応するそれぞれのバンドパスフィルタの周波数特性としてもそれぞれの周波数F1、F2=F1+ΔF、F3=F1+2ΔF、F4=F1+3ΔFに対応したものとなる。この場合、それぞれのバンドパスフィルタの周波数特性が不変であるとすると、各キャリアの周波数配置も不変であることが必要となる。
【0103】
これに対して、本例の受信機では、1段目のそれぞれのローカル信号生成部31〜34により生成するローカル信号の周波数を可変に制御することが可能な構成となっており、当該ローカル信号の周波数を制御することにより、1段目のそれぞれのダウンコンバータ部35〜38から出力される信号の周波数を任意に制御することが可能である。
【0104】
一例として、受信機により受信される4つのキャリアの周波数がそれぞれF1、F2=F1+ΔF、F3=F1+2ΔF、F4=F1+3ΔFである場合には、F1>L1として、1段目のそれぞれのローカル信号生成部31〜34により生成するローカル信号の周波数をそれぞれL1、L1+ΔF、L1+2ΔF、L1+3ΔFに設定すると、1段目のそれぞれのダウンコンバータ部35〜38において受信信号とローカル信号との周波数差の信号が取得されることにより、4つのキャリア周波数の全てが同一の周波数(F1−L1)へダウンコンバートされる。これにより、受信機により受信される4つのキャリアの周波数を、同一の周波数特性を有するバンドパスフィルタ39〜42によりフィルタリングすることが可能となる。
【0105】
また、1段目のそれぞれのローカル信号生成部31〜34により生成するローカル信号の周波数を可変として任意に設定することが可能な構成とすると、例えば、受信される4つのキャリアの周波数が等間隔ではないような設定が用いられる場合においても、これら4つのキャリアの周波数を同一の周波数へダウンコンバートすることが可能である。
【0106】
一例として、受信機に入力されるキャリアの周波数配置が初めは等間隔な割当であってF1、F2=F1+ΔF、F3=F1+2ΔF、F4=F1+3ΔF(単位は[MHz]であるとする)であったが、その後、3番目と4番目のキャリアが更にΔFを0.5[MHz]広げて設定された場合には、受信機により受信されるキャリアの周波数はそれぞれF1、F2=F1+ΔF、F3=F1+2(ΔF+0.5)、F4=F1+3(ΔF+0.5)[MHz]へ変更される。
【0107】
この場合、受信されるキャリアの周波数の変化に対応して、1段目のそれぞれのローカル信号生成部31〜34により生成するローカル信号の周波数をそれぞれL1、L1+ΔF、L1+2(ΔF+0.5)、L1+3(ΔF+0.5)[MHz]へ変更して設定すると、1段目のそれぞれのダウンコンバータ部35〜38により4つのキャリア周波数の全てを同一の周波数(F1−L1)[MHz]へダウンコンバートすることができる。
【0108】
なお、本例の受信機は、受信されるキャリアの周波数配置が変更され得るような通信システムに適用されるのが好ましい。
具体例として、現在では、各オペレータ(各電話会社)には例えば20[MHz]の幅などを有する特定の周波数帯が割り当てられて、各オペレータは割り当てられた周波数帯の中で自由な使用を行うことができる。
一例として、現在では、PHSによる通信信号と、これと隣接する周波数帯を使用するW−CDMAシステムによる通信信号とが互いに干渉となり得ている。
このような干渉を回避するために、オペレータによっては、与えられた20[MHz]の全てを使用せずに、15[MHz]だけで運用するようなことも考えられ、このような場合には、実質的には3つのキャリアしか使用されず、キャリアの間隔としては必ずしも5[MHz]に固定されないと考えられる。
【0109】
以上のように、本例の受信機では、N個の搬送波周波数に対応したN個のキャリア信号を通信する無線通信機に設けられて、これらN個のキャリア信号を受信するに際して、受信信号をN個のダウンコンバータ部35〜38により無線周波数帯からチャネル選択のためのバンドパスフィルタ39〜42に対応した無線周波数帯へ周波数変換し、N個のダウンコンバータ部35〜38から出力される受信信号に含まれるN個のキャリア信号をN個のバンドパスフィルタ39〜42により同一の周波数帯でチャネル選択し、当該チャネル選択されたそれぞれのキャリア信号をN個のダウンコンバータ部47〜50により互いに周波数軸上で直交するように再配置し、当該再配置されたそれぞれのキャリア信号をN個のバンドパスフィルタ5〜8によりそれぞれの周波数帯でチャネル選択し、当該チャネル選択されたN個のキャリア信号のレベルをN個の自動利得制御器9〜12により適正なレベルへ制御し、当該レベル制御後のN個のキャリア信号を合成器13によりまとめて1個のA/D変換器14によりデジタル化し、当該デジタル化された信号を1個の直交検波部15によりそれぞれのキャリア信号について時分割で直交検波することが行われる。
【0110】
なお、本例の受信機では、例えば、アンテナ1により受信されるキャリア信号は、A/D変換器14によりデジタル信号へ変換される前の段にある処理部2、35〜42、47〜50、5〜13においてはアナログ信号として処理され、A/D変換器14の後の段にある処理部15においてはデジタル信号として処理される。
【0111】
従って、本例の受信機では、マルチキャリア信号を一括して復調する方式を実施するに際して、受信されるキャリア信号の周波数が変化し得るような場合においても、当該変化に対応することができ、また、例えば、上記第1実施例で示した場合と同様に、A/D変換処理などのデジタル信号処理に係る構成を簡易化することができる。
【0112】
ここで、本例では、それぞれのキャリア信号に対して、共通な特性を有するバンドパスフィルタ39〜42と異なる特性を有するバンドパスフィルタ5〜8との両方により、キャリア信号を抽出するためのフィルタリングを行う構成を示したが、例えば、いずれか一方のバンドパスフィルタを省略するような構成が用いられてもよい。
【0113】
なお、本例の受信機では、1段目のローカル信号生成部31〜34の機能や1段目のダウンコンバータ部35〜38の機能により受信信号ダウンコンバート手段が構成されており、共通な特性を有するフィルタであるバンドパスフィルタ39〜42の機能によりキャリア信号帯域制限手段が構成されており、2段目のローカル信号生成部43〜46の機能や2段目のダウンコンバータ部47〜50の機能によりキャリア信号ダウンコンバート手段が構成されている。
【0114】
第4実施例に係る受信機を説明する。
図4には、4キャリア一括復調方式を実現した本例の受信機の構成例を示してある。
ここで、同図に示される本例の受信機の構成は、例えば、それぞれのキャリア信号の経路において2段目のダウンコンバータ部47〜50及びその直後のバンドパスフィルタ5〜8の組と自動利得制御器9〜12との並び順序を入れ替えた点を除いては、上記第3実施例の図3に示した受信機の構成と同様であり、全ての処理部1、2、31〜50、5〜15について同一の符号を用いて示す。
【0115】
具体的には、本例の受信機では、各キャリア信号の経路に、それぞれ、1個の1段目のダウンコンバータ部35〜38と、共通な特性を有する1個のバンドパスフィルタ39〜42と、1個の自動利得制御器9〜12と、1個の2段目のダウンコンバータ部47〜50と、異なる特性を有する1個のバンドパスフィルタ5〜8が記載順に備えられている。
【0116】
本例の受信機では、各キャリア信号の経路において、共通な特性を有するバンドパスフィルタ39〜42からの出力が自動利得制御器9〜12に入力されてそれぞれのキャリア信号のレベルが調整され、当該レベル調整後におけるそれぞれのキャリア信号が2段目のダウンコンバータ部47〜50や異なる特性を有するバンドパスフィルタ5〜8により処理されて、合成器13へ出力される。
【0117】
以上のように、本例の受信機においても、例えば、上記第3実施例の図3に示した受信機と同様な効果を得ることができる。
なお、通常は、ダウンコンバータ部47〜50とその直後のバンドパスフィルタ5〜8の組(ペア)と、自動利得制御器9〜12との入れ替えが可能である。例えば、ダウンコンバータ部を構成するミキサとバンドパスフィルタとの間に自動利得制御器が配置される場合には、当該ミキサで発生するイメージ信号までも自動利得制御器により増幅されてしまい、また、RSSIの検出が困難となると考えられる。
【0118】
第5実施例に係る受信機を説明する。
図5には、4キャリア一括復調方式を実現した本例の受信機の構成例を示してある。
ここで、同図に示される本例の受信機の構成は、例えば、上記第1実施例の図1に示した全ての処理部1〜15に、更に、キャリア毎レベル検出部61と、利得制御部62が備えられた構成となっており、上記第1実施例の図1に示した構成と同様な処理部1〜15については同一の符号を用いて示す。
【0119】
本例の受信機により行われる自動利得制御に係る動作の一例を示す。
本例の受信機では、直交検波部15は、それぞれのキャリア信号についての復調結果(検波結果)をキャリア毎レベル検出部61へ出力する。
キャリア毎レベル検出部61は、直交検波部15から入力されるそれぞれのキャリア信号についての復調結果に基づいてそれぞれのキャリア信号毎のレベルを検出し、当該検出結果を利得制御部62へ出力する。
【0120】
利得制御部62は、キャリア毎レベル検出部61から入力されるそれぞれのキャリア信号毎のレベルの検出結果に基づいて、A/D変換器14に入力される4つのキャリア信号のレベルが揃えられるように、それぞれの自動利得制御器9〜12によりそれぞれのキャリア信号を増幅する程度(ゲイン)を制御する。
【0121】
一例として、利得制御部62では、キャリア毎レベル検出部61により検出されるそれぞれのキャリア信号のレベルと、当該レベルを希望のレベルへ変換するためのゲインとの対応をテーブルなどにより記憶しておき、当該記憶内容に基づいて、それぞれの自動利得制御器9〜12のゲインを制御するための電圧(制御電圧)を調整するような態様で、制御を行うことができる。
【0122】
他の例として、利得制御部62では、直交検波部15によりそれぞれのキャリア信号毎に分割された後にキャリア毎レベル検出部61により演算されるそれぞれのキャリア信号のパワーに基づいて、当該パワー演算値が希望値と比べて減少した場合には該当する自動利得制御器9〜12に対してゲインを上昇させるためのコマンドを発行する一方、当該パワー演算値が希望値と比べて増加した場合には該当する自動利得制御器9〜12に対してゲインを下降させるためのコマンドを発行するような態様で、制御を行うことができる。
【0123】
以上のように、本例の受信機では、A/D変換器14によるA/D変換処理が為された後のデジタル領域においてそれぞれのキャリア信号のレベルを判定し、それぞれのキャリア信号についてのレベル判定結果に基づく制御信号をそれぞれの自動利得制御器9〜12へフィードバックすることにより、それぞれの自動利得制御器9〜12による自動利得制御を調整することが行われる。
【0124】
従って、本例の受信機では、例えば、受信されるそれぞれのキャリア信号のレベルが変動するような場合においても、フィードバック制御により、高精度な自動利得制御を行うことができる。
具体的には、例えば、A/D変換器14への入力のダイナミックレンジに対して有効であるようにそれぞれのキャリア信号のレベルを制御することなどができる。また、フィードバック型の制御を用いると、例えば、フィードフォワード型の自動利得制御では必要となるRSSI検出部を不要とすることが可能である。
【0125】
なお、本例の受信機では、キャリア毎レベル検出部61の機能によりキャリア信号レベル検出手段が構成されており、また、当該キャリア信号レベル検出手段の機能や利得制御部62の機能や自動利得制御器9〜12の機能によりキャリア信号レベル調整手段が構成されている。
【0126】
ここで、本例では、直交検波部15からの出力を用いて自動利得制御器9〜12をフィードバック制御する例を示したが、他の例として、A/D変換器14から出力されるデジタル信号を監視して、当該デジタル信号に基づいて自動利得制御器9〜12をフィードバック制御するような構成が用いられてもよい。
【0127】
また、本例では、デジタル領域におけるレベル判定結果に基づいて自動利得制御器9〜12をフィードバック制御する構成を、上記第1実施例の図1に示した受信機の構成に適用した場合を示したが、このようなフィードバック制御の構成は、他の実施例(上記第2実施例〜上記第4実施例)で示したような受信機の構成に適用することも可能であり、更に、他の受信機の構成に適用することも可能である。
【0128】
第6実施例に係る受信機を説明する。
本例の受信機は、CDMA方式を用いて無線通信を行う基地局装置に適用したものである。
ここで、本例の受信機の構成としては、例えば上記第1実施例〜上記第5実施例に示したような受信機の構成や、或いは、他の受信機の構成を用いることができる。
【0129】
具体的には、本例の受信機は、例えば、W−CDMAシステムの基地局装置やcdma2000システムの基地局装置に適用される。
次世代移動通信方式であるW−CDMA(広帯域符号分割多元接続)方式やcdma2000方式では、マルチキャリア信号が無線通信され、また、受信機側では受信ダイバーシティが実行される。
【0130】
しかしながら、例えば、4つのキャリアを用いて2つのブランチを有するアンテナダイバーシティを実現する場合には、従来では、総じて8(=4×2)個のA/D変換器が必要となってしまう。また、アナログ直交検波器を備える場合には、総じて16(=8×2)個のA/D変換器が必要となってしまう。
そこで、本発明に係る受信機をこのようなCDMAシステムの基地局装置に適用することにより、例えば従来と比べて、送受信機の大きさやコストを低減することができ、実用上の効果が大きい。
【0131】
ここで、本発明に係る受信機や基地局装置や通信システムなどの構成としては、必ずしも以上に示したものに限られず、種々な構成が用いられてもよい。なお、本発明は、例えば本発明に係る処理を実行する方法或いは方式や、このような方法や方式を実現するためのプログラムなどとして提供することも可能である。また、本発明の適用分野としては、必ずしも以上に示したものに限られず、本発明は、種々な分野に適用することが可能なものである。
【0132】
また、本発明に係る受信機や基地局装置や通信システムなどにおいて行われる各種の処理としては、例えばプロセッサやメモリ等を備えたハードウエア資源においてプロセッサがROM(Read Only Memory)に格納された制御プログラムを実行することにより制御される構成が用いられてもよく、また、例えば当該処理を実行するための各機能手段が独立したハードウエア回路として構成されてもよい。
また、本発明は上記の制御プログラムを格納したフロッピー(登録商標)ディスクやCD(Compact Disc)−ROM等のコンピュータにより読み取り可能な記録媒体や当該プログラム(自体)として把握することもでき、当該制御プログラムを記録媒体からコンピュータに入力してプロセッサに実行させることにより、本発明に係る処理を遂行させることができる。
【0133】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明に係る受信機によると、それぞれ異なる搬送波周波数を有する複数のキャリア信号を受信するに際して、受信信号に含まれるそれぞれのキャリア信号を抽出し、当該抽出される前又は当該抽出された後におけるそれぞれのキャリア信号のレベルを調整し、例えば1個のA/D変換器により当該レベルが調整された複数のキャリア信号をまとめてアナログ信号からデジタル信号へ変換し、これにより得られるデジタル信号に基づいてそれぞれのキャリア信号についてのデジタル処理を例えば時分割で行うようにしたため、複数のキャリア信号についてのA/D変換処理の構成を簡易化することができ、これにより、複数のキャリア信号をデジタル処理するためのハードウエアの容積やコストを効率化することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1実施例に係る受信機の構成例を示す図である。
【図2】 本発明の第2実施例に係る受信機の構成例を示す図である。
【図3】 本発明の第3実施例に係る受信機の構成例を示す図である。
【図4】 本発明の第4実施例に係る受信機の構成例を示す図である。
【図5】 本発明の第5実施例に係る受信機の構成例を示す図である。
【符号の説明】
1・・アンテナ、 2・・低雑音増幅器、
3、21、23、31〜34、43〜46・・ローカル信号生成部、
4、22、24〜27、35〜38、47〜50・・ダウンコンバータ部、
5〜8、39〜42・・バンドパスフィルタ、 9〜12・・自動利得制御器、
13・・合成器、 14・・A/D変換器、 15・・直交検波部、
61・・キャリア毎レベル検出部、 62・・利得制御部、

Claims (1)

  1. それぞれ異なる搬送波周波数を有する複数のキャリア信号を受信する受信機において、
    それぞれのキャリア信号毎に、受信信号に含まれるキャリア信号を抽出するキャリア信号抽出手段と、キャリア信号抽出手段の前段又は後段においてキャリア信号抽出手段により抽出されるキャリア信号のレベルを調整するキャリア信号レベル調整手段とを備え、
    複数のキャリア信号に対して共通に、キャリア信号抽出手段とキャリア信号レベル調整手段の後段においてそれぞれのキャリア信号に対応するキャリア信号レベル調整手段によりレベルが調整された複数のキャリア信号をまとめてアナログ信号からデジタル信号へ変換するキャリア信号A/D変換手段を備え、
    複数のキャリア信号に対して共通にキャリア信号A/D変換手段により得られるデジタル信号に基づいてそれぞれのキャリア信号についてのデジタル処理を行うデジタル処理手段を備え
    複数のキャリア信号に対して共通に、信号を受信するアンテナを備え、
    それぞれのキャリア信号毎に、複数のキャリア信号の中心周波数を同一の周波数へ変換する態様で受信信号をダウンコンバートする受信信号ダウンコンバート手段と、受信信号ダウンコンバート手段によりダウンコンバートされた信号を複数のキャリア信号について同一の中心周波数を用いて帯域制限するキャリア信号帯域制限手段と、キャリア信号帯域制限手段の後段においてキャリア信号をダウンコンバートするキャリア信号ダウンコンバート手段と、キャリア信号抽出手段を構成してキャリア信号ダウンコンバート手段によりダウンコンバートされた信号からキャリア信号を抽出するフィルタと、キャリア信号レベル調整手段を構成してキャリア信号帯域制限手段とキャリア信号ダウンコンバート手段との間又はフィルタの後段においてキャリア信号のレベルを調整する信号レベル変化器とを備え、
    複数のキャリア信号に対して共通に、キャリア信号ダウンコンバート手段とフィルタと信号レベル変化器の後段において複数のキャリア信号を合成するキャリア信号合成手段と、キャリア信号A/D変換手段を構成してキャリア信号合成手段による合成結果をアナログ信号からデジタル信号へ変換する1個のA/D変換器と、デジタル処理手段を構成してA/D変換器により得られるデジタル信号に基づいてそれぞれのキャリア信号についての復調処理を時分割で行う1個の復調処理器とを備えた、
    ことを特徴とする受信機。
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