JP2743633B2 - クロメ−ト処理鋼板及びその製造方法 - Google Patents
クロメ−ト処理鋼板及びその製造方法Info
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- JP2743633B2 JP2743633B2 JP3198634A JP19863491A JP2743633B2 JP 2743633 B2 JP2743633 B2 JP 2743633B2 JP 3198634 A JP3198634 A JP 3198634A JP 19863491 A JP19863491 A JP 19863491A JP 2743633 B2 JP2743633 B2 JP 2743633B2
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- C23C—COATING METALLIC MATERIAL; COATING MATERIAL WITH METALLIC MATERIAL; SURFACE TREATMENT OF METALLIC MATERIAL BY DIFFUSION INTO THE SURFACE, BY CHEMICAL CONVERSION OR SUBSTITUTION; COATING BY VACUUM EVAPORATION, BY SPUTTERING, BY ION IMPLANTATION OR BY CHEMICAL VAPOUR DEPOSITION, IN GENERAL
- C23C22/00—Chemical surface treatment of metallic material by reaction of the surface with a reactive liquid, leaving reaction products of surface material in the coating, e.g. conversion coatings, passivation of metals
- C23C22/73—Chemical surface treatment of metallic material by reaction of the surface with a reactive liquid, leaving reaction products of surface material in the coating, e.g. conversion coatings, passivation of metals characterised by the process
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、そのままで上塗り塗
装を施すことが可能な程に優れた塗装密着性を有すると
共に、裸使用であっても十分に良好な耐食性を示すクロ
メ−ト処理鋼板、並びにその製造方法に関するものであ
る。
装を施すことが可能な程に優れた塗装密着性を有すると
共に、裸使用であっても十分に良好な耐食性を示すクロ
メ−ト処理鋼板、並びにその製造方法に関するものであ
る。
【0002】
【従来技術とその課題】従来、家電製品や自動車等の素
材として需要先へ納入された鋼板には“1次防錆的な見
地”からのクロメ−ト処理を施すのが一般的であった
が、近年、コストダウン指向の浸透に伴って次第に「ク
ロメ−ト処理そのものによって1次防錆の域を超える良
好な耐食性や優れた外観色調等を付与しよう」との考え
が支配的になってきた。
材として需要先へ納入された鋼板には“1次防錆的な見
地”からのクロメ−ト処理を施すのが一般的であった
が、近年、コストダウン指向の浸透に伴って次第に「ク
ロメ−ト処理そのものによって1次防錆の域を超える良
好な耐食性や優れた外観色調等を付与しよう」との考え
が支配的になってきた。
【0003】そのため、“クロメ−ト液に関する様々な
工夫”や“新しい処理法の提案”が数多くなされてきた
が、中でも、鋼板にクロメ−ト液を塗布し水洗すること
なくそのまま乾燥する所謂「塗布型クロメ−ト処理」
は、クロム廃液処理の問題が少ない上に処理自体が簡単
かつ安価で、しかも適当な添加剤を添加することによっ
て種々の性能が確保できることから、一般に広く採用さ
れる手法の1つとなっている。
工夫”や“新しい処理法の提案”が数多くなされてきた
が、中でも、鋼板にクロメ−ト液を塗布し水洗すること
なくそのまま乾燥する所謂「塗布型クロメ−ト処理」
は、クロム廃液処理の問題が少ない上に処理自体が簡単
かつ安価で、しかも適当な添加剤を添加することによっ
て種々の性能が確保できることから、一般に広く採用さ
れる手法の1つとなっている。
【0004】ところで、家電製品用や自動車用の鋼板に
は外面側のみを片面塗装して使用するものも少なくな
く、このような鋼板では「塗装反対面(非塗装面)につ
いてはある程度の耐食性さえ確保されておれば良いが塗
装面には優れた上塗密着性が必要である」とされる場合
が多い。
は外面側のみを片面塗装して使用するものも少なくな
く、このような鋼板では「塗装反対面(非塗装面)につ
いてはある程度の耐食性さえ確保されておれば良いが塗
装面には優れた上塗密着性が必要である」とされる場合
が多い。
【0005】そこで、上述の用途に供される鋼板に対し
ては次のような処理法が提案されている。 A) クロメ−ト処理を施してから更に樹脂コ−ティング
する方法(特公昭49−4611号,特公昭60−33
192号), B) クロメ−ト液中に樹脂を添加した処理液を用い、こ
れでコ−ティングを施す方法(特公昭60−20468
号,特開昭61−28751号)。
ては次のような処理法が提案されている。 A) クロメ−ト処理を施してから更に樹脂コ−ティング
する方法(特公昭49−4611号,特公昭60−33
192号), B) クロメ−ト液中に樹脂を添加した処理液を用い、こ
れでコ−ティングを施す方法(特公昭60−20468
号,特開昭61−28751号)。
【0006】しかし、上記各方法で処理された鋼板は溶
接性や脱脂性の点で問題があり、しかも樹脂を使用する
ためにコストアップとなるのを否めないことから、樹脂
を含まない無機系の皮膜形成処理が有利であると考えら
れた。
接性や脱脂性の点で問題があり、しかも樹脂を使用する
ためにコストアップとなるのを否めないことから、樹脂
を含まない無機系の皮膜形成処理が有利であると考えら
れた。
【0007】一方、鋼板の耐食性改善を主目的としたク
ロメ−ト処理法としては、次のものが例示される。 a) 6価クロムの一部を強制還元して難溶性のCr3+を含
有させた処理液を用いる塗布型クロメ−ト処理法(特公
昭53−32350号,特公昭54−37566号
等), b) シリカを添加したクロメ−ト液で処理することによ
り耐食性の向上を図る方法(特公昭42−14050
号,特公昭60−18751号,特公昭61−5855
2号等) , c) 前記a)項, b)項に示す手法を組み合わせたクロメ−
ト処理法(特公昭61−1508号,特開平2−141
583号等)。 しかしながら、これらの方法は樹脂を用いる手段に比し
て溶接性,脱脂性或いはコストの面で優位であるもの
の、上塗り塗装密着性の点では十分に満足できる結果が
得られないと言った問題を有していた。
ロメ−ト処理法としては、次のものが例示される。 a) 6価クロムの一部を強制還元して難溶性のCr3+を含
有させた処理液を用いる塗布型クロメ−ト処理法(特公
昭53−32350号,特公昭54−37566号
等), b) シリカを添加したクロメ−ト液で処理することによ
り耐食性の向上を図る方法(特公昭42−14050
号,特公昭60−18751号,特公昭61−5855
2号等) , c) 前記a)項, b)項に示す手法を組み合わせたクロメ−
ト処理法(特公昭61−1508号,特開平2−141
583号等)。 しかしながら、これらの方法は樹脂を用いる手段に比し
て溶接性,脱脂性或いはコストの面で優位であるもの
の、上塗り塗装密着性の点では十分に満足できる結果が
得られないと言った問題を有していた。
【0008】このようなことから、本発明が目的とした
のは、更なる処理を施さなくても優れた上塗り塗装密着
性(1次,2次密着性を含む)を有していると同時に、
片面塗装した場合でも無塗装面(裸面)が1次防錆を超
える良好な耐食性を示し、かつ処理コストの安いクロメ
−ト処理鋼板を安定して提供することであった。
のは、更なる処理を施さなくても優れた上塗り塗装密着
性(1次,2次密着性を含む)を有していると同時に、
片面塗装した場合でも無塗装面(裸面)が1次防錆を超
える良好な耐食性を示し、かつ処理コストの安いクロメ
−ト処理鋼板を安定して提供することであった。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記目的を達
成すべく鋭意行われた本発明者の研究によって完成され
たものであり、 「鋼板表面のクロメ−ト皮膜を、 〔水可溶性クロム/水不溶性クロム〕の比率: 30/70〜
0/100, クロメ−ト皮膜最表層におけるSi原子占有面積率:5〜
30%, クロム付着量:金属Cr換算で5〜100 mg/m2 , なる構成とすることにより、 優れた塗装密着性と良好な
耐食性とを兼備したクロメ−ト処理鋼板を実現した点」
に特徴を有し、更には 「シリカを添加して 〔Cr6+/全Cr〕の比率: 0.3〜0.7 , 全Cr濃度:5〜60g/l(リットル), 〔SiO2 /全Cr〕の比率: 0.5〜4.0 に調整したCrO3 を主成分とするクロメ−ト液を被処理
鋼板の表面に常法通りに塗布するか、 或いは該クロメ−
ト液に超音波振動を付加しながら被処理鋼板の表面に塗
布し、 水洗することなくそのまま最高到達板温が50〜
250℃の条件で乾燥することにより、 優れた塗装密着
性と良好な耐食性とを兼備した前記クロメ−ト処理鋼板
を安定かつ低コストで製造し得るようにした点」にも大
きな特徴を有している。
成すべく鋭意行われた本発明者の研究によって完成され
たものであり、 「鋼板表面のクロメ−ト皮膜を、 〔水可溶性クロム/水不溶性クロム〕の比率: 30/70〜
0/100, クロメ−ト皮膜最表層におけるSi原子占有面積率:5〜
30%, クロム付着量:金属Cr換算で5〜100 mg/m2 , なる構成とすることにより、 優れた塗装密着性と良好な
耐食性とを兼備したクロメ−ト処理鋼板を実現した点」
に特徴を有し、更には 「シリカを添加して 〔Cr6+/全Cr〕の比率: 0.3〜0.7 , 全Cr濃度:5〜60g/l(リットル), 〔SiO2 /全Cr〕の比率: 0.5〜4.0 に調整したCrO3 を主成分とするクロメ−ト液を被処理
鋼板の表面に常法通りに塗布するか、 或いは該クロメ−
ト液に超音波振動を付加しながら被処理鋼板の表面に塗
布し、 水洗することなくそのまま最高到達板温が50〜
250℃の条件で乾燥することにより、 優れた塗装密着
性と良好な耐食性とを兼備した前記クロメ−ト処理鋼板
を安定かつ低コストで製造し得るようにした点」にも大
きな特徴を有している。
【0010】ここで、ベ−ス鋼板、即ちクロメ−ト処理
が施される被処理鋼板としては亜鉛又は亜鉛系合金めっ
き鋼板が好適である。また、クロメ−ト液に添加するシ
リカとしては、酸性領域で安定な“水分散型コロイダル
シリカ”或いは“粉末凝集シリカ”であって、1次平均
粒径が10〜50nmのものが好ましい。
が施される被処理鋼板としては亜鉛又は亜鉛系合金めっ
き鋼板が好適である。また、クロメ−ト液に添加するシ
リカとしては、酸性領域で安定な“水分散型コロイダル
シリカ”或いは“粉末凝集シリカ”であって、1次平均
粒径が10〜50nmのものが好ましい。
【0011】なお、本発明において、クロメ−ト皮膜中
の 「水不溶性クロムに対する水可溶性クロムの比率」,
「最表層におけるSi原子占有面積率」 及び 「クロム付着
量」 、並びにクロメ−ト液中の 「全Cr量に対するCr6+量
の比率」, 「全Cr濃度」 及び 「全Cr量に対するSiO2 量の
比率」 、更には乾燥時の最高到達板温を前記の如くに数
値限定した理由は次の通りである。
の 「水不溶性クロムに対する水可溶性クロムの比率」,
「最表層におけるSi原子占有面積率」 及び 「クロム付着
量」 、並びにクロメ−ト液中の 「全Cr量に対するCr6+量
の比率」, 「全Cr濃度」 及び 「全Cr量に対するSiO2 量の
比率」 、更には乾燥時の最高到達板温を前記の如くに数
値限定した理由は次の通りである。
【0012】(a) 〔水可溶性クロム/水不溶性クロ
ム〕の比率 水可溶性クロムは吸湿性であるため塗装後に塗膜下に水
分を吸い込みやすく、2次密着ばかりか1次密着におい
ても塗装密着性を劣化する。そして、水不溶性クロム量
に対する水可溶性クロム量の比率が30/70を超えた場合
には所望の塗装密着性を確保できなくなる。従って、ク
ロメ−ト皮膜中における〔水可溶性クロム/水不溶性ク
ロム〕の比率は 30/70〜0/100 と定めた。
ム〕の比率 水可溶性クロムは吸湿性であるため塗装後に塗膜下に水
分を吸い込みやすく、2次密着ばかりか1次密着におい
ても塗装密着性を劣化する。そして、水不溶性クロム量
に対する水可溶性クロム量の比率が30/70を超えた場合
には所望の塗装密着性を確保できなくなる。従って、ク
ロメ−ト皮膜中における〔水可溶性クロム/水不溶性ク
ロム〕の比率は 30/70〜0/100 と定めた。
【0013】なお、水不溶性クロム量が100%近くの
場合でも、オ−バ−ベ−クになると表面に存在する不活
性なCr, Si酸化物層が厚くなって塗装密着性が劣化する
傾向が認められる。また、シリカが添加されると、水可
溶性のCr6+がSiO2 表面に吸着してクロメ−ト皮膜中に
ある程度残留するようになるので水不溶性クロム量が1
00%近くの場合でもCr6+のセルフヒ−リング効果によ
る耐食性向上効果が期待できるが、水不溶性クロムが多
い状態でオ−バ−ベ−クになるとこのセルフヒ−リング
効果も期待できなくなり、耐食性(特に加工後耐食性)
の劣化が懸念されるようになる。このような事情等を考
慮すれば、〔水可溶性クロム/水不溶性クロム〕の比率
は 20/80〜5/95の範囲に調整するのが好ましいと言え
る。
場合でも、オ−バ−ベ−クになると表面に存在する不活
性なCr, Si酸化物層が厚くなって塗装密着性が劣化する
傾向が認められる。また、シリカが添加されると、水可
溶性のCr6+がSiO2 表面に吸着してクロメ−ト皮膜中に
ある程度残留するようになるので水不溶性クロム量が1
00%近くの場合でもCr6+のセルフヒ−リング効果によ
る耐食性向上効果が期待できるが、水不溶性クロムが多
い状態でオ−バ−ベ−クになるとこのセルフヒ−リング
効果も期待できなくなり、耐食性(特に加工後耐食性)
の劣化が懸念されるようになる。このような事情等を考
慮すれば、〔水可溶性クロム/水不溶性クロム〕の比率
は 20/80〜5/95の範囲に調整するのが好ましいと言え
る。
【0014】ところで、〔水可溶性クロム/水不溶性ク
ロム〕の比率を上記範囲に調整する手段としては、次の
2つの方法或いはこれらを組み合わせた方法を採用する
のが良い。 i) 予め、クロメ−ト液中に不溶性塩を形成しやすいCr
3+を存在させておく方法で、このためにはCrO3 溶液中
に多糖類,脂肪酸,アルコ−ル等の有機物還元剤や過酸
化水素等の還元剤を添加して成分調整するのが良い。 ii) 焼付け温度を上げることにより、可溶性のCr6+を不
溶性のCr3+へ熱還元させる方法。
ロム〕の比率を上記範囲に調整する手段としては、次の
2つの方法或いはこれらを組み合わせた方法を採用する
のが良い。 i) 予め、クロメ−ト液中に不溶性塩を形成しやすいCr
3+を存在させておく方法で、このためにはCrO3 溶液中
に多糖類,脂肪酸,アルコ−ル等の有機物還元剤や過酸
化水素等の還元剤を添加して成分調整するのが良い。 ii) 焼付け温度を上げることにより、可溶性のCr6+を不
溶性のCr3+へ熱還元させる方法。
【0015】(b) クロメ−ト皮膜最表層におけるSi原
子占有面積率 従来、シリカ(SiO2 )を添加したクロメ−ト皮膜は
「耐食性が良好であるものの塗装密着性が悪い」とされ
ているが、一方で「SiO2 粒子は表層にシラノ−ル基
(Si−OH)があるのでそのOH基が焼付塗料の官能基
と反応して塗装密着性を上げる」とも言われている。
子占有面積率 従来、シリカ(SiO2 )を添加したクロメ−ト皮膜は
「耐食性が良好であるものの塗装密着性が悪い」とされ
ているが、一方で「SiO2 粒子は表層にシラノ−ル基
(Si−OH)があるのでそのOH基が焼付塗料の官能基
と反応して塗装密着性を上げる」とも言われている。
【0016】そこで、本発明者は種々の観点からこの点
に関する検討を行ったところ、 1) SiO2 を添加するとこのSiO2 粒子表面に可溶性で
あるCr6+が吸着して保持されるが、これにより良好な塗
装密着性が劣化する。しかし、最表層でのSiO2 量を多
くするように図ると上記不都合が回避される。即ち、最
表層部のSiO2量が多くなるとシラノ−ル基が多数存在
することとなって塗装密着性が向上する, 2) ただ、SiO2 の粒径や添加量、更にはCr付着量等に
よってはクロメ−ト皮膜最表層のSiO2 にシラノ−ル基
が出ず、逆に塗装密着性の劣化を来たす場合もある, との事実を確認することができた。このため、更に検討
を重ねて次の結論を得たのである。
に関する検討を行ったところ、 1) SiO2 を添加するとこのSiO2 粒子表面に可溶性で
あるCr6+が吸着して保持されるが、これにより良好な塗
装密着性が劣化する。しかし、最表層でのSiO2 量を多
くするように図ると上記不都合が回避される。即ち、最
表層部のSiO2量が多くなるとシラノ−ル基が多数存在
することとなって塗装密着性が向上する, 2) ただ、SiO2 の粒径や添加量、更にはCr付着量等に
よってはクロメ−ト皮膜最表層のSiO2 にシラノ−ル基
が出ず、逆に塗装密着性の劣化を来たす場合もある, との事実を確認することができた。このため、更に検討
を重ねて次の結論を得たのである。
【0017】SiO2 添加によって塗装密着性が改善され
るが、その場合でもクロメ−ト皮膜最表層におけるSi原
子占有面積率(以降“Si占有率”と称す)が5%に達し
ないとSiO2 添加による一層の塗装密着性改善効果は確
保できない。一方、Si占有率が30%を超えた場合には
表層に硬いシリコン皮膜が形成され、クロメ−ト皮膜全
体が凝集破壊を起こしやすくなって塗装密着性が劣化す
る。なお、Si占有率はX線光電子分析装置にてクロメ−
ト皮膜の表層組成比率を調べることで測定することがで
きる。
るが、その場合でもクロメ−ト皮膜最表層におけるSi原
子占有面積率(以降“Si占有率”と称す)が5%に達し
ないとSiO2 添加による一層の塗装密着性改善効果は確
保できない。一方、Si占有率が30%を超えた場合には
表層に硬いシリコン皮膜が形成され、クロメ−ト皮膜全
体が凝集破壊を起こしやすくなって塗装密着性が劣化す
る。なお、Si占有率はX線光電子分析装置にてクロメ−
ト皮膜の表層組成比率を調べることで測定することがで
きる。
【0018】(c) クロム付着量 クロム付着量が5 mg/m2 未満であると、鋼板表面を完
全にクロメ−ト皮膜でカバ−することができずにベ−ス
鋼板面(亜鉛めっき鋼板であると亜鉛或いは亜鉛酸化物
層)が一部剥き出しになって耐食性の劣化を招いたり、
クロメ−ト皮膜が薄すぎてSiO2 粒子を保持し切れずに
塗装密着性を劣化したりする。一方、クロム付着量が1
00 mg/m2 を超えた場合にはクロメ−ト皮膜内の凝集
破壊を起こしやすくなり(特にクロメ−ト皮膜中にSiO
2 粒子が存在すると皮膜が固くなって一段と凝集破壊を
起こしやすくなる)、このため塗装密着性は劣化する。
従って、クロム付着量は5〜100 mg/m2 と定めた
が、出来れば10〜70 mg/m2 に調整するのが好まし
い。
全にクロメ−ト皮膜でカバ−することができずにベ−ス
鋼板面(亜鉛めっき鋼板であると亜鉛或いは亜鉛酸化物
層)が一部剥き出しになって耐食性の劣化を招いたり、
クロメ−ト皮膜が薄すぎてSiO2 粒子を保持し切れずに
塗装密着性を劣化したりする。一方、クロム付着量が1
00 mg/m2 を超えた場合にはクロメ−ト皮膜内の凝集
破壊を起こしやすくなり(特にクロメ−ト皮膜中にSiO
2 粒子が存在すると皮膜が固くなって一段と凝集破壊を
起こしやすくなる)、このため塗装密着性は劣化する。
従って、クロム付着量は5〜100 mg/m2 と定めた
が、出来れば10〜70 mg/m2 に調整するのが好まし
い。
【0019】(d) クロメ−ト液中の〔Cr6+/全Cr〕の
比率 クロメ−ト処理に適用するクロメ−ト液中の〔Cr6+/全
Cr〕比率が 0.3未満では、不溶性のCr3+が多すぎてクロ
メ−ト液の安定性が劣化する。一方、〔Cr6+/全Cr〕比
率が 0.7を上回ると可溶性のCr6+が多すぎて、熱還元に
よってもクロメ−ト皮膜における〔水可溶性クロム/水
不溶性クロム〕の比率を 30/70〜0/100の範囲内に収め
ることが困難となる。また、Cr6+が多すぎるとSiO2 粒
子が凝集しやすく、液安定性の面でも問題がある。従っ
て、適用するクロメ−ト液は、液中の〔Cr6+/全Cr〕の
比率を 0.3〜0.7 とするのが好ましい。
比率 クロメ−ト処理に適用するクロメ−ト液中の〔Cr6+/全
Cr〕比率が 0.3未満では、不溶性のCr3+が多すぎてクロ
メ−ト液の安定性が劣化する。一方、〔Cr6+/全Cr〕比
率が 0.7を上回ると可溶性のCr6+が多すぎて、熱還元に
よってもクロメ−ト皮膜における〔水可溶性クロム/水
不溶性クロム〕の比率を 30/70〜0/100の範囲内に収め
ることが困難となる。また、Cr6+が多すぎるとSiO2 粒
子が凝集しやすく、液安定性の面でも問題がある。従っ
て、適用するクロメ−ト液は、液中の〔Cr6+/全Cr〕の
比率を 0.3〜0.7 とするのが好ましい。
【0020】(e) クロメ−ト液中の全Cr濃度 クロメ−ト処理に適用するクロメ−ト液中の全Cr濃度が
5g/L 未満では目標Cr付着量5mg/m2 以上を確保するこ
とが困難であり、一方、全Cr濃度が60g/L を超えると
Cr付着量を目標たる100mg/m2 以下に抑えることが困
難となるばかりか、Cr6+が多すぎてSiO2 粒子が凝集し
やすくなるなど液安定性の面でも問題となる懸念が出て
くる。従って、クロメ−ト液中の全Cr濃度は5〜60g/
L に調整するのが良い。
5g/L 未満では目標Cr付着量5mg/m2 以上を確保するこ
とが困難であり、一方、全Cr濃度が60g/L を超えると
Cr付着量を目標たる100mg/m2 以下に抑えることが困
難となるばかりか、Cr6+が多すぎてSiO2 粒子が凝集し
やすくなるなど液安定性の面でも問題となる懸念が出て
くる。従って、クロメ−ト液中の全Cr濃度は5〜60g/
L に調整するのが良い。
【0021】(f) クロメ−ト液中における〔SiO2 /
全Cr〕の比率 クロメ−ト処理に適用するクロメ−ト液中の〔SiO2 /
全Cr〕比率が 0.5未満であると、目標Si占有率5%以上
を確保することが困難になる。一方、〔SiO2 /全Cr〕
比率が4.0以上であるとSi占有率が30%を超える可能
性があり、しかもSiO2 量が多すぎてSiO2 粒子が凝集
しやすくなるなど液安定性の面でも問題となる。従っ
て、クロメ−ト液中における〔SiO2 /全Cr〕の比率は
0.5〜4.0と定めた。
全Cr〕の比率 クロメ−ト処理に適用するクロメ−ト液中の〔SiO2 /
全Cr〕比率が 0.5未満であると、目標Si占有率5%以上
を確保することが困難になる。一方、〔SiO2 /全Cr〕
比率が4.0以上であるとSi占有率が30%を超える可能
性があり、しかもSiO2 量が多すぎてSiO2 粒子が凝集
しやすくなるなど液安定性の面でも問題となる。従っ
て、クロメ−ト液中における〔SiO2 /全Cr〕の比率は
0.5〜4.0と定めた。
【0022】なお、クロメ−ト液中に添加するシリカは
前述したSi占有率さえ確保できるものであれば特にその
種類には関係ないが、液中への分散性や液安定性の面か
らすれば、酸性領域で安定な“水分散型コロイダルシリ
カ”又は“粉末凝集シリカ”が好適である。
前述したSi占有率さえ確保できるものであれば特にその
種類には関係ないが、液中への分散性や液安定性の面か
らすれば、酸性領域で安定な“水分散型コロイダルシリ
カ”又は“粉末凝集シリカ”が好適である。
【0023】また、添加するシリカの粒径はクロメ−ト
処理鋼板の性能に少なからぬ影響を及ぼす。例えば、シ
リカの1次平均粒径が10nm以下であるとクロメ−ト皮
膜がSiO2 粒子をカバ−してしまい、表層にSiO2 粒子
が存在しにくくなってSi占有率5%を確保するのが難し
くなる。一方、シリカの1次平均粒径が50nmを超える
とSi占有率が30%を超える傾向を見せるばかりか、Si
O2 粒子径が大きすぎるとロ−ル塗布等の場合には鋼板
とロ−ル間のせん断によりSiO2 粒子が剥落するように
なり、クロメ−ト皮膜にSiO2粒子を保持させるのが難
しくなって塗装密着性の劣化を招く恐れが出てくる。そ
のため、添加するシリカは1次平均粒径が10〜50nm
のものとするのが望ましい。使用シリカの具体例として
は、例えばコロイダルシリカではスノ−テックスシリ−
ズ〔商品名:日産化学株式会社〕,粉末シリカではエア
ロジル〔商品名:デグサ社〕等が挙げられる。
処理鋼板の性能に少なからぬ影響を及ぼす。例えば、シ
リカの1次平均粒径が10nm以下であるとクロメ−ト皮
膜がSiO2 粒子をカバ−してしまい、表層にSiO2 粒子
が存在しにくくなってSi占有率5%を確保するのが難し
くなる。一方、シリカの1次平均粒径が50nmを超える
とSi占有率が30%を超える傾向を見せるばかりか、Si
O2 粒子径が大きすぎるとロ−ル塗布等の場合には鋼板
とロ−ル間のせん断によりSiO2 粒子が剥落するように
なり、クロメ−ト皮膜にSiO2粒子を保持させるのが難
しくなって塗装密着性の劣化を招く恐れが出てくる。そ
のため、添加するシリカは1次平均粒径が10〜50nm
のものとするのが望ましい。使用シリカの具体例として
は、例えばコロイダルシリカではスノ−テックスシリ−
ズ〔商品名:日産化学株式会社〕,粉末シリカではエア
ロジル〔商品名:デグサ社〕等が挙げられる。
【0024】ところで、本発明に係わるクロメ−ト液中
には、更なる耐食性の向上を目指してリン酸,硫酸,硝
酸等の無機酸を添加して良いことは言うまでもない。そ
して、被処理鋼板面にクロメ−ト液を塗布する手段とし
ては周知のシャワ−リンガ−絞り方式,エア−ナイフ絞
り方式、ロ−ルコ−ト方式,静電塗布方式等の何れの方
法を採用しても良く、格別な規制はない。また、乾燥方
式も特に規制はなく、オ−ブン乾燥,電磁誘導加熱,ブ
ロア−乾燥等の何れによっても差支えはない。
には、更なる耐食性の向上を目指してリン酸,硫酸,硝
酸等の無機酸を添加して良いことは言うまでもない。そ
して、被処理鋼板面にクロメ−ト液を塗布する手段とし
ては周知のシャワ−リンガ−絞り方式,エア−ナイフ絞
り方式、ロ−ルコ−ト方式,静電塗布方式等の何れの方
法を採用しても良く、格別な規制はない。また、乾燥方
式も特に規制はなく、オ−ブン乾燥,電磁誘導加熱,ブ
ロア−乾燥等の何れによっても差支えはない。
【0025】しかし、クロメ−ト液としてSiO2 粒子の
ような酸化物微粒子を添加したものでは、クロメ−ト液
中に存在するCr6+やCr3+の影響、或いは耐食性向上を目
的として必要により添加されるZr,Ba,V,Ni,Co,Mo
等が水溶液中に多価陽イオンとなって存在したり、造膜
剤として必要により添加されるPO4 3- やSO3 2- のよ
うな陰イオンが存在する場合にはそれらの影響により、
前記酸化物微粒子の粒径が経時的に増大して粒子の粗大
凝集化,処理液のゲル化が起きる恐れがある。
ような酸化物微粒子を添加したものでは、クロメ−ト液
中に存在するCr6+やCr3+の影響、或いは耐食性向上を目
的として必要により添加されるZr,Ba,V,Ni,Co,Mo
等が水溶液中に多価陽イオンとなって存在したり、造膜
剤として必要により添加されるPO4 3- やSO3 2- のよ
うな陰イオンが存在する場合にはそれらの影響により、
前記酸化物微粒子の粒径が経時的に増大して粒子の粗大
凝集化,処理液のゲル化が起きる恐れがある。
【0026】なお、クロメ−ト液中の酸化物粒子径が変
動するということは製品性能に影響を及ぼすクロメ−ト
皮膜中の酸化物微粒子径が変動することであって、製品
性能が経時的にバラツキを生じる原因となり品質管理上
問題となる。また、クロメ−ト液中で酸化物微粒子の凝
集,ゲル化が起きると、シャワ−スプレ−,浸漬後リン
ガ−ロ−ルで絞るロ−ル絞り,ロ−ルコ−ティング等の
ようにノズル内やロ−ル・鋼板間、或いはロ−ル・ロ−
ル間でクロメ−ト液に剪断力がかかるような作業では酸
化物微粒子を均一に安定して鋼板上に載せることができ
ず、場合によっては酸化物粒子の粗大凝集化によりクロ
メ−ト皮膜中に全く酸化物粒子が保持されずに製品性能
を劣化させる事態も生じ、塗工安定性からも問題とな
る。
動するということは製品性能に影響を及ぼすクロメ−ト
皮膜中の酸化物微粒子径が変動することであって、製品
性能が経時的にバラツキを生じる原因となり品質管理上
問題となる。また、クロメ−ト液中で酸化物微粒子の凝
集,ゲル化が起きると、シャワ−スプレ−,浸漬後リン
ガ−ロ−ルで絞るロ−ル絞り,ロ−ルコ−ティング等の
ようにノズル内やロ−ル・鋼板間、或いはロ−ル・ロ−
ル間でクロメ−ト液に剪断力がかかるような作業では酸
化物微粒子を均一に安定して鋼板上に載せることができ
ず、場合によっては酸化物粒子の粗大凝集化によりクロ
メ−ト皮膜中に全く酸化物粒子が保持されずに製品性能
を劣化させる事態も生じ、塗工安定性からも問題とな
る。
【0027】クロメ−ト液中で酸化物微粒子が凝集を起
こしやすい理由としては、「水溶液中では酸化物微粒子
は表層に水和物層が存在し電気的に極性を持つためにそ
の反発力で分散しているが、 例えばクロメ−ト中のCr6+
等の金属多価イオンが微粒子表面に特異吸着を起こすと
酸化物微粒子表面電位が下がるために電気的反発力を失
い微粒子間で凝集が起こっていく。 そして、 この際に多
価イオンを介しているためにファン・デル・ワ−ルス力
のみの凝集とは異なって強い結合力で凝集が起こり、 最
終的に沈澱或いはゲル化が起きる」ためであると考えら
れる。
こしやすい理由としては、「水溶液中では酸化物微粒子
は表層に水和物層が存在し電気的に極性を持つためにそ
の反発力で分散しているが、 例えばクロメ−ト中のCr6+
等の金属多価イオンが微粒子表面に特異吸着を起こすと
酸化物微粒子表面電位が下がるために電気的反発力を失
い微粒子間で凝集が起こっていく。 そして、 この際に多
価イオンを介しているためにファン・デル・ワ−ルス力
のみの凝集とは異なって強い結合力で凝集が起こり、 最
終的に沈澱或いはゲル化が起きる」ためであると考えら
れる。
【0028】このように、酸化物微粒子を添加したクロ
メ−ト液では、調合直後のものを使用する場合には目標
とする被膜性能が得られるが、時間の経過に影響されな
いで何時までも安定した製品性能を得る上では大きな懸
念がある。従って、SiO2 粒子のような酸化物微粒子を
添加したクロメ−ト液では前記問題を解消するために該
酸化物微粒子の均一分散を図ることも重要となるが、タ
ンク内での循環攪拌や攪拌子を用いる機械的攪拌方法で
は経時安定的に酸化物微粒子の均一分散状態を確保する
ことは困難である。
メ−ト液では、調合直後のものを使用する場合には目標
とする被膜性能が得られるが、時間の経過に影響されな
いで何時までも安定した製品性能を得る上では大きな懸
念がある。従って、SiO2 粒子のような酸化物微粒子を
添加したクロメ−ト液では前記問題を解消するために該
酸化物微粒子の均一分散を図ることも重要となるが、タ
ンク内での循環攪拌や攪拌子を用いる機械的攪拌方法で
は経時安定的に酸化物微粒子の均一分散状態を確保する
ことは困難である。
【0029】しかるに、上述のような酸化物微粒子を添
加したクロメ−ト液であっても、クロメ−ト処理に際し
て超音波振動を付与しながらクロメ−ト処理液の塗布を
行うと、クロメ−ト液中での酸化物微粒子の安定した均
一分散が確保され、微細な酸化物微粒子が均一に保持さ
れた高性能のクロメ−ト皮膜を安定して形成させること
が可能になる。しかも、上記超音波振動の付与を実施す
ると、一旦クロメ−ト液の経時劣化により凝集した酸化
物微粒子を添加直後の1次粒子径近くにまで再分散させ
ることもできるで、クロメ−ト液の調整時からクロメ−
ト処理時までの液の管理も極めて容易となる。
加したクロメ−ト液であっても、クロメ−ト処理に際し
て超音波振動を付与しながらクロメ−ト処理液の塗布を
行うと、クロメ−ト液中での酸化物微粒子の安定した均
一分散が確保され、微細な酸化物微粒子が均一に保持さ
れた高性能のクロメ−ト皮膜を安定して形成させること
が可能になる。しかも、上記超音波振動の付与を実施す
ると、一旦クロメ−ト液の経時劣化により凝集した酸化
物微粒子を添加直後の1次粒子径近くにまで再分散させ
ることもできるで、クロメ−ト液の調整時からクロメ−
ト処理時までの液の管理も極めて容易となる。
【0030】この際、付加する超音波の周波数としては
15〜100kHzで十分である。ここで、該周波数が1
5kHz未満であると振動音が可聴域に入るために騒音が
大きくなり、一方、100kHzを超える周波数を付加す
るには製作が困難な大きな振動子を必要とする上、設備
費が高くなるので何れも好ましくない。超音波の出力に
ついては使用タンク内全般で攪拌がなされる程度で良
く、付加時間はクロメ−ト液濃度,液pH,添加する酸
化物種,添加濃度,使用液温等に応じて所望の酸化物分
散状態が得られる値を決定すれば良い。この際、酸化物
微粒子の粒子変動を考慮すると、塗布期間中は連続的に
超音波振動を付加し続けることが好ましいと言える。
15〜100kHzで十分である。ここで、該周波数が1
5kHz未満であると振動音が可聴域に入るために騒音が
大きくなり、一方、100kHzを超える周波数を付加す
るには製作が困難な大きな振動子を必要とする上、設備
費が高くなるので何れも好ましくない。超音波の出力に
ついては使用タンク内全般で攪拌がなされる程度で良
く、付加時間はクロメ−ト液濃度,液pH,添加する酸
化物種,添加濃度,使用液温等に応じて所望の酸化物分
散状態が得られる値を決定すれば良い。この際、酸化物
微粒子の粒子変動を考慮すると、塗布期間中は連続的に
超音波振動を付加し続けることが好ましいと言える。
【0031】超音波振動の付加手段としては、“超音波
振動子を直接クロメ−ト液収容タンク中に浸漬する方
法", "タンク下部や側壁に超音波振動子を取付ける方
法”或いは“循環パイプの途中に超音波振動子を取付け
る方法”等が採用できる。また、必要により攪拌子によ
る機械的攪拌と組み合わせても良い。特に、多少底部に
沈澱を起こすような分散性の悪い酸化物微粒子添加クロ
メ−ト液を使用する場合には、予め機械攪拌にて底部凝
集物を巻き上げ、それから超音波振動にて酸化物粒子を
細粒化させるように両手段を組み合わせると、効果的に
短時間で再分散均一化が行えるので好ましい。
振動子を直接クロメ−ト液収容タンク中に浸漬する方
法", "タンク下部や側壁に超音波振動子を取付ける方
法”或いは“循環パイプの途中に超音波振動子を取付け
る方法”等が採用できる。また、必要により攪拌子によ
る機械的攪拌と組み合わせても良い。特に、多少底部に
沈澱を起こすような分散性の悪い酸化物微粒子添加クロ
メ−ト液を使用する場合には、予め機械攪拌にて底部凝
集物を巻き上げ、それから超音波振動にて酸化物粒子を
細粒化させるように両手段を組み合わせると、効果的に
短時間で再分散均一化が行えるので好ましい。
【0032】なお、図1乃至図3は、それぞれクロメ−
ト液貯蔵循環タンク(1) 内のクロメ−ト液をクロメ−ト
液スプレ−ゾ−ン(2) にて被処理鋼板(3) の表面にスプ
レ−してクロメ−ト処理する際に、クロメ−ト液へ超音
波振動を付加して酸化物微粒子の微細均一分散化を図る
手法を説明したものであるが、図1はクロメ−ト液貯蔵
循環タンク(1) 内で超音波振動板(4) を浸漬して超音波
振動装置(5) からの振動を付与する方法を、また図2は
クロメ−ト液貯蔵循環タンク(1) の外側に直接超音波振
動装置(5) を直接接触配置して振動を付与する方法を、
そして図3はクロメ−ト液循環パイプに超音波振動装置
(5) を直接付設しして振動を付与する方法を示してい
る。また、この例では、酸化物微粒子の分散効率を高め
るためにクロメ−ト液貯蔵循環タンク(1) 内での機械的
攪拌を実施できるよう、何れもクロメ−ト液貯蔵循環タ
ンク(1) 内に攪拌子(インペラ−)(6) が設置されてい
る。
ト液貯蔵循環タンク(1) 内のクロメ−ト液をクロメ−ト
液スプレ−ゾ−ン(2) にて被処理鋼板(3) の表面にスプ
レ−してクロメ−ト処理する際に、クロメ−ト液へ超音
波振動を付加して酸化物微粒子の微細均一分散化を図る
手法を説明したものであるが、図1はクロメ−ト液貯蔵
循環タンク(1) 内で超音波振動板(4) を浸漬して超音波
振動装置(5) からの振動を付与する方法を、また図2は
クロメ−ト液貯蔵循環タンク(1) の外側に直接超音波振
動装置(5) を直接接触配置して振動を付与する方法を、
そして図3はクロメ−ト液循環パイプに超音波振動装置
(5) を直接付設しして振動を付与する方法を示してい
る。また、この例では、酸化物微粒子の分散効率を高め
るためにクロメ−ト液貯蔵循環タンク(1) 内での機械的
攪拌を実施できるよう、何れもクロメ−ト液貯蔵循環タ
ンク(1) 内に攪拌子(インペラ−)(6) が設置されてい
る。
【0033】ところで、一見類似しているかに思える技
術として、クロメ−ト処理の際に被処理鋼板を浸漬した
クロメ−ト液に超音波振動を加え、そのキャビテ−ショ
ンを利用して液の反応性を上げる“反応型クロメ−ト処
理法”が知られているが(例えば特開昭61−1478
84号公報参照)、これは塗布型クロメ−トに適用でき
るものではなく、しかも本発明に係わる酸化物微粒子の
分散性を改善するための技術でないことは明らかであ
る。
術として、クロメ−ト処理の際に被処理鋼板を浸漬した
クロメ−ト液に超音波振動を加え、そのキャビテ−ショ
ンを利用して液の反応性を上げる“反応型クロメ−ト処
理法”が知られているが(例えば特開昭61−1478
84号公報参照)、これは塗布型クロメ−トに適用でき
るものではなく、しかも本発明に係わる酸化物微粒子の
分散性を改善するための技術でないことは明らかであ
る。
【0034】(g) 乾燥時の最高到達板温 SiO2 添加によりクロメ−ト皮膜中のCr6+が多くなるた
め、クロメ−ト皮膜中の可溶性Cr量を増やす結果とな
る。これを防止するためには、従来の如き単なる水分を
飛ばすような乾燥ではなく、加熱温度を強化して熱還元
力を上げた乾燥を行う必要がある。そして、この場合の
最高到達温度が板温基準で50℃未満であると〔水可溶
性クロム/水不溶性クロム〕の比率を30/70 以下とする
のが困難であり、一方、該最高到達温度が250℃を超
えると〔水可溶性クロム/水不溶性クロム〕の比率0/10
0 を達成できるが、オ−バ−ベ−クのためにクロメ−ト
皮膜表面のシラノ−ル基中のOH基が減少して酸化皮膜
層が厚くなり、塗装密着性が劣化する。従って、乾燥時
の最高到達板温は50〜250℃と定めた。
め、クロメ−ト皮膜中の可溶性Cr量を増やす結果とな
る。これを防止するためには、従来の如き単なる水分を
飛ばすような乾燥ではなく、加熱温度を強化して熱還元
力を上げた乾燥を行う必要がある。そして、この場合の
最高到達温度が板温基準で50℃未満であると〔水可溶
性クロム/水不溶性クロム〕の比率を30/70 以下とする
のが困難であり、一方、該最高到達温度が250℃を超
えると〔水可溶性クロム/水不溶性クロム〕の比率0/10
0 を達成できるが、オ−バ−ベ−クのためにクロメ−ト
皮膜表面のシラノ−ル基中のOH基が減少して酸化皮膜
層が厚くなり、塗装密着性が劣化する。従って、乾燥時
の最高到達板温は50〜250℃と定めた。
【0035】以下、本発明を実施例により更に具体的に
説明する。
説明する。
【実施例】実施例 1 片面塗装鋼板を想定して被処理鋼板に下記条件でクロメ
−ト処理を施し、得られたクロメ−ト処理鋼板の塗装密
着性と裸面の耐食性を調査した。
−ト処理を施し、得られたクロメ−ト処理鋼板の塗装密
着性と裸面の耐食性を調査した。
【0036】被処理鋼板…電気亜鉛めっき鋼板(めっき
目付量:20g/m2 ), クロメ−ト液…CrO3 =50g/l (全Cr濃度:26g/
l), Cr6+/全Cr=0.5 (還元剤はエチレングリコ−ル使用), SiO2 /全Cr=2.0 (SiO2 として粒径10〜20nmの
酸性安定コロイダルシリカと粉末シリカを使用), 塗布方法…上記クロメ−ト液を希釈したものを用い、Cr
付着量が3〜150mg/m2 となるよう回転塗布した。な
お、この時のSi占有率を測定した結果、2〜40%の幅
で振れていた。 焼付条件…オ−ブン設定温度を変化させ(焼付時間は6
0秒で一定)、〔水可溶性Cr/不溶性Cr〕の比率が 50/
50〜0/100 の各種条件になるよう調整した。
目付量:20g/m2 ), クロメ−ト液…CrO3 =50g/l (全Cr濃度:26g/
l), Cr6+/全Cr=0.5 (還元剤はエチレングリコ−ル使用), SiO2 /全Cr=2.0 (SiO2 として粒径10〜20nmの
酸性安定コロイダルシリカと粉末シリカを使用), 塗布方法…上記クロメ−ト液を希釈したものを用い、Cr
付着量が3〜150mg/m2 となるよう回転塗布した。な
お、この時のSi占有率を測定した結果、2〜40%の幅
で振れていた。 焼付条件…オ−ブン設定温度を変化させ(焼付時間は6
0秒で一定)、〔水可溶性Cr/不溶性Cr〕の比率が 50/
50〜0/100 の各種条件になるよう調整した。
【0037】なお、塗装密着性については、メラミンア
ルキッド系塗料の1コ−ト1ベ−ク処理(片面塗装,塗
膜厚:25ミクロン,焼付条件:125℃で25分)を
施した後、その1次密着性(塗装焼付後にそのまま評
価)並びに2次密着性(塗装焼付後、 沸水に2時間浸漬
したものについての評価)で評価したが、評価方法は、
何れの場合も1mm角にゴバン目をけがいてエリクセン5
mm張出し後にテ−プ剥離を行い、その剥離状況を目視判
定する手法によった。
ルキッド系塗料の1コ−ト1ベ−ク処理(片面塗装,塗
膜厚:25ミクロン,焼付条件:125℃で25分)を
施した後、その1次密着性(塗装焼付後にそのまま評
価)並びに2次密着性(塗装焼付後、 沸水に2時間浸漬
したものについての評価)で評価したが、評価方法は、
何れの場合も1mm角にゴバン目をけがいてエリクセン5
mm張出し後にテ−プ剥離を行い、その剥離状況を目視判
定する手法によった。
【0038】また、評価結果は ◎:剥離なし, ○:かすかに剥離あり, △:半分剥離あり, ×:剥離大, ××:全面剥離, で表示することとした(目標性能は◎及び○の評価結果
に該当)。
に該当)。
【0039】そして、クロメ−ト処理鋼板の裸面(無塗
装面)における耐食性はJIS Z2371に規定される塩
水噴霧試験で評価した(目標性能は錆が5%発生するま
での時間:72時間以上である)。
装面)における耐食性はJIS Z2371に規定される塩
水噴霧試験で評価した(目標性能は錆が5%発生するま
での時間:72時間以上である)。
【0040】ところで、Cr量については、蛍光X線分析
にて沸水2時間浸漬前後のCr量を測定し、 全Cr量=浸漬前のCr量, 水不溶性Cr量=浸漬後のCr量, 水可溶性Cr量=全Cr量−不溶性Cr量 で表される値として把握した(なお、 試験としては最高
で沸水6時間まで浸漬したが、 2時間以降は不溶性Cr量
の変化がなかったため沸水浸漬時間は2時間とした)。
にて沸水2時間浸漬前後のCr量を測定し、 全Cr量=浸漬前のCr量, 水不溶性Cr量=浸漬後のCr量, 水可溶性Cr量=全Cr量−不溶性Cr量 で表される値として把握した(なお、 試験としては最高
で沸水6時間まで浸漬したが、 2時間以降は不溶性Cr量
の変化がなかったため沸水浸漬時間は2時間とした)。
【0041】Si占有率(クロメ−ト皮膜最表層のSi原子
占有面積率)については、極表層の皮膜分析に適したX
線光電子分析装置(XPS)を使用し、最表層原子を定
量することにより求めた。
占有面積率)については、極表層の皮膜分析に適したX
線光電子分析装置(XPS)を使用し、最表層原子を定
量することにより求めた。
【0042】さて、上記調査結果のうち、まずCr付着量
が30 mg/m2 で一定の時(Si占有率=10%)の〔水
可溶性Cr/水不溶性Cr〕比率と塗装密着性との関係を整
理して図4に示した。この図4からも、〔水可溶性Cr/
水不溶性Cr〕の比率が 30/70〜0/100 の時に塗装密着性
が良好であることを確認できる。
が30 mg/m2 で一定の時(Si占有率=10%)の〔水
可溶性Cr/水不溶性Cr〕比率と塗装密着性との関係を整
理して図4に示した。この図4からも、〔水可溶性Cr/
水不溶性Cr〕の比率が 30/70〜0/100 の時に塗装密着性
が良好であることを確認できる。
【0043】次いで、Cr付着量と塗装密着性との関係を
図5に(この時の〔水可溶性Cr/水不溶性Cr〕比は 20/
80〜5/95であった)、Cr付着量と耐食性との関係を図6
に、Si占有率と塗装密着性との関係を図7に、それぞれ
整理して示す。図5及び図6からは、Cr付着量が金属Cr
換算で100mg/m2 を超えると塗装密着性が不十分とな
り、逆にCr付着量が5mg/m2 未満では耐食性が不十分と
なることを確認できる。図7からは、Si占有率が5〜3
0%であれば良好な塗料密着性が確保されることを確認
できる。
図5に(この時の〔水可溶性Cr/水不溶性Cr〕比は 20/
80〜5/95であった)、Cr付着量と耐食性との関係を図6
に、Si占有率と塗装密着性との関係を図7に、それぞれ
整理して示す。図5及び図6からは、Cr付着量が金属Cr
換算で100mg/m2 を超えると塗装密着性が不十分とな
り、逆にCr付着量が5mg/m2 未満では耐食性が不十分と
なることを確認できる。図7からは、Si占有率が5〜3
0%であれば良好な塗料密着性が確保されることを確認
できる。
【0044】実施例 2 片面塗装鋼板を想定して被処理鋼板に下記条件でクロメ
−ト処理を施したが、この際に使用したクロメ−ト液の
安定性と、得られたクロメ−ト処理鋼板の組成及び性能
を調査した。
−ト処理を施したが、この際に使用したクロメ−ト液の
安定性と、得られたクロメ−ト処理鋼板の組成及び性能
を調査した。
【0045】被処理鋼板…電気亜鉛めっき鋼板(目付
量:20g/m2 ), 電気亜鉛−ニッケル合金めっき鋼板(目付量:20g/m
2 ,Ni含有率:12wt%), 溶融亜鉛めっき鋼板(目付量:60g/m2 ), 溶融亜鉛−鉄合金めっき鋼板(目付量:45g/m2 , Fe
含有率:9wt%), クロメ−ト液…表1に示す種々のCr濃度,Cr6+/全Cr,
SiO2 量(この時の使用シリカは1次平均粒径10〜2
0nmのコロイダルシリカに統一)のクロメ−ト液を調合
し、使用した。 塗布方法…表1に示す各クロメ−ト液を各種被処理鋼板
面に表2の組み合わせで回転塗布した。 焼付条件…オ−ブン設定温度を変化させ(焼付時間は6
0秒で一定)、最高到達板温を40〜350℃の各種条
件になるよう調整した。
量:20g/m2 ), 電気亜鉛−ニッケル合金めっき鋼板(目付量:20g/m
2 ,Ni含有率:12wt%), 溶融亜鉛めっき鋼板(目付量:60g/m2 ), 溶融亜鉛−鉄合金めっき鋼板(目付量:45g/m2 , Fe
含有率:9wt%), クロメ−ト液…表1に示す種々のCr濃度,Cr6+/全Cr,
SiO2 量(この時の使用シリカは1次平均粒径10〜2
0nmのコロイダルシリカに統一)のクロメ−ト液を調合
し、使用した。 塗布方法…表1に示す各クロメ−ト液を各種被処理鋼板
面に表2の組み合わせで回転塗布した。 焼付条件…オ−ブン設定温度を変化させ(焼付時間は6
0秒で一定)、最高到達板温を40〜350℃の各種条
件になるよう調整した。
【0046】なお、クロメ−ト液の安定性は、調整3日
後の処理液における沈澱物の有無,液の増粘(ゲル化)
を目視判定することによって評価した。また、塗装密着
性,耐食性については実施例1と同様に調査・評価し
た。
後の処理液における沈澱物の有無,液の増粘(ゲル化)
を目視判定することによって評価した。また、塗装密着
性,耐食性については実施例1と同様に調査・評価し
た。
【0047】さて、まずクロメ−ト液の安定性を調査し
た結果を前記表1に併せて示す。表1に示される結果か
らも、クロメ−ト液中における〔Cr6+/全Cr〕の比率が
0.3 未満では沈澱物が形成され、また〔Cr6+/全Cr〕の
比率が 0.7を超えると液がゲル化することが確認でき
る。更に、全Cr濃度が60g/l を超えた場合も液がゲル
化を起こすことが明らかである。
た結果を前記表1に併せて示す。表1に示される結果か
らも、クロメ−ト液中における〔Cr6+/全Cr〕の比率が
0.3 未満では沈澱物が形成され、また〔Cr6+/全Cr〕の
比率が 0.7を超えると液がゲル化することが確認でき
る。更に、全Cr濃度が60g/l を超えた場合も液がゲル
化を起こすことが明らかである。
【0048】
【表1】
【0049】次に、得られたクロメ−ト処理鋼板におけ
るクロメ−ト皮膜内容並びにその性能を整理して表2に
示す。
るクロメ−ト皮膜内容並びにその性能を整理して表2に
示す。
【0050】
【表2】
【0051】表2に示される結果からも、本発明で規定
する条件を満たす場合には塗装密着性,耐食性とも良好
な結果を示すクロメ−ト処理鋼板が得られることを確認
できる。
する条件を満たす場合には塗装密着性,耐食性とも良好
な結果を示すクロメ−ト処理鋼板が得られることを確認
できる。
【0052】参考例 1 片面塗装鋼板を想定して被処理鋼板に下記条件でクロメ
−ト処理を施したが、その際に使用したシリカの粒径と
得られたクロメ−ト皮膜のSi占有率との関係、並びにシ
リカの粒径と得られたクロメ−ト処理鋼板の塗装密着性
との関係を調査した。
−ト処理を施したが、その際に使用したシリカの粒径と
得られたクロメ−ト皮膜のSi占有率との関係、並びにシ
リカの粒径と得られたクロメ−ト処理鋼板の塗装密着性
との関係を調査した。
【0053】ベ−ス鋼板…電気亜鉛めっき鋼板(目付
量:20g/m2 ), クロメ−ト液…CrO3 =20g/l (全Cr濃度:10.4g/
l), Cr6+/全Cr=0.5 (還元剤はエチレングリコ−ル使用) SiO2 /全Cr=2.0 (SiO2 として粒径7〜80nmの粉
末シリカを使用), 塗布方法…上記クロメ−ト液を使用し、Cr付着量が15
mg/m2となるように回転塗布とロ−ル絞り塗布を行っ
た。 焼付条件…オ−ブン設定温度:120℃,焼付時間:6
0秒とし、最高到達温度:90℃に設定(この時の〔水
可溶性Cr/不溶性Cr〕比率は20/80〜5/95の範囲内であ
った)。なお、塗装密着性,Si占有率は実施例1におけ
ると同様に調査・評価した。
量:20g/m2 ), クロメ−ト液…CrO3 =20g/l (全Cr濃度:10.4g/
l), Cr6+/全Cr=0.5 (還元剤はエチレングリコ−ル使用) SiO2 /全Cr=2.0 (SiO2 として粒径7〜80nmの粉
末シリカを使用), 塗布方法…上記クロメ−ト液を使用し、Cr付着量が15
mg/m2となるように回転塗布とロ−ル絞り塗布を行っ
た。 焼付条件…オ−ブン設定温度:120℃,焼付時間:6
0秒とし、最高到達温度:90℃に設定(この時の〔水
可溶性Cr/不溶性Cr〕比率は20/80〜5/95の範囲内であ
った)。なお、塗装密着性,Si占有率は実施例1におけ
ると同様に調査・評価した。
【0054】さて、このようにして得られた「シリカ平
均粒径と塗装密着性との関係」を図8に、また「シリカ
平均粒径とSi占有率との関係」を図9に示す。図8に示
される結果からは、回転塗布方式の場合にはシリカ平均
粒径が50nmよりも大きくなるとSi占有率が30%を超
えて塗装密着性が劣化し、またロ−ル絞り方式の場合に
は平均粒径が50nm以上よりも大きくなると逆にSi占有
率が5%を下回って塗装密着性の不良を招く傾向のある
ことが窺える。なお、図9に示される結果からは、クロ
メ−トの塗布方法に関係なく、シリカ平均粒径が10nm
未満であるとSi占有率が5%以下になって塗装密着性が
不良になる傾向のあることが窺える。これらの結果から
も、クロメ−ト液に添加するシリカは平均粒径が10〜
50nmのものを使用するのが望ましいと考えられる。
均粒径と塗装密着性との関係」を図8に、また「シリカ
平均粒径とSi占有率との関係」を図9に示す。図8に示
される結果からは、回転塗布方式の場合にはシリカ平均
粒径が50nmよりも大きくなるとSi占有率が30%を超
えて塗装密着性が劣化し、またロ−ル絞り方式の場合に
は平均粒径が50nm以上よりも大きくなると逆にSi占有
率が5%を下回って塗装密着性の不良を招く傾向のある
ことが窺える。なお、図9に示される結果からは、クロ
メ−トの塗布方法に関係なく、シリカ平均粒径が10nm
未満であるとSi占有率が5%以下になって塗装密着性が
不良になる傾向のあることが窺える。これらの結果から
も、クロメ−ト液に添加するシリカは平均粒径が10〜
50nmのものを使用するのが望ましいと考えられる。
【0055】実施例 3 まず、酸化物微粒子添加クロメ−ト液の分散状態変化を
把握するため、 無水クロム酸(CrO3 )=25g/l , Cr6+/全Cr=0.5 (グリセリンを還元剤として使用し部
分還元する), 水分散SiO2 ゾル=固形分重量で100g/l(1次粒径が1
0〜20mμの水分散SiO2 ゾルを添加) なる組成のクロメ−ト液を調整し、レ−ザ−ビ−ム散乱
法によるクロメ−ト液中の粒子径変化を室温中に放置し
た状態で経時的に調査した。
把握するため、 無水クロム酸(CrO3 )=25g/l , Cr6+/全Cr=0.5 (グリセリンを還元剤として使用し部
分還元する), 水分散SiO2 ゾル=固形分重量で100g/l(1次粒径が1
0〜20mμの水分散SiO2 ゾルを添加) なる組成のクロメ−ト液を調整し、レ−ザ−ビ−ム散乱
法によるクロメ−ト液中の粒子径変化を室温中に放置し
た状態で経時的に調査した。
【0056】この結果を図10に示す。図10からも、放置
時間が長くなるとクロメ−ト液中の平均粒子径が大きく
なっていることが明らかで、酸化物微粒子が粗大化して
いることが分かる。そして、これを放置しておくと最終
的にはゲル化してしまった。
時間が長くなるとクロメ−ト液中の平均粒子径が大きく
なっていることが明らかで、酸化物微粒子が粗大化して
いることが分かる。そして、これを放置しておくと最終
的にはゲル化してしまった。
【0057】そこで、これとは別に、前記と同様の酸化
物微粒子添加クロメ−ト液を作ると共に、これから種々
の時間を経過した時点で採取した各“経時液”を用い、
次に示す条件で攪拌を行った時の“クロメ−ト液中の平
均粒子径”を測定して、その結果を図10に併せて示し
た。 (イ) インペラ−による機械攪拌 [条件] 容量:3l,回転数:500rpm ,回転時間:
30分。 (ロ) 超音波振動による攪拌 [条件] 振動付加手法:振動子をクロメ−ト液中に浸漬
して振動付加, 容量:3l,振動数:18kHz,超音波出力:400
W, 振動時間:30分。
物微粒子添加クロメ−ト液を作ると共に、これから種々
の時間を経過した時点で採取した各“経時液”を用い、
次に示す条件で攪拌を行った時の“クロメ−ト液中の平
均粒子径”を測定して、その結果を図10に併せて示し
た。 (イ) インペラ−による機械攪拌 [条件] 容量:3l,回転数:500rpm ,回転時間:
30分。 (ロ) 超音波振動による攪拌 [条件] 振動付加手法:振動子をクロメ−ト液中に浸漬
して振動付加, 容量:3l,振動数:18kHz,超音波出力:400
W, 振動時間:30分。
【0058】図10に示す結果を総合的に検討すると、ク
ロメ−ト液の攪拌を行わない場合に比較して機械的攪拌
を実施すると平均粒子径が減少するものの、クロメ−ト
液を調合した初期状態の粒子径にまでは回復していない
ことが分かる。これに対し、超音波振動を付与したもの
は経時劣化液であってもほヾ液の調合初期における粒子
径にまで回復しており、超音波振動を付与することが酸
化物微粒子の再分散に有効な手段であることが確認でき
る。
ロメ−ト液の攪拌を行わない場合に比較して機械的攪拌
を実施すると平均粒子径が減少するものの、クロメ−ト
液を調合した初期状態の粒子径にまでは回復していない
ことが分かる。これに対し、超音波振動を付与したもの
は経時劣化液であってもほヾ液の調合初期における粒子
径にまで回復しており、超音波振動を付与することが酸
化物微粒子の再分散に有効な手段であることが確認でき
る。
【0059】次に、前記クロメ−ト液を用い、それぞ
れ、 1) 各“経時液”を攪拌しない場合, 2) 各“経時
液”を機械的に攪拌した場合,3) 各“経時液”に超音
波振動を付与した場合,についてクロメ−ト処理を行
い、該クロメ−ト処理製品性能を比較した。なお、この
時のクロメ−ト処理は以下の条件で実施した。 被処理鋼板…電気亜鉛めっき鋼板(めっき目付量:20
g/m2 ), クロメ−ト液塗布条件…サンプルクロメ−ト液に浸漬
後、ロ−ル絞り塗布実施(抑え圧:5kg/cm2,ロ−ルゴ
ム硬度:50°,絞りスピ−ド:10m/min), 乾燥条件…オ−ブン乾燥(設定温度:200℃,乾燥時
間:30秒,最高到達板温:70℃)。
れ、 1) 各“経時液”を攪拌しない場合, 2) 各“経時
液”を機械的に攪拌した場合,3) 各“経時液”に超音
波振動を付与した場合,についてクロメ−ト処理を行
い、該クロメ−ト処理製品性能を比較した。なお、この
時のクロメ−ト処理は以下の条件で実施した。 被処理鋼板…電気亜鉛めっき鋼板(めっき目付量:20
g/m2 ), クロメ−ト液塗布条件…サンプルクロメ−ト液に浸漬
後、ロ−ル絞り塗布実施(抑え圧:5kg/cm2,ロ−ルゴ
ム硬度:50°,絞りスピ−ド:10m/min), 乾燥条件…オ−ブン乾燥(設定温度:200℃,乾燥時
間:30秒,最高到達板温:70℃)。
【0060】ここで、「耐食性」の調査は、得られたク
ロメ−ト処理鋼板を無塗装でJIS Z2371に規定され
る塩水噴霧試験に付し、白錆発生面積率が5%以上とな
る時間を測定する手法によった。
ロメ−ト処理鋼板を無塗装でJIS Z2371に規定され
る塩水噴霧試験に付し、白錆発生面積率が5%以上とな
る時間を測定する手法によった。
【0061】また、「塗装密着性」の調査は、メラミン
アルキッド系塗料の1コ−ト1ベ−ク処理(塗膜厚:2
5μm,焼付条件:最高到達温度150℃で20分)を
施した後、1mm角にゴバン目をけがいてからテ−プ剥離
を行い、その剥離状況を目視判定する手法によった。こ
の判定結果は、 ○:剥離なし, △:部分的に剥離発生, ×:全面剥離発生, で表示することとした。
アルキッド系塗料の1コ−ト1ベ−ク処理(塗膜厚:2
5μm,焼付条件:最高到達温度150℃で20分)を
施した後、1mm角にゴバン目をけがいてからテ−プ剥離
を行い、その剥離状況を目視判定する手法によった。こ
の判定結果は、 ○:剥離なし, △:部分的に剥離発生, ×:全面剥離発生, で表示することとした。
【0062】更に、「クロメ−ト皮膜におけるSiO2 付
着量」の調査も行ったが、この調査はクロメ−ト液中の
SiO2 が鋼板クロメ−ト皮膜中に十分転写されているか
を見るため(ロ−ル絞り塗布時に経時的に粗大化したSi
O2 粒子が剥落し鋼板上に十分転写されないことが考え
られるため)に実施したものであり、蛍光X線法にてSi
O2 付着量を測定した。これらの結果を図11乃至図13に
示す。
着量」の調査も行ったが、この調査はクロメ−ト液中の
SiO2 が鋼板クロメ−ト皮膜中に十分転写されているか
を見るため(ロ−ル絞り塗布時に経時的に粗大化したSi
O2 粒子が剥落し鋼板上に十分転写されないことが考え
られるため)に実施したものであり、蛍光X線法にてSi
O2 付着量を測定した。これらの結果を図11乃至図13に
示す。
【0063】図11に示される結果からは、無攪拌,機械
的攪拌後のクロメ−ト液で処理した場合、経時時間が長
いクロメ−ト液を使用すると調合初期液の場合に比べて
耐食性が劣化していくが、超音波攪拌後のクロメ−ト液
で処理した場合には調合初期液であっても経時液であっ
ても耐食性劣化が殆ど認められず、超音波振動を付加し
てクロメ−ト液中のSiO2 再分散性を向上させると経時
安定して良好な耐食性が得られることを確認できる。
的攪拌後のクロメ−ト液で処理した場合、経時時間が長
いクロメ−ト液を使用すると調合初期液の場合に比べて
耐食性が劣化していくが、超音波攪拌後のクロメ−ト液
で処理した場合には調合初期液であっても経時液であっ
ても耐食性劣化が殆ど認められず、超音波振動を付加し
てクロメ−ト液中のSiO2 再分散性を向上させると経時
安定して良好な耐食性が得られることを確認できる。
【0064】また、図12に示される結果からは、無攪
拌,機械的攪拌後のクロメ−ト液で処理した場合、経時
時間が長いクロメ−ト液を使用すると調合初期液の場合
に比べて或る放置時間を境に急激に塗装密着性が劣化す
ることが分かる。これに対し、超音波攪拌後のクロメ−
ト液で処理した場合にはこのような急激な塗装密着性劣
化は認められず、調合初期液であっても経時液であって
も塗装密着性が劣化しないことが明らかであるから、超
音波振動を付加してクロメ−ト液中のSiO2 再分散性を
向上させると経時安定して、良好な塗装密着性が得られ
ることを確認できる。
拌,機械的攪拌後のクロメ−ト液で処理した場合、経時
時間が長いクロメ−ト液を使用すると調合初期液の場合
に比べて或る放置時間を境に急激に塗装密着性が劣化す
ることが分かる。これに対し、超音波攪拌後のクロメ−
ト液で処理した場合にはこのような急激な塗装密着性劣
化は認められず、調合初期液であっても経時液であって
も塗装密着性が劣化しないことが明らかであるから、超
音波振動を付加してクロメ−ト液中のSiO2 再分散性を
向上させると経時安定して、良好な塗装密着性が得られ
ることを確認できる。
【0065】更に、図13に示される結果からは、経時劣
化液を使用しロ−ル絞りで処理した時のクロメ−ト皮膜
中へのSiO2 付着量の変化状況が分かるが、無攪拌,機
械的攪拌後のクロメ−ト液で処理した場合には或る放置
時間を境に急激にSiO2 付着量が減少しており、この放
置時間は塗装密着性劣化時間と一致していることが確認
される。これは、クロメ−ト液中に粗大SiO2 粒子が成
長するとロ−ル絞りの際にこれが剥落し、良好な塗装密
着性の確保に必要な十分量のSiO2 が鋼板上に転写され
て付着しないためと考えられる。
化液を使用しロ−ル絞りで処理した時のクロメ−ト皮膜
中へのSiO2 付着量の変化状況が分かるが、無攪拌,機
械的攪拌後のクロメ−ト液で処理した場合には或る放置
時間を境に急激にSiO2 付着量が減少しており、この放
置時間は塗装密着性劣化時間と一致していることが確認
される。これは、クロメ−ト液中に粗大SiO2 粒子が成
長するとロ−ル絞りの際にこれが剥落し、良好な塗装密
着性の確保に必要な十分量のSiO2 が鋼板上に転写され
て付着しないためと考えられる。
【0066】従って、上記試験結果から、ロ−ル・鋼板
間でクロメ−ト液に剪断力がかかるロ−ル絞り方式、或
いはロ−ル・ロ−ル間でクロメ−ト液に剪断力がかかる
ロ−ルコ−ト方式等では、クロメ−ト液中に粗大凝集Si
O2 粒子が生成すると鋼板上に十分転写されずに製品性
能の劣化が著しくなるが、この場合でもクロメ−ト液に
超音波振動を付加してSiO2 粒子の再分散を図ると粗大
凝集SiO2 粒子は再び微細に均一分散することとなり、
経時液を適用したロ−ル絞り方式やロ−ルコ−ト方式等
によるクロメ−ト処理においても良好な製品性能を安定
して確保できるようになることが分かる。
間でクロメ−ト液に剪断力がかかるロ−ル絞り方式、或
いはロ−ル・ロ−ル間でクロメ−ト液に剪断力がかかる
ロ−ルコ−ト方式等では、クロメ−ト液中に粗大凝集Si
O2 粒子が生成すると鋼板上に十分転写されずに製品性
能の劣化が著しくなるが、この場合でもクロメ−ト液に
超音波振動を付加してSiO2 粒子の再分散を図ると粗大
凝集SiO2 粒子は再び微細に均一分散することとなり、
経時液を適用したロ−ル絞り方式やロ−ルコ−ト方式等
によるクロメ−ト処理においても良好な製品性能を安定
して確保できるようになることが分かる。
【0067】
【効果の総括】以上に説明した如く、この発明によれ
ば、優れた上塗り塗装密着性を有し、かつ無塗装でも良
好な耐食性を示すところの、片面塗装用としても十分満
足できるクロメ−ト処理鋼板をコスト安く提供すること
が可能になる上、処理液の経時劣化に影響されることな
く、また格別な設備変更を要することもなく高品質処理
品を安定提供できるようになるなど、産業上極めて有用
な効果がもたらされる。
ば、優れた上塗り塗装密着性を有し、かつ無塗装でも良
好な耐食性を示すところの、片面塗装用としても十分満
足できるクロメ−ト処理鋼板をコスト安く提供すること
が可能になる上、処理液の経時劣化に影響されることな
く、また格別な設備変更を要することもなく高品質処理
品を安定提供できるようになるなど、産業上極めて有用
な効果がもたらされる。
【図1】クロメ−ト液へ超音波振動を付加する手法の1
例に関する説明図である。
例に関する説明図である。
【図2】クロメ−ト液へ超音波振動を付加する手法の別
例に関する説明図である。
例に関する説明図である。
【図3】クロメ−ト液へ超音波振動を付加する手法の更
なる別例の説明図である。
なる別例の説明図である。
【図4】クロメ−ト皮膜の〔水可溶性クロム/水不溶性
クロム〕比率と塗装密着性との関係を示すグラフであ
る。
クロム〕比率と塗装密着性との関係を示すグラフであ
る。
【図5】クロメ−ト皮膜のクロム付着量と塗装密着性と
の関係を示すグラフである。
の関係を示すグラフである。
【図6】クロメ−ト皮膜のクロム付着量と耐食性との関
係を示すグラフである。
係を示すグラフである。
【図7】クロメ−ト皮膜のSi占有率(最表層におけるSi
原子占有面積率)と塗装密着性との関係を示すグラフで
ある。
原子占有面積率)と塗装密着性との関係を示すグラフで
ある。
【図8】シリカ平均粒径と塗装密着性との関係を示すグ
ラフである。
ラフである。
【図9】シリカ平均粒径とSi占有率との関係を示すグラ
フである。
フである。
【図10】クロメ−ト処理液の放置時間と液中酸化物の
平均粒子径との関係を示すグラフである。
平均粒子径との関係を示すグラフである。
【図11】使用クロメ−ト処理液の経時日数と耐食性と
の関係を示すグラフである。
の関係を示すグラフである。
【図12】使用クロメ−ト処理液の経時日数と塗装密着
性との関係を示すグラフである。
性との関係を示すグラフである。
【図13】使用クロメ−ト処理液の経時日数とクロメ−
ト皮膜へのSiO2 付着量の関係を示すグラフである。
ト皮膜へのSiO2 付着量の関係を示すグラフである。
1 クロメ−ト液貯蔵循環タンク 2 クロメ−ト液スプレ−ゾ−ン 3 被処理鋼板 4 振動板 5 超音波振動装置 6 攪拌子(インペラ−)
Claims (3)
- 【請求項1】 表面に、 〔水可溶性クロム/水不溶性クロム〕の比率: 30/70〜
0/100, クロメ−ト皮膜最表層におけるSi原子占有面積率:5〜
30%, クロム付着量:金属Cr換算で5〜100 mg/m2 , であるクロメ−ト皮膜を有して成ることを特徴とする、
塗装密着性に優れたクロメ−ト処理鋼板。 - 【請求項2】 シリカを添加して 〔Cr6+/全Cr〕の比率: 0.3〜0.7 , 全Cr濃度:5〜60g/l, 〔SiO2 /全Cr〕の比率: 0.5〜4.0, に調整したCrO3 を主成分とするクロメ−ト液を被処理
鋼板の表面に塗布し、水洗することなく最高到達板温が
50〜250℃の条件で乾燥することを特徴とする、請
求項1に記載の塗装密着性に優れたクロメ−ト処理鋼板
の製造方法。 - 【請求項3】 シリカを添加して 〔Cr6+/全Cr〕の比率: 0.3〜0.7 , 全Cr濃度:5〜60g/l, 〔SiO2 /全Cr〕の比率: 0.5〜4.0, に調整したCrO3 を主成分とするクロメ−ト液を、該液
に超音波振動を付加しながら被処理鋼板の表面に塗布
し、水洗することなく最高到達板温が50〜250℃の
条件で乾燥することを特徴とする、請求項1に記載の塗
装密着性に優れたクロメ−ト処理鋼板の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3198634A JP2743633B2 (ja) | 1991-02-09 | 1991-07-13 | クロメ−ト処理鋼板及びその製造方法 |
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3-39163 | 1991-02-09 | ||
JP3916391 | 1991-02-09 | ||
JP3198634A JP2743633B2 (ja) | 1991-02-09 | 1991-07-13 | クロメ−ト処理鋼板及びその製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH04350173A JPH04350173A (ja) | 1992-12-04 |
JP2743633B2 true JP2743633B2 (ja) | 1998-04-22 |
Family
ID=26378494
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP3198634A Expired - Fee Related JP2743633B2 (ja) | 1991-02-09 | 1991-07-13 | クロメ−ト処理鋼板及びその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2743633B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2011102537A1 (ja) * | 2010-02-19 | 2011-08-25 | 新日本製鐵株式会社 | 亜鉛系めっき鋼板及びその製造方法 |
Family Cites Families (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS54161549A (en) * | 1978-06-13 | 1979-12-21 | Nippon Steel Corp | Chromate treatment method for zinc-coated steel product |
JPS58221287A (ja) * | 1982-06-18 | 1983-12-22 | Tokico Ltd | 機械的メツキ品のクロメ−ト処理方法 |
JPS5950184A (ja) * | 1982-09-16 | 1984-03-23 | Kansai Paint Co Ltd | 電着塗装方法 |
JPS61147884A (ja) * | 1984-12-19 | 1986-07-05 | Kawasaki Steel Corp | 亜鉛または亜鉛系合金めつき鋼板のクロメ−ト処理法 |
JPH0735589B2 (ja) * | 1988-11-22 | 1995-04-19 | 日本鋼管株式会社 | 溶融亜鉛めつき鋼板のクロメート処理方法 |
-
1991
- 1991-07-13 JP JP3198634A patent/JP2743633B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH04350173A (ja) | 1992-12-04 |
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