JP2005097719A - 亜鉛めっき製品用非クロム表面処理剤 - Google Patents

亜鉛めっき製品用非クロム表面処理剤 Download PDF

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Abstract

【課題】 亜鉛メッキされた製品の表面処理を行うクロメート処理に代わることができる防錆性能の改善に優れた非クロム表面処理剤を提供する。
【解決手段】 水および/またはアルコールを溶媒とするシリカ系結合剤溶液中に分散処理された一次粒子の平均粒径が70nm以下である酸化チタン超微粉末をシリカ系結合剤溶液の固形分100重量部に対し3〜25重量部分散、懸濁させている表面処理剤である。特に、酸化チタン超微粉末の一次粒子の平均粒径が50nm以下であり、シリカ系結合剤の固形分100重量部に対し5〜20重量部分散、懸濁させてなる表面処理剤が好ましい。

Description

本発明は、従来クロム酸を含む表面処理剤を使ってなされている亜鉛めっき製品のクロメート処理を、非クロムで行え、かつクロメート処理より優れた防錆性能を示す亜鉛めっき製品用表面処理剤に関する。
従来亜鉛めっきを施した製品の防錆性能を向上させるのに使用されているクロム酸を含む表面処理剤によるクロメート処理は、六価クロムの毒性と発ガン性が問題とされ、非クロムのクロメート代替処理剤の出現が強く望まれている。一例として、廃自動車のシュレッダーダストは亜鉛めっきにクロメート処理された鉄板などの鋼製部材に由来する六価クロム成分を含んでいることによって廃棄処理やリサイクルに困難が伴う。
クロメート処理より性能が優れ、かつ低コストの非クロム表面処理剤を実用化できれば、クロム成分を含む処理剤を使うクロメート処理を止めることができ、シュレッダーダストの廃棄処理やリサイクルが容易になると期待される。
取り敢えずの対応策として六価クロム成分の含有量を減らしたクロメート表面処理剤や、三価クロムを用いる表面処理剤が検討されているが、性能的に劣る他、三価クロムは六価クロムに変化し得るものであって根本的な対策と言えない。
非クロム系の表面処理剤は今までにいくつも提案されており、例えば特許文献1には水性の非クロムのシリカ複合体を主成分とする表面処理剤が開示されている。
また、特許文献2では、亜鉛粉末入り防錆塗料を塗布した鋼材製品の表面処理にシリカを主成分とする表面処理剤を使用し、防錆性能を向上させている。
また、特許文献3と特許文献4には、シリカゾルの一種である珪酸アミン等を結合剤溶液として使い、無機充填材(顔料)の一部として平均粒径0.5μmの顔料用酸化チタン粉末を配合したコーティング剤が記載されている。しかし、実施例に記されたテストでは市販品の亜鉛メッキ鋼板(市販品はクロメート処理された亜鉛メッキ鋼板である)にコーティング剤を塗布して防錆性能を評価している。
非特許文献1では、亜鉛−シリカ複合めっきを施した表面にアミノ基を有するシランカップリング剤で表面処理を行うと、めっき被膜の耐食性が向上するとしている。
また特許文献5では、メルカプト基及びカルボキシル基を有する化合物と、多価アルコール又は水酸基を有する樹脂とをエステル化した化合物を含む金属表面処理剤が亜鉛めっきの防錆性能向上に有効としている。
従来、鋼材製品に亜鉛めっきを施すとき、亜鉛めっきした白あげ状態の亜鉛めっき表面にクロメート処理を施しているが、クロメート処理を代替できる防錆性能とコストパーフォーマンスを有する表面処理剤がまだ見当たらず、性能を犠牲にした六価クロムの含有量の少ないクロメート処理剤や三価クロムを含むクロメート処理剤が使われているが、亜鉛めっき表面処理剤の非クロム化はまだ実用化段階に至っていない。
特開昭53−121034号公報 特開平10−46058号公報 特開平10−219138号公報 特開2002−129356号公報 特表平11−60185号公報 平松実、他3名、「シランカップリング処理した亜鉛−シリカ複合めっき皮膜の耐食性」、金属表面技術、社団法人金属表面技術協会、1987年1月、第38巻、第1号、p.12−15
本発明の目的は、亜鉛めっきされた製品の表面処理を行うと防錆性能を顕著に向上させる非クロムの表面処理剤を提供することにあり、クロメート処理剤による亜鉛めっき製品の防錆性能を凌駕するコストパーフォーマンスを示す亜鉛めっき製品用非クロム表面処理剤を提供することにある。
本発明の亜鉛めっき製品用非クロム表面処理剤は、水及び/又はアルコールを溶媒とするシリカ系結合剤溶液中に分散処理された一次粒子の平均粒径が70nm以下である酸化チタン超微粉末をシリカ系結合剤溶液の固形分100重量部に対し3〜25重量部分散、懸濁させていることを特徴とする。
本発明の好ましい亜鉛めっき製品用非クロム表面処理剤は、シリカ系結合剤溶液が水を主溶媒とするものであり、被処理製品表面に対する濡れ性を向上させる濡れ剤がシリカ系結合剤溶液中に有効量添加されている。
本発明の他の好ましい亜鉛めっき製品用非クロム表面処理剤は、水を溶媒とするシリカ系結合剤溶液の一部としてエポキシ基を有する水溶性シランカップリング剤を同時に含むものである。
本発明の他の好ましい亜鉛めっき製品用非クロム表面処理剤は、シリカ系結合剤溶液がアルコールを溶媒とするものである。
本発明の他の好ましい亜鉛めっき製品用非クロム表面処理剤は、シリカ系結合剤溶液がシリカ成分を15重量%以上含むものである。
本発明のさらに他の好ましい亜鉛めっき製品用非クロム表面処理剤は、酸化チタン超微粉末の一次粒子の平均粒径が50nm以下であり、酸化チタン超微粉末がシリカ系結合剤溶液のシリカ成分(固形分として)100重量部に対し5〜20重量部分散、懸濁させてある。
本発明のさらに他の好ましい亜鉛めっき製品用非クロム表面処理剤は、亜鉛めっきの代わりにジンクリッチペイントが塗布された製品に用いられるものである。
実施例と比較例を挙げて説明するように、シリカ系結合剤のみを亜鉛めっき製品の表面処理に使っても既に知られているように亜鉛めっき製品の防錆性能が従来のクロメート処理と較べてかなり向上するが、本発明の亜鉛めっき製品用非クロム表面処理剤を亜鉛めっき製品に塗布すると、防錆性能はさらに向上する。
特に、アルコール溶媒のシリカ系結合剤溶液に分散処理した酸化チタン超微粉末を混合、懸濁させた亜鉛めっき製品用非クロム表面処理剤によって表面処理した亜鉛めっき製品は、赤錆の発生を防止することは勿論、黒錆や白錆の発生を長時間抑制する。
本発明の亜鉛めっき製品用非クロム表面処理剤のシリカ系結合剤溶液には、水を主溶媒とするシリカゾル溶液及び/又はアルコールを主溶媒とするシリカゾル溶液を使うことができる。水を溶媒とするシリカ系結合剤溶液としては、市販のシリカゾル水溶液を使うことができる。この場合、シリカのコロイド粒子の平均粒径が15nm以下と細かくて大きな結合強度を与えるシリカゾル溶液、さらには亜鉛めっき鋼材製品表面を被覆する処理被膜の厚さが薄くなって被覆効果が不安定にならないようシリカ固形分が15重量%より多いシリカゾル溶液を使うのが好ましい。
また、アルコールを主溶媒とするシリカ系結合剤溶液としては、エチルシリケートなどのアルコキシシランを部分加水分解して縮重合させた、重量平均分子量が1000より大きいアルコキシシランオリゴマーのアルコール溶液を使うのが好ましい。
本発明において、シリカ系結合剤溶液の固形分はシリカを主成分とするシリカ系結合剤が脱水されたときの酸化物成分を意味する。
シリカ系結合剤溶液はその一部を水溶性シランカップリング剤などの異種のシリカ系結合剤としたものや、アルミナゾルなどの異種のゾル溶液としたものであっても良い。異種の結合剤を混合するときは、ゾル溶液がゲル化しないようpH変化等に注意する必要がある。水溶性シランカップリング剤としては、エポキシ基を有するものを選ぶと結合剤のゲル化を誘起せず、防錆性能が良好な表面処理剤が得られるので好ましい。
調製した表面処理剤の結合剤のゲル化が進行すると、表面処理剤の防錆効果が損なわれる傾向があるので、表面処理剤のポットライフを確保する必要性から、ゲル化が起きにくい調合組成や保存条件を選ぶのが好ましい。例えば、冷蔵庫で冷やして保存すれば、表面処理剤のポットライフを延ばすことができる。
酸化チタン超微粉末としては、少量の使用で充分な効果が得られる一次粒子の平均粒径が70nm(0.07μm)以下の細かいものを使う。酸化チタン超微粉末は一次粒子の平均粒径が50nm(0.05μm)以下の細かいものを使うのが好ましく、さらには一次粒子の平均粒径が40nm以下であるのが好ましい。具体的には、光触媒用として市販されている酸化チタン超微粉末や、予め酸化チタン超微粉末を液中に分散処理してある市販の分散液を表面処理剤に使うことができる。
酸化チタン超微粉末の分散処理された状態が良好であれば、亜鉛めっき表面に形成される保護被膜中の酸化チタン粒子は殆ど可視光線を散乱反射しないので、ほぼ無色透明の保護被膜を形成でき、下地の亜鉛めっきの金属光沢を損なわない表面処理ができる。
市販されている光触媒用の酸化チタン超微粉末は、一次粒子が多数集合した二次粒子となっているため、一次粒子にほぐす分散処理を行ってから表面処理剤に配合する。
分散処理の方法は、酸化チタンスラリーを例えば直径3〜10mmのジルコニアボールを粉砕媒体とする湿式ボールミルや、直径0.5〜1mmのジルコニアボールを粉砕媒体とする湿式ビーズミルで分散処理する方法を採用するのが好ましく、これらの分散処理方法で二次粒子の多くが一次粒子に分散された酸化チタン超微粉末のスラリーを容易に得ることができる。
水性のシリカゾル溶液を結合剤に使う場合、酸化チタン超微粉末は水を混合したスラリーの状態で分散処理した分散液を表面処理剤に配合するのが好ましい。また、アルコール溶媒のシリカ系結合剤を使う場合は、アルコールを混合したスラリーの状態で分散処理した分散液を表面処理剤に配合するのが好ましい。
保護被膜中の酸化チタン超微粉末がどのような働きをするのか不明であるが、超微粒子であることによって酸化チタン粒子の表面は活性状態にある。本発明の表面処理剤では、おそらく活性な酸化チタンの存在によって発生する活性酸素の酸化作用が、酸化剤であるクロム酸が介在して生成する化成膜に類似した保護膜の形成に関与すると考えられ、シリカ系結合剤による保護被膜のシリカ質マトリックスとの協働作用によって亜鉛めっき製品の防錆性能が顕著に向上するものと考えられる。
一次粒子が多数集まった二次粒子の状態になっている酸化チタン超微粉末をそのまま使用すると、少量の酸化チタンの配合では十分な防錆性能の向上効果が得られず、表面処理された被処理製品の表面に酸化チタンの二次粒子の存在による白い着色が生じ、薄くて密着性の良い保護被膜を形成できない。
他方、多量の酸化チタン超微粉末を配合すると、保護被膜が厚くなるため表面処理剤を多量に消費することになって表面処理コストが嵩む他、被処理表面が白色化するので好ましくない。
充分に分散処理された酸化チタン超微粉末スラリーを表面処理剤に配合すれば、酸化チタン超微粉末の表面処理剤中への配合量を少なくすることができ、さらに形成する保護被膜を薄くできるので表面処理コストを低減できると同時に、酸化チタン粉末による光の散乱反射が僅かとなって殆ど白い着色のない透明で密着性の良い保護被膜を形成できる。即ち、亜鉛めっきされた白あげ状態の製品表面を表面処理するとき、亜鉛めっきの金属光沢を殆ど損ねることなく表面処理できる。
酸化チタン超微粉末のさらに好ましい配合割合は、シリカ系結合剤溶液の固形分100重量部に対し4〜20重量部である。
本発明の亜鉛めっき製品用非クロム表面処理剤は、亜鉛めっきを代替する防錆塗料である非クロム系ジンクリッチペイントの塗膜の表面処理にも同様に使え、その防錆性能を顕著に向上させることができる。即ち、本発明における亜鉛めっき製品は、ジンクリッチペイントが塗布された製品を含めることができる。
水性の亜鉛めっき製品用非クロム表面処理剤の場合、被処理表面に対する濡れ性が悪い場合があり、表面処理剤に濡れない表面が亜鉛めっき製品上に残るとその部分に保護被膜が形成されず、全表面の防錆性能を確保できない。このため、亜鉛めっきの表面処理剤中に濡れ剤を添加して被処理表面が総て濡れるようにするのが好ましい。濡れ剤としては、発泡が少ない消泡性濡れ剤であるダイノール604、サーフィノールSE、オルフィンSPC(何れも日信化学工業(株)製品)などのアセチレンジオール誘導体を少量使用するのが好ましい。濡れ剤は酸化チタン超微粉末の分散剤としても有効なので、酸化チタン超微粉末をスラリー状態で分散処理するときに予め添加しておくことができる。
アルコール溶媒の亜鉛めっき製品用非クロム表面処理剤の場合、通常濡れ剤を添加しなくても被処理材表面に対し良好な濡れ性を示す。
アルコール溶媒に低沸点のアルコールを使っている場合、表面処理剤を亜鉛めっき製品に塗布した後に低沸点アルコールが蒸発して被処理製品表面から気化熱を奪うため、周囲の湿度が高いときは製品表面に結露が生じ、保護被膜の一部が損なわれることがある。この対策として、沸点が115℃より高いブチルアルコールやエチルセロソルブなどを有効量添加して結露を防ぐのが好ましい。高沸点アルコールは酸化チタン超微粉末を分散処理するときの溶媒として使用し、スラリー化した酸化チタン超微粉末をそのまま表面処理剤に配合して使用することが好ましい。
アルコール溶媒のシリカ系結合剤(ゾルゲル結合剤など)溶液を用い、これに水スラリーで分散処理した酸化チタン超微粉末スラリーを配合しても、長時間ゲル化しない亜鉛めっき製品用表面処理剤を得ることができる。この場合には濡れ剤を添加した方がよい。
超微粉末酸化チタンとシリカ系結合剤の種々の原料を組み合わせた表面処理剤を試作して亜鉛めっきしたボルトに塗布し、塩水噴霧試験で防錆性能を比較評価した。その結果によると、アルコール系溶媒を使った亜鉛めっき製品用非クロム表面処理剤で処理された亜鉛めっき製品は、水系溶媒の非クロム表面処理剤で処理したものと比べて白錆の発生する時期が顕著に遅いという特徴がある。
本発明による亜鉛めっき製品用非クロム表面処理剤(液)の評価は次のようにして行った。先ず亜鉛めっき(めっき厚さ約5μm)した白あげ状態(クロメート処理せず、そのまま乾かしたボルトを、気化防錆剤を入れた密閉容器中に保管しておいたものを使用)の長さ約45mmの鋼製M8ボルト(ねじ部長さ約25mm)各3本に各試作亜鉛めっき製品用表面処理剤をディップアンドスピン塗装(ボルトを表面処理剤中に浸漬して取り出し、回転半径約150mmの遠心分離器に取り付けた金網籠に入れ、約400RPMで約4秒間回転させて余分な表面処理剤を振り落とす)し、これを60℃に約15分保持して乾燥後180℃で15分間加熱して焼き付ける。このとき亜鉛めっき製品の表面に形成される保護被膜の厚さは2〜3μmである。この保護被膜の焼き付け温度は170〜230℃の間で選ぶことができる。
次いで表面処理した亜鉛めっきボルト3本をJIS−Z2371に準拠した塩水噴霧試験機(保持温度35℃)に入れ、ボルト2本の表面に赤錆の発生が認められるまでに経過した時間で表面処理剤の防錆性能を評価した。
以下、本発明を実施例によって具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
実施例1
結合剤として、固形分濃度約20重量%のセラミカG−92−6結合剤((株)日板研究所製品、シリカを主成分とし固形分中にアルミナを約20重量%含むアルコール溶媒のシリカ系ゾルゲル結合剤)溶液を用いた。一次粒子平均粒径約30nmの酸化チタン超微粉末(シーアイ化成(株)製品、アナターゼ型ナノテック酸化チタン)をイソプロピルアルコールと混合して酸化チタン含有量16.9重量%のスラリーとし、ジルコニアボール(直径3mmと5mmのボールを同重量混合して使用、以下の例についても同じ)を入れたボールミル中で18時間分散処理して分散液(スラリー)を得た。セラミカG−92−6結合剤80重量部に対し、分散液16重量部を加えて混合し、実施例1の表面処理剤(液)を得た。このときの結合剤固形分(80重量部の20%)を100重量部としたときの酸化チタン超微粉末の割合は16.7重量部であった。
この表面処理剤を長さ約45mmの白あげ亜鉛めっきM8ボルト(シアン化亜鉛めっき品、以下同種のボルトを試験に使用した。)に前述のディップアンドスピン塗装法で塗装(塗布と焼き付けは各1回)した。表面処理後のボルトの外観は、やや白っぽくなったが亜鉛めっきの金属光沢を保持していた。このボルト3本を前述の塩水噴霧試験機に入れて2本に赤錆が認められるまでの時間を調べたところ、1574時間であった。
比較例1
表面処理剤を塗装しない亜鉛めっき処理(めっき厚さ約5μm)した白あげ状態の長さ約45mmの鋼製M8ボルト3本を塩水噴霧試験機に入れて2本に赤錆が発生するまでの時間を調べたところ、192時間であった。
比較例2
同じ亜鉛めっきボルトにクロメート処理を施したサンプル3本を塩水噴霧試験機に入れて防錆性能を評価したところ、426時間後に2本のボルトに赤錆の発生を認めた。
実施例2
固形分としてシリカを約20重量%含むセラミカS−100結合剤((株)日板研究所製品、水系シリカゾルでpH10.5)を用いた。実施例1と同じ酸化チタン超微粉末をイオン交換水と混合して酸化チタン含有量15.4重量%のスラリーとし、ジルコニアボールのボールミル中で18時間分散処理し、分散液を得た。この分散液を結合剤80重量部に対し20重量部加え、更に濡れ剤としてダイノール604(日信化学工業(株)製品)を3滴(約68mg)添加して混合し実施例2の表面処理剤を得た。このときの結合剤固形分(80重量部の20%)を100重量部としたときの酸化チタン超微粉末の割合は19.3重量部であった。
この表面処理剤を白あげ亜鉛めっきボルト3本に実施例1と同様にして塗装(塗布と焼き付けは各1回)し、焼き付けた。表面処理後のボルトの外観は、少し白っぽくなったが亜鉛めっきの金属光沢を保持していた。このボルト3本を塩水噴霧試験機で防錆性能を評価したところ、2000時間経過しても赤錆の発生が認められなかった。
比較例3
実施例2で使ったセラミカS−100結合剤に濡れ剤としてダイノール604を3滴添加して混合し、この液を白あげ亜鉛めっきボルト3本に塗装(塗布と焼き付けは各1回)した。このボルト3本を塩水噴霧試験機で防錆性能を塩水噴霧試験機に入れて防錆性能を評価したところ、864時間後に2本のボルトに赤錆の発生を認めた。
実施例3
一次粒子平均粒径約17nmの酸化チタン超微粉末(出光興産(株)製品、非晶質)をイソプロピルアルコールと混合して酸化チタン含有量約19.2重量%のスラリーとし、ジルコニアボールを入れたボールミル中で約18時間分散処理して分散液を得た。実施例1で使用したゾルゲル結合剤80重量部に、この分散液20重量部を加えて混合し、実施例3の表面処理剤を得た。この表面処理剤を白あげ亜鉛めっきボルト3本に塗装(塗布と焼き付けは各1回)した。表面処理後のボルトの外観は、少し白っぽくなったが亜鉛めっきの金属光沢を保持していた。このボルト3本を塩水噴霧試験機に入れて防錆性能を評価したところ、2000時間経過しても赤錆の発生が認められなかった。
実施例4
実施例3で使用した平均粒系17nmの酸化チタン超微粉末をイオン交換水と混合して酸化チタン含有量約15.4重量%のスラリーとし、ジルコニアボールを入れたボールミル中で約18時間分散処理して分散液を得た。実施例2で使用したセラミカS−100結合剤80重量部に、この分散液を20重量部加えて混合し、さらに濡れ剤としてダイノール604を3滴添加して実施例4の金属表面処理剤を得た。このときの結合剤固形分(80重量部の20%)を100重量部としたときの酸化チタン超微粉末の割合は19.2重量部であった。
この表面処理剤を白あげ亜鉛めっきボルト3本に塗装(塗布と焼き付けは各1回)した。表面処理後のボルトの外観は、少し白っぽくなったが亜鉛めっきの金属光沢を保持していた。このボルト3本を塩水噴霧試験機に入れて防錆性能を評価したところ、1752時間経過後に2本のボルトに赤錆の発生を認めた。
実施例5
シリカを約20重量%含むアルコール溶媒のシリカ系結合剤(テトラエトキシシランを縮重合させた重量平均分子量2240のアルコキシシランオリゴマーのアルコール溶液)80重量部に対し、実施例3で使用した酸化チタン超微粉末の分散液16重量部を加えて混合し実施例5の表面処理剤を得た。このときの結合剤固形分(80重量部の20%)を100重量部としたときの酸化チタン超微粉末の割合は19.2重量部であった。
この表面処理剤を同様にして白あげ亜鉛めっきボルト3本に塗装(塗布と焼き付けは各1回)した。表面処理後のボルトの外観は、少し白っぽくなったが亜鉛めっきの金属光沢を保持していた。このボルト3本を塩水噴霧試験機に入れて防錆性能を評価したところ、2000時間経過後も赤錆の発生を認めなかった。
実施例6
一次粒子平均粒径約15nmの酸化チタン超微粉末(昭和電工(株)製品、アナターゼ型スーパータイタニアF−6)をイソプロピルアルコールと混合して酸化チタン含有量16.6重量%のスラリーとし、ジルコニアボールを入れたボールミル中で約18時間分散処理して分散液を得た。実施例5で用いたものと同じアルコール溶媒のシリカ系結合剤80重量部に対し、この分散液16重量部を加えて混合し、実施例6の表面処理剤を得た。このときの結合剤固形分(80重量部の20%)を100重量部としたときの酸化チタン超微粉末の割合は16.6重量部であった。
この表面処理剤を同様にして同じ白あげ亜鉛めっきボルト3本に塗装(塗布と焼き付けは各1回)した。このボルト3本を塩水噴霧試験機に入れて防錆性能を評価したところ、2000時間経過後も赤錆の発生を認めなかった。同時に、黒錆と白錆が長時間発生しないことを認めた。
実施例7
実施例5で用いたものと同じアルコール溶媒のシリカ系結合剤80重量部に対し、実施例6で使用した酸化チタン分散液8重量部を加えて混合し、実施例7の表面処理剤を得た。このときの結合剤固形分(80重量部の20%)を100重量部としたときの酸化チタン超微粉末の割合は8.3重量部であった。
この表面処理剤を白あげ亜鉛めっきボルト3本に塗装(塗布と焼き付けは各1回)した。次いでこのボルト3本を塩水噴霧試験機に入れて防錆性能を評価したところ、2000時間経過後も赤錆の発生を認めなかった。また、黒錆と白錆が長時間発生しないことを認めた。
実施例8
一次粒子平均粒径約30nmの酸化チタン超微粉末(昭和電工(株)製品、アナターゼ型とルチル型とが混合したスーパータイタニアF−4)をイソプロピルアルコールと混合して酸化チタン含有量17.1重量%のスラリーとし、ジルコニアボールを入れたボールミル中で約18時間分散処理して分散液を得た。実施例5で用いたものと同じアルコール溶媒のシリカ系結合剤80重量部に対し、この分散液16重量部を加えて混合し、実施例8の表面処理剤を得た。このときの結合剤固形分(80重量部の20%)を100重量部としたときの酸化チタン超微粉末の割合は17.1重量部であった。
この表面処理剤を同様にして白あげ亜鉛めっきボルト3本に塗装(塗布と焼き付けは各1回)した。このボルト3本を塩水噴霧試験機に入れて防錆性能を評価したところ、2000時間経過後も赤錆の発生を認めなかった。また、黒錆と白錆が長時間発生しないことを認めた。
実施例9
一次粒子平均粒径約15nmの酸化チタン超微粉末(昭和電工(株)製品、スーパータイタニアF−6)をエチルセロソルブと混合して酸化チタン含有量16.6重量%のスラリーとし、ジルコニアボールを入れたボールミル中で約42時間分散処理して分散液を得た。実施例5で用いたものと同じアルコール溶媒のシリカ系結合剤80重量部に対し、この分散液8重量部を加えて混合し、実施例9の表面処理剤を得た。このときの結合剤固形分(80重量部の20%)を100重量部としたときの酸化チタン超微粉末の割合は8.3重量部であった。
この表面処理剤を同様にして白あげ亜鉛めっきボルト3本に塗装(塗布と焼き付けは各1回)した。このボルト3本を塩水噴霧試験機に入れて防錆性能を評価したところ、2000時間経過後も赤錆の発生を認めなかった。また、黒錆と白錆が長時間発生しないことを認めた。
実施例10
一次粒子平均粒径約8nmの酸化チタン超微粉末(多木化学(株)製、アナターゼ型タイノックA−100)をイソプロピルアルコールと混合して酸化チタン含有量約16.6重量%のスラリーとし、ジルコニアボールを入れたボールミル中で約42時間分散処理して分散液を得た。実施例5で用いたものと同じアルコール溶媒のシリカ系結合剤80重量部に対し、この分散液8重量部を加えて混合し、実施例10の表面処理剤を得た。このときの結合剤固形分(80重量部の20%)を100重量部としたときの酸化チタン超微粉末の割合は8.3重量部であった。
この表面処理剤を白あげ亜鉛めっきボルト3本に塗装(塗布と焼き付けは各1回)した。このボルト3本を塩水噴霧試験機に入れて防錆性能を評価したところ、2000時間経過後も赤錆の発生を認めなかった。また、黒錆と白錆が長時間発生しないことを認めた。
実施例11
一次粒子平均粒径約30nmの酸化チタン超微粉末(昭和電工(株)製、スーパータイタニアF−4)をイオン交換水と混合して酸化チタン含有量約15.4重量%のスラリーとし、ジルコニアボールを入れたボールミル中で約18時間分散処理して分散液を得た。実施例1で使用したアルコール溶媒のセラミカG−92−6結合剤80重量部にこの分散液16重量部を加えて混合し、更に濡れ剤としてダイノール604を3滴添加して実施例11の表面処理剤を得た。このときの結合剤固形分(80重量部の20%)を100重量部としたときの酸化チタン超微粉末の割合は15.4重量部であった。
この表面処理剤を同様にして白あげ亜鉛めっきボルト3本に塗装(塗布と焼き付けは各1回)した。このボルト3本を塩水噴霧試験機に入れて防錆性能を評価したところ、1646時間経過後に2本のボルトに赤錆の発生を認めた。
実施例12
固形分としてシリカを約20重量%含む水性シリカ結合剤のスノーテックスXS(日産化学工業(株)製品、コロイド粒子平均径4〜6nm)80重量部に、実施例2で用いた分散液16重量部を加え、更に濡れ剤としてダイノール604を3滴(約68mg)添加混合して実施例12の表面処理剤を得た。このときの結合剤固形分(80重量部の20%)を100重量部としたときの酸化チタン超微粉末の割合は15.4重量部であった。
この表面処理剤を同様にして白あげ亜鉛めっきボルト3本に塗装(塗布と焼き付けは各1回)した。このボルト3本を塩水噴霧試験機に入れて防錆性能を評価したところ、1368時間経過後に2本のボルトに赤錆の発生を認めた。
実施例13
一次粒子平均粒径約8nmの酸化チタン超微粉末(多木化学(株)製、タイノックA−100)をイオン交換水と混合して酸化チタン含有量約16.6重量%のスラリーとし、ジルコニアボールを入れたボールミル中で約18時間分散処理して分散液を得た。実施例12で用いた水性シリカ結合剤80重量部に、この分散液16重量部を加え、更に濡れ剤としてダイノール604(日信化学工業(株)製)を3滴(約68mg)添加して混合し実施例13の表面処理剤を得た。このときの結合剤固形分(80重量部の20%)を100重量部としたときの酸化チタン超微粉末の割合は16.6重量部であった。
この表面処理剤を同様にして白あげ亜鉛めっきボルト3本に塗装(塗布と焼き付けは各1回)した。このボルト3本を塩水噴霧試験機に入れて防錆性能を評価したところ、1752時間経過後に2本のボルトに赤錆の発生を認めた。
実施例14
一次粒子平均粒径約8nmの酸化チタン超微粉末(多木化学(株)製、タイノックA−100)とイソプロピルアルコールを混合して酸化チタン濃度16.6重量%のスラリーとし、ジルコニアボールのボールミルで42時間分散処理し、分散液を得た。実施例12で用いた水性シリカ結合剤80重量部に、この分散液8重量部を加え、さらに濡れ剤としてダイノール604を3滴(約68mg)添加して混合し、実施例14の表面処理剤を得た。このときの結合剤固形分(80重量部の20%)を100重量部としたときの酸化チタン超微粉末の配合割合は8.3重量部であった。
白あげ亜鉛めっきボルト3本にこの表面処理剤を塗装(塗布と焼き付けは各1回)した。このボルト3本を塩水噴霧試験機に入れて防錆性能を評価したところ、1368時間経過後に2本のボルトに赤錆の発生を認めた。
実施例15
水性ブロックイソシアネート樹脂エマルジョン(ガンツ化成(株)製品のプロミネート、樹脂分45重量%含む)2重量部とエポキシ基を有する水溶性シランカップリング剤(日本ユニカー(株)製のコートシル1770、SiOに換算して固形分を約25重量%含む)60重量部、分子量1000のポリエチレングリコール93重量部及び水93重量部を含む結合剤水溶液に14重量%のアルミニウム粉末を含む鱗片状亜鉛粉末を防錆顔料として約30重量%混合し、ジンクリッチペイントを試作した。
このジンクリッチペイントを鋼製ボルトにディップアンドスピン法で塗布して250℃で焼き付ける操作を2回繰り返し、ボルトに約11μm厚さの防錆塗膜を付けた。この防錆塗膜付きボルト3本に実施例10の表面処理剤を塗装(塗布と焼き付けは各1回)した。このボルト3本を塩水噴霧試験機に入れて防錆性能を評価したところ、1500時間経過後も赤錆の発生を認めなかった。
実施例16
水性シリカ結合剤スノーテックスXS72重量部(シリカを約20重量%含む)にエポキシ基を有する水溶性シランカップリング剤(GE東芝シリコーン(株)製のTSL8350、SiOに換算して固形分を約25重量%含む)を8重量部とダイノール604を3滴混合した水性シリカ結合剤に、実施例9で使用した酸化チタン分散液8重量部を混合して実施例16の表面処理剤を得た。このときの結合剤固形分(スノーテックスXSに含まれる固形分シリカは72重量部の20%で、水溶性シランカップリング剤に含まれる固形分シリカは8重量部の25%なので、それらの合計としての固形分は16.4重量部)を100重量部としたときの酸化チタン超微粉末の配合割合は8.1重量部であった。
この表面処理剤を同様にして白あげ亜鉛めっきボルト3本に塗装(塗布と焼き付けは各1回)した。このボルト3本を塩水噴霧試験機に入れて防錆性能を評価したところ、2000時間経過後も赤錆の発生を認めなかった。同時に、白錆と黒錆の生成が長時間抑制されることを認めた。
比較例4
水性シリカ結合剤のスノーテックスXS80重量部にダイノール604を3滴添加した混合液を白あげ亜鉛めっきボルト3本に塗装(塗布と焼き付けは各1回)した。このボルト3本を塩水噴霧試験機に入れて防錆性能を評価したところ888時間経過後に2本のボルトに赤錆の発生を認めた。
比較例5
酸化チタン超微粉末に代え一次粒子平均粒径約33nmの超微粉末アルミナ(シーアイ化成(株)製のナノテックアルミナ)をイオン交換水と混合して固形分濃度16.6重量%のスラリーとし、ボールミルで18時間分散処理して超微粉末アルミナの分散液を得た。この分散液を水性シリカ結合剤のスノーテックスXS80重量部に対し16重量部加え、濡れ剤としてダイノール604を3滴(約68mg)添加し、混合して比較例5の表面処理剤を得た。
この表面処理剤を白あげ亜鉛めっきボルト3本に塗装(塗布と焼き付けは各1回)した。このボルト3本を塩水噴霧試験機に入れて防錆性能を評価したところ、284時間経過後に2本のボルトに赤錆の発生を認めた。
比較例6
セラミカG−92−6結合剤をそのまま白あげ亜鉛めっきボルト3本に塗装(塗布と焼き付けは各1回)した。このボルト3本を塩水噴霧試験機に入れて防錆性能を評価したところ、600時間経過後に2本のボルトに赤錆の発生を認めた。
比較例7
実施例15で準備した試作ジンクリッチペイントをディップアンドスピン法で鋼製ボルトに塗装塗布して250℃で焼き付ける操作を2回繰り返して約11μmの塗膜を付けたボルトのサンプル3本を塩水噴霧試験機に入れて防錆性能を調べたところ、840時間経過した時に2本のボルトに赤錆の発生を認めた。
実施例と比較例を挙げて説明した通り、本発明の酸化チタン超微粉末を分散せしめた水系表面処理剤又はアルコール溶媒の表面処理剤を白あげ亜鉛めっきボルトに塗布するといずれの表面処理剤も塩水噴霧試験で赤錆の発生を長時間防げることが明らかである。しかし、表面処理剤のシリカ系結合剤溶液がアルコール溶媒系か水系かの違いによって亜鉛めっき表面の錆に差異のあることが分かった。即ち、水系の表面処理剤の場合には、亜鉛めっきの色が比較的短時間で黒ずんでくるのに対し、アルコール溶媒系の表面処理剤の場合には、亜鉛めっきの金属光沢が長時間保持される。この黒ずみは亜鉛が不完全に酸化された酸化物によるものと推定され、さらに酸化が進むと白錆に変わる。つまり、アルコール溶媒系の表面処理剤は黒錆や白錆の発生を長時間防止する特徴がある。また、水性の表面処理剤でもシリカ系結合剤にエポキシ基を有する水溶性シランカップリング剤を併用した表面処理剤は黒錆や白錆の発生を長時間防止できることが分かった。

Claims (7)

  1. 水及び/又はアルコールを溶媒とするシリカ系結合剤溶液中に分散処理された一次粒子の平均粒径が70nm以下である酸化チタン超微粉末をシリカ系結合剤溶液の固形分100重量部に対し3〜25重量部分散、懸濁させていることを特徴とする亜鉛めっき製品用非クロム表面処理剤。
  2. シリカ系結合剤溶液が水を主溶媒とするものであり、被処理鋼材製品表面に対する濡れ性を向上させる濡れ剤が有効量添加されている請求項1に記載の亜鉛めっき製品用非クロム表面処理剤。
  3. 水を溶媒とするシリカ系結合剤溶液の一部としてエポキシ基を有するシランカップリング剤を同時に含む請求項1又は2に記載の亜鉛めっき製品用非クロム表面処理剤。
  4. シリカ系結合剤溶液がアルコールを溶媒とするものである請求項1に記載の亜鉛めっき製品用非クロム表面処理剤。
  5. シリカ系結合剤溶液がシリカ成分を15重量%以上含むものである請求項1〜4のいずれかに記載の亜鉛めっき製品用非クロム表面処理剤。
  6. 酸化チタン超微粉末の一次粒子の平均粒径が50nm以下であり、酸化チタン超微粉末をシリカ系結合剤溶液のシリカ成分100重量部に対し5〜20重量部分散、懸濁させてある請求項1〜5のいずれかに記載の亜鉛めっき製品用非クロム表面処理剤。
  7. 亜鉛めっき製品が亜鉛めっきの代わりにジンクリッチペイントが塗布された製品である請求項1〜6のいずれかに記載の亜鉛めっき製品用非クロム表面処理剤。
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