JP2741316B2 - 熱応動式スチ―ムトラップ - Google Patents

熱応動式スチ―ムトラップ

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JP2741316B2
JP2741316B2 JP23767792A JP23767792A JP2741316B2 JP 2741316 B2 JP2741316 B2 JP 2741316B2 JP 23767792 A JP23767792 A JP 23767792A JP 23767792 A JP23767792 A JP 23767792A JP 2741316 B2 JP2741316 B2 JP 2741316B2
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Tlv Co Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、各種蒸気使用機器や蒸
気配管で発生する復水を自動的に排出するスチ―ムトラ
ップに関し、特に、蒸気と復水で加熱冷却されその温度
に応じて膨脹収縮する媒体を含む温度制御機素を用い
て、所望温度以下の復水を系外へ排出する熱応動式スチ
―ムトラップに関する。
【0002】
【従来の技術】熱応動式スチ―ムトラップの基本的構成
は、例えば、特公昭60−46318号公報から公知で
ある。当該公報から理解されるように、皿状壁部材とダ
イヤフラムの外周縁とを固着して形成された内部空間に
膨脹媒体を封入した温度制御機素を、入口の連通する弁
室内に配置し、膨脹媒体の膨脹収縮を利用して、ダイヤ
フラムに連結され弁室内に配置された弁部材を駆動し、
これによって、弁室と出口とを連通する導出路を有する
弁座部材に、当該弁部材を離着座せしめるようにしたも
のである。
【0003】弁室内に高温の蒸気が流入してくると、膨
脹媒体が膨脹して、弁部材を弁座部材に着座せしめ、導
出路を閉止する。これによって、蒸気の排出を防止す
る。また、低温の復水が流入してくると、膨脹媒体が収
縮して、弁部材を弁座部材から離座せしめ、導出路を開
ける。これによって、復水を系外へ排出する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな様式の熱応動式スチ―ムトラップにあっては、温度
制御機素が破損して膨脹媒体が流出した場合、弁部材は
入口側の流体圧力によって弁座部材に着座させられ、導
出路を閉止する。温度制御機素の破損時に閉弁すると、
復水を排出できないこととなり、蒸気使用機器の運転効
率が低下したり、不良品が発生したり、また、ウォ―タ
・ハンマが起こって機器や配管を破損する問題がある。
【0005】従って、本発明の技術的課題は、温度制御
機素の破損時に、弁部材が開弁できるようにすることで
ある。また併せて、出口側の圧力が入口側の圧力よりも
高くなった場合でも、出口側からの流体が入口側へ逆流
することを防止することである。さらに併せて、ダイヤ
フラムと弁部材とを強固に固着すると共に固着部分での
ダイヤフラムの破損を防止することである。
【0006】
【課題を解決する為の手段】上記の技術的課題を解決す
る為に講じた本発明の技術的手段は、弁ケ―シングで入
口と弁室と出口を形成し、導出路を有する弁座部材を弁
室と出口との間に配置し、壁部材と第1ダイヤフラムと
の外周縁を固着して内部に膨脹媒体を封入した温度制御
機素を弁室内に配置し、貫通孔を有する第2ダイヤフラ
ムを第1ダヤフラムの弁座部材側に配置して第2ダイヤ
フラムの外周縁を第1ダイヤフラムの外周縁に固着し、
貫通孔を有する保護部材と貫通孔を有し保護部材よりも
小径の連結部材とを第1ダイヤフラムと第2ダイヤフラ
ムとの間に配置し、貫通孔を有する弁部材を第2ダイヤ
フラムの弁座部材側に配置し、保護部材と連結部材と第
2ダイヤフラムと弁部材とを相互に溶接して固着したも
のである。
【0007】
【作用】上記の技術的手段の作用は下記の通りである。
入口から弁室に流入する流体の温度が高温の場合、壁部
材と第1ダイヤフラムとの間に封入された膨脹媒体は膨
脹して、第1ダイヤフラム及び第2ダイヤフラムを弁座
部材側に変位せしめ、第2ダイヤフラムに取り付けられ
た弁部材が導出路を閉止して、高温流体、即ち蒸気の流
出を防止する。一方、入口側から低温流体が流入する場
合、膨脹媒体は収縮し、更に流体圧力も加わって、弁部
材が弁座部材から離座せしめられ、その結果、導出路が
開き、低温流体を出口に排出する。
【0008】本発明においては、温度制御機素が破損す
る状態として、第1ダイヤフラムが破れる場合と、第2
ダイヤフラムが破れる場合とがある。第1ダイヤフラム
が破れる場合、膨脹媒体を封入した空間は、第1ダイヤ
フラムと第2ダイヤフラムとの間から貫通孔及び導出路
を通して出口に連通することになって、当該膨脹媒体
は、出口に流出する。また、弁部材は入口側の流体圧力
によって、第2ダイヤフラムとともに押し上げられ、弁
座部材から離座し、導出路を開けて開弁する。第2ダイ
ヤフラムが破れる場合、入口は、第1ダイヤフラムと第
2ダイヤフラムとの間から貫通孔及び導出路を通して出
口に連通することになって、入口側の流体を排出可能に
する。
【0009】また出口側の圧力が入口側の圧力よりも高
くなった場合でも、出口側からの流体は、弁部材と第2
ダイヤフラムと連結部材と保護部材とのそれぞれに開け
た貫通孔を通って第2ダイヤフラムと第1ダイヤフラム
との間に流入し、第2ダイヤフラムを弁座部材側に変位
せしめるので、弁部材は強制的に導出路を閉止して、入
口側への逆流が防止される。更に保護部材と連結部材と
第2ダイヤフラムと弁部材とを相互に溶接するので強固
に固定でき、また保護部材を連結部材よりも大径に形成
しているので、連結部材の外周上端縁で第2ダイヤフラ
ムの曲げ応力が発生することがなく、第2ダイヤフラム
の破損を防止できる。
【0010】
【実施例】上記の技術的手段の具体例を示す実施例を説
明する(図1と図2参照)。図1において、上ケ―シン
グ1と下ケ―シング2とをボルト3で締結して、内部に
弁室4を有する弁ケ―シングが形成される。両ケ―シン
グ1,2の間の気密を環状のガスケット5で保つ。上ケ
―シング1に入口6が、下ケ―シング2に出口7が形成
される。
【0011】弁室4と出口7との間の隔壁8に、弁座部
材9がねじ結合されている。隔壁8と弁座部材9との間
の気密を環状のガスケット10で保つ。弁座部材9の中
央に、弁室4と出口7とを連通する貫通導出路11が形
成される。弁座部材9の上面には環状溝12が形成され
ている。また弁座部材9の上方に、温度制御機素13が
配置される。温度制御基礎13は、壁部材14、取付部
材15と、図2に示されるように、第1ダイヤフラム1
6、保護部材17、連結部材18、第2ダイヤフラム1
9、弁部材20とから構成される。
【0012】壁部材14、第1ダイヤフラム16、第2
ダイヤフラム19、及び取付部材15は、それぞれの外
周縁を相互に溶接(参照番号28の箇所)して固着さ
れ、取付部材15の下方に曲げられた開口縁が環状溝1
2に固定される。取付部材15には流体を通す複数の窓
21が形成されている。強度補強のために、第1ダイヤ
フラム16は、複数のダイヤフラムからなっていても良
い。壁部材14と第1ダイヤフラム16とで形成される
空間内に、注入口22から膨脹媒体23が注入され、注
入口22を塞ぐことによって密封される。膨脹媒体23
は、水、水より沸点の低い液体、或いはそれらの混合物
である。
【0013】図2に示すように、第2ダイヤフラム19
は、中央に貫通孔24を有する。強度補強のために、第
2ダイヤフラム19も複数のダイヤフラムからなってい
ても良い。第1ダイヤフラム16と第2ダイヤフラム1
9の間に貫通孔25を有する保護部材17と貫通孔26
を有する連結部材18が配置され、第2ダイヤフラム1
9の弁座部材9側に貫通孔27を有する弁部材20が配
置され、保護部材17と連結部材18と第2ダイヤフラ
ム19と弁部材20とが相互に溶接(参照番号29の箇
所)され固着される。
【0014】入口6から弁室4に流入する流体の温度が
高い場合、膨脹媒体23は膨脹し、第1ダイヤフラム1
6及び第2ダイヤフラム19を介して、弁部材20を下
方に変位せしめ、その結果、弁部材20を弁座部材9に
着座せしめて、導出路11を閉止し、高温流体即ち、蒸
気の流出を防止する。流体温度が放熱等により所定値よ
りも低くなると、膨脹媒体23は収縮し、弁部材20
が、入口6側の流体圧力も加わって、弁座部材9から離
座せしめられ、導出路11を開けて、低温流体、即ち低
温の復水を出口7から排出する。
【0015】
【発明の効果】本発明は下記の特有の効果を生じる。上
記のように本発明では、温度制御機素の破損時に弁部材
が開弁できるので、蒸気使用機器の運転効率が低下した
り、不良品を作ったり、ウォ―タ・ハンマが発生するこ
とがない。また、出口側の圧力が入口側の圧力よりも高
くなった場合でも、弁部材が強制的に導出路を閉止でき
るので、出口側から入口側へ流体が逆流することがな
い。更に保護部材と連結部材と第2ダイヤフラムと弁部
材とを相互に溶接するので強固に固定でき、また保護部
材を連結部材よりも大径に形成しているので、連結部材
の外周上端縁で第2ダイヤフラムの曲げ応力が発生する
ことがなく、第2ダイヤフラムの破損を防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例の熱応動式スチ―ムトラップの
断面図である。
【図2】図1の弁部材部分の拡大断面図である。
【符号の説明】
4 弁室 6 入口 7 出口 9 弁座部材 11 導出路 13 温度制御機素 14 壁部材 16 第1ダイヤフラム 17 保護部材 18 連結部材 19 第2ダイヤフラム 20 弁部材 23 膨脹媒体 24、25、26、27 貫通孔 28、29 溶接箇所

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 弁ケ―シングで入口と弁室と出口を形成
    し、導出路を有する弁座部材を弁室と出口との間に配置
    し、壁部材と第1ダイヤフラムとの外周縁を固着して内
    部に膨脹媒体を封入した温度制御機素を弁室内に配置
    し、貫通孔を有する第2ダイヤフラムを第1ダヤフラム
    の弁座部材側に配置して第2ダイヤフラムの外周縁を第
    1ダイヤフラムの外周縁に固着し、貫通孔を有する保護
    部材と貫通孔を有し保護部材よりも小径の連結部材とを
    第1ダイヤフラムと第2ダイヤフラムとの間に配置し、
    貫通孔を有する弁部材を第2ダイヤフラムの弁座部材側
    に配置し、保護部材と連結部材と第2ダイヤフラムと弁
    部材とを相互に溶接して固着したことを特徴とする熱応
    動式スチ―ムトラップ。
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