JP2740932B2 - 微細孔を有する樹脂成形体の成形方法およびその成形金型 - Google Patents
微細孔を有する樹脂成形体の成形方法およびその成形金型Info
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Description
る樹脂成形体の成形方法およびその樹脂成形金型に関す
る。
るプラスチック筺体において、放熱孔や音孔部はプラス
チック筺体の一部に金属性パンチングネットや、サラン
ネットを貼つけている場合が殆どである。図8はテレビ
ジョン受像機キャビネットの音孔部に金属製パンチング
ネットを貼った例であり、テレビキャビネット本体10
1の前面両側部に設けられている音孔部102には金属
製パンチングネット103が貼着されている。
トや、サランネットを貼りつける理由は、音孔部の孔の
径が約0.3mm、ピッチが約1mmの微細孔で、しか
も孔の数が数万個に達するような場合、プラスチック成
形品で一体に成形することが困難であったからである
が、しかし金属製パンチングネットやサランネットを強
固に貼りつけることが難しく、また外観的にも違和感が
あった。従来プラスチック筺体で、射出成形時に放熱孔
や音孔部を形成する場合もあるが、その場合でも孔径は
せいぜい約2mmで、ピッチも約3〜4mm程度のもの
で微細孔の形成は不可能であった。
同時に透孔を形成するのに用いる金型構成としては、図
9に例示したA,B,C,Dの場合が一般的であった。
なお図9において、104はキャビティ型、105は可
動側型板、106はコア型、107はスライドコア型、
108は成型キャビティ、109は成型キャビティ10
8に充填された樹脂である。
より説明すると、金型のコア型106の表面に放電加工
またはフライス加工で角錐状や円錐状の突起110を多
数形成し、キャビティ型104と突き合わせてキャビテ
ィ108に樹脂109を射出して透孔を形成する例であ
る。
より説明すると、コア型106に穿設した多数の孔11
1から固定ピン112を突きだして固定して透孔を形成
する例である。
より説明すると、コア型106に固定ピン112を立て
るとともにキャビティ型104にも固定ピン112と同
じ径の凸部114を設け、固定ピン112と凸部114
とを突き合わせて透孔を形成する例である。
107に上述のような固定ピンを立てて透孔を形成する
例である。
金型構造では、微細孔の孔径、ピッチをあまり小さくす
ることができず、微細化に限度があるという問題点があ
った。
多数の突起を形成させる際、金型の加工上の制約から孔
径、ピッチをあまり小さくできなく、また成形時のガス
抜きが悪いので樹脂の充填不良を招き易く、微細孔の形
成が困難という問題点があった。
が増し離型不良を起こすという問題があり、微細な孔を
ある一定の面積内に多数形成することが非常に難しく、
この点からも微細化に限界があった。特に放電加工や切
削により突起を形成する場合、微細になればなる程その
表面の仕上げが難しくなり、離型抵抗が大きくなり過ぎ
て製品面にヘアークラックや破壊が生じるので、型の抜
き勾配は5°以上が必要になっていた。この抜き勾配が
大きいということは、樹脂が流動する空間が減少するこ
とであり、結果としてより高い樹脂圧力が必要となり、
金型的にも製品的にも無理な状態で成形することになり
好ましくないという問題点もあった。
孔と固定ピンとの隙間からガスが逃げるので成形時のガ
ス抜きによる充填不良という問題は解決することができ
る。
2.5〜3.5mmであるので、この厚みのままで例え
ば0.3mmの微細孔をあけようとすると、固定ピンの
直径対長さの比が約10倍になり強度的に極めて弱いも
のになる。
するため、固定ピンのそれぞれにテーパをつけることが
必要であり、仮にテーパが3°であるとしても、先端と
根元では約0.3mmの寸法差があるので孔同士を接近
させることができなく、したがってピッチをあまり小さ
くできない問題点を有している。実際にはこのような小
さな孔の離型を確実にするには、テーパはできれば8°
最低でも5°は必要である。
は、上記困難を避けようとしてテレビジョン受像機キャ
ビネットにおけるプラスチック筺体の音孔部の肉厚を例
えば1.6mmと薄くする工夫が生まれているが、この
ように肉厚を薄くすると、強度が非常に弱くなるので、
図11に示すように裏面をリブ113で補強することが
必要となる。その結果、リブ部113の部分には固定ピ
ンが存在しなく、細孔が形成できなくなるからプラスチ
ック筺体を表面から見ると、細孔が存在しない箇所が発
生し、製品の外観が意匠的に劣る結果となる問題点があ
った。
の開口部と同じ形状を形成して意匠的な問題は解決する
が、図12に示すようにプラスチック筺体の前面のみに
透孔部を設ける場合は問題ないが、前面と側面部の二面
に透孔部を設けようとした時は、側面の微細孔を形成す
る固定ピンとキャビティ型の凸部の両方が離型を妨げる
ので、側面のキャビティ型に設けた凸部の部分を外側
へ、コア型に設けた固定ピンの部分を内側へとスライド
機構などを付けてアンダーカット処理をする必要が生
じ、金型構造上で問題点があった。
することができるが、金型が開くときのスライドコア型
107の移動により固定ピンは成型キャビティから後退
するが、その際の固定ピンの離型力により成形体にヘア
ークラックが生じたり、成型体自体が破壊したりする問
題点があった。
詳細に説明する。固定ピンにはテーパをつけて離型を容
易にしなくてはならないことは既に述べたが、離型抵抗
は固定ピンの数に比例して大きくなることが経験的にわ
かっている。一方、孔の径とピッチが小さくなると必然
的に単位面積当りの孔数が増大するので、結局、孔の径
とピッチが小さくなると単位面積当りの離型抵抗は飛躍
的に増大する。例えば、孔の径が2mmでピッチが5m
mの場合は1cm2 当りの孔数は9個であるから仮に離
型抵抗が固定ピン1本当り300グラム重だとすると1
cm2 当りの離型力は2.7キログラム重である。しか
し、孔径を0.3mm、ピッチを1.0mmとすると1
cm2 当りの孔数は100個となるから仮に離型抵抗が
孔径が大きい時と同じであるとしても、1cm2 当りの
離型力は30キログラム重すなわち30kgf/cm2
という大きな値になる。このように離型抵抗が大きな値
になると、成形品に与える歪が大きくなり、離型時に透
孔部に「ひび割れ」を生じる結果となる。したがって図
10,図11,図12の金型構造でも孔径とピッチが小
さい微細孔部の成形をするには、実用的でなかった。
ン受像機キャビネットのようなプラスチック筺体の場
合、図8に示すようにプラスチック筺体を成形した後、
金属製パンチングネットまたはサランネットを貼る工程
が必要で、その分プラスチック筺体のコストアップを招
くという問題があった。
とするもので、径が0.3mmもしくはそれ以下の孔径
でピッチが約1mm前後で数万個におよぶ微細孔を有す
る成形体を、成形時におけるガス抜き不良に起因する樹
脂の充填不良もなく、また微細孔形成用のピンの離型は
成形体に歪をあたえることなく平滑に行うことができ、
しかも成形体が筺体状の場合でもその前面と側面にまた
がって同時に微細孔を形成することができる樹脂成形体
の成形方法およびその成形金型を提供するものである。
に本発明の微細孔を有する樹脂成形体の成形方法におい
ては、キャビティ壁部の表面の一部に多数の微細孔を穿
設した穿孔壁をはめ込み、上記穿孔壁と、上記穿孔壁の
微細孔を貫通して案内される多数の微細孔ピンと、上記
微細孔ピンを固定した移動台と、上記穿孔壁に対面し、
かつ上記コア型のキャビティ壁面に設けられたリブ溝壁
とで微細孔手段を構成し、上記キャビティ型と上記コア
型とを閉じて成形キャビティを形成したのち、上記移動
台を上記穿孔壁に向かって前進させて上記微細孔ピンを
上記穿孔壁の微細孔から所定寸法突出させて上記リブ溝
壁と当接させ、ついで成形キャビティ内に樹脂を射出充
填して冷却したのち、型締め圧を保持したまま、上記移
動台を上記穿孔壁から後退させて上記微細孔ピンを成形
品から抜きさり、その後キャビティ型とコア型とを開い
て成形品を取り出すようにすることもできる。
成形体の成形金型は、プラスチック筺体を成形するため
のキャビティ型のキャビティ壁部表面の一部に多数の微
細孔を穿設した穿孔壁をはめ込み、上記穿孔壁と、上記
穿孔壁の微細孔を貫通して案内される微細孔ピンと、上
記微細孔ピンを固定した移動台と、上記穿孔壁に対面す
るコア型のキャビティ壁部に設けられたリブ溝部とで微
細孔形成手段を構成し、上記移動台を上記穿孔壁に対し
前後進させ、かつ成形キャビティ内に射出充填した樹脂
が固化した成形体を穿孔壁およびリブ溝壁により型締め
圧で挟持したままの状態で移動台を後進させる駆動機構
を備えている。
するキャビティ壁部の一部および上記前面壁の面とほぼ
直角に交差する側面壁に対応するキャビティ壁部の一部
に、それぞれ穿孔壁をはめ込み、独立する2個の微細孔
形成手段を備えることも有効である。
る樹脂成形体の成形方法によれば、キャビティ内に樹脂
を射出する時点では、微細孔内に挿入された微細孔ピン
が成形キャビティ内に突出されている状態で樹脂が充填
され、ついで、このキャビティ内の樹脂が冷却固化して
成形体が形成されたのち、この成形体が金型のキャビテ
ィ壁部により型締め圧で挟持されたままで微細孔ピンを
成形体から後退させるので、微細孔ピンの離型抵抗によ
って成形体にあたえる歪を小さくするように作用して、
微細孔を多数形成することができる。
微細孔ピンとの間から成形キャビティ内の気体は金型外
に排出されるように作用するので、樹脂の充填不良の障
害は解消できる。
る微細孔ピンをキャビティ型側に設けると、成形体に補
強のためのリブが必要な時でも、そのリブの表面に微細
孔を形成することができ、その上成形体が筺体状の場合
でも、成形体の離型時には微細孔ピンは成形キャビティ
より後退させているので、筺体の前面および側面に同時
に微細孔ならびに補強のリブを形成することもできる。
体の成形金型によれば、成形キャビティの壁部の一部に
微細孔を有し、この微細孔に微細孔ピンが往復動可能に
挿入されていることにより、微細孔ピンの離型抵抗によ
る成形体への悪影響を除去できる。
る微細孔ピンをキャビティ型側に設けると、筺体状成形
体の直交するような正面、側面に同時に微細孔の形成が
でき、微細孔ピンの駆動機構が簡単に金型構成に導入で
きる。というのは、コア型には金型の加熱、冷却機構、
成形体の離型機構が導入されており、微細孔ピンの駆動
機構の導入が複雑となる。
で、成形キャビティ壁部に直接穿設することもできる
が、別体の多孔体を設けることにより微細孔が穿設し易
くなるように作用する。
スチック筺体の一例である。テレビジョン受像機キャビ
ネットの例であるが、前面壁20の一部に前面音孔部2
1が、また側面壁22に側面音孔部23が設けられてい
る。
すと、補強用のリブ15の位置を含めて前面音孔部21
の全面に微細孔24が穿孔されている。この実施例で
は、微細孔24の直径が0.35mmであり、ピッチは
1.02mmと1.76mmである。
した断面図であって、テレビジョン受像機キャビネット
の前面壁20の部分が20aで、側面壁22の部分が2
2aで示されている。
3はそれぞれ図示された位置に形成される。10aはコ
ア型を、14aはキャビティ型をそれぞれ示し、上記キ
ャビティ型14aの、前面音孔部21と側面音孔部23
とに対応する位置に、微細孔形成手段26がそれぞれ設
けられており、一方を26A、他方を26Bとする。上
記微細孔形成手段26の詳細構造と動作を図2、図3の
拡大断面図を用いて説明する。
対応するキャビティ型14aのキャビティ壁面の一部に
は穿孔壁28が設けられている。穿孔壁28には微細孔
ピン34を案内するための微細孔35が多数個穿設され
ている。微細孔ピン34は、根元の直径が大きい固定端
34aと、小径の先端部34cと、先端部34cと固定
端34aとを連結する中径部34bとよりなり、微細孔
35は、微細孔ピン34の中径部34bが挿入される部
分35bと、先端部34cが挿入される部分35cとの
二段孔となっている。上記の先端部34cの直径は、目
的とする成形品すなわちテレビジョン受像機キャビネッ
トの音孔部21,23の微細孔24の径とほぼ等しくし
ておく。また微細孔ピン34の中径部34bは、ピン固
定板32に穿設された多数個の中径孔33に嵌着されて
いて、固定端34aがピン固定板32と移動台36との
間で挟まれることにより微細孔ピン34が移動台36に
固定され、移動台36と共に前後運動できるようになっ
ている。
0aのキャビティ壁面部の一部にはリブ溝壁30が設け
られている。
孔壁28と、リブ溝壁30と、移動台36にピン固定板
32により固定された微細孔ピン34とにより構成され
ている。
た状態を示しており、微細孔ピン34の先端部34cが
リブ溝壁30に当接している。そして穿孔壁28と、リ
ブ溝壁30とで構成された音孔部キャビティ54に微細
孔ピン34を突出させた状態で樹脂55が射出される。
た状態を示しており、微細孔ピン34の先端部34cは
冷却固化された樹脂55から抜け出し微細孔24が形成
されている。この後、金型を開いて成形品を取り出す。
記微細孔形成手段26の駆動手段について説明する。
0aが組み付けられている。コア型取付板50は射出成
形機の可動盤に取り付けられている。
ャビ外枠52が組み付けられ、このキャビ外枠52にキ
ャビティ型14aが組み付けられている。上記キャビテ
ィ型取付板48は射出成形機の固定盤に取り付けられて
動かないのが通常であるが、この場合は図示していない
が、もう一つのキャビティ型保持台があって、このキャ
ビティ型保持台が射出成形機の固定盤に取り付けられ、
上記キャビティ型取付板48はキャビティ型保持台の上
で矢印D方向に往復動可能に案内保持されている。また
固定カムA44と固定カムB46も上記キャビティ型保
持台に取り付けられている。
ャビネットの前面壁20の部分20aと、側面壁22の
部分22aとは、直角に近い角度で交差している。した
がって前面壁20の前面音孔部21を形成するための微
細孔形成手段26Bと側面壁22の側面音孔部23を形
成するための微細孔形成手段26Aとは、ほぼ直角に近
い角度で交差している矢印E、F方向に往復動可能にキ
ャビティ型14aに取り付けられている。
記したようにキャビティ型14aに案内されて矢印F方
向に往復動可能であるが、移動台36Bの前部で斜板3
8のアリ溝38bに噛み合っている。
は上記したようにキャビティ型14aに案内されて矢印
E方向に往復動可能であるが、移動台36Aは連結棒4
0により移動カム42に連結されている。
0がキャビティ型取付板48の方向に前進し型を閉じ、
微細孔成形手段26は、移動台36が図2のように矢印
B方向に移動してコア型10aとキャビティ型14aと
で囲まれたキャビティ16内に微細孔ピン34を突出さ
せており、この状態で樹脂がキャビティ16内に射出さ
れる。冷却時間が経過して射出された樹脂が冷却固化し
た後型を開けるが、その場合、上記のコア型取付板50
とキャビティ型取付板48は、閉じたまま、すなわち、
穿孔壁28とリブ溝壁30が固化した樹脂を型締め圧に
より挟持した状態のままで、キャビティ型保持台に対し
矢印G方向に移動する。固定カムA44と固定カムB4
6とは上述したようにキャビティ型保持台に固定されて
いるので、固定カムA44と固定カムB46とは上記キ
ャビティ型10aおよびコア型14aに対し相対的に矢
印H方向に動く。この相対運動により固定カム44のカ
ム面44aが移動カム42のカム面42aに当接して微
細孔形成手段26Aの移動台36Aを矢印Eに動かし、
微細孔ピン34を樹脂55の部分22aから引き抜き、
成形体の側面壁22の側面音孔部23に微細孔24を形
成する。
板38のカム面38aに当接して微細孔形成手段26B
の移動台36Bを矢印F方向に動かし、微細孔ピン34
を樹脂55の部分20aから引き抜き成形体の前面壁2
0の前面音孔部21に微細孔24を形成する。ついで、
コア型取付板50とキャビティ取付板48を開くとテレ
ビジョン受像機キャビネットの成形体が得られる。
を金型から取り外すのに必要な力を離型抵抗または離型
力と呼んでいる。離型抵抗は金型表面の粗さ、バリ、抜
き勾配、樹脂と金型との接触面積の大きさ等で大きく変
化するが、小さい径の固定ピンを小さいピッチで有する
場合、離型抵抗が大きくなり、折角成形した製品に歪を
与えたり、ひび割れを与えたりする。しかし、固化した
樹脂を型締め圧により挟持した状態で、多数の固定ピン
を離型すると歪やひび割れが発生しない。
度230℃、射出圧力50MPaの条件で、ピッチ1.
0mm,径0.35mmの微細孔ピン8000本をもち
いて厚み2mmの前面壁20に8000個の微細孔24
を形成したものには、歪みや割れが発生しなかった。
は、既に述べたように孔数が極めて多いので離型抵抗も
大きなものになる。1音孔部当りすなわち1個の微細孔
形成手段当りの孔数は8,000〜10,000個に及
ぶので、仮に1本の微細孔ピンを成形品から抜き取る時
の離型力が300グラム重としても、1音孔部当り2.
4〜3トンの離型力が必要になる。1音孔部の面積はせ
いぜい20cm×3cmであるから単位面積当りの離型
力は40〜50kgf/cm2 という大きなものであ
る。前述のようにこの大きな離型力から、いかにして製
品を傷つけないように防御するか、が微細孔成形の大き
な課題点であった。
キャビティ型14aとを開く前に、穿孔壁28とリブ溝
壁30とで成形体が挟まれている状態で微細孔ピン34
のみを、「しごく」ように引き抜くので、上記した単位
面積当りの大きな離型力は主として穿孔壁28が負担す
ることとなり、成形体に与える歪を最小に押さえること
ができる。
とを開く前に、穿孔壁28とリブ溝壁30とで成形体が
挟まれている状態で微細孔ピン34のみを、「しごく」
ように引き抜き、微細孔ピン34が成形体から完全に抜
け出たあとでコア型10aとキャビティ型14aとを開
くので、図6に示すように前面音孔部21の面と側面音
孔部23の面とがほぼ直角に交差するテレビジョン受像
機キャビネットのような筺体場合でも、容易に成形する
ことが可能となった。
側に取り付けたから上記したように微細孔形成手段26
の移動台36及び微細孔ピン34を動かす機構を金型の
外側に設けることができるので、金型設計が容易に行え
るという特徴もある。
すように微細孔24が形成できるので製品の意匠的効果
を減少させることもなくなる。
4が当接するリブ溝壁30に突起部30aを設けること
により、成形した音孔部の断面が図5に示すように前面
の孔径より裏側の孔形を大きくすることも可能である。
これにより音孔部よりの音質を改善することも可能な場
合もある。
ットに音孔部を成形する例を述べたが、本発明は、音孔
部の成形に限らず、例えば放熱用の微細孔からなる多孔
部を有する成形体の成形に応用することができる。
の前進後退機構は、カム機構による例について説明した
が、例えば油圧装置あるいは空圧装置を用いた前進後退
機構に置き換えても作用効果に変わりがないことは言う
までもない。
面の一部に穿設された微細孔から微細孔ピンを突出させ
て樹脂を射出し、樹脂が冷却固化したのち、型締め圧に
より挟持した状態で、上記微細孔ピンを引き抜き、つい
でキャビティ型とコア型とを開いて微細孔を有する成形
体を形成するので、多孔部における樹脂成形品の歪を最
小に押さえることができ、従来は困難であった孔径が1
mm以下の微細孔の多孔部を有する製品を射出成形で容
易に成形することが可能となった。
ると、微細孔ピンを前進後退させる機構をキャビティ型
の外側に設けることが可能であるので金型設計の自由度
を増すことができる。
型に向けて前進後退させることにより突出させるように
すると、多孔部の裏面に補強用のリブが存在しても多孔
部の表面には孔を設けることができるので外観品質を低
下させることもなく、また筺体状の成形体のほぼ直交す
る両面に微細孔を容易に形成することもできる。
が前進した時の説明断面図である。
が後退した時の説明断面図である。
他の例を示す断面図である。
の断面斜視図である。
ビジョン受像機キャビネットの斜視図である。
ある。
ャビネットの要部を分離した斜視図である。
である。
型の要部断面図である。
型の要部断面図である。
型の要部断面図である。
Claims (2)
- 【請求項1】 プラスチック筺体を成形するためのキャ
ビティ型とコア型とを備え、上記キャビティ型のキャビ
ティ型部表面の一部に多数の微細孔を穿設した穿孔壁を
はめ込み、上記穿孔壁と、上記穿孔壁の微細孔を貫通し
て案内される多数の微細孔ピンと、上記微細孔ピンを固
定した移動台と、上記穿孔壁に対面し、かつ上記コア型
のキャビティ壁部に設けられたリブ溝壁とで微細孔形成
手段を構成し、上記キャビティ型と上記コア型とを閉じ
て成形キャビティを形成したのち、上記移動台を上記穿
孔壁に向かって前進させて上記微細孔ピンを上記穿孔壁
の微細孔から所定寸法突出させて上記リブ溝壁と当接さ
せ、ついで成形キャビティ内に樹脂を射出充填して冷却
したのち、型締め圧を保持したまま上記移動台を上記穿
孔壁から後退させて上記微細孔ピンを成形品から抜きさ
り、その後キャビティ型とコア型とを開いて成形品を取
り出すことを特徴とする微細孔を有する樹脂成形体の成
形方法。 - 【請求項2】 プラスチック筺体を形成するためのキャ
ビティ型とコア型とを備え、上記キャビティ型のキャビ
ティ型部表面の一部に多数の微細孔を穿設した穿孔壁を
はめ込み、上記穿孔壁と、上記穿孔壁の微細孔を貫通し
て案内される微細孔ピンと、上記微細孔ピンを固定した
移動台と、上記穿孔壁に対面し、かつ上記コア型のキャ
ビティ壁部に設けられたリブ溝壁とで微細孔形成手段を
構成し、上記移動台を上記穿孔壁に対し前後進させ、か
つ成形キャビティ内に射出充填した樹脂が固化した成形
体を穿孔壁およびリブ溝壁により型締め圧で挟持したま
まの状態で移動台を後退させる駆動機構を備えることを
特徴とする微細孔を有する樹脂成形体の成形金型。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP5112280A JP2740932B2 (ja) | 1993-04-14 | 1993-04-14 | 微細孔を有する樹脂成形体の成形方法およびその成形金型 |
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