JP2738256B2 - 半導体装置およびその製造方法 - Google Patents

半導体装置およびその製造方法

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JP2738256B2
JP2738256B2 JP5019591A JP1959193A JP2738256B2 JP 2738256 B2 JP2738256 B2 JP 2738256B2 JP 5019591 A JP5019591 A JP 5019591A JP 1959193 A JP1959193 A JP 1959193A JP 2738256 B2 JP2738256 B2 JP 2738256B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は半導体装置に係り、特
に、キャパシタをその回路素子として含む半導体装置に
関する。
【0002】
【従来の技術】従来、半導体装置に含まれるスタックト
キャパシタは、図34(a)〜図36(b)に示された
製造工程を経て形成されていた。まず、図34(a)に
示されているように、シリコン基板1上にキャパシタ分
離用の酸化シリコン膜2を成長させる。酸化シリコン膜
2上にホトレジスト膜3を塗布し、ホトレジスト膜3は
パターン化される。
【0003】パターン化されたホトレジスト膜3をマス
クとして、酸化シリコン膜2がドライエッチングされ、
図34(b)に示されるような孔2aが穿設される。
【0004】パターン化されたホトレジスト膜2を除去
した後、図35(a)に示されているように、ポリシリ
コン4を堆積する。次ぎに、ホトレジストを塗布し、リ
ソグラフィ技術とエッチングとを利用して、ホトレジス
ト膜5をパターン化する。
【0005】パターン化されたホトレジスト5をマスク
として、ポリシリコン膜4がエッチングされ、図35
(b)に示す下部電極4aが形成される。
【0006】下部電極4aは誘電体膜6で被われ(図3
6(a)参照)、最後に、図36(b)に示されている
ように、ポリシリコン膜7が誘電体膜6上に堆積され
る。
【0007】かかる構成のスタックトキャパシタはダイ
ナミックランダムアクセスメモリ装置(以下、単にDR
AMという)等、集積回路装置で広く採用されている。
【0008】しかしながら、近年、DRAMは高集積化
されており、素子の幾何学的寸法は微細化され、各素
子、例えば、キャパシタの半導体基板上で占有できる面
積は縮小されてきている。
【0009】縮小された占有面積に大容量のキャパシタ
を形成するには、その構造を3次元化しなければなら
ず、これまでにも、筒型のスタック電極やフィン型のス
タック電極、更に、溝型の下部電極が種々提案されてき
た。
【0010】図37(a)〜図38(b)は、筒型のス
タック電極の製造工程を示しており、まず、図37
(a)に示されているように、シリコン基板11上に層
間絶縁膜12を成長させ、窒化シリコン13が堆積され
る。図示していないパターン化されたホトレジスト膜を
マスクにして窒化シリコン膜13と層間絶縁膜12がエ
ッチングされ、シリコン基板を一部露出させるコンタク
ト孔が穿設される。
【0011】ポリシリコン膜と酸化シリコン膜が順次堆
積され、図示していないパターン化されたホトレジスト
膜をマスクにして、上記ポリシリコン膜と酸化シリコン
膜がエッチングされ、ポリシリコンの支持体14と酸化
シリコン膜15が形成される。ポリシリコン膜16がこ
のポリシリコンの支持体14と酸化シリコン膜15上に
堆積され、図37(a)に示す構造が得られる。
【0012】次に、ポリシリコン膜16がマスクなしで
反応性イオンエッチングでエッチバックされ、図37
(b)に示されているように、下部電極16aがポリシ
リコンの支持体14と酸化シリコン膜15の側壁に残さ
れる。
【0013】次に、酸化シリコン膜15が弗酸系の水溶
液でエッチングされ、図38(a)に示される構造が得
られる。
【0014】最後に、窒化シリコン膜と酸化シリコン膜
とで構成される容量絶縁膜17が下部電極を被い、更
に、ポリシリコンの上部電極18が容量絶縁膜17上に
堆積されて図38(b)に示される構造を得る。
【0015】しかしながら、上述のように、キャパシタ
を3次元化するには、複雑で正確な制御を必要とし、再
現性のよいキャパシタ構造は得難かった。
【0016】そこで、本願発明者は、特願平3ー272
165号(平成2年3月20日出願)にLP−CVD法
で半球形状のシリコングレインを緻密に成長させ、表面
をかかる半球形状のシリコングレインで構成されたシリ
コン膜を加工したスタックキャパシタ電極を提案した。
シリコンの凹凸を表面に形成することにより、キャパシ
タ電極の有効表面積が増加させられる。
【0017】しかしながら、この既に提案しているキャ
パシタ電極は半球形状のシリコングレインで構成された
シリコン膜をドライエッチングしてスタックキャパシタ
電極を個別的に分離するので、各スタック電極の側壁は
滑らかになり、凹凸が無くなってしまうという問題点が
あり、充分な表面積の増加が得られなかった。
【0018】そこで本発明者は、特願平3ー53933
号(平成3年2月26日出願)において新たな半球形状
のグレインを形成する方法を提案した。この方法による
と、滑らかな表面の非晶質シリコンを堆積し、この非晶
質シリコン膜をリソグラフィ技術とエッチング技術とを
適用して所望の形状に加工する。しかる後、非晶質シリ
コンの表面に上記加工時に形成される酸化シリコンや炭
素を除去し、真空中或は不活性ガス等非酸化雰囲気中で
加熱処理する。その結果、非晶質シリコンの表面が結晶
化し、シリコン膜の表面が半球状のグレインとなる。こ
の提案された方法で形成された電極はその側面を凹凸で
被われる。非晶質シリコン膜を個別的なスタック電極に
分離した後に凹凸を形成するからである。
【0019】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述の
特願平3ー53933号で提案したスタック電極の形成
方法は、凹凸形成前に非晶質シリコン膜を清浄化しなけ
ればならず、その後の熱処理は非晶質シリコンの酸化防
止および汚染防止の観点から不活性で清浄な雰囲気を必
要とし、かかる雰囲気の維持に多大な設備および精密な
制御を必要とする。その結果、スタック電極は長時間を
かけて形成されることになり、製造効率が甚だしく低い
という問題点を有している。しかも、かように長時間を
かけて凹凸を形成しても、表面積は平坦表面の高々2倍
程度であり、超高集積化を要求される4ギガビットDR
AMに適用することはできなかった。
【0020】
【課題を解決するための手段】本願請求項1に記載され
た発明は、表面積の増加で電気的特性の向上を図れる電
気回路の構成要素を含む半導体装置において、上記構成
要素は複数の孔の形成された多孔質シリコン粒子からな
多結晶シリコンで形成され、上記孔を画成する表面を
含む多孔質シリコン粒子の表面を上記電気的特性に影響
する上記表面積とすることである。
【0021】本願請求項2に記載された発明は、第1電
極と、該第1電極に誘電体を介して対抗する第2電極と
を有する容量素子を含む集積回路の形成された半導体装
置において、上記第1電極は、上記第2電極と対抗する
表面の少なくとも一部を複数の孔の形成された多孔質シ
リコン粒子で構成される多結晶シリコンで形成し、上記
孔を画成する表面を含む上記多孔質シリコン粒子の表面
を上記誘電体で覆うことである。
【0023】本願請求項3に記載された発明は、下部電
極を形成する工程と、該下部電極を被う誘電体を形成す
る工程と、第誘電体を介して下部電極に対抗する上部電
極を形成する工程とを有する半導体装置の製造方法にお
いて、上記下部電極を形成する工程はシリコンの陽極酸
化、液相での選択的エッチング、気相での選択的エッチ
ングの選択的使用で表面を多孔質シリコン粒子とする工
程を含み、上記誘電体を形成する工程では上記誘電体を
上記多孔質シリコン粒子の孔を画成する表面に接して形
成することである。
【0024】
【発明の作用】本願発明にかかる半導体装置は、電気回
路の構成要素の表面積、あるいは、容量素子の電極の表
面積を増加させることができる。事実、多孔質シリコン
は表面積を数倍〜十数倍増加させることができ、電気的
特性または容量値を向上させることができる。
【0025】
【実施例】以下、本願発明の第1実施例となる製造工程
を図1(a)〜図2(b)を参照して説明する。
【0026】第1実施例の製造工程は、まず、シリコン
基板21にLOCOS選択酸化法でフィールド酸化膜2
2を成長させ、次に、ポリシリコンが減圧CVDで堆積
させられる。不純物がポリシリコンに導入された後、陽
極化成法がポリシリコンに適用される。その結果、ポリ
シリコンは少なくともその表面の一部が多孔質シリコン
膜23aとなり、図1(a)に示される構造が得られ
る。
【0027】上記陽極化成法は上記ポリシリコンを陽極
とし、白金(Pt)の陰極が5〜40パーセントの弗酸
を主成分とする水溶液中で上記ポリシリコンに対向させ
られる。陽極と陰極との間に、数〜百ミリアンペア/平
方センチメートルの直流電流が流されると、ポリシリコ
ン中に多数の微小孔が形成され、多孔質シリコン膜23
aとなる。この多孔質化中、可視光〜紫外光が照射され
ると、正孔キャリアが発生し、反応が促進される。
【0028】なお、ポリシリコンは、レジストで形成さ
れたマスクを利用して選択的にドライエッチングして
も、多孔質化される。
【0029】上述のように、陽極化成法で形成された多
孔質シリコン膜23aは、2〜10ナノメートルの微小
孔を多数有しており、多孔質シリコン膜の体積密度はバ
ルク密度の20〜80パーセントである。もし、微小孔
が2ナノメートル未満になると、後述する容量絶縁膜や
上部電極が多孔質シリコン膜23の表面に沿って充分に
被着できなくなる。
【0030】微小孔を拡大させるためには、多孔質シリ
コン膜23aを摂氏800〜900度で熱処理する。か
かる熱処理は図1(b)に示されているように微小孔を
数十ナノメートル程度に拡張する。しかしながら、熱処
理中に、酸素が存在すると、多孔質シリコン膜23aの
表面が酸化膜で被われ、シリコン原子の移動が妨げられ
る。このような理由で、熱処理中の酸素分圧は10のマ
イナス6乗Torr以下に抑えなければならない。熱処
理は陽極化成中に発生する内部応力による歪を緩和する
上でも有効である。
【0031】次に、多孔質シリコン膜23a上にレジス
トでマスク(不図示)を形成し、多孔質シリコン膜23
aはエッチングで下部電極23bとなる。
【0032】次に、下部電極23bは容量絶縁膜24で
被われる。まず、窒化シリコン膜が減圧CVD法で厚さ
8〜15ナノメートルに堆積される。この減圧CVDは
SiH2Cl2ガスとNH3ガスの混合ガスを圧力0.2
〜0.4Torrに調整して摂氏600度〜700度で
実施する。かかる低温で窒化シリコンの堆積を実施する
のは、成膜速度を反応律速とし、表面反応を主にするた
めである。かかる表面反応の結果、微小孔の内壁は窒化
シリコンで充分に被覆される。次に、窒化シリコンは摂
氏850度のスチーム雰囲気中で10分間酸化され、酸
化シリコンが成長される。その結果、下部電極23bは
SiO2膜とSi34膜で構成される容量絶縁膜24で
被われる。
【0033】上記スチーム中での酸化は酸化シリコンで
被われていない多孔質シリコン膜上、ピンホール中およ
びウイークスポット上に厚い酸化シリコンを成長させる
ので、下部電極23bをこの後形成する上部電極から確
実に電気的に分離する上で有効である。
【0034】次に、ポリシリコン膜25が減圧CVD法
で全面に堆積され、図2(a)に示されている構造が得
られる。
【0035】レジストのマスク(不図示)がポリシリコ
ン膜25上に形成され、露出しているポリシリコン膜2
5がエッチングで選択的に除去される。その結果、図2
(b)に示されているように、上部電極25aが形成さ
れる。
【0036】以下、本願発明の第2実施例にかかる製造
工程を図3(a)〜図4(b)を参照して説明する。
【0037】まず、図3(a)に示されているように、
シリコン基板31上にレジストのマスク32が形成され
る。シリコン基板31は陽極酸化され、マスク32から
露出しているシリコン基板31は内部に向かって多孔質
化される。その結果、シリコン基板31は一部多孔質シ
リコンとなる。
【0038】次に、マスク32が除去され、第1実施例
と同様に多孔質シリコン33の微小孔が図1(b)に示
されているように熱処理で拡張される。その結果、容量
絶縁膜が微小孔の内壁に密着し易くなる。
【0039】窒化シリコン膜が減圧CVD法で微小孔の
内壁に密着するように被着され、酸化シリコン膜がスチ
ーム酸化で成長させられる。その結果、SiO2膜とS
34膜からなる容量絶縁膜34が図4(a)に示され
ているように形成される。
【0040】ポリシリコン膜が減圧CVD法で容量絶縁
膜34上に成長され、不純物がポリシリコン中に導入さ
れる。レジストのマスク(不図示)がポリシリコン上に
形成され、ポリシリコン膜は図4(b)に示されている
ようにエッチングにより上部電極35となる。
【0041】第2実施例はシリコン基板31中に下部電
極を形成するので、シリコン基板31の主面に凹凸が少
なくなり、シリコン基板31の主面上に構成される配線
領域の平坦化が容易になるという利点を有している。
【0042】上述の第1実施例と第2実施例の工程で製
造される容量素子以外にも、図5(a)〜図6(c)に
示される構造の容量素子が本願発明を特徴付ける多孔質
シリコンを利用して構成される。図5(a)は単純な柱
状の下部電極41を示しており、その表面は多孔質シリ
コン41aで被われ、下部電極41の表面積を増加させ
ている。図5(b)はシリンダー状の下部電極42を示
しており、その外面と内面は多孔質シリコン42aで被
われている。図6(a)はフィン状の下部電極43aを
示しており、この下部電極43は支柱部、フィン部とも
多孔質シリコン43aで被われている。次に、図6
(b)はスタックトトレンチキャパシタの下部電極44
を示しており、下部電極44の表面は多孔質シリコン4
4aで被われている。更に、図6(c)はトレンチキャ
パシタの下部電極45を示しており、この下部電極45
も多孔質シリコン45aで被われている。したがって、
本願発明は電極の形状を問わずに適用可能である。
【0043】以下、本発明の第3実施例にかかる製造方
法を図7(a)〜図9(b)を参照して説明する。
【0044】第3実施例にかかる製造方法によると、ま
ず、シリコン基板51上に素子分離用の酸化シリコン膜
52が成長され、この酸化シリコン膜52は、図7
(a)に示すようにレジストをパターン化したマスク5
3で選択的に露出されている。
【0045】酸化シリコン膜52には、ドライエッチン
グでコンタクト孔52aが穿設され、図7(b)に示さ
れた構造が得られる。
【0046】続いて、ポリシリコン膜54aが摂氏60
0度の減圧CVD(LPCVD)法で堆積され、燐がポ
リシリコン膜54a中にPOCl3ガスから摂氏800
度で30分間導入される。レジストのマスク55がポリ
シリコン膜54a上に形成され、図8(a)に示された
構造が得られる。
【0047】ポリシリコン膜54aは反応性イオンエッ
チングでその露出部を除去され、図8(b)に示されて
いるように下部電極54bとなる。図10はこの時点に
おける下部電極54bの表面形状を示す走査型電子顕微
鏡写真であり、その倍率は6万倍である。
【0048】次に、図9(a)に示すように、下部電極
54bの表面を多孔質化して、多孔質シリコン膜56を
形成する。本実施例では、下部電極54bを加熱された
燐酸溶液(H3PO4)に浸し、その表面を多孔質化す
る。
【0049】上記多孔質化の工程を詳述すると、燐酸溶
液を摂氏140度に加熱し、下部電極54bはこの加熱
した燐酸溶液中に90分浸される。加熱された燐酸はポ
リシリコンの粒界や転移面に偏析した不純物を選択的に
エッチングし、ポリシリコンの表面に多数の微小孔を開
口させる。図11は燐酸溶液で処理したのちの下部電極
54bの表面形状を示す走査型電子顕微鏡写真であり、
その倍率は6万倍である。図12(a)〜(c)は下部
電極54bを異なる倍率で撮影した走査型電子顕微鏡写
真であり、それぞれ10万倍、20万倍、45万倍で撮
影されている。これらの走査型電子顕微鏡写真はポリシ
リコンが多孔質化され、その表面に数ナノメートル〜数
十ナノメートルの微小孔が多数形成されていることを示
している。
【0050】上述のように、加熱した燐酸溶液は偏析し
た不純物を選択的にエッチングするので、不純物の導入
されていないポリシリコンは多孔質化されない。図13
(a)〜(c)は不純物無添加のポリシリコンを燐酸溶
液にそれぞれ10分、30分、90分浸したときの表面
形状を走査型電子顕微鏡で撮影したものであり、表面形
状はほとんど変化していない。
【0051】図14(a)〜(c)はPOCl3ガスを
拡散源として摂氏800度で燐を30分熱拡散させたポ
リシリコンを摂氏140度のH3PO4に10分、30
分、90分それぞれ浸した後の表面形状を撮影した走査
型電子顕微鏡写真であり、エッチングが表面から燐の濃
度の高い転移面や積層欠陥、粒界と進行してゆき、ポリ
シリコン膜を凹凸により多孔質化してゆく状態を表して
いる。かようにして得られる多孔質構造の大きさや形態
は、ポリシリコン膜の成膜条件、不純物の添加方法、そ
の後の熱処理条件、H3PO4溶液の濃度、温度、時間で
制御可能であり、安定して再現することができる。な
お、本実施例では、燐酸の水溶液を使用したが、燐酸の
水溶液を加熱して蒸気とし、ポリシリコン膜の表面に吹
き付けてもよい。
【0052】燐酸を使用してポリシリコンを多孔質化す
る場合、多孔質層の膜厚は燐酸水溶液で処理する時間を
制御して調整することができる。しかしながら、多孔質
層の膜厚を正確に制御したい場合には、ポリシリコン膜
中に予め極薄の酸化シリコン膜を介在させておき、この
酸化シリコン膜をエッチングストッパーとして膜厚の制
御に利用する。かかるポリシリコン膜は複数の層で構成
されるが、電極の機能を損なうことのないように酸化シ
リコンを介在させなければならない。
【0053】例えば、ポリシリコンを合計300ナノメ
ートルの厚さに堆積する途中で2ナノメートル程度の酸
化シリコン膜を2層介在させ、燐をポリシリコンに摂氏
800度のPOCl3ガス中で30分熱拡散させ、その
後、摂氏140度の燐酸溶液中に60分浸すと、図15
の走査型電子顕微鏡写真で示されているように、最上層
のポリシリコンのみ多孔質化し、最初の酸化シリコン膜
がエッチングを停止させたことを理解できる。このよう
な複数のポリシリコン膜で構成されたポリシリコン層
は、結晶粒を膜厚方向に分割でき、粒径を制御すること
ができる。上述のように、エッチングは粒界に沿って進
行するので、ポリシリコン層を複数の膜で構成するな
ら、側壁の面積増加に寄与する。
【0054】以上のようにして多孔質シリコンで下部電
極54bを形成した後に、誘電体膜56が下部電極54
bの表面に接するように形成される。誘電体膜56とし
ては、厚さ5〜10ナノメートルの減圧CVD法で堆積
された窒化シリコンとこの窒化シリコンの表面を酸化し
て得られる酸化シリコンで構成される多層構造体が使用
される。また、Ta25のような高誘電体膜や強誘電体
膜を利用することもできる。
【0055】この後、燐を添加したポリシリコン膜が誘
電体膜56に密着するように形成され、リソグラフィ技
術と反応性イオンエッチングで上部電極57に加工され
る。図9(b)はこの段階を示している。
【0056】上記第3実施例では、ポリシリコンを下部
電極54bの形状に加工した後に、多孔質化している
が、ポリシリコンを多孔質化した後に、下部電極54b
に加工してもよい。また、上部電極57はポリシリコン
に限らず、他の半導体あるいは金属でもよい。
【0057】本発明にかかる第4実施例の製造方法で
は、多孔質化する以前のシリコンへイオン注入で不純物
を導入する。燐を注入する不純物とする場合は、加速エ
ネルギーを70eVとし、ドーズ量を1×1016cmー2
とする。その後、シリコン膜は摂氏900度の窒素雰囲
気中で30分間アニールされ、摂氏140度の燐酸溶液
中で多孔質化される。図16(a)〜(c)は燐酸溶液
中の処理時間を10分、20分、60分としたときの走
査電子顕微鏡写真であり、シリコン粒中に5ナノメート
ル程度の微細な凹凸が観察される。
【0058】第4実施例では、シリコン膜に注入される
不純物を燐にしたが、不純物は粒界や転移面に偏析する
なら燐でなくてもよく。ボロン、ひ素、アンチモンでも
よい。
【0059】本発明の第5実施例にかかる製造方法で
は、シリコン膜への不純物導入を成膜時に実施する。例
えば、減圧CVD法でSiH4とPH3とを含むガスを
0.6Torr、摂氏630度に調整し、かかる雰囲気
中で成膜されたポリシリコンは摂氏140度の燐酸溶液
中で多孔質化される。
【0060】第5実施例の製造工程で温度を摂氏550
度とすると、シリコン膜は非晶質になり、この非晶質シ
リコンを摂氏900度の高温雰囲気中で30分アニール
すると、結晶化して比較的大きな結晶粒が成長する。こ
のシリコン膜を燐酸溶液中で処理すると、燐の偏析した
高濃度部分が選択的にエッチングされ、粒径を反映した
比較的大きな孔からなる多孔質構造が得られる。図17
は上述の方法で膜厚400ナノメートルの試料を燐酸溶
液中で90分浸したのち撮影した走査電子顕微鏡写真で
ある。
【0061】本発明の第6実施例にかかる製造方法は多
孔質化にNH3水溶液を使用する。この他にも、不純物
濃度の差でエッチングレートの異なるエッチング剤であ
れば利用できる。第6実施例にかかる製造方法は、摂氏
60度のNH3水溶液を使用しており、シリコン膜は毎
分5ナノメートルの割合でエッチングされる。エッチン
グ後のシリコン膜表面は、5ナノメートル程度の微小な
凹凸と粒界に沿った深い凹部が観察される。図18は走
査型電子顕微鏡で撮影された第6実施例の製造方法で形
成されたシリコン膜の表面である。この試料は表面の微
細な凹凸で黒色となった。なお、NH3の水溶液だけで
なく、これを加熱してNH3蒸気を発生させてエッチン
グしてもよい。
【0062】なお、不純物濃度の差でエッチングレート
が異なるエッチング剤としては、HFとHNO3を含む
溶液やHFとH22を含む溶液がある。また、シリコン
に導入される不純物は燐、ひ素、ボロン、アンチモンで
もよく、その導入方法は問わない。
【0063】本発明の第7実施例にかかる製造方法は、
シリコン電極側面の面積増加を図ることを目的としてい
る。すなわち、シリコン膜を多孔質化する際にH3PO4
を用いてもNH3を用いても、電極側面は電極上面に比
べ、面積の増加が少ない。この原因は、多結晶シリコン
膜を通常の減圧CVD法で形成した場合には柱状構造を
有するために電極表面に現れるグレインバウンダリ−の
密度が異なるためである。これを解決するためには、前
述したように、シリコン膜を複数の層に分ける方法があ
るが、以下に述べる方法によっても解決できる。
【0064】まず図19(a)に示すようにシリコン基
板61上に酸化シリコン膜62を形成し、その上にレジ
スト63を塗布してパタ−ニングし、ドライエッチング
で酸化シリコン膜62をエッチングする(図19
(b))。
【0065】その後、図20(a)に示すようにポリシ
リコン膜64を堆積し、リンやヒ素等の不純物を添加す
る。ポリシリコン膜64は減圧CVD法で堆積した。堆
積条件は温度600℃、使用ガスSiH4とHeとの混
合ガス(SiH4:20%,He:80%)、圧力1T
orrである。
【0066】このポリシリコン64上にレジスト65を
塗布してパタ−ニングし(図20(a))、これをマス
クにしてポリシリコン膜64をドライエッチングする
(図20(b))。
【0067】レジスト65を除去した後、ポリシリコン
膜68を減圧CVD法で150ナノメ−トル堆積した
(図21(a))。堆積条件はポリシリコン膜64と同
条件である。
【0068】その後、ポリシリコン膜68に、800℃
において30分間POCl3ガスを用いてリンの熱拡散
を行った。この後に、反応性イオンエッチングによりエ
ッチバックを行い電極を形成する。(図21(b))。
【0069】その後、塩酸と過酸化水素の混合液で洗浄
を行う。こうして形成した電極を140℃に加熱された
3PO4の水溶液に60分間浸した。この処理により、
電極表面に多孔質シリコン層69が形成される。(図2
2(a))。
【0070】この後、誘電体膜66および上部電極(リ
ンド−プポリシリコン)67を形成する(図22
(b))。
【0071】この様にして形成したキャパシタの表面積
増加率は、600℃で堆積したシリコン膜の2倍程度と
非常に大きい。また、このキャパシタのリ−ク電流特性
は、多孔質シリコン層を形成していないキャパシタとほ
ぼ同等であり(図26,図27参照)、耐圧分布も良好
である(図28)。
【0072】本発明の第8実施例に係わる製造方法は、
シリコン電極をハロゲンを有するガスにさらしても多孔
質化する。すなわち、ポリシリコン膜を200ナノメ−
トル堆積した後に、800℃において30分間POCl
3ガスを用いてリンの熱拡散を行った。この後に1To
rrのCl2ガスで満たしたチャンパ−内で、低圧水銀
ランプで発生した紫外光照射によって生成した塩素ラジ
カルで5分間エッチングする。この方法を用いると、グ
レインバウンダリ−や転移面等のリンが高濃度に偏析し
ている部分のエッチレ−トがリンが偏析していない部分
の50−100倍となり、この結果、ポリシリコン表面
に多孔質層および微細な凹凸が生じる。表面部分の走査
型電子顕微鏡による観察結果を図23に示す。
【0073】本実施例では多孔質層の形成および表面の
微細な凹凸を塩素ラジカルを用いて形成しているが、B
r(ブロム)やI(ヨウ素)ラジカルでも実施できる。
また、ラジカルの生成には低圧水銀ランプからの紫外光
を用いているが、他の方法を用いた光励起でもよいし、
マイクロ波や高周波または電子銃を用いてプラズマを生
成してもラジカルを発生することができ実施できる。
【0074】本発明の第9実施例に係わる製造方法は、
スタック電極の形成と多孔質化を同時に実施する。すな
わち、ポリシリコン膜を200ナノメ−トル堆積した後
に、800℃において30分間POCl3ガスを用いて
リンの熱拡散を行った。つづいてスタックトキャパシタ
のレジストパタ−ンをリソグラフィ−技術を用いて形成
する。この後に、平行平板反応性イオンエッチング装置
を用いて、圧力を20Pa(0.15Torr)として
Cl2でポリシリコンのエッチングを行う。この結果、
レジストマスクの無い部分は塩素イオンが照射されるた
め異方的なエッチングが行われるが、レジストパタ−ン
下のポリシリコン中のグレインバンダリ−や転移面など
リンが高密度に偏析している部分が塩素ラジカルによっ
て選択的にエッチングされる。そのため、エッチング形
状は異方形状となり、一方、多孔質層が等方的に生じ
る。エッチング断面を走査型電子顕微鏡で観察した写真
を図24に示す。
【0075】この方法を用いることによって、スタック
電極の形成と多孔質化を同時に行うことができる。本実
施例ではポリシリコンのエッチングに平行平板反応性イ
オンエッチング(RIE)装置を用いているがECRや
マグネトロンRIEまたはヘリコンエッチング装置等で
も実施できる。さらに、実施例ではエッチングガスにC
2を用いているが、F(フッソ素)、Br(ブロ
ム)、I(ヨウ素)等でも実施できる。
【0076】本発明の第10実施例に係わる製造方法は
弗化水素の水溶液中で陽極化成して多孔質化するもので
ある。すなわち、下部電極に、多孔質化シリコンを形成
するには、シリコン電極を弗化水素を主成分とする水溶
液中で陽極化成しても実施できる。以下、本実施例を工
程順に説明する。
【0077】シリコン基板71に素子分離用の酸化シリ
コン膜を形成し、次に、この酸化シリコン膜72を弗酸
から保護するために、窒化シリコン膜73を減圧CVD
法により形成する。その後シリコン基板71とのコンタ
クトをとるために、リソグラフィ−技術とエッチング技
術によって、パタ−ニングを行う。(図30(a),
(b))。
【0078】次に、減圧CVD法によりSiH4、PH3
を含むガス系から圧力0.6Torr、温度550℃で
非晶質シリコン膜を成膜し、これを800℃で120分
アニ−ルして結晶化させ、ポリシリコン膜74aとす
る、続いてリソグラフィ−技術でレジスト65をつく
り、エッチング技術によって、パタ−ニングを行い、下
部電極64bとする(図31(a),(b))。
【0079】形成した下部電極64bを陽極として、5
−40%のHF(弗酸)を主成分とする水溶液中でPt
(白金)を対向電極とし、数百mA/cm2の直流電流
を流して微小孔を形成する。このとき反応を促進させる
ため、可視−紫外線を照射してキャリアを励起させても
よい。微小孔の大きさは、2−数十ナノメ−トルで多孔
質層の体積密度はバルク密度の20−80%に制御す
る。この方法では下部電極64bの側壁も多孔質膜79
で被われるところが特徴的である。(図32(a))。
【0080】このとき、形成された微小孔の大きさが数
ナノメ−トル以下である場合は、誘電体膜が孔の内部ま
で充分に被覆されず、短絡の原因となったり、あるいは
開孔部を完全に埋めてしまい上部電極の表面積が増え
ず、蓄積電荷量を効果的に増加させることが難しくな
る。これを防ぐため、既に説明した方法で孔を拡大する
(図32(b))。
【0081】次に、誘電体膜76を形成し(図33
(a))、さらに上部電極77として不純物を添加した
ポリシリコンを堆積する(図33(b))。
【0082】なお、この実施例では窒化シリコン膜を残
したまま誘電体膜を形成しているが、H3PO4溶液によ
って、窒化シリコン膜を除去してから誘電体膜を形成し
てもよい。
【0083】以上説明した第9実施例の製造方法を用い
たとき、蓄積電荷量は従来の十数倍にまで達することが
出来る。陽極化成によってシリコンが多孔質化する現象
自体は古くから知られており、この方法で形成された多
孔質シリコンが非常に反応性に富むことから、低温での
素子分離酸化シリコン膜の形成や、SOI(Siric
on−on−insulator)構造の形成、あるい
は配線用のシリサイドの形成等に用いられている。最近
では、間接遷移型のシリコンでは従来不可能とされてい
た可視発光現象が確認され発光デバイスへの応用が検討
されている。本発明の半導体装置の製造方法は、下部電
極表面に多孔質層を形成する方法として陽極化成を適用
し、蓄積電荷容量の増加という本発明に固有の効果を得
ている。
【0084】本発明の第11実施例に係わる製造方法
は、誘電体膜を下部電極の多孔質層表面に形成する際、
多孔質層の孔部(凹部)の大きさが十数ナノメ−トル以
下になると誘電体膜が孔の内面を十分に被覆することが
できなかったり、あるいは完全に孔部を埋め込んでしま
うことに鑑み、上部電極の表面積を増加し、蓄積容量の
増加を図るものである。
【0085】そこで必要に応じて、誘電体膜を形成する
前に孔部の大きさを広げる工程を追加する。例えば、多
孔質シリコン形成後、多孔質シリコン表面を700℃、
1Torrの減圧酸素雰囲気中で、20−30ナノメ−
トル酸化した後、形成された酸化シリコン膜を弗酸等で
除去することで、孔部を広げることができる。
【0086】あるいは、急速熱酸化法により短時間の酸
化を行い、表面に形成された酸化シリコン膜を除去して
もよい。
【0087】さらに、1−2ナノメ−トルのオ−ダで孔
部を広げたい場合はH22(過酸化水素)または、HN
3(硝酸)を含む水溶液に浸して酸化シリコン膜を形
成し、これを弗酸等で除去する工程を任意の回数繰り返
すことで実施できる。
【0088】本発明の第12実施例に係わる製造方法
は、多孔質シリコンの表面を熱窒化した後、多孔質シリ
コン表面に形成された窒化シリコン膜を除去することに
よって孔を拡張する。
【0089】例えば、多孔質シリコン形成後、NH
3(アンモニア)雰囲気中で800℃、60秒の急速熱
窒化を行うと1.5−2ナノメ−トルの窒化シリコン膜
が多孔質シリコン表面に形成される。これをH3PO4
含む溶液等によってエッチング、除去する工程を任意の
回数繰り返すことで実施できる。
【0090】本発明の第13実施例に係わる製造方法
は、多孔質シリコンのシリコンの存在する部分の幅が数
ナノメ−トル程度しか無いような非常に細かい多孔質構
造の場合、第10実施例や第11実施例の方法は、たち
まち多孔質層全体を酸化シリコン膜や、窒化シリコン膜
に変えてしまう場合があること、また多孔質層が電極と
して機能するには、シリコンの存在する部分の幅が空乏
層幅の2倍よりも厚くなければならないことに鑑み、多
孔質シリコンを高真空中あるいは、非酸化雰囲気中ある
いは、還元雰囲気中でアニ−ル処理し、多孔質シリコン
を再結晶化させて、より大きな多孔質構造に変える。
【0091】例えば、数ナノメ−トルの構造をもつ多孔
質シリコンをH2(水素)雰囲気中で1000℃、5分
間熱処理を行うと再結晶化がおこり、数ナノメ−トルの
構造をもつ多孔質シリコンへと変化する。この現象自体
はやはり古くから知られており、例えばJ.Elect
rochem.Soc.:SOLID−STATESC
IENCE AND TECHNOLOGY Augu
st 1978 Vol.125,No.8 P13
39 ”Structure of PorousSi
licon Layer and Heat−Trea
tment Effect ” Takashi Un
agami and MasahiroSeki に詳
しい。
【0092】本発明の第14実施例に係わる製造方法
は、従来技術で述べた、シリコンの半球状グレインを下
部電極表面に形成する方法と組み合わせて実施する。
【0093】例えば、減圧CVD法を用いて成長温度5
00℃で非晶質シリコン膜を200ナノメ−トル堆積し
た後に、リソグラフィ−技術とドライエッチング技術を
用いて下部電極形状を形成する。その後、特願平3−5
3933号(平成3年2月26日出願)において提案さ
れた半球状のシリコングレインを、高真空中で基板温度
750℃のアニ−ル処理を行うことによって前記下部電
極表面に形成する。
【0094】つづいて、800℃において30分間PO
Cl3ガスを用いてリンの熱拡散を行った。この後に、
140℃に加熱されたH3PO4溶液に60分間浸した。
この処理を行うことにより、電極表面に多孔質シリコン
層および半球状シリコングレインより微細な凹凸が形成
される。
【0095】この後、容量絶縁膜と上部電極を形成して
キャパシタを作成する。このキャパシタの蓄積電荷容量
は半球状シリコングレイを下部電極に形成したキャパシ
タの約2倍、半球状キャパシタを適用していない通常キ
ャパシタの約4倍と非常に大きい(図25)。
【0096】本実施例では非晶質シリコン電極に半球状
グレインシリコンを形成した後、リン拡散によって不純
物を導入した電極を多孔質化しているが、リンの導入方
法は熱拡散法に限らずイオン注水法を用いてもリンを導
入しても、さらに非晶質シリコン成長時にリンを導入す
るリンド−プ非晶質シリコンを用いても実施できる。ま
た、多孔質シリコン層は加熱したH3PO4溶液に浸すこ
とにより形成しているが、多孔質シリコン層及び微細な
凹凸が電極表面に形成されればこの方法に限らず実施で
きる。また、不純物としてリンを用いているがAs(ヒ
ソ)等の不純物でも実施できる。以上のように、半球状
シリコングレイと多孔質シリコンを組み合わせることに
よって、蓄積電荷容量の増加に著しい効果が得られる。
【0097】本発明の第15実施例に係わる製造方法
は、下部電極に多孔質シリコンを形成するとき、高濃度
に不純物を添加した非晶質シリコンをH3PO4溶液処理
しても実施する。
【0098】例えば、減圧CVD法を用いてin−si
tuリンド−プ非晶質シリコン膜を200ナノメ−トル
堆積する。このリンド−プ非晶質シリコン膜はリンが過
飽和状態(1×1021cm-3)に導入されている。つづ
いて、リソグラフィ−技術とドライエッチング技術を用
いて下部電極形状を形成する。つづいて、140℃に加
熱されたH3PO4溶液に60分間浸した。この処理を行
うことにより電極表面に多孔質シリコン層及び微細な表
面凹凸が形成される(図29)。
【0099】この後、容量絶縁膜と上部電極を形成して
キャパシタを作成する。このキャパシタの蓄積電荷容量
はリンド−プ非晶質シリコンで下部電極を形成したキャ
パシタの2倍程度と非常に大きくなる。本実施例では、
減圧CVD法を用いたin−situリンド−プ非晶質
シリコン電極を多孔質化しているが、リンがド−ピング
されていなくとも実施できる。また、非晶質シリコンを
減圧CVD法を用いて形成しているが、リン拡散を行っ
たポリシリコンにイオン注入法を用いてシリコンを注入
しても、非晶質シリコンは形成できるので実施できる。
また、多孔質シリコン層の形成は加熱したH3PO4溶液
に浸すことにより形成しているが、多孔質層及び微細な
凹凸が電極表面に形成されればこの方法に限らず実施で
きる。
【0100】本発明の第16実施例に係わる製造方法は
下部電極に多孔質シリコンを形成するとき、スパッタ法
で非晶質シリコンを堆積して実施する。
【0101】例えば、スパッタ時のAr(アルゴン)圧
が6×10-2Torr、基板温度100℃、厚さ300
ナノメ−トルに堆積されたシリコン膜は、斜影効果によ
って、柱状の多孔質構造を有しており、柱と柱のあいだ
は、空隙が存在する。この後、800℃において20分
間POCl3ガスを用いてリンの熱拡散を行うととも
に、結晶化を行い、つづいてリンの熱拡散により形成さ
れた酸化シリコン膜を弗酸によって除去することで多孔
質層を有する下部電極が形成できる。
【0102】あるいは、リンまたは、ボロン等の不純物
を含むシリコンをスパッタのタ−ゲットに用い、多孔質
の非晶質シリコンを堆積した後、アニ−ルによって結晶
化しても実施できる。
【0103】更に、PH3またはB26のような不純物
のソ−スガスを含む雰囲気中で、シリコンをタ−ゲット
に反応性スパッタを行った後、アニ−ルによって結晶化
しても実施できる。
【0104】スパッタ法による非晶質シリコンについて
は、高橋清,小長井誠偏、最新アモルファスSiハンド
ブック、サイエンスフォ−ラム、鈴木正国、(198
3)に詳しい。
【0105】本発明の第17実施例に係わる製造方法
は、下部電極に、多孔質シリコンを形成するとき、シリ
コン膜にリソグラフィ−技術を用いずに、100ナノメ
−トル以下の微細なマスクを自己組織的に形成し、異方
性エッチングを行ってする。
【0106】例えば不純物を添加したポリシリコンを5
00ナノメ−トル堆積した後、Ar(アルゴン)とO2
(酸素)を含む雰囲気中で酸化シリコンをタ−ゲットに
してスパッタを行う。スパッタ時の圧力は6×10-2
orrで行う。
【0107】このようにしてシリコン膜上に厚さ50ナ
ノメ−トルに堆積された酸化シリコンは幅数十ナノメ−
トルの柱上の多孔質構造を有している。これを数%の希
弗酸で処理し孔部を20ナノメ−トル程度まで広げてか
ら、平行平板RIE装置を用いて、圧力を20Paとし
てCl2を含むガス中でポリシリコンのエッチングを行
う。
【0108】この結果、酸化シリコンの無い部分は塩素
イオンが照射されるため異方的なエッチングが行われる
が、酸化シリコンの柱の下のポリシリコンはエッチング
されないため、ポリシリコン表面に幅数十ナノメ−トル
の柱状の多孔質シリコン層が形成される。また、スパッ
タ条件や時間を変えることで、島状や網目状のマスクも
形成可能であり、これを用いて異方的なエッチングを行
っても実施できる。また、マスク材は、酸化シリコンに
限らず、異方的性エッチングにおいて充分な選択比がと
れるものであればよい。
【0109】本実施例ではポリシリコンのエッチングに
平行平板RIE装置を用いているがECRやマグネトロ
ンRIEまたはヘリコンエッチング装置等でも実施でき
る。さらに、実施例ではエッチングガスにCl2を用い
ているが、F(フッソ素)、Br(ブロム)、I(ヨウ
素)等でも実施できる。
【0110】更にスパッタ法に限らず、CVD法、蒸着
法等の成膜方法で行なっても良い。
【0111】
【発明の効果】以上説明してきたように、本発明によれ
ば、多孔質シリコンで形成された電極はその表面積をポ
リシリコン等で形成された平坦な電極の表面積に比べる
と10〜100倍に増加させることができ、電気回路の
構成要素の電気的特性、例えば容量素子の電荷蓄積量を
飛躍的に増加させることができる。その結果、半導体集
積回路の集積度は、従来例と同一の半導体基板を使用し
ても大幅に向上し、充分な電荷蓄積量がホールド不良、
ソフトエラーを防止する。する。また、本発明により多
孔質化された電極は、従来の円筒型スタック容量電極や
スタックトレンチ容量電極、HSG−Siを用いた容量
電極と同程度に蓄積電荷容量を増加させられる。例え
ば、燐酸水溶液で多孔化処理をする実施例の場合、僅か
1工程の追加で、標準的なスタック電極の1.6倍の電
荷蓄積容量を得られる。これと同程度の電荷蓄積容量を
円筒型スタック電極で実現しようとすると、7工程以上
を必要としており、製造方法が極めて複雑になる。ま
た、本発明にかかる容量素子は、巨視的に平滑な表面形
状であり、その上方に配線等を敷設しても、断線等の発
生する虞は小さい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例にかかる製造方法を示す断
面図である。
【図2】第1実施例にかかる製造方法の他の工程を示す
断面図である。
【図3】本発明の第2実施例にかかる製造方法を示す断
面図である。
【図4】第2実施例にかかる製造方法の他の工程を示す
断面図である。
【図5】本発明の適用される種々の容量素子の電極構造
を示す断面図である。
【図6】本発明の適用される種々の容量素子の電極構造
を示す断面図である。
【図7】本発明の第3実施例にかかる製造方法の初期段
階を示す断面図である。
【図8】本発明の第3実施例に係る製造方法の中期段階
を示す断面図である。
【図9】本発明の第3実施例にかかる製造方法の後期段
階を示す断面図である。
【図10】 本発明の第3実施例の製造方法で形成さ
れた下部電極の多孔質化以前における表面組織の粒子構
を示す走査型電子顕微鏡写真である。
【図11】 本発明の第3実施例の製造方法で形成さ
れた下部電極の多孔質化以降における表面組織の粒子構
を示す走査型電子顕微鏡写真である。
【図12】 本発明の第3実施例の製造方法で形成さ
れた下部電極の多孔質化以降における表面組織の粒子構
を異なる倍率(10万倍,20万倍,45万倍)で示
した走査型電子顕微鏡写真である。
【図13】 不純物の導入されていないポリシリコン
を燐酸処理した後の表面組織の粒子構造を異なる処理時
間(10分,30分,90分)毎に撮影した走査型電子
顕微鏡写真である。
【図14】 不純物を導入したポリシリコンを燐酸処
理した後の表面組織の粒子構造を異なる処理時間(10
分,30分,90分)毎に撮影した走査型電子顕微鏡写
真である。
【図15】 本発明の第3実施例の変形例で形成され
た下部電極の多孔質化以降における断面組織の粒子構造
を示した走査型電子顕微鏡写真である。
【図16】 本発明の第4実施例の製造方法で形成さ
れた下部電極の燐酸処理中の異なる時間(10分,20
分,60分)毎の表面組織の粒子構造を示した走査型電
子顕微鏡写真である。
【図17】 本発明の第5実施例の製造方法で形成さ
れた下部電極の多孔質化以降における表面組織の粒子構
を示す走査型電子顕微鏡写真である。
【図18】 本発明の第6実施例の製造方法で形成さ
れた下部電極の多孔質化以降における表面組織の粒子構
を示す走査型電子顕微鏡写真である。
【図19】本発明の第7実施例にかかる製造方法の初期
段階を示す断面図である。
【図20】本発明の第7実施例にかかる製造方法の第1
中期段階を示す断面図である。
【図21】本発明の第7実施例にかかる製造方法の第2
中期段階を示す断面図である。
【図22】本発明の第7実施例にかかる製造方法の後期
段階を示す断面図である。
【図23】 本発明の第8実施例の製造方法で形成さ
れた下部電極の多孔質化以降における表面組織の粒子構
を示す走査型電子顕微鏡写真である。
【図24】 本発明の第9実施例の製造方法で形成さ
れた下部電極の多孔質化以降における表面組織の粒子構
を示す走査型電子顕微鏡写真である。
【図25】スタック電極の表面を種々の結晶で構成した
時の容量値を示すグラフである。
【図26】電極の表面を多孔質シリコンで構成したキャ
パシタの電流特性を示すグラフである。
【図27】電極の表面をポリシリコンで構成したキャパ
シタの電流特性を示すグラフである。
【図28】耐圧分布特性を示すグラフである。
【図29】 本発明の第15実施例の製造方法で形成
された下部電極の多孔質化以降における表面組織の粒子
構造を示す走査型電子顕微鏡写真である。
【図30】本発明の第10実施例にかかる製造方法の初
期段階を示す断面図である。
【図31】本発明の第10実施例にかかる製造方法の第
1中期段階を示す断面図である。
【図32】本発明の第10実施例にかかる製造方法の第
2中期段階を示す断面図である。
【図33】本発明の第10実施例にかかる製造方法の後
期段階を示す断面図である。
【図34】従来例にかかる製造方法の初期段階を示す断
面図である。
【図35】従来例にかかる製造方法の中期段階を示す断
面図である。
【図36】従来例にかかる製造方法の後期段階を示す断
面図である。
【図37】他の従来例にかかる製造方法を示す断面図で
ある。
【図38】他の従来例にかかる製造方法の他の工程を示
す断面図である。
【符号の説明】
21,31,51,61 シリコン基板 23a,41a,42a,43a,44a,45a,6
9,79 多孔質シリコン 23b,41,42,43,44,45,54b,6
4,74b 下部電極 24,34,58,66,
76 誘電体 25a,35,57,67,77 上部電極
フロントページの続き (72)発明者 善家 昌伸 東京都港区芝五丁目7番1号 日本電気 株式会社内 (56)参考文献 特開 昭53−35484(JP,A) 特開 平4−286152(JP,A)

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 表面積の増加で電気的特性の向上を図れ
    る電気回路の構成要素を含む半導体装置において、上記
    構成要素は複数の孔の形成された多孔質シリコン粒子か
    らなる多結晶シリコンで形成され、上記孔を画成する表
    面を含む多孔質シリコン粒子の表面を上記電気的特性に
    影響する上記表面積とすることを特徴とする半導体装
    置。
  2. 【請求項2】 第1電極と、該第1電極に誘電体を介し
    て対抗する第2電極とを有する容量素子を含む集積回路
    の形成された半導体装置において、上記第1電極は、上
    記第2電極と対抗する表面の少なくとも一部を複数の孔
    の形成された多孔質シリコン粒子で構成される多結晶シ
    リコンで形成し、上記孔を画成する表面を含む上記多孔
    質シリコン粒子の表面を上記誘電体で覆うことを特徴と
    する半導体装置。
  3. 【請求項3】 下部電極を形成する工程と、該下部電極
    を被う誘電体を形成する工程と、第誘電体を介して下部
    電極に対抗する上部電極を形成する工程とを有する半導
    体装置の製造方法において、上記下部電極を形成する工
    程はシリコンの陽極酸化、液相での選択的エッチング、
    気相での選択的エッチングの選択的使用で表面を多孔質
    シリコン粒子とする工程を含み、上記誘電体を形成する
    工程では上記誘電体を上記多孔質シリコン粒子の孔を画
    成する表面に接して形成することを特徴とする半導体装
    置の製造方法。
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