JP2737089B2 - リアシート格納装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 a.産業上の利用分野 本発明は、ワンボックスカーに装備するリアシート格
納装置に関する。

b.従来の技術とその課題 ワンボックスカーにおいては、リアシートは折畳んだ
状態でフロアの下方に格納できるようにしてある。第７
図は従来のリアシート格納装置の一例を示す図であっ
て、ａはリアシート、ｂはフロントシート、ｃはフロア
パネルである。フロアパネルｃには、レッグスペースｄ
がリアシートａとフロントシートｂの間に設けてあり、
該スペースｄの開口後縁部には、リアシートａを取付け
たリッドｅがヒンジ結合してある。そして、リアシート
ａを折畳み、リッドｅを前方へ反転させてレッグスペー
スｄを覆うようにすると、リアシートａは二点鎖線で示
すようにレッグスペースｄに格納されることとなる。

ところで、ワンボックスカーでは、フロントシートの
下方にエンジンを配置する場合がある。このようなエン
ジンレイアウトを採用すると、エンジンの一部（例え
ば、ディストリビュータ）がレッグスペース内に突出す
るようになる。そこで、上記エンジンの突出部を納める
とともに、エンジンのメンテナンスのため、このレッグ
スペース内にサービスリッドを設けていた。しかし、こ
のサービスリッドはリアシート格納の邪魔になるため、
このようなエンジンレイアウトの自動車に上記構造の装
置を採用することはできなかった。

c.課題を解決するための手段 本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、フロント
シートの下方にエンジンを配置した場合でも、リアシー
トがフロアの下方に完全に格納できるリアシート格納装
置を提供することにあり、その要旨は、フロアパネルに
リアシート収納凹部を形成するとともに、該収納凹部の
開口前縁部に、前端を支点として前後に揺動するリッド
を設け、該リッドに、シートバックを前方へ倒して折畳
めるようにしたリアシートを載置保持し、該リアシート
のシートクッション後部に、前後に配置したアームの一
端を第１の手段によって枢支結合し、かつその他端を上
記リアシート収納凹部の開口後縁部に第２の手段によっ
て枢支結合したことにある。

以下、本発明の一実施例を添付図面を参照しながら詳
細に説明する。

第１図において、１はリアシート、２はフロアパネル
である。フロアパネル２には、段部2aが設けてあり、該
段部2aの前方に第１及び第２の区画部材3,4が固着して
ある。それによって、これら区画部材3,4の間にレッグ
スペース５、第２の区画部材４と段部2aの間にリアシー
ト格納凹部６がそれぞれ形成されることとなる。７はレ
ッグスペース５に設けたサービスリッドで、該リッド６
を開いてエンジンのメンテナンスを行なうようになって
いる。また、第２の区画部材４の上部には、リアシート
格納凹部６を覆うようにしてリッド８がヒンジ結合して
あり、該リッド８にリアシート１を載置してある。この
リアシート１はシートクッション９とシートバック10と
からなり、シートバック10は前方へ倒して折畳めるよう
に構成してある。シートクッション１の後端面には、前
後に配置した左右一対のアーム11の一端が第１の手段12
によって枢支結合してあり、これらアーム11の他端は第
２の手段13によってリアシート格納凹部６の開口後縁部
に枢支結合してある。なお、アーム11はピン部14を備え
ており、該ピン部14に係合する第１のクランプ部材15
が、第３図に示すようにシートバック10の下部に設けて
ある。また、第２の区画部材４の上部にも、同図に示す
ように第２のクランプ部材16が設けてあり、該部材16
は、シートクッション10の前端部に固設したピン部材17
と係合してシートクッション10を固定するように構成し
てある。一方、リッド８の前端部には、孔18が設けてあ
り、第２図に示すように該リッド８を前方へ反転させて
レッグスペース５を覆うようにすると、第２のクランプ
部材16が第６図に示すように該孔18に係合してリッド８
をロックするように構成してある。

本実施例はこのように構成してあるので、リアシート
１の格納は以下の手順で行なえばよい。

まず、第３図に示すようにシートバック10を前方（図
中矢印Ｃ方向）に倒して折畳み、第２のクランプ部材16
のピン部材17に対する係合を解除する。次いで、シート
クッション９を第１の手段12を中心として後方へ回動し
て起立させ、第４図に示すように第１のクランプ部材15
をアーム11のピン部14に係合させる。そして、アーム11
を第２の手段13を中心として後方へ約90°回動してシー
トバック10をフロアパネル２上に寝かせ、リッド８を前
方へ反転させてレッグスペース５を覆う。最後に、アー
ム11を第２の手段13を中心にして前方へ約180°回転さ
せると、リアシート１は第５図に示すようにリアシート
格納凹部６に格納されることとなる。なお、リアシート
を第１図の状態にセットする場合には、上述の手順を逆
に行なえばよい。

本実施例では、シートクッション９とシートバック10
を起立させると、第１のクランプ部材15が第４図に示す
ようにアーム11のピン部14と係合し、第１の手段12が拘
束されることとなるので、それ以後のリアシート１の格
納操作が容易に行なえる。

e.発明の効果 本発明によれば、リアシートはその下方に設けたリア
シート格納凹部に格納できるようになるので、フロント
シートの下方にエンジンを配置した場合でも、フロアパ
ネルの下方にリアシートを完全に格納することができ、
荷物収納スペースが広くなる。

さらに、リアシートをセットしたときには、リアシー
ト格納凹部が荷物庫として使用できるという効果も得ら
れる。

【図面の簡単な説明】

第１図ないし第６図は本発明の一実施例を示し、第１図
はリアシートをセットした状態を示す斜視図、第２図は
第１図のリアシートを格納した状態を示す斜視図、第３
図ないし第５図はそれぞれリアシートの格納手順を示す
図であって、第１図を矢印Ａ方向から見た図、第６図は
第２図に示したＢ−Ｂ線による断面図、第７図は従来の
装置を概念的に示す図である。 １……リアシート、２……フロアパネル、６……リアシ
ート格納凹部、８……リッド、９……シートクッショ
ン、10……シートバック、11……アーム、12,13……第
１及び第２の手段、14……アームのピン部、15,16……
第１及び第２のクランプ部材、17……ピン部材。

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】フロアパネルにリアシート収納凹部を形成
   するとともに、該収納凹部の開口前縁部に、前端を支点
   として前後に揺動するリッドを設け、該リッドに、シー
   トバックを前方へ倒して折畳めるようにしたリアシート
   を載置保持し、該リアシートのシートクッション後部
   に、前後に配置したアームの一端を第１の手段によって
   枢支結合し、かつその他端を上記リアシート収納凹部の
   開口後縁部に第２の手段によって枢支結合したことを特
   徴とするリアシート格納装置。