JPH0545558Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は自動車用シートの改良に関する。

（従来の技術） 従来、ワゴンタイプの自動車において、第１０
図に示すように、フロントシート１とリヤシート
２が設けられ、該リヤシート２後方の荷室フロア
４に形成されたレツグスペース用凹部５に対し
て、リヤシート２と背中合わせにサードシート
（補助シート）３が設けられていて、第１１図に
示すように、上記サードシート３のシートバツク
ａとシートクツシヨン３ｂを倒してシートバツク
３ａとシートクツシヨン３ｂとで上記凹部５の開
口を閉じることにより、リヤシート２後方の荷室
スペース６をフラツトに拡大し得るようにしたも
のが提案されている。

なお、上記リヤシート２のシートクツシヨン２
ｂを前方へ跳ね上げてヘツドレスト２ｃを外した
シートバツク２ａを前倒させると、フロントシー
ト１後方の荷室スペース６をより拡大し得る。

（考案が解決しようとする課題） ところで、サードシート３のシートバツク３ａ
は、通常、使用位置では二つ折れ式リンクで起立
位置に保持されているが、前倒時にリンクで指を
挟んだり、リンクのロツクが不完全であると不用
意に前倒したりするという問題があつた。

本考案は上記問題を解消するためになされたも
ので、補助シートのシートバツクが不用意に前倒
したり、リンクに指を挟んだりする危険がないよ
うにすることを目的とするものである。

（課題を解決するための手段） このため本考案は、シート後方の荷室フロアに
形成されたレツグスペース用凹部に対して、該シ
ートと背中合わせに補助シートが設けられてい
て、該補助シートを倒して補助シートで上記凹部
の開口を閉じることにより、シート後方の荷室ス
ペースをフラツトに拡大し得るようにした自動車
用シートにおいて、上記補助シートのシートバツ
クの下部ブラケツトが車体のヒンジブラケツトに
ヒンジピンで支持されて、起立位置と前倒位置と
に回転され、上記下部ブラケツトに、シートバツ
クの起立位置で上記ヒンジブラケツトのロツクピ
ンに係合し、シートバツクの前倒を阻止するロツ
クレバーが設けられ、該シートバツクは、上記シ
ートのシートバツクに当接して後倒が阻止される
と共に、上記シートのシートバツクの前倒時は車
体と補助シートのシートバツクとの間を連結する
ベルト部材で後倒が阻止されることを特徴とする
ものである。

（考案の作用・効果） 本考案は、シートバツクの下部ブラケツトのロ
ツクレバーをシートバツクの起立位置で車体のヒ
ンジブラケツトのロツクピンに係合させることに
より、シートバツクの前倒を阻止し、シートバツ
クの後倒はシートのシートバツクに補助シートの
シートバツクを当接させ、あるいはベルト部材で
阻止して、補助シートのシートバツクを起立位置
に保持するようにしたものである。

したがつて、従来のようなリンク等が不要であ
るうえ、シートバツクの下部ブラケツトにロツク
レバーを設けているので指を挟んだりする危険が
なく、しかもロツクレバーでシートバツクの前倒
が確実に阻止され、シートのシートバツクあるい
はベルト部材で補助シートのシートバツクの後倒
が確実に阻止されるので、シートバツクが不用意
に前倒、あるいは後倒する危険もなくなる。

（実施例） 以下、本考案の実施例を添付図面について詳細
に説明する。

第１０図及び第１１図に示したように、リヤシ
ート２後方の荷室フロア４に形成されたレツグス
ペース用凹部５に対して、リヤシート２と背中合
わせにサードシート３が設けられている。

該サードシート３は、第６図及び第８図に示す
ように、シートバツク３ａとシートクツシヨン３
ｂとで構成されていて、シートクツシヨン３ｂ
は、凹部５の前後方向の略中間部で、該凹部５の
両側壁５ａ，５ａのヒンジブラケツト１０，１０
（第４図参照）にヒンジピン１１，１１で支持さ
れて、第６図に示した使用位置と、該使用位置か
ら後方へ180度回転させて凹部５の開口の後半分
を閉じる、第８図に示した前倒位置とに回転され
る。

上記シートバツク３ａは、下部ブラケツト１
２，１２が荷室フロア４の下面に固定されたヒン
ジブラケツト１３，１３にヒンジピン１４，１４
で支持されて、第６図に示した使用位置（起立位
置）と、該使用位置から後方へ90度回転させて凹
部５の開口の前半分を閉じる、第８図に示した前
倒位置とに回転される。

該シートバツク３ａの両側部と上記凹部５の両
側壁５ａ，５ａとの間はベルト部材１５，１５で
それぞれ連結され、該ベルト部材１５，１５によ
りシートバツク３ａが使用位置に保持される（第
４図参照）。

上記シートバツク３ａの背面とシートクツシヨ
ン３ｂの底面には、前倒位置で凹部５の開口を閉
じたとき荷室フロア４と面一となつて荷室フロア
４の一部を形成する蓋板１６ａ，１７ａがそれぞ
れ取付けられ（第８図及び第９図参照）、各蓋板
１６ａ，１７ａの表面には、第５図に示すよう
に、埋込み式の取手１６ｃ，１７ｃが設けられて
いる。

一方、第１図〜第３図に詳細に示すように、上
記ヒンジブラケツト１３にはロツクピン１９が固
定され、上記下部ブラケツト１２にはロツクレバ
ー２０がピン２１で枢着されて、ワイヤースプリ
ング２２でロツクピン１９への係合方向に付勢さ
れている。

該ロツクレバー２０は、シートバツク３ａの起
立位置でＬ字状溝２０ｂがヒンジブラケツト１３
のロツクピン１９に上方から係合し、シートバツ
ク３ａの前倒を阻止して、シートバツク３ａを起
立位置に保持する。

上記リヤシート２のシートバツク２ａの背面に
はストツプラバー２４が設けられ、該ストツプラ
バー２４でシートバツク３ａの後倒を阻止して、
シートバツク３ａを起立位置に保持する。

上記のような構成であれば、シートバツク３ａ
が起立位置にあるとき、下部ブラケツト１２のロ
ツクレバー２０がヒンジブラケツト１３のロツク
ピン１９に係合しているので、シートバツク３ａ
の前倒が阻止される。

また、リヤシート２のシートバツク２ａが起立
位置にあると、シートバツク３ａがシートバツク
２ａのストツプラバー２４に当接するので、シー
トバツク３ａの後倒が阻止される。

さらに、リヤシート２のシートバツク２ａが前
倒位置にあると、シートバツク３ａはベルト部材
１５で保持されるので、シートバツク３ａの後倒
が阻止される。

したがつて、シートバツク３ａは起立位置に確
実な保持されるので、不用意に前後倒することが
ない。

つぎに、第６図に示したシートバツク３ａとシ
ートクツシヨン３ｂの使用位置から、シートクツ
シヨン３ｂを前倒位置に180度回転させ、ついで、
ロツクレバー２０を手操作してロツクピン１９と
の係合を解除して、シートバツク３ａを前倒位置
に90度回転させると、第８図に示したように、凹
部５の開口はシートバツク３ａとシートクツシヨ
ン３ｂで閉じられ、リヤシート２後方の荷室スペ
ース６がフラツトに拡大できる。

【図面の簡単な説明】

第１図はシートバツクのロツク機構の側面図、
第２図はリヤシートバツクと補助シートバツクと
の関係を示す斜視図、第３図は第２図の側面図、
第４図は本考案に係るシートの使用位置の斜視
図、第５図はシートの前倒位置の斜視図、第６図
はシートの使用位置の側面図、第７図は第５図の
−線断面図、第８図はシートの前倒位置の断
面図、第９図はシートの前倒位置の底面図、第１
０は補助シート（サードシート）使用時のシート
の配置図、第１１図は補助シート前倒時のシート
配置図である。 ２……リヤシート、２ａ……リヤシートバツ
ク、３……サードシート（補助シート）、３ａ…
…シートバツク、３ｂ……シートクツシヨン、４
……荷室フロア、５……レツグスペース用凹部、
６……荷室スペース、１１，１４……ヒンジピ
ン、１５……ベルト部材、１９……ロツクピン、
２０……ロツクレバー、２４……ストツプラバ
ー。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 シート後方の荷室フロアに形成されたレツグス
   ペース用凹部に対して、該シートと背中合わせに
   補助シートが設けられていて、該補助シートを倒
   して補助シートで上記凹部の開口を閉じることに
   より、シート後方の荷室スペースをフラツトに拡
   大し得るようにした自動車用シートにおいて、 上記補助シートのシートバツクの下部ブラケツ
   トが車体のヒンジブラケツトにヒンジピンで支持
   されて、起立位置と前倒位置とに回転され、上記
   下部ブラケツトに、シートバツクの起立位置で上
   記ヒンジブラケツトのロツクピンに係合し、シー
   トバツクの前倒を阻止するロツクレバーが設けら
   れ、該シートバツクは、上記シートのシートバツ
   クに当接して後倒が阻止されると共に、上記シー
   トのシートバツクの前倒時は車体と補助シートの
   シートバツクとの間を連結するベルト部材で後倒
   が阻止されることを特徴とする自動車用シート。