JPH028843Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、たとえば車両用の折りたたみ式シー
トの物入れ兼用シート脚に関する。

従来、貨客兼用車等のパン型車両のリヤシート
は、シートバツクをシートクツシヨン上に折りた
たみできるほか、床面にヒンジを介して取着され
た前脚の下端を支点にして前方へ折りたたみ得る
ように構成されているのが普通であり、またリヤ
シートの後脚はパイプ材から形成されるととも
に、シートクツシヨンの下面側へ折りたたみでき
る構成となつている。従つて、シートを折りたた
んだ状態では後脚がパイプ材で作られている関係
でシートクツシヨンから荷室側へ部分的に出張つ
た姿となり、かつまた、後脚には床面に対しての
固定装置としてのフツクやレバー等が付属品とし
て装置されていることから、それらが出張りや突
起物としての姿をより助長するという欠点があつ
た。

本考案の目的は、上述の欠点に鑑み、シートク
ツシヨンの後端に、上部に出入口を有する横長の
箱状に形成された物入れ兼用の後脚を設けること
により、シートを折りたたんだ状態での突起、出
張り感の印象をなくすことにある。

本考案は、上記の目的を達成するために、折り
たたみ式シートにおいて、シートクツシヨン後端
に、上部に出入口を有する横長の箱状の物入れを
設け、該物入れの前面上端部を前記シートクツシ
ヨンの下面方向に回動可能に装着し、前記物入れ
側端上部とシートクツシヨン後部下面とを折りた
たみリンクにより連接し、物入れ側端下部に床面
に係脱可能なロツク装置を設け、シートを床面に
固定するときに前記物入れをシート後脚となすよ
うに構成したものである。

以下、本考案の実施例を図面に基いて具体的に
説明する。第１図は使用状態の折りたたみ式のシ
ート１を示したものであり、シート１のシートバ
ツク２はシートクツシヨン３の後端にヒンジ装置
４によつて起倒可能に取着され、またシートクツ
シヨン３の前側下面に垂設された左右２本の前脚
５は床面Ｆにヒンジ６によつて前後回動可能に取
着されている。従つて、シート１は第２図に示す
ようにシートバツク２をシートクツシヨン３上へ
倒した状態でさらに全体を前方へ倒して折りたた
むことができるように構成されている。

上述のような折りたたみ式シートにおいて、シ
ートクツシヨン３の後端には該シートクツシヨン
幅とほぼ等しい幅を有し、かつ、上端がシートバ
ツク背面より後方に開口する横長の箱状に形成さ
れた後脚７が設けられている。すなわち、後脚７
は上端を出入口８とする物入れ９を構成してお
り、鋼板又は合成樹脂から形成されるが、鋼板製
の場合には必要に応じて出入口８にエツジプロテ
クター１０が付設される。後脚７は前面上端部が
シートクツシヨン３に左右２個のヒンジ１１を介
して該シートクツシヨン３の下面方向に回動可能
に取着されるとともに、後脚７の下端にはシート
使用時に床面Ｆに当接する左右２個の短柱状のゴ
ムクツシヨン１２が取着されている。

また、後脚７の両側端上部とシートクツシヨン
３の後部下面との間には折りたたみ用リンク１３
が設けられており、該リンク１３はその一端が後
脚側面に突設されたピン１４にＥリング１５にて
止められ、他端がシートクツシヨン下面にブラケ
ツト１６を介して取着されている。さらに、後脚
７の両側端下部には床面Ｆに係脱可能とされたロ
ツク装置１７が設けられており、このロツク装置
１７は床面Ｆに固定された止金１８と、後脚側面
に突設されたピン１９に回動自在に取付けられる
とともに、下端には止金１８に係脱可能なフツク
２０を有し、かつ上端には係脱操作用の把手２１
を有したロツクレバー２２と、該ロツクレバー２
２を常にロツク方向に回動させるように作用する
ねじりばね２３と、ロツクレバー２２を抜止めす
るＥリング２４とからなつている。

上述の如く構成された折りたたみ式シートは、
たとえば第４図に示すようにパン型車両Ｃのリヤ
シートとして貨客室Ｒの床面Ｆ上に設置されるも
のであり、シート使用時には第１図に示す如く組
立てられたシート１は後脚７がロツク装置１７に
より床面Ｆ上にロツクされることによつて安定状
態に保持され、そのとき後脚７は物入れ９として
使用される。また、シート折りたたみ時にはシー
トクツシヨン３、シートバツク２及び後脚７は第
２図に示すように３枚重ねの状態で前方へ回動変
位されるものであり、この場合も後脚７はシート
使用時と同様に物入れ９として使用することがで
きる。

最近の車両においては、物入れやポケツトスペ
ースの確保が要望されているが、バン型車両の場
合には前部は運転スペースとエンジンスペースで
余分な空間がなく、後部は積荷スペースとなりポ
ケツトスペースを別に確保することが困難であ
る。しかるに、本実施例によれば後脚７に本来の
機能のみならず物入れ９としての機能を付加した
ことにより、積荷スペースを犠牲にすることなく
物入れスペースを確保し得たものであつて、しか
もシート折りたたみ時において、後脚７は部分的
出張りや突起物としての姿を呈することなく平面
を形成することから、荷の積み下しの邪魔となら
ず、かつ、傷付けるおそれも解消される。

なお、図示の実施例では物入れ９の出入口８は
後脚上端に常時開口の形で設けてあるが、必要な
らば開閉蓋を取付けたり、あるいは後面上部に形
成したりしても差支えない。

以上のように、本考案は折りたたみ式シートに
おいて、その後脚をシートの組立時及び折りたた
み時のいずれの場合でも物入れとして使用するこ
とができ、また折りたたんだ状態では従来の問題
点である突起あるいは出張り感を解消し得るもの
であり、実用上有益な考案である。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の実施例を示し、第１図はシート
組立状態を示す斜視図、第２図はシート折りたた
み状態を示す斜視図、第３図は要部を示す分解斜
視図、第４図はパン型車車両への設置態様を示す
側面図である。 １……シート、２……シートバツク、３……シ
ートクツシヨン、５……前脚、７……後脚、８…
…出入口、９……物入れ、１１……ヒンジ、１３
……折りたたみ用リンク、１７……ロツク装置。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 折りたたみ式シートにおいて、シートクツシヨ
   ン後端に、上部に出入口を有する横長の箱状の物
   入れを設け、該物入れの前面上端部を前記シート
   クツシヨンの下面方向に回動可能に装着し、前記
   物入れ側端上部とシートクツシヨン後部下面とを
   折りたたみリンクにより連接し、物入れ側端下部
   に床面に係脱可能なロツク装置を設け、シートを
   床面に固定するときに前記物入れをシート後脚と
   なすことを特徴とする物入れ兼用シート脚。