JPS6012764Y2 - キヤブオ−バ型車用シ−トのシ−トベルト装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は、キャブオーバ型車用シートのシートベルト
装置に関するものである。

一般にキャブオーバ型車は、キャビンの下側にエンジン
及びラジェータが配置されたもので、このようなキャブ
オーバ型車では一トキャビンのフロアパネルの開口に開
閉自在に設けられたエンジンカバー上にシートが取付け
られている。

そして従来のキャブオーバ型車のシートとしてシートボ
トムとシートバックとからなり、シート・ボトムを前方
に移動させるとともに、シートバックの一部をシートボ
トムの後方に傾動並置して座部面積を拡大することによ
ってベッドあるいは荷物載置台などとして多目的に利用
できるようにしたものがあった。

しかしこのような構造のシートに装着されるシートベル
ト装置では、座部面積を拡大するためシートボトムを前
方に移動させたときに、シートベルトのバックルがエン
ジンカバー上に落ち、シートボトムを通常の位置に戻す
とシートベルトのバックルがシートボトムの下側に隠れ
てしまうという問題があり、このような場合シートベル
トのバックルを正しい位置に戻すにはシートバックを再
度前方に移動させ、シートベルトのバックルを手に持っ
た上でシートボトムを通常位置に戻さなければならず、
シートの取扱操作が非常に煩雑であった。

またこの問題点を解消するものとして、例えば特公昭３
９−１８９８７号公報に記載されたもののようにシート
ベルトを捲込んで収納しておくものもあるが、このよう
なものではコストが高くなるという欠点があった。

この考案は以上のような従来の問題点に鑑みてなされた
もので、シートボトムの後端又はシートバックの下端に
凹部を形成し、シートボトム又はシートバックのフレー
ムにコイルばねの一端ヲ固定するとともに、コイルばね
の他端をシートベルトが挿通される挿通孔を有する保合
部材に取付け、保合部材をコイルばねによって付勢する
ことにより、シートを通常の位置に戻したときにシート
ベルトのバックルが常に凹部内に戻るようにしたキャブ
オーバ型車用シートのシートベルト装置を提供すること
を目的としている。

以下本考案の実施例を図について説明する。

第１図ないし第７図は本考案の第１の実施例によるキャ
ブオーバ型車用シートのシートベルト装置を示す。

図において、１はキャブオーバ型車のキャビンであり、
このキャビン１はフロアパネル４、バックパネル２、お
よびルーフパネル３等から形成されている。

上記キャビン１の内部前方にはステアリングハンドル６
が配置され、またフロアパネル４の前部にはチェンジレ
バー５が取付けられている。

またフロアパネル４の後部４ａはその前部に比べて高く
形成され、該フロアパネル４後部４ａの下側にはエンジ
ン７及びラジェータ８が配設されている。

このフロアパネル４の後部４ａにはエンジン７の点検を
行なうための点検用開口９が形成され、該開口９にはエ
ンジンカバー１０が開閉自在に設けられており、該エン
ジンカバー１０の上面にはシート１１が設けられている
。

このシート１１はシートボトム１２とシートバック１３
とによって構成され、上記シートボトム１２はエンジン
カバー１０上に装着され、第５図に示す通常位置Ａと第
６図に示す前方位置Ｂとの間で前後方向に移動自在とな
っている。

このジートポ°トム１２の後端にはシートの通常位置で
露出している凹部１４が形成され、該凹部１４の内壁１
４ａには開口１５が穿設されている。

一方、シートバック１３はアッパーシートバック１６と
ロワーシートバック１７とによって構成され、又シート
バック１３の背面両側には上下方向にそれぞれフレーム
１８が設けられている。

このフレーム１８の下端はエンジンカバー１０の後部両
側にそれぞれ固定されたブラケット１９にヒンジ２０に
よって回動自在に取付けられている。

またフレーム１８の上端部には上記アッパーシートバッ
ク１６が取付けられており、アッパーシートバック１６
はロック装置２１によりバックパネル２に固定されてい
る。

また左右２つのブラケット１９にはヒンジ２０と同軸に
それぞれリンク２２の下端が回動自在に取付けられ、リ
ンク２２の上端は上記ロワーシートバック１７の両側部
のほぼ中央に取付けられている。

そしてこのリンク２２は上記のようにブラケット１９に
対し回動自在であるとともに後方に起立した位置でシー
トバックフレーム１８のほぼ中央に取付けられたロック
装置２３と係合しうろことによってロワーシートバック
１７を第５図に示す通常位置Ｃと第６図に示す前方傾動
位置りとの間で前後方向に傾動自在としている。

またシートバック１３後方のフロアパネルＬ／、（車体
パネル）４にはシートベルト２４の後端が固定されてお
り、該シートベルト２４の先端にはショルダーベルトの
タングプレート（図示せず）と係合するバックル２４ａ
が装着されている。

なおこの場合、シートベルト２４の後端をバックパネル
（車体パネル）２に固定するようにしてもよい。

このシートベルト２４の先端部は、第３図ａに示すよう
な形状の係合部材２５の頭部２５ａに形成された挿通孔
２６を挿通しており、該係合部材２５の胴部２５ｂは上
記シートボトム１２後端に設けられた凹部１４の開口１
５を挿通している。

そして係合部材２５の後端にはコイルばね２７の一端が
固定され、該コイルばね２７の他端はシートボトム１２
のシートフレーム２８に固定されており、係合部材２５
はその頭部２５ａがシートボトム１２の凹部１４内に位
置するようコイルばね２７によって付勢されている。

次に作用効果について説明する。

まず、シート１１の座部面積を拡張するためシートボト
ム１２を前方に押すと、このシートボトム１２はコイル
ばね２７を伸長させながら通常位置Ａから前方位置Ｂに
移動する。

その結果、係合部材２５の胴部２５ｂは凹部１４の開口
１５から抜け、シートベルト２４のバックル２４ａもシ
ートボトム１２の凹部１４から抜ける。

そしてロワーシートバック１７を通常位置Ｃから前方傾
動位置りに傾動させると、シートベルト２４及びバック
ル２４ａは第６図に示すようにロワーシートバツク１７
とエンジンカバー１０との間に位置することとなる。

次にシート１１を通常の座席として使用するためロワー
シートバック１７を前方傾動位置りから通常位置Ｃに戻
すと、シートベルト２４及び係合部材２５はコイルばね
２７のばね力によって空中に持ち上げられ、コイルばね
２７とともに一直線状に保持される。

そしてシートボトム１２を前方位置Ｂから通常位置Ａま
で移動させると、係合部材２５の胴部２５ｂはコイルば
ね２７のばね力によって再び開口１５に収容され、係合
部材２５の頭部２５ａが開口１５の周縁部と当接すると
ともにシートベルト２４のバックル２４ａはシートボト
ム１２の凹部１４内に戻り、コイルばね２７のばね力に
よって凹部１４内に保持される。

以上のような本実施例のシートベルト装置では、シート
ベルトが挿通できる挿通孔を有する係合部材をコイルば
ねによって付勢しているので、シートボトムを通常位置
に戻したときに、シートベルトのバックルを滑らかにか
つ確実に凹部内に戻すことができ、したがってバックル
は常に手の届＜所にあるので、シートベルトを容易に装
着することができる。

またシートボトムを通常位置に戻す際に従来のようにシ
ートベルトのバックルを手に持つ必要がないので、シー
トの取扱いが非常に簡単になる。

さらに、従来エンジンを点検するためにエンジンカバー
を開いた際に、シートベルトのバックルが点検用開口か
らフロアパネルの下側に落ちるおそれがあったが、本装
置では係合部材はコイルばねによって付勢されているの
で、バックルがシートボトムの下側へ隠れてしまうとい
う問題は全くない。

第８図は本考案の第２の実施例を示し、図中第１図ない
し第７図と同一符号は第１図ないし第７図と同一のもの
を示す。

本実施例は上記実施例と異なり、ロワーシートバック１
７の下端にシートの通常位置で露出している凹部２９が
形威されているもので、係合部材の後端に取付けたコイ
ルばねの他端はロワーシートバック１１のシートフレー
ム（図示せず）に固定されており、このコイルばねはシ
ートの通常位置においてはシートベルトのバックル２４
ａがロワーシートバック１７の下端凹部２９内に収容保
持されるよう係合部材を上方に付勢している。

そして本実施例のシートベルト装置では、シートボトム
１２を前方に移動させたのち、ロワーシートバック１７
を前方に傾動させると、シートベルトのバックル２４ａ
は凹部２９から抜け、逆にロワーシートバック１７を通
常の位置に戻すと、バックル２４ａは凹部２９内に戻る
ようになっている。

以上のように本考案によれば、座部面積を拡大し得るよ
うにしたキャブオーバ型車用シートにおいて、シートボ
トムの後端又はシートバックの下端に凹部を形威し、シ
ートボトム又はシートバックのフレームにコイルばねの
一端を固定し、該コイルばねの他端をシートベルトが挿
通ずる挿通孔を有する保合部材に取付け、係合部材をコ
イルばねによって付勢するようにしたので、シートを通
常の位置に戻したときにシートベルトのバックルを凹部
内に戻すことができ、しかも該シートベルト装置を構造
簡単かつ安価に得られる効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の第１の実施例によるシートベルト装置
を有するキャブオーバ型車のキャビンの概略側面図、第
２図は第１図の要部斜視図、第３図ａは第２図のシート
ボトム後端の凹部近傍の前方からの斜視図、同図すは同
図ａの後方からの斜視図、第４図は第２図の一部断面側
面図、第５図及び第６図はシートの機能を説明するため
の図で、第５図は通常の使用状態の側面図、第６図は座
部面積を拡大した時の側面図、第７図は第６図の斜視図
、第８図は本考案の第２の実施例の装置の斜視図である
。 ２・・・◆・・バックパネル、４・・・◆−・フロアパ
ネル（車体パネル）、１０・・・・・・エンジンカバー
、１１・・・・・・シート、１２・・・・・・シートボ
トム、１３・・・・・・シートバック、１４・・・・・
・凹部、１６・・・・・・アッパーシートバック、１７
・・・・・・ロワーシートバック、２１・・・・・・ロ
ック装置、２４・・・・・・シートベルト、２４ａ・・
・・・・バックル、２５・・・・・・係合部材、２７・
・・・・・コイルばね、２８・・・・・・シートフレー
ム、２９・・・・・・凹部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. フロアパネルに開閉自在に設けられたエンジンカバー上
   に前後方向に移動自在に装着されたシートボトムと、下
   端が上記エンジンカバーに対し前後傾動自在に取付けら
   れ上端がバックパネルに固定され分割可能に構成された
   シートバックとを備え、上記シートボトムを前方に移動
   させかつ上記シートバックの少なくとも一部を該シート
   ボトムの後方に並置して座部面積を拡大し得るようにし
   たキャブオーバ型車用シートにおいて、上記シートボト
   ムの後端及び上記シートバックの下端の一方にシートの
   通常使用位置で露出している凹部が形成され、一端にタ
   ンクプレートと係合するバックルを有するシートベルト
   はその他端を上記エンジンカバー後方の車体パネルに固
   定され、上記凹部が形成されたシートボトム及びシート
   バックの一力のフレームにコイルばねの一端が固定され
   、該コイルばねの他端は上記シートベルトが挿通ずる挿
   通孔を有する係合部材に取付けられ、上記係合部材は上
   記凹部内に位置するよう上記コイルばねにより付勢され
   ていることを特徴とするキャブオーバ型車用シートのシ
   ートベルト装置。