JPH0122760Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は車両のリヤシエルフ構造の改良に関
する。

従来の、自動車、例えばいわゆる２ボツクスカ
ーにおけるリヤシエルフ構造は、第１図に示され
るように、リヤシートバツク１の背後部空間２を
上下に車室３と荷室４とに分離するための板状部
材であるパツケージトレイ５を、一体式または分
割式として、そのリヤシートバツク１側の前端縁
５Ａを、リヤシートバツク１背後部１Ａに隣接す
るように配置してなり、リヤシートバツク１を後
方にリクライニングする場合には、該リヤシート
バツク１背後部１Ａとパツケージトレイ５とが干
渉してしまうため、パツケージトレイ５を取り外
しまたは、その前半部を後半部上に折りたたみ可
能としている。

この場合、車室３と荷室４は、その全体または
一部が分離されないことになり、パツケージトレ
イ５の車室３、荷室４の分離機能が損なわれ、ま
た、荷室４内部が露出されてしまうという問題点
が生じる。

これに対して、例えば実開昭57−108455号公報
に開示されるように、シートバツク背後に、第１
のリヤシエルフ及び第２のリヤシエルフを設け、
第１のリヤシエルフの前端に第２のリヤシエルフ
を揺動可能に取付けるとともにばねにより、先端
がシートバツク後背面に圧着するようにして付勢
したものがある。

この場合、シートバツクを後方にリクライニン
グさせると、これに応じて第２のリヤシエルフが
ばねの付勢力に抗して下向きに揺動し、且つこの
第２のリヤシエルフの先端がシートバツクの後背
面に常に接触しているので、車室と荷室が常時区
切られていることになる。

しかしながら、このようにしてしまうと、シー
トバツク後方の荷室空間から、更にリヤシエルフ
よりも上方に突出するような大きさの荷物を載せ
ることができないという新たな問題点が生じる。

この考案は上記従来の問題点に鑑みてなされた
ものであり、分離機能が損なわれることなく、ま
た、荷室を露出することなく、又、必要な場合は
リヤシートバツク後側に大きな荷物を載置でき、
且つ、リヤシートバツクを後方へリクライニング
できるようにした車両のリヤシエルフ構造を提供
することを目的とする。

本考案は、前端縁がリヤシートバツク背後部に
臨接して、該リヤシートバツク背後部空間を、上
下に車空と荷室とに分離するように配置された板
状部材を有してなる車両のリヤシエルフ構造にお
いて、前記板状部材の、少なくとも前記リヤシー
トバツク後傾時にこれと干渉する部分を下方に揺
動自在にするとともに、該揺動部を前記リヤシー
トバツク後傾時に、該リヤシートバツクとともに
荷室側へ下降させるべく連動させる連動機構を設
け、この連動機構は前記揺動部を吊下させる可撓
性部材とし、該可撓性部材はその一部を前記揺動
部に係合させ、且つ、少なくとも一方の端部を前
記リヤシートバツク上部に着脱自在に係合させる
ことにより、前記目的を達成するものである。

また、この考案は、前記揺動部と車体側間に、
荷重に対して揺動部を支持させる可動支軸と、こ
の可動支軸を操作する操作ノブとを設けることに
より、前記目的を達成するものである。

以下、本考案の実施例を図面を参照して説明す
る。

この実施例において、前記第１図に示される従
来の車両のリヤシエルフ構造と同一または相当部
分は、これらと同一符合を付することにより説明
を省略する。

この実施例は、第２図および第３図に示される
ように、前端縁５Ａがリヤシートバツク１背後部
１Ａに隣接して、該リヤシートバツク１背後部空
間２を上下に略水平に車室３と荷室４とに分離す
るように配置された板状部材であるパツケージト
レイ５を有してなる車両のリヤシエルフ構造にお
いて、前記パツケージトレイ５の前半分を下方に
揺動自在とした揺動部５Ｂと、該揺動部５Ｂを前
記リヤシートバツク１後傾時に、該リヤシートバ
ツク１とともに荷室４側へ下降させるべく連動機
構６とを設けたものである。

前記連動機構６は、第３図および第４図に示さ
れるように、可撓性部材たるひも６Ａと、このひ
も６Ａの両端に連結され、左右のリヤシートバツ
ク１・１のヘツドレスト７のステー８にそれぞれ
係止自在のフツク部６Ｂとを有している。

前記揺動部５Ｂの前端部の左右両端近傍位置に
は前記左右のリヤシートバツク１・１に対応して
１対の貫通取付孔５Ｄが形成され、前記ひも６Ａ
は、前記貫通取付孔５Ｄから揺動部５Ｂの前端部
の裏面５Ｃに沿つて車体幅方向に通り、車室３側
で前記フツク部６Ｂにより前記左右のリヤシート
バツク１・１のステー８に係止されている。

また、前記揺動部５Ｂには、第５図に示される
ように、前端縁５Ａの左右両端近傍位置に左右一
対の可動支軸９と、車体幅方向中央位置に可動支
軸９を操作する操作ノブ１０とが設けられてい
る。

前記可動支軸９は、前記揺動部５Ｂの車体幅方
向側端の裏面５Ｃに沿つて、該側端から外方に進
退自在に配置され、突出時に、車室内壁側に備え
られた軸受１１に係止することによつて、揺動部
５Ｂの自重およびその上の荷物の荷重を支持でき
るようにされている。（第５図の２点鎖線参照） 前記操作ノブ１０は、揺動部５Ｂの車室３側面
に突出して回転自在に取り付けられる操作部１０
Ａと、これと同軸一体的に前記揺動部５Ｂの裏面
５Ｃ側に突出され、ワイヤー１１の一端が取り付
けられるワイヤー取付部１０Ｂとを有している。

前記ワイヤー１１は、ガイドチユーブ１１Ａ内
に摺動自在に保持され、その他端が、前記可動支
軸９の内端に連結され、前記操作ノブ１０と前記
可動支軸９とを連動するようにされてある。

次に、上記実施例において、リヤシートバツク
１を後方へリクライニングさせる場合について説
明する。

まず、操作部１０Ａを時計方向に回転操作す
る。

前記操作部１０Ａと一体のワイヤー取付部１０
Ｂは、これによりワイヤー１１を介して可動支軸
９を内端方向に引張る。したがつて、前記可動支
軸９は軸受１１から揺動部５Ｂの下側に引込ま
れ、これにより車体内壁側との係合が解除され
る。

（第５図の２点鎖線参照） このため、前記揺動部５Ｂは、前記ひも６Ａを
介してリヤシートバツク１のステー８からのみ吊
下支持される状態になる。（第２図の実線参照） したがつて、前記リヤシートバツク１を後傾す
るとき、前記揺動部５Ｂは、該リヤシートバツク
１の上部の下降にともない、前記ひも６Ａを介し
て前記リヤシートバツク１の上部とともに下降す
る。（第２図の２点鎖線参照） よつて、前記リヤシートバツク１は、揺動部５
Ｂと干渉することなく後方にリクライニングされ
るので、パツケージトレイ５を取り外す又は折り
たたむ必要はなくなり、また、荷室４内を露出す
ることなくリクライニング操作ができる。しか
も、操作ノブ１０がリヤシートバツク後方の車体
幅方向中央部にあるので、左右の乗員のどちら側
からも容易に可動支軸９の解除及びセツト操作が
できる。

なお、前記実施例では、揺動部５Ｂに揺動部５
Ｂ支持用の可動支軸９を設けて、該揺動部５Ｂの
自動とこれに積載された荷物の重量とを支持する
ようにしているが、これは、荷重に対して前記揺
動部５Ｂを支持する可動支軸であれば、この実施
例に限定されない。

したがつて、例えば、車室内壁側に揺動部５Ｂ
支持用の可動支軸を設けて、車室内壁側より操作
するようにしてもよい。

本考案は、上記のように構成したので、車室と
荷室との分離機能が損なわれることなく、また、
荷室を露出することなくリヤシートバツクを後方
へリクライニングできるという優れた効果を有す
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は、従来の車両のリヤシエルフ構造を示
す略示側面図、第２図は、本考案に係る車両のリ
ヤシエルフ構造の実施例を示す略示側面図、第３
図は、同実施例を示す斜視図、第４図は、同実施
例における連動機構とその装着時のステー近傍を
示す拡大斜視図、第５図は、同実施例における可
動支軸近傍の略示斜視図である。 １……リヤシートバツク、１Ａ……背後部、２
……背後部空間、３……車室、４……荷室、５…
…パツケージトレイ、５Ａ……前端縁、５Ｂ……
揺動部、６……連動機構、６Ａ……ひも、９……
可動支軸、１０……操作ノブ。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) 前端縁がリヤシートバツク背後部に臨接し
   て、該リヤシートバツク背後部空間を、上下に
   車室と荷室とに分離するように配置された板状
   部材を有してなる車両のリヤシエルフ構造にお
   いて、前記板状部材の少なくとも前記リヤシー
   トバツク後傾時に、これと干渉する部分を下方
   に揺動自在にするとともに、該揺動部を前記リ
   ヤシートバツク後傾時に、該リヤシートバツク
   とともに荷室側へ下降させるべく連動させる連
   動機構を設け、この連動機構は前記揺動部を吊
   下させる可撓性部材とし、該可撓性部材はその
   一部を前記揺動部に係合させ、且つ、少なくと
   も一方の端部を前記リヤシートバツク上部に着
   脱自在に係合させたことを特徴とする車両のリ
   ヤシエルフ構造。 (2) 前記揺動部と車体側間に、荷重に対して揺動
   部を支持させる可動支軸と、この可動支軸を操
   作する操作ノブとを設けたことを特徴とする実
   用新案登録請求の範囲第１項記載の車両のリヤ
   シエルフ構造。