JPH0541063Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は車両用シートのヘツドレスト装置に関
する。

（従来の技術） 車両、とくにライトバンやワンボツクスカー等
には第５図に示すように、シートバツクSB1をシ
ートクツシヨンSC1に折り重ね、さらにシートク
ツシヨンSC1の前端部を支点にして前方へ回動さ
せることにより荷室スペースを広げることのでき
る車両用シートS1、あるいは第６図に示すよう
にシートクツシヨンSC2とシートバツクSB2がフ
ラツトになるまでシートバツクSB2を後方へ回転
させることにより乗員が身を横たえたり、長尺物
を積み込むことができる車両用シートS2が備え
られている。

ところで、この種シートS1によれば、シート
バツクSB1の頂部にヘツドレスト１を取付けたま
まで折畳むと、ヘツドレスト１が床面に当たるた
め、折畳みに際し、ヘツドレスト１を一旦シート
バツクSB1から取り外し、折畳み後、第５図に２
点鎖線で示すように、再びシートクツシヨンSB1
の後端部に取り付けている。

また、シートS2によれば、ヘツドレスト２を
取付けたままでフラツトに回動するとヘツドレス
ト２が後方シートS3のシートクツシヨンSC3に当
たるため、回動に際し、シートバツクSB2から取
り外して車室内の適宜箇所に収納している。

（考案が解決しようとする課題） 上記従来のヘツドレスト１はシートS1の折畳
み時、荷室内に露出した状態でシートバツクSB1
の後端部に取り付けられるため荷物を積み降ろし
時に荷物や作業者に触れて汚され易く、かつヘツ
ドレストの取外し取付け作業が煩わしい。

またヘツドレスト２はシートS2の回動時、シ
ートバツクSB2から取り外してシートS2とは別の
場所に格納されるため紛失のおそれがある。

本考案はかかる問題点に鑑み、ヘツドレストを
シートバツクに取り付けたままでシートの折畳み
及び回動操作を可能にするとともに、荷室内に露
出しないようにシートバツク背部に格納できるシ
ートバツク装置を提供することを目的とする。

（課題を解決するための手段） 本考案に係る車両用シートのヘツドレスト装置
は、シートバツクのバツクフレームに下端部を上
下方向へ回動可能に組付けたステーと、このステ
ーの上端部に上下方向へ回動可能に組付けたヘツ
ドレストと、前端ステーを前記バツクフレームに
対しシートバツクの頂部から上方へ突出する位置
と同頂部から下方へ突出する位置に選択的に解除
可能に固定する第１ロツク手段と、前記ヘツドレ
ストを前記ステーに対し同ステーがシートバツク
の頂部から上方へ突出した位置にあるとき同頂部
上にて起立する位置と前記ステーがシートバツク
の頂部から下方へ突出した位置にあるときシート
バツクの背面に重なるように倒伏する位置に選択
的に解除可能に固定する第２ロツク手段と、前記
第１ロツク手段による前記ステーの前記バツクフ
レームに対する固定及び第２ブロツク手段による
前記ヘツドレストの前記ステーに対する固定を解
除する解除操作手段とを設けたことを要旨とす
る。

（考案の作用、効果） 上記構成によれば、第１ロツク手段にてステー
をシートバツクの頂部から上方へ突出する位置に
固定し、かつ第２ロツク手段にてヘツドレストを
起立位置に固定すれば、同ヘツドレストがシート
バツクの頂部上に起立して乗員の後頭部を支える
のでヘツドレスト本案の機能が果される。

一方、解除操作手段を操作して第１ロツク手段
によるステーのバツクフレームに対する固定及び
第２ロツク手段によるヘツドレストのステーに対
する固定を解除し、ついで、ヘツドレストを下方
に回動して第２ロツク手段にてヘツドレストを倒
伏位置に固定するとともに、ステーを下方へ回動
して第１ロツク手段にてステーをシートバツクの
頂部から下方へ突出する位置に固定すると、同ヘ
ツドレストがシートバツク背面に重なるように折
畳まれる。そのためシートを折畳み、あるいは回
動してもヘツドレストが床面や後方シートのシー
トクツシヨンに当たらない。

従つて、本考案によればヘツドレストをシート
バツクから取り外すことなく車両用シートを折畳
み、かつフラツトに回動することが可能となり、
ヘツドレストの紛失を防止でき、かつヘツドレス
トを取外し取付ける煩わしい作業が解消される。

また、シートの折畳み時及び回動時、ヘツドレ
ストがシートバツクにて覆われ荷室内に露出しな
いので荷物等に触れて汚されるのを防止できる。

（実施例） 以下に本考案の一実施例を図面に基づき説明す
るに、第１図ないし第３図には本考案に係るヘツ
ドレスト装置が示されている。当該装置１０はシ
ートバツクSBのバツクフレーム１１に下端部を
上下方向へ回動可能に組付けたステー１２と、こ
のステー１２の上端部に上下方向へ回動可能に組
付けたヘツドレスト１３を備え、ステー１２はシ
ートバツク１１に溶着した左右一対のブラケツト
１４，１５にて回動可能に組付けられている。

バツクフレーム１１にはステー１２の左右の支
柱１２ａ，１２ｂと離脱可能に係合する左右一対
のフツク１６，１７及びステー１２の下端中央部
に形成した突出部１２ｃに離脱可能に係合するフ
ツク１８が回動可能に組付けられている。両フツ
ク１６，１７はフツクケース１６ａ，１７ａに収
装されたスプリングにて支柱１２ａ，１２ｂと係
合する方向に付勢され、フツク１８はトーシヨン
スプリング１８ａにて突出部１２ｃと係合する方
向に付勢されている。これらフツク１６，１７，
１８は本考案に係る第１ロツク手段を構成するも
のであり、第１図及び第２図に示すように、フツ
ク１６，１７と両支柱１２ａ，１２ｂが係合する
ことにより、ステー１２はバツクフレーム１１に
対しシートバツクSBの頂部から上方へ突出した
位置に固定される。また、第３図に示すように、
フツク１８と突出部１２ｃとの係合によりステー
１２はバツクフレーム１１に対し同頂部から下方
かつ後方へ突出して下方へ傾斜した位置に固定さ
れる。

ヘツドレスト１３のヘツドレストフレーム１３
ａにはフツク１９が回動可能に固着され、一方、
ステー１２の上端部には、このフツク１９が係合
する係合凹所２０ａ，２０ｂを形成したラチエツ
ト２０が固着されている。このフツク１９及びラ
チエツト２０は本考案に係る第２ロツク手段を構
成するものであり、第１図及び第２図に示すよう
に、ステー１２がシートバツクSBの頂部から上
方へ突出した位置にあるとき、フツク１９が係合
凹所２０ａに係合することによりヘツドレスト１
３はステー１２に対し同頂部上にて起立する位置
に固定される。また第３図に示すように、ステー
１２がシートバツクSBの頂部から下方かつ後方
へ突出した位置にあるとき、フツク１９が係合凹
所２０ｂに係合することによりヘツドレスト１３
はステー１２に対してシートバツクSBの背面に
重なるように倒伏する位置に固定される。

一方、バツクフレーム１１には同バツクフレー
ム１１に溶着したブラケツト２１にてレバーステ
ー２２が回動可能に組付けられ、同レバーステー
２２の一端にはレバー２３が一体的に固着され、
他端はフツク１８に形成した長孔１８ｂに挿通さ
れている。また、レバーステー２２の中間部には
アーム部２２ａが一体的に突設され、同アーム部
２２ａの先端とフツク１６，１７及びフツク１９
とがそれぞれケーブル２４とケーブル２５にて連
結されている。これらレバーステー２２、レバー
２３、ケーブル２４，２５は本考案に係る解除操
作手段を構成するものであり、レバー２３を矢印
Ａ方向（第１図）に回動操作すると、フツク１８
がトーシヨンスプリング１８ａに抗して回動さ
れ、フツク１８と突出部１２ｃとの係合が解除さ
れる。同時に、ケーブル２４，２５が引つ張られ
てフツク１６，１７及びフツク１９が回動され、
それぞれ支柱１２ａ，１２ｂ及びラチエツト２０
との係合が解除される。

本実施例は以上の構成からなり、第１図及び第
２図に示す状態では、ステー１２の両支柱１２
ａ，１２ｂがそれぞれフツク１６，１７と係合し
て同ステー１２がシートバツクSBの頂部から上
方へ突出する位置に固定されている。また、フツ
ク１９がラチエツト２０の係合凹所２０ａに係合
してヘツドレスト１３が起立状態に保持されてい
る。従つて、同ヘツドレスト１３がシートバツク
SBの頂部上に起立して乗員の後頭部を支えるの
でヘツドレスト本来の機能が果される。

第１図及び第２図に示す状態からレバー２３を
矢印Ａ方向（第１図）に回動操作すると、フツク
１６，１７と両支柱１２ａ，１２ｂの係合が解除
されるとともに、フツク１９とラチエツト２０の
係合も解除される。そこで、ヘツドレスト１３を
下方に回動するとフツク１９が係合凹所２０ｂに
係合し、ヘツドレスト１３が倒伏状態に保持され
る。ついでレバー２３の操作状態を保持してステ
ー１２を下方へ回動しその後レバー２３の操作を
解除すると、ステー１２の突出部１２ｃがフツク
１８と係合してステー１２がシートバツクSBの
頂部から下方へ突出する位置に固定される。その
結果、第３図に示すように、ヘツドレスト１３が
シートバツクSBの背面に重なるように折畳まれ
るので、第４図に２点鎖線で示すように、車両用
シートＳを折畳み、あるいはフラツトに回動して
もヘツドレスト１３は床面や後方シートS3のシ
ートクツシヨンSB3に当たることはない。

また第３図に示す状態から、再びレバー２３を
矢印Ａ方向に回動すればフツク１８と突出部１２
ｃの係合及びフツク１９と係合凹所２０ｂの係合
が解除されるのでステー１２を上方へ回動すると
ともにヘツドレスト１３を上方へ回動すれば、ヘ
ツドレスト１３は再び第１図及び第２図に示す状
態に復帰する。

以上説明したように、本実施例によれば、ヘツ
ドレスト１３をシートバツクSBの背面に格納で
きるのでシートバツクSBから取り外すことなく
シートＳを折畳み、かつフラツトに回動すること
が可能となり、ヘツドレスト１３の取外し取付け
作業が不要でありかつその紛失を防止できる。

また、シートＳの折畳み時及び回動時、ヘツド
レスト１３がシートバツクSBにて覆われ荷室内
に露出しないので荷物等に触れて汚されるのを防
止できる。

さらに、単一のレバー２３を回動操作するだけ
でフツク１６，１７と両支柱１２ａ，１２ｂ、フ
ツク１８と突出部１２ｃ及びフツク１９とラチエ
ツト２０との係合を同時に解除できるので解除操
作が簡単である。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例に係るヘツドレスト
装置を示す斜視図、第２図と第３図は同装置の作
動を説明するための側面図、第４図は同装置を備
えた車両用シートの作動を説明するための側面
図、第５図は第６図は従来のヘツドレストを備え
た車両用シートの作動を説明するための側面図で
ある。 符号の説明、１０……ヘツドレスト装置、１１
……バツクフレーム、１２……ステー、１３……
ヘツドレスト、１６，１７，１８……（第１ロツ
ク手段）フツク、１９……（第２ロツク手段）フ
ツク、２０……ラチエツト、２２……レバーステ
ー、２３……レバー、２４，２５……ケーブル、
SB……シートバツク。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. シートバツクのバツクフレームに下端部を上下
   方向へ回動可能に組付けたステーと、このステー
   の上端部に上下方向へ回動可能に組付けたヘツド
   レストと、前記ステーを前記バツクフレームに対
   しシートバツクの頂部から上方へ突出する位置と
   同頂部から下方へ突出する位置に選択的に解除可
   能に固定する第１ロツク手段と、前記ヘツドレス
   トを前記ステーに対し同ステーがシートバツクの
   頂部から上方へ突出した位置にあるとき同頂部上
   にて起立する位置と前記ステーがシートバツクの
   頂部から下方へ突出した位置にあるときシートバ
   ツクの背面に重なるように倒伏する位置に選択的
   に解除可能に固定する第２ロツク手段と、前記第
   １ロツク手段による前記ステーの前記バツクフレ
   ームに対する固定及び第２ロツク手段による前記
   ヘツドレストの前記ステーに対する固定を解除す
   る解除操作手段とを備えたことを特徴とする車両
   用シートのヘツドレスト装置。