JP2736096B2 - 出隅部の土台部構造 - Google Patents

出隅部の土台部構造

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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は乾式壁材を用いて形成したヨロイ張り状壁体
の出隅部の土台部構造に関するものである。
〔従来の技術〕
従来、乾式工法によってヨロイ張り状壁体を形成した
場合、すなわち第2図(a)に示すような乾式壁材Aを
用いて壁体を形成した場合、出隅部では第10図(a)に
示すような出隅材B′を用い、第10図(b)に示すよう
に乾式壁材Aの端部を被覆することによって形成してい
た。すなわち、出隅材B′としてはほぼ台形状の化粧片
7a、7bをL字状にした化粧面部7と、化粧面部7の上部
に形成した固定部8と、化粧面部7の下端には、化粧片
7a、7bのそれぞれをコ字状に屈曲して底面10a、10b、係
止片11a、11bとからなる係止部9を有するものを用い、
乾式壁材Aの下部連結部4を係止部9で抱持するように
し、固定部8を釘等の固定具を用いて固定した構造であ
った。
〔発明が解決しようとする課題〕 しかしながら、乾式工法では土台に例えば第4図
(a)〜(m)に示すような水切り材Cを配設した後に
乾式壁材Aを配設していくが、出隅部においては、第10
図(b)のように乾式壁材A1の端部を出隅材B′で仮被
覆したまま乾式壁材A1を固定し、次に乾式壁材A2の端部
を出隅材B′と下地α間に矢印イ方向に挿入し、固定し
なければならなかった。すなわち、出隅材B′は土台部
では乾式壁材Aと一緒に施工しなければならない欠点が
あった。
〔課題を解決するための手段〕
本発明はこのような欠点を除去するため、出隅材とし
てほぼ台形状の化粧片をL字状にした化粧面部と、化粧
面部の上端を上方に延長した固定部と、化粧面部の下端
には2つの化粧片をそれぞれの下端を内方に屈曲した2
つの底面と、2つの底面のうち一方のみの先端を上方へ
屈曲した係止片とからなる係止部を有するものを用い、
乾式壁材の一方の下部連結部のみを係止部で抱持し、上
端の固定部を釘等で固定した構造とすることにより、乾
式壁材を配設した後に出隅材を取り付けることのできる
出隅部の土台部構造を提案するものである。
〔実施例〕
以下に図面を用いて本発明に係る出隅部の土台部構造
について詳細に説明する。第1図は上記出隅部の土台部
構造を説明する概略説明図で、Aは乾式壁材(以下、単
に壁材という)、Bは出隅材、Cは水切り材である。す
なわち壁材Aは、例えば第2図(a)〜(f)に示すよ
うに表面処理鋼板、亜鉛・ニッケル合金メッキ鋼板、ア
ルミ・亜鉛合金メッキ鋼板(商品名ガルファン、ガルバ
リウム鋼板、スーパージンク)、アルミニウム板、アル
ミニウム合金板、銅板、クラッド鋼板、制振鋼板等の1
種からなる金属板(平板、エンボス加工板を含む)、ま
たは合成樹脂板からなる表面材1で化粧面2、上、下部
連結部3、4を形成し、表面材1の背面に、合成樹脂発
泡体、石膏ボード、ロックウール、グラスウール、シー
ジングボード、木毛セメント板、セメント等からなる芯
材5を充填し、必要に応じて芯材5の背面に各種シート
状物からなる裏面材6を貼着したサンドイッチ板、ある
いはセメント、コンクリート、粘土、GRC、ALC等を押出
成形、バッチ成形して形成した無機質板である。さらに
説明を加えると、壁材Aは壁下地上に横張り状に配設し
てヨロイ張り状壁体を形成するものである。出隅材Bは
第3図に示すようなものであり、金属薄板、合成樹脂板
からなるものである。すなわち出隅材Bはほぼ台形状の
化粧片7a、7bをL字状にした化粧面部7と、化粧片7a、
7bの上端を上方へ突出させた固定部8と、化粧面部7の
下端には化粧片7a、7bのそれぞれの下端を内方に屈曲し
た底面10a、10bと、底面10a、10bの一方を上方に屈曲し
た係止片11とからなる係止部9を有するものである。こ
の出隅材Bは第1図に示すように出隅部の土台部におい
て、壁材A1、A2の端部を被覆すると共に、壁材A1、A2
一方の下部連結部4(図では壁材A1の下部連結部4)を
係止部9で抱持し、固定部8を釘等の固定具βで固定す
るものである。さらに説明すると、出隅材Bは水切り材
Cを用いた際、第5図に示すように、壁材Aによって壁
体を形成した後、係止片11、底面10aで壁材A1の下部連
結部4を抱持しながら矢印ロ方向へスライドさせ、固定
部8を固定するものである。水切り材Cは第4図(a)
〜(m)に示すようなものであり、出隅材Bと同様に金
属薄板、合成樹脂材を屈曲成形、押出成形等によって形
成したものである。この水切り材Cは壁体の土台部にお
いて、意匠性の向上を図ると共に、雨水の吹き上げによ
る躯体への水の浸入を阻止するものである。
次に施工例について簡単に説明する。いま第2図
(a)に示す壁材A、第3図に示す出隅材B、第4図
(a)に示す水切り材Cを用いると仮定する。まず、主
柱、間柱、胴縁、防水シート等からなる下地αの土台部
に水切り材Cを固定する。なお、第4図(a)に示すよ
うな水切り材Cを用いた場合、最下段の壁材Aの下部連
結部4を係止するために、第6図(a)〜(c)に示す
ようなスタート材Dも配設する。次に、壁材Aを下段よ
り順に、壁材Aの雄、雌嵌合と固定具βにより上方へ固
定し、壁面を形成する。次に出隅材Bを第5図に示すよ
うに矢印ロ方向にスライドさせ、固定部8を固定具βに
よって固定する。また2段目以降は、第10図(a)に示
すような出隅材B′を用いるか、出隅材Bをそのまま用
いて出隅部を形成する。このように水切り材Cの固定、
壁材Aの配設、出隅材Bの配設と、単純な工程で出隅部
を形成することが可能となる。
以上説明したのは本発明に係る出隅部の土台部構造の
一実施例にすぎず第7図(a)〜(e)〜第9図
(a)、(b)に示すような出隅材Bを用いることもで
きる。すなわち第7図(a)〜(e)は係止片11の変形
例であり、第8図(a)〜(h)は固定部8の変形例、
第9図(a)、(b)は化粧面部7の変形例である。な
お、図示しないが、出隅材Bと壁材Aの化粧面2間に紐
状、帯状にパッキング材、コーキング材を植設すること
も可能である。
〔発明の効果〕
上述したように本発明に係る出隅部の土台部構造によ
れば、出隅材を壁材の配設後に配設することができ、工
程が単純で容易に施工することができる。しかも、水切
り材と併用して用いることができ、防水性、意匠性を有
する土台部構造となる。等の効果、特徴がある。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明に係る出隅部の土台部構造の一実施例を
示す概略説明図、第2図(a)〜(f)は乾式壁材の例
を示す説明図、第3図は出隅材の例を示す斜視図、第4
図(a)〜(m)は水切り材の例を示す説明図、第5図
は施工例を説明する説明図、第6図(a)〜(c)はス
タート材の例を示す説明図、第7図(a)〜(e)、第
8図(a)〜(h)、第9図(a)、(b)は上記出隅
材の変形例を示す説明図、第10図(a)、(b)は従来
例を説明する説明図である。 A……乾式壁材、B……出隅材、C……水切り材、7…
…化粧面部、9……係止部、11……係止片。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】乾式工法によって形成されたヨロイ張り状
    壁体の出隅部を2つの台形状の化粧片をほぼL字状にし
    た化粧面部と、該化粧面部の上端を上方へ突出させた固
    定部と、該化粧面部の下端に内方に屈曲した底面と、該
    底面の先端を上方へ屈曲した係止片とからなる係止部を
    有する出隅材を用い、乾式壁材の1段1段を出隅材で被
    覆して形成した出隅構造の土台部において、前記出隅材
    の2つの係止片のうち一方を除去した出隅材を用い、最
    下段の乾式壁材の一方にのみ係止部を係止したことを特
    徴とする出隅部の土台部構造。
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