JP2734979B2 - プレス成形性に優れたシャドウマスク原板の製造方法 - Google Patents

プレス成形性に優れたシャドウマスク原板の製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【産業上の利用分野】この発明は、鉄及びニッケルを主
成分とする低熱膨張合金のテレビ受像管用のプレス成形
性に優れたシャドウマスク原板の製造方法に関する。 【0002】 【従来の技術】近年、カラーテレビの高品位にともな
い、色ずれの問題から低熱膨張のシャドウマスク材料が
求められ、36%NiなどFe−Ni系のインバー合金が注目さ
れている。ところで、このようなFe−Ni系合金は本質的
に強度が高く、該合金を冷延したり、冷延後再結晶燃鈍
させて製造された原板は曲面成形時のプレス成形性の問
題から従来プレス成形前に1100℃程度の高温焼鈍を再度
行ない結晶粒を粗大化させることで軟質化を図ってい
た。 【0003】又、この粗粒化を合理的に行なわせるため
に、プレス前焼鈍を真空中で行ない、表面の純化を通じ
て表面結晶粒を粗粒化させる技術が特開昭59−200
721号に提案されている。 【0004】更に、特開昭60−251227号では、
1冷圧乃至多冷圧法において、最終冷延前後の焼鈍を80
0〜1200℃の高温で行なって粗粒化させ、これにより製
造された原板を低温のプレス前焼鈍で軟質化せしめる技
術が開示されている。 【0005】 【発明が解決しようとする課題】しかし、従来行なわれ
ていたプレス前軟化焼鈍は前述のようにかなり高温で実
施されて軟質化を達成できるため、熱経済性の面からよ
り低温化できる方法や同一焼鈍条件で従来よりもより軟
質化できる技術が強く望まれていた。 【0006】一方、上記した特開昭59−200721
号の技術は不純物の表面から拡散律速型の蒸発現象を利
用しているため、短時間焼鈍では純化する範囲が表層近
傍に限られ、板厚全体で見れば粗粒化による軟質化が不
十分で基本的に温間プレスが必要であるとしており、こ
のような温間プレスは実生産面で考えると、温度制御、
プレス技術など未解決な問題が多く、コスト高で実用的
でない。又、焼鈍中に板厚全体にわたる純化をねらうと
すると焼鈍は長時間を要し、熱経済的に不利であること
は言うまでもない。 【0007】更に、特開昭60−251227号では、
最終冷圧前後の焼鈍を従来技術と同じく1100℃程度
の高い温度範囲に設定しても、耐力25kgf/mm2程度にし
かならず十分な軟質化が達成されないという問題を有し
ている。 【0008】本発明は以上述べた従来技術および提案技
術の問題を解決し、製造工程数を減らした上に、プレス
前焼鈍における熱経済性に優れ、且つプレス成形も温間
で行う必要のない、プレス成形性に優れたシャドウマス
ク原板の製造方法を提供せんとするものである。 【0009】 【課題を解決するための手段】以下、本発明の構成要件
について詳細に説明する。 【0010】本発明は鉄及びニッケルを主成分とした低
熱膨張係数を有する36Ni−Fe合金などのいわゆるインバ
ー合金を対象とする(このような合金は連続鋳造法又は
薄物鋳造法により鋳造されたものを表面研削後熱間圧延
して製造されたり、無酸化状態で薄物鋳造された場合は
表面研削せずに製造される)が、成分面でとくにC及び
O量が規定される。 【0011】Cはマトリックス強化元素であり、軟質化
の観点からは好ましくない元素である。そこで、強度と
C量の関係を調べたところ、C量の低下とともに強度は
低下するが、0.008wt%以下では強度的にほぼ一定にな
ったのでこれを上限とした。 【0012】次に本発明者等はインバー合金の結晶粒粗
大化による軟質化条件に着目し、粒成長を支配するあら
ゆる要因を検討した結果、とくに950℃以上における比
較的高温での粒成長はO量により著しく影響を受けるこ
とを見いだした。 【0013】図1はO量の異なるインバー合金の80%冷
圧まま材を用いて、10分の焼鈍でのオーステナイト粒径
に及ぼすO量、焼鈍温度の影響を示している(尚、該イ
ンバー合金のC及びNi量はC:0.006%、Ni:35.7%で
ある)。これよりO量が少ないほど大きく成長すること
がわかる。このような結果は、粒成長に対するOの影響
は酸化物の量とサイズに相関があり、インバー合金の上
記温度域における粒成長に著しい影響を及ぼす粒子はサ
イズ1.2μm以下の酸化物であり、しかもこのようなサ
イズの酸化物粒子はOレベルがある値を越えると著しく
多くなることに基づいていると考えられる。 【0014】ところで、インバー合金でプレス成形が十
分可能な引張強度は0.2%耐力で20kgf/mm2といわれ
ている。一方、図2は36Niインバーで焼鈍温度をかえ、
0.2%耐力とオーステナイト粒径の関係を調べた結果を
示している。これより上記プレス成形性を満足させるに
は、オーステナイト粒径を約140μm以上とすることが
必要であるが、図1よりO量を0.0060wt%以下としたも
のは、焼鈍温度1050℃の場合でもオーステナイト粒径を
140μm以上にすることができる。これに対し、O量が
それを越える場合はそれよりも高い焼鈍温度が必要とな
る。従って例えばO量を0.0080wt%から0.0060wt%以下
に低減すれば、オーステナイト粒径を140μm以上の大
きさにする場合に、焼鈍温度を50℃程度低温に出来る。
このような結果からO量は0.0060wt%を上限とした。 【0015】更に、本発明者等は、本発明成分範囲のイ
ンバー合金を用いてプレス成形前焼鈍時の粒成長に及ぼ
す原板製造時の冷圧条件をあらゆる範囲で調べた。その
結果当該合金を冷間圧延ままにして得たシャドウマスク
原板は1050〜1100℃の範囲でなされたプレス成
形前焼鈍時に良好な粗粒化が達成された。 【0016】 【実施例】以下本発明の具体的実施例につき説明する。
C:0.006wt%を含有し、O量の異なるインバー合金
(36Ni−Fe合金)No.1〜No.6材を、80%冷間圧延し、
これらの材料を温度1050℃にて10分間焼鈍し、その際の
γ粒径を調べた。その結果を下記表1に示す。 【0017】 【表1】 【0018】O量が本発明で規定する範囲内の材料No.
1〜No.3材では、γ粒径が140μm以上となっており、
前述の如く、本発明で意図するプレス成形性が得られる
ことは明かである。一方O量が本発明で規定する上限を
超える材料No.4〜No.6材では、γ粒径が140μm未満
と本発明例の場合に比べて結晶粒の粗粒化が不十分であ
り、本発明で意図するプレス成形性は得られないことに
なる。以上のように、本発明で規定する成分範囲内のイ
ンバー合金を冷延ままで製造した原板は、良好な粗粒化
が達成され、プレス成形性に優れたものが得られた。 【0019】 【発明の効果】以上のような本発明のシャドウマスク原
の製造方法によれば、製造工程を簡略化できると共
に、最終製品であるシャドウマスクの製造過程での焼鈍
温度の低下を可能にし、低熱膨張材料によるシャドウマ
スクを熱経済的に有利に製造することができる。また従
来高温焼鈍のみでは軟質化が不十分なために行われる温
間プレス成形も不要であるという優れた効果を有してい
る。しかもプレス成形前焼鈍の焼鈍温度の低下は更に焼
鈍による歪発生の防止にも効果的に作用し、焼鈍後のロ
ーラレベリング等の歪矯正の負担軽減も期待できる。 【0020】尚、本発明では36Niインバー合金のみでは
なく、32〜49%Niの低熱膨張係数を有するいずれのFe−
Ni合金をも対象にでき、本発明の上記効果はこれらに対
し十分発揮できる。
【図面の簡単な説明】 【図1】オーステナイト粒径とO量、焼鈍温度の関係を
示すグラフ図である。 【図2】強度とオーステナイト粒径の関係を示すグラフ
図である。

Claims (1)

  1. (57)【特許請求の範囲】 1.実質的にFe及びNiからなり、不純物としての炭
    素および酸素含有量をC:0.008wt%以下、O:
    0.0060wt%以下とした低熱膨張合金を素材と
    し、冷間圧延を最終工程として製造され、プレス前の焼
    鈍が1050〜1100℃であることを特徴とするプレ
    ス成形性に優れたシャドウマスク原板の製造方法
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