JPH0739612B2 - プレス成形性に優れたシャドウマスク原板の製造方法 - Google Patents
プレス成形性に優れたシャドウマスク原板の製造方法Info
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- JPH0739612B2 JPH0739612B2 JP61128018A JP12801886A JPH0739612B2 JP H0739612 B2 JPH0739612 B2 JP H0739612B2 JP 61128018 A JP61128018 A JP 61128018A JP 12801886 A JP12801886 A JP 12801886A JP H0739612 B2 JPH0739612 B2 JP H0739612B2
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- C21—METALLURGY OF IRON
- C21D—MODIFYING THE PHYSICAL STRUCTURE OF FERROUS METALS; GENERAL DEVICES FOR HEAT TREATMENT OF FERROUS OR NON-FERROUS METALS OR ALLOYS; MAKING METAL MALLEABLE, e.g. BY DECARBURISATION OR TEMPERING
- C21D8/00—Modifying the physical properties by deformation combined with, or followed by, heat treatment
- C21D8/02—Modifying the physical properties by deformation combined with, or followed by, heat treatment during manufacturing of plates or strips
- C21D8/0205—Modifying the physical properties by deformation combined with, or followed by, heat treatment during manufacturing of plates or strips of ferrous alloys
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- Heat Treatment Of Sheet Steel (AREA)
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Description
【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この発明は、鉄及びニツケルを主成分とする低熱膨張合
金のテレビ受像管用のプレス成形性に優れたシャドウマ
スク原板の製造方法に関する。
金のテレビ受像管用のプレス成形性に優れたシャドウマ
スク原板の製造方法に関する。
近年、カラーテレビの高品位にともない、色ずれの問題
から低熱膨張のシヤドウマスク材料が求められ、36%Ni
などFe−Ni系のインバー合金が注目されている。
から低熱膨張のシヤドウマスク材料が求められ、36%Ni
などFe−Ni系のインバー合金が注目されている。
ところで、このようなFe−Ni系合金は本質的に強度が高
く、該合金を冷延したり、冷延後再結晶焼鈍させて製造
された原板は曲面成形時のプレス成形性の問題から従来
プレス成形前に1100℃程度の高温焼鈍を再度行ない結晶
粒を粗大化させることで軟質化を図つていた。
く、該合金を冷延したり、冷延後再結晶焼鈍させて製造
された原板は曲面成形時のプレス成形性の問題から従来
プレス成形前に1100℃程度の高温焼鈍を再度行ない結晶
粒を粗大化させることで軟質化を図つていた。
又、この粗粒化を合理的に行なわせるために、プレス前
焼鈍を真空中で行ない、表面の純化を通じて表面結晶粒
を粗粒化させる技術が特開昭59−200721号に提案されて
いる。
焼鈍を真空中で行ない、表面の純化を通じて表面結晶粒
を粗粒化させる技術が特開昭59−200721号に提案されて
いる。
更に、特開昭60−251227号では、1冷圧乃至多冷圧法に
おいて、最終冷延前後の焼鈍を800〜1200℃の高温で行
なつて粗粒化させ、これにより製造された原板を低温の
プレス前焼鈍で軟質化せしめる技術が開示されている。
おいて、最終冷延前後の焼鈍を800〜1200℃の高温で行
なつて粗粒化させ、これにより製造された原板を低温の
プレス前焼鈍で軟質化せしめる技術が開示されている。
しかし、従来行なわれていたプレス前軟化焼鈍は前述の
ようにかなり高温で実施されて軟質化を達成できるた
め、熱経済性の面からより低温化できる方法や同一焼鈍
条件で従来よりもより軟質化できる技術が強く望まれて
いた。
ようにかなり高温で実施されて軟質化を達成できるた
め、熱経済性の面からより低温化できる方法や同一焼鈍
条件で従来よりもより軟質化できる技術が強く望まれて
いた。
一方、上記した特開昭59−200721号の技術は不純物の表
面から拡散律速型の蒸発現象を利用しているため、短時
間焼鈍では純化する範囲が表層近傍に限られ。板厚全体
で見れば粗粒化による軟質化が不十分で基本的に温間プ
レスが必要であるとしており、このような温間プレスは
実生産面で考えると、温度制御、プレス技術など未解決
な問題が多く、コスト高で実用的でない。又、焼鈍中に
板厚全体にわたる純化をねらうとすると焼鈍は長時間を
要し、熱経済性に不利であることは言うまでもない。
面から拡散律速型の蒸発現象を利用しているため、短時
間焼鈍では純化する範囲が表層近傍に限られ。板厚全体
で見れば粗粒化による軟質化が不十分で基本的に温間プ
レスが必要であるとしており、このような温間プレスは
実生産面で考えると、温度制御、プレス技術など未解決
な問題が多く、コスト高で実用的でない。又、焼鈍中に
板厚全体にわたる純化をねらうとすると焼鈍は長時間を
要し、熱経済性に不利であることは言うまでもない。
更に、特開昭60−251227号では、最終冷圧前後の焼鈍を
従来技術と同じく1100℃程度の高い温度範囲に設定して
も、耐力25kgf/mm2程度にしかならず十分な軟質化が達
成されないという問題を有している。
従来技術と同じく1100℃程度の高い温度範囲に設定して
も、耐力25kgf/mm2程度にしかならず十分な軟質化が達
成されないという問題を有している。
本発明は以上述べた従来技術及び提案技術の問題を解決
し、原板製造時の焼純及びプレス前焼鈍における熱経済
性に優れ、且つプレス成形も温間で行なう必要のない、
プレス成形性に優れたシャドウマスク原板の製造方法を
提供せんとするものである。
し、原板製造時の焼純及びプレス前焼鈍における熱経済
性に優れ、且つプレス成形も温間で行なう必要のない、
プレス成形性に優れたシャドウマスク原板の製造方法を
提供せんとするものである。
以下、本発明の構成要件について詳細に説明する。
本発明は鉄及びニツケルを主成分とした低熱膨張係数を
有する36Ni−Fe合金などのいわゆるインバー合金を対象
とする(このような合金は連続鋳造法又は薄物鋳造法に
より鋳造されたものを表面研削後熱間圧延して製造され
たり、無酸化状態で薄物鋳造された場合は表面研削せず
に製造される)が、成分面でとくにC及びO量が規定さ
れる。
有する36Ni−Fe合金などのいわゆるインバー合金を対象
とする(このような合金は連続鋳造法又は薄物鋳造法に
より鋳造されたものを表面研削後熱間圧延して製造され
たり、無酸化状態で薄物鋳造された場合は表面研削せず
に製造される)が、成分面でとくにC及びO量が規定さ
れる。
Cはマトリツクス強化元素であり、軟質化の観点からは
好ましくない元素である。そこで、強度とC量の関係を
調べたところ、C量の低下とともに強度は低下するが、
0.008wt%以下では強度的にほぼ一定になつたのでこれ
を上限とした。
好ましくない元素である。そこで、強度とC量の関係を
調べたところ、C量の低下とともに強度は低下するが、
0.008wt%以下では強度的にほぼ一定になつたのでこれ
を上限とした。
次に本発明者等はインバー合金の結晶粒粗大化による軟
質化条件に着目し、粒成長を支配するあらゆる要因を検
討した結果、とくに950℃以上における比較的高温での
粒成長はO量により著しく影響を受けることを見い出し
た。
質化条件に着目し、粒成長を支配するあらゆる要因を検
討した結果、とくに950℃以上における比較的高温での
粒成長はO量により著しく影響を受けることを見い出し
た。
第1図はO量の異なるインバー合金の80%冷圧まま材を
用いて、10分の焼鈍でのオーステナイト粒径に及ぼすO
量、焼鈍温度の影響を示している(尚、該インバー合金
のC及びNi量はC:0.006%、Ni:35.7%である)。これよ
りO量が少ないほど大きく成長することがわかる。この
ような結果は、粒成長に対するOの影響は酸化物の量と
サイズに相関があり、インバー合金の上記温度域におれ
る粒成長に著しく影響を及ぼす粒子はサイズ1.2μm以
下の酸化物であり、しかもこのようなサイズの酸化物粒
子はOレベルがある値を越えると著しく多くなることに
基づいていると考えられる。
用いて、10分の焼鈍でのオーステナイト粒径に及ぼすO
量、焼鈍温度の影響を示している(尚、該インバー合金
のC及びNi量はC:0.006%、Ni:35.7%である)。これよ
りO量が少ないほど大きく成長することがわかる。この
ような結果は、粒成長に対するOの影響は酸化物の量と
サイズに相関があり、インバー合金の上記温度域におれ
る粒成長に著しく影響を及ぼす粒子はサイズ1.2μm以
下の酸化物であり、しかもこのようなサイズの酸化物粒
子はOレベルがある値を越えると著しく多くなることに
基づいていると考えられる。
ところで、インバー合金でプレス成形が十分可能な引張
強度は0.2%耐力で20kgf/mm2といわれている。一方、第
2図は36Niインバーで焼鈍温度をかえ、0.2%耐力とオ
ーステナイト粒径の関係を調べた結果を示している。こ
れより上記プレス成形性を満足させるには、オーステナ
イト粒径を約140μm以上とすることが必要であるが、
第1図よりO量を0.0060wt%以下としたものは、焼鈍温
度1050℃の場合でもオーステナイト粒径を140μm以上
にすることができる。これに対し、O量がそれを越える
場合はそれよりも高い焼鈍温度が必要となる。従つて例
えばO量を0.0080wt%から0.0060wt%以下に低減すれ
ば、オーステナイト粒径を140μm以上の大きさにする
場合に、焼鈍温度を50℃程度低温に出来る。このような
結果からO量は0.0060wt%を上限とした。
強度は0.2%耐力で20kgf/mm2といわれている。一方、第
2図は36Niインバーで焼鈍温度をかえ、0.2%耐力とオ
ーステナイト粒径の関係を調べた結果を示している。こ
れより上記プレス成形性を満足させるには、オーステナ
イト粒径を約140μm以上とすることが必要であるが、
第1図よりO量を0.0060wt%以下としたものは、焼鈍温
度1050℃の場合でもオーステナイト粒径を140μm以上
にすることができる。これに対し、O量がそれを越える
場合はそれよりも高い焼鈍温度が必要となる。従つて例
えばO量を0.0080wt%から0.0060wt%以下に低減すれ
ば、オーステナイト粒径を140μm以上の大きさにする
場合に、焼鈍温度を50℃程度低温に出来る。このような
結果からO量は0.0060wt%を上限とした。
更に、本発明者等は本発明成分範囲のインバー合金を用
いてプレス成形前焼鈍時の粒成長に及ぼす原板製造時の
冷圧・焼鈍条件をあらゆる範囲で調べた。その結果当該
合金を冷間圧延後再結晶焼鈍(680℃以上、好ましくは7
00〜770℃の軟化焼鈍をして、オーステナイト結晶粒径1
0〜20μmに再結晶させる。この時複数回冷圧しても良
い。)して得たシヤドウマスク原板はプレス成形前焼鈍
時に良好な粗粒化が達成されたが、更に再結晶焼鈍後に
調質圧延を付加することがプレス成形前焼鈍時の粗粒化
に対し、とくに0レベルが低い条件下で著しく効果のあ
ることがわかつた(尚、前記再結晶焼鈍でオーステナイ
ト結晶粒径20μmより大きく再結晶させると当該調質圧
延で不均一変形等を生ずるので注意する必要があ
る。)。このような微少歪付加後焼鈍での粗粒化は一般
的現象として周知のところであるが、本発明が対象とす
る上記合金成分範囲での適正条件は従来明らかでなかつ
た。第3図はC:0.006wt%、O:0.0025wt%、Ni:36.1wt
%、残部Feからなる合金(以下第1合金とする)と、C:
0.006wt%、O:0.0082wt%、Ni:35.8wt%、残部Feからな
る合金(以下第2合金とする)を用い、85%冷圧後750
℃×30分再結晶焼鈍し、次に調質圧延を施し、プレス成
形前焼鈍を1000℃および1050℃で10分間行つたときのオ
ーステナイト粒径と調質圧延率の関係を示す。これよ
り、本発明範囲にある第1合金では調質圧延率が2〜5
%で著しく粗粒化していることがわかる。従つて上記し
た合金を素材として冷間圧延しこれに続く再結晶焼鈍を
行なつた後、2〜5%内で調質圧延を行なうと、プレス
前焼鈍時の粗粒化に極めて顕著な効果を有するシヤドウ
マスク原板が得られることになる。又本発明ではこのよ
うな範囲の調質圧延によつてオーステナイト粒径140μ
mを得るのにプレス前焼鈍を本発明成分合金で更に約50
℃低下できる。
いてプレス成形前焼鈍時の粒成長に及ぼす原板製造時の
冷圧・焼鈍条件をあらゆる範囲で調べた。その結果当該
合金を冷間圧延後再結晶焼鈍(680℃以上、好ましくは7
00〜770℃の軟化焼鈍をして、オーステナイト結晶粒径1
0〜20μmに再結晶させる。この時複数回冷圧しても良
い。)して得たシヤドウマスク原板はプレス成形前焼鈍
時に良好な粗粒化が達成されたが、更に再結晶焼鈍後に
調質圧延を付加することがプレス成形前焼鈍時の粗粒化
に対し、とくに0レベルが低い条件下で著しく効果のあ
ることがわかつた(尚、前記再結晶焼鈍でオーステナイ
ト結晶粒径20μmより大きく再結晶させると当該調質圧
延で不均一変形等を生ずるので注意する必要があ
る。)。このような微少歪付加後焼鈍での粗粒化は一般
的現象として周知のところであるが、本発明が対象とす
る上記合金成分範囲での適正条件は従来明らかでなかつ
た。第3図はC:0.006wt%、O:0.0025wt%、Ni:36.1wt
%、残部Feからなる合金(以下第1合金とする)と、C:
0.006wt%、O:0.0082wt%、Ni:35.8wt%、残部Feからな
る合金(以下第2合金とする)を用い、85%冷圧後750
℃×30分再結晶焼鈍し、次に調質圧延を施し、プレス成
形前焼鈍を1000℃および1050℃で10分間行つたときのオ
ーステナイト粒径と調質圧延率の関係を示す。これよ
り、本発明範囲にある第1合金では調質圧延率が2〜5
%で著しく粗粒化していることがわかる。従つて上記し
た合金を素材として冷間圧延しこれに続く再結晶焼鈍を
行なつた後、2〜5%内で調質圧延を行なうと、プレス
前焼鈍時の粗粒化に極めて顕著な効果を有するシヤドウ
マスク原板が得られることになる。又本発明ではこのよ
うな範囲の調質圧延によつてオーステナイト粒径140μ
mを得るのにプレス前焼鈍を本発明成分合金で更に約50
℃低下できる。
ところでO量が本発明範囲外の第2合金の場合は、前記
酸化物により粒成長が阻害されるので、調質圧延の効果
はほとんど見られず、調質圧延による粗粒化は本発明の
O量範囲を満した時のみ有効であることは前に述べた如
くである。
酸化物により粒成長が阻害されるので、調質圧延の効果
はほとんど見られず、調質圧延による粗粒化は本発明の
O量範囲を満した時のみ有効であることは前に述べた如
くである。
また、本発明範囲の調質圧延率は普通鋼の微少歪付加後
焼鈍での粗粒化に必要な調質圧延率より高いが、このこ
とはFe−Ni合金の粒界移動の活性化エネルギーが普通鋼
に比べて高いことに対応していると思われる。
焼鈍での粗粒化に必要な調質圧延率より高いが、このこ
とはFe−Ni合金の粒界移動の活性化エネルギーが普通鋼
に比べて高いことに対応していると思われる。
以下本発明の具体的実施例につき説明する。
〔実施例1〕 下記第1表に示すような36Niインバー成分の合金を真空
溶解炉にて溶製し、分塊−熱延を経たものを表面研削し
て素材(No.1材〜No.8材)とした。
溶解炉にて溶製し、分塊−熱延を経たものを表面研削し
て素材(No.1材〜No.8材)とした。
これらの素材を I:85%冷間圧延→750℃×30min焼鈍 II:85%冷間圧延→750℃×30min焼鈍 →3%調質圧延 の2方法によりシヤドウマスク原板を製造した。これら
の原板をプレス前焼鈍に対応させて1000℃、1050℃及び
1100℃の各温度で10minの焼鈍を行ない、その際のオー
ステナイト粒径と0.2%耐力を調べ同表に示した。
の原板をプレス前焼鈍に対応させて1000℃、1050℃及び
1100℃の各温度で10minの焼鈍を行ない、その際のオー
ステナイト粒径と0.2%耐力を調べ同表に示した。
No.1材及びNo.2材はC量、O量とも本発明で規定した成
分範囲にある合金の上記製造方法IIによるものである
が、焼鈍温度が1050℃以上でγ粒径は約140μm以上、
0.2%耐力20kgf/mm2以下でシヤドウマスク曲面のプレス
成形が十分可能なレベルまで軟質化している。
分範囲にある合金の上記製造方法IIによるものである
が、焼鈍温度が1050℃以上でγ粒径は約140μm以上、
0.2%耐力20kgf/mm2以下でシヤドウマスク曲面のプレス
成形が十分可能なレベルまで軟質化している。
これらに対し、No.5材〜No.8材はO量に関し本発明範囲
外の合金であり、製造方法Iによる場合はもちろん製造
方法IIの調質圧延付加を行なつても容易に軟質化せず、
プレス成形を可能にするため、本発明の合金よりもはる
かに高温で焼鈍しなければならないことがわかる。
外の合金であり、製造方法Iによる場合はもちろん製造
方法IIの調質圧延付加を行なつても容易に軟質化せず、
プレス成形を可能にするため、本発明の合金よりもはる
かに高温で焼鈍しなければならないことがわかる。
又、No.3材及びNo.4材はC量が本発明範囲外の合金であ
るが、焼鈍粒成長を主に支配するOレベルは本発明の範
囲内にあるため、No.1材と比べほとんど同等の粒粗大化
がプレス前焼鈍において達成されることになる。しか
し、その強度は同一粒径において高く、プレス成形性を
確保するためにはより高温での焼鈍を要することがわか
る。
るが、焼鈍粒成長を主に支配するOレベルは本発明の範
囲内にあるため、No.1材と比べほとんど同等の粒粗大化
がプレス前焼鈍において達成されることになる。しか
し、その強度は同一粒径において高く、プレス成形性を
確保するためにはより高温での焼鈍を要することがわか
る。
〔実施例2〕 次にC:0.006wt%、Ni:35.7wt%、O:0.0043wt%及び残部
Feの本発明範囲にある合金を用いて85%冷圧後750℃×3
0minの再結晶焼鈍を行い、さらに種々調圧率をかえて調
質圧延した。これらのサンプルを1020℃で10min焼鈍し
その際のγ粒径と0.2%耐力とを調べ、その結果を第2
表に示す。
Feの本発明範囲にある合金を用いて85%冷圧後750℃×3
0minの再結晶焼鈍を行い、さらに種々調圧率をかえて調
質圧延した。これらのサンプルを1020℃で10min焼鈍し
その際のγ粒径と0.2%耐力とを調べ、その結果を第2
表に示す。
No.9材〜No.11材は本発明の範囲内の調質圧延を行つた
ものであり、前記条件のプレス前焼鈍によつてγ粒径14
0μm以上、0.2%耐力20kg/mm2以下となり、十分プレス
成形が可能な程度に軟質になつている。これに対しNo.1
2材〜No.15材は本発明範囲外の調圧条件で製造されてお
り、上記No.9材〜No.11材に比べて硬質である。
ものであり、前記条件のプレス前焼鈍によつてγ粒径14
0μm以上、0.2%耐力20kg/mm2以下となり、十分プレス
成形が可能な程度に軟質になつている。これに対しNo.1
2材〜No.15材は本発明範囲外の調圧条件で製造されてお
り、上記No.9材〜No.11材に比べて硬質である。
〔実施例3〕 36Niに微量Crを添加し、かつC,Oが本発明成分範囲の35.
8%Ni−0.005%C−0.0045%O−0.7%Cr合金を真空溶
解炉にて溶製し、分塊−熱延を経たものを表面研削して
素材とした。シヤドウマスク原板の製造法としては実施
例1に示したI、IIの製造方法を採つた。これらの材料
をプレス前焼鈍に対応させて1000℃、1050℃及び1100℃
の各温度で10minの焼鈍を行ない、その際のオーステナ
イト粒径と0.2%耐力を調べた。
8%Ni−0.005%C−0.0045%O−0.7%Cr合金を真空溶
解炉にて溶製し、分塊−熱延を経たものを表面研削して
素材とした。シヤドウマスク原板の製造法としては実施
例1に示したI、IIの製造方法を採つた。これらの材料
をプレス前焼鈍に対応させて1000℃、1050℃及び1100℃
の各温度で10minの焼鈍を行ない、その際のオーステナ
イト粒径と0.2%耐力を調べた。
その結果を第3表に示す。
製造方法Iによるものは、1050℃以上でγ粒径は約140
μm以上、0.2%耐力20kgf/mm2以下でシヤドウマスク曲
面プレス成形が十分可能なレベルまで軟質化している。
更に製造方法IIによる場合は製造方法Iに比べ同一焼鈍
において更に軟質化しており、プレス前焼鈍温度は一層
低下できることになる。
μm以上、0.2%耐力20kgf/mm2以下でシヤドウマスク曲
面プレス成形が十分可能なレベルまで軟質化している。
更に製造方法IIによる場合は製造方法Iに比べ同一焼鈍
において更に軟質化しており、プレス前焼鈍温度は一層
低下できることになる。
このようにC、O量が本発明範囲を満足すれば、微量Cr
を含有する場合でも本発明の目的とする効果は十分得ら
れる。以上の如く、シヤドウマスク用インバー材として
熱延時の高温粒界酸化対策や、シヤドウマスクの黒化処
理性改善のため微量のCrをインバー合金としての本来の
低熱膨張機能を損なわない範囲で添加することがしばし
ば行われるが、本発明によれは微量Cr添加合金でも十分
効果が発揮されることがわかる。
を含有する場合でも本発明の目的とする効果は十分得ら
れる。以上の如く、シヤドウマスク用インバー材として
熱延時の高温粒界酸化対策や、シヤドウマスクの黒化処
理性改善のため微量のCrをインバー合金としての本来の
低熱膨張機能を損なわない範囲で添加することがしばし
ば行われるが、本発明によれは微量Cr添加合金でも十分
効果が発揮されることがわかる。
以上のような本発明のシヤドウマスク原板によれば、原
板製造工程並びに最終製品であるシヤドウマスクの製造
過程での各段階の焼鈍温度の低下を可能にし、低熱膨張
材料によるシヤドウマスクを熱経済的に有利に製造する
ことができると共に、従来高温焼鈍のみでは軟質化が不
十分なために行なわれる温間プレス成形も不要であると
いう優れた効果を有している。しかもプレス成形前焼鈍
の焼鈍温度の低下は更に焼鈍による歪発生の防止にも効
果的に作用し、焼鈍後のローラレベリング等の歪矯正の
負担軽減も期待できる。
板製造工程並びに最終製品であるシヤドウマスクの製造
過程での各段階の焼鈍温度の低下を可能にし、低熱膨張
材料によるシヤドウマスクを熱経済的に有利に製造する
ことができると共に、従来高温焼鈍のみでは軟質化が不
十分なために行なわれる温間プレス成形も不要であると
いう優れた効果を有している。しかもプレス成形前焼鈍
の焼鈍温度の低下は更に焼鈍による歪発生の防止にも効
果的に作用し、焼鈍後のローラレベリング等の歪矯正の
負担軽減も期待できる。
尚、本発明では36Niインバー合金のみではなく、32〜49
%Niの低熱膨張係数を有するいずれのFe−Ni合金をも対
象にでき、本発明の上記効果はこれらに対し十分発揮で
きる。
%Niの低熱膨張係数を有するいずれのFe−Ni合金をも対
象にでき、本発明の上記効果はこれらに対し十分発揮で
きる。
第1図はオーステナイト粒径とO量、焼鈍温度の関係を
示すグラフ図、第2図は強度とオーステナイト粒径の関
係を示すグラフ図、第3図はオーステナイト粒径と調質
圧延率の関係を示すグラフ図である。
示すグラフ図、第2図は強度とオーステナイト粒径の関
係を示すグラフ図、第3図はオーステナイト粒径と調質
圧延率の関係を示すグラフ図である。
Claims (2)
- 【請求項1】実質的にFeおよびNiからなり、不純物とし
ての炭素および酸素含有量をC:0.008wt%以下、O:0.006
0wt%以下とした低熱膨張合金を素材とし、冷間圧延と
それに引き続く再結晶焼鈍を行なった後、さらに調質圧
延率2〜5%の調質圧延を行うことを特徴とするプレス
成形性に優れたシャドウマスク原板の製造方法。 - 【請求項2】実質的にFe、Niおよび0.7wt%以下のCrか
らなり、不純物としての炭素および酸素含有量をC:0.00
8wt%以下、O:0.0060wt%以下とした低熱膨張合金を素
材とし、冷間圧延とそれに引き続く再結晶焼鈍を行なっ
た後、さらに調質圧延率2〜5%の調質圧延を行うこと
を特徴とするプレス成形性に優れたシャドウマスク原板
の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP61128018A JPH0739612B2 (ja) | 1986-06-04 | 1986-06-04 | プレス成形性に優れたシャドウマスク原板の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP61128018A JPH0739612B2 (ja) | 1986-06-04 | 1986-06-04 | プレス成形性に優れたシャドウマスク原板の製造方法 |
Related Child Applications (2)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP6068163A Division JP2734979B2 (ja) | 1994-03-14 | 1994-03-14 | プレス成形性に優れたシャドウマスク原板の製造方法 |
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Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS62287044A JPS62287044A (ja) | 1987-12-12 |
JPH0739612B2 true JPH0739612B2 (ja) | 1995-05-01 |
Family
ID=14974450
Family Applications (1)
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---|---|---|---|
JP61128018A Expired - Lifetime JPH0739612B2 (ja) | 1986-06-04 | 1986-06-04 | プレス成形性に優れたシャドウマスク原板の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JPH0739612B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
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Family Cites Families (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
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JPS59232607A (ja) * | 1983-06-16 | 1984-12-27 | Toyo Kohan Co Ltd | シヤドウマスク用金属板の製造法 |
JPS6033337A (ja) * | 1983-08-05 | 1985-02-20 | Nisshin Steel Co Ltd | 電子部品用高Νi−Fe合金 |
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JPS61113746A (ja) * | 1984-11-07 | 1986-05-31 | Nippon Mining Co Ltd | シヤドウマスク材 |
-
1986
- 1986-06-04 JP JP61128018A patent/JPH0739612B2/ja not_active Expired - Lifetime
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US10434388B2 (en) | 2014-08-07 | 2019-10-08 | Warrior Sports, Inc. | Lacrosse head pocket and related method of manufacture |
Also Published As
Publication number | Publication date |
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JPS62287044A (ja) | 1987-12-12 |
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