JP2734064B2 - 粉体塗料用樹脂組成物 - Google Patents

粉体塗料用樹脂組成物

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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は新規にして有用なる粉体塗料用樹脂組成物に
関する。さらに詳細には、本発明は必須の成分として、
それぞれ、フルオル基を含有する化合物を主体としたふ
っ素含有ポリエステル樹脂たるベース樹脂成分と、該ポ
リエステル樹脂中に存在する官能基に応じた硬化剤成分
とを含んで成る、粉体塗料用含ふっ素ポリエステル樹脂
組成物に関する。
〔従来の技術〕
この種のふっ素樹脂系粉体塗料として、これまでに用
いられている部類の樹脂としては、ふっ化ビニリデンを
主成分とした熱可塑性タイプのものが挙げられよう。
ところで、かかるふっ素樹脂(フルオロオレフィン共
重合体)は、耐薬品性をはじめとして、耐熱性、耐摩耗
性、非粘着性および耐候性が良好である処から、広範囲
に利用されてはいるものの、そうした反面では、融点そ
れ自体が高いものである処から、粉砕にさいして特殊な
装置が入用となるし、高温での溶融焼付けもまた必要と
なるなどの種々の不都合もあって、粉体塗料としての利
用が殆んど為されてはいない、というのが現状である。
そのうちの一つとして、特開昭59−120661号公報に
は、側鎖に(パー)フルオロアルキル基をもったビニル
モノマーの共重合によって得られるビニル共重合樹脂を
添加せしめることにより改質された形のビニル系塗料用
硬化性樹脂組成物についての開示が為されているけれど
も、相溶性の上からも、とくに粉体塗料に供される場合
の耐ブロッキング性の上からも、該ビニル共重合樹脂の
添加量には自ずと制限があった。
他方、熱硬化性の粉体塗料としてのポリエステル系粉
体塗料は、それ自体、塗膜の外観および物性がすぐれて
いるものの、長期に亘る耐候性および耐汚染性が要求さ
れる用途に対しては不十分なものであり、したがって、
従来の製造方式による、扱い易い形の、熱硬化性の、高
耐候性の粉体塗料の実用化が真に望まれている。
〔発明が解決しようとする課題〕
そこで、本発明者らは上述した如き従来技術における
種々の欠点の存在に鑑みて、常用されている硬化条件
で、つまり、汎用の粉体塗料におけると同様の硬化条件
で硬化可能な、ふっ素樹脂系粉体塗料を得ることを目的
として鋭意検討を重ねた結果、特定の分子量と軟化点と
を有し、しかも、反応性基(官能基)としてのカルボキ
シル基および/または水酸基をもった、フルオル基含有
ポリエステル樹脂と、かかる反応性基と反応しうる硬化
剤との組み合わせになる組成物が、硬化性にすぐれるも
のである処から、耐汚染性にすぐれるほか、極めて耐候
性にすぐれる硬化塗膜を与えるものであることを見い出
して、本発明を完成させるに到った。
すなわち、本発明が解決しようとする課題は、反応性
基として、カルボキシル基および/または水酸基をもっ
た、フルオル基含有ポリエステル樹脂をベース樹脂成分
とし、他方、かかる反応性基と反応しうる化合物を硬化
剤成分とし、これらの両成分を皮膜形成性成分とした形
の、とりわけ、耐候性ならびに耐汚染性にすぐれた粉体
塗料用樹脂組成物を如何にして提供するかということで
ある。
〔課題を解決するための手段〕
そうした課題を解決するべく、本発明は必須の皮膜形
成性成分として、ポリエステル樹脂を構成している酸成
分および/またはグリコール成分中に、それぞれ、フル
オル基を有する化合物の反応によって得られるふっ素含
有ポリエステル樹脂(A)と、該ポリエステル樹脂
(A)に存在する官能基と反応しうる硬化剤(B)とを
含んで成る、粉体塗料用ポリエステル樹脂組成物を提供
しようとするものであり、かかる構成になるポリエステ
ル樹脂組成物を粉体塗料用として提供しようとするもの
である。
ここにおいて、上記したふっ素含有ポリエステル樹脂
(A)を調製するにさいして用いられるフルオル基を有
する化合物のうち、まず、グリコール成分としては、そ
れぞれ、一般式 HOCH2CF2 lCH2OH 〔但し、lは1〜24なる整数であるものとする。〕 HOCH2−CF2O−(C2F4O)−(CF2O)−CF2−CH2OH 〔但し、mもnも共に、0〜20なる整数であるものとす
る。〕 HOCH2−(CF2O)−CH2OH 〔但し、pは1〜20なる整数であるものとする。〕 もしくは HOCH2−(C2F4O)−CH2OH 〔但し、pは1〜20なる整数であるものとする。〕 で示される各種の鎖状グリコール類であるとか、または
もしくは で示される各種の環含有グリコール類であるとか、さら
には、ヘキサフルオロプロピレンオキサイドから得られ
る、ポリエーテル単位数が1〜10なるポリエーテルグリ
コール類をはじめとする、脂肪族、脂環式ないしは芳香
族のC−F基含有グリコール化合物や、モノエポキシフ
ルオロ化合物などが挙げられる。
他方、フルオル基を有する化合物のうち、酸成分とし
ては、それぞれ、一般式 HOOC−(CF2−COOH HOOC−CF2O−(C2F4O)−(CF2O)−CF2−COOH HOOC−(CF2O)−COOH もしくは で示される各種の鎖状ジカルボン酸類をはじめとする、
脂肪族、脂環式ないしは芳香族のC−F基含有二塩基酸
やそれ以上の多塩基酸などが挙げられる。
当該ふっ素ポリエステル樹脂(A)は、当該樹脂
(A)を構成する酸成分および/またはグリコール成分
中にフルオル基を有する化合物を含み、つまり、酸成分
かグリコール成分かのいずれか一方に、あるいは、酸成
分とグリコール成分との両方に、必ず、フルオル基を有
する化合物を用いて得られるもので、数平均分子量が1,
000〜20,000で、かつ、環球法による軟化点が60〜130℃
なる、カルボキシル基および/または水酸基なる反応性
基(官能基)を有するものである。
数平均分子量が1,000より小さい場合には、どうして
も、塗料とした場合のブロッキング性が悪くなるし、一
方、20,000を超えて余りに大きい場合には、どうして
も、塗料とした場合の溶融粘性が高くなりすぎ、ひいて
は塗膜の平滑性を損うことになるし、加えて、粉砕性も
悪くなり、著しく作業性も悪くなるので、いずれも好ま
しくない。
また、当該ポリエステル樹脂(A)の軟化点が60℃未
満である場合には、どうしても、塗料とした場合のブロ
ッキング性に問題が生じるようになり易く、一方、130
℃を超える場合には、どうしても、塗料化時における混
練すら困難になり、敢えて高温で行なおうとしても、塗
料化条件にもよるが、このポリエステル樹脂と硬化剤と
の反応によって、ゲル化を起こしたり、発生したゲル化
物が、塗装したさいに、塗膜に異物として現われること
もあったりして、いずれも好ましくない。
加えて、当該ポリエステル樹脂(A)の官能基として
は、カルボキシル基および/または水酸基を残存せしめ
ることが必須である。
ここにおいて、この官能基が、主として、カルボキシ
ル基である場合には、15〜100KOHmg/gなる範囲内の酸価
を有するポリエステル樹脂(A)であるべきであり、よ
り好ましくは、20〜90KOHmg/gなる範囲内である。
酸価が15よりも低い場合には、どうしても、得られる
塗膜の機械的強度が不十分となり易く、一方、100を超
えて余りに高い場合には、どうしても、粉体塗料の保存
安定性が低下し、ひいては、保存中に反応が進行して、
塗膜の平滑性が劣化するようになるので、いずれも好ま
しくない。
また、この官能基が、主として、水酸基である場合に
は、20〜60KOHmg/gなる範囲内の水酸基価を有するポリ
エステル樹脂(A)であるべきであり、より好ましく
は、20〜50KOHmg/gなる範囲内である。
水酸基価が20よりも余りに低くなると、どうしても、
硬化時におけるゲル化が遅くなるし、ひいては、機械的
強度が不十分となるようになり、一方、60を超えて余り
に高い場合には、硬化剤として用いるべき、高価なブロ
ックイソシアネートの使用量が多くなるので、経済的に
好ましくない。
さらに、カルボキシル基と水酸基とが併存する場合に
は、水酸基価と酸価との和が20〜90KOHmg/g、好ましく
は、20〜50KOHmg/gとなるような範囲内が望ましいこと
は、勿論である。
こうした範囲内にあるポリエステル樹脂(A)である
限りは、分岐状構造のものであっても、線状構造のもの
であってもよい。
そして、当該ふっ素含有ポリエステル樹脂(A)の調
製方法については特に制限はなく、周知慣用の方法がそ
のまま適用されうるし、当該ポリエステル樹脂(A)の
必須成分たる前掲した如きフルオル基含有グリコールお
よび/または酸化合物を、全グリコール成分および全酸
成分の総量中に少なくとも10重量%用いるようにする以
外は、フルオル基不含の、周知慣用の二塩基酸および/
または多塩基酸ならびに二価アルコール(グリコール
類)および/または多価アルコールがそのまま使用しう
るが、それらのうちでも、酸成分として代表的なものに
は、テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、メチルテ
レフタル酸、トリメリット酸、ピロメリット酸およびそ
れらの無水物あるいはアジピン酸、セバシン酸、こはく
酸、マレイン酸、フマル酸、テトラヒドロフタル酸、メ
チル−テトラヒドロフタル酸、ヘキサヒドロフタル酸、
メチル−ヘキサヒドロフタル酸およびそれらの無水物な
どがあるし、他方、アルコール成分として代表的なもの
には、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,
3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキ
サンジオール、ネオペンチルグリコール、イソペンチル
グリコール、ビスヒドロキシエチルテレフタレート、水
添ビスフェノールA、水添ビスフェノールAのエチレン
オキサイド付加物、水添ビスフェノールAのプロピレン
オキサイド付加物、トリメチロールエタン、トリメチロ
ールプロパン、グリセリン、ペンタエリスリトールおよ
び2,2,4−トリメチルペンタン−1,3−ジオールなどがあ
るが、モノエポキシ化合物も本発明におけるグリコール
類の一つとして使用することができる。
次いで、本発明組成物のもう一つの必須構成成分た
る、前記ふっ素含有ポリエステル樹脂(A)中に存在す
る反応性基(官能基)と反応しうる硬化剤(B)とし
て、かかる官能基が、主としてカルボキシル基の場合に
は、1分子中に少なくとも2個のエポキシ基を有する化
合物が挙げられる。
そのうちでも、特に代表的なものには、ビスフェノー
ルAもしくはビスフェノールFのジグリシジルエーテル
またはオキシ安息香酸のグリシジルエステル・エーテ
ル;エチレングリコールのジグリンシジルエーテルもし
くはトリメチロールプロパンのトリグリシジルエーテル
の如き多価アルコールのポリグリシジルエーテル;テレ
フタル酸のジグリシジルエステルの如きジカルボン酸の
ジグリシジルエステル;あるいはトリグリシジルイソシ
アヌレートなどがあるし、さらには、グリシジル基含有
アクリル樹脂も使用できる。
また、当該硬化剤(B)として、官能基が主として水
酸基の場合には、アミノプラスト、ブロックポリイソシ
アネート化合物または多塩基酸(無水物)などが挙げら
れ、これら種々の硬化剤の併用は勿論、可能である。
そのうち、まずアミノプラストの代表例としてはメラ
ミン、尿素、アセトグアナミン、ベンゾグアナミン、ス
テログアナミンまたはスピログアナミンの如きアミノ基
含有化合物成分と、ホルムアルデヒド、パラホルムアル
デヒド、アセトアルデヒドまたはグリオキザールの如き
アルデヒド系化合物成分とを、公知慣用の方法により反
応させて得られる縮合物、あるいはこれらの各縮合物を
アルコール類でエーテル化せしめて得られるものなどが
挙げられるが、通常、粉体塗料用として使用されている
ものであれば、いずれもが使用できることは勿論であ
る。
また、ブロックポリイソシアネート化合物とは、もと
より、一分子中に少なくとも2個のイソシアネート基を
有する各種ポリイソシアネート化合物を公知慣用のブロ
ック化剤でブロック化せしめて得られる化合物のことで
あり、そのうち、ポリイソシアネート化合物の代表例と
しては、ヘキサメチレンジイソシアネートもしくはトリ
メチルヘキサメチレンジイソシアネートの如き脂肪族ジ
イソシアネート類;水添キシリレンジイソシアネートも
しくはイソホロンジイソシアネートの如き環状脂肪族ジ
イソシアネート類(脂環式ジイソシアネート類);また
はトリレンジイソシアネートもしくは4,4′−ジフェニ
ルメタンジイソシアネートの如き芳香族ジイソシアネー
ト類などの有機ジイソシアネート化合物、あるいはこれ
らの各種有機ジイソシアネート化合物と、多価アルコー
ル、低分子量ポリエステル樹脂または水などとの付加
物、さらには、上記した有機ジイソシアネート化合物同
士の重合体やイソシアネート・ビュレット体などが挙げ
られるが、就中、イソホロンジイソシアネート(IPDI)
またはこのIPDIと各種ポリオール化合物との付加物の如
き、いわゆるイソホロンジイソシアネート系のポリイソ
シアネートをε−カプロラクタムでブロック化せしめた
形のものの使用が望ましい。
また、ウレトジオン結合の如き、熱によってイソシア
ネート基を再生するような化合物も使用できることは勿
論である。
さらに、前記した多塩基酸系硬化剤としては、1分子
中に2個以上のカルボキシル基を有するアクリル樹脂、
または、1分子中に2個以上のカルボキシル基を有する
ポリエステル樹脂、あるいは、アジピン酸、セバシン
酸、アゼライン酸、デカン二酸、ヘキサデカン二酸、ア
ルコサン二酸もしくはテトラアイコサン二酸の如き脂肪
族ジカルボン酸類;イソフタル酸もしくはトリメリット
酸の如き芳香族多価カルボン酸類;またはテトラヒドロ
フタル酸もしくはヘキサヒドロフタル酸の如き脂環式ジ
カルボン酸などが代表的なものである。
さらには、前記ふっ素含有ポリエステル樹脂(A)を
調製するにさいして用いられたような、たとえば、一般
式 HOOC−(CF2−COOH 〔但し、lは前出の通りである。〕 で示されるパーフルオル基含有ジカルボン酸もまた使用
できることは勿論できる。
他方、前記した多塩基酸無水物系硬化剤としては、1
分子中に2個以上の酸無水基を有するアクリル樹脂、ま
たは1分子中に2個以上の酸無水基を有するポリエステ
ル樹脂、あるいは無水トリメリット酸もしくは無水ピロ
メリット酸の如き芳香族無水ポリカルボン酸などが代表
的なものである。
以上に掲げられたような各種の硬化剤(B)は、前記
ふっ素含有ポリエステル樹脂(A)に存在する反応性基
(官能基)に応じて、2種以上を併用しうることができ
るのは勿論である。
そして、当該硬化剤(B)の使用量としては、ふっ素
含有ポリエステル樹脂(A)に存在する各反応性能基
(官能基)の1当量に対して0.5〜1.5当量なる範囲内が
適切である。
かくして得られる本発明の粉体塗料用樹脂組成物に
は、さらに必要に応じて、硬化触媒、顔料、各種樹脂
類、流動調整剤、酸価防止剤、紫外線吸収剤またはシラ
ンカップリング剤などの、公知慣用の各種添加剤を加え
ることができるのは勿論である。
そして、本発明の粉体塗料用樹脂組成物は、前掲され
た如きそれぞれの成分を、熱ロールやコニーダーなどの
混練機により、80〜150℃程度の温度で、混融混練さ
れ、次いで粉砕されることによって得られる。
〔実施例〕
次に、本発明を参考例、実施例および比較例により、
一層、具体的に説明することにするが、以下において、
部および%は特に断りのない限り、すべて重量基準であ
るものとする。
参考例1〔ふっ素含有ポリエステル樹脂(A)の調製
例〕 エチレングリコールの83部、ネオペンチルグリコール
の200部、ヘキサフルオロ−1,5−ペンタンジオールの27
3部、ジメチルテレフタレートの435部および酢酸亜鉛の
0.4部からなる混合物を、生成するメタノールを反応系
外に除去しながら、徐々に210℃まで昇温させて行き、
その後も同温度に2時間保持して、アルコール交換反応
を続行せしめた。
次いで、ここにトリメチロールプロパンの6部、テレ
フタル酸の149部、イソフタル酸の224部およびジ−n−
ブチル錫ジオキサイドの0.5部を加え、8時間を要して2
40℃まで昇温し、さらに同温度で脱水縮合せしめて、水
酸基価が14で、かつ、酸価が7なる中間体ポリエステル
(a−1)を得た。
しかるのち、このポリエステル(a−1)を200℃に
降温し、さらに無水トリメリット酸の29部を加えて同温
度で2時間反応せしめた処、酸価が23で、水酸基価が5
で、軟化点が118で、かつ、数平均分子量(n)が6,0
00なる目的樹脂(A)が得られた。以下、これをポリエ
ステル樹脂(A−1)と略記する。
参考例2(同上) エチレングリコール、ネオペンチルグリコール、オク
タフルオロヘキサンジオールおよびジメチルテレフタレ
ートの量を、それぞれ、102部、146部、442部および452
部として用いるように原料およびその使用量を変更した
以外は、参考例1と同様にして、アルコール交換反応を
行なった。
次いで、テレフタル酸およびオクタフルオロアジピン
酸の量を、それぞれ、300部および60部として用いるよ
うに原料およびその使用量を変更した以外は、参考例1
と同様にして、脱水縮合を行なって、中間体ポリエステ
ル(a−2)を得た。
しかるのち、このポリエステル(a−1)を180℃に
降温し、無水トリメリット酸の使用量を126部に変更し
た以外は、参考例1と同様にして反応を行なって、酸価
が70で、軟化点が103℃で、かつ、nが3,500なる目的
樹脂(A)を得た。以下、これをポリエステル樹脂(A
−2)と略記する。
参考例3(同上) エチレングリコールの112部、ネオペンチルグリコー
ルの338部、1,3−ビス(2−ヒドロキシヘキサフルオロ
−2−プロピル)ベンゼンの390部、ジメチルテレフタ
レートの584部および酢酸亜鉛の0.6部からなる混合物を
反応容器に仕込んで、生成するメタノールを反応系外に
除去しながら、徐々に210℃まで昇温したのち、500部の
テレフタル酸および0.7部のジ−n−ブチル錫オキサイ
ドを加え、3時間かけて240℃まで昇温し、さらに同温
度で反応を続行せしめて、酸価が15で、水酸基価が15
で、軟化点が115℃で、かつ、nが3,900なる目的樹脂
(A)を得た。以下、これをポリエステル樹脂(A−
3)と略記する。
参考例4(同上) ネオペンチルグリコールの366部、オクタフルオロヘ
キサンジオールの364部、ジメチルテレフタレートの440
部および酢酸亜鉛の0.5部からなる混合物を反応容器に
仕込んで、生成するメタノールを反応系外に除去しなが
ら、150℃で1時間、次いで210℃で2時間反応を行なっ
たのち、トリメチロールプロパンの45部、イソフタル酸
の394部およびジ−n−ブチル錫オキサイドの0.5部を追
加して、210℃で4時間、次いで240℃で15時間、加熱脱
水縮合せしめて、酸価が6で、水酸基価が38で、軟化点
が103℃で、かつ、nが4,500なる目的ポリエステル樹
脂(A)を得た。以下、これをポリエスエル樹脂(A−
4)と略記する。
参考例5〔対照用ふっ素不含のポリエステル樹脂
(A′)の調製例〕 ヘキサフルオロ−1,5−ペンタンジオールの使用を一
切欠如し、かつ、ネオペンチルグリコールの使用量を32
7部に変更した以外は、参考例1と同様にして、対照用
のポリエステル樹脂(A′)を得た。この樹脂は酸価が
23で、水酸基価が5で、軟化点が123℃で、かつ、n
が5,500なるものであった。以下、これをポリエステル
樹脂(A′−1)と略記する。
参考例6(同上) オクタフルオロヘキサンジオールの使用を一切欠如
し、かつ、1,6−ヘキサンジオールおよびネオペンチル
グリコールの使用量を、それぞれ、43部および466部に
変更した以外は、参考例4と同様にして、酸価が6で、
水酸基価が38で、軟化点が109℃で、かつ、nが4,000
なる、対照用のポリエスエル樹脂(A′)を得た。以
下、これをポリエステル樹脂(A′−2)と略記する。
実施例1〜4および比較例1,2 第1表に示されるような各成分を、同表に示されるよ
うな配合割合でドライブレンドし、次いで、常法により
押出機で混練し、冷却してから粉砕せしめて、各種の粉
体塗料を調製した。
しかるのち、それぞれの粉体塗料を、各別に、燐酸亜
鉛処理鋼板に塗布し、次いで、180℃で20分間焼付けて
各種の硬化塗膜を得た。
それぞれの塗膜について諸物性の評価を行なった処、
同表に示されるような結果が得られた。
なお、各物性の評価の要領ならびに基準は、次に示す
通りである。
平 滑 性……目視により判定 光 沢……JIS K5400の6・7項に準拠 エリクセン……JIS Z−2247に準拠 このエリクセン値が大きいほど、可撓性にすぐれること
を意味する。
耐 候 性……サンシャイン・ウェザオメーターにか
けて、1,500時間および3,000時間後の、光沢の保持率を
以て表示するが、数値の高いものほど、耐候性にすぐれ
ていることを意味する。
耐汚染性 ……赤マジックを塗布して25℃に24時間放
置したのち、石油ベンジン/エタノール=1/1(重量
比)なる混合溶剤で拭取って、赤マジックの跡が残存す
る程度を目視により判定 優秀……全く跡が残らない 良好……僅かに跡が残る 不良……完全に跡が残る 〔発明の効果〕 第1表の結果からも明らかなように、本発明の粉体塗
料用樹脂組成物は、従来型の粉体塗料用樹脂組成物を遥
かに凌駕する耐候性ならびに耐汚染性を有するものであ
ることも知れるし、加えて、種々の物性のバランスにも
すぐれるものであることも知れる。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】必須の皮膜形成性成分として、(A)ポリ
    エステル樹脂を構成している酸成分および/またはグリ
    コール成分中に、それぞれ、フルオル基を有する化合物
    の反応によって得られるふっ素含有ポリエステル樹脂
    と、(B)該ポリエステル樹脂(A)に存在する官能基
    と反応しうる硬化剤とを含んで成る、粉体塗料用ポリエ
    ステル樹脂組成物。
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