JP2733890B2 - 放電記録体 - Google Patents

放電記録体

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JP2733890B2 JP5134960A JP13496093A JP2733890B2 JP 2733890 B2 JP2733890 B2 JP 2733890B2 JP 5134960 A JP5134960 A JP 5134960A JP 13496093 A JP13496093 A JP 13496093A JP 2733890 B2 JP2733890 B2 JP 2733890B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は放電記録体に関する。さ
らに詳しくは、金属薄膜層の耐腐食性に優れた放電記録
体に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、各種の記録装置の出力用媒体
として放電記録体が使用されている。この放電記録体
は、例えば紙のような支持体の上に、カーボンブラック
等の黒色材料および結着用樹脂からなる着色層、さらに
白色顔料および結着用樹脂からなる被覆層が積層されて
いるものが一般的である。この放電記録体は、被覆層を
放電破壊することによって、下地の着色層をむき出しに
させて例えばカーボンブラック等の黒色の記録画像を形
成している。
【0003】しかし、このような構成からなる放電記録
体では、記録を行う際、被覆層を破壊するために大きな
エネルギーを要するという問題があった。また同時に、
樹脂が焦げて悪臭が発生するという問題も生じていた。
【0004】記録を行う際、大きなエネルギーを要する
という問題点を解消するために、金属の薄膜からなる被
覆層が形成された放電記録体が提案され、広く使用され
るようになった。上記被覆層は、真空蒸着等の方法によ
って形成することができる。
【0005】しかし、このような放電記録体では、被覆
層として着色層上に形成されるアルミニウム、スズ、亜
鉛、銀等の金属薄膜層が、特に高温高湿下では腐食され
やすいという問題点を有していた。このため、そのよう
な放電記録体は、過酷な環境下での使用や長期保存が必
要な用途、また乗車券、通行券等の金券等の分野で使用
されるケースは非常に少なかった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】広い分野で放電記録体
を使用するために、金属薄膜層の腐食を防止すべく、例
えは゛着色層と金属薄膜層との間に、顔料や樹脂からな
る中間層が設けられた放電記録体が提案されている。し
かしながら、この放電記録体では、記録を行う際悪臭が
発生するという問題を解決することができなかった。
【0007】また、印字後の金属薄膜層の上に腐食防止
用として樹脂層が設けられたり、粘着剤層を介して透明
フイルムが積層された放電記録体も提案されている。し
かしながら、これらの放電記録体は、新たな手間を要す
るため、人件費や材料費等のコストアップにつながると
いう新たな問題点を有するものであった。
【0008】さらに、着色層に使用される黒色材料とし
てカーボンブラックを用いずに、黒鉛が使用された放電
記録体も提案されているが、黒鉛はカーボンブラックに
比較して非常に高価なため一部の特殊な分野を除いては
採用しがたい方法である。このように、安価にかつ他の
特性を落とさずに金属薄膜からなる被覆層の耐腐食性を
向上させた放電記録体はいまだ得られていない。
【0009】本発明は上記の如き事情に鑑みなされたも
ので、高湿度、高温のような過酷な環境下においても安
定した性能を発揮できる優れた性能を有する放電記録体
を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記金属薄膜
の腐食を抑えるために、着色層に含有されているカーボ
ンブラックに残っている活性官能基が、水分により酸成
分、またはアルカリ成分として作用するために腐食が起
こると考え、鋭意研究を重ねた結果、達成されたもので
ある。すなわち、本発明の放電記録体は、着色層、およ
び金属薄膜層を支持体上に順次積層した放電記録体にお
いて、着色層中にシラン化合物を含有することにより前
記目的を達成した。
【0011】本発明の放電記録体に使用される支持体と
しては、紙、ポリオレフイン等の熱可塑性樹脂シートお
よび合成紙、金属箔、金属板、金属蒸着シート、金属繊
維シート、セラミックシート、織布、不織布さらにこれ
らの複合体等特に限定されない。
【0012】着色層はカーボンブラック、バインダー樹
脂、シラン化合物、およびその他必要に応じて用いられ
る添加物から構成されている。上記カーボンブラックと
しては、従来、導電剤、着色剤等として一般に使用され
ているものを採用することができる。具体的には、サー
マルブラック、アセチレンブラック、フアーネスブラッ
ク、チャンネルブラック、ランプブラック、黒鉛等が挙
げられ、製法、形状、組成等は特に限定されるものでは
ない。しかしながら、これらのカーボンブラックの中で
も、導電性、着色力等の品質が安定しているという理由
からフアーネスブラック、アセチレンブラックが特に好
ましい。
【0013】バインダー樹脂としては、一般にコーテイ
ングに使用される各種の樹脂の使用が可能であり、これ
らの樹脂の具体例としては、例えば、アクリル系樹脂、
ポリエステル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、スチレンー
ブタジエン共重合系樹脂、アクリロニトリルーブタジエ
ン共重合系樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂、その他
のビニル系樹脂、アミド系樹脂、酸化澱粉、カゼイン、
ポリエチレンオキサイド、ポリビニルピロリドン、シリ
コーン系樹脂、酢酸セルロース系樹脂、ニトロセルロー
ス系樹脂、アルキド樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、
ポリビニルアセタール樹脂等を単独あるいは2種以上組
み合わせて用いることができる。また、これらの共重合
系も使用可能であり、ランダム共重合系、グラフト共重
合系、ブロック共重合系等重合形態を問わない。また有
機溶剤溶液、水性エマルジョン、水溶液等の形態も問わ
ない。しかしながら、これらの樹脂の中でも記録特性等
の面から、ニトロセルロース系樹脂が最も好適である。
【0014】上記カーボンブラックとバインダー樹脂と
は任意の比率での配合が可能であるが、記録特性を考慮
すると、着色層の体積電気抵抗が1.0×108 〜1.
0×1012Ω程度となる配合比が好ましく、特にカーボ
ンブラックの樹脂との配合比率や分散程度に依存して上
記の範囲内で調整することが好ましい。
【0015】本発明においてシラン化合物としては、下
記一般式(I)で表わされるものが用いられ、アルキル
基と、加水分解性基もしくは架橋性官能基とを有するも
のである。 Rn−Si−X4-n 一般式(I) (ただし、上記式中、Rは直鎖または分枝状のアルキル
基を表し、Xはハロゲノ基、アルコキシ基 、アミノ
基、グリシジル基、カルボキシル基、ビニル基、メタク
リロイル基、水酸基、メルカプト基、イソシアネート
基、アルキル置換アミノ基およびこれらの基を有するア
ルキル基を表す。Xが複数個ある場合にはそれぞれXは
同じであっても異なっていてもよい。nは1〜4の整数
を表す。)
【0016】上記一般式(I)で表されるシラン化合物
の具体例としては、メチルトリクロロシラン、メチルジ
クロロシラン、ジメチルジクロロシラン、トリメチルク
ロロシラン、フェニルトリクロロシラン、ジフェニルジ
クロロシラン、ジメチルブチルクロロシラン、ジメチル
オクタデシルクロロシラン、メチルトリメトキシシラ
ン、ジメチルジメトキシシラン、フェニルトリメトキシ
シラン、ジフェニルジメトキシシラン、メチルトリエト
キシシラン、ジメチルジエトキシシラン、フェニルトリ
エトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン、イソブ
チルトリメトキシシラン、ヘキシルトリメトキシシラ
ン、デシルトリメトキシシラン、ヘキサデシルトリメト
キシシラン、ビニルトリクロロシラン、ビニルトリス
(βメトキシエトキシ)シラン、ビニルトリエトキシシ
ラン、ビニルトリメトキシシラン、γーメタクリロキシ
プロピルトリメトキシシラン、βー(3、4エポキシシ
クロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、γーグリシ
ドキシプロピルトリメトキシシラン、γーグリシドキシ
プロピルメチルジエトキシシラン、Nーβーアミノエチ
ルーγーアミノプロピルトリメトキシシラン、Nーβー
アミノエチルーγーアミノプロピルメチルジメトキシシ
ラン、γーアミノプロピルトリエトキシシラン、Nーフ
ェニルーγーアミノプロピルトリメトキシシラン、γー
メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γークロロプ
ロピルトリメトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラ
ン、γーアニリノプロピルトリメトキシシラン、γーウ
レイドプロピルトリエトキシシラン、トリメチルイソシ
アネート、ジメチルシリルジイソシアネート、メチルシ
リルトリイソシアネート、ビニルシニルトリイソシアネ
ート、フェニルシリルトリイソシアネート、エトキシシ
リルトリイソシアネート等が挙げられる。しかしなが
ら、これらの中でも特に炭素原子数4以上のアルキル基
を有するアルキルアルコキシシランは疎水性が大きいた
め好ましい。
【0017】さらに着色層中には、粘度特性等種々の特
性を満たすために、各種添加物を添加することが可能で
ある。乾燥されて着色層をなす塗液の粘度を調整するた
めには、例えば、シリカ、クレイ、マイカ、カオリン、
タルク、ケイソウ土、炭酸カルシウム、硫酸カルシウ
ム、ゼオライト、酸化亜鉛、二酸化チタン、アルミナ、
リトポン、サチンホワイト等の無機顔料類や、ポリスチ
レン、ポリエチレン、ポリプロピレン等の樹脂粒子の如
き有機顔料類を例示することができる。上記カーボンブ
ラック、およびシラン化合物の分散状態を調整するに
は、カチオン系、ノニオン系、アニオン系、イオネン系
等の界面活性剤を添加すると良い。さらに着色層に柔軟
性を付与するためには、リン酸エステル系、フタル酸エ
ステル系、ポリエステル系、エポキシ系等の可塑剤等を
加するとよい。
【0018】さらに、金属薄膜層を形成する金属は特に
限定されないが、アルミニウム、スズ、亜鉛、銀等が好
ましく、コスト的にはアルミニウムが好ましい。また、
被覆層の厚さとしては、アルミニウムを使用する場合、
300〜1000オングストローム、特に500〜80
0オングストロームが好ましい。300オングストロー
ムより薄いと、被覆層としての役割を果たさず、100
0オングストロームより厚いと、放電記録特性が悪くな
るおそれがあり好ましくない。
【0019】このような本発明の放電記録体は、ロール
コーテイング法、ブレードコーテイング法、スプレーコ
ーテイング法、エアナイフコーテイング法、またはロッ
ドバーコーテイング法等の方法により、支持体上に塗液
を塗布し、ついで乾燥させて着色層を設けた後、真空蒸
着、スパッタリング、CVD等の方法により金属薄膜層
を形成することによって得られる。
【0020】なお、着色層の塗布量としては1〜10g
/m2 、特に、2〜6g/m2 が好ましい。1g/m2
より少ないと、積層される着色層が薄くなり、着色層と
しての機能に支障をきたす恐れがあり、逆に10g/m
2 より多くしてもそれに伴う効果が特に得られず、着色
層が厚くなり、結果として記録体自体が厚くなるので好
ましくない。
【0021】本発明の放電記録体においては、前記のよ
うに着色層にカーボンブラックとシラン化合物とを含有
するものであるが、あらかじめカーボンブラックをシラ
ン化合物で処理しておくことが好ましい。シラン化合物
で処理されたカーボンブラックは、例えば、有機溶媒ま
たは水に、シラン化合物、カーボンブラック、および必
要に応じてその他の添加物を添加し、適度に分散させた
後、加熱して溶媒を除去させることにより得ることがで
きる。カーボンブラックを予めシラン化合物で処理する
場合、シラン化合物の添加量は、カーボンブラック10
0重量部に対して10〜300重量部が好ましく、特に
50〜200重量部が好ましい。10重量部より少ない
と期待される効果が得られないので好ましくない。ま
た、300重量部より多いと、塗液を乾燥させて溶媒を
揮発させる際、シラン化合物を介して、カーボンブラッ
クの粒子同士が凝集、固着してしまい、分散性が低下す
る恐れがあるので好ましくない。しかしながら、塗液の
保存期間について心配する必要がないため、さらに大き
な効果を得る必要が生じた場合には、より大量のシラン
化合物を使用することも可能である。
【0022】上記のように、予めシラン化合物で処理さ
れたカーボンブラックを使用すると、予めシラン化合物
処理を施さない場合と比較して、より少ないシラン化合
物の添加量で同等の効果が得られる。また、シラン化合
物をより多く使用することができることからカーボンブ
ラック表面をシラン化合物で均一に被覆することがで
き、より優れた耐腐食性を得ることができる。
【0023】なお、前記のように、水または有機溶媒に
カーボンブラック、シラン化合物、および必要に応じて
その他の添加物を添加し、その塗液を支持体上に塗布
し、その後乾燥させてカーボンブラックとシラン化合物
とを含有する着色層を形成した場合も、勿論良好な腐食
性は得ることができ、この場合のシラン化合物の添加割
合としては、カーボンブラック100重量部に対して3
0〜100重量部が好ましく、特に50〜70重量部が
好ましい。シラン化合物の添加量が30重量部より少な
いと、期待される効果が得られない。また100重量部
を超えてシラン化合物を使用すると、着色層用塗液の保
存期間が短くなるので好ましくない。
【0024】
【実施例】以下、実施例に従って本発明の放電記録体を
より詳細に説明する。なお実施例中の部数は全て重量部
を表す。
【0025】(実施例1)本実施例では、まずカーボン
ブラックを予めシラン化合物により処理し、シラン化合
物処理カーボンブラックを作製した。シラン化合物処理
カーボンブラック(以下、前処理済みカーボンブラック
と略称する。)は、以下に示される組成を有している混
合物をペイントシェーカーで1時間分散することにより
得た。
【0026】 ・カーボンブラック(キャボット社製、MONARCH700) 10部 ・n−ヘキシルトリメトキシシラン 8部 ・トルエン 50部 ・ガラスビーズ 30部 なお、上記成分をより混合させるために、ガラスビーズ
を含有させた。分散が終わった混合物からガラスビーズ
を除去し、120℃に調整された乾燥機内で3時間加熱
して溶媒を蒸発させて前処理済みカーボンブラックを得
た。
【0027】このようにして得られた前処理済みカーボ
ンブラックを使用して、以下の配合からなる着色層用塗
液を調整した。 ・前処理済みカーボンブラック 2部 ・ニトロセルロース 20部 ・トルエン 30部 ・酢酸エチル 40部
【0028】得られた着色層用塗液を、坪量65g/m
2 の上質紙である支持体上に塗布し、ついでそれらを乾
燥させて乾燥塗布量5g/m2 の着色層を設けた。次に
真空蒸着法により、着色層上に厚さ500オングストロ
ームのアルミニウム薄膜層を設けて本実施例の放電記録
体を得た。
【0029】(実施例2)シラン化合物として、メチル
トリメトキシシランを使用した以外は、実施例1と全く
同様にして本実施例の放電記録体を得た。
【0030】(実施例3)シラン化合物として、フェニ
ルトリメトキシシランを使用した以外は、実施例1と全
く同様にして本実施例の放電記録体を得た。
【0031】(実施例4)シラン化合物として、フェニ
ルトリメトキシシランを使用した以外は、実施例1と全
く同様にして本実施例の放電記録体を得た。
【0032】(実施例5)シラン化合物として、γーグ
リシドキシプロピルメチルジメトキシシランを使用した
以外は、実施例1と全く同様にして本実施例の放電記録
体を得た。
【0033】(実施例6)カーボンブラックの前処理を
行わず、着色層用塗液として下記組成よりなるものを使
用して着色層を設けた以外は、実施例1と全く同様にし
て本実施例の放電記録体を得た。その着色用塗液の組成
とは、 ・カーボンブラック(キャボット社製、MONARCH700) 2部 ・ニトロセルロース 20部 ・トルエン 30部 ・酢酸エチル 40部 ・n−ヘキシルトリメトキシシラン 3部 である。
【0034】(実施例7)カーボンブラックの前処理を
行わず、着色層用塗液として下記組成よりなる混合物を
使用して着色層を設けた以外は、実施例1と全く同様に
して本実施例の放電記録体を得た。その着色層用塗液の
組成とは、 ・カーボンブラック(キャボット社製、REGAL330R) 2部 ・ニトロセルロース 20部 ・トルエン 30部 ・酢酸エチル 40部 ・n−ヘキサデシルトリメトキシシラン 4部 である。
【0035】(比較例)着色層用塗液として下記組成の
混合物を使用した以外は、実施例1と全く同様にして比
較用の放電記録体を得た。その着色用塗液の組成とは、 ・カーボンブラック(キャボット社製、MONARCH700) 2部 ・ニトロセルロース 20部 ・トルエン 30部 ・酢酸エチル 40部 である。
【0036】以上の実施例1〜7、および比較例で得ら
れた放電記録体のアルミニウム薄膜層の腐食性試験を以
下の要領で行った。 (腐食性試験)実施例、および比較例で得られた放電記
録体を10cm×10cmの大きさに切断し、アルミニ
ウム薄膜面に水を塗った。これを30℃・80%RHの
環境下に放置して、アルミニウム薄膜面の腐食の状態を
目視で判断した。
【0037】試験の結果は表1に示した通りである。な
お、腐食がひどく、着色層の色である黒色が見える点が
多いものを×、ほとんど腐食がおきていないと確認され
るものを◎、それらの中間程度を○として表した。
【0038】 また放電記録機により上記腐食性試験後の放電記録体に
記録を行なったところ、実施例で得られた放電記録体は
全く問題なく記録できることが確認された。他方、比較
例用の放電記録体は、腐食されている部分は適切に記録
が行なわれず、実用に耐え得るものではなかった。
【0039】上記表1から、本実施例の放電記録体にか
かるアルミニウム薄膜層は、腐食されていないことが判
る。これは、着色層に含有されているシラン化合物が、
カーボンブラックが有する官能基を被覆することにより
その活性を失い、これによって上記官能基が被覆層のア
ルミニウムと接触する機会が少なくなり、腐食を生じ難
くなるためであると思われる。また、着色層中にシラン
化合物を含有することにより、カーボンブラック自体の
疎水性を高めることができるため、被覆層のアルミニウ
ムと水とが接触し難くなることにより腐食が生じ難くな
るためでもあると思われる。
【0040】しかしながら、比較例で得られた放電記録
体は、腐食がひどく進んでおり、下地の黒色が明瞭に認
められた。これはシラン化合物が着色層に用いられてい
ないためカーボンブラックの官能基が、被覆層のアルミ
ニウムに水分等の影響により作用したためであると思わ
れる。
【0041】
【発明の効果】本発明の放電記録体は、支持体上に、着
色剤としてカーボンブラックを含有する着色層、金属薄
膜層が順次積層された放電記録体において、上記着色層
がシラン化合物を含有することを特徴とするものであ
る。このような構成の放電記録体によれば、カーボンブ
ラックに残っている活性官能基を上記シラン化合物と反
応させることができるので、上記カーボンブラックの活
性官能基が水分等の影響により酸成分やアルカリ成分と
して作用するのを低減でき、金属薄膜層の耐腐食性を向
上させることができる。上記着色層において、カーボン
ブラックがシラン化合物で被覆されることによって、金
属薄膜層の腐食を抑えることができる。また、上記着色
層に含有されるカーボンブラックとして予めシラン化合
物で処理されたものを用いたものにあっては、予めシラ
ン化合物処理を施さないものを用いる場合と比較して、
より少ないシラン化合物の添加量で同等の効果が得られ
る。また、シラン化合物をより多く使用することもでき
ることからカーボンブラック表面をシラン化合物で均一
に被覆することができ、より優れた耐腐食性を得ること
ができる。したがって、本発明の放電記録体は、高湿
度、高温下のような過酷な環境下においても安定した性
能を発揮できる優れた性能を有するものである。

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 支持体上に、着色剤としてカーボンブラ
    ックを含有する着色層、金属薄膜層が順次積層された放
    電記録体において、 上記着色層がシラン化合物を含有することを特徴とする
    放電記録体。
  2. 【請求項2】 前記着色層に含有される上記カーボンブ
    ラックが、あらかじめ上記シラン化合物で処理されてい
    ることを特徴とする請求項1記載の放電記録体。
  3. 【請求項3】 前記シラン化合物が炭素原子数4以上の
    アルキル基を有するアルコキシシランであることを特徴
    とする請求項1および2記載の放電記録体。
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