JP3221344B2 - 耐候性塗装物 - Google Patents

耐候性塗装物

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JP3221344B2
JP3221344B2 JP03733397A JP3733397A JP3221344B2 JP 3221344 B2 JP3221344 B2 JP 3221344B2 JP 03733397 A JP03733397 A JP 03733397A JP 3733397 A JP3733397 A JP 3733397A JP 3221344 B2 JP3221344 B2 JP 3221344B2
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幸雄 嶋田
億雄 鍬口
和彦 中山
実 海保
修 大坪
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、耐候性塗装物に関
し、具体的には、建築用板などに用いられるのに有用な
耐候性塗装物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来の耐候性塗装物としては、例えば、
酸化チタン、弁殻、オーカーなどの無機顔料とカーボン
とを塩化ビニル樹脂やアクリル樹脂などの樹脂に分散し
た有機インクが用いられて、この有機インクにて基材の
上に絵柄層が印刷方式によって形成されたものが知られ
ていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな耐候性塗装物においては、有機インク中の樹脂が紫
外線に弱いために、長期間紫外線に晒されると、有機イ
ンクにて施された絵柄層の同有機インクが劣化して、同
有機インクの色の変化が生じ、結果として、絵柄層自体
が消失してしまう問題があった。
【0004】そこで、有機インク中の樹脂の量を減らし
て、無機顔料の割合を多くすることが考えられたが、有
機インク中の樹脂の割合が低くされることで、同有機イ
ンク中の樹脂が本来有していたインクの転移性、すなわ
ち、印刷性や印刷後の同インクの保持性が低下して、結
果的には、印刷が難しくなり、絵柄層の形成が困難なも
のとなっていた。
【0005】本発明は、上記の点に鑑みてなされたもの
であって、その目的とするところは、絵柄模様を確実に
形成することができるとともに、長期にわたって絵柄模
様を消失させることなく、同絵柄模様を保持させること
ができる耐候性塗装物を提供しようとするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の請求項1に係る
耐候性塗装物は、不揮発性固形分の全量に対して、90
重量%以上が無機顔料からなる顔料ペーストで形成され
た絵柄層(2)、および、この絵柄層(2)の上からカ
バーするように形成されたクリアーコーティング層
(4)を設け、さらに、上記顔料ペーストに増粘剤を含
有させて、同顔料ペーストの粘度を150〜300MP
a・sにしてなることを特徴とする。
【0007】本発明の請求項2に係る耐候性塗装物は、
上記増粘剤が、エチルセルロース系であり、同増粘剤の
含有量が、上記顔料ペーストの全量に対して、0.5〜
1.0重量%であることを特徴とする。
【0008】本発明の請求項3に係る耐候性塗装物は、
上記クリアーコーティング層(4)の光沢値が、60度
グロスで10以下であることを特徴とする。
【0009】本発明の請求項4に係る耐候性塗装物は、
上記クリアーコーティング層(4)が、艶消しをするフ
ッ素パウダーを含有してなるものであることを特徴とす
る。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を図面に
基いて詳しく説明する。
【0011】図1は、本発明の一実施形態に係る耐候性
塗装物を示した概略図である。図2は、本発明の一実施
形態に係る耐候性塗装物において、スーパーUVに晒し
た暴露時間と光沢残存率との関係を示した概略図であ
る。
【0012】本発明の耐候性塗装物は、図1に示すごと
く、不揮発性固形分の全量に対して、90重量%以上が
無機顔料からなる顔料ペーストで形成された絵柄層
(2)、および、この絵柄層(2)の上からカバーする
ように形成されたクリアーコーティング層(4)を設
け、さらに、上記顔料ペーストに増粘剤を含有させて、
同顔料ペーストの粘度を150〜300MPa・sにし
てなっているものである。
【0013】上記絵柄層(2)は、顔料ペーストで形成
されたものであって、この顔料ペーストは、不揮発性固
形分の全量に対して、90重量%以上が無機顔料からな
るものである。そして、この無機顔料は、例えば、溶剤
分散されているものである。
【0014】本発明は、上記顔料ペーストに増粘剤を含
有させて、同顔料ペーストの粘度を150〜300MP
a・sにしてなっているものである。このように、顔料
ペーストの粘度が設定されると、インクとしては、適度
な粘弾性が得られるので、樹脂の割合が低くなっても、
有機インク中の樹脂が本来有していたようなインクの転
移性、すなわち、印刷性を保持することができ、しか
も、印刷後の同インクの保持性が維持することができる
ものである。結果的には、印刷が簡単になり、絵柄層
(2)の形成が容易なものとなって、絵柄模様を確実に
形成することができるものである。
【0015】仮に、上記顔料ペーストの粘度が150M
Pa・s未満であると、増粘剤が少なすぎて、適度な粘
弾性が得られず、印刷性を保持することができないもの
であり、また、上記顔料ペーストの粘度が300MPa
・sを越えるものであると、増粘剤が多すぎて、粘弾性
が高くなりすぎ、かえって適度な粘弾性が得られず、印
刷性を悪くしてしまう結果となる。
【0016】上記増粘剤としては、例えば、エチルセル
ロース系のもの、メチルセルロース系のもの、ポリビニ
ルアルコール系のものなどをあげることができるが、こ
れに限定されるものではないものである。
【0017】なお、上記絵柄層(2)としては、例え
ば、図1に示すごとく、基材(1)の上に形成されるも
のである。そして、この基材(1)と上記絵柄層(2)
との間に下絵柄層(3)が設けられていてもかまわない
ものである。
【0018】上記基材(1)は、例えば、樹脂系のもの
であってもよいし、金属系のものであってもよいし、窯
業系のものであってもかまわず、特に制限されるもので
はないものである。
【0019】上記下絵柄層(3)は、特に制限されるも
のではないが、例えば、通常使用されている高耐候性の
塗料で有機物からなるものであってもかまわないもので
ある。この下絵柄層(3)に用いられる有機物として
は、例えば、アクリル樹脂などが用いられるものである
が、同下絵柄層(3)と上記基材(1)との密着性、お
よび、同下絵柄層(3)と上記絵柄層(2)や上記クリ
アーコーティング層(4)との密着性をそれぞれ確保す
ることができるものであれば、特に制限されるものでは
ないものである。
【0020】上記クリアーコーティング層(4)は、図
1に示すごとく、上記絵柄層(2)の上からカバーする
ように形成されているものである。このクリアーコーテ
ィング層(4)に用いられるものとしては、例えば、印
刷表現を崩さないように水系のエマルジョン塗料が採用
されてもかまわないし、その他通常使用されている高耐
候性の塗料であってもかまわないものである。そして、
このクリアーコーティング層(4)には、同クリアーコ
ーティング層(4)の傷付きなどを防止するために、シ
リカ、アルミナ、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化鉄などの
透明性のあるフィラーを含有させてもかまわないもので
ある。
【0021】なお、上記クリアーコーティング層(4)
として、無機物を用い、その無機物が、 一般式 (R1 m Si(OR2 4-m (式中、R1 は各々メチル基、エチル基又はフェニル基
を表し、R2 は各々炭素数1〜8のアルキル基を表す。
mは0,1又は2である。)で表されるケイ素化合物及
び/又はその部分加水分解物を主成分とするケイ素アル
コキシド系コーティング剤から成るものであると、この
クリアーコーティング層(4)によって、絵柄層(2)
がより一層確実に保護されて、結果として、長期にわた
って絵柄模様をより一層確実に消失させることなく、同
絵柄模様をより一層確実に保持させることができるもの
となり、好ましいものである。
【0022】同様に、上記クリアーコーティング層
(4)として、無機物を用い、その無機物が、 (a)一般式 (R3 n SiX4-n (式中、R3 は各々置換もしくは非置換の炭素数1〜8
の1価の炭化水素基を表し、Xは加水分解性基を表す。
nは0〜3の整数である。)で表される加水分解性オル
ガノシランを、有機溶媒及び/又は水に分散されたコロ
イド状シリカ中で部分加水分解してなる、オルガノシラ
ンのシリカ分散オリゴマー溶液と、 (b)平均組成式 (R4 d Si(OH)e
(4-d-e)/2 (式中、R4 は各々置換もしくは非置換の炭素数1〜8
の1価の炭化水素基を表し、dおよびeはそれぞれ0.
2≦d≦2.0、0.0001≦e≦3、d+e<4の
関係を満たす数である。)で表される、分子中にシラノ
ール基を含有するポリオルガノシロキサンと、(c)硬
化触媒の、(a)、(b)、(c)の3成分を必須成分
として含有するケイ素アルコキシド系コーティング剤か
ら成るものであると、このクリアーコーティング層
(4)によって、絵柄層(2)がより一層確実に保護さ
れて、結果として、長期にわたって絵柄模様をより一層
確実に消失させることなく、同絵柄模様をより一層確実
に保持させることができるものとなり、好ましいもので
ある。
【0023】本発明は、このような構成をとることによ
って、顔料ペーストに増粘剤を含有させて、同顔料ペー
ストの粘度を150〜300MPa・sにしてなるの
で、インクとしては、適度な粘弾性が得られるため、樹
脂の割合が低くなっても、有機インク中の樹脂が本来有
していたようなインクの転移性、すなわち、印刷性を保
持することができ、しかも、印刷後の同インクの保持性
を維持することができるものである。結果的には、印刷
が簡単になり、絵柄層(2)の形成が容易なものとなっ
て、絵柄模様を確実に形成することができるものであ
る。
【0024】一方、絵柄層(2)の上からカバーするよ
うに形成されたクリアーコーティング層(4)によっ
て、インクの転移後、すなわち、印刷後の同インクの保
持性が補われるとともに、長期間紫外線などに晒された
としても、このクリアーコーティング層(4)によっ
て、絵柄層(2)が保護されて、同絵柄層(2)が劣化
することがなくなり、結果として、長期にわたって絵柄
模様を消失させることなく、同絵柄模様を保護すること
ができるものとなる。
【0025】すなわち、本発明は、絵柄模様を確実に形
成することができるとともに、長期にわたって絵柄模様
を消失させることなく、同絵柄模様を保持させることが
できるものである。
【0026】特に、上記増粘剤が、エチルセルロース系
であり、同増粘剤の含有量が、上記顔料ペーストの全量
に対して、0.5〜1.0重量%であると、エチルセル
ロース系の増粘剤によって、従来有機インクに含まれて
いた樹脂の代わりに、少量であっても確実に粘弾性を付
与することができ、しかも、エチルセルロース系の増粘
剤の含有量が、顔料ペーストの全量に対して、0.5〜
1.0重量%であることにより、インクとしては、適度
な粘弾性が得られるため、樹脂の割合が低くなっても、
有機インク中の樹脂が本来有していたようなインクの転
移性、すなわち、印刷性を保持することができ、しか
も、印刷後の同インクの保持性が維持することができる
ものである。結果的には、印刷が確実に簡単になり、絵
柄層(2)の形成が確実に容易なものとなって、絵柄模
様をより一層確実に形成することができるものとなる。
【0027】仮に、上記エチルセルロース系の増粘剤の
含有量が、顔料ペーストの全量に対して、0.5重量%
未満であると、このエチルセルロース系の増粘剤が少な
すぎて、適度な粘弾性が得られず、印刷性を保持するこ
とができないものであり、また、上記エチルセルロース
系の増粘剤の含有量が、顔料ペーストの全量に対して、
1.0重量%を越えるものであると、このエチルセルロ
ース系の増粘剤が多すぎて、粘弾性が高くなりすぎ、か
えって適度な粘弾性が得られず、印刷性を悪くしてしま
う結果となる。
【0028】また、上記クリアーコーティング層(4)
の光沢値が、60度グロスで10以下であると、クリア
ーコーティング層(4)としては光沢減少率の割合が小
さくなり、同クリアーコーティング層(4)自体の劣化
が目立つことなく、長期間同じ外観を呈することができ
るものである。
【0029】図2のB線に示すごとく、初期の光沢値が
高いほど、光沢減少率の割合が大きく、性能上で問題が
ないものの、外観上での劣化の差が大きくなって、より
一層劣化したように外観上での印象を与えるが、同図2
のA線に示すごとく、初期の光沢値をできるだけ低くし
た場合、光沢減少率の割合が小さくなり、劣化が目立つ
ことがなくなり、長期間同じ外観を呈することができる
ものである。
【0030】さらに、上記クリアーコーティング層
(4)が、艶消しをするフッ素パウダーを含有してなる
ものであると、このフッ素パウダーであることで、クリ
アーコーティング層(4)の表面に浮かせやすく、クリ
アーコーティング層(4)の光沢値を効果的に60度グ
ロスで10以下にすることができ、結果として、クリア
ーコーティング層(4)としては光沢減少率の割合が確
実に小さくなり、同クリアーコーティング層(4)自体
の劣化が確実に目立つことなく、長期間同じ外観を確実
に呈することができるものである。
【0031】また、上記フッ素パウダーは、上記クリア
ーコーティング層(4)の表面にフィラーなどが露出し
た場合であっても、耐酸性、耐アルカリ性ともに良好な
性状を示すことができるものであり、クリアーコーティ
ング層(4)の表面に浮かせやすいために、添加量とし
ても少量で済むものである。それから、上記フッ素パウ
ダーは、フィラーの撥水作用により耐水性の向上が行い
やすく、同フッ素パウダーは、耐溶剤性が良いために、
溶剤型無機塗料に添加しても、膨潤などすることなく、
良好な艶消し性を示し、かつ、耐水性を悪化させないも
のである。
【0032】
【実施例】以下、本発明の実施例および比較例をあげ
る。
【0033】なお、本発明は、これらの実施例のみに限
定されないのは言うまでもない。 (実施例1)基材(1)の上に下絵柄層(3)を設け、
さらに、この下絵柄層(3)の上に、不揮発性固形分の
全量に対して、90重量%が無機顔料からなる顔料ペー
ストで形成された絵柄層(2)を設けた。
【0034】なお、上記顔料ペーストには、エチルセル
ロース系の増粘剤を含有させて、同増粘剤の含有量を上
記顔料ペーストの全量に対して、0.5重量%とした。
この際の印刷性は良好であり、印刷後のインク保持性も
良好であった。
【0035】この絵柄層(2)を設けた基材(1)にス
ーパーUVを300hr照射してから、退色性の評価と
して色差計にて色差を調べた。その結果、退色性は、△
E=0.34であった。
【0036】(実施例2)基材(1)の上に下絵柄層
(3)を設け、さらに、この下絵柄層(3)の上に、不
揮発性固形分の全量に対して、95重量%が無機顔料か
らなる顔料ペーストで形成された絵柄層(2)を設け
た。
【0037】なお、上記顔料ペーストには、エチルセル
ロース系の増粘剤を含有させて、同増粘剤の含有量を上
記顔料ペーストの全量に対して、0.7重量%とした。
この際の印刷性は良好であり、印刷後のインク保持性も
良好であった。
【0038】この絵柄層(2)を設けた基材(1)にス
ーパーUVを300hr照射してから、退色性の評価と
して色差計にて色差を調べた。その結果、退色性は、△
E=0.51であった。
【0039】(実施例3)基材(1)の上に下絵柄層
(3)を設け、さらに、この下絵柄層(3)の上に、不
揮発性固形分の全量に対して、100重量%が無機顔料
からなる顔料ペーストで形成された絵柄層(2)を設け
た。
【0040】なお、上記顔料ペーストには、エチルセル
ロース系の増粘剤を含有させて、同増粘剤の含有量を上
記顔料ペーストの全量に対して、0.9〜1.0重量%
とした。この際の印刷性は良好であり、印刷後のインク
保持性も良好であった。
【0041】この絵柄層(2)を設けた基材(1)にス
ーパーUVを300hr照射してから、退色性の評価と
して色差計にて色差を調べた。その結果、退色性は、△
E=0.49であった。
【0042】(比較例1)基材(1)の上に下絵柄層
(3)を設け、さらに、この下絵柄層(3)の上に、不
揮発性固形分の全量に対して、40重量%が無機顔料か
らなる顔料ペーストで形成された絵柄層(2)を設け
た。
【0043】この際の印刷性は良好であり、印刷後のイ
ンク保持性も良好であった。この絵柄層(2)を設けた
基材(1)にスーパーUVを300hr照射してから、
退色性の評価として色差計にて色差を調べた。その結
果、退色性は、△E=2.31であった。
【0044】(比較例2)基材(1)の上に下絵柄層
(3)を設け、さらに、この下絵柄層(3)の上に、不
揮発性固形分の全量に対して、90重量%が無機顔料か
らなる顔料ペーストで形成された絵柄層(2)を設け
た。
【0045】この際の印刷性は不良であり、印刷性が不
良なため、印刷後のインク保持性と退色性は不明であっ
た。
【0046】以下に、上述した実施例1〜3と比較例1
〜2とで、得られた結果を表1にまとめておいた。
【0047】
【表1】
【0048】なお、この表1では、印刷性とインク保持
性とにおいて、良好な場合を○とし、不良な場合を×と
し、不明な場合を━とした。
【0049】この表1にみられるように、実施例1〜3
と比較例1〜2とをそれぞれ比べてみると、実施例1〜
3のものは、印刷性とインク保持性とは良好な状態を維
持しており、しかも、退色性においては、実施例1〜3
のものが比較例のものと比べてはるかに良くなってお
り、インクとしては、適度な粘弾性が得られるため、樹
脂の割合が低くなっても、有機インク中の樹脂が本来有
していたようなインクの転移性、すなわち、印刷性を保
持することができ、しかも、印刷後の同インクの保持性
を維持することができるものであるといえる。結果的に
は、印刷が簡単になり、絵柄層(2)の形成が容易なも
のとなって、絵柄模様を確実に形成することができるも
のであるといえる。
【0050】一方、絵柄層(2)の上からカバーするよ
うに形成されたクリアーコーティング層(4)によっ
て、インクの転移後、すなわち、印刷後の同インクの保
持性が補われるとともに、長期間紫外線などに晒された
としても、このクリアーコーティング層(4)によっ
て、絵柄層(2)が保護されて、同絵柄層(2)が劣化
することがなくなり、結果として、長期にわたって絵柄
模様を消失させることなく、同絵柄模様を保護すること
ができるものとなるといえる。
【0051】すなわち、本発明は、絵柄模様を確実に形
成することができるとともに、長期にわたって絵柄模様
を消失させることなく、同絵柄模様を保持させることが
できるものであるといえる。
【0052】(実施例4)実施例1と同様にして、絵柄
層(2)を設けて、この絵柄層(2)の上からカバーす
るようにクリアーコーティング層(4)を形成した。そ
の際、上記クリアーコーティング層(4)には、艶消し
をするフッ素パウダーを100重量部当たり1重量部含
有させておいた。
【0053】この結果、クリアーコーティング層(4)
の光沢値が、60度グロスで8となり、一週間後で8を
維持し、三ヵ月後でも7を維持した。
【0054】この実施例4より、フッ素パウダーである
ことで、クリアーコーティング層(4)の表面に浮かせ
やすく、クリアーコーティング層(4)の光沢値を効果
的に60度グロスで10以下にすることができ、結果と
して、クリアーコーティング層(4)としては光沢減少
率の割合が確実に小さくなり、同クリアーコーティング
層(4)自体の劣化が確実に目立つことなく、長期間同
じ外観を確実に呈することができるものであるといえ
る。
【0055】
【発明の効果】本発明の請求項1に係る耐候性塗装物に
よると、顔料ペーストに増粘剤を含有させて、同顔料ペ
ーストの粘度を150〜300MPa・sにしてなるの
で、インクとしては、適度な粘弾性が得られるため、樹
脂の割合が低くなっても、有機インク中の樹脂が本来有
していたようなインクの転移性、すなわち、印刷性を保
持することができ、しかも、印刷後の同インクの保持性
を維持することができるものである。結果的には、印刷
が簡単になり、絵柄層(2)の形成が容易なものとなっ
て、絵柄模様を確実に形成することができるものであ
る。
【0056】一方、絵柄層(2)の上からカバーするよ
うに形成されたクリアーコーティング層(4)によっ
て、インクの転移後、すなわち、印刷後の同インクの保
持性が補われるとともに、長期間紫外線などに晒された
としても、このクリアーコーティング層(4)によっ
て、絵柄層(2)が保護されて、同絵柄層(2)が劣化
することがなくなり、結果として、長期にわたって絵柄
模様を消失させることなく、同絵柄模様を保護すること
ができるものとなる。
【0057】すなわち、本発明は、絵柄模様を確実に形
成することができるとともに、長期にわたって絵柄模様
を消失させることなく、同絵柄模様を保持させることが
できるものである。
【0058】本発明の請求項2に係る耐候性塗装物によ
ると、請求項1記載の場合に加えて、エチルセルロース
系の増粘剤によって、従来有機インクに含まれていた樹
脂の代わりに、少量であっても確実に粘弾性を付与する
ことができ、しかも、エチルセルロース系の増粘剤の含
有量が、顔料ペーストの全量に対して、0.5〜1.0
重量%であることにより、インクとしては、適度な粘弾
性が得られるため、樹脂の割合が低くなっても、有機イ
ンク中の樹脂が本来有していたようなインクの転移性、
すなわち、印刷性を保持することができ、しかも、印刷
後の同インクの保持性が維持することができるものであ
る。結果的には、印刷が確実に簡単になり、絵柄層
(2)の形成が確実に容易なものとなって、絵柄模様を
より一層確実に形成することができるものとなる。
【0059】本発明の請求項3に係る耐候性塗装物によ
ると、請求項1または請求項2記載の場合に加えて、ク
リアーコーティング層(4)としては光沢減少率の割合
が小さくなり、同クリアーコーティング層(4)自体の
劣化が目立つことなく、長期間同じ外観を呈することが
できるものである。
【0060】本発明の請求項4に係る耐候性塗装物によ
ると、請求項1ないし請求項3何れか記載の場合に加え
て、フッ素パウダーであることで、クリアーコーティン
グ層(4)の表面に浮かせやすく、クリアーコーティン
グ層(4)の光沢値を効果的に60度グロスで10以下
にすることができ、結果として、クリアーコーティング
層(4)としては光沢減少率の割合が確実に小さくな
り、同クリアーコーティング層(4)自体の劣化が確実
に目立つことなく、長期間同じ外観を確実に呈すること
ができるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る耐候性塗装物を示し
た概略図である。
【図2】本発明の一実施形態に係る耐候性塗装物におい
て、スーパーUVに晒した暴露時間と光沢残存率との関
係を示した概略図である。
【符号の説明】
2 絵柄層 4 クリアーコーティング層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 中山 和彦 大阪府門真市大字門真1048番地松下電工 株式会社内 (72)発明者 海保 実 大阪府門真市大字門真1048番地松下電工 株式会社内 (72)発明者 大坪 修 大阪府門真市大字門真1048番地松下電工 株式会社内 (56)参考文献 特開 昭62−110783(JP,A) 特開 昭62−74477(JP,A) 特開 昭63−137772(JP,A) 特開 平4−323271(JP,A) 特開 平7−292122(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B05D 1/00 - 7/26

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 不揮発性固形分の全量に対して、90重
    量%以上が無機顔料からなる顔料ペーストで形成された
    絵柄層、および、この絵柄層の上からカバーするように
    形成されたクリアーコーティング層を設け、さらに、上
    記顔料ペーストに増粘剤を含有させて、同顔料ペースト
    の粘度を150〜300MPa・sにしてなることを特
    徴とする耐候性塗装物。
  2. 【請求項2】 上記増粘剤が、エチルセルロース系であ
    り、同増粘剤の含有量が、上記顔料ペーストの全量に対
    して、0.5〜1.0重量%であることを特徴とする請
    求項1記載の耐候性塗装物。
  3. 【請求項3】 上記クリアーコーティング層の光沢値
    が、60度グロスで10以下であることを特徴とする請
    求項1または請求項2記載の耐候性塗装物。
  4. 【請求項4】 上記クリアーコーティング層が、艶消し
    をするフッ素パウダーを含有してなるものであることを
    特徴とする請求項1ないし請求項3何れか記載の耐候性
    塗装物。
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