JPH0671219A - 防汚性被膜の形成方法 - Google Patents
防汚性被膜の形成方法Info
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- JPH0671219A JPH0671219A JP27069192A JP27069192A JPH0671219A JP H0671219 A JPH0671219 A JP H0671219A JP 27069192 A JP27069192 A JP 27069192A JP 27069192 A JP27069192 A JP 27069192A JP H0671219 A JPH0671219 A JP H0671219A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 合成樹脂エマルジョン被膜の汚れをコロイド
珪酸の薄膜により防止する方法を提供する。 【構成】 ガラス転移点が30℃以下の合成樹脂水性エ
マルジョンと顔料とからなり臨界顔料容積濃度以下の被
覆用組成物を基材に被覆して形成した乾燥被膜の上に、
平均粒子径が100nm以下のコロイド珪酸の水性分散
液を塗布して被膜の表面にコロイド珪酸被膜を形成する
ことを特徴とする、防汚性被膜の形成方法である。
珪酸の薄膜により防止する方法を提供する。 【構成】 ガラス転移点が30℃以下の合成樹脂水性エ
マルジョンと顔料とからなり臨界顔料容積濃度以下の被
覆用組成物を基材に被覆して形成した乾燥被膜の上に、
平均粒子径が100nm以下のコロイド珪酸の水性分散
液を塗布して被膜の表面にコロイド珪酸被膜を形成する
ことを特徴とする、防汚性被膜の形成方法である。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、塗料表面の防汚染性を
高めた防汚性被膜の形成方法に関し、特に汚れの付着し
やすいガラス転移点が30℃以下の合成樹脂水性エマル
ジョンと顔料とからなり臨界顔料容積濃度以下の被覆用
組成物の被覆上にコロイド珪酸被膜を形成する防汚性被
膜の形成方法に関する。
高めた防汚性被膜の形成方法に関し、特に汚れの付着し
やすいガラス転移点が30℃以下の合成樹脂水性エマル
ジョンと顔料とからなり臨界顔料容積濃度以下の被覆用
組成物の被覆上にコロイド珪酸被膜を形成する防汚性被
膜の形成方法に関する。
【0002】
【従来の技術】合成樹脂水性エマルジョンをバインダー
とした水性エマルジョン塗料は有機溶剤系塗料とは異な
り、火災の危険や、毒性あるいは環境汚染の問題となる
有機溶剤を含まないことにより、内・外装用塗料として
広く使用されている。しかしながら、水性エマルジョン
塗料は、その塗膜表面に汚れが付着しやすいという欠点
があった。水性エマルジョン塗料は、その乾燥によりエ
マルジョン中の合成樹脂粒子を連続相とする必要から、
一般にガラス転移点が30℃以下の合成樹脂水性エマル
ジョンがバインダーとして用いられ、この軟らかな樹脂
表面に汚れが付着しやすく、また一度付着した汚れは落
ちにくいものであった。ガラス転移点が高い合成樹脂の
水性エマルジョン塗料も知られているが、合成樹脂粒子
を連続相とするために高温での乾燥が必要であるため、
工場でのライン塗装には使用されるが、一般の塗装では
加熱乾燥が困難なため使用することは出来なかった。ま
た、塗料中の顔料の量(顔料容積濃度)を非常に多く
し、塗膜に適度なチョウキングを起こさせ、降雨による
洗浄作用を利用し、白色度を維持するセルフクリーニン
グ方法が提案されている。しかし、この方法では、白色
以外は色むらが生じ使用出来ないこと、光沢のある塗膜
が得られないこと、浸蝕速度が速いこと、他の色調の面
を白色で汚染すること、適度なチョウキング速度に塗料
を配合することは困難であること、などの実用上多くの
問題があり満足出来るものではない。これらの事情か
ら、汚れが付着しやすく、汚れが目に付き易い外装用の
塗料としては、水性エマルジョン塗料は使用されること
が少なく、一般的には問題は多くとも有機溶剤系塗料が
使用されているのが現状である。
とした水性エマルジョン塗料は有機溶剤系塗料とは異な
り、火災の危険や、毒性あるいは環境汚染の問題となる
有機溶剤を含まないことにより、内・外装用塗料として
広く使用されている。しかしながら、水性エマルジョン
塗料は、その塗膜表面に汚れが付着しやすいという欠点
があった。水性エマルジョン塗料は、その乾燥によりエ
マルジョン中の合成樹脂粒子を連続相とする必要から、
一般にガラス転移点が30℃以下の合成樹脂水性エマル
ジョンがバインダーとして用いられ、この軟らかな樹脂
表面に汚れが付着しやすく、また一度付着した汚れは落
ちにくいものであった。ガラス転移点が高い合成樹脂の
水性エマルジョン塗料も知られているが、合成樹脂粒子
を連続相とするために高温での乾燥が必要であるため、
工場でのライン塗装には使用されるが、一般の塗装では
加熱乾燥が困難なため使用することは出来なかった。ま
た、塗料中の顔料の量(顔料容積濃度)を非常に多く
し、塗膜に適度なチョウキングを起こさせ、降雨による
洗浄作用を利用し、白色度を維持するセルフクリーニン
グ方法が提案されている。しかし、この方法では、白色
以外は色むらが生じ使用出来ないこと、光沢のある塗膜
が得られないこと、浸蝕速度が速いこと、他の色調の面
を白色で汚染すること、適度なチョウキング速度に塗料
を配合することは困難であること、などの実用上多くの
問題があり満足出来るものではない。これらの事情か
ら、汚れが付着しやすく、汚れが目に付き易い外装用の
塗料としては、水性エマルジョン塗料は使用されること
が少なく、一般的には問題は多くとも有機溶剤系塗料が
使用されているのが現状である。
【0003】
【発明が解決使用とする課題】有機溶剤を使用すること
がなく、ガラス転移点が30℃以下の合成樹脂水性エマ
ルジョンと顔料とからなり臨界顔料容積濃度以下の被覆
用組成物を用い、汚れが付着しにくく、また汚れが付着
しても汚れが落ちやすく、外装用として充分に使用出来
る防汚性被膜の形成方法が強く求められていた。
がなく、ガラス転移点が30℃以下の合成樹脂水性エマ
ルジョンと顔料とからなり臨界顔料容積濃度以下の被覆
用組成物を用い、汚れが付着しにくく、また汚れが付着
しても汚れが落ちやすく、外装用として充分に使用出来
る防汚性被膜の形成方法が強く求められていた。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、汚れが付
着しにくく、また汚れが付着しても汚れが落ちやすい防
汚性被膜の形成方法について鋭意研究を重ねた結果、被
覆用組成物を基材に被覆し、その上にコロイド珪酸の水
性分散液を塗布して被膜の表面にコロイド珪酸被膜を形
成することにより、汚れが付着しにくく、また汚れが付
着しても汚れが落ちやすいことを見出した。
着しにくく、また汚れが付着しても汚れが落ちやすい防
汚性被膜の形成方法について鋭意研究を重ねた結果、被
覆用組成物を基材に被覆し、その上にコロイド珪酸の水
性分散液を塗布して被膜の表面にコロイド珪酸被膜を形
成することにより、汚れが付着しにくく、また汚れが付
着しても汚れが落ちやすいことを見出した。
【0005】本発明は、 「1. ガラス転移点が30℃以下の合成樹脂水性エマ
ルジョンと顔料とからなり臨界顔料容積濃度以下の被覆
用組成物を基材に被覆して形成した乾燥被膜の上に、平
均粒子径が100nm以下のコロイド珪酸の水性分散液
を塗布して被膜の表面にコロイド珪酸被膜を形成するこ
とを特徴とする、防汚性被膜の形成方法。 2. コロイド珪酸が、水酸化アンモニウム安定型コロ
イド珪酸である、1項に記載された防汚性被膜の形成方
法。 3. コロイド珪酸の水性分散液が濃度5重量%以下で
ある、1項または2項に記載された防汚性被膜の形成方
法。 4. コロイド珪酸の水性分散液が表面張力低下剤およ
び/または増粘剤を添加した分散液である、1項ないし
3項のいずれか1項に記截された防汚性被膜の形成方
法。 5. コロイド珪酸の被膜着量が0.1〜5g/m2で
ある、1項ないし4項のいずれか1項に記載された防汚
性被膜の形成方法。 6. コロイド珪酸の粒子径が5〜20nmである、1
項ないし5項のいずれか1項に記載された防汚性被膜の
形成方法。」 に関する。
ルジョンと顔料とからなり臨界顔料容積濃度以下の被覆
用組成物を基材に被覆して形成した乾燥被膜の上に、平
均粒子径が100nm以下のコロイド珪酸の水性分散液
を塗布して被膜の表面にコロイド珪酸被膜を形成するこ
とを特徴とする、防汚性被膜の形成方法。 2. コロイド珪酸が、水酸化アンモニウム安定型コロ
イド珪酸である、1項に記載された防汚性被膜の形成方
法。 3. コロイド珪酸の水性分散液が濃度5重量%以下で
ある、1項または2項に記載された防汚性被膜の形成方
法。 4. コロイド珪酸の水性分散液が表面張力低下剤およ
び/または増粘剤を添加した分散液である、1項ないし
3項のいずれか1項に記截された防汚性被膜の形成方
法。 5. コロイド珪酸の被膜着量が0.1〜5g/m2で
ある、1項ないし4項のいずれか1項に記載された防汚
性被膜の形成方法。 6. コロイド珪酸の粒子径が5〜20nmである、1
項ないし5項のいずれか1項に記載された防汚性被膜の
形成方法。」 に関する。
【0006】
【作用】本発明に使用される基材に被覆する被覆用組成
物としては、ガラス転移点が30℃以下の合成樹脂水性
エマルジョンと顔料とからなり臨界顔料容積濃度以下の
被覆用組成物が使用される。ガラス転移点が30℃以下
の合成樹脂水性エマルジョンの合成樹脂としては水性被
覆用組成物に使用されている合成樹脂が使用され、特に
限定されないが、例えば、アクリル系樹脂、スチレン・
アクリル系樹脂、酢酸ビニル系樹脂、酢酸ビニル・α位
分岐飽和カルボン酸ビニルエステル系樹脂、エチレン・
酢酸ビニル系樹脂などが挙げられる。顔料としては、従
来より塗料用に使用されている顔料、体質顔料が使用さ
れ特に限定されない。
物としては、ガラス転移点が30℃以下の合成樹脂水性
エマルジョンと顔料とからなり臨界顔料容積濃度以下の
被覆用組成物が使用される。ガラス転移点が30℃以下
の合成樹脂水性エマルジョンの合成樹脂としては水性被
覆用組成物に使用されている合成樹脂が使用され、特に
限定されないが、例えば、アクリル系樹脂、スチレン・
アクリル系樹脂、酢酸ビニル系樹脂、酢酸ビニル・α位
分岐飽和カルボン酸ビニルエステル系樹脂、エチレン・
酢酸ビニル系樹脂などが挙げられる。顔料としては、従
来より塗料用に使用されている顔料、体質顔料が使用さ
れ特に限定されない。
【0007】本発明で使用する被覆組成物は臨界顔料容
積濃度以下の組成物である。塗膜はバインダーポリマー
の連続相に顔料粒子が分散したいわゆる海/島構造を形
成する。しかし、顔料の配合量が増加して臨界値を越え
るとバインダーポリマーが顔料粒子間の空隙を充填出来
なくなって塗膜に未充填空隙が存在するようになる。こ
の限界値が臨界顔料容積濃度と呼ばれる。
積濃度以下の組成物である。塗膜はバインダーポリマー
の連続相に顔料粒子が分散したいわゆる海/島構造を形
成する。しかし、顔料の配合量が増加して臨界値を越え
るとバインダーポリマーが顔料粒子間の空隙を充填出来
なくなって塗膜に未充填空隙が存在するようになる。こ
の限界値が臨界顔料容積濃度と呼ばれる。
【0008】顔料容積濃度(PVC)は
【0009】
【数1】
【0010】で計算される。ガラス転移点が30℃以下
の最も使用し易い合成樹脂が連続層となり顔料粒子が分
散した臨界顔料容積濃度以下の被覆用組成物のチョーキ
ングの発生しない被覆表面が特に汚れ付着の問題が生じ
る。
の最も使用し易い合成樹脂が連続層となり顔料粒子が分
散した臨界顔料容積濃度以下の被覆用組成物のチョーキ
ングの発生しない被覆表面が特に汚れ付着の問題が生じ
る。
【0011】また、本発明に使用されるコロイド珪酸の
水性分散液は、二酸化珪素が平均粒子径100nm以下
の微細なコロイド粒子として水中に懸濁している水性分
散液であり、安定剤としてNaOH、LiOH、KOH
またはNH4OHが添加されている。コロイド珪酸の水
性分散液は、珪酸ナトリウム水溶液をイオン交換樹脂層
に通しイオン交換する方法、珪酸アルカリの水溶液に徐
々に濃塩酸を加え中和する方法、四ハロゲン化珪素を水
中に加え反応する方法などの方法により得られる。
水性分散液は、二酸化珪素が平均粒子径100nm以下
の微細なコロイド粒子として水中に懸濁している水性分
散液であり、安定剤としてNaOH、LiOH、KOH
またはNH4OHが添加されている。コロイド珪酸の水
性分散液は、珪酸ナトリウム水溶液をイオン交換樹脂層
に通しイオン交換する方法、珪酸アルカリの水溶液に徐
々に濃塩酸を加え中和する方法、四ハロゲン化珪素を水
中に加え反応する方法などの方法により得られる。
【0012】本発明の防汚性被膜の形成方法には、特に
NH4OHが添加された水酸化アンモニウム安定型コロ
イド珪酸が優れている。本発明の防汚性被膜の形成方法
は、前述のガラス転移点が30℃以下の合成樹脂水性エ
マルジョンと顔料とからなり臨界顔料容積濃度以下の被
覆用組成物を基材に被覆し、その上に前述のコロイド珪
酸の水性分散液を塗布して被膜の表面にコロイド珪酸被
覆を形成する方法である。
NH4OHが添加された水酸化アンモニウム安定型コロ
イド珪酸が優れている。本発明の防汚性被膜の形成方法
は、前述のガラス転移点が30℃以下の合成樹脂水性エ
マルジョンと顔料とからなり臨界顔料容積濃度以下の被
覆用組成物を基材に被覆し、その上に前述のコロイド珪
酸の水性分散液を塗布して被膜の表面にコロイド珪酸被
覆を形成する方法である。
【0013】被覆用組成物を基材に被覆する手段及びコ
ロイド珪酸の水性分散液を塗布する手段は、従来の塗料
を塗布する手段で行なわれる。例えば、スプレー、ハ
ケ、ローラーなどを用いて行なわれる。コロイド珪酸の
水性分散液の塗布は、被覆用組成物を基材に被覆し表面
乾燥後、汚れの付着する前に行なう。被覆用組成物の被
覆後、表面乾燥前に塗布しても防汚性が得られない。
ロイド珪酸の水性分散液を塗布する手段は、従来の塗料
を塗布する手段で行なわれる。例えば、スプレー、ハ
ケ、ローラーなどを用いて行なわれる。コロイド珪酸の
水性分散液の塗布は、被覆用組成物を基材に被覆し表面
乾燥後、汚れの付着する前に行なう。被覆用組成物の被
覆後、表面乾燥前に塗布しても防汚性が得られない。
【0014】本発明の防汚性被膜の最外層は無機のコロ
イド珪酸被膜が形成されているので、表面に汚れの付着
が起こりにくい。また、コロイド珪酸被膜には、帯電防
止効果もあり、静電気による汚れの付着が起こらない。
外装用などの汚れの付着を妨げられない場合でも、被膜
の表層にあるコロイド珪酸粒子は容易に剥落するため、
降雨や水洗等により被膜の表層にあるコロイド珪酸粒子
とともに付着した汚れを洗浄することが出来る。
イド珪酸被膜が形成されているので、表面に汚れの付着
が起こりにくい。また、コロイド珪酸被膜には、帯電防
止効果もあり、静電気による汚れの付着が起こらない。
外装用などの汚れの付着を妨げられない場合でも、被膜
の表層にあるコロイド珪酸粒子は容易に剥落するため、
降雨や水洗等により被膜の表層にあるコロイド珪酸粒子
とともに付着した汚れを洗浄することが出来る。
【0015】更に、コロイド珪酸被膜は透明性があり、
着量は極めて少量でよいため、基材に被覆した被覆層の
光沢や色彩を損なうことがない、などの優れた効果が奏
される。コロイド珪酸の水性分散液中のコロイド粒子の
粒子径としては、100nm以下のものが使用され、粒
子径は小さいものほど防汚性に優れており、特に20〜
5nmのものが良い。粒子径が100nmを越えると表
面の平滑性が失われるためか防汚性が得られない。
着量は極めて少量でよいため、基材に被覆した被覆層の
光沢や色彩を損なうことがない、などの優れた効果が奏
される。コロイド珪酸の水性分散液中のコロイド粒子の
粒子径としては、100nm以下のものが使用され、粒
子径は小さいものほど防汚性に優れており、特に20〜
5nmのものが良い。粒子径が100nmを越えると表
面の平滑性が失われるためか防汚性が得られない。
【0016】塗布するコロイド珪酸の水分散液の濃度は
5重量%以下、好ましくは1〜2重量%の希薄な水性分
散液として使用する。コロイド珪酸の着量は、0.1〜
5g/m2の少量を均一に塗布することが良い。濃度が
10重量%以上のコロイド珪酸の水性分散液を塗布した
り、着量を7g/m2以上としたりするとコロイド珪酸
被膜の平滑さが失われるためか、防汚性が得られない。
5重量%以下、好ましくは1〜2重量%の希薄な水性分
散液として使用する。コロイド珪酸の着量は、0.1〜
5g/m2の少量を均一に塗布することが良い。濃度が
10重量%以上のコロイド珪酸の水性分散液を塗布した
り、着量を7g/m2以上としたりするとコロイド珪酸
被膜の平滑さが失われるためか、防汚性が得られない。
【0017】また、コロイド珪酸の着量が多くなると、
基材に被覆した被覆層の光沢が低下したり、色彩を損な
う原因となり好ましくない。コロイド珪酸の塗布ムラが
出来ると汚れの付着は多くなるため、コロイド珪酸の水
性分散液は均一に塗布することが必要である。コロイド
珪酸は表面張力が大きく、ハジキを生じやすいため、希
薄な水性分散液を塗布し、基材に被覆した被覆層上でハ
ジキを生じ塗布ムラが生じる場合は、均一な塗布が行な
えるようにコロイド珪酸の希薄な水性分散液に表面張力
低下剤および/または増粘剤が加えられる。
基材に被覆した被覆層の光沢が低下したり、色彩を損な
う原因となり好ましくない。コロイド珪酸の塗布ムラが
出来ると汚れの付着は多くなるため、コロイド珪酸の水
性分散液は均一に塗布することが必要である。コロイド
珪酸は表面張力が大きく、ハジキを生じやすいため、希
薄な水性分散液を塗布し、基材に被覆した被覆層上でハ
ジキを生じ塗布ムラが生じる場合は、均一な塗布が行な
えるようにコロイド珪酸の希薄な水性分散液に表面張力
低下剤および/または増粘剤が加えられる。
【0018】表面張力低下剤としては、各種界面活性剤
やメタノール、エタノールなどの低級アルコールが使用
される。また、増粘剤としては、ポリビニルアルコー
ル、ポリアクリル酸塩、セルロース誘導体、アルギン酸
塩、カゼインなどの水溶性高分子化合物が使用される。
本発明の防汚性被膜の形成を行なう基材としては、被覆
用組成物を被覆できる基材であれば良い。特に建築物の
内・外壁面が対象となり、汚れが付着しやすく、汚れが
目に着き易い建築物外壁面に防汚性被膜の形成するのに
適している。
やメタノール、エタノールなどの低級アルコールが使用
される。また、増粘剤としては、ポリビニルアルコー
ル、ポリアクリル酸塩、セルロース誘導体、アルギン酸
塩、カゼインなどの水溶性高分子化合物が使用される。
本発明の防汚性被膜の形成を行なう基材としては、被覆
用組成物を被覆できる基材であれば良い。特に建築物の
内・外壁面が対象となり、汚れが付着しやすく、汚れが
目に着き易い建築物外壁面に防汚性被膜の形成するのに
適している。
【0019】
【実施例】次に、実施例をあげて本発明を具体的に説明
する。 実施例1 下記の組成の白色被覆用組成物を製造した。 バインダー ガラス転移点が−20℃のアクリル系合成樹脂水性エマルジョン (固形分濃度50重量%) 220重量部 顔料・フイラー 酸化チタン 220重量部 炭酸カルシウム 100重量部 クレー 140重量部 添加剤 分散剤(濃度20%) 14重量部 湿潤剤 10重量部 増粘剤(濃度2%) 155重量部 消泡剤 5重量部 中和剤(濃度14%) 4重量部 水 132重量部 この被覆組成物の顔料容積濃度(PVC)は59%であ
り、このバインダー、顔料組成における臨界顔料容積濃
度(CPVC)は75%であった。(臨界顔料容積濃度
は、顔料容積濃度を変えた塗膜の引張破断強度を測定
し、引張破断強度の最大値を示す顔料容積濃度を臨界点
とし、臨界顔料容積濃度とした。) コロイド珪酸の水性分散液としては、平均粒子径が10
nm、固形分濃度20重量%の水酸化アンモニウム安定
型コロイド珪酸の水性分散液を水で希釈し、固形分濃度
2重量%として使用した。300mm×300mm×3
mmのスレート板に上記白色被覆用組成物をハケ塗りで
2回塗りしトータルで300g/m2塗布し、1日放置
し乾燥後、固形分濃度2重量%水酸化アンモニウム安定
型コロイド珪酸の水性分散液を20g/m2ハケ塗り
(被膜着量0.4g/m2)して防汚性被膜を形成し
た。防汚性被膜を形成した試料2枚を作成し、1枚を保
存板とし、1枚を屋外に1年間暴露し汚染レベルを次の
方法により求めた。保存板の白色度と暴露板の白色度を
カラーメーター(東京電色社製 カラーエースモデル
TCA−I)により測定し、保存版の白色度と暴露板の
白色度の比(R)を求め、
する。 実施例1 下記の組成の白色被覆用組成物を製造した。 バインダー ガラス転移点が−20℃のアクリル系合成樹脂水性エマルジョン (固形分濃度50重量%) 220重量部 顔料・フイラー 酸化チタン 220重量部 炭酸カルシウム 100重量部 クレー 140重量部 添加剤 分散剤(濃度20%) 14重量部 湿潤剤 10重量部 増粘剤(濃度2%) 155重量部 消泡剤 5重量部 中和剤(濃度14%) 4重量部 水 132重量部 この被覆組成物の顔料容積濃度(PVC)は59%であ
り、このバインダー、顔料組成における臨界顔料容積濃
度(CPVC)は75%であった。(臨界顔料容積濃度
は、顔料容積濃度を変えた塗膜の引張破断強度を測定
し、引張破断強度の最大値を示す顔料容積濃度を臨界点
とし、臨界顔料容積濃度とした。) コロイド珪酸の水性分散液としては、平均粒子径が10
nm、固形分濃度20重量%の水酸化アンモニウム安定
型コロイド珪酸の水性分散液を水で希釈し、固形分濃度
2重量%として使用した。300mm×300mm×3
mmのスレート板に上記白色被覆用組成物をハケ塗りで
2回塗りしトータルで300g/m2塗布し、1日放置
し乾燥後、固形分濃度2重量%水酸化アンモニウム安定
型コロイド珪酸の水性分散液を20g/m2ハケ塗り
(被膜着量0.4g/m2)して防汚性被膜を形成し
た。防汚性被膜を形成した試料2枚を作成し、1枚を保
存板とし、1枚を屋外に1年間暴露し汚染レベルを次の
方法により求めた。保存板の白色度と暴露板の白色度を
カラーメーター(東京電色社製 カラーエースモデル
TCA−I)により測定し、保存版の白色度と暴露板の
白色度の比(R)を求め、
【0020】
【数2】
【0021】白色度の比(R)により汚染レベルを5段
階とした。 実施例1の汚染レベルは、汚染レベル=1であった。
階とした。 実施例1の汚染レベルは、汚染レベル=1であった。
【0022】実施例2 実施例1において使用した水酸化アンモニウム安定型コ
ロイド珪酸の水性分散液の代わりに水酸化ナトリウム安
定型コロイド珪酸の水性分散液を使用した以外は、実施
例1と同様に防汚性被膜を形成した。実施例1と同様に
汚染レベルを求めたところ汚染レベル=2であった。
ロイド珪酸の水性分散液の代わりに水酸化ナトリウム安
定型コロイド珪酸の水性分散液を使用した以外は、実施
例1と同様に防汚性被膜を形成した。実施例1と同様に
汚染レベルを求めたところ汚染レベル=2であった。
【0023】実施例3 実施例1において使用した平均粒子径10nmの水酸化
アンモニウム安定型コロイド珪酸の水性分散液の代わり
に平均粒子径50nmの水酸化アンモニウム安定型コロ
イド珪酸の水性分散液を使用した以外は、実施例1と同
様に防汚性被膜を形成した。実施例1と同様に汚染レベ
ルを求めたところ汚染レベル=4であったが、暴露板の
表面に水をかけて簡単な水洗を行なうと汚染レベル=2
となった。
アンモニウム安定型コロイド珪酸の水性分散液の代わり
に平均粒子径50nmの水酸化アンモニウム安定型コロ
イド珪酸の水性分散液を使用した以外は、実施例1と同
様に防汚性被膜を形成した。実施例1と同様に汚染レベ
ルを求めたところ汚染レベル=4であったが、暴露板の
表面に水をかけて簡単な水洗を行なうと汚染レベル=2
となった。
【0024】実施例4 実施例1において使用した固形分濃度2重量%の水酸化
アンモニウム安定型コロイド珪酸の水性分散液の代わり
に固形分濃度10重量%の水酸化アンモニウム安定型コ
ロイド珪酸の水性分散液を用い、被膜着量を7g/m2
とした以外は、実施例1と同様に防汚性被膜を形成し
た。実施例1と同様に汚染レベルを求めたところ汚染レ
ベル=5であったが、暴露板の表面に水をかけて簡単な
水洗を行なうと汚染レベル=3となった。
アンモニウム安定型コロイド珪酸の水性分散液の代わり
に固形分濃度10重量%の水酸化アンモニウム安定型コ
ロイド珪酸の水性分散液を用い、被膜着量を7g/m2
とした以外は、実施例1と同様に防汚性被膜を形成し
た。実施例1と同様に汚染レベルを求めたところ汚染レ
ベル=5であったが、暴露板の表面に水をかけて簡単な
水洗を行なうと汚染レベル=3となった。
【0025】比較例1 実施例1において使用したガラス転移点が−20℃のア
クリル系合成樹脂水性エマルジョンの代わりにガラス転
移点が50℃のアクリル系合成樹脂水性エマルジョンを
使用した白色組成物は、スレート板に塗布して1日放置
し乾燥しても被覆膜は形成されなかった。造膜助剤をガ
ラス転移点が50℃のアクリル系合成樹脂水性エマルル
ジョンに多量に加えて行なったが、被覆膜にクラックが
生じ、室温乾燥では均一な被覆膜は形成されなかった。
クリル系合成樹脂水性エマルジョンの代わりにガラス転
移点が50℃のアクリル系合成樹脂水性エマルジョンを
使用した白色組成物は、スレート板に塗布して1日放置
し乾燥しても被覆膜は形成されなかった。造膜助剤をガ
ラス転移点が50℃のアクリル系合成樹脂水性エマルル
ジョンに多量に加えて行なったが、被覆膜にクラックが
生じ、室温乾燥では均一な被覆膜は形成されなかった。
【0026】比較例2 実施例1においてスレート板に実施例1で使用した白色
被覆用組成物を塗布しただけで水酸化アンモニウム安定
型コロイド珪酸の水性分散液を使用せずに、実施例1同
様に汚染レベルを求めたところ汚染レベル=5であっ
た。暴露板の表面を水洗しても汚れは落ちず汚染レベル
=5のままであった。
被覆用組成物を塗布しただけで水酸化アンモニウム安定
型コロイド珪酸の水性分散液を使用せずに、実施例1同
様に汚染レベルを求めたところ汚染レベル=5であっ
た。暴露板の表面を水洗しても汚れは落ちず汚染レベル
=5のままであった。
【0027】実施例5 下記の組成の光沢白色被覆用組成物を製造した。 バインダー ガラス転移点が10℃のアクリル系合成樹脂水性エマルジョン (固形分濃度50重量%) 533重量部 顔料・フイラー 酸化チタン 287重量部 添加剤 分散剤(濃度20%) 10重量部 湿潤剤 38重量部 増粘剤(濃度3%) 30重量部 消泡剤 2.5重量部 中和剤(濃度28%) 1量部 水 98.5重量部 この被覆組成物の顔料容積濃度(PVC)は22%であ
り、このバインダー、顔料組成における臨界顔料容積濃
度(CPVC)は70%であった。コロイド珪酸の水性
分散液としては、平均粒子径が15nm、固形分濃度2
0重量%の水酸化アンモニウム安定型コロイド珪酸の水
性分散液100重量部にメタノールの20重量%水溶液
10重量部を加えて均一に混合し水で希釈し、固形分濃
度3重量%として使用した。300mm×300mm×
3mmのスレート板に上記白色被覆用組成物をスプレー
で2回塗工しトータルで250g/m2塗布し1日放置
し乾燥後、固形分濃度3重量%水酸化アンモニウム安定
型コロイド珪酸の水性分散液を30g/m2スプレー塗
布(被膜着量0.9g/m2)して防汚性被膜を形成し
た。コロイド珪酸の水性分散液を塗布前の被覆の光沢は
75であり、塗布後の光沢は77でほとんど変わらなか
った。実施例1と同様に汚染レベルを求めたところ汚染
レベル=1であった。
り、このバインダー、顔料組成における臨界顔料容積濃
度(CPVC)は70%であった。コロイド珪酸の水性
分散液としては、平均粒子径が15nm、固形分濃度2
0重量%の水酸化アンモニウム安定型コロイド珪酸の水
性分散液100重量部にメタノールの20重量%水溶液
10重量部を加えて均一に混合し水で希釈し、固形分濃
度3重量%として使用した。300mm×300mm×
3mmのスレート板に上記白色被覆用組成物をスプレー
で2回塗工しトータルで250g/m2塗布し1日放置
し乾燥後、固形分濃度3重量%水酸化アンモニウム安定
型コロイド珪酸の水性分散液を30g/m2スプレー塗
布(被膜着量0.9g/m2)して防汚性被膜を形成し
た。コロイド珪酸の水性分散液を塗布前の被覆の光沢は
75であり、塗布後の光沢は77でほとんど変わらなか
った。実施例1と同様に汚染レベルを求めたところ汚染
レベル=1であった。
【0028】実施例6 実施例5において使用したメタノール20重量%水溶液
10重量部の代わりにスルホコハク酸系アニオン界面活
性剤の10重量%水溶液10重量部を用いた以外は、実
施例1と同様に防汚性被膜を形成した。実施例1と同様
に汚染レベルを求めたところ汚染レベル=1であった。
10重量部の代わりにスルホコハク酸系アニオン界面活
性剤の10重量%水溶液10重量部を用いた以外は、実
施例1と同様に防汚性被膜を形成した。実施例1と同様
に汚染レベルを求めたところ汚染レベル=1であった。
【0029】実施例7 実施例5において使用したメタノール20重量%水溶液
10重量部の代わりにポリビニルアルコールの10重量
%水溶液20重量部を用いた以外は、実施例1と同様に
防汚性被膜を形成した。実施例1と同様に汚染レベルを
求めたところ汚染レベル=1であった。
10重量部の代わりにポリビニルアルコールの10重量
%水溶液20重量部を用いた以外は、実施例1と同様に
防汚性被膜を形成した。実施例1と同様に汚染レベルを
求めたところ汚染レベル=1であった。
【0030】実施例8 実施例5において使用した水酸化アンモニウウ安定型コ
ロイド珪酸の水性分散液の代わりに平均粒子径15nm
の水酸化ナトリウム安定型コロイド珪酸の水性分散液を
使用した以外は、実施例5と同様に防汚性被膜を形成し
た。実施例1と同様に汚染レベルを求めたところ汚染レ
ベル=2であった。
ロイド珪酸の水性分散液の代わりに平均粒子径15nm
の水酸化ナトリウム安定型コロイド珪酸の水性分散液を
使用した以外は、実施例5と同様に防汚性被膜を形成し
た。実施例1と同様に汚染レベルを求めたところ汚染レ
ベル=2であった。
【0031】比較例3 実施例5においてスレート板に実施例5で使用した光沢
白色被覆用組成物を塗布しただけで水酸化アンモニウム
安定型コロイド珪酸の水性分散液を使用せずに、実施例
5と同様に汚染レベルを求めたところ汚染レベル=5で
あった。暴露板の表面を水洗しても汚れは落ちず汚染レ
ベル=5のままであった。
白色被覆用組成物を塗布しただけで水酸化アンモニウム
安定型コロイド珪酸の水性分散液を使用せずに、実施例
5と同様に汚染レベルを求めたところ汚染レベル=5で
あった。暴露板の表面を水洗しても汚れは落ちず汚染レ
ベル=5のままであった。
【0032】比較例4 実施例5において使用した平均粒子径15nm、固形分
濃度20重量%の水酸化アンモニウム安定型コロイド珪
酸の水性分散液の代わりに平均粒子径が120nm、固
形分濃度20重量%の水酸化ナトリウム安定型コロイド
珪酸の水性分散液を使用した以外は、実施例5と同様に
防汚性被膜を形成した。コロイド珪酸の水性分散液を塗
布前の被覆の光沢は75であり、塗布後の光沢は約40
となり、光沢はほとんど失われてしまった。実施例1と
同様に汚染レベルを求めたところ汚染レベル=5であっ
た。
濃度20重量%の水酸化アンモニウム安定型コロイド珪
酸の水性分散液の代わりに平均粒子径が120nm、固
形分濃度20重量%の水酸化ナトリウム安定型コロイド
珪酸の水性分散液を使用した以外は、実施例5と同様に
防汚性被膜を形成した。コロイド珪酸の水性分散液を塗
布前の被覆の光沢は75であり、塗布後の光沢は約40
となり、光沢はほとんど失われてしまった。実施例1と
同様に汚染レベルを求めたところ汚染レベル=5であっ
た。
【0033】実施例9 下記の組成の灰色被覆用組成物を製造した。 バインダー ガラス転移点が0℃のアクリル・スチレン系合成樹脂水性エマルジョン (固形分濃度46重量%) 500重量部 顔料・フイラー 酸化鉄黒 13.5重量部 酸化チタン 82重量部 炭酸カルシウム 270重量部 添加剤 分散剤(濃度20%) 10重量部 増粘剤(濃度2%) 34重量部 消泡剤 3.5重量部 中和剤(濃度10%) 5重量部 水 82重量部 この被覆組成物の顔料容積濃度(PVC)は37%であ
り、このバインダー、顔料組成における臨界顔料容積濃
度(CPVC)は65%であった。コロイド珪酸の水性
分散液としては、平均粒子径が10nm、固形分濃度2
0重量%の水酸化アンモニウム安定型コロイド珪酸の水
性分散液を水で希釈し、固形分濃度3重量%として使用
した。300mm×300mm×3mmのスレート板に
上記灰色被覆用組成物をスプレーで2回塗工しトータル
で300g/m2塗布し、1日放置し乾燥後、固形分濃
度3重量%水酸化アンモニウム安定型コロイド珪酸の水
性分散液を30g/m2ハケ塗り(被膜着量0.9g/
m2)して防汚性被膜を形成した。コロイド珪酸の水性
分散液を塗布前の被覆の色調と塗布後の色調とは全く変
わらず肉眼では識別出来なかった。実施例1と同様に1
年間の暴露を行なったが、汚れの付着は少なく保存板と
の色調とは全く変わらず肉眼では識別出来なかった。
り、このバインダー、顔料組成における臨界顔料容積濃
度(CPVC)は65%であった。コロイド珪酸の水性
分散液としては、平均粒子径が10nm、固形分濃度2
0重量%の水酸化アンモニウム安定型コロイド珪酸の水
性分散液を水で希釈し、固形分濃度3重量%として使用
した。300mm×300mm×3mmのスレート板に
上記灰色被覆用組成物をスプレーで2回塗工しトータル
で300g/m2塗布し、1日放置し乾燥後、固形分濃
度3重量%水酸化アンモニウム安定型コロイド珪酸の水
性分散液を30g/m2ハケ塗り(被膜着量0.9g/
m2)して防汚性被膜を形成した。コロイド珪酸の水性
分散液を塗布前の被覆の色調と塗布後の色調とは全く変
わらず肉眼では識別出来なかった。実施例1と同様に1
年間の暴露を行なったが、汚れの付着は少なく保存板と
の色調とは全く変わらず肉眼では識別出来なかった。
【0034】実施例10 実施例9において使用した水酸化アンモニウム安定型コ
ロイド珪酸の水性分散液の代わりに平均粒子径15nm
の水酸化ナトリウム安定型コロイド珪酸の水性分散液を
使用した以外は、実施例9と同様に防汚性被膜を形成し
た。実施例1と同様に1年間の暴露を行なったが、汚れ
の付着は少なく保存板との色調とは全く変わらず肉眼で
は識別出来なかった。
ロイド珪酸の水性分散液の代わりに平均粒子径15nm
の水酸化ナトリウム安定型コロイド珪酸の水性分散液を
使用した以外は、実施例9と同様に防汚性被膜を形成し
た。実施例1と同様に1年間の暴露を行なったが、汚れ
の付着は少なく保存板との色調とは全く変わらず肉眼で
は識別出来なかった。
【0035】比較例5 実施例9においてスレート板に実施例9で使用した灰色
被覆用組成物を塗布しただけで水酸化アンモニウム安定
型コロイド珪酸の水性分散液を使用せずに、実施例9と
同様に1年間の暴露を行なったが、汚れの付着が多く、
暴露板の表面を水洗しても汚れは落ちず色調の差は肉眼
でも明らかであった。
被覆用組成物を塗布しただけで水酸化アンモニウム安定
型コロイド珪酸の水性分散液を使用せずに、実施例9と
同様に1年間の暴露を行なったが、汚れの付着が多く、
暴露板の表面を水洗しても汚れは落ちず色調の差は肉眼
でも明らかであった。
【0036】比較例6 実施例9において灰色被覆用組成物のうち顔料組成の量
を多くし、 バインダー(固形分濃度46重量%) 100重量部 顔料組成 300重量部 とすることにより、臨界顔料容積濃度(CPVC)は6
5%以上の顔料容積濃度(PVC)70%の灰色被覆用
組成物を得た。スレート板に上記灰色被覆用組成物を塗
布した試料を実施例9と同様に1年間の暴露を行なっ
た。暴露板の表面の汚れの付着は少なかったが、チョー
キングを起こして色調の差は肉眼でも明らかであった。
を多くし、 バインダー(固形分濃度46重量%) 100重量部 顔料組成 300重量部 とすることにより、臨界顔料容積濃度(CPVC)は6
5%以上の顔料容積濃度(PVC)70%の灰色被覆用
組成物を得た。スレート板に上記灰色被覆用組成物を塗
布した試料を実施例9と同様に1年間の暴露を行なっ
た。暴露板の表面の汚れの付着は少なかったが、チョー
キングを起こして色調の差は肉眼でも明らかであった。
【0037】
【発明の効果】本発明は合成樹脂エマルジョン被覆の汚
れをコロイド珪酸の薄膜を形成して防止するものであ
り、水がかかると汚れは簡単に除去される効果が奏され
る。
れをコロイド珪酸の薄膜を形成して防止するものであ
り、水がかかると汚れは簡単に除去される効果が奏され
る。
Claims (6)
- 【請求項1】 ガラス転移点が30℃以下の合成樹脂水
性エマルジョンと顔料とからなり臨界顔料容積濃度以下
の被覆用組成物を基材に被覆して形成した乾燥被膜の上
に、平均粒子径が100nm以下のコロイド珪酸の水性
分散液を塗布して被膜の表面にコロイド珪酸被膜を形成
することを特徴とする、防汚性被膜の形成方法。 - 【請求項2】 コロイド珪酸が、水酸化アンモニウム安
定型コロイド珪酸である、請求項1に記載された防汚性
被膜の形成方法。 - 【請求項3】 コロイド珪酸の水性分散液が濃度5重量
%以下である、請求項1または2に記載された防汚性被
膜の形成方法。 - 【請求項4】 コロイド珪酸の水性分散液が表面張力低
下剤および/または増粘剤を添加した分散液である、請
求項1ないし3のいずれか1項に記載された防汚性被膜
の形成方法。 - 【請求項5】 コロイド珪酸の被膜着量が0.1〜5g
/m2である、請求項1ないし4のいずれか1項に記載
された防汚性被膜の形成方法。 - 【請求項6】 コロイド珪酸の粒子径が5〜20nmで
ある、請求項1ないし5のいずれか1項に記載された防
汚性被膜の形成方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP27069192A JPH0671219A (ja) | 1992-08-28 | 1992-08-28 | 防汚性被膜の形成方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP27069192A JPH0671219A (ja) | 1992-08-28 | 1992-08-28 | 防汚性被膜の形成方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0671219A true JPH0671219A (ja) | 1994-03-15 |
Family
ID=17489615
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP27069192A Pending JPH0671219A (ja) | 1992-08-28 | 1992-08-28 | 防汚性被膜の形成方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0671219A (ja) |
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US6235340B1 (en) | 1998-04-10 | 2001-05-22 | Massachusetts Institute Of Technology | Biopolymer-resistant coatings |
US7592062B2 (en) | 2004-09-29 | 2009-09-22 | Nichiha Corporation | Stain-proofing agent and building board |
US7749950B2 (en) | 2005-07-29 | 2010-07-06 | Nichiha Corporation | Stain-proofing agent and building board using same |
JP2011057844A (ja) * | 2009-09-10 | 2011-03-24 | Himeno Innovec Kk | 可撓性被膜を形成する水性組成物 |
US20230074256A1 (en) * | 2021-09-09 | 2023-03-09 | Pioneer Astronautics | Dust repellent silica and titania coatings |
-
1992
- 1992-08-28 JP JP27069192A patent/JPH0671219A/ja active Pending
Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US6235340B1 (en) | 1998-04-10 | 2001-05-22 | Massachusetts Institute Of Technology | Biopolymer-resistant coatings |
US7592062B2 (en) | 2004-09-29 | 2009-09-22 | Nichiha Corporation | Stain-proofing agent and building board |
US7749950B2 (en) | 2005-07-29 | 2010-07-06 | Nichiha Corporation | Stain-proofing agent and building board using same |
JP2011057844A (ja) * | 2009-09-10 | 2011-03-24 | Himeno Innovec Kk | 可撓性被膜を形成する水性組成物 |
US20230074256A1 (en) * | 2021-09-09 | 2023-03-09 | Pioneer Astronautics | Dust repellent silica and titania coatings |
US12043746B2 (en) * | 2021-09-09 | 2024-07-23 | Voyager Space Ip Holdings, Llc | Dust repellent silica and titania coatings |
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