JP2732264B2 - 無段変速機の油圧制御装置 - Google Patents
無段変速機の油圧制御装置Info
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Description
本発明は、車両用のベルト式無段変速機の油圧制御装
置に関し、詳しくは、油圧制御系にドレンポート付のソ
レノイド弁を設けた場合の、ソレノイド弁の配置構造に
関する。
置に関し、詳しくは、油圧制御系にドレンポート付のソ
レノイド弁を設けた場合の、ソレノイド弁の配置構造に
関する。
従来、無段変速機の油圧制御系は、例えば特開昭54−
157930号公報に示すように、ライン圧調整弁でライン圧
制御し、変速比制御弁で変速制御することをベースにし
た構成になっている。
157930号公報に示すように、ライン圧調整弁でライン圧
制御し、変速比制御弁で変速制御することをベースにし
た構成になっている。
ところで、上記先行技術のものは、必要最小限のバル
ブ構成であり、このためライン圧や変速の制御も必要最
小限の特性で行われる。しかし実際には、ライン圧制御
は伝達トルクに応じて適正化し、変速制御も走行フィー
リングに合ったものにする必要があり、このため他に種
々の手段やバルブが付加される。 ここで油圧制御系に、電気信号で切換動作または制御
油圧を生じるドレンポート付のソレノイド弁が設けられ
ることがあり、この場合にソレノイド弁は形状に大きい
ため設置場所が問題になる。また、ドレンポートを油面
下にすると、特に低温時にドレンポートに背圧が作用し
てドレンが制限され、応答性の悪化を招く。このことか
ら、かかるソレノイド弁は設置場所等に対し工夫するこ
とが望まれる。 本発明は、かかる点に鑑みてなされたもので、その目
的とするところは、油圧制御系にドレンポート付ソレノ
イド弁を設けた場合のソレノイド弁の配置を、スペース
の有効利用で適切化することが可能な無段変速機の油圧
制御装置を提供することにある。
ブ構成であり、このためライン圧や変速の制御も必要最
小限の特性で行われる。しかし実際には、ライン圧制御
は伝達トルクに応じて適正化し、変速制御も走行フィー
リングに合ったものにする必要があり、このため他に種
々の手段やバルブが付加される。 ここで油圧制御系に、電気信号で切換動作または制御
油圧を生じるドレンポート付のソレノイド弁が設けられ
ることがあり、この場合にソレノイド弁は形状に大きい
ため設置場所が問題になる。また、ドレンポートを油面
下にすると、特に低温時にドレンポートに背圧が作用し
てドレンが制限され、応答性の悪化を招く。このことか
ら、かかるソレノイド弁は設置場所等に対し工夫するこ
とが望まれる。 本発明は、かかる点に鑑みてなされたもので、その目
的とするところは、油圧制御系にドレンポート付ソレノ
イド弁を設けた場合のソレノイド弁の配置を、スペース
の有効利用で適切化することが可能な無段変速機の油圧
制御装置を提供することにある。
上記目的を達成するため、本発明の油圧制御装置は、
無段変速機の油圧制御系にドレンポート付ソレノイド弁
を有するものにおいて、上記ソレノイド弁を、バルブブ
ロック上に締結するとともに無段変速機ケースとプーリ
との間に生ずる空きスペースに設置し、上記ソレノイド
弁の上記ドレンポートを、少なくとも水平状態の油面上
に露出するように設置するものである。
無段変速機の油圧制御系にドレンポート付ソレノイド弁
を有するものにおいて、上記ソレノイド弁を、バルブブ
ロック上に締結するとともに無段変速機ケースとプーリ
との間に生ずる空きスペースに設置し、上記ソレノイド
弁の上記ドレンポートを、少なくとも水平状態の油面上
に露出するように設置するものである。
上記構成に基づき、無段変速機の油圧制御系の比較的
形状の大きいソレノイド弁は、バルブブロックに取付け
た状態でプーリ外周の開きスペースにコンパクトに配設
される。そしてソレノイド弁のドレンポートは、油面上
に水平に露出して背圧を受けないことで、常に応答よく
ドレンして切換動作等を行うようになる。
形状の大きいソレノイド弁は、バルブブロックに取付け
た状態でプーリ外周の開きスペースにコンパクトに配設
される。そしてソレノイド弁のドレンポートは、油面上
に水平に露出して背圧を受けないことで、常に応答よく
ドレンして切換動作等を行うようになる。
以下、本発明の実施例を図面に基づいて具体的に説明
する。 第1図において、フロントエンジン・フロントドライ
ブ(FF)ベースの横置きトランスアクスル型で電磁粉式
クラッチを組合わせたベルト式無段変速機について説明
する。 符号1は電磁粉式クラッチ、2は前後進切換装置、3
は無段変速機、4はフロントデフ装置である。そしてク
ラッチハウジング6の一方に電磁粉式クラッチ1が収容
され、そのクラッチハウジング6の他方と、そこに接合
されるメインケース7,更にメインケース7のクラッチハ
ウジング6と反対側に接合されるサイドケース8の内部
に、前後進切換装置2,無段変速機3,フロントデフ装置4
が収容される。 電磁粉式クラッチ1は、エンジンのクランク軸10にド
ライブプレート11を介して一体結合するリング状のドラ
イブメンバ12,変速機入力軸13に回転方向に一体的にス
プライン結合するディスク状のドリブンメンバ14を有す
る。そしてドリブンメンバ14の外周部側にコイル15が内
蔵されて、両メンバ12,14の間に円周に沿いギャップ16
が形成され、このギャップ16に電磁粉を有する。またコ
イル15を具備するドリブンメンバ14のハブ部のスリップ
リング18には、給電用ブラシ19が摺接し、スリップリン
グ18から更にドリブンメンバ14内部を通りコイル15に結
線されてクラッチ電流回路が構成されている。 こうして、コイル15にクラッチ電流を流すと、ギャッ
プ16を介してドライブおよびドリブンメンバ12,14の間
に生じる磁力線により、そのギャップ16に電磁粉が鎖状
に結合して集積し、これによる結合力でドライブメンバ
12に対しドリブンメンバ14が滑りながら一体結合して、
クラッチ接続状態になる。一方、クラッチ電流をカット
すると、電磁粉によるドライブおよびドリブンメンバ1
2,14の結合力が消失してクラッチ切断状態になる。そし
てこの場合のクラッチ電流の制御を、前後進切換装置2
の操作に連動して行うようにすれば、P(パーキング)
またはN(ニュートラル)レンジから前進のD(ドライ
ブ),Ds(スポーティドライブ)または後退のR(リバ
ース)レンジへの切換え時に自動的にクラッチ1が接断
して、クラッチペダル操作が不要になる。 次いで前後進切換装置2は、上記クラッチ1からの入
力軸13と、これに同軸上に配置されたプライマリ軸20と
の間に設けられる。即ち、入力軸13に前進被係合側を兼
ねた後進用ドライブギヤ21が形成され、プライマリ軸20
には後進用被係合側のギヤ22が回転自在に嵌合してあ
り、これらのギヤ21,22が、軸23で支持されたカウンタ
ギヤ24,軸25で支持されたアイドラギヤ26を介して噛合
い構成される。そしてプライマリ軸20とギヤ21および22
との間に、切換機構27が設けられる。ここで常時噛合っ
ている上記ギヤ21,24,26,22は、クラッチ1のコイル15
を有するドリブンメンバ14に連結しており、クラッチ切
断時のこの部分の慣性マスが比較的大きい点に対応して
切換機構27は、プライマリ軸20のハブ28にスプライン嵌
合するスリーブ29が、シンクロ機構30,31を介して各ギ
ヤ21,22に噛合い結合するように構成されている。 これによりPまたはNレンジの中立位置では、切換機
構27のスリーブ29がハブ28とのみ嵌合して、プライマリ
軸20が入力軸13から切離される。次いでスリーブ29を、
シンクロ機構30を介してギヤ21側に噛合わすと、入力軸
13に対しプライマリ軸20が直結してDまたはDsレンジの
前進状態になる。一方、スリーブ29を、逆にシンクロ機
構31を介してギヤ22側に噛合わせると、入力軸13はギヤ
21,24,26,22を介してプライマリ軸20に連結され、エン
ジン動力が減速逆転してRレンジの後進状態になる。 無段変速機3は、上記プライマリ軸20に対しセカンダ
リ軸35が平行配置され、これらの両軸20,35にそれぞれ
プライマリプーリ36,セカンダリプーリ37が設けられ、
かつ両プーリ36,37の間にエンドレスの駆動ベルト34が
掛け渡してある。プライマリプーリ36,セカンダリプー
リ37はいずれも2分割に構成され、一方の固定プーリ36
a,37aに対し、他方の可動プーリ36b,37bがプーリ間隔を
可変にすべく移動可能にされ、可動プーリ36b,37bに
は、それ自体ピストンを兼ねた油圧サーボ装置38,39が
付設され、更にセカンダリプーリ37の可動プーリ37bに
は、プーリ間隔を狭くする方向にスプリング40が付勢さ
れている。 また油圧制御系として、作動源のオイルポンプ41がプ
ライマリプーリ36の隣りに設置される。このオイルポン
プ41は、高圧用のギヤポンプであり、ポンプ駆動軸42
が、プライマリプーリ36,プライマリ軸20および入力軸1
3の内部を貫通してクランク軸10に直結し、エンジン運
転中、常に油圧を生じるようになっている。そしてこの
オイルポンプ41の油圧を制御して、各油圧サーボ装置3
8,39に給排油し、プライマリプーリ36とセカンダリプー
リ37のプーリ間隔を逆の関係に変化して、駆動ベルト34
のプーリ36,37におけるプーリ比を無段階に変換し、無
段変速した動力をセカンダリ軸35に出力する。 フロントデフ装置4は、上記無段変速機3の高速段側
最小プーリ比が、例えば0.5と非常に小さく、このため
セカンダリ軸35の回転数が大きい点に鑑み、セカンダリ
軸35に対し1組の中間減速ギヤ43a,43bを介して出力軸4
4が連結される。そしてこの出力軸44のドライブギヤ45
に、ファイナルギヤ46が噛合い、ファイナルギヤ46から
差動機構47を介して左右の前輪の車軸48a,48bに伝動構
成される。 第2図において、無段変速機3の油圧制御系について
説明すると、プライマリ油圧サーボ装置38において、プ
ライマリ軸20と一体的なシリンダ38aに可動プーリ36bが
嵌合し、シリンダ38a内に給,排油することによるプラ
イマリ圧を生じる。またセカンダリ油圧サーボ装置39に
おいても、セカンダリ軸35と一体的なシリンダ39aに可
動プーリ37bが嵌合し、シリンダ39a内にライン圧が導入
される。ここで可動プーリ37bに比べて可動プーリ36bの
方が、受圧面積が大きくなっており、プライマリ圧のみ
による変速制御を可能にしている。 そして油溜70からオイルポンプ41により汲み上げられ
たオイルは、油路71aを介してライン圧調整弁90に導か
れ、油路71aから分岐するライン圧の油路71bが、セカン
ダリシリンダ39aに常にライン圧を導入すべく連通す
る。油路71aから分岐する油路71cは変速比制御弁100に
連通し、この変速比制御弁100とプライマシリンダ38aと
の間に油路72が連通する。またプライマリシリンダ38a
の個所には、クラッチ係合後の変速制御において、エン
ジン回転数に応じた制御圧としてのピトー圧を取出すピ
トー圧センサ73が設置され、このピトー圧センサ73から
のピトー圧が、油路74を介してライン圧調整弁90,変速
比制御弁100に導かれる。 更に、エンジン回転数の低い状態を含む広範囲で変速
制御を行うDレンジに対し、エンジン回転数の高い範囲
に限定して変速制御を行い、アクセル開放の場合にエン
ジンブレーキ作用するDsレンジを得る油圧系として、ラ
イン圧調整弁90からのドレン油路75aにリリーフ弁76が
設けられ、このリリーフ弁76の上流側から分岐する潤滑
油圧回路の油路75bが、セレクト位置検出弁130に連通
し、油路75bから更に分岐する油路75cが、変速比制御弁
100のエンジンブレーキ用アクチュエータ140に連通して
いる。 上記潤滑油圧回路の油路75aから分岐する油路75dはベ
ルト34の内周上に配置されるベルト潤滑ノズル77に、油
路75cはピトー圧センサ73のオイル供給口78に連通し、
油路75eはチェック弁79,オイルクーラ80を介して油溜70
側に連通する。セカンダリシリンダ39aの油圧室39bと反
対側にはバランサ室39cが設けられ、オイルクーラ80の
出口側油路81がバランサ室39cに連通してオイルを満た
し、油圧室39bの遠心油圧をバランサ室39cで相殺するよ
うになっている。また、変速比制御弁100のドレン油路8
2の途中にはチェック弁83を具備したシフトロック弁84
が設けられ、チェック弁83の上流の油路82と上記油路75
bとの間にはプリフィーリング用油路85が連通する。な
お、各油路の途中,大気開口部にはオリフィス86が設け
られている。 ライン圧調整弁90は、弁本体91,スプール92,スプール
92の一方のブッシュ93との間に付勢されるスプリング94
を有し、プライマリ可動プーリ36bに係合して実際の変
速比を検出するセンサシュー95が、潤滑通路を兼ねた軸
管96で移動可能に支持されてブッシュ93に連結する。弁
本体91において、スプール92のスプリング94と反対側の
ポート91aには油路74のピトー圧が作用し、このポート9
1aにドレンポート91bを介して隣接するポート91cに油路
71aのライン圧が作用する。また、ポート91cの隣りにラ
イン圧が導かれるポート91dとドレンポート91eとを有
し、スプール92のランドチャンファ部92aによりドレン
量を変化して調圧するようになっており、ドレンポート
91eの隣りのスプリング94側にライン圧2段切換用ポー
ト91fが設けられる。 一方、ライン圧の油路71cにはライン圧2段切換用ソ
レノイド弁97が設けられる。このライン圧2段切換用ソ
レノイド弁97は三方弁であり、上記ライン圧2段切換用
ポート91fに接続する油路98を油路71c側とドレン側に選
択的に連通するもので、通電により油路71cと98とを接
続してライン圧2段切換用ポート91fにライン圧を導
き、非通電により油路98をドレンする構成である。 こうして、スプール92のスプリング94は変速比が大き
い程スプリング力が大きくなり、このスプリング力がラ
イン圧上昇側に作用する。また、ポート91cとライン圧
2段切換用ポート91fのライン圧はライン圧低下側に作
用し、これら両者のバランスでライン圧制御される。ス
プール92の端部のピトー圧は、エンジン回転数と共にポ
ンプ吐出量が変化した場合にスプール92のバランス点を
調整するように作用する。 そこで、スプリング94のバランス点のスプリング力F,
ライン圧PL,ポート91cとライン圧2段切換用ポート91f
の受圧面積差をAL,Acとすると、ライン圧2段切換用ソ
レノイド弁97が非通電の場合は、 AL・PL=F が成立して、ライン圧はPL=F/ALにより高圧制御され
る。 また、ライン圧2段切換用ソレノイド弁97が通電する
と、 (AL+Ac)・PL=F が成立して、ライン圧はPL=F/(AL+Ac)により低圧
制御される。こうしてライン圧は、変速比に応じて変化
するスプリング力で無段階に制御され、更にライン圧2
段切換用ソレノイド弁97によりライン圧のレベルが低,
高2段階に制御されて、プーリ押付力を生じるようにな
る。 変速比制御弁100は、弁本体101の一方にスプール102
を有し、スプール102の一端のポート101aにはピトー圧
がチェック弁103またはオリフィス104を介して作用し、
その他端にはロースピードスプリング105,ハイスピード
スプリング106が付勢する。またスプール102の中央のポ
ート101bは油路72に、その左右のポート101c,101dはド
レン油路82,ライン圧油路71cに連通し、スプール102の
溝部102aによりプライマリシリンダ38aに給,排油して
プライマリ圧を生じるようになっている。 弁本体101の他方にはプランジャ107を有し、このプラ
ンジャ107にロッド108の一端がスプリング109を介して
挿入され、ロッド108の他端のローラ108aにアクセル開
度に応じて回動するシフトカム110が摺接する。プラン
ジャ107にはガイド111が取付けられてスプリング105を
受けており、こうしてシフトカム110の回動に応じてス
プリング105の力を変化している。ここで、プランジャ1
07には油路74のピトー圧が導かれており、プランジャ10
7に作用するスプリング反力をピトー圧で受けて、シフ
トカム111の操作力の軽減を図るようになっている。 更に、プランジャ107とスプリング106との間には機械
式モジュレータ機構120が設けられる。このモジュレー
タ機構120は、プランジャ107とガイド111内部のスプリ
ング受け112との間に可変機構121を有し、この可変機構
121がリンク122を介してセンサシュー95に連結して成
る。そして変速比が小さい高速段に移行するに従って可
変機構121により、スプリング106の力を漸増するように
モジュレータ作用する。 こうして、スプール102にはピトー圧とシフトカム110
によるアクセル開度に応じたスプリング105の力が作用
する。そして両者のバランスで所定のプライマリ圧を生
じて変速比を定め、車速の増大でピトー圧が上昇するの
に応じて高速段にアップシフトすべく変速比制御する。
このとき、スプール102にはモジュレータ機構120により
更に変速比に応じたスプリング106の力が付与すること
で、高速段へのアップシフトに応じてエンジン回転数を
順次上昇するようになる。 セレクト位置検出弁130は、弁本体131にドレン孔132
を有する弁体133が挿入され、弁体133にはセレクトレバ
ー136の操作に応じて回動するカム135が当接してある。
ここでカム135において、D,N,Rのレンジ位置は凸部135a
であり、両端のP,Dsのレンジ位置は凹部135bになってお
り、上記D,N,Rの各レンジでドレン孔132を閉じて操作油
圧を生じる。また、P,Dsレンジでドレン孔132が開く際
は、オリフィス86により上流側の油路75aの油圧の低下
を防ぐようになっている。 エンジンブレーキ用アクチュエータ140は、シリンダ1
41にピストン142が挿入され、このピストン142の一方に
リターン用スプリング143が付勢され、その他方のピス
トン室144に油路75bの操作油圧が油路75cを介して導か
れる。またピストン142の先端のフック142a,変速比制御
弁100のロッド108のローラピン108bおよびセンサシュー
95の間に、押込みレバーを兼ねたDsレンジ特性補正用の
モディファイ機構145のレバー146が係合可能に設けられ
る。 こうして、P,Dsレンジで操作油圧が無い場合は、ピス
トン142のフック142aによりレバー146を揺動してロッド
108を強制的に所定のストローク押込み、変速領域をエ
ンジン回転数の高い側に制限し、これによりDsレンジで
エンジンブレーキ作用する。そしてこの状態で所定の変
速比に達すると、レバー146にセンサシュー95が係合
し、これ以降は変速比の増大に応じてセンサシュー95に
よりレバー146が逆方向に揺動し、ピストン142,ロッド1
08を順次元の位置に引き戻すようになる。 第3図以降の図面において、各バルブ配置構造につい
て述べる。 先ず、第3図に示すように無段変速機3のメインケー
ス7の内部においては、プライマリ軸20が下方に配置さ
れ、セカンダリ軸35が斜め上方に配置され、プライマリ
軸20,セカンダリ軸35のプライマリプーリ36,セカンダリ
プーリ37にベルト34が傾斜して巻付けられている。また
メインケース7のプライマリプーリ36の直下の開口部7a
には、油溜70を形成するオイルパン70aが取付けられ、
このオイルパン70aの内部にバルブブロック150が傾いて
収容設置される。 バルブブロック150は、第4図(a),(b)のよう
に所定の形状のボデー151の内部に油圧制御系のライン
圧制御弁90,変速比制御弁100,エンジンブレーキ用アク
チュエータ140等が配列して設置され、更に各油路71a,7
1c等が設けられる。また、ボデー151の上方は開口して
ここにプレート152を取付けることでシールされる。そ
してプライマリプーリ36の可動プーリ36bに一端を係合
するセンサシュー95が、ボデー151のライン圧調整弁90
側に連結している。 こうして、上記配置構造でプライマリプーリ36の下方
のバルブブロック150との間でセンサシュー95の隣り
に、比較的大きいスペースが空いている。そこで、バル
ブブロック150のプレート152上で上述の空きスペースと
一致する個所に、ライン圧2段切換用ソレノイド弁97が
取付けられるのである。即ち、ブレート152上に油路71
c,98を有する回路ブロック153がボルト154により立設し
て締結され、この回路ブロック153に取付けブラケット1
55をボルト154により固定することで、ライン圧2段切
換用ソレノイド弁97がドレンポート97aを外に向けて水
平に設置される。これによりライン圧2段切換用ソレノ
イド弁97は、プライマリプーリ36の下方の開きスペース
にセンサシュー95と並んで設置され、更にソレノイド弁
97自体がバルブブロック150の上方に水平に突出するこ
とで、ドレンポート97aが油面上に水平状態で露出して
開口する。 次いで、このように構成された無段変速機制御系の作
用について説明する。 先ず、車両停止または走り始めの変速開始前には、ラ
イン圧調整弁90で調圧されたライン圧が油路71bにより
セカンダリシリンダ39aにのみ導入しており、プライマ
リシリンダ38aは変速比制御弁100によりドレン油路82に
連通している。そのため無段変速機3では、駆動ベルト
34のプライマリプーリ36に対しセカンダリプーリ37の巻
付け径が最も大きく、最大変速比iLの低速段となる。 次いで、走行後にピトー圧センサ73のピトー圧が上昇
して変速比制御弁100のスプール102を移動し、油路71c
のライン圧が油路72を介してプライマリシリンダ38aに
供給されると、プリフィル作用で直ちにプライマリ圧を
生じてアップシフトを開始する。そしてプライマリ圧の
上昇により、駆動ベルト34のプライマリプーリ36に対す
る巻付け径が増し、最終的には最小変速比iHの高速段に
無段変速する。 一方、上記無段変速制御において、低,中負荷の定常
走行時にライン圧2段切換用ソレノイド弁97に通電する
と、ライン圧調整弁90のライン圧2段切換用ポート91f
に油路98を介してライン圧を導入するように切換わる。
そこでライン圧調整弁90は、ポート91cとライン圧2段
切換用ポート91fのライン圧とセンサシュー95による変
速比に応じたスプリング力とのバランスで調圧し、これ
によりライン圧は第5図の曲線PLlのように、低圧レベ
ルで変速比に応じ変化した特性になる。次いで高負荷等
の走行時にライン圧2段切換用ソレノイド弁97が非通電
すると、ライン圧2段切換用ポート91fの油圧をドレン
ポート97aを介してドレンするように切換わる。このた
め、ライン圧調整弁90ではスプール92が高圧側にシフト
し、ライン圧は第5図の曲線PLhのように高圧レベルの
特性になる。こうしてライン圧2段切換用ソレノイド弁
97の切換動作により、ライン圧は低,高2段に制御さ
れ、各動力伝達条件でプーリ押付力の過多によるフリク
ションロス,ベルトスリップ等を生じることなく、適正
なプーリ押付力を付与するようになる。 またライン圧2段切換用ソレノイド弁97は、ドレンポ
ート97aが油面上に水平に露出することで、ドレン側切
換時に油溜オイルの背圧を受けることがない。このた
め、ドレンポート97aから常に迅速にドレンされて、応
答よくドレン側に切換動作する。 以上、本発明の実施例について述べたが、デューティ
信号により制御油圧を生じるソレノイド弁にも適用し得
る。
する。 第1図において、フロントエンジン・フロントドライ
ブ(FF)ベースの横置きトランスアクスル型で電磁粉式
クラッチを組合わせたベルト式無段変速機について説明
する。 符号1は電磁粉式クラッチ、2は前後進切換装置、3
は無段変速機、4はフロントデフ装置である。そしてク
ラッチハウジング6の一方に電磁粉式クラッチ1が収容
され、そのクラッチハウジング6の他方と、そこに接合
されるメインケース7,更にメインケース7のクラッチハ
ウジング6と反対側に接合されるサイドケース8の内部
に、前後進切換装置2,無段変速機3,フロントデフ装置4
が収容される。 電磁粉式クラッチ1は、エンジンのクランク軸10にド
ライブプレート11を介して一体結合するリング状のドラ
イブメンバ12,変速機入力軸13に回転方向に一体的にス
プライン結合するディスク状のドリブンメンバ14を有す
る。そしてドリブンメンバ14の外周部側にコイル15が内
蔵されて、両メンバ12,14の間に円周に沿いギャップ16
が形成され、このギャップ16に電磁粉を有する。またコ
イル15を具備するドリブンメンバ14のハブ部のスリップ
リング18には、給電用ブラシ19が摺接し、スリップリン
グ18から更にドリブンメンバ14内部を通りコイル15に結
線されてクラッチ電流回路が構成されている。 こうして、コイル15にクラッチ電流を流すと、ギャッ
プ16を介してドライブおよびドリブンメンバ12,14の間
に生じる磁力線により、そのギャップ16に電磁粉が鎖状
に結合して集積し、これによる結合力でドライブメンバ
12に対しドリブンメンバ14が滑りながら一体結合して、
クラッチ接続状態になる。一方、クラッチ電流をカット
すると、電磁粉によるドライブおよびドリブンメンバ1
2,14の結合力が消失してクラッチ切断状態になる。そし
てこの場合のクラッチ電流の制御を、前後進切換装置2
の操作に連動して行うようにすれば、P(パーキング)
またはN(ニュートラル)レンジから前進のD(ドライ
ブ),Ds(スポーティドライブ)または後退のR(リバ
ース)レンジへの切換え時に自動的にクラッチ1が接断
して、クラッチペダル操作が不要になる。 次いで前後進切換装置2は、上記クラッチ1からの入
力軸13と、これに同軸上に配置されたプライマリ軸20と
の間に設けられる。即ち、入力軸13に前進被係合側を兼
ねた後進用ドライブギヤ21が形成され、プライマリ軸20
には後進用被係合側のギヤ22が回転自在に嵌合してあ
り、これらのギヤ21,22が、軸23で支持されたカウンタ
ギヤ24,軸25で支持されたアイドラギヤ26を介して噛合
い構成される。そしてプライマリ軸20とギヤ21および22
との間に、切換機構27が設けられる。ここで常時噛合っ
ている上記ギヤ21,24,26,22は、クラッチ1のコイル15
を有するドリブンメンバ14に連結しており、クラッチ切
断時のこの部分の慣性マスが比較的大きい点に対応して
切換機構27は、プライマリ軸20のハブ28にスプライン嵌
合するスリーブ29が、シンクロ機構30,31を介して各ギ
ヤ21,22に噛合い結合するように構成されている。 これによりPまたはNレンジの中立位置では、切換機
構27のスリーブ29がハブ28とのみ嵌合して、プライマリ
軸20が入力軸13から切離される。次いでスリーブ29を、
シンクロ機構30を介してギヤ21側に噛合わすと、入力軸
13に対しプライマリ軸20が直結してDまたはDsレンジの
前進状態になる。一方、スリーブ29を、逆にシンクロ機
構31を介してギヤ22側に噛合わせると、入力軸13はギヤ
21,24,26,22を介してプライマリ軸20に連結され、エン
ジン動力が減速逆転してRレンジの後進状態になる。 無段変速機3は、上記プライマリ軸20に対しセカンダ
リ軸35が平行配置され、これらの両軸20,35にそれぞれ
プライマリプーリ36,セカンダリプーリ37が設けられ、
かつ両プーリ36,37の間にエンドレスの駆動ベルト34が
掛け渡してある。プライマリプーリ36,セカンダリプー
リ37はいずれも2分割に構成され、一方の固定プーリ36
a,37aに対し、他方の可動プーリ36b,37bがプーリ間隔を
可変にすべく移動可能にされ、可動プーリ36b,37bに
は、それ自体ピストンを兼ねた油圧サーボ装置38,39が
付設され、更にセカンダリプーリ37の可動プーリ37bに
は、プーリ間隔を狭くする方向にスプリング40が付勢さ
れている。 また油圧制御系として、作動源のオイルポンプ41がプ
ライマリプーリ36の隣りに設置される。このオイルポン
プ41は、高圧用のギヤポンプであり、ポンプ駆動軸42
が、プライマリプーリ36,プライマリ軸20および入力軸1
3の内部を貫通してクランク軸10に直結し、エンジン運
転中、常に油圧を生じるようになっている。そしてこの
オイルポンプ41の油圧を制御して、各油圧サーボ装置3
8,39に給排油し、プライマリプーリ36とセカンダリプー
リ37のプーリ間隔を逆の関係に変化して、駆動ベルト34
のプーリ36,37におけるプーリ比を無段階に変換し、無
段変速した動力をセカンダリ軸35に出力する。 フロントデフ装置4は、上記無段変速機3の高速段側
最小プーリ比が、例えば0.5と非常に小さく、このため
セカンダリ軸35の回転数が大きい点に鑑み、セカンダリ
軸35に対し1組の中間減速ギヤ43a,43bを介して出力軸4
4が連結される。そしてこの出力軸44のドライブギヤ45
に、ファイナルギヤ46が噛合い、ファイナルギヤ46から
差動機構47を介して左右の前輪の車軸48a,48bに伝動構
成される。 第2図において、無段変速機3の油圧制御系について
説明すると、プライマリ油圧サーボ装置38において、プ
ライマリ軸20と一体的なシリンダ38aに可動プーリ36bが
嵌合し、シリンダ38a内に給,排油することによるプラ
イマリ圧を生じる。またセカンダリ油圧サーボ装置39に
おいても、セカンダリ軸35と一体的なシリンダ39aに可
動プーリ37bが嵌合し、シリンダ39a内にライン圧が導入
される。ここで可動プーリ37bに比べて可動プーリ36bの
方が、受圧面積が大きくなっており、プライマリ圧のみ
による変速制御を可能にしている。 そして油溜70からオイルポンプ41により汲み上げられ
たオイルは、油路71aを介してライン圧調整弁90に導か
れ、油路71aから分岐するライン圧の油路71bが、セカン
ダリシリンダ39aに常にライン圧を導入すべく連通す
る。油路71aから分岐する油路71cは変速比制御弁100に
連通し、この変速比制御弁100とプライマシリンダ38aと
の間に油路72が連通する。またプライマリシリンダ38a
の個所には、クラッチ係合後の変速制御において、エン
ジン回転数に応じた制御圧としてのピトー圧を取出すピ
トー圧センサ73が設置され、このピトー圧センサ73から
のピトー圧が、油路74を介してライン圧調整弁90,変速
比制御弁100に導かれる。 更に、エンジン回転数の低い状態を含む広範囲で変速
制御を行うDレンジに対し、エンジン回転数の高い範囲
に限定して変速制御を行い、アクセル開放の場合にエン
ジンブレーキ作用するDsレンジを得る油圧系として、ラ
イン圧調整弁90からのドレン油路75aにリリーフ弁76が
設けられ、このリリーフ弁76の上流側から分岐する潤滑
油圧回路の油路75bが、セレクト位置検出弁130に連通
し、油路75bから更に分岐する油路75cが、変速比制御弁
100のエンジンブレーキ用アクチュエータ140に連通して
いる。 上記潤滑油圧回路の油路75aから分岐する油路75dはベ
ルト34の内周上に配置されるベルト潤滑ノズル77に、油
路75cはピトー圧センサ73のオイル供給口78に連通し、
油路75eはチェック弁79,オイルクーラ80を介して油溜70
側に連通する。セカンダリシリンダ39aの油圧室39bと反
対側にはバランサ室39cが設けられ、オイルクーラ80の
出口側油路81がバランサ室39cに連通してオイルを満た
し、油圧室39bの遠心油圧をバランサ室39cで相殺するよ
うになっている。また、変速比制御弁100のドレン油路8
2の途中にはチェック弁83を具備したシフトロック弁84
が設けられ、チェック弁83の上流の油路82と上記油路75
bとの間にはプリフィーリング用油路85が連通する。な
お、各油路の途中,大気開口部にはオリフィス86が設け
られている。 ライン圧調整弁90は、弁本体91,スプール92,スプール
92の一方のブッシュ93との間に付勢されるスプリング94
を有し、プライマリ可動プーリ36bに係合して実際の変
速比を検出するセンサシュー95が、潤滑通路を兼ねた軸
管96で移動可能に支持されてブッシュ93に連結する。弁
本体91において、スプール92のスプリング94と反対側の
ポート91aには油路74のピトー圧が作用し、このポート9
1aにドレンポート91bを介して隣接するポート91cに油路
71aのライン圧が作用する。また、ポート91cの隣りにラ
イン圧が導かれるポート91dとドレンポート91eとを有
し、スプール92のランドチャンファ部92aによりドレン
量を変化して調圧するようになっており、ドレンポート
91eの隣りのスプリング94側にライン圧2段切換用ポー
ト91fが設けられる。 一方、ライン圧の油路71cにはライン圧2段切換用ソ
レノイド弁97が設けられる。このライン圧2段切換用ソ
レノイド弁97は三方弁であり、上記ライン圧2段切換用
ポート91fに接続する油路98を油路71c側とドレン側に選
択的に連通するもので、通電により油路71cと98とを接
続してライン圧2段切換用ポート91fにライン圧を導
き、非通電により油路98をドレンする構成である。 こうして、スプール92のスプリング94は変速比が大き
い程スプリング力が大きくなり、このスプリング力がラ
イン圧上昇側に作用する。また、ポート91cとライン圧
2段切換用ポート91fのライン圧はライン圧低下側に作
用し、これら両者のバランスでライン圧制御される。ス
プール92の端部のピトー圧は、エンジン回転数と共にポ
ンプ吐出量が変化した場合にスプール92のバランス点を
調整するように作用する。 そこで、スプリング94のバランス点のスプリング力F,
ライン圧PL,ポート91cとライン圧2段切換用ポート91f
の受圧面積差をAL,Acとすると、ライン圧2段切換用ソ
レノイド弁97が非通電の場合は、 AL・PL=F が成立して、ライン圧はPL=F/ALにより高圧制御され
る。 また、ライン圧2段切換用ソレノイド弁97が通電する
と、 (AL+Ac)・PL=F が成立して、ライン圧はPL=F/(AL+Ac)により低圧
制御される。こうしてライン圧は、変速比に応じて変化
するスプリング力で無段階に制御され、更にライン圧2
段切換用ソレノイド弁97によりライン圧のレベルが低,
高2段階に制御されて、プーリ押付力を生じるようにな
る。 変速比制御弁100は、弁本体101の一方にスプール102
を有し、スプール102の一端のポート101aにはピトー圧
がチェック弁103またはオリフィス104を介して作用し、
その他端にはロースピードスプリング105,ハイスピード
スプリング106が付勢する。またスプール102の中央のポ
ート101bは油路72に、その左右のポート101c,101dはド
レン油路82,ライン圧油路71cに連通し、スプール102の
溝部102aによりプライマリシリンダ38aに給,排油して
プライマリ圧を生じるようになっている。 弁本体101の他方にはプランジャ107を有し、このプラ
ンジャ107にロッド108の一端がスプリング109を介して
挿入され、ロッド108の他端のローラ108aにアクセル開
度に応じて回動するシフトカム110が摺接する。プラン
ジャ107にはガイド111が取付けられてスプリング105を
受けており、こうしてシフトカム110の回動に応じてス
プリング105の力を変化している。ここで、プランジャ1
07には油路74のピトー圧が導かれており、プランジャ10
7に作用するスプリング反力をピトー圧で受けて、シフ
トカム111の操作力の軽減を図るようになっている。 更に、プランジャ107とスプリング106との間には機械
式モジュレータ機構120が設けられる。このモジュレー
タ機構120は、プランジャ107とガイド111内部のスプリ
ング受け112との間に可変機構121を有し、この可変機構
121がリンク122を介してセンサシュー95に連結して成
る。そして変速比が小さい高速段に移行するに従って可
変機構121により、スプリング106の力を漸増するように
モジュレータ作用する。 こうして、スプール102にはピトー圧とシフトカム110
によるアクセル開度に応じたスプリング105の力が作用
する。そして両者のバランスで所定のプライマリ圧を生
じて変速比を定め、車速の増大でピトー圧が上昇するの
に応じて高速段にアップシフトすべく変速比制御する。
このとき、スプール102にはモジュレータ機構120により
更に変速比に応じたスプリング106の力が付与すること
で、高速段へのアップシフトに応じてエンジン回転数を
順次上昇するようになる。 セレクト位置検出弁130は、弁本体131にドレン孔132
を有する弁体133が挿入され、弁体133にはセレクトレバ
ー136の操作に応じて回動するカム135が当接してある。
ここでカム135において、D,N,Rのレンジ位置は凸部135a
であり、両端のP,Dsのレンジ位置は凹部135bになってお
り、上記D,N,Rの各レンジでドレン孔132を閉じて操作油
圧を生じる。また、P,Dsレンジでドレン孔132が開く際
は、オリフィス86により上流側の油路75aの油圧の低下
を防ぐようになっている。 エンジンブレーキ用アクチュエータ140は、シリンダ1
41にピストン142が挿入され、このピストン142の一方に
リターン用スプリング143が付勢され、その他方のピス
トン室144に油路75bの操作油圧が油路75cを介して導か
れる。またピストン142の先端のフック142a,変速比制御
弁100のロッド108のローラピン108bおよびセンサシュー
95の間に、押込みレバーを兼ねたDsレンジ特性補正用の
モディファイ機構145のレバー146が係合可能に設けられ
る。 こうして、P,Dsレンジで操作油圧が無い場合は、ピス
トン142のフック142aによりレバー146を揺動してロッド
108を強制的に所定のストローク押込み、変速領域をエ
ンジン回転数の高い側に制限し、これによりDsレンジで
エンジンブレーキ作用する。そしてこの状態で所定の変
速比に達すると、レバー146にセンサシュー95が係合
し、これ以降は変速比の増大に応じてセンサシュー95に
よりレバー146が逆方向に揺動し、ピストン142,ロッド1
08を順次元の位置に引き戻すようになる。 第3図以降の図面において、各バルブ配置構造につい
て述べる。 先ず、第3図に示すように無段変速機3のメインケー
ス7の内部においては、プライマリ軸20が下方に配置さ
れ、セカンダリ軸35が斜め上方に配置され、プライマリ
軸20,セカンダリ軸35のプライマリプーリ36,セカンダリ
プーリ37にベルト34が傾斜して巻付けられている。また
メインケース7のプライマリプーリ36の直下の開口部7a
には、油溜70を形成するオイルパン70aが取付けられ、
このオイルパン70aの内部にバルブブロック150が傾いて
収容設置される。 バルブブロック150は、第4図(a),(b)のよう
に所定の形状のボデー151の内部に油圧制御系のライン
圧制御弁90,変速比制御弁100,エンジンブレーキ用アク
チュエータ140等が配列して設置され、更に各油路71a,7
1c等が設けられる。また、ボデー151の上方は開口して
ここにプレート152を取付けることでシールされる。そ
してプライマリプーリ36の可動プーリ36bに一端を係合
するセンサシュー95が、ボデー151のライン圧調整弁90
側に連結している。 こうして、上記配置構造でプライマリプーリ36の下方
のバルブブロック150との間でセンサシュー95の隣り
に、比較的大きいスペースが空いている。そこで、バル
ブブロック150のプレート152上で上述の空きスペースと
一致する個所に、ライン圧2段切換用ソレノイド弁97が
取付けられるのである。即ち、ブレート152上に油路71
c,98を有する回路ブロック153がボルト154により立設し
て締結され、この回路ブロック153に取付けブラケット1
55をボルト154により固定することで、ライン圧2段切
換用ソレノイド弁97がドレンポート97aを外に向けて水
平に設置される。これによりライン圧2段切換用ソレノ
イド弁97は、プライマリプーリ36の下方の開きスペース
にセンサシュー95と並んで設置され、更にソレノイド弁
97自体がバルブブロック150の上方に水平に突出するこ
とで、ドレンポート97aが油面上に水平状態で露出して
開口する。 次いで、このように構成された無段変速機制御系の作
用について説明する。 先ず、車両停止または走り始めの変速開始前には、ラ
イン圧調整弁90で調圧されたライン圧が油路71bにより
セカンダリシリンダ39aにのみ導入しており、プライマ
リシリンダ38aは変速比制御弁100によりドレン油路82に
連通している。そのため無段変速機3では、駆動ベルト
34のプライマリプーリ36に対しセカンダリプーリ37の巻
付け径が最も大きく、最大変速比iLの低速段となる。 次いで、走行後にピトー圧センサ73のピトー圧が上昇
して変速比制御弁100のスプール102を移動し、油路71c
のライン圧が油路72を介してプライマリシリンダ38aに
供給されると、プリフィル作用で直ちにプライマリ圧を
生じてアップシフトを開始する。そしてプライマリ圧の
上昇により、駆動ベルト34のプライマリプーリ36に対す
る巻付け径が増し、最終的には最小変速比iHの高速段に
無段変速する。 一方、上記無段変速制御において、低,中負荷の定常
走行時にライン圧2段切換用ソレノイド弁97に通電する
と、ライン圧調整弁90のライン圧2段切換用ポート91f
に油路98を介してライン圧を導入するように切換わる。
そこでライン圧調整弁90は、ポート91cとライン圧2段
切換用ポート91fのライン圧とセンサシュー95による変
速比に応じたスプリング力とのバランスで調圧し、これ
によりライン圧は第5図の曲線PLlのように、低圧レベ
ルで変速比に応じ変化した特性になる。次いで高負荷等
の走行時にライン圧2段切換用ソレノイド弁97が非通電
すると、ライン圧2段切換用ポート91fの油圧をドレン
ポート97aを介してドレンするように切換わる。このた
め、ライン圧調整弁90ではスプール92が高圧側にシフト
し、ライン圧は第5図の曲線PLhのように高圧レベルの
特性になる。こうしてライン圧2段切換用ソレノイド弁
97の切換動作により、ライン圧は低,高2段に制御さ
れ、各動力伝達条件でプーリ押付力の過多によるフリク
ションロス,ベルトスリップ等を生じることなく、適正
なプーリ押付力を付与するようになる。 またライン圧2段切換用ソレノイド弁97は、ドレンポ
ート97aが油面上に水平に露出することで、ドレン側切
換時に油溜オイルの背圧を受けることがない。このた
め、ドレンポート97aから常に迅速にドレンされて、応
答よくドレン側に切換動作する。 以上、本発明の実施例について述べたが、デューティ
信号により制御油圧を生じるソレノイド弁にも適用し得
る。
以上述べてきたように、本発明によれば、 無段変速機の油圧制御系においてドレンポート付ソレ
ノイド弁が設けられる場合に、そのソレノイド弁が円形
プーリの下方の開きスペースに配置されるので、コンパ
クトな取付けになり得る。 ソレノイド弁のドレンポートは油面上に水平に露出す
ることで、常に応答性がよい。 ソレノイド弁はバルブブロックに設置されるので、組
付性がよく、機能確認も容易化する。
ノイド弁が設けられる場合に、そのソレノイド弁が円形
プーリの下方の開きスペースに配置されるので、コンパ
クトな取付けになり得る。 ソレノイド弁のドレンポートは油面上に水平に露出す
ることで、常に応答性がよい。 ソレノイド弁はバルブブロックに設置されるので、組
付性がよく、機能確認も容易化する。
第1図は本発明が適用される無段変速機の一例を示す断
面図、 第2図は本発明の油圧制御装置の実施例を示す回路図、 第3図はバルブブロック取付状態を示す背面図、 第4図(a)はバルブブロック側面図,(b)は同斜視
図、 第5図はライン圧の特性図である。 3……無段変速機、7……メインケース、36……プライ
マリプーリ、70a……オイルパン、97……ライン圧2段
切換用ソレノイド弁、97a……ドレンポート、150……バ
ルブブロック、153……回路ブロック、155……取付けブ
ラケット
面図、 第2図は本発明の油圧制御装置の実施例を示す回路図、 第3図はバルブブロック取付状態を示す背面図、 第4図(a)はバルブブロック側面図,(b)は同斜視
図、 第5図はライン圧の特性図である。 3……無段変速機、7……メインケース、36……プライ
マリプーリ、70a……オイルパン、97……ライン圧2段
切換用ソレノイド弁、97a……ドレンポート、150……バ
ルブブロック、153……回路ブロック、155……取付けブ
ラケット
Claims (1)
- 【請求項1】無段変速機の油圧制御系にドレンポート付
ソレノイド弁を有するものにおいて、 上記ソレノイド弁を、バルブブロック上に締結するとと
もに無段変速機ケースとプーリとの間に生ずる空きスペ
ースに設置し、 上記ソレノイド弁の上記ドレンポートを、少なくとも水
平状態で油面上に露出するように設置する無段変速機の
油圧制御装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP24043088A JP2732264B2 (ja) | 1988-09-24 | 1988-09-24 | 無段変速機の油圧制御装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP24043088A JP2732264B2 (ja) | 1988-09-24 | 1988-09-24 | 無段変速機の油圧制御装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0289851A JPH0289851A (ja) | 1990-03-29 |
JP2732264B2 true JP2732264B2 (ja) | 1998-03-25 |
Family
ID=17059372
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP24043088A Expired - Lifetime JP2732264B2 (ja) | 1988-09-24 | 1988-09-24 | 無段変速機の油圧制御装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2732264B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH1174396A (ja) | 1997-08-28 | 1999-03-16 | Kyocera Corp | 高周波用入出力端子ならびに高周波用半導体素子収納用パッケージ |
JP4602435B2 (ja) * | 2008-03-31 | 2010-12-22 | ジヤトコ株式会社 | 自動変速機の油圧制御用バルブ装置 |
-
1988
- 1988-09-24 JP JP24043088A patent/JP2732264B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH0289851A (ja) | 1990-03-29 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
R250 | Receipt of annual fees |
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