JPH0623014B2 - 4輪駆動装置の油圧制御装置 - Google Patents
4輪駆動装置の油圧制御装置Info
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- JPH0623014B2 JPH0623014B2 JP60092979A JP9297985A JPH0623014B2 JP H0623014 B2 JPH0623014 B2 JP H0623014B2 JP 60092979 A JP60092979 A JP 60092979A JP 9297985 A JP9297985 A JP 9297985A JP H0623014 B2 JPH0623014 B2 JP H0623014B2
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- pressure
- hydraulic
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- braking
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- B60—VEHICLES IN GENERAL
- B60K—ARRANGEMENT OR MOUNTING OF PROPULSION UNITS OR OF TRANSMISSIONS IN VEHICLES; ARRANGEMENT OR MOUNTING OF PLURAL DIVERSE PRIME-MOVERS IN VEHICLES; AUXILIARY DRIVES FOR VEHICLES; INSTRUMENTATION OR DASHBOARDS FOR VEHICLES; ARRANGEMENTS IN CONNECTION WITH COOLING, AIR INTAKE, GAS EXHAUST OR FUEL SUPPLY OF PROPULSION UNITS IN VEHICLES
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- B60K23/08—Arrangement or mounting of control devices for vehicle transmissions, or parts thereof, not otherwise provided for for changing number of driven wheels, for switching from driving one axle to driving two or more axles
- B60K23/0808—Arrangement or mounting of control devices for vehicle transmissions, or parts thereof, not otherwise provided for for changing number of driven wheels, for switching from driving one axle to driving two or more axles for varying torque distribution between driven axles, e.g. by transfer clutch
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- Mechanical Engineering (AREA)
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Description
本発明は、車両用4輪駆動装置においてトランスファ装
置に油圧クラッチを用いる場合の油圧制御装置に関し、
詳しくは、ブレーキング時における油圧クラッチのトル
ク制御に関するものである。
置に油圧クラッチを用いる場合の油圧制御装置に関し、
詳しくは、ブレーキング時における油圧クラッチのトル
ク制御に関するものである。
そこで従来、上記ブレーキング時の切換え制御に関し
て、例えば実開昭59−53128号公報の先行技術が
あり、ブレーキ踏力を検出して優先的に4輪駆動に切換
えることが提案されている。
て、例えば実開昭59−53128号公報の先行技術が
あり、ブレーキ踏力を検出して優先的に4輪駆動に切換
えることが提案されている。
ところで、上記先行技術の構成のものにあっては、急ブ
レーキ時のブレーキ踏力の大きい場合には4輪駆動の機
能によりブレーキ効果を向上し得るが、緩ブレーキ時に
はその効果を全く発揮し得ない。またポンピング操作す
る場合に、継続して同一効果を奏し得ない問題がある。 ここで、トランスファ装置による直結方式の4輪駆動装
置では、旋回の際に前後輪に大きい回転差を生じると、
駆動系の捩りトルクによるブレーキング現象を生じる。
一方、このとき2輪駆動に切換えると、4輪駆動の機能
を全く消失してしまう。そこで、トランスファ装置の油
圧クラッチをトルク制御して、4輪駆動時にその機能を
保ちつつブレーキング現象を回避することが最適化の点
で望まれる。 また、ブレーキング時に関して言えば、急ブレーキでは
FF(フロントエンジン・フロントドライブ)ベースの
後輪、FR(フロントエンジン・リアドライブ),RR
(リアエンジン・リアドライブ)ベースの前輪がブレー
キ力によりロックし易い。従ってこの場合に、油圧クラ
ッチのトルク容量を大きくすると、FFベースではロッ
クし難い前輪の駆動力が後輪に伝達してそのロックを防
止することになって好ましい。一方、緩ブレーキでは大
転舵することも考慮して油圧クラッチのトルク容量を小
さく設定することが好ましい。 更に、ブレーキ時には最初ブレーキ踏力が大きく、その
後順次踏力が小さくなるが、継続して4輪駆動によるブ
レーキ効果を保つようにし、アクセルを踏込みながらブ
レーキ操作するような高度な運転操作にも対処し得るよ
うにすることが望まれる。 本発明は、このような点に鑑みて操作されたもので、ブ
レーキング時に油圧クラッチのトルクを最適制御して、
タイトコーナブレーキング現象を回避し、車輪ロック限
界を上げてブレーキ効果を向上すること等が可能な4輪
駆動装置の油圧制御装置を提供することを目的としてい
る。
レーキ時のブレーキ踏力の大きい場合には4輪駆動の機
能によりブレーキ効果を向上し得るが、緩ブレーキ時に
はその効果を全く発揮し得ない。またポンピング操作す
る場合に、継続して同一効果を奏し得ない問題がある。 ここで、トランスファ装置による直結方式の4輪駆動装
置では、旋回の際に前後輪に大きい回転差を生じると、
駆動系の捩りトルクによるブレーキング現象を生じる。
一方、このとき2輪駆動に切換えると、4輪駆動の機能
を全く消失してしまう。そこで、トランスファ装置の油
圧クラッチをトルク制御して、4輪駆動時にその機能を
保ちつつブレーキング現象を回避することが最適化の点
で望まれる。 また、ブレーキング時に関して言えば、急ブレーキでは
FF(フロントエンジン・フロントドライブ)ベースの
後輪、FR(フロントエンジン・リアドライブ),RR
(リアエンジン・リアドライブ)ベースの前輪がブレー
キ力によりロックし易い。従ってこの場合に、油圧クラ
ッチのトルク容量を大きくすると、FFベースではロッ
クし難い前輪の駆動力が後輪に伝達してそのロックを防
止することになって好ましい。一方、緩ブレーキでは大
転舵することも考慮して油圧クラッチのトルク容量を小
さく設定することが好ましい。 更に、ブレーキ時には最初ブレーキ踏力が大きく、その
後順次踏力が小さくなるが、継続して4輪駆動によるブ
レーキ効果を保つようにし、アクセルを踏込みながらブ
レーキ操作するような高度な運転操作にも対処し得るよ
うにすることが望まれる。 本発明は、このような点に鑑みて操作されたもので、ブ
レーキング時に油圧クラッチのトルクを最適制御して、
タイトコーナブレーキング現象を回避し、車輪ロック限
界を上げてブレーキ効果を向上すること等が可能な4輪
駆動装置の油圧制御装置を提供することを目的としてい
る。
上記目的を達成するため、本発明は、前後輪の駆動系の
途中のトランスファ装置に油圧クラッチを有し、該油圧
クラッチのトルク容量を走行条件に応じて制御する4輪
駆動装置の油圧制御系において、ブレーキング用として
上記油圧クラッチのトルク容量を、減速度との関係で少
なくとも大きい減速度,小さい減速度の2段階に定め
て、ブレーキング時に減速度に応じたトルク容量を設定
する手段と、アクセル踏込みとブレーキングとを同時に
行う場合は、上記ブレーキング用のトルク容量と、通常
走行時に設定された走行条件に伴なうトルク容量とを比
較してトルク容量の大きい方を優先して設定する手段と
を有し、上記ブレーキング時の設定は、少なくともアク
セル踏込み信号が生じるまで保持し、該信号が生じると
設定を解除する手段とを有してなることを特徴とする。
途中のトランスファ装置に油圧クラッチを有し、該油圧
クラッチのトルク容量を走行条件に応じて制御する4輪
駆動装置の油圧制御系において、ブレーキング用として
上記油圧クラッチのトルク容量を、減速度との関係で少
なくとも大きい減速度,小さい減速度の2段階に定め
て、ブレーキング時に減速度に応じたトルク容量を設定
する手段と、アクセル踏込みとブレーキングとを同時に
行う場合は、上記ブレーキング用のトルク容量と、通常
走行時に設定された走行条件に伴なうトルク容量とを比
較してトルク容量の大きい方を優先して設定する手段と
を有し、上記ブレーキング時の設定は、少なくともアク
セル踏込み信号が生じるまで保持し、該信号が生じると
設定を解除する手段とを有してなることを特徴とする。
上記構成に基づき、本発明は、アクセル開放のブレーキ
ング時にはトランスファ装置の油圧クラッチのトルク容
量が各別に設定され、かつ急ブレーキ時には大きいトル
ク容量がアクセル踏込みがあるまで保持されるようにな
り、こうしてタイトコーナブレーキング現象の回避と、
ブレーキング効果の向上を図ることが可能となる。ま
た、アクセルを踏込みからブレーキングする場合は、ア
クセル踏込みに伴う更に大きいトルク容量に設定されて
4輪駆動の機能を発揮することが可能となる。
ング時にはトランスファ装置の油圧クラッチのトルク容
量が各別に設定され、かつ急ブレーキ時には大きいトル
ク容量がアクセル踏込みがあるまで保持されるようにな
り、こうしてタイトコーナブレーキング現象の回避と、
ブレーキング効果の向上を図ることが可能となる。ま
た、アクセルを踏込みからブレーキングする場合は、ア
クセル踏込みに伴う更に大きいトルク容量に設定されて
4輪駆動の機能を発揮することが可能となる。
以下、本発明の実施例を図面に基づいて具体的に説明す
る。 第1図において、本発明が適用される4輪駆動装置の一
例として、FFベースの横置きトランスアクスル型で電
磁粉式クラッチにベルト式無段変速機を組合わせたもの
について説明する。 符号1は電磁粉式クラッチ、2は前後進切換装置、3は
無段変速機、4はフロントデフ装置、5は油圧式トラン
スファ装置である。そしてクラッチハウジング6の一方
に電磁粉式クラッチ1が収容され、そのクラッチハウジ
ング6の他方と、そこに接合されるメインケース7,更
にメインケース7のクラッチハウジング6と反対側に接
合されるサイドケース8の内部に、前後進切換装置2,
無段変速機3,フロントデフ装置4およびトランスファ
装置5が収容され、クラッチハウジング6の後部にエク
ステンションケース9が接合する。 電磁粉式クラッチ1は、エンジンからのクランク軸10に
ドライブプレート11を介して一体結合するリング状のド
ライブメンバ12,変速機入力軸13に回転方向に一体的に
スプライン結合するディスク状のドリブンメンバ14を有
する。そしてドリブンメンバ14の外周部側にコイル15が
内蔵されて、両メンバ12,14の間に内周に沿いギャップ
16が形成され、このギャップ16は電磁粉を有する。また
コイル15を具備するドリブンメンバ14のハブ部のスリッ
プリング18には、給電用ブラシ19が摺接し、スリップリ
ング18から更にドリブンメンバ14内部を通りコイル15に
結線されてクラッチ電流回路が構成されている。 こうして、コイル15にクラッチ電流を流すと、ギャップ
16を介してドライブおよびドリブンメンバ12,14の間に
生じる磁力線により、そのギャップ16に電磁粉が鎖状に
結合して集積し、これによる結合力でドライブメンバ12
に対しドリブンメンバ14が滑りながら一体結合して、ク
ラッチ接続状態になる。一方、クラッチ電流をカットす
ると、電磁粉によるドライブおよびドリブンメンバ12,
14の結合力が消失してクラッチ切断状態になる。そして
この場合のクラッチ電流の制御を、前後進切換装置2の
操作に連動して行うようにすれば、P(パーキング)ま
たはN(ニュートラル)レンジからの前進のD(ドライ
ブ),Ds(スポーティドライブ)または後退のR(リ
バース)レンジへの切換え時に自動的にクラッチ1が接
断して、クラッチペダル操作が不要になる。 次いで、前後進切換装置2は、上記クラッチ1からの入
力軸13と、これに同軸上に配置された主軸20との間に設
けられる。即ち、入力軸13に前進被係合側を兼ねた後進
用ドライブギヤ21が形成され、主軸20には後進用被係合
側のギヤ22が回転自在に嵌合してあり、これらのギヤ2
1,22が、軸23で支持されたカウンタギヤ24,軸25で支
持されたアイドラギヤ26を介して噛合い構成される。そ
して主軸20とギヤ21および22との間に、切換機構27が設
けられる。ここで常時噛合っている上記ギヤ21,24,2
6,22は、クラッチ1のコイル15を有するドリブンメン
バ14に連結しており、クラッチ切断時のこの部分の慣性
マスが比較的大きい点に対応して切換機構27は、主軸20
のハブ28にスプライン嵌合するスリーブ29が、シンクロ
機構30,31を介して各ギヤ21,22に噛合い結合するよう
に構成されている。 これによりPまたはNレンジの中立位置では、切換機構
27のスリーブ29がハブ28とのみ嵌合して、主軸20が入力
軸13から切離される。次いでスリーブ29を、シンクロ機
構30を介してギヤ21側に噛合わすと、入力軸13に対し主
軸20が直結してDまたはDsレンジの前進状態になる。
一方、スリーブ29を、逆にシンクロ機構31を介してギヤ
22側に噛合わせると、入力軸13はギヤ21,24,26,22を
介して主軸20に連結され、エンジン動力が減速逆転して
Rレンジの後進状態になる。 無段変速機3は、上記主軸20に対し副軸35が平行配置さ
れ、これらの両軸20,35にそれぞれ主プーリ36,副プー
リ37が設けられ、かつ両プーリ36,37の間にエンドレス
の駆動ベルト34が掛け渡してある。プーリ36,37はいず
れも2分割に構成され、一方のプーリ半体36a,37aに対
し、他方のプーリ半体36b,37bがプーリ間隔を可変にす
べく移動可能にされ、可動側プーリ半体36b,37bには、
それ自体ピストンを兼ねた油圧サーボ装置38,39が付設
され、更に副プーリ37の可動側プーリ半体37bには、プ
ーリ間隔を狭くする方向にスプリング40が付勢されてい
る。 また油圧制御系として、作動源のオイルポンプ41が主プ
ーリ36の隣りに設置される。このオイルポンプ41は、高
圧用のギヤポンプであり、ポンプ駆動軸42が、主プーリ
36,主軸20および入力軸13の内部を貫通してクランク軸
10に直結し、エンジン運転中、常に油圧を生じるように
なっている。そしてこのオイルポンプ41の油圧を制御
して、各油圧サーボ装置38,39に給排油し、主プーリ36
と副プーリ37のプーリ間隔を逆の関係に変化して、駆動
ベルト34のプーリ36,37におけるプーリ比を無段階に変
換し、無段変速した動力を副軸35に出力する。 フロントデフ装置4は、上記無段変速機3の高速段側最
小プーリ比が、例えば0.5と非常に小さく、このため副
軸35の回転数が大きい点に鑑み、副軸35に対し1組の中
間減速ギヤ43を介して出力軸44が連結される。そしてこ
の出力軸44のドライブギヤ45に、ファイナルギヤ46が噛
合い、ファイナルギヤ46から差動機構47を介して左右の
前輪の車軸48,49に伝動構成される。 更にトランスファ装置5は、上記ファイナルギヤ46に噛
合うトランスファギヤ50が、車体と左右方向に設置され
るトランスファ軸51に回転自在に嵌合しており、これら
のトランスファギヤ50と軸51の間に、4輪駆動用の湿式
多板式油圧クラッチ52が設けられる。そしてトランスフ
ァ軸51は、一対のベベルギヤ53,54により方向変換され
てリヤドライブ軸55に連結され、リヤドライブ軸55から
更に後輪側に伝動構成される。 油圧クラッチ52は、トランスファギヤ50と一体的なハブ
56,トランスファ軸51と一体的なドラム57を有し、これ
らのハブ56とドラム57の間に、ピストン58により押圧さ
れるプレート59が多板式に設置される。そしてピストン
58には、リターン用スプリング60が付勢され、プレート
59と反対側にピストン室61が設けてある。またメインケ
ース7において、トランスファ軸51の延長線上にカバー
62が被着され、このカバー62内部でメインケース7にバ
ルブボデー63が取付けられ、更にバルブボデー63にソレ
ノイド手段64が搭載される。こうしてバルブボデー63か
らのクラッチ油圧が、トランスファ軸51等の油路65を介
してピストン室61に導入されて、クラッチトルクを制御
するようになっている。 第2図において、無段変速機3の油圧制御系について説
明すると、主プーリ側油圧サーボ装置38において、主軸
20と一体的なシリンダ38aに可動側プーリ半体36bが嵌合
し、シリンダ38a内にライン圧が導入される主プーリサ
ーボ室38bを有する。また副プーリ側油圧サーボ装置39
においても、副軸35と一体的なシリンダ39aに可動側プ
ーリ半体37bが嵌合し、シリンダ39a内にライン圧が導入
される副プーリサーボ室39bを有し、ここでプーリ半体3
7bに比べてプーリ半体36bの方が、ライン圧の受圧面積
が大きくなっている。 そして油溜70からオイルポンプ41により汲み上げられた
オイルは、油路71を介して圧力調整弁80に導かれ、油路
71から分岐するライン圧の油路72が、副プーリサーボ室
39bに常にライン圧を導入すべく連通する。油路71は、
更に変速比制御弁90に連通し、この変速比制御弁90と主
プーリサーボ室38bの間にライン圧を給排油する油路73
が連通し、各弁80,90のドレン油路74,75が油溜側に連
通する。また主プーリ側のシリンダ38aの個所には、ク
ラッチ係合後の変速制御において、エンジン回転数に応
じたピトー圧の制御信号圧を取出す回転センサ76が設置
され、この回転センサ76からのピトー圧が、油路77を介
して各弁80,90に導かれる。 更に、エンジン回転数の低い状態を含む広範囲で変速制
御を行うDレンジに対し、エンジン回転数の高い範囲に
限定して変速制御を行い、アクセル開放の場合にエンジ
ンブレーキ作用するDsレンジを得る油圧系として、圧
力調整弁80からのドレン油路74にリリーフ弁78が設けら
れ、このリリーフ弁78の上流側から分岐する潤滑油圧回
路の油路79が、セレクト位置検出弁110に連通し、油路7
9から更に分岐する油路88が、変速比制御弁90のアクチ
ュエータ120に連通している。 圧力調整弁80は、弁本体81,スプール82,スプール82の
一方のブッシュ83との間に付勢されるスプリング84を有
し、主プーリ可動側プーリ半体36bに係合して実際の変
速比を検出するセンサシュー85が、潤滑通路を兼ねた軸
管86で移動可能に支持されてブッシュ83に連通する。弁
本体81において、スプール82のスプリング84と反対側の
ポート81aには油路77のピトー圧が、ポート81bには油路
71のポンプ油圧が導かれる。またポート81cには、油路7
1と変速比制御弁90への油路87が連通している。このポ
ート81cのスプリング84側のポート81f,およびポート81
aと81bの間に設けられてポンプ油圧の漏れがピトー圧に
影響するのを防ぐポート81eが設けられており、漏れた
油はドレンされ油溜70に導かれる。スプール82のランド
82aのチャンファ部でポート81cと81dを連通して調圧す
るようになっている。 即ち、スプール82にはピトー圧およびポンプ油圧が、ド
レンポート81dを開く方向に作用し、これに対しセンサ
シュー85による変速比に応じたスプリング84の荷重が、
ドレンポート81dを閉じる方向に作用する。これによ
り、例えば変速比の大きい低速段ではポート81cに高い
ライン圧を生じ、プーリ半体36bが図示右側に動くこと
により、変速比が小さい高速段に移行するのに従ってセ
ンサシュー85が図示右側に動き、スプリング84の荷重の
低下によりライン圧を低下すべく制御し、こうして常に
ベルトスリップを生じないプーリ押付力を保持する。 変速比制御弁90は、弁本体91,スプール92,スプール92
の一方の操作プランジャ93との間に付勢されるスプリン
グ94を有し、弁本体91におけるスプール92のスプリング
94と反対側の端部のポート91aに油路77のピトー圧が導
かれる。また中間のポート91bに油路73が、そのスプリ
ング側ポート91cに油路87が、反対側ポート91dにドレン
油路75が連通し、スプール92の溝部92aが、ポート91bと
91cまたは91dを連通してライン圧を、主プーリサーボ室
38bに給排油するようになっている。スプール92の内部
からスプリング94側に調整プランジャ95が突出して移動
可能に挿入され、このプランジャ95の突出部先端のリテ
ーナ96と操作プランジャ93との間に、調整スプリング97
が設置され、プランジャ95とスプール92との間に、リタ
ーン用スプリング98が付勢される。そしてライン圧ポー
ト91cが、スプール92の小孔99を介してスプール92内部
に連通し、ライン圧をスプール92とプランジャ95に作用
して、ライン圧によりスプール92に対するプランジャ95
の突出量、即ち調整スプリング97の荷重を変化するよう
になっている。 更に、操作プランジャ93は、アクセル開度に応じてリフ
ト作用するカム100からのロッド101と分離して弱いスプ
リング102を介して連結し、ロッド101と同じストローク
移動すべくストッパ103を有する。そしてプランジャ93
内部が、切欠き104,ポート93a,オリフィス105を介し
て油路106によりポート91aに連通し、スプリング102の
荷重を調整するスプリング107が、スプール92の端部で
弁本体91との間に付勢される。 こうしてスプール92には、ピトー圧が、ポート91bと91c
の連通でライン圧を主プーリサーボ室38bに導入してシ
フトアップする方向に作用し、一方、アクセル開度に応
じたスプリング94とライン圧で調整されるスプリング97
の荷重が、ポート91bと91dの連通で主プーリサーボ室38
bをドレンしてシフトダウンする方向に作用し、両者の
平衡関係で変速比を定める。ここで、変速開始前のライ
ン圧が最大の場合は、調整プランジャ95が最も引込んで
スプリング97の荷重を零にし、このことから、スプリン
グ97が無い状態で平衡して変速開始点を定め、この変速
開始点以降は、ライン圧の低下に基づいてスプリング97
の荷重を増し、変速比の小さい高速段へシフトされるの
に従ってエンジン回転数を上昇する。更に、上述の関係
で平衡するピトー圧は、油路106等により操作プランジ
ャ93に作用し、このプランジャ93が受ける上記ピトー圧
による力を相殺する。 セレクト位置検出弁110は、弁本体111にドレン孔112を
有する弁体113が挿入され、弁体113にはセレクト操作に
応じて回動するカム115が当接してある。ここでカム115
において、D,N,Rのレンジ位置は凸部115aであり、
両端のP,Dsのレンジ位置は凹部115bになっており、
上記D,N,Rの各レンジでドレン孔112を閉じて操作
油圧を生じる。また油路79における油路88の分岐部上流
側には、オリフィス116が設けられて、P,Dsレンジ
でドレン孔112が開く際の油路74の油圧の低下を防ぐよ
うになっている。 アクチュエータ120は、シリンダ121にピストン122が挿
入され、このピストン122の一方にリターン用スプリン
グ123が付勢され、その他方のピストン室124に油路88の
操作油圧が導かれる。またピストン122の先端のレバー1
25が、変速比制御弁90のロッド101のピン126と係合可能
になっており、P,Dsレンジで操作油圧が無い場合に
ピストン122,レバー125によりロッド101を強制的に所
定のストローク押込み、変速領域をエンジン回転数の高
い側に制限する。これによりDsレンジでアクセル開放
の場合は、シフトダウンしてエンジンブレーキが効くよ
うになる。 更に、Dsレンジの特性を補正するため、変速比に応じ
て変化するセンサシュー85とアクチュエータ120のピス
トン先端のレバー125との間に、中間をピン127で支持し
た天秤式の補正レバー128が設けられる。この補正レバ
ー128は、アクチュエータ120の押込み動作の場合にのみ
そのピストンレバー125に一端が係合し、この状態で変
速比の大きい低速段側にシフトしてセンサシュー85が所
定の変速比の位置に達した場合に、そのセンサシュー85
にレバー128の他端が係合する。そしてこれ以降は、変
速比が大きくなるに従ってアクチュエータ120のピスト
ン122を引き戻し、変速最大においてピストン122を、略
元の待機位置まで戻すようになっている。 次いで、油圧クラッチ52の油圧制御系について説明す
る。 先ず、上記無段変速機3の油圧制御系におけるライン圧
回路の油路71から油路130が分岐し、この油路130が常に
一定のレデューシング圧に調圧する調圧弁140に連通
し、油路130から分岐する油路131がトランスファ制御弁
150に連通する。また調圧弁140からのレデューシング圧
油路132は、制御弁150の制御側を経てデューティソレノ
イド弁133に連通し、制御弁150からのクラッチ圧油路13
4が、油圧クラッチ52のピストン室61に連通してある。
なお、符号135はオリフィスである。 調圧弁140は、弁本体141,スプール142,スプール142の
一方のレデューシング圧油路132と連通する油圧室143,
油路132に減圧された油圧を導く油路144,スプール142
の他方に付勢されるスプリング145から成る。そしてス
プール142の一方の油圧室143における力と、スプリング
145の力の平衡関係によりスプール142を移動して、ポー
ト141aから油路130のライン圧を導出し、またはドレン
ポート141bからドレンして圧力調整し、その油圧を油路
144によりレデューシング圧油路132と油圧室143に導く
のであり、こうしてレデューシング圧油路132には、常
に一定圧力のレデューシング圧を発生する。即ち油圧室
143におけるランド受圧面積をS,レデューシング圧を
PR,スプリング力をFとすると、 PR・S=F となり、 PR=F/S による一定圧力のレデューシング圧を常時発生する。 ソレノイド弁133は、制御ユニット160からのデューティ
信号に基づき、ドレンポート133aを開くことで、ライン
圧調圧弁140によるレデューシング圧PRを排圧制御し
て制御圧Pcを生じ、これをトランスファ制御弁150に
作用する。 トランスファ制御弁150は、弁本体151,ランド受圧面積
の異なるスプール152,スプール152の一方の制御圧Pc
が導入される油圧室153,その他方に付勢されるスプリ
ング154から成り、ポート151aから導入される油路131の
ライン圧を制御してクラッチ圧PTを発生し、このクラ
ッチ圧PTを、ポート151bから油路134に取出す。即ち
スプール152のランド受圧面積差によるクラッチ圧PT
による力と、油圧室153の制御圧Pcによる力とが下方
に作用し、スプリング154の力がそれに対向して上方に
作用する。そして制御圧Pcが高くなると、スプール15
2を下方移動してポート151aを閉じ、かつドレンポート1
51cを開いてクラッチ圧PTを低下し、制御圧Pcが低
くなると、逆にスプール152の上方移動によりポート151
aの開度を増して、クラッチ圧PTを上昇するように動
作する。 これにより、制御圧Pc,クラッチ圧PT,スプリング
力F,スプール大径面積S1,小径面積S2の間には次
式が成立する。 Pc・S2+PT(S1−S2)=F PT=(F−Pc・S2)/(S1−S2) ここでS1,S2,Fは一定であるから、クラッチ圧P
Tはデューテイ制御される制御圧Pcに対し、反比例の
関係で制御されることになる。 これを第4図(a)により説明すると、ソレノイド弁133の
デューティ比が0%では全く排圧されないで、制御圧P
cは調圧弁140のレデューシング圧PRと等しい最も高
い値になり、この状態からデューティ比が順次大きくな
って排圧されるのに伴い制御圧Pcは低下して、破線の
ような特性となる。一方、上記制御圧Pcとの関係にお
いてクラッチ圧PTは、或るデューティ比d1より小さ
い領域では零であり、そのデューティ比d1以降は比例
的に大きくなり、実線のような特性となる。 第3図において、制御ユニット160を含む電気制御系に
ついて説明する。 先ず、4輪駆動の切換えを検出する4WDスイッチ16
1,アクセル開放を検出するアクセルスイッチ162,エン
ジン負荷を検出するアクセル開度スイッチ163,エンジ
ン回転センサ164,車速センサ165,D,Ds,Rの各レ
ンジを検出するシフトレンジスイッチ166,ブレーキの
踏込みを検出するスイッチ167,電磁粉式クラッチ1の
容量を検出するクラッチ電流センサ168および油温セン
サ169を有する。そして各スイッチおよびセンサの信号
は、入力インターフェイス170により4WDスイッチ161
がオンの場合にのみ入力するようになっている。 制御ユニット160において、アクセル開度演算部171は、
変速入力側のエンジン回転数と変速機出力側の車速との
関係で変速比(プーリ比)を算出し、無段変速機3にお
ける変速パターンは、第4図(c)のように各アクセル開
度毎にエンジン回転数と車速の関係で定められているの
で、この変速パターンのマップを参照することでアクセ
ル開度が求まる。電磁粉式クラッチ1では第4図(c)の
設定車速V1以下の領域D1において、半クラッチ状態
でクラッチ電流が第4図(b)のように制御されるので、
クラッチトルク演算部172ではこのクラッチ電流から直
接クラッチ容量を求める。そこでエンジントルクの演算
部173では、アクセル開度,エンジン回転数からエンジ
ントルクマップを参照してエンジン出力トルクを求め
る。油温判定部174は、油温を判定する。 また走行条件判定部175は、設定車速V1以下の発進を
含む低速判定部175a,設定車速V1以上のクラッチ直結
判定部175b,ブレーキ操作判定部175cを有する。低速判
定部175aからの信号は、領域判定部176に入力し、アク
セルスイッチ162によるアクセル開放、アクセル開度ス
イッチ163による低負荷,高負荷の領域判定され、各負
荷では更にシフトレンジスイッチ166によりシフト位置
が判定される。クラッチ直結判定部175bに対しても領域
判定部177があり、第4図(c)の設定エンジン回転数N1
を基準にしてそれ以下の低負荷,それ以上の高負荷の領
域D2,D3が判定される。ここでエンジン回転数N1
は、全開時の変速開始点N2より低く定められ、アクセ
ル全開の場合の変速開始点付近でトランスファクラッチ
のトルクが変動するのを防止している。更に、ブレーキ
操作判定部175cの信号は、減速度演算部178に入力して
車速センサ165の車速変化に基づいて減速度を算出す
る。 上記各演算部172,173,178、および判定部176,177の
出力信号は、油圧クラッチトルク演算部180に入力し、
演算部180には定数設定部179から油圧クラッチトルクの
全駆動力に対する分担比率の定数が入力しており、各領
域で最適な油圧クラッチトルクを設定するようになって
いる。この場合の分担比率の一例が以下の表に示されて
いる。 そこで半クラッチの低速走行条件では、電磁粉式クラッ
チ1の伝達トルクをベースとし、そこに表の各分担比率
を乗算して油圧クラッチトルクを演算する。またクラッ
チ直結の走行条件では、エンジントルクをベースとし、
同様にして油圧クラッチトルクを演算する。 更に、ブレーキングの場合に関しては、第4図(d)に示
すように減速度との関係で2段階にトルク容量が設定さ
れており、これに対応して表のように定めてある。そこ
で通常は、アクセル開放のエンジンブレーキトルクをベ
ースとし、そこに上記各減速速度ごとの分担比率を用い
るトルク容量を演算し、アクセルスイッチ162の踏込み
信号が生じるまで保持する。また、アクセル踏込み信号
が生じない場合は、設定時間により解除する。 ここで、ブレーキング以外の走行中の分担比率は、表に
示すように10〜60%に設定されており、例えばDsレン
ジの高負荷では60%になっている。そこで、この条件等
でブレーキングを一緒に行った場合は、演算部180にお
いてトルク容量の大きい方を優先するようになってい
る。 デューティ比設定部181は、上記演算部180で演算された
トルクに応じたデューティ比を設定するものであり、こ
のデューティ比の信号が、駆動部182を介してソレノイ
ド弁133に入力する。更に、油温が設定値t1より低い
場合は、補正係数設定部183からの信号によりデューテ
ィ比を補正するようになっている。 次いで、このように構成された油圧制御装置の作用につ
いて説明する。 車両の走行開始時アクセルの踏込みによりエンジン回転
数が上昇すると、電磁粉式クラッチ1がクラッチ電流に
より係合する。そこで前後進切換装置2を前進段にシフ
トすることで、エンジン動力が主軸20を介して主プーリ
36に入力する。ここで走行開始時には、油圧制御系の変
速比制御弁90により主プーリサーボ室38bが排圧され
て、駆動ベルト34は主プーリ36に最も深く巻回して変速
比最大の低速段となり、その後エンジン回転数に応じた
ピトー圧が高くなることで、主プーリサーボ室38bにも
ライン圧が導入され、主プーリ36のプーリ間隔を狭くし
ながらそのベルト巻付け径を増す。こうして、エンジン
回転数を一定に保つように無段変速され、この変速動力
が、主プーリ36から駆動ベルト34,副プーリ37を介して
副軸35に取出され、更にフロントデフ装置4に伝達す
る。 ところで、4WDスイッチ161がオフしていると、制御
ユニット160でデューティ比0%付近の信号が出力し、
ソレノイド弁133は完全に閉じた状態になり、制御圧P
cを最大にする。このため、トランスファ制御弁150に
よりクラッチ圧PTは零になって油圧クラッチ52を開放
するようになり、これにより上記フロントデフ装置4の
動力は前輪にのみ伝達してFFの2輪駆動走行となる。 続いて、4WDスイッチ161をオンした場合の作用を説
明する。 先ず、4WDスイッチ161をオンすることで、入力イン
ターフェース170により各スイッチおよびセンサの信号
が、制御ユニット160に入力して制御可能となる。 そこで、設定車速V1以下の発進を含む低速の走行条件
では、クラッチトルク演算部172において電磁粉式クラ
ッチ1のクラッチ容量が演算される。そしてアクセルス
イッチ162がオフするアクセル開放,アクセルスイッチ1
62のみがオンする低負荷,アクセル開度スイッチ163も
オンする高負荷の場合に、各シフト位置毎に演算部180
で各分担比率により油圧クラッチ52のトルク容量が演算
される。 そこで、デューティ設定部181から上述のトルク容量に
応じたデューティ信号が出力し、ソレノイド弁133を排
圧制御して制御圧Pcを定める。これによりトランスフ
ァ制御弁150は、制御圧Pcに対応して油圧クラッチ52
に給油するようになり、こうしてクラッチ圧PTが上記
トルク容量と等しく設定される。 設定車速V2以上のクラッチ直結の走行条件では、ベー
ストルクとしてエンジントルクが演算され、またはエン
ジン全開トルクが用いられる。そして、設定エンジン回
転数N1以下の領域D2では、エンジントルクをベース
とし、各分担比率により油圧クラッチ52のトルク容量が
演算され、領域D3では、エンジン全開トルクをベース
として同様に演算される。こうしてトルク容量が演算さ
れると、設定部181からのそれに応じたデューティ信号
により上述と同様にしてクラッチ圧を定める。 ここで、上記走行中のブレーキングの場合について第5
図のフローチャートを用いて説明する。 先ず、車速センサ165からの車速に基づき減速度演算部1
78で減速度が算出され、ブレーキスイッチ167をオンし
たブレーキング時で減速度の大きい急ブレーキの場合に
は、油圧クラッチ52のトルク容量が大きく設定され、か
つこのトルク容量に保持する。そこで、以下ブレーキペ
ダルをポンピング操作して減速度が低下しても、上記油
圧クラッチ52は大きいトルク容量により略直結した状態
になり、実施例のFFベースでは前輪の駆動力が後輪側
に伝達してそのロックを防止することになる。 一方、緩ブレーキの場合は、油圧クラッチ52のトルク容
量が小さく設定されてスリップ可能となり、これにより
転舵する際に駆動系の捩りトルクで油圧クラッチ52がス
リップしてタイトコーナブレーキング現象が回避され
る。そしてこのような油圧クラッチ52のブレーキング時
のトルク容量は、アクセルスイッチ162の踏込み信号に
より再加速する場合に解除し、再加速時の走行条件によ
り油圧クラッチ52のトルク容量は改めて設定される。 また、上記ブレーキング時にアクセル踏込みを同時に行
うような運転操作の場合は、ブレーキング用トルク容量
TAとアクセル踏込みによるトルク容量TBとが比較さ
れ、その一方の大きい方を優先して設定する。このため
油圧クラッチ52のトルク容量は、ブレーキング用のもの
より大きくなり、4輪駆動の機能が充分発揮される。 以上、本発明の一実施例について述べたが、ブレーキン
グ時のトルク容量は、減速度に応じて比例的に定めても
良い。 また本発明は、実施例以外のクラッチ,変速機の場合、
FR,RRベースのパートタイム,フルタイム式にも同
様に適用できる。
る。 第1図において、本発明が適用される4輪駆動装置の一
例として、FFベースの横置きトランスアクスル型で電
磁粉式クラッチにベルト式無段変速機を組合わせたもの
について説明する。 符号1は電磁粉式クラッチ、2は前後進切換装置、3は
無段変速機、4はフロントデフ装置、5は油圧式トラン
スファ装置である。そしてクラッチハウジング6の一方
に電磁粉式クラッチ1が収容され、そのクラッチハウジ
ング6の他方と、そこに接合されるメインケース7,更
にメインケース7のクラッチハウジング6と反対側に接
合されるサイドケース8の内部に、前後進切換装置2,
無段変速機3,フロントデフ装置4およびトランスファ
装置5が収容され、クラッチハウジング6の後部にエク
ステンションケース9が接合する。 電磁粉式クラッチ1は、エンジンからのクランク軸10に
ドライブプレート11を介して一体結合するリング状のド
ライブメンバ12,変速機入力軸13に回転方向に一体的に
スプライン結合するディスク状のドリブンメンバ14を有
する。そしてドリブンメンバ14の外周部側にコイル15が
内蔵されて、両メンバ12,14の間に内周に沿いギャップ
16が形成され、このギャップ16は電磁粉を有する。また
コイル15を具備するドリブンメンバ14のハブ部のスリッ
プリング18には、給電用ブラシ19が摺接し、スリップリ
ング18から更にドリブンメンバ14内部を通りコイル15に
結線されてクラッチ電流回路が構成されている。 こうして、コイル15にクラッチ電流を流すと、ギャップ
16を介してドライブおよびドリブンメンバ12,14の間に
生じる磁力線により、そのギャップ16に電磁粉が鎖状に
結合して集積し、これによる結合力でドライブメンバ12
に対しドリブンメンバ14が滑りながら一体結合して、ク
ラッチ接続状態になる。一方、クラッチ電流をカットす
ると、電磁粉によるドライブおよびドリブンメンバ12,
14の結合力が消失してクラッチ切断状態になる。そして
この場合のクラッチ電流の制御を、前後進切換装置2の
操作に連動して行うようにすれば、P(パーキング)ま
たはN(ニュートラル)レンジからの前進のD(ドライ
ブ),Ds(スポーティドライブ)または後退のR(リ
バース)レンジへの切換え時に自動的にクラッチ1が接
断して、クラッチペダル操作が不要になる。 次いで、前後進切換装置2は、上記クラッチ1からの入
力軸13と、これに同軸上に配置された主軸20との間に設
けられる。即ち、入力軸13に前進被係合側を兼ねた後進
用ドライブギヤ21が形成され、主軸20には後進用被係合
側のギヤ22が回転自在に嵌合してあり、これらのギヤ2
1,22が、軸23で支持されたカウンタギヤ24,軸25で支
持されたアイドラギヤ26を介して噛合い構成される。そ
して主軸20とギヤ21および22との間に、切換機構27が設
けられる。ここで常時噛合っている上記ギヤ21,24,2
6,22は、クラッチ1のコイル15を有するドリブンメン
バ14に連結しており、クラッチ切断時のこの部分の慣性
マスが比較的大きい点に対応して切換機構27は、主軸20
のハブ28にスプライン嵌合するスリーブ29が、シンクロ
機構30,31を介して各ギヤ21,22に噛合い結合するよう
に構成されている。 これによりPまたはNレンジの中立位置では、切換機構
27のスリーブ29がハブ28とのみ嵌合して、主軸20が入力
軸13から切離される。次いでスリーブ29を、シンクロ機
構30を介してギヤ21側に噛合わすと、入力軸13に対し主
軸20が直結してDまたはDsレンジの前進状態になる。
一方、スリーブ29を、逆にシンクロ機構31を介してギヤ
22側に噛合わせると、入力軸13はギヤ21,24,26,22を
介して主軸20に連結され、エンジン動力が減速逆転して
Rレンジの後進状態になる。 無段変速機3は、上記主軸20に対し副軸35が平行配置さ
れ、これらの両軸20,35にそれぞれ主プーリ36,副プー
リ37が設けられ、かつ両プーリ36,37の間にエンドレス
の駆動ベルト34が掛け渡してある。プーリ36,37はいず
れも2分割に構成され、一方のプーリ半体36a,37aに対
し、他方のプーリ半体36b,37bがプーリ間隔を可変にす
べく移動可能にされ、可動側プーリ半体36b,37bには、
それ自体ピストンを兼ねた油圧サーボ装置38,39が付設
され、更に副プーリ37の可動側プーリ半体37bには、プ
ーリ間隔を狭くする方向にスプリング40が付勢されてい
る。 また油圧制御系として、作動源のオイルポンプ41が主プ
ーリ36の隣りに設置される。このオイルポンプ41は、高
圧用のギヤポンプであり、ポンプ駆動軸42が、主プーリ
36,主軸20および入力軸13の内部を貫通してクランク軸
10に直結し、エンジン運転中、常に油圧を生じるように
なっている。そしてこのオイルポンプ41の油圧を制御
して、各油圧サーボ装置38,39に給排油し、主プーリ36
と副プーリ37のプーリ間隔を逆の関係に変化して、駆動
ベルト34のプーリ36,37におけるプーリ比を無段階に変
換し、無段変速した動力を副軸35に出力する。 フロントデフ装置4は、上記無段変速機3の高速段側最
小プーリ比が、例えば0.5と非常に小さく、このため副
軸35の回転数が大きい点に鑑み、副軸35に対し1組の中
間減速ギヤ43を介して出力軸44が連結される。そしてこ
の出力軸44のドライブギヤ45に、ファイナルギヤ46が噛
合い、ファイナルギヤ46から差動機構47を介して左右の
前輪の車軸48,49に伝動構成される。 更にトランスファ装置5は、上記ファイナルギヤ46に噛
合うトランスファギヤ50が、車体と左右方向に設置され
るトランスファ軸51に回転自在に嵌合しており、これら
のトランスファギヤ50と軸51の間に、4輪駆動用の湿式
多板式油圧クラッチ52が設けられる。そしてトランスフ
ァ軸51は、一対のベベルギヤ53,54により方向変換され
てリヤドライブ軸55に連結され、リヤドライブ軸55から
更に後輪側に伝動構成される。 油圧クラッチ52は、トランスファギヤ50と一体的なハブ
56,トランスファ軸51と一体的なドラム57を有し、これ
らのハブ56とドラム57の間に、ピストン58により押圧さ
れるプレート59が多板式に設置される。そしてピストン
58には、リターン用スプリング60が付勢され、プレート
59と反対側にピストン室61が設けてある。またメインケ
ース7において、トランスファ軸51の延長線上にカバー
62が被着され、このカバー62内部でメインケース7にバ
ルブボデー63が取付けられ、更にバルブボデー63にソレ
ノイド手段64が搭載される。こうしてバルブボデー63か
らのクラッチ油圧が、トランスファ軸51等の油路65を介
してピストン室61に導入されて、クラッチトルクを制御
するようになっている。 第2図において、無段変速機3の油圧制御系について説
明すると、主プーリ側油圧サーボ装置38において、主軸
20と一体的なシリンダ38aに可動側プーリ半体36bが嵌合
し、シリンダ38a内にライン圧が導入される主プーリサ
ーボ室38bを有する。また副プーリ側油圧サーボ装置39
においても、副軸35と一体的なシリンダ39aに可動側プ
ーリ半体37bが嵌合し、シリンダ39a内にライン圧が導入
される副プーリサーボ室39bを有し、ここでプーリ半体3
7bに比べてプーリ半体36bの方が、ライン圧の受圧面積
が大きくなっている。 そして油溜70からオイルポンプ41により汲み上げられた
オイルは、油路71を介して圧力調整弁80に導かれ、油路
71から分岐するライン圧の油路72が、副プーリサーボ室
39bに常にライン圧を導入すべく連通する。油路71は、
更に変速比制御弁90に連通し、この変速比制御弁90と主
プーリサーボ室38bの間にライン圧を給排油する油路73
が連通し、各弁80,90のドレン油路74,75が油溜側に連
通する。また主プーリ側のシリンダ38aの個所には、ク
ラッチ係合後の変速制御において、エンジン回転数に応
じたピトー圧の制御信号圧を取出す回転センサ76が設置
され、この回転センサ76からのピトー圧が、油路77を介
して各弁80,90に導かれる。 更に、エンジン回転数の低い状態を含む広範囲で変速制
御を行うDレンジに対し、エンジン回転数の高い範囲に
限定して変速制御を行い、アクセル開放の場合にエンジ
ンブレーキ作用するDsレンジを得る油圧系として、圧
力調整弁80からのドレン油路74にリリーフ弁78が設けら
れ、このリリーフ弁78の上流側から分岐する潤滑油圧回
路の油路79が、セレクト位置検出弁110に連通し、油路7
9から更に分岐する油路88が、変速比制御弁90のアクチ
ュエータ120に連通している。 圧力調整弁80は、弁本体81,スプール82,スプール82の
一方のブッシュ83との間に付勢されるスプリング84を有
し、主プーリ可動側プーリ半体36bに係合して実際の変
速比を検出するセンサシュー85が、潤滑通路を兼ねた軸
管86で移動可能に支持されてブッシュ83に連通する。弁
本体81において、スプール82のスプリング84と反対側の
ポート81aには油路77のピトー圧が、ポート81bには油路
71のポンプ油圧が導かれる。またポート81cには、油路7
1と変速比制御弁90への油路87が連通している。このポ
ート81cのスプリング84側のポート81f,およびポート81
aと81bの間に設けられてポンプ油圧の漏れがピトー圧に
影響するのを防ぐポート81eが設けられており、漏れた
油はドレンされ油溜70に導かれる。スプール82のランド
82aのチャンファ部でポート81cと81dを連通して調圧す
るようになっている。 即ち、スプール82にはピトー圧およびポンプ油圧が、ド
レンポート81dを開く方向に作用し、これに対しセンサ
シュー85による変速比に応じたスプリング84の荷重が、
ドレンポート81dを閉じる方向に作用する。これによ
り、例えば変速比の大きい低速段ではポート81cに高い
ライン圧を生じ、プーリ半体36bが図示右側に動くこと
により、変速比が小さい高速段に移行するのに従ってセ
ンサシュー85が図示右側に動き、スプリング84の荷重の
低下によりライン圧を低下すべく制御し、こうして常に
ベルトスリップを生じないプーリ押付力を保持する。 変速比制御弁90は、弁本体91,スプール92,スプール92
の一方の操作プランジャ93との間に付勢されるスプリン
グ94を有し、弁本体91におけるスプール92のスプリング
94と反対側の端部のポート91aに油路77のピトー圧が導
かれる。また中間のポート91bに油路73が、そのスプリ
ング側ポート91cに油路87が、反対側ポート91dにドレン
油路75が連通し、スプール92の溝部92aが、ポート91bと
91cまたは91dを連通してライン圧を、主プーリサーボ室
38bに給排油するようになっている。スプール92の内部
からスプリング94側に調整プランジャ95が突出して移動
可能に挿入され、このプランジャ95の突出部先端のリテ
ーナ96と操作プランジャ93との間に、調整スプリング97
が設置され、プランジャ95とスプール92との間に、リタ
ーン用スプリング98が付勢される。そしてライン圧ポー
ト91cが、スプール92の小孔99を介してスプール92内部
に連通し、ライン圧をスプール92とプランジャ95に作用
して、ライン圧によりスプール92に対するプランジャ95
の突出量、即ち調整スプリング97の荷重を変化するよう
になっている。 更に、操作プランジャ93は、アクセル開度に応じてリフ
ト作用するカム100からのロッド101と分離して弱いスプ
リング102を介して連結し、ロッド101と同じストローク
移動すべくストッパ103を有する。そしてプランジャ93
内部が、切欠き104,ポート93a,オリフィス105を介し
て油路106によりポート91aに連通し、スプリング102の
荷重を調整するスプリング107が、スプール92の端部で
弁本体91との間に付勢される。 こうしてスプール92には、ピトー圧が、ポート91bと91c
の連通でライン圧を主プーリサーボ室38bに導入してシ
フトアップする方向に作用し、一方、アクセル開度に応
じたスプリング94とライン圧で調整されるスプリング97
の荷重が、ポート91bと91dの連通で主プーリサーボ室38
bをドレンしてシフトダウンする方向に作用し、両者の
平衡関係で変速比を定める。ここで、変速開始前のライ
ン圧が最大の場合は、調整プランジャ95が最も引込んで
スプリング97の荷重を零にし、このことから、スプリン
グ97が無い状態で平衡して変速開始点を定め、この変速
開始点以降は、ライン圧の低下に基づいてスプリング97
の荷重を増し、変速比の小さい高速段へシフトされるの
に従ってエンジン回転数を上昇する。更に、上述の関係
で平衡するピトー圧は、油路106等により操作プランジ
ャ93に作用し、このプランジャ93が受ける上記ピトー圧
による力を相殺する。 セレクト位置検出弁110は、弁本体111にドレン孔112を
有する弁体113が挿入され、弁体113にはセレクト操作に
応じて回動するカム115が当接してある。ここでカム115
において、D,N,Rのレンジ位置は凸部115aであり、
両端のP,Dsのレンジ位置は凹部115bになっており、
上記D,N,Rの各レンジでドレン孔112を閉じて操作
油圧を生じる。また油路79における油路88の分岐部上流
側には、オリフィス116が設けられて、P,Dsレンジ
でドレン孔112が開く際の油路74の油圧の低下を防ぐよ
うになっている。 アクチュエータ120は、シリンダ121にピストン122が挿
入され、このピストン122の一方にリターン用スプリン
グ123が付勢され、その他方のピストン室124に油路88の
操作油圧が導かれる。またピストン122の先端のレバー1
25が、変速比制御弁90のロッド101のピン126と係合可能
になっており、P,Dsレンジで操作油圧が無い場合に
ピストン122,レバー125によりロッド101を強制的に所
定のストローク押込み、変速領域をエンジン回転数の高
い側に制限する。これによりDsレンジでアクセル開放
の場合は、シフトダウンしてエンジンブレーキが効くよ
うになる。 更に、Dsレンジの特性を補正するため、変速比に応じ
て変化するセンサシュー85とアクチュエータ120のピス
トン先端のレバー125との間に、中間をピン127で支持し
た天秤式の補正レバー128が設けられる。この補正レバ
ー128は、アクチュエータ120の押込み動作の場合にのみ
そのピストンレバー125に一端が係合し、この状態で変
速比の大きい低速段側にシフトしてセンサシュー85が所
定の変速比の位置に達した場合に、そのセンサシュー85
にレバー128の他端が係合する。そしてこれ以降は、変
速比が大きくなるに従ってアクチュエータ120のピスト
ン122を引き戻し、変速最大においてピストン122を、略
元の待機位置まで戻すようになっている。 次いで、油圧クラッチ52の油圧制御系について説明す
る。 先ず、上記無段変速機3の油圧制御系におけるライン圧
回路の油路71から油路130が分岐し、この油路130が常に
一定のレデューシング圧に調圧する調圧弁140に連通
し、油路130から分岐する油路131がトランスファ制御弁
150に連通する。また調圧弁140からのレデューシング圧
油路132は、制御弁150の制御側を経てデューティソレノ
イド弁133に連通し、制御弁150からのクラッチ圧油路13
4が、油圧クラッチ52のピストン室61に連通してある。
なお、符号135はオリフィスである。 調圧弁140は、弁本体141,スプール142,スプール142の
一方のレデューシング圧油路132と連通する油圧室143,
油路132に減圧された油圧を導く油路144,スプール142
の他方に付勢されるスプリング145から成る。そしてス
プール142の一方の油圧室143における力と、スプリング
145の力の平衡関係によりスプール142を移動して、ポー
ト141aから油路130のライン圧を導出し、またはドレン
ポート141bからドレンして圧力調整し、その油圧を油路
144によりレデューシング圧油路132と油圧室143に導く
のであり、こうしてレデューシング圧油路132には、常
に一定圧力のレデューシング圧を発生する。即ち油圧室
143におけるランド受圧面積をS,レデューシング圧を
PR,スプリング力をFとすると、 PR・S=F となり、 PR=F/S による一定圧力のレデューシング圧を常時発生する。 ソレノイド弁133は、制御ユニット160からのデューティ
信号に基づき、ドレンポート133aを開くことで、ライン
圧調圧弁140によるレデューシング圧PRを排圧制御し
て制御圧Pcを生じ、これをトランスファ制御弁150に
作用する。 トランスファ制御弁150は、弁本体151,ランド受圧面積
の異なるスプール152,スプール152の一方の制御圧Pc
が導入される油圧室153,その他方に付勢されるスプリ
ング154から成り、ポート151aから導入される油路131の
ライン圧を制御してクラッチ圧PTを発生し、このクラ
ッチ圧PTを、ポート151bから油路134に取出す。即ち
スプール152のランド受圧面積差によるクラッチ圧PT
による力と、油圧室153の制御圧Pcによる力とが下方
に作用し、スプリング154の力がそれに対向して上方に
作用する。そして制御圧Pcが高くなると、スプール15
2を下方移動してポート151aを閉じ、かつドレンポート1
51cを開いてクラッチ圧PTを低下し、制御圧Pcが低
くなると、逆にスプール152の上方移動によりポート151
aの開度を増して、クラッチ圧PTを上昇するように動
作する。 これにより、制御圧Pc,クラッチ圧PT,スプリング
力F,スプール大径面積S1,小径面積S2の間には次
式が成立する。 Pc・S2+PT(S1−S2)=F PT=(F−Pc・S2)/(S1−S2) ここでS1,S2,Fは一定であるから、クラッチ圧P
Tはデューテイ制御される制御圧Pcに対し、反比例の
関係で制御されることになる。 これを第4図(a)により説明すると、ソレノイド弁133の
デューティ比が0%では全く排圧されないで、制御圧P
cは調圧弁140のレデューシング圧PRと等しい最も高
い値になり、この状態からデューティ比が順次大きくな
って排圧されるのに伴い制御圧Pcは低下して、破線の
ような特性となる。一方、上記制御圧Pcとの関係にお
いてクラッチ圧PTは、或るデューティ比d1より小さ
い領域では零であり、そのデューティ比d1以降は比例
的に大きくなり、実線のような特性となる。 第3図において、制御ユニット160を含む電気制御系に
ついて説明する。 先ず、4輪駆動の切換えを検出する4WDスイッチ16
1,アクセル開放を検出するアクセルスイッチ162,エン
ジン負荷を検出するアクセル開度スイッチ163,エンジ
ン回転センサ164,車速センサ165,D,Ds,Rの各レ
ンジを検出するシフトレンジスイッチ166,ブレーキの
踏込みを検出するスイッチ167,電磁粉式クラッチ1の
容量を検出するクラッチ電流センサ168および油温セン
サ169を有する。そして各スイッチおよびセンサの信号
は、入力インターフェイス170により4WDスイッチ161
がオンの場合にのみ入力するようになっている。 制御ユニット160において、アクセル開度演算部171は、
変速入力側のエンジン回転数と変速機出力側の車速との
関係で変速比(プーリ比)を算出し、無段変速機3にお
ける変速パターンは、第4図(c)のように各アクセル開
度毎にエンジン回転数と車速の関係で定められているの
で、この変速パターンのマップを参照することでアクセ
ル開度が求まる。電磁粉式クラッチ1では第4図(c)の
設定車速V1以下の領域D1において、半クラッチ状態
でクラッチ電流が第4図(b)のように制御されるので、
クラッチトルク演算部172ではこのクラッチ電流から直
接クラッチ容量を求める。そこでエンジントルクの演算
部173では、アクセル開度,エンジン回転数からエンジ
ントルクマップを参照してエンジン出力トルクを求め
る。油温判定部174は、油温を判定する。 また走行条件判定部175は、設定車速V1以下の発進を
含む低速判定部175a,設定車速V1以上のクラッチ直結
判定部175b,ブレーキ操作判定部175cを有する。低速判
定部175aからの信号は、領域判定部176に入力し、アク
セルスイッチ162によるアクセル開放、アクセル開度ス
イッチ163による低負荷,高負荷の領域判定され、各負
荷では更にシフトレンジスイッチ166によりシフト位置
が判定される。クラッチ直結判定部175bに対しても領域
判定部177があり、第4図(c)の設定エンジン回転数N1
を基準にしてそれ以下の低負荷,それ以上の高負荷の領
域D2,D3が判定される。ここでエンジン回転数N1
は、全開時の変速開始点N2より低く定められ、アクセ
ル全開の場合の変速開始点付近でトランスファクラッチ
のトルクが変動するのを防止している。更に、ブレーキ
操作判定部175cの信号は、減速度演算部178に入力して
車速センサ165の車速変化に基づいて減速度を算出す
る。 上記各演算部172,173,178、および判定部176,177の
出力信号は、油圧クラッチトルク演算部180に入力し、
演算部180には定数設定部179から油圧クラッチトルクの
全駆動力に対する分担比率の定数が入力しており、各領
域で最適な油圧クラッチトルクを設定するようになって
いる。この場合の分担比率の一例が以下の表に示されて
いる。 そこで半クラッチの低速走行条件では、電磁粉式クラッ
チ1の伝達トルクをベースとし、そこに表の各分担比率
を乗算して油圧クラッチトルクを演算する。またクラッ
チ直結の走行条件では、エンジントルクをベースとし、
同様にして油圧クラッチトルクを演算する。 更に、ブレーキングの場合に関しては、第4図(d)に示
すように減速度との関係で2段階にトルク容量が設定さ
れており、これに対応して表のように定めてある。そこ
で通常は、アクセル開放のエンジンブレーキトルクをベ
ースとし、そこに上記各減速速度ごとの分担比率を用い
るトルク容量を演算し、アクセルスイッチ162の踏込み
信号が生じるまで保持する。また、アクセル踏込み信号
が生じない場合は、設定時間により解除する。 ここで、ブレーキング以外の走行中の分担比率は、表に
示すように10〜60%に設定されており、例えばDsレン
ジの高負荷では60%になっている。そこで、この条件等
でブレーキングを一緒に行った場合は、演算部180にお
いてトルク容量の大きい方を優先するようになってい
る。 デューティ比設定部181は、上記演算部180で演算された
トルクに応じたデューティ比を設定するものであり、こ
のデューティ比の信号が、駆動部182を介してソレノイ
ド弁133に入力する。更に、油温が設定値t1より低い
場合は、補正係数設定部183からの信号によりデューテ
ィ比を補正するようになっている。 次いで、このように構成された油圧制御装置の作用につ
いて説明する。 車両の走行開始時アクセルの踏込みによりエンジン回転
数が上昇すると、電磁粉式クラッチ1がクラッチ電流に
より係合する。そこで前後進切換装置2を前進段にシフ
トすることで、エンジン動力が主軸20を介して主プーリ
36に入力する。ここで走行開始時には、油圧制御系の変
速比制御弁90により主プーリサーボ室38bが排圧され
て、駆動ベルト34は主プーリ36に最も深く巻回して変速
比最大の低速段となり、その後エンジン回転数に応じた
ピトー圧が高くなることで、主プーリサーボ室38bにも
ライン圧が導入され、主プーリ36のプーリ間隔を狭くし
ながらそのベルト巻付け径を増す。こうして、エンジン
回転数を一定に保つように無段変速され、この変速動力
が、主プーリ36から駆動ベルト34,副プーリ37を介して
副軸35に取出され、更にフロントデフ装置4に伝達す
る。 ところで、4WDスイッチ161がオフしていると、制御
ユニット160でデューティ比0%付近の信号が出力し、
ソレノイド弁133は完全に閉じた状態になり、制御圧P
cを最大にする。このため、トランスファ制御弁150に
よりクラッチ圧PTは零になって油圧クラッチ52を開放
するようになり、これにより上記フロントデフ装置4の
動力は前輪にのみ伝達してFFの2輪駆動走行となる。 続いて、4WDスイッチ161をオンした場合の作用を説
明する。 先ず、4WDスイッチ161をオンすることで、入力イン
ターフェース170により各スイッチおよびセンサの信号
が、制御ユニット160に入力して制御可能となる。 そこで、設定車速V1以下の発進を含む低速の走行条件
では、クラッチトルク演算部172において電磁粉式クラ
ッチ1のクラッチ容量が演算される。そしてアクセルス
イッチ162がオフするアクセル開放,アクセルスイッチ1
62のみがオンする低負荷,アクセル開度スイッチ163も
オンする高負荷の場合に、各シフト位置毎に演算部180
で各分担比率により油圧クラッチ52のトルク容量が演算
される。 そこで、デューティ設定部181から上述のトルク容量に
応じたデューティ信号が出力し、ソレノイド弁133を排
圧制御して制御圧Pcを定める。これによりトランスフ
ァ制御弁150は、制御圧Pcに対応して油圧クラッチ52
に給油するようになり、こうしてクラッチ圧PTが上記
トルク容量と等しく設定される。 設定車速V2以上のクラッチ直結の走行条件では、ベー
ストルクとしてエンジントルクが演算され、またはエン
ジン全開トルクが用いられる。そして、設定エンジン回
転数N1以下の領域D2では、エンジントルクをベース
とし、各分担比率により油圧クラッチ52のトルク容量が
演算され、領域D3では、エンジン全開トルクをベース
として同様に演算される。こうしてトルク容量が演算さ
れると、設定部181からのそれに応じたデューティ信号
により上述と同様にしてクラッチ圧を定める。 ここで、上記走行中のブレーキングの場合について第5
図のフローチャートを用いて説明する。 先ず、車速センサ165からの車速に基づき減速度演算部1
78で減速度が算出され、ブレーキスイッチ167をオンし
たブレーキング時で減速度の大きい急ブレーキの場合に
は、油圧クラッチ52のトルク容量が大きく設定され、か
つこのトルク容量に保持する。そこで、以下ブレーキペ
ダルをポンピング操作して減速度が低下しても、上記油
圧クラッチ52は大きいトルク容量により略直結した状態
になり、実施例のFFベースでは前輪の駆動力が後輪側
に伝達してそのロックを防止することになる。 一方、緩ブレーキの場合は、油圧クラッチ52のトルク容
量が小さく設定されてスリップ可能となり、これにより
転舵する際に駆動系の捩りトルクで油圧クラッチ52がス
リップしてタイトコーナブレーキング現象が回避され
る。そしてこのような油圧クラッチ52のブレーキング時
のトルク容量は、アクセルスイッチ162の踏込み信号に
より再加速する場合に解除し、再加速時の走行条件によ
り油圧クラッチ52のトルク容量は改めて設定される。 また、上記ブレーキング時にアクセル踏込みを同時に行
うような運転操作の場合は、ブレーキング用トルク容量
TAとアクセル踏込みによるトルク容量TBとが比較さ
れ、その一方の大きい方を優先して設定する。このため
油圧クラッチ52のトルク容量は、ブレーキング用のもの
より大きくなり、4輪駆動の機能が充分発揮される。 以上、本発明の一実施例について述べたが、ブレーキン
グ時のトルク容量は、減速度に応じて比例的に定めても
良い。 また本発明は、実施例以外のクラッチ,変速機の場合、
FR,RRベースのパートタイム,フルタイム式にも同
様に適用できる。
以上述べてきたように、本発明によれば、トランスファ
装置に油圧クラッチを有し、そのトルク容量を走行条件
に応じて制御する4輪駆動装置の油圧制御装置におい
て、ブレーキング時のトルク容量が各別に設定されるの
で、旋回時にブレーキングする際のタイトコーナブレー
キング現象を回避し、同時に急ブレーキ効果を向上する
ことができる。 ブレーキング時のトルク容量が一度設定されると、アク
セル踏込みがあるまでそれを保持するので、上記効果が
充分発揮され、再加速へ移行する際の油圧クラッチのト
ルク制御が円滑に行われる。 アクセル踏込みとブレーキングを同時に行う場合は、ト
ルク容量の大きい方が優先されるので、4輪駆動の機能
を損うことがない。
装置に油圧クラッチを有し、そのトルク容量を走行条件
に応じて制御する4輪駆動装置の油圧制御装置におい
て、ブレーキング時のトルク容量が各別に設定されるの
で、旋回時にブレーキングする際のタイトコーナブレー
キング現象を回避し、同時に急ブレーキ効果を向上する
ことができる。 ブレーキング時のトルク容量が一度設定されると、アク
セル踏込みがあるまでそれを保持するので、上記効果が
充分発揮され、再加速へ移行する際の油圧クラッチのト
ルク制御が円滑に行われる。 アクセル踏込みとブレーキングを同時に行う場合は、ト
ルク容量の大きい方が優先されるので、4輪駆動の機能
を損うことがない。
第1図は本発明が適用される4輪駆動装置の一例を示す
断面図、第2図は油圧制御系の実施例を示す回路図、第
3図は電気制御系の回路図、第4図(a)はソレノイド弁
の特性図,(b)は電磁粉式クラッチの電流特性図,(c)は
無段変速機の変速パターン,(d)は減速度に対するトル
ク容量の関係を示す図、第5図は作用を説明するフロー
チャート図である。 1……電磁粉式クラッチ、2……前後進切換装置、3…
…無段変速機、4……フロントデフ装置、5……トラン
スファ装置、52……油圧クラッチ、133……ソレノイド
弁、140……調圧弁、150……トランスファ制御弁、160
……制御ユニット、162……アクセルスイッチ、167……
ブレーキスイッチ、175c……ブレーキ判定部、178……
減速度演算部、180……油圧クラッチトルク演算部。
断面図、第2図は油圧制御系の実施例を示す回路図、第
3図は電気制御系の回路図、第4図(a)はソレノイド弁
の特性図,(b)は電磁粉式クラッチの電流特性図,(c)は
無段変速機の変速パターン,(d)は減速度に対するトル
ク容量の関係を示す図、第5図は作用を説明するフロー
チャート図である。 1……電磁粉式クラッチ、2……前後進切換装置、3…
…無段変速機、4……フロントデフ装置、5……トラン
スファ装置、52……油圧クラッチ、133……ソレノイド
弁、140……調圧弁、150……トランスファ制御弁、160
……制御ユニット、162……アクセルスイッチ、167……
ブレーキスイッチ、175c……ブレーキ判定部、178……
減速度演算部、180……油圧クラッチトルク演算部。
Claims (1)
- 【請求項1】前後輪の駆動系の途中のトランスファ装置
に油圧クラッチを有し、該油圧クラッチのトルク容量を
走行条件に応じて制御する4輪駆動装置の油圧制御系に
おいて、 ブレーキング用として上記油圧クラッチのトルク容量
を、減速度との関係で少なくとも大きい減速度,小さい
減速度の2段階に定めて、ブレーキング時に減速度に応
じたトルク容量を設定する手段と、 アクセル踏込みとブレーキングとを同時に行う場合は、
上記ブレーキング用のトルク容量と、通常走行時に設定
された走行条件に伴なうトルク容量とを比較してトルク
容量の大きい方を優先して設定する手段とを有し、 上記ブレーキング時の設定は、少なくともアクセル踏込
み信号が生じるまで保持し、該信号が生じると設定を解
除する手段とを有してなることを特徴とする4輪駆動装
置の油圧制御装置。
Priority Applications (6)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP60092979A JPH0623014B2 (ja) | 1985-04-30 | 1985-04-30 | 4輪駆動装置の油圧制御装置 |
US06/855,988 US4708227A (en) | 1985-04-30 | 1986-04-24 | System for controlling a transfer clutch of a four-wheel drive vehicle |
CA000507727A CA1257986A (en) | 1985-04-30 | 1986-04-28 | System for controlling a transfer clutch of a four- wheel drive vehicle |
DE8686303230T DE3666391D1 (en) | 1985-04-30 | 1986-04-29 | System for controlling a transfer clutch of a four-wheel drive vehicle |
EP86303230A EP0206476B1 (en) | 1985-04-30 | 1986-04-29 | System for controlling a transfer clutch of a four-wheel drive vehicle |
AU56868/86A AU570358B2 (en) | 1985-04-30 | 1986-04-30 | Control system for a transfer clutch of a four wheel drive vehicle |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP60092979A JPH0623014B2 (ja) | 1985-04-30 | 1985-04-30 | 4輪駆動装置の油圧制御装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS61249836A JPS61249836A (ja) | 1986-11-07 |
JPH0623014B2 true JPH0623014B2 (ja) | 1994-03-30 |
Family
ID=14069505
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP60092979A Expired - Lifetime JPH0623014B2 (ja) | 1985-04-30 | 1985-04-30 | 4輪駆動装置の油圧制御装置 |
Country Status (6)
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US (1) | US4708227A (ja) |
EP (1) | EP0206476B1 (ja) |
JP (1) | JPH0623014B2 (ja) |
AU (1) | AU570358B2 (ja) |
CA (1) | CA1257986A (ja) |
DE (1) | DE3666391D1 (ja) |
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JP2652370B2 (ja) * | 1986-04-24 | 1997-09-10 | 富士重工業株式会社 | 車両用自動クラツチの制御装置 |
JP2688818B2 (ja) * | 1988-03-09 | 1997-12-10 | 富士重工業株式会社 | 4輪駆動車のトランスファクラッチ制御装置 |
JP2509299B2 (ja) * | 1988-06-22 | 1996-06-19 | 日産自動車株式会社 | 四輪駆動車のアンチスキッド制御装置 |
EP0444098B1 (de) * | 1988-11-17 | 1994-04-20 | ZF FRIEDRICHSHAFEN Aktiengesellschaft | Verfahren zur regelung einer kupplung |
JP2934457B2 (ja) * | 1989-08-28 | 1999-08-16 | 富士重工業株式会社 | 4輪駆動車の不等トルク配分制御装置 |
JP3082131B2 (ja) * | 1995-07-20 | 2000-08-28 | 本田技研工業株式会社 | ロックアップクラッチの制御装置 |
JP2002187446A (ja) * | 2000-12-21 | 2002-07-02 | Fuji Heavy Ind Ltd | 4輪駆動車の動力配分装置 |
US7832518B2 (en) * | 2007-03-22 | 2010-11-16 | Ford Global Technologies, Llc | Torque distribution control in a motor vehicle |
KR101905916B1 (ko) * | 2012-12-11 | 2018-10-08 | 현대자동차주식회사 | 자동화 수동변속기의 싱크스타트 탐색방법 |
Family Cites Families (8)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS5856921A (ja) * | 1981-09-29 | 1983-04-04 | Fuji Heavy Ind Ltd | 4輪駆動車 |
JPS58177722A (ja) * | 1982-04-09 | 1983-10-18 | Fuji Heavy Ind Ltd | 4輪駆動車の切換制御装置 |
JPS5953128A (ja) * | 1982-09-14 | 1984-03-27 | Inoue Japax Res Inc | ワイヤカツト放電加工装置 |
JPS59109430A (ja) * | 1982-12-15 | 1984-06-25 | Fuji Heavy Ind Ltd | パ−トタイム式4輪駆動車の切換制御装置 |
JPS59109431A (ja) * | 1982-12-16 | 1984-06-25 | Fuji Heavy Ind Ltd | 4輪駆動車の切換制御装置 |
JPS59154427U (ja) * | 1983-04-01 | 1984-10-17 | 日産自動車株式会社 | 4輪駆動車 |
JPS59184026A (ja) * | 1983-04-01 | 1984-10-19 | Nissan Motor Co Ltd | 4輪駆動車 |
JPS6064035A (ja) * | 1983-09-19 | 1985-04-12 | Fuji Heavy Ind Ltd | 4輪駆動車の切換制御装置 |
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1985
- 1985-04-30 JP JP60092979A patent/JPH0623014B2/ja not_active Expired - Lifetime
-
1986
- 1986-04-24 US US06/855,988 patent/US4708227A/en not_active Expired - Fee Related
- 1986-04-28 CA CA000507727A patent/CA1257986A/en not_active Expired
- 1986-04-29 DE DE8686303230T patent/DE3666391D1/de not_active Expired
- 1986-04-29 EP EP86303230A patent/EP0206476B1/en not_active Expired
- 1986-04-30 AU AU56868/86A patent/AU570358B2/en not_active Ceased
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
AU5686886A (en) | 1986-11-06 |
EP0206476B1 (en) | 1989-10-18 |
DE3666391D1 (en) | 1989-11-23 |
EP0206476A1 (en) | 1986-12-30 |
AU570358B2 (en) | 1988-03-10 |
US4708227A (en) | 1987-11-24 |
CA1257986A (en) | 1989-08-01 |
JPS61249836A (ja) | 1986-11-07 |
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