JP2731530B2 - 摺動材料 - Google Patents

摺動材料

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JP2731530B2 JP63013242A JP1324288A JP2731530B2 JP 2731530 B2 JP2731530 B2 JP 2731530B2 JP 63013242 A JP63013242 A JP 63013242A JP 1324288 A JP1324288 A JP 1324288A JP 2731530 B2 JP2731530 B2 JP 2731530B2
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    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16NLUBRICATING
    • F16N15/00Lubrication with substances other than oil or grease; Lubrication characterised by the use of particular lubricants in particular apparatus or conditions

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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この発明は潤滑性に優れたゴム状弾性体摺動材に関す
る。
〔従来の技術〕
非ウレタン系ゴム状弾性体は、優れたシール性、追従
性、制振性、消音性を広い温度範囲に渡って示すばかり
でなく、ウレタン系ゴム状弾性体に比較して、たとえ
ば、ジエン系ゴム状弾性体は耐水性、耐候性に優れ、ア
クリル系ゴム状弾性体は耐熱性に優れ、オレフィン系弾
性体は非粘着性に優れる等それぞれが種々の利点を有す
るために、オイルシール、グラスラン、各種バルブ類、
ワイパーブレード、トナーシール等きわめて広い分野に
利用されている。
しかし、摩擦特性が劣ったり、時として粘着現象が見
られるなどの欠点を有するため、その摺動特性は満足で
きるものではなく、大きい駆動力を必要としたり、摩擦
音を発したり、スティックスリップを起こしたりするば
かりでなく、使用時間が長くなるにつれて摩擦抵抗は増
大して摩耗が激しくなり、さらには摺動部における発熱
も大きくなって、ゴム状弾性体自体の変形をも招くこと
になる。
一般にゴム状弾性体を有する摺動材料の摩擦抵抗を小
さくするためには、ゴム状弾性体の表面に、たとえば、
特公昭46-23681号公報に示されているように、フッ素樹
脂フィルムを貼り合わせる方法(貼着法と略記)、ま
た、たとえば、特公昭57-32950号公報に示されているよ
うに、オレフィン系樹脂を熱融着させる方法(融着法と
略記)、造膜性重合体を溶解した有機溶剤中にフッ素樹
脂等の固体潤滑剤を分散させた液を塗布して焼き付ける
方法、またはポリフルオロアルキルを他の単量体と共重
合させたポリフルオロアルキル共重合体を有機溶剤に溶
解させた液を塗布して焼き付ける方法(塗布法と略記)
またはフッ素樹脂等の固体潤滑剤もしくはシリコーンオ
イル等の潤滑油を別個にまたは同時にゴム弾性体に配合
するなどの方法(混入法と略記)が採られて来たが、こ
れら方法にはそれぞれつぎのような欠点がある。すなわ
ち、貼着法または融着法においては、フッ素樹脂フィル
ムもしくはオレフィン系樹脂フィルムの基材に対する接
着性が非常に悪く、特にフッ素樹脂フィルムの場合は予
め表面処理(アルカリ金属もしくはイオンスパッタリン
グ等による処理)をする必要があり、たとえ表面処理が
施されているフッ素樹脂フィルムであっても、またオレ
フィン系樹脂の場合であっても、接着性は不充分であっ
て、使用中にフィルムはよく剥離するし、複雑な形状の
成形体には利用しにくく、フィルムの膜厚が大きいた
め、ゴム状弾性体が本来持っている優れたシール性、追
従性、制振性などの諸特性に悪影響を及ぼすなどの欠点
がある。そして、つぎの塗布法においては、接着力の点
では前記の貼着法、融着法よりは勝っているが、元来潤
滑性を有しない重合体または共重合によりランダムもし
くはブロック状に配置される潤滑性のない単量体を使用
するために、充分な潤滑性を発揮させることは困難であ
り、さらに混入法においは、固体潤滑剤を配合する場
合、少量では潤滑性が劣り、多量のときにはゴム状弾性
体本来の諸特性を妨害し、潤滑油を配合する場合には、
摺動時に潤滑油を浸み出させることにより摺動特性を発
現させようとするものであるが、摩擦係数が小さい値で
安定しないこと、温度が高くなると油が浸出してしまう
こと、成形性が悪いこと、成形時もしくは混練時に油が
分離しやすいこと、基材の諸特性が阻害されること、摺
動した面が油で汚染されてほこり等が付着しやすいこ
と、一旦油が切れると異常摩耗を起こすなど非常に多く
の問題を抱えている。
また、この発明に使用したような極性基を含む単位を
有する。すなわち反応性に富んだフッ素化ポリエーテル
重合体からなる被膜を非ウレタン系ゴム状弾性体表面に
設けることを試みたが、非ウレタン系ゴム状弾性体と被
膜の接着性が悪いために、被膜の遊離極性基が潤滑性に
悪影響を及ぼしたり、膜がすぐに剥れるなどの問題が生
じた。
〔発明が解決しようとする課題〕 このように、従来の技術においてはシール性、追従
性、消音性、制振性などのゴム状弾性体が元来有してい
る機能を低下させず、低摩擦で耐摩耗性に優れた材料は
得られず、数多くの優れた特性を有する非ウレタン系ゴ
ム状弾性体も低摩擦係数が要求される摺動材料には適し
ないという問題があり、これを解決することが課題とな
っていた。
〔課題を解決するための手段〕
上記の課題を解決するために、この発明は、非ウレタ
ン系ゴムまたは非ウレタン系熱可塑性エラストマー等の
非ウレタン系ゴム状弾性体にウレタン系ゴム状弾性体を
配合してなる成形品表面の一部もしくは全部に、ウレタ
ン系ゴム状弾性体に対して反応性または親和性を示す極
性基を含む単位膜を有するフッ素化ポリエーテル重合体
からなる被覆を設けるという手段を採用したものであっ
て、以下にその詳細を述べる。
まず、この発明の非ウレタン系弾性体とは、たとえば
天然ゴムをはじめとして、ブタジエンゴム、イソプレン
ゴム、クロロプレンゴム、スチレンブタジエンゴム、ア
クリロニトルブタジエンゴムなど種々のジエン系ゴム、
エチレンプロピレンゴム、エチレンプロピレンジエンゴ
ムなどのオレフィン系ゴム、アクリルゴム、ブチルゴム
などの通常硫黄もしくは過酸化物で加硫して用いる非ウ
レタン系ゴム、または、ポリエステル系、ポリアミド
系、ポリオレフィン系、ポリスチレン系等各種非ウレタ
ン系熱可塑性エラストマーなどを挙げることができる。
なお、非ウレタン系ゴム状弾性体に、必要に応じて、
加硫剤を添加してもよく、加硫剤は特に限定するもので
はないが、イオウ系のもの、有機過酸化物系のものを例
として挙げることができる。
つぎに、この発明に用いるウレタン系ゴム状弾性体と
はポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオール、
その他のポリオール類とイソシアネートとの反応によっ
て得られるゴム状弾性体である。そして、ポリエステル
ポリオールとしては、多塩基酸(たとえばアジピン酸、
コハク酸、セバシン酸、フタル酸、その他の脂肪族また
は芳香族ジカルボン酸等)と多価アルコール重合体(た
とえばポリエチレングリコール、ポリジエチレングリコ
ール、ポリプロピレングリコール、ポリジプロピレング
リコール、ポリブチレングリコール、その他のジオール
重合体、トリオール重合体等)との反応生成物であるポ
リエステルポリオールまたは環状エステルの開環重合体
などがある。ここで上記の多価アルコール重合体は分子
量を特に限定するものではないが、適当なゴム状弾性体
であるためには1000〜3000程度のものが適当である。ま
た、ポリエーテルポリオールはエポキシドまたはテトラ
ヒドロフランの開環重合によって得られるもので、これ
ら環状エーテルが付加しうる水素原子を少なくとも2個
有する化合物にエポキシドを付加して得られるポリエー
テルポリオールが適当である。このエポキシドは、たと
えば、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレ
ンオキシドなどであり、環状エーテルに付加し得る水素
原子を与える化合物は、たとえば、前記した多価アルコ
ール重合体、ポリフェノール、ポリアミド、ポリアミン
などであり、中でも多価アルコール重合体、すなわち特
に分子量を限定するものではないが、ポリエチレングリ
コール(分子量1000〜6000程度)、ポリプロピレングリ
コール(分子量1000〜2000程度)、ポリテトラメチレン
グリコールなどが好ましいものである。また、その他の
ポリオールはたとえばブタジエンの単独重合体またはア
クリロニトリルもしくはスチレンなどとの共重合体等か
らなるポリブタジエン系グリコール、ポリエステルポリ
オール、ポリカーボネートポリオールなどである。さら
に、イソシアネートは、脂肪族もしくは芳香族の官能基
が2個以上ついたポリイソシアネートが必要ではある
が、官能基が多くなるほど架橋しやすくなってゴム弾性
を失う結果、添加した非ウレタン系ゴム状弾性体のゴム
弾性にも悪影響を及ぼす可能性もあるので、たとえばヘ
キサメチレン−1,6−ジイソシアネート、トルエン−2,4
−ジイソシアネート、メタフェニレンジイソシアネー
ト、ナフタレン−1,5−ジイソシアネート、ジフェニル
メタン−4,4′−ジイソシアネート等のジイソシアネー
トが好ましい。
このようなウレタン系ゴム状弾性体は各種ポリオール
とイソシアネートからなるプレポリマーを作り、これに
たとえば1,4−ブタンジオール、メチレンビスジクロロ
アニリン、トリメチロールプロパン、トリイソプロパノ
ールアミン等の架橋剤を加えて架橋させたものであって
もよく、またソフトセグメントを構成する二官能ポリオ
ール、ハードセグメントを構成する短鎖グリコールおよ
びジイソシアネートの三成分の組み合わせからなるブロ
ック共重合体などのウレタン系熱可塑性エラストマーで
あってもこの発明に何等支障を招くものではない。
ウレタン系ゴム状弾性体の添加量は、非ウレタン系ゴ
ム状弾性体100重量部に対して1重量部以上好ましくは
5重量部以上である。なぜならば、1重量部未満である
と成形品表面に被覆される被膜の極性基との反応性もし
くは親和性を向上させる効果が不足する結果、膜の密着
強度不足による剥れの問題を起こしたり、弾性体基材と
の接着に関与していない被膜の遊離極性基によって潤滑
性および耐摩耗性に悪影響を及ぼすからである。添加量
の上限については特に限定するものではないが、非ウレ
タン系ゴム状弾性体自体が本来備えている特性を阻害し
ないことを考えると非ウレタン系弾性体の配合量を越え
ないことが好ましい。
なお、この発明のゴム状弾性体には、必要に応じて、
通常のゴム工業に使用される各種添加剤を適宜使用する
こともできる。添加剤としては、たとえば、カーボンブ
ラック、シリカ、クレー、炭酸カルシウム、炭酸マグネ
シウム、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、酸
化アルミニウム、タルク、マイカ、カオリナイト、ベン
トナイト、シラス、炭化ケイ素、アラミッド樹脂、フェ
ノール樹脂などの粉末または繊維等の充填剤、亜鉛華、
脂肪酸等の加硫助剤、グアニジン類、サルファイド類、
アルデヒド−アミン類等の加硫促進剤、ステアリン酸亜
鉛、亜リン酸鉛、亜リン酸バリウム等の安定剤、ジメチ
ルフタレート、ジオクチルフタレート等の可塑剤、アミ
ン類、フェノール類等の老化防止剤、2,6−ジ−t−ブ
チル−p−クレゾール等の酸化防止剤、アクリロニトリ
ル誘導体等の紫外線吸収剤、酸化アンチモン、酸化ジル
コン等の難燃剤、カドミウムイエロー、フタロシアニン
ブルー、チタン白等の着色剤などを挙げることが出来
る。
この発明におけるゴム状弾性体配合物を混合する方法
は従来からよく知られた方法を利用すればよく、特に限
定するものではないが、たとえば、非ウレタン系ゴム状
弾性体、ウレタン系ゴム状弾性体、ゴム用加硫剤、その
他ゴム用配合剤等をオープンロール、バンバリーミキ
サ、ニーダ等により混練すればよいが、ウレタン系ゴム
状弾性体(プレポリマー)と、ウレタン用硬化剤をあら
かじめ反応させてから、他の配合材料を添加してもよ
い。また、非ウレタン系ゴム状弾性体として熱可塑性エ
ラストマーを使用する時には、溶融押出機で混練しても
よい。
配合を終わった混練品はプレス、カレンダーロール、
押出機、または射出成形機等を利用して成形および加硫
すればよい。
つぎに、この発明のウレタン系ゴム状弾性体に対して
反応性または親和性を示す極性基とは、たとえば−NC
O、−OH、−COOH、−NHR(ここでRは水素、アルキル基
もしくはアルコキシ基)、−SH、 -COOCH3、-SO3H、-SO2Fなどであり、このような極性基
を含む単位を有するフッ素化ポリエーテル重合体とは-C
XF2X-O-(ここでXは1〜4の整数)を主要構造単位と
する平均分子量約1000〜10000程度の重合体であり、パ
ーフルオロポリエーテル基が潤滑性および耐摩耗性の向
上に、また極性基がフッ素化ポリエーテル重合体被膜と
ウレタン系ゴム状弾性体との密着性の向上に役立つ。な
お、前記したようにこの発明のウレタン系ゴム状弾性体
はイソシアネートと活性水素基との反応からなるウレタ
ン結合を基本として形成されるが、このような結合以外
に、尿素結合、ビュレット結合、アロファネート結合な
どを含むことも、側鎖または末端に−NCO、−OH、-NH2
などの官能基が残っていることも多いので、前掲の極性
基の中でウレタン結合、尿素結合等が有する活性水素、
−OH基または-NH2基に対して反応性を示す−NCO、 など、または側鎖もしくは末端の−NCO基に対して反応
性のある−OH、−NHR、−COOH、−SHなどが好ましく、
これらの基がフッ素化ポリエーテル重合体の両端末に位
置しているものが最も効果的で特に好ましい。また、−
NCOを含む単位を有するフッ素化ポリエーテル重合体
と、−OHを含む単位を有するフッ素化ポリエーテル重合
体とを併用すれば耐摩耗性が一層向上することから、異
種の極性基を含む単位を有する異種のフッ素化ポリエー
テル重合体を併用することも可能である。そして以上の
ようなフッ素化ポリエーテル重合体の具体例はつぎのと
おりであり、これらを単独使用または併用しても支障の
ないことは言うまでもない。すなわち、 などであり、さらに極性基が水酸基であるフッ素化ポリ
エーテル重合体と各種のポリフルオロポリエーテル基を
含有しないイソシアネートを併用する方法、または極性
基がイソシアネート基であるフッ素化ポリエーテル重合
体と各種のポリフルオロポリエーテル基を有しないジア
ミン、トリアミン、ジオールもしくはトリオールなどを
併用する方法を採用してもよい。
この発明のフッ素化ポリエーテル重合体にその特性で
ある潤滑性、耐摩耗性、基材に対する接着性などに悪影
響を及ぼさない限りウレタン系ゴム状弾性体もしくはフ
ッ素化ポリエーテル重合体と反応性のある極性基を有す
るオルガノポリシロキサンまたはポリフルオロアルキル
重合体を適宜添加してもよいが、非常に優れた耐摩耗性
を維持するためにはフッ素化ポリエーテル重合体が主構
造単位であることが望ましい。
このようなフッ素化ポリエーテル重合体の被膜を形成
するためには、一般に有機溶媒(たとえばアセトン、メ
チルエチルケトンなどのケトン類、酢酸メチル、酢酸エ
チル、酢酸イソアミルなどのエステル類、ジエチルエー
テル、ジオキサンなどのエーテル類、メチルクロロホル
ム、トリクロロエチレン、テトラクロロエチレン、テト
ラクロロジフルオロエタン、1,1,2−トリクロロ−1,2,2
−トリフルオロエタン〔フロン113〕などのハロゲン化
炭化水素類の1種もしくは2種以上の混合物など)にフ
ッ素化ポリエーテル重合体を適度の粘度に溶解もしくは
分散させて得られる塗液をゴム状弾性体に吹付けるかま
たは弾性体を塗液中に浸漬すればよいが、塗液の消費量
を節減するうえからは浸漬法が好ましい。なお、この塗
液中のフッ素化ポリエーテル重合体の濃度は特に限定す
るものではないが、コスト的には0.3〜10.0重量%程
度、特に形成される薄膜の特性をも勘案するならば0.5
〜5.0重量%程度が好ましいといえる。さらに塗膜形成
後に乾燥し、その表面を軟質の布や紙で磨いて光沢を出
すが、このような操作によって同時に過剰なフッ素化ポ
リエーテル重合体は除去されるのでよい。なぜならば、
被膜が厚過ぎると膜内に過剰のフッ素化ポリエーテル重
合体を含み、その結果ウレタン系ゴム弾性体との接着に
関与していない遊離反応性基を多く有することとなっ
て、摺動材料には不可欠な潤滑性および耐摩耗性に悪影
響を与えるからである。なお、塗膜形成後における乾燥
は有機溶媒の除去が主目的であるが、塗膜中の重合体と
基材との反応性を高めるために、乾燥時に加温してもま
たは乾燥後加熱処理を適宜挿入してもかまわない。
〔実施例〕
以下の実施例および比較例に使用した原材料を一括し
て示すとつぎのとおりである。なお、〔 〕内には略号
を記し、配合量はすべて重量部で示した。
A非ウレタン系ゴム: アクリロニトリルブタジエンゴム〔NBR〕(日本合成
ゴム社製:JSR237H)、 クロロプレンゴム〔CR〕(東洋曹達工業社製:B-1
1)、 アクリルゴム〔ACR〕(東亜ペイント社製:AR801)、 エチレンプロピレンゴム〔EP〕(日本合成ゴム社製:E
P96、57C)、 B非ウレタン系熱可塑性エラストマー: ポリアミド系熱可塑性エラストマー〔PA-TPE〕(ダイ
セル・ヒュルス社製:ダイアミドE40L)、 ポリエステル系熱可塑性エラストマー〔PE-TPE〕(東
レ・デュポン社製:ハイトレル5557)、 Cウレタン系ゴム状弾性体: ポリエステル系ウレタンプレポリマー〔URE-R〕(西
独バイエル社製:ウレパン600でジエチレングリコール
とアジピン酸とからなるポリエステルとトルエンジイソ
シアネートを反応させたもの)、 ウレタン系熱可塑性エラストマー〔URE-TPE〕(日本
サイアナミッド社製:サイアナプレン・サーモプラスチ
ック1850)、 Dウレタンゴム用加硫剤: 〔URE−加硫剤〕(西独バイエル社製:デスモジュールT
T〔上記構造のもの〕)、 E被覆形成材料: フッ素化ポリエーテル重合体: 水酸基含有ポリフルオロエーテル〔HO-FCO〕(伊国モ
ンテフルオス社製:Fomblin Z DOL-2000、分子量2000) HOCH2-CF2OC2F4OCF2OCF2-CH2OH、 カルボキシル基含有ポリフルオロエーテル〔HOOC-FC
O〕(同上社製:Fomblin Z DIACID-2000、分子量2000) HOOC-CF2OC2F4OCF2OCF2COOH、 無官能基ポリフルオロエーテル〔FCO〕(同上社製:Fo
mblin Z 25、分子量約15000)、 オルガノポリシロキサン: 水酸基含有オルガノポリシロキサン〔HO-SIL〕(信越
化学工業社製:シリコーンジオールX-22-160C)、 フルオロアルキル重合体: 水酸基含有ポリフルオロアルキル〔HO-FC〕 C8F17C2H4OH、 パーフルオロアルキルとメチルメタクリレートとの共
重合体〔HO-COFC〕(日本油脂社製:水酸基含有パーフ
ルオロアルキル共重合体、モディパーF100)、 F各種添加剤: カーボン〔C−1〕(旭カーボン社製:HAF)、 カーボン〔C−2〕(同上社製:FEF)、 カーボン〔C−3〕(同上社製:SRF)、 酸化マグネシウム〔MgO〕(キョウワマグネシウム社
製)、 タルク〔タルク〕(日本滑石精練社製)、 クレー〔クレー〕(白石カルシウム社製:ハードクレ
ー)、 イオウ〔イオウ〕(細井化学社製)、 亜鉛華〔加硫助剤−1〕(三井金属社製)、 ステアリン酸〔加硫助剤−2〕、 N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアリルスルフェン
アミド〔加硫促進剤−1〕(大内新興化成鉱業社製)、 テトラメチルチウラムジスルフィド〔加硫促進剤−
2〕(同上社製)、 1,3−ジフェニルグアニジン〔加硫促進剤−3〕(同
上社製)、 2−メネカプトベンゾチアゾール〔加硫促進剤−4〕
(同上社製)、 テトラメチルチウラムモノスルフィド〔加硫促進剤−
5〕(同上社製)、 ジペンタメチレンチウラムテトラスルフィド〔加硫促
進剤−6〕(同上社製)、 ジオクチルフタレート〔可塑剤−1〕(黒金精油社
製)、 パラフィン系オイル〔可塑剤−2〕、 ワックス系老化防止剤〔老防剤−1〕(大内新興化学
社製:サンノック7CW)、 6−エトキシ−1,2−ジヒドロ−2,2,4−トリメチルキ
ノリン〔老防剤−2〕(同上社製)、 ステアリン酸ナトリウム〔加工助剤−1〕、 ステアリン酸カリウム〔加工助剤−2〕、 実施例1〜8: 第1表に示す配合割合(重量部、以下同じ)で、まず
ウレタン系ゴム状弾性体とウレタンゴム用加硫剤とを冷
却したオープンロールて混合した後(実施例5はそのま
ま)、他の原材料を第1表および第2表に示す割合でオ
ープンロールに投入し、充分混合して得られた組成物を
160℃、15分間の条件下でプレス加硫し、長さ150mm、幅
150mm、厚さ2mmの板状成形体を作製した。この板状成形
体から外径21mm、内径19mm、厚さ2mmの摩擦試験用のリ
ング状試験片を削り出した。一方、被覆形成材料である
フッ素化ポリエーテル重合体としては、第3表に示した
ように〔HO-FCO〕または 〔HOOC-FCO〕を用いた。そしてこれらフッ素化ポリエー
テル重合体を濃度2.0%になるようにフレオン113に溶解
して、前記摩擦試験片を浸漬するための塗液とした。こ
の塗液に浸漬した試験片は70℃、1時間の乾燥および熱
処理を行なった後、摩擦係数の測定に供せられた。な
お、摩擦係数の測定はスラスト型摩擦試験機(自社製)
を使用して、荷重3kg/cm2、速度毎分1mの条件の下に軸
受綱(SUJ2)を相手材として試験し、摩擦係数の大きさ
から潤滑性を、また摩擦係数の経時変化の安定性から耐
摩耗性を判断した。得られた結果は第3表にまとめた。
実施例9および10: 第1表に示す配合割合で原材料をVブレンダーで混合
した後、二軸押出機にて混練(実施例9は220℃、実施
例10は230℃)して押出し、このストランドを切断しペ
レットを得た。このペレットを射出成形(実施例9は23
0℃、実施例10は240℃)して、長さ50mm、幅50mm、厚さ
3mmの板状成形体を得た。この板状成形体から実施例1
と同様の摩擦試験片を得、同様にフッ素化ポリエーテル
の被膜を施し、同様の摩擦試験を行ない、得られた結果
を第3表にまとめた。
比較例1〜13: 各比較例の原材料の配合割合は第4および5表に示し
たとおりであり、比較例1〜3および8〜13は、ウレタ
ン系ゴム状弾性体(加硫剤も含む)を配合しなかった以
外は実施例1と同様にして、また、比較例4〜7は、実
施例1と同様にして摩擦試験片(基材)を作製し、比較
例1、8、10および12はそのまま、比較例2、9および
11は実施例1と同様のフッ素化ポリエーテルの被膜を施
し、比較例3〜7は実施例1の特定のフッ素化ポリーテ
ル重合体の代わりに、第6表に示したような重合体
〔HOOC-FCO〕、〔FCO〕、〔HO-SIL〕、〔HO-F
C〕、〔HO-COFC〕をそれぞれ被覆したことが異なる以
外は実施例1と同様の摩擦試験片を得た。ただし、比較
例7においては、共重合体〔HO-COFC〕を濃度が3重
量%になるように、シクロヘキサノンとメチルイソブチ
ルケトンとの混合液(1:1)中に硬化剤(ヘキサメチレ
ンジイソシアナート)および触媒(ジブチルチンジラウ
レート)と共に溶解としてその塗液を調製した。なおこ
の塗液に試験片を浸漬した後の乾燥および熱処理の条件
は実施例と全く同一である。得られた摩擦試験の結果は
第6表に示した。
比較例14〜17: 比較例14および16はウレタン系ゴム状弾性体を配合し
なかったこと以外は、実施例9および10と同様にし、ま
た比較例15および17は実施例9および10と同様にして摩
擦試験片(基材)を作製した。さらに比較例14および16
はそのまま、また比較例15および17は実施例1と同様の
フッ素化ポリエーテルの被膜を施して、同様の摩擦試験
を行なった。得られた結果を第6表に示した。
第3表および第6表から明らかなように、実施例1〜
10においては摩擦係数が低い値であるばかりではなく、
摺動期間中の変動が少なく、長時間の摺動に対しても安
定して低い値を維持していて、いずれも非常に優れた耐
摩耗性を示している。これに対して、基材表面に被膜が
形成されていない比較例1、8、10、12、14および16に
ついては、非ウレタン系ゴムをベース材料としている比
較例1、8、10および12は、摺動初期から非常に大きな
摩擦係数を示し、また比較例14および16においては摺動
初期には非常に小さい値であるが摺動時間の経過につれ
て大きくなっている。さらに、この発明で特定したフッ
素化ポリエテル重合体を被膜しても、基材にウレタン系
ゴム状弾性体を配合しなかった比較例2、3、9、11、
13、15および17、極性基を有しないフッ素化ポリエーテ
ル重合体〔FCO〕を用いた比較例4、実施例1に使用
したフッ素化ポリエーテル重合体〔HO-FCO〕の極性基
と同じ水酸基を含むオルガノポリシロキサン〔HO-SI
L〕を用いた比較例5、さらにポリエーテルを含まない
フルオロアルキル重合体(極性基として水酸基を含む)
〔HO-FC〕を用いた比較例6などにおける摩擦係数は
いずれも摺動初期に小さい値であっても摺動時間の経過
とともに大きくなり、被膜にフルオロアルキル共重合体
〔HO-COFC〕を用いた比較例7は、摺動時間に対する
摩擦係数の変動幅は比較的小さいが、摺動初期から摩擦
係数が高く好ましくない。したがって、比較例1〜17の
摩擦特性、耐摩耗性はいずれも実施例1〜11よりは遥か
に劣っているといえる。
〔効果〕
以上のように、この発明の摺動材料は、非ウレタン系
ゴム状弾性体本来の優れたシール性、変形に対する追従
性、消音性、制振性などの特性に加えて、この弾性体に
密着して被覆された潤滑性薄膜の優れた耐摩擦性、耐摩
耗性も兼ね備えているために、長時間の摺動に対する安
定性、信頼性はきわめて高い。したがって、このような
材料はたとえば自動車類、事務機器類、自動制御機器
類、航空・宇宙関連機器類、医療機器類、その他電気・
電子機器類、一般産業機械器具類などあらゆる産業分野
の部品用材料として広く利用することが出来る。中でも
複写機の給紙ローラ、トナーシールまたはトナーブレー
ド、食品工業における練り込みローラ、自動車の安全パ
ッド、グラスランまたはワイパーブレード、各種衝撃吸
収材、各種バルブ、オイルシールなどに対しては恰好の
材料であるから、この発明の意義はきわめて大きいと言
うことができる。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】非ウレタン系ゴムまたは非ウレタン系熱可
    塑性エラストマー等の非ウレタン系ゴム状弾性体にウレ
    タン系ゴム状弾性体を配合してなる成形品表面の一部も
    しくは全部に、ウレタンゴム状弾性体に対して反応性ま
    たは親和性を示す極性基を含む単位を有するフッ素化ポ
    リエーテル重合体からなる被覆を設けたことを特徴とす
    る摺動材料。
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