JP2731368B2 - 角形柱状構造物の補強方法 - Google Patents
角形柱状構造物の補強方法Info
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- JP2731368B2 JP2731368B2 JP18025895A JP18025895A JP2731368B2 JP 2731368 B2 JP2731368 B2 JP 2731368B2 JP 18025895 A JP18025895 A JP 18025895A JP 18025895 A JP18025895 A JP 18025895A JP 2731368 B2 JP2731368 B2 JP 2731368B2
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Description
【０００１】
【発明の属する技術分野】本発明は、既設の角形断面の
柱状構造物、更に詳しくは橋脚や柱などの柱状構造物で
あって断面に隅角を有する形状、例えば四角形、台形、
多角形などの柱状構造物の補強方法に関する。
柱状構造物、更に詳しくは橋脚や柱などの柱状構造物で
あって断面に隅角を有する形状、例えば四角形、台形、
多角形などの柱状構造物の補強方法に関する。
【０００２】
【従来の技術】阪神大災害を機会に橋脚や建物の柱など
の耐震性の見直しが提起され、構造物の耐震基準の見直
しや従前の耐震基準で構築された既設構造物の補強など
が緊急の課題となってきた。柱状構造物の補強の方法と
しては、例えば橋脚においては、既設橋脚の表面をチッ
ピングし、補強用鉄筋をこの表面に添設して型枠で囲
い、コンクリートを増し打ちすることによって横断面積
を増やす方法や、橋脚表面に炭素系繊維などをシート状
にしたものを接着するなどの方法で行われている。
の耐震性の見直しが提起され、構造物の耐震基準の見直
しや従前の耐震基準で構築された既設構造物の補強など
が緊急の課題となってきた。柱状構造物の補強の方法と
しては、例えば橋脚においては、既設橋脚の表面をチッ
ピングし、補強用鉄筋をこの表面に添設して型枠で囲
い、コンクリートを増し打ちすることによって横断面積
を増やす方法や、橋脚表面に炭素系繊維などをシート状
にしたものを接着するなどの方法で行われている。
【０００３】コンクリートを増し打ちする方法は、チッ
ピング、鉄筋添設、型枠の組立・解体の手間が掛かり、
シート接着法は簡便ではあるものの、何れの方法も構造
物に過大な荷重が作用し変形が生じて初めて補強材に荷
重負担が遷移する構造系となっている。
ピング、鉄筋添設、型枠の組立・解体の手間が掛かり、
シート接着法は簡便ではあるものの、何れの方法も構造
物に過大な荷重が作用し変形が生じて初めて補強材に荷
重負担が遷移する構造系となっている。
【０００４】
【発明が解決しようとする課題】本発明は既設角形柱状
構造物の補強に当り、現場での鉄筋、型枠の組払いを不
要にすると共に、補強構造を既設構造物と力学的に一体
化し、通常の荷重状態時においても荷重負担をし、変位
そのものを抑制する構造系とすることによって耐震性も
向上させる方法を提供することを目的とする。
構造物の補強に当り、現場での鉄筋、型枠の組払いを不
要にすると共に、補強構造を既設構造物と力学的に一体
化し、通常の荷重状態時においても荷重負担をし、変位
そのものを抑制する構造系とすることによって耐震性も
向上させる方法を提供することを目的とする。
【０００５】
【課題を解決するための手段】本発明は、既設の角形柱
状構造物を補強するに当り、構造物外表面を覆う分割し
た面状パネルを構造物外表面に添設し、構造物外表面と
該パネルとの間にコンクリート又はモルタルを充填し、
該パネル内にＰＣ緊張材を水平に挿通して緊張し構造物
断面にプレストレスを導入することを特徴とする角形柱
状構造物の補強方法である。
状構造物を補強するに当り、構造物外表面を覆う分割し
た面状パネルを構造物外表面に添設し、構造物外表面と
該パネルとの間にコンクリート又はモルタルを充填し、
該パネル内にＰＣ緊張材を水平に挿通して緊張し構造物
断面にプレストレスを導入することを特徴とする角形柱
状構造物の補強方法である。
【０００６】この場合、前記面状パネルは柱状構造物の
長軸方向にプレテンションまたはポストテンション方式
でプレストレスが導入されていると、より補強構造物の
耐力向上を図ることができ、好適である。
長軸方向にプレテンションまたはポストテンション方式
でプレストレスが導入されていると、より補強構造物の
耐力向上を図ることができ、好適である。
【０００７】
【発明の実施の形態】既設角形柱状構造物の外表面にパ
ネルを添設し、構造物外表面とパネル裏面との間に均一
な緊張力伝達ができるようになじみ材としてのコンクリ
ートまたはモルタルを充填し、パネル内水平ダクトにＰ
Ｃ緊張材を挿入して緊張定着することによってパネルを
構造物表面へ緊着する。又、パネル鉛直方向にもプレス
トレスを導入することで更に耐力を向上させることがで
きる。
ネルを添設し、構造物外表面とパネル裏面との間に均一
な緊張力伝達ができるようになじみ材としてのコンクリ
ートまたはモルタルを充填し、パネル内水平ダクトにＰ
Ｃ緊張材を挿入して緊張定着することによってパネルを
構造物表面へ緊着する。又、パネル鉛直方向にもプレス
トレスを導入することで更に耐力を向上させることがで
きる。
【０００８】本発明の実施の形態を図面を参照して説明
する。図１は補強対象構造物として枕梁１２を載置した
橋脚１０の角形断面の柱状構造物１１を補強する例を示
しており、図１のＡ−Ａ断面図を図２に示した。柱状構
造物１１の外表面に面状のパネル１、２を添設し、これ
にＰＣ緊張材３、４によって、角形柱状構造物１１内に
プレストレスが生ずるように緊張する。
する。図１は補強対象構造物として枕梁１２を載置した
橋脚１０の角形断面の柱状構造物１１を補強する例を示
しており、図１のＡ−Ａ断面図を図２に示した。柱状構
造物１１の外表面に面状のパネル１、２を添設し、これ
にＰＣ緊張材３、４によって、角形柱状構造物１１内に
プレストレスが生ずるように緊張する。
【０００９】図３に示すように角形柱状構造物１１の隅
角部にＰＣ緊張材の定着部５、６を設け、構造物１１内
にプレストレスを導入する。パネルの形状は、平板状で
もよく、図４に示すように隅角部を含むＬ字形横断面を
有するパネル７を用いてＰＣ緊張材８で組み立てること
でもよく、図５に示すようにＬ字形横断面を有するパネ
ル７に平板状パネル９を組合わせてＰＣ緊張材８で締め
つけてもよい。ＰＣ緊張材８はパネル１、２、７、９等
を角形柱状構造物１１の面を圧着するようにキャンバを
設けて敷設するとさらに好ましい。図６は、この点を考
慮した一例のパネル７を示している。角形断面の柱状構
造物１１の隅角部を取り囲むＬ字状のパネル７の隅角部
に、湾曲して突出した定着部を設け、隣接するパネル内
を挿通したＰＣ緊張材８を湾曲させて定着するものであ
る。この構造では、パネル７を柱状構造物１１の外表面
に強く圧着させることができる。
角部にＰＣ緊張材の定着部５、６を設け、構造物１１内
にプレストレスを導入する。パネルの形状は、平板状で
もよく、図４に示すように隅角部を含むＬ字形横断面を
有するパネル７を用いてＰＣ緊張材８で組み立てること
でもよく、図５に示すようにＬ字形横断面を有するパネ
ル７に平板状パネル９を組合わせてＰＣ緊張材８で締め
つけてもよい。ＰＣ緊張材８はパネル１、２、７、９等
を角形柱状構造物１１の面を圧着するようにキャンバを
設けて敷設するとさらに好ましい。図６は、この点を考
慮した一例のパネル７を示している。角形断面の柱状構
造物１１の隅角部を取り囲むＬ字状のパネル７の隅角部
に、湾曲して突出した定着部を設け、隣接するパネル内
を挿通したＰＣ緊張材８を湾曲させて定着するものであ
る。この構造では、パネル７を柱状構造物１１の外表面
に強く圧着させることができる。
【００１０】
【実施例】外径寸法２ｍ×３．２ｍの矩形柱状部をもつ
橋脚の地上部５ｍを被覆補強した例を説明する。裏込め
モルタル厚さを５ｃｍ、パネル厚さを２２ｃｍとする。
橋脚正面パネルは垂直２分割とする。１枚の重量は （１．６０＋０．２７）×５．０×０．２２×２．５≒
５トン 橋脚側面パネル１枚の重量は、 ２．０×５．０×０．２２×２．５≒５．５トン である。このパネルの施工方法は次のとおりである。
橋脚の地上部５ｍを被覆補強した例を説明する。裏込め
モルタル厚さを５ｃｍ、パネル厚さを２２ｃｍとする。
橋脚正面パネルは垂直２分割とする。１枚の重量は （１．６０＋０．２７）×５．０×０．２２×２．５≒
５トン 橋脚側面パネル１枚の重量は、 ２．０×５．０×０．２２×２．５≒５．５トン である。このパネルの施工方法は次のとおりである。
【００１１】（１）パネルは、工場製品として、組立後
水平方向にＰＣ鋼棒が配設可能にダクトシースを配置
し、パネル鉛直方向はプレテンション方式でプレストレ
スを導入した。 （２）現地に搬入し、橋脚フーチング１３に測量墨出し
をしてフーチング１３上に柱状部１１に添えて立設し
て、転倒防止の仮支持をした。
水平方向にＰＣ鋼棒が配設可能にダクトシースを配置
し、パネル鉛直方向はプレテンション方式でプレストレ
スを導入した。 （２）現地に搬入し、橋脚フーチング１３に測量墨出し
をしてフーチング１３上に柱状部１１に添えて立設し
て、転倒防止の仮支持をした。
【００１２】（３）各パネル上端を橋脚から所定間隔を
取って固定し、ＰＣ鋼棒（緊張材３、４）を挿入して橋
脚表面とパネル裏面間に裏込めモルタル２０（図３参
照）を充填する。 （４）裏込めモルタル２０が硬化したらＰＣ鋼棒３、４
を緊張する。 （５）その後、シースダクトにグラウトを注入し、定着
部５、６の後埋めコンクリートを施工して補強が完了す
る。
取って固定し、ＰＣ鋼棒（緊張材３、４）を挿入して橋
脚表面とパネル裏面間に裏込めモルタル２０（図３参
照）を充填する。 （４）裏込めモルタル２０が硬化したらＰＣ鋼棒３、４
を緊張する。 （５）その後、シースダクトにグラウトを注入し、定着
部５、６の後埋めコンクリートを施工して補強が完了す
る。
【００１３】本例は矩形の柱状構造物について述べた
が、正方形、その他多角形構造物でも可能であり、また
パネルの形状寸法、分割数についても重量・サイズなど
輸送上の考慮を払って決定すればよい。
が、正方形、その他多角形構造物でも可能であり、また
パネルの形状寸法、分割数についても重量・サイズなど
輸送上の考慮を払って決定すればよい。
【００１４】
【発明の効果】本発明の角形の柱状構造物の補強方法に
よれば、鉄筋、型枠の組払いを必要とせず、水平方向、
パネル鉛直方向にプレストレスを導入することによっ
て、より高い耐力を付与することが可能となった。
よれば、鉄筋、型枠の組払いを必要とせず、水平方向、
パネル鉛直方向にプレストレスを導入することによっ
て、より高い耐力を付与することが可能となった。
【図１】実施例の全体側面図である。
【図２】図１のＡ−Ａ矢視断面図である。
【図３】図２の部分拡大図である。
【図４】実施例のパネル構成を示す斜視図である。
【図５】実施例のパネル構成を示す斜視図である。
【図６】実施例のパネル構成を示す斜視図である。
１、２ パネル ３、４ ＰＣ緊
張材 ５、６ 定着部 ７、９ パネル ８ ＰＣ緊張材 １０ 橋脚 １１ 柱状構造物 １２ 枕梁 １３ フーチング ２０ モルタル
張材 ５、６ 定着部 ７、９ パネル ８ ＰＣ緊張材 １０ 橋脚 １１ 柱状構造物 １２ 枕梁 １３ フーチング ２０ モルタル
Claims (2)
- 【請求項１】 既設の角形柱状構造物を補強するに当
り、構造物外表面を覆う分割した面状パネルを構造物外
表面に添設し、構造物外表面と該パネルとの間にコンク
リート又はモルタルを充填し、該パネル内にＰＣ緊張材
を水平に挿通して緊張し構造物断面にプレストレスを導
入することを特徴とする角形柱状構造物の補強方法。 - 【請求項２】 前記面状パネルは柱状構造物の長軸方向
にプレストレスが導入されていることを特徴とする請求
項１記載の角形柱状構造物の補強方法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP18025895A JP2731368B2 (ja) | 1995-07-17 | 1995-07-17 | 角形柱状構造物の補強方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP18025895A JP2731368B2 (ja) | 1995-07-17 | 1995-07-17 | 角形柱状構造物の補強方法 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH0931917A JPH0931917A (ja) | 1997-02-04 |
| JP2731368B2 true JP2731368B2 (ja) | 1998-03-25 |
Family
ID=16080118
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP18025895A Expired - Lifetime JP2731368B2 (ja) | 1995-07-17 | 1995-07-17 | 角形柱状構造物の補強方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP2731368B2 (ja) |
Families Citing this family (5)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP3396601B2 (ja) * | 1997-07-11 | 2003-04-14 | 戸田建設株式会社 | 既存建物の耐震補強構造 |
| JP4743644B2 (ja) * | 2008-03-06 | 2011-08-10 | 独立行政法人土木研究所 | 鉄筋コンクリート橋脚 |
| JP6427045B2 (ja) * | 2015-03-11 | 2018-11-21 | 三井住友建設株式会社 | 既設コンクリート構造物の補強構造及び補強方法 |
| JP6955958B2 (ja) * | 2017-10-16 | 2021-10-27 | 東日本旅客鉄道株式会社 | 構造物の振動変位抑制構造 |
| CN110056204B (zh) * | 2019-04-19 | 2024-03-19 | 同济大学建筑设计研究院(集团)有限公司 | 一种体外无粘结预应力托换节点 |
-
1995
- 1995-07-17 JP JP18025895A patent/JP2731368B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPH0931917A (ja) | 1997-02-04 |
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Legal Events
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