JP2728223B2 - 磁気ディスク駆動装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本発明は、シヤツタを装着した硬質のケース内に磁気
デイスクを収納してなるデイスクカートリツジを挿入し
て使用され、シヤツタの開閉動作を行うピン部材の付勢
力でデイスクカートリツジを装置外へ排出（イジエク
ト）する磁気デイスク駆動装置に関する。

［従来の技術］ パーソナルコンピユータに使用されている磁気デイス
クには、一般に5.25インチ径のフロツピデイスクと3.5
インチ径のフロツピデイスクとがある。前者の5.25イン
チ径のものは、可撓性を有するケース内に収納され、予
め開設されたヘツド挿入口からそのまま磁気ヘツドが進
入して信号の書き込みや読み出しを行うが、近年多用さ
れている3.5インチ径のものは、ヘツド挿入口を開閉す
るためにシヤツタを装着した硬質のケース内に収納さ
れ、所謂デイスクカートリツジとして取り扱われる。

第３図は、かかるデイスクカートリツジ１の底面図を
示すもので、平面視略正方形状の硬質のケース２と、こ
のケース２内に回転自在に収納された磁気デイスク３
と、ケース２の磁気デイスク駆動装置内への挿入方向
（矢印Ａ方向）の先端部に装着され、挿入方向と直交す
る方向（矢印Ｂ方向）にスライド移動自在なシヤツタ４
とから構成されている。なお、断面視略コ字形状のシヤ
ッタ４の両面にはそれぞれ、ケース２の図示せぬヘツド
挿入口を露出させるための窓孔５が開設されていて、シ
ヤツタ４をスライド移動させることでヘツド挿入口が開
閉されるようになつている。

また、機構を簡略化して小型化を図つた磁気デイスク
駆動装置としては、外部から挿入されたデイスクカート
リツジを保持するカートリツジホルダにレバー部材を回
動自在に取り付け、このレバー部材をばね部材によつて
デイスクカートリツジの排出方向へ常時弾性付勢すると
ともに、レバー部材の回動端に駆動ピンを設けたものが
知られている。このものは、装置内へデイスクカートリ
ツジを押し込むと、ばね部材の弾性力に抗してレバー部
材が回転し、その回転に伴つて駆動ピンがシヤツタを開
放するようになつており、記録再生終了後にイジエクト
釦を押すと、レバー部材がばね部材の弾性力によつて上
記とは逆向きに回転し、その回転に伴つて駆動ピンがシ
ヤツタを閉鎖するとともに、デイスクカートリツジが駆
動ピンに押されて装置外へ排出されるようになつてい
る。

［発明が解決しようとする課題］ ところで、排出されたデイスクカートリツジを取り出
す際には、第４図に示すように、磁気デイスク駆動装置
６のカートリツジ挿入口７からデイスクカートリツジ１
がある程度突出していないと取り出しずらく、操作性に
支障をきたしてしまう。換言するなら、良好な操作性を
確保するためにはデイスクカートリツジ１の排出距離
（イジエクトデイスタンス）ｄを不所望に小さくできな
いという要請があり、そのためには前記したレバー部材
８の回動端に設けた駆動ピン９の回転半径をある程度大
きくする必要があるが、磁気デイスク駆動装置の小型化
が促進されると、レバー部材８の回動支軸10の取付位置
が制約を受けるため駆動ピン９の回転半径を犠牲にしな
ければならず、その結果、デイスクカートリツジ１の排
出距離ｄが十分確保できないという不都合が生じる。

したがって本発明の目的とするところは、小型化され
てもデイスクカートリツジの排出距離が十分確保できる
磁気デイスク駆動装置を提供することにある。

［課題を解決するための手段］ 上記した本発明の目的は、ヘツド挿入口を開閉するた
めのシャッタをスライド移動自在に装着した硬質のケー
スの内部に磁気ディスクを回転自在に収納してなるディ
スクカートリッジを使用する磁気ディスク駆動装置にお
いて、磁気ヘッドが装着され、ディスクカートリッジの
挿入・排出方向に移送されるホールドケースと、切欠部
を有し、一端部に前記シャッタと係合する駆動ピンが垂
設され、他端部に長孔が開設された支持部材と、中央に
前記ホールドケースが進出・後退する開口が形成された
天板を有し、前記ディスクカートリッジを保持するカー
トリッジホルダと、前記駆動ピンを前記ディスクカート
リッジの排出方向に常時付勢する付勢手段とを備え、前
記天板の開口の側部には前記駆動ピンが移動するガイド
穴を設け、前記支持部材は前記開口よりもディスクカー
トリッジの排出方向側において前記長孔の一端側にピン
部材が挿通されて前記天板に回動自在に支持され、前記
ディスクカートリッジが前記カートリッジホルダに保持
され、前記シャッタが前記駆動ピンと係合して前記ヘッ
ド挿入口を開いたときには、前記ヘッド挿入口が前記開
口と対向し、前記開口が前記支持部材の切欠部内に位置
するとともに、前記長孔の他端側にピン部材が位置して
いることによつて達成される。

［作用］ 上記手段によれば、駆動ピンを支持する支持部材をカ
ートリツジホルダに対しスライド移動させ、このスライ
ド移動にガイド穴に沿う駆動ピンの移動を連動させるこ
とができるので、従来のレバー部材のように回動支軸を
設置する必要がなくなつて、限られたスペース内で駆動
ピンの回転半径を大きく設定することが可能となる。

［実施例］ 以下、本発明の実施例を図に基づいて説明する。

第1,2図は本発明の一実施例に係るの動作説明図で、
第１図はロード状態、第２図はアンロード状態を示して
おり、第３図と対応する部分には同一符号が付してあ
る。

第1,2図に示す磁気ディスク駆動装置は、シヤーシ19
内に組み込まれた平面視略正方形状のカートリツジホル
ダ11が、外部から挿入されたデイスクカートリツジ１を
保持して昇降するようになつており、ロード状態では、
カートリツジホルダ11の天板の中央に形成された開口20
と対向する位置にディスクカートリツジ１のヘツド挿入
口1dが臨出する。また、キヤリツジ21に回動支持されて
開口20内に進出・後退するホールドケース22には、図示
せぬ磁気ヘツドが装着されており、このホールドケース
22はキヤリツジ21を介して磁気デイスクの半径方向、即
ちディスクカートリッジ１の挿入・排出方向（図示左右
方向）へ移送されるようになっている。

そして、第２図に示すように、カートリッジホルダ11
の天板には、その開口20の側部に弧状のガイド穴12が開
設してあるとともに、開口20よりもディスクカートリッ
ジ１の排出方向側の所定位置に支持ピン23が立設してあ
り、このカートリツジホルダ11の天板上に、切欠部26を
有すると共に、一端部にディスクカートリッジ１のシャ
ッタ４と係合する駆動ピン13を垂設し他端部に長孔24を
開設した鉤形の支持板25が、駆動ピン13をガイド穴12内
に総通し、かつ長穴24の一端側に支持ピン（ピン部材）
23を挿通した状態で回動自在に取り付けてある。つま
り、この支持板25は、支持ピン23を介してカートリツジ
ホルダ11上に支持されているが、長孔24内における支持
ピン23の位置を相対的に変化させることができるので、
カートリツジホルダ11に対してスライド移動自在となつ
ており、この支持板25に支持された駆動ピン13はガイド
穴12に沿う移動が許容されている。また、支持板25には
引つ張りばね18が係止されていて、駆動ピン13をデイス
クカートリツジ１の排出方向（図示左方向）へ常時弾性
付勢している。

上記構成において、装置内へデイスクカートリッジ１
が押し込まれると、第２図の状態から駆動ピン13はシャ
ッタ４と係合しシャッタ４を開放しながらガイド穴12の
最奥部へ向かつて移動していき、この移動に伴つて支持
板25は、駆動ピン13と支持ピン23との距離を漸次増大さ
せながらカートリッジホルダ11上を回動しながらスライ
ド移動する。したがって、駆動ピン13の回転半径は漸次
大きくなっていく。そして第１図に示すように、ディス
クカートリッジ１がカートリッジホルダ11に保持され、
シャッタ４が駆動ピン13と係合してヘッド挿入口1bを開
いたときには、ヘッド挿口1bが開口20と対向し、開口20
が支持板25の切欠部26内に位置するとともに、長孔24の
他端側に支持ピン23が位置する。よって支持板25が開口
20上に位置してホールドケース22の進出・後退を阻害す
ることがない。

また、ロード状態からアンロード状態への動作は、第
2,3図に明らかなように、支持板25が引つ張りばね18の
弾性力によつて矢印Ｅ方向へスライド移動していくのに
伴つて、駆動ピン13は、シヤツタ４を閉鎖しながら回転
半径を漸次小さくしつつガイド穴12に沿つて移動してい
き、この駆動ピン13に押されてデイスクカートリツジ１
が装置外へ排出されるようになつている。

このように、上記実施例にあつては、支持板25が単純
に回動するのではなく、支持板25は、開口20よりもディ
スクカートリッジ１の排出方向において回動自在に支持
されているとともに、駆動ピン13の回動半径を漸次変化
させるようなスライド移動を行うので、支持板25の移動
領域をカートリッジホルダ11に保持されたディスクカー
トリッジ１上に設定でき、磁気ディスク駆動装置におけ
るディスクカートリッジ１の挿入・排出方向の寸法を小
型化できる、また、開口20とガイド穴12との間にはカー
トリッジホルダ11の天板が連設され、この間にガイド穴
を形成しなくてすむので、カートリッジホルダ11の強度
の低下を防止できる。

なお、駆動ピンをガイド穴に沿う移動を許容した状態
で支持し、かつ自らはカートリツジホルダにスライド移
動自在に支持される支持部材としては、上述した２種類
の支持板15,25のほかにも適宜選択可能である。例え
ば、カートリツジホルダ上でガイド穴と対向する位置
に、ガイド穴全体の幅寸法と略同等の長さの長孔を開設
した支持板を、ガイド穴全体の奥行き寸法と略同等の距
離だけデイスクカートリツジの挿入方向へスライド移動
自在となして取り付け、ガイド穴内に挿通した駆動ピン
を上記長孔内に挿通して支持すれば、上述した各実施例
と同様の効果が期待できる。

［発明の効果］ 以上説明したように、本発明によれば、支持部材は開
口よりもディスクカートリッジの排出方向側において長
孔の一端側にピン部材が挿通されて天板に回動自在に支
持され、ディスクカートリッジがカートリッジホルダに
保持され、シャッタが駆動ピンと係合してヘッド挿入口
を開いたときには、ヘッド挿入口が開口と対向し、開口
が支持部材の切欠部内に位置するとともに、長孔の他端
側にピン部材が位置しているため、ディスクカートリッ
ジのヘッド挿入口が対向する開口とガイド穴との間に孔
を設ける必要がないので、カートリッジホルダの強度を
増大することができる。また、支持板の移動領域をカー
トリッジホルダに保持されたディスクカートリッジ上に
設定できるので、カートリッジホルダの奥行き寸法を増
大させることがなく、磁気ディスク駆動装置におけるデ
ィスクカートリッジの挿入・排出方向の寸法を小型化で
きる。

【図面の簡単な説明】

第１図および第２図は本発明の一実施例に係る磁気ディ
スク駆動装置の動作説明図で、第１図はロード状態、第
２図はアンロード状態、第３図はディスクカートリッジ
の底面図、第４図は従来例に係る磁気ディスク駆動装置
の動作説明図である。 １……ディスクカートリッジ、1b……ヘッド、２……ケ
ース、３……磁気ディスク、４……シャッタ、11……カ
ートリッジホルダ、12……ガイド穴、13……駆動ピン、
15……支持板、18……引っ張りばね、23……支持ピン、
24……長孔、25……支持板。

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】ヘッド挿入口を開閉するためのシャッタを
   スライド移動自在に装着した硬質のケースの内部に磁気
   ディスクを回転自在に収納してなるディスクカートリッ
   ジを使用する磁気ディスク駆動装置において、 磁気ヘッドが装着され、ディスクカートリッジの挿入・
   排出方向に移送されるホールドケースと、 切欠部を有し、一端部に前記シャッタと係合する駆動ピ
   ンが垂設され、他端部に長孔が開設された支持部材と、 中央に前記ホールドケースが進出・後退する開口が形成
   された天板を有し、前記ディスクカートリッジを保持す
   るカートリッジホルダと、 前記駆動ピンを前記ディスクカートリッジの排出方向に
   常時付勢する付勢手段とを備え、 前記天板の開口の側部には前記駆動ピンが移動するガイ
   ド穴を設け、 前記支持部材は前記開口よりもディスクカートリッジの
   排出方向側において前記長孔の一端側にピン部材が挿通
   されて前記天板に回動自在に支持され、 前記ディスクカートリッジが前記カートリッジホルダに
   保持され、前記シャッタが前記駆動ピンと係合して前記
   ヘッド挿入口を開いたときには、前記ヘッド挿入口が前
   記開口と対向し、前記開口が前記支持部材の切欠部内に
   位置するとともに、前記長孔の他端側にピン部材が位置
   していることを特徴とする磁気ディスク駆動装置。