JPH0896545A - ディスクカートリッジ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 装置側のシャッタ開放レバーのスロットピン
を摩耗することのないディスクカートリッジを提供す
る。 【構成】 スライダのスロット部より大きい開孔をシャ
ッタに設けたもの。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明はヘッド挿入孔を開閉する
シャッタを備え、内部にディスク状記録媒体を回転自在
に収納したディスク用カートリッジに関する。

【０００２】

【従来の技術】光ディスク等のディスク状記録媒体は合
成樹脂の成形体からなるディスクカートリッジに回転自
在に収納されている。カートリッジには、光学ピックア
ップ等の記録再生手段により光ディスクに情報信号を書
き込み、或いは読み出す必要があるため、該カートリッ
ジ本体のうちこれら記録再生手段と対向する位置に光デ
ィスクの信号記録面を外方に臨ませる開口部（ヘッド挿
入孔）が形成されている。

【０００３】また、この開口部から異物や塵埃が侵入し
たりすることがないように、該カートリッジ本体に該開
口部を閉塞する金属製のシャッタが取付けられている。
シャッタはカートリッジ本体に設けられた開口部を閉塞
し得る閉塞面を有するもので、カートリッジ本体の摺動
凹部に沿って設けられたスライダを介してカートリッジ
本体に摺動自在に設けられている。

【０００４】シャッタは、カートリッジ本体の開口部が
該閉塞面で閉塞される方向にバネ材により弾発付勢さ
れ、不使用時には上記開口部が閉塞された状態に保持さ
れている。カートリッジをディスク駆動装置に装着した
時に該駆動装置側のシャッタ解除機構が該バネ材の付勢
力に抗してシャッタを押し開き、開口部が外部に臨むよ
うな構造とされている。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】上記した構造を有する
カートリッジにおいてはカートリッジ本体の開口部（ヘ
ッド挿入孔）を開閉するシャッタを押し開く際には、デ
ィスク駆動装置に装着されたシャッタ開放レバーの先端
部のスロットピンがシャッタに設けられたシャッタ開放
用スロット部に挿入されてシャッタが押し開かれるが、
シャッタ開放回数が増加するにつれてシャッタ開放レバ
ー先端部のスロットピンが徐々に摩耗して動作不良を引
き起こし、シャッタの開放がスムーズに行なえないとい
う問題があった。本発明はカートリッジにおける上記の
問題点を解決するものであって、該シャッタ開放レバー
先端部のスロットピンが摩耗するのを防止することを目
的とする。

【０００６】

【課題を解決するための手段】本発明者等は上記したデ
ィスク用カートリッジにおける問題点を解決すべく鋭意
検討した結果、上記シャッタ開放レバー先端部のスロッ
トピンの摩耗原因がスロットピンの挿入及び挿脱時にシ
ャッタのフロットピン受入用の開孔部の端にスロットピ
ンが接触して引き起こされることが判明した。この開孔
部（切欠部）の形状をスロットピンが接触することの少
ない形状に変更することにより上記問題点が解決できる
ことを見出し、本発明を完成した。すなわち、本発明の
要旨は、ディスク状記録媒体が収納されるケースの一側
端部にスライダーを摺動可能に設け、このスライダーに
シャッタを固定してなるディスクカートリッジにおい
て、スライダーのシャッタ開放用スロット部の大きさよ
り、シャッタに設けられた開孔部の大きさを大きくした
ことを特徴とするディスクカートリッジに存する。

【０００７】以下、本発明につき図面を参照しながら説
明する。ディスク用カートリッジ１１は上ハーフ１２と
下ハーフ１３とからなる合成樹脂製のカートリッジケー
スとスライダ１７に一体に取り付けられたシャッタ２５
と、ケース内に回転自在に収納された光ディスク等のデ
ィスク状記録媒体とから構成されている。

【０００８】図１に分解して示すようにディスクカート
リッジはほぼ平板状で方形形状をなす上ハーフ１２と下
ハーフ１３とを互いに突き合わせ、ネジ止め等の手段に
より合体されてなる構造を有する。カートリッジ本体１
１内にはディスク状記録媒体１、例えば光ディスクを回
転自在に収納してなる。該カートリッジ本体１１を構成
する上ハーフ１２及び下ハーフ１３は、それぞれ合成樹
脂材料、例えばポリカーボネート樹脂、ＡＢＳ樹脂等を
用い、例えば射出成形により成形したもので、上ハーフ
１２と下ハーフ１３とを合体して一辺の長さが光ディス
クの直径よりやや大きい方形形状の構造とする。

【０００９】この両カートリッジハーフ１２、１３のほ
ぼ中央部に収納ディスク１のチャッキング用ハブ２ａが
露出するチャッキング機構挿入口１２ａ、１３ａが形成
される。この挿入口１２ａ、１３ａからカートリッジの
前縁部にかけてディスク１の一部が露出し記録再生ヘッ
ドが移動対応される長方形状の磁気ヘッド装置用開口部
（ヘッド挿入孔）１２ｂ，１３ｂが形成されている。

【００１０】また、上記カートリッジ本体１１の上ハー
フ１２及び下ハーフ１３にはスライド部材１７を介して
シャッタ部材２５が取付けられている。このシャッタ部
材２５はチャッキング機構挿入口１２ａ、１３ａ及び磁
気ヘッド装置用開口部１２ｂ、１３ｂを開閉するための
ものである。該シャッタ部材２５は例えばステンレス板
等の金属板を折曲加工することによって構成され、図に
示すように上ハーフ１２側の開口部１２ｂと挿入口１２
ａを塞ぐシャッタ板部１４と、下ハーフ１３側の開口部
１３ｂと挿入口１３ａを塞ぐシャッタ板部１５と、これ
らを連結する連結部１６とを有する。

【００１１】シャッタ板部１４、１５と連結部１６と
は、それぞれ直角に折曲加工することでシャッタ板部１
４とシャッタ板部１５が所定の間隔、すなわちカートリ
ッジ本体１１の厚さに相当する間隔をもって平行に対峙
されている。上記シャッタ板部１４、１５は、上記した
ように上ハーフ１２側の開口部１２ｂと挿入部１２ａ又
は下ハーフ１３側の開口部１３ｂと挿入部１３ａをそれ
ぞれ閉塞しうるように長方形形状を有している。

【００１２】連結部１６は上記シャッタ板部１４とシャ
ッタ板部１５とを連結しているものであるが、シャッタ
全体をスライド部材１７に取り付ける役もなしている。
スライド部材１７は、カートリッジ本体１１の一側面、
すなわちカートリッジハーフ１２、１３の前縁部間に横
方向に沿って設けられている。シャッタはスライド部材
１７を介してカートリッジ本体１１に摺接することによ
り安定に摺動操作し得るようになっている。シャッタ部
材２５は連結部１６にネジ止め２０等でスライド部材１
７の取付部２１に固定されれば良い。スライド部材１７
をカートリッジ本体１１のハーフ１２、１３の前縁部間
の摺動凹部１８に係合し、該スライド部材１７を該摺動
凹部１８に沿って摺動させることによりシャッタ部材１
４、１５が開閉させる。スライド部材１７にはトーショ
ンバネ等からなる弾性部材１９の一端が、また弾性部材
１９の他端はカートリッジ本体１１に係止されており、
常時シャッタ部材２５を閉塞する方向に移動するように
付勢している。

【００１３】スライダ部材１７はほぼ柱状に形成され、
側面の長手方向にはカートリッジケースの摺動凹部（ガ
イド摺動部）１８と係合するガイド用係合溝２２が設け
られている。このスライダ部材１７において上流側には
第１のシャッタ開放レバー２６の先端のスロットピン２
６ａが係合するシャッタ開放用スロット部２３が、また
下流側には第２のシャッタ開放レバー２７の先端のスロ
ットピン２７ａが回動する傾斜部２４がそれぞれ形成さ
れている。

【００１４】上記のように構成されたディスク用カート
リッジにおいて、ディスクカートリッジ１１をディスク
駆動装置に挿入してロードする際に図３に示すように第
１のシャッタ開放レバー２６の先端のスロットピン２６
ａはスライダ部材１７のシャッタ開放用スロット部２３
に入って該スロット部２３を押圧し、第２のシャッタ開
放レバー２７の先端のスロットピン２７ａは傾斜部２４
からシャッタ連結部１６の表面を回動する。この状態か
らさらにディスク用カートリッジ１１をディスク駆動装
置内に押し込むと、第１のシャッタ開放レバー２６は矢
印Ａ方向へ、第２のシャッタ開放レバー２７は矢印Ｂ方
向へ回動し、スライダ部材１７とシャッタ部材２５は第
１のシャッタ開放レバー２６によって矢印Ｃ方向へ開
く。

【００１５】また、シャッタ部材２５を閉鎖する場合に
はディスク用カートリッジ１１をディスク駆動装置側か
ら後退させれば、第１の開放レバー２６が挿入時とは逆
に矢印Ｄ方向に回動し、これに伴ってシャッタ部材２５
が矢印Ｅ方向、すなわち閉鎖方向に移動してシャッタ部
材２５は閉鎖される。この時、第２のシャッタ開放レバ
ー２７も挿入時と逆方向、すなわち矢印Ｆ方向に回動し
初期位置にもどる。このようにシャッタ開放レバー２
６、２７が２本設けられているのは、両面記録のディス
クを想定したからであり、図３に示すＡ面ではなく裏面
にあたるＢ面を上にしてディスク駆動装置にロードする
場合には両者の関係は逆になり、第２のシャッタ開放レ
バー２７がシャッタ開放用スロット部２３を押圧し、第
１のシャッタ開放レバー２６が傾斜部２４からシャッタ
連結部の表面を回動する。

【００１６】従来のシャッタ構造のようにシャッタ２５
の開孔部２８の大きさが、スロット部２３の大きさより
小さかったり、ほぼ同じ大きさの場合には、上記ディス
ク用カートリッジ１１をディスク駆動装置に挿入してロ
ードする際に図４に示すように第１のシャッタ開放レバ
ー２６の先端部のスロットピン２６ａがシャッタ部材２
５の連結部１６に設けられた開孔部２８の端部と接触し
てからシャッタ開放用スロット部２３に挿入されてスロ
ットピン２６ａが該スロット部２３に係合して矢印Ａ方
向に回動する。すなわち、スロットピン２６ａが該スロ
ット部２３に挿入及び挿脱する際、上記開口部２８の端
部と接触してスロットピンが徐々に摩耗して動作不良を
引き起こす。シャッタ２５は通常ステンレス等の金属製
であるから開口部２８の端部は刃物様と云っても良く、
スロットピン２６ａの摩耗は早い。

【００１７】本発明においては、図５に示すようにスロ
ットピン２６ａが挿入及び挿脱する際、上記連絡部に設
けられた開孔部２８と接触せずに該スロット部に挿入及
び挿脱できるように開孔部２８の形状をスロット部の大
きさ（縦と横の長さ）より大きく、例えば縦と横の長さ
をスロット部の大きさの１．０５倍以上、好ましくは
１．１〜２倍、さらに好ましくは１．１〜１．５倍の範
囲とすることにより、スロットピンの摩耗が大幅に減少
できる。該スロットピン２６ａの材質としてはポリアセ
タール樹脂、テフロン等のフッ素系樹脂等の耐摩耗性樹
脂やステンレス等の金属が用いられる。

【００１８】

【発明の効果】本発明のディスクカートリッジによれ
ば、装置側のシャッタ開放レバーのスロットピンの摩耗
が少ないので誤作動等を防止できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】ディスクカートリッジの分解図。

【図２】スライダー部分の分解図。

【図３】シャッタ開放レバーの説明図。

【図４】スロットピンとスロットとの説明図。

【図５】スロットピンとスロットとの説明図。

【符号の説明】

１ ディスク １１ カートリッジ １７ スライダ ２３ スロット部 ２５ シャッタ ２６ シャッタ開放レバー ２６ａ スロットピン ２８ 開孔部

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 ディスク状記録媒体が収納されるケース
   の一側端部にスライダーを摺動可能に設け、このスライ
   ダーにシャッタを固定してなるディスクカートリッジに
   おいて、スライダーのシャッタ開放用スロット部の大き
   さより、シャッタに設けられた開孔部の大きさを大きく
   したことを特徴とするディスクカートリッジ。