JP2727658B2 - フォトクロミック材料 - Google Patents

フォトクロミック材料

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JP2727658B2
JP2727658B2 JP14200189A JP14200189A JP2727658B2 JP 2727658 B2 JP2727658 B2 JP 2727658B2 JP 14200189 A JP14200189 A JP 14200189A JP 14200189 A JP14200189 A JP 14200189A JP 2727658 B2 JP2727658 B2 JP 2727658B2
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【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、フォトクロミック材料に関するものであ
り、特に耐光性に優れる。
[従来の技術] スピロオキサジン化合物が光の照射により発色又は消
色するフォトクロミック性を有することは知られてお
り、これを使用したフォトクロミック感光材料が種々提
案されているが、従来、このスピロオキサジン化合物を
含有するフォトクロミック材料は、耐光性が不十分で長
時間の光照射により劣化するという問題点があった。
そこで、この耐光性を改良する手段としてスピロオキ
サジン化合物含有フォトクロミック組成物にヒンダード
アミン化合物を含有させる方法が特開昭63−234084号公
報に開示されている。また、本発明者らは、特願昭62−
262022号公報において、ヒンダードアミノ基を共重合し
たポリマ中にフォトクロミック化合物を添加、分散する
ことにより含有せしめる方法を報告している。
[発明が解決しようとする課題] しかしながら、これらのフォトクロミック化合物を単
にポリマ組成物中に含有させる方法は、製品化前の原料
調製時にフォトクロミック化合物が析出したり、製品化
した後にフォトクロミック化合物がブリードアウトした
り、また、製品が耐熱水性、耐水性、耐溶剤性に劣ると
いう問題を有していた。本発明は、かかる従来技術の欠
点を解消しようとするものであり、耐光性に優れ、か
つ、耐熱性、耐久性に優れたフォトクロミック材料を提
供することを目的とするものである。
[課題を解決するための手段] 本発明は、上記目的を達成するために下記の構成を有
する。
「重合性成分として、少なくとも下記A成分およびB
成分を含む共重合体から成ることを特徴とするフォトク
ロミック材料。
A成分:一般式[I]で表されるフォトクロミック化
合物。
(式中α環は、ピロリジン環、ピロール環、ピペリジン
環、テトラヒドロピリジン環、ジヒドロピリジン環、イ
ンドリン環、ベンズインドリン環、テトラヒドロキノリ
ン環、アクリジン環、ベンゾオキサゾリン環およびベン
ゾチアゾリン環から選ばれる一種であり、かつα環中の
窒素原子はYmR2または有機基Rと結合したものである。
ここで、Rは炭素数1〜20のアルキル基、炭素数2〜20
のアルケニル基、炭素数7〜20のアラルキル基、炭素数
6〜19のアリール基から選ばれる置換基を表す。
β環は、ベンゼン環、ナフタレン環、アントラセン
環、フェナンスレン環、キノリン環、ジベンゾフラン
環、ジベンゾチオフェン環、カルバゾール環およびベン
ゾナフトチオフェン環から選ばれる1種である。
R1は水素、アミノ基、炭素数1〜20のアルコキシ基、
炭素数7〜20のアラルコキシ基、炭素数6〜14のアリー
ロキシ基、炭素数2〜20のアシルオキシ基、炭素数1〜
20のアルキル基、炭素数7〜20のアラルキル基および炭
素数6〜20のアリール基から選ばれる置換基を表す。
R2は、ラジカル重合性官能基を表す。
nは1以上の整数である。
Yは炭素数1〜20の有機基を表す。
mは、0または1を表す。ただし、YmR2がα環中の窒
素原子と結合している場合は、mは1を表す。
B成分:ヒンダードアミノ基を置換基として有する、
アクリルおよびメタクリルモノマから選ばれる少なくと
も1種のモノマ。」 ここで前記一般式(I)で表されるスピロオキサジン
化合物において、α環とは、ピロリジン環、ピロール
環、ピペリジン環、テトラヒドロピリジン環、ジヒドロ
ピリジン環、インドリン環、ベンズインドリン環、テト
ラヒドロキノリン環、アクリジン環、ベンゾオキサゾリ
ン環およびベンゾチアゾリン環から選ばれる一種であ
る。
このα環に含まれる窒素原子は、YmR2または有機基R
と結合して存在するものであり、 N−YmR2またはN−R で表される。
ここで、置換基Rの具体例としては、メチル基、エチ
ル基、オクタデシル基などの炭素数1〜20の鎖状アルキ
ル基、tert−ブチル基、2−メチルペンチル基などの炭
素数3〜20の分枝状アルキル基、シクロヘキシル基、ノ
ルボルニル基、アダマンチル基などの炭素数3〜10のシ
クロアルキル基、ビニル基、アリル基、ヘキセニル基、
1,3−ブタジエニル基、イソプロペニル基などの炭素数
2〜20のアルケニル基、ベンジル基、フェネチル基、
(2−ナフチル)メチル基などの炭素数7〜20のアラル
キル基、フェニル基、2−ナフチル基などの炭素数6〜
19のアリール基を表す。Rは置換されていてもよく、そ
のような場合、置換基の具体例としては、ヒドロキシ
基;アミノ基、ジベンジルアミノ基等のアミノ基;メト
キシ基、エトキシ基、プロポキシ基等のアルコキシ基;
ベンゾイルオキシ基等のアシルオキシ基;メチル基、エ
チル基、トリフルオロメチル基、ブチル基などのアルキ
ル基;ベンジル基、4−(2,3−エポキシプロピル)フ
ェネチル基等のアラルキル基;フェニル基等のアリール
基;フロロ基、クロロ基等のハロゲン基;シアノ基;カ
ルボキシ基;ニトロ基;アセチル基等のアシル基;エト
キシカルボニル基、3,4−エポキシブチルオキシカルボ
ニル基等のアルコキシカルボニル基;カルバモイル基、
N−フェニルカルバモイル基等のカルバモイル;(N−
(アセトキシ)プロピルカルバモイル)オキシ基等のカ
ルバモイルオキシ基;スルホン酸、その金属塩(例えば
ナトリウム、リチウム塩など)等のスルホン酸基が挙げ
られる。
α環の窒素原子に結合し得る他のもうひとつの置換基
であるYmR2のYは炭素数1〜20の有機基であるが、その
具体例としては、メチレン基、プロピレン基などのアル
キレン基、 などのアルキレンオキシ基、フェニレン基、ナフチレン
基などのアリーレン基、などが挙げれられる。ここで、
Yで表される置換基はα環中に含まれる 窒素原子N−C−結合で存在するものである。また、
mは1でなければならない。さらに、R2としてはラジカ
ル重合性官能基であるが、その具体例としては、アクリ
ロキシ基、メタクリロキシ基、メタクリルアミド基、p
−ビニルベンゾイロキシ基、m−ビニルベンジル基、
(2−メタクリロキシアルキル)アミノ基、N−(2−
(メタ)アクリロキシ)アルキルカルバモイル基、(N
−(3−(メタ)アクリロキシ)アルキルカルバモイ
ル)オキシ基などが挙げられる。
以上のYmR2基は、α環中の窒素原子以外、およびβ環
中の各原子上にも置換が可能であることは言うまでもな
いが、その場合にはmは0であっても1であってもよ
い。また、YmR2の一般式(I)中に含まれる官能基数で
あるnは1以上の整数であるが、nが2以上の場合に
は、そのYmR2はそれぞれ同種であっても、異種であって
も何ら問題はない。
次に一般式(I)に含まれる他の構成要素について説
明する。
R1は水素;アミノ基、ジメチルアミノ基、ジ(2−ヒ
ドロキシエチル)アミノ基などのアミノ基;メトキシ
基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基などの炭素
数1〜20のアルコキシ基;ベンジロキシ基、フェネチロ
キシ基などの炭素数7〜20のアラルコキシ基;フェノキ
シ基、ナフトキシ基などの炭素数6〜14のアリーロキシ
基;ベンゾイルオキシ基などの炭素数2〜20のアシルオ
キシ基;メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、
tert−ブチル基、オクタデシル基などの炭素数1〜20の
アルキル基;ベンジル基、フェネチル基、ナフチルメチ
ル基などの炭素数7〜20のアラルキル基;フェニル基、
ナフチル基などの炭素数6〜20のアリール基が挙げられ
る。
一方、α環と同様に一般式(I)に含まれるところの
β環はベンゼン環、ナフタレン環、アントラセン環、フ
ェナンスレン環、キノリン環、ジベンフラン環、ジベン
ゾチオフェフン環、カルバゾール環およびベンゾナフト
チオフェン環から成るものである。
α環およびβ環中には各種の置換基導入が可能であ
り、置換基の導入により、フォトクロミック特性のひと
つである発消色速度のコントロール、さらには発色色調
のコントロールなどを行うこともできる。導入可能で好
ましく適用される置換基の具体例としては、炭素数1〜
20のアルキル基、炭素数7〜20のアラルキル基および炭
素数6〜19のアリール基、さらにはα環中の3′位の炭
素を含めて炭素数3〜10のシクロアルキル基あるいはヒ
ドロキシ基、アミノ基、炭素数1〜20の有機置換アミノ
基、炭素数7〜20のアラルコキシ基、炭素数6〜19のア
リーロキシ基、炭素数2〜20のアシルオキシ基、ハロゲ
ン基、シアノ基、カルボキシ基、ニトロ基、炭素数2〜
20のアシル基、炭素数2〜20のアルコキシカルボニル
基、カルバモイル基、カルバモイルオキシ基、およびス
ルホン酸基から選ばれる置換基を挙げることができる。
また、β環中にヘテロ原子を含むものは、その発色種
を短波長化させたり、吸収極大波長を複数個含ませるた
めの手段として、とくに有効である。中でも窒素原子を
含んだカルバゾール環や、酸素原子を含んだジベンゾフ
ラン環は合成が比較的容易であり、かつ前記特性が顕著
に発現されるという観点から好ましく用いられる。
以上の一般式(I)で表される重合性官能基を有する
スピロオキサジン化合物は、特開昭63−93788号公報、
特開昭63−199279号公報、特開昭63−250380号公報など
にて開示されており、当然、これらも本発明で使用可能
なフォトクロミック化合物である。
これらのフォトクロミック化合物は1種のみならず、
2種以上を併用して発色種の吸収波長をブロード化、混
合色化、さらには見掛けの耐久性向上などを行うことが
可能である。
これらフォトクロミック化合物が共重合体中に含有さ
れる割合は、該共重合体使用における目的とする機能性
によって異なるが、十分な発色濃度と経済性を考慮して
決められるものであり、一般的には、共重合体中、0.2
重量%以上、60重量%以下の割合で含有されることが好
ましい。
本発明におけるB成分としては、ヒンダードアミノ基
を置換基として有するアクリルモノマ、およびヒンダー
ドアミノ基を置換基として有するメタクリルモノマから
選ばれる少なくとも1種が用いられる。ここでヒンダー
ドアミノ基とは下記一般式[II]で表される官能基であ
る。
(式中R3、R4、R6ならびにR7は炭素数1〜5の低級ア
ルキル基であり、R5は炭素数1〜5の低級アルキル基お
よび水素から選ばれる。) かかるヒンダードアミノ基を有するアクリルまたはメ
タクリルモノマーはヒドロキシヒンダードアミンと各種
の(メタ)アクリル酸とのエステル化あるいは(メタ)
アクリル酸クロライドなどとの反応によって調製され
る。
これらのヒンダードアミノ基を側鎖に有する(メタ)
アクリルモノマーを有するマトリックスは光安定剤とし
ての機能を有し、前述のA成分であるフォトクロミック
化合物の繰り返し耐久性、いわゆる耐疲労性の向上に著
しい効果がある。さらに、本発明においては、かかるヒ
ンダードアミノ基を側鎖に有する(メタ)アクリルモノ
マーを共重合性成分として含有するので、一般に使用さ
れるヒンダードアミン光安定剤のように、単純にマトリ
ックス中に分散混合される場合のような耐熱性、耐水
性、耐溶剤性に劣るといった問題がなくなる。
かかるヒンダードアミノ基から選ばれる少なくとも一
種を置換基として有するモノマーの具体例としては2,2,
6,6−テトラメチル−4−ピペリジニルアクリレート、
2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジニルメタアクリ
レート、1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジニル
−アクリレート、1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペ
リジニル−メタアクリレートなどのモノマーが挙げられ
る。
これらヒンダードアミノ基を有する(メタ)アクリル
モノマが本発明共重合体中に含有される割合は、該ポリ
マが使用される製品形態によっても、また、要求される
耐光性能によっても異なるが、0.2重量%以上、30重量
%以下であることが好ましい。この含有割合が0.2重量
%未満では、十分な光安定化の効果が得られにくい。ま
た、30重量%を越えるとポリマの機械的特性の低下およ
び着色状態の点で、不充分である傾向がある。
かかるA成分およびB成分とともに、本発明におい
て、重合性モノマとして、共重合可能なものであればい
かなるものでも用いることができるが、重合度のコント
ロール、他重合成分の選択が容易であること、さらには
ポリマ中に任意の状態で分布可能なことなどから、とく
にラジカル重合性官能基を有するモノマが好ましい。か
かる重合性官能基としては、アクリル基、メタクリル
基、スチリル基、ビニル基などが具体例として挙げられ
る。
上述の共重合可能なモノマの具体的化合物例として
は、スチレン、スチレン誘導体、ジビニルベンゼン、ア
クリル酸エステル、メタクリル酸エステル、エチレング
リコールジメタクリレート、アクリロニトリル、メタク
リロニトリル、メチルビニルケトン、ブタジエン、無水
マレイン酸、塩化ビニリデン等が挙げられ、また高いガ
ラス転移点を付与する点で好ましいモノマとしてはビニ
ルカルバゾール、N−置換マレイミド、α−メチルスチ
レン等が挙げられる。
本発明のフォトクロミックポリマの耐光性をさらに向
上させるには、アミド基および/またはアミノアルキル
基を置換基として有するアクリルおよび/またはメタク
リルモノマを共重合することが有効である。本発明にお
けるヒンダードアミノ基、好ましくは、さらにアミド
基、アミノアルキル基を側鎖に有する(メタ)アクリレ
ートモノマから得られるフォトクロミックポリマの光安
定化機構は明らかでないが、発消色の繰り返し耐久性、
いわゆる耐疲労性の向上に効果がある。
かかるアミド基およびアミノアルキル基から選ばれる
少なくとも一種を置換基として有するモノマーの具体例
としては(メタ)アクリルアミド、N−n−ブトキシメ
チル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)
アクリルアミド、N,N−ジエチル(メタ)アクリルアミ
ド、N,N−ジ−n−ブトキシ(メタ)アクリルアミド、
N−メトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジ
メトキシ(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエトキシ
(メタ)アクリルアミド、N,N−ジ−n−プロポキシ
(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリル酸ジメチル
アミノメチル、(メタ)アクリル酸ジメチルアミノエチ
ル、(メタ)アクリル酸ジメチルアミノプロピル、(メ
タ)アクリル酸ジメチルアミノブチル、(メタ)アクリ
ル酸ジエチルアミノメチル、(メタ)アクリル酸ジエチ
ルアミノエチル、(メタ)アクリル酸ジエチルアミノプ
ロピル、(メタ)アクリル酸ジエチルアミノブチル、
(メタ)アクリル酸ジプロピルアミノメチル、(メタ)
アクリル酸ジプロピルアミノエチル、(メタ)アクリル
酸ジプロピルアミノプロピル、(メタ)アクリル酸ジプ
ロピルアミノブチル、(メタ)アクリル酸−N,N−メチ
ルブチルアミノエチルなどのモノマーが挙げられる。
本発明における共重合は、各種のラジカル開始剤,例
えばベンゾイルパーオキシドなどのパーオキシド類、ア
ゾビスイソブチロニトリルなどのアゾ系化合物を用いて
行うことが可能である。さらには、紫外線や電子線など
の活性光線にて重合させることもできる。特に、重合中
における分解を防止するという点からはアゾ系開始剤が
好ましく適用される。
これら本発明における共重合体中には、これらを架橋
硬化せしめる目的から各種架橋剤を添加使用することも
可能である。添加可能な架橋剤としてはメラミン樹脂、
尿素樹脂、エポキシ樹脂などが挙げられる。さらには架
橋反応を促進させる目的から各種促進剤、たとえば酸、
塩基、さらには各種の金属塩、金属キレート化合物、エ
ポキシ硬化剤などを併用することも可能である。また、
架橋にはあずからないが、マトリックスの実用性、例え
ばコーティング組成物として適用する場合などには表面
平滑剤として各種の界面活性剤の添加が好ましい。ま
た、フォトクロミック特性、例えば発色濃度の向上など
を目的に各種の増感剤や紫外線吸収剤の添加なども好ま
しく用いられる。
本発明のサングラスレンズや矯正用レンズなどの光学
用途に使用する場合には、室温での発消色性を満足させ
るという意味から本発明の共重合体ガラス転移温度が10
℃以上であることが好ましい。とくに夏場の発色濃度を
満足させるためには40℃以上であることがさらに好まし
い。
本発明によって得られるフォトクロミック材料はその
使用用途によってフィルム、コーティング被膜、成型品
など種々の形態で使用可能であるが、とくにコスト面か
らは各種基材へのコーティング被膜として適用すること
が望ましい。コーティング被膜として使用する場合に
は、その発色濃度などの点から0.5μm〜50μmの膜厚
を有することが好ましい。耐候性の観点からは、5.0μ
m以上がとくに好適に用いられる。また被塗布基材とし
ては無機ガラス、布帛、木材、紙、金属、プラスチッ
ク、セラミックスなど、各種のものが適用可能である。
また、基材の形状としてはフィルム、シート、成型品な
ど、とくに限定されるものではない。塗布方法は従来の
コーティング業界で行なわれている方法、例えば浸漬塗
装、スピン塗装、フローコート、ロールコート、カーテ
ンフローコート、バーコート、刷毛塗り法など、さらに
はスクリーン印刷法などの方法も適用可能である。さら
には前記溶液を爪などに塗布し乾燥せしめることによっ
てマニキュアなどの目的にも使用可能である。
一方、前述の必須成分以外により一段と耐光性を高め
るため、さらには耐熱性、酸化防止性、また塗布する際
のコーティング特性、なかでも塗膜の平滑性などをそれ
ぞれ向上せしめる目的から、酸化防止剤、一重項酸素ク
エンチャー、界面活性剤などの添加を行って、さらに実
用性能を高めることも可能である。
また本発明のフォトクロミック材料を各種基材に塗布
するに際してコーティング組成物として適用する際に使
用される溶剤としては各種の有機溶剤が使用可能であ
り、具体的には各種アルコール、ケトン類、エーテル
類、エステル類、芳香族(ハロゲン化)炭化水素類、脂
肪族(ハロゲン化)炭化水素類、セロソルブ類、各種ホ
ルムアミド類、スルホキシド類などマトリックス樹脂と
他成分を溶解させるものであればとくに限定されるもの
ではない。
本発明におけるフォトクロミック材料の実用性をさら
に改良する目的から、該材料上にハードコート性を有す
る被覆を設けて物品の傷つきにくさを改良することも可
能である。
本発明における好ましい実施態様としては透明プラス
チックまたは着色された透明プラスチックからなるサン
グラスレンズ、あるいは矯正用レンズなどに本発明フォ
トクロミック材料を被覆させたフォトクロミック成形品
が挙げられる。さらには本発明フォトクロミック材料を
無機ガラス板などでサンドイッチ状に積層したものも耐
光性、耐熱性などの点から好ましいものである。
本発明のフォトクロミック材料は、サングラスや矯正
用レンズなどの光学物品、自動車用、家庭用、オフィス
用などの窓ガラスなど、とくに太陽光にかかわる光調節
を必要とする目的に好ましく利用されるものである。
[実施例] 以下に本発明の趣旨を明瞭にするために実施例を示す
が、本発明はこれらの実施例に限定されるものではな
い。
実施例1〜3 (1)フォトクロミック物品の作製 (イ)コーティング用組成物の調整 第1表に示す共重合体の50重量%溶液300gおよびメラ
ミン樹脂(三井東圧化学(株)製品、ユーバン22R)37.
5g、さらにメチルエチルケトンを添加して25重量%に希
釈し、シリコーン系界面活性剤を添加してフォトクロミ
ック性コーティング用組成物とした。
(ロ)塗布および乾燥 前記(イ)で得られたコーティング用組成物を、厚さ
1.0mmのガラス板上に流し塗り法で約15μmの厚みに塗
布した。塗布したガラス板は90℃で10時間の加熱硬化を
行った。
(2)性能試験 それぞれ以下試験を行った。結果を第1表に示す。
(イ)フォトクロミック性能 夏季太陽光線2.8mW/cm2(オーク製作所(株)、ORC紫
外線照度計UV−302A型にて測定)を照射した時の発色濃
度を測定し、全光線透過率で表わした。
(ロ)耐光性テスト フェードメーターによる光照射を40時間行なった後、
ケミカルランプにて発色テストを行った。なお、判定は
以下に示すとおりである。
A:フェードメーターテスト前後で差が認められない。
B:テスト後において、劣化が認められる。
(ハ)エージングテスト 40℃、90%RHの恒温恒湿槽で2週間保存した後、外観
変化の有無を観察。
比較例1 ヒンダードアミノ基を有するモノマを共重合成分とし
て有しない以外は、実施例3と同様にした場合における
評価結果を第1表に示した。
比較例2 実施例3において、共重合成分として、フォトクロミ
ック化合物を用いないで、その代わりに1−(3−メチ
ルベンジル)−3,3−ジメチルスピロ[インドリン−2,
3′−[3H]ナフト[2,1−b](1,4)オキサジン]を1
5g添加した以外は、実施例3と同様にした場合における
評価結果を第1表に示した。
[発明の効果] 本発明によって得られるフォトクロミック材料には以
下の効果がある。
(1)光による劣化安定性が著しく向上する。
(2)発色性に優れる。
(3)各種架橋剤、酸化防止剤、界面活性剤などを添加
することにより、容易に耐久性、耐熱水性、耐熱性を向
上させることができる。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】重合性成分として、少なくとも下記A成分
    およびB成分を含む共重合体から成ることを特徴とする
    フォトクロミック材料。 A成分:一般式[I]で表されるフォトクロミック化合
    物。 (式中α環は、ピロリジン環、ピロール環、ピペリジン
    環、テトラヒドロピリジン環、ジヒドロピリジン環、イ
    ンドリン環、ベンズインドリン環、テトラヒドロキノリ
    ン環、アクリジン環、ベンゾオキサゾリン環およびベン
    ゾチアゾリン環から選ばれる一種であり、かつα環中の
    窒素原子はYmR2または有機基Rと結合したものである。
    ここで、Rは炭素数1〜20のアルキル基、炭素数2〜20
    のアルケニル基、炭素数7〜20のアラルキル基、炭素数
    6〜19のアリール基から選ばれる置換基を表す。 β環は、ベンゼン環、ナフタレン環、アントラセン環、
    フェナンスレン環、キノリン環、ジベンゾフラン環、ジ
    ベンゾチオフェン環、カルバゾール環およびベンゾナフ
    トチオフェン環から選ばれる1種である。 R1は水素、アミノ基、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭
    素数7〜20のアラルコキシ基、炭素数6〜14のアリーロ
    キシ基、炭素数2〜20のアシルオキシ基、炭素数1〜20
    のアルキル基、炭素数7〜20のアラルキル基および炭素
    数6〜20のアリール基から選ばれる置換基を表す。 R2は、ラジカル重合性官能基を表す。 nは1以上の整数である。 Yは炭素数1〜20の有機基を表す。 mは、0または1を表す。ただし、YmR2がα環中の窒素
    原子と結合している場合は、mは1を表す。 B成分:ヒンダードアミノ基を置換基として有する、ア
    クリルおよびメタクリルモノマから選ばれる少なくとも
    1種のモノマ。
JP14200189A 1989-05-23 1989-06-02 フォトクロミック材料 Expired - Lifetime JP2727658B2 (ja)

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