JP2743549B2 - フォトクロミック性材料 - Google Patents

フォトクロミック性材料

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JP2743549B2 JP2984590A JP2984590A JP2743549B2 JP 2743549 B2 JP2743549 B2 JP 2743549B2 JP 2984590 A JP2984590 A JP 2984590A JP 2984590 A JP2984590 A JP 2984590A JP 2743549 B2 JP2743549 B2 JP 2743549B2
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  • Non-Silver Salt Photosensitive Materials And Non-Silver Salt Photography (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、耐光性および耐久性に優れたフォトクロミ
ック性材料に関するものである。
[従来の技術] 近年、紫外線照射の有無によって可逆的に色調の変化
を示すフォトクロミック物質の利用が調光材料、記録材
料等の分野において注目され始め、特にその色調変化の
程度が大きいこと、各種の樹脂を始めとする諸材料に対
する適用性が良好なことから有用視されている。しか
し、樹脂などに含有させた場合、フォトクロミック化合
物のみがブリードアウトするため繰り返し耐性が低い、
各種製品として適用された場合、製品として要求される
硬度、耐久性などを充分満足していない等の問題点を有
しているため、広範囲に実用化されるに至っていない。
そこで、これまでに検討されている技術としては、水
酸基を含有させたフォトクロミック化合物をエポキシ樹
脂またはウレタン樹脂と反応硬化させる方法が特開昭63
−51492号公報に開示されている。しかしながら、この
技術においては、フォトクロミック化合物の溶解性が悪
く、また、得られたフォトクロミック性被膜の硬度およ
び耐光性などが劣るという問題があった。
また、ポリマーをアルキルエーテル化メチロールメラ
ミンで反応硬化させる技術については、これまでに種々
のものが報告されている。例えば、アクリルポリマーを
アルキルエーテル化メチロールメラミンで硬化した被膜
は、公知の方法により任意の色調に染色することは可能
であるが、紫外線の照射によりその色調が変化するとい
った、いわゆるフォトクロミック性能を有する化合物に
ついて検討された例はない。
[発明が解決しようとする課題] 本発明は、かかる従来技術の欠点を解消しようとする
ものであり、フォトクロミック化合物がブリードアウト
するといった問題がなく、かつ、硬度および耐光性に優
れたフォトクロミック性材料を提供することを目的とす
る。
[課題を解決するための手段] 本発明は、上記目的を達成するために下記の構成を有
する。
「重合性成分として、少なくとも下記一般式[I]で示
される化合物を含む重合体を、アルキルエーテル化メチ
ロールメラミンにより硬化させてなることを特徴とする
フォトクロミック性材料。
(式中α環は、ヒロリジン環、ピロール環、ピペリジン
環、テトラヒドロピリジン環、ジヒドロピリジン環、イ
ンドリン環、ベンズインドリン環、テトラヒドロキノリ
ン環、アクリジン環、ベンゾオキサゾリン環およびベン
ゾチアゾリン環から選ばれる一種であり、かつα環中の
窒素原子はYmR2または有機基Rと結合したものである。
ここで、Rは炭素数1〜20のアルキル基、炭素数2〜20
のアルケニル基、炭素数7〜20のアラルキル基、炭素数
6〜19のアリール基から選ばれる置換基を表す。
β環は、ベンゼン環、ナフタレン環、アントラセン
環、フェナンスレン環、キノリン環、ジベンゾフラン
環、ジベンゾチオフェン環、カルバゾール環およびベン
ゾナフトチオフェン環から選ばれる1種である。
R1は水素、炭素数0〜20のアミノ基、炭素数1〜20の
アルコキシ基、炭素数7〜20のアラルコキシ基、炭素数
6〜14のアリーロキシ基、炭素数2〜20のアシルオキシ
基、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数7〜20のアラル
キル基および炭素数6〜20のアリール基から選ばれる置
換基を表す。
R2は、ラジカル重合性官能基を表す。
nは1以上の整数である。
Yは炭素数1〜20の有機基を表す。
mは、0または1を表す。ただし、YmR2がα環中の窒
素原子と結合している場合は、mは1を表す。」 本発明のフォトクロミック性材料を構成する重合体
(以下、この重合体をフォトクロミック重合体と言う)
は、前記一般式[I]で示される化合物(以下、この化
合物をフォトクロミック化合物と言う)を重合性成分と
して少なくとも含有する。一般式(I)においてα環
は、ピロリジン環、ピロール環、ピペリジン環、テトラ
ヒドロピリジン環、ジヒドロピリジン環、インドリン
環、ベンズインドリン環、テトラヒドロキノリン環、ア
クリジン環、ベンゾオキサゾリン環およびベンゾチアゾ
リン環から選ばれる一種である。
このα環に含まれる窒素原子は、YmR2または有機基R
と結合して存在するものであり、 N−YmR2またはN−R で表される。
ここで、置換基Rの具体例としては、メチル基、エチ
ル基、オクタデシル基なでの炭素数1〜20の鎖状アルキ
ル基、tert−ブチル基、2−メチルペンチル基などの炭
素数3〜20の分枝状アルキル基、シクロヘキシル基、ノ
ルボルニル基、アダマンチル基などの炭素数3〜10のシ
クロアルキル基、ビニル基、アリル基、ヘキセニル基、
1,3−ブタジエニル基、イソプロペニル基などの炭素数
2〜20のアルケニル基、ベンジル基、フェネチル基、
(2−ナフチル)メチル基などの炭素数7〜20のアラル
キル基、フェニル基、2−ナフチル基などの炭素数6〜
19のアリール基を表す。Rは置換されていてもよく、そ
のような場合、置換基の具体例としては、ヒドロキシ
基;アミノ基、ジベンジルアミノ基等のアミノ基;メト
キシ基、エトキシ基、プロポキシ基等のアルコキシ基;
ベンゾイルオキシ基等のアシルオキシ基;メチル基、エ
チル基、トリフルオロメチル基、ブチル基などのアルキ
ル基;ベンジル基、4−(2,3−エポキシプロピル)フ
ェネチル基等のアラルキル基;フェニル基等のアリール
基;フロロ基、クロロ基等のハロゲン基;シアノ基;カ
ルボキシ基;ニトロ基;アセチル基等のアシル基;エト
キシカルボニル基、3,4−エポキシブチルオキシカルボ
ニル基等のアルコキシカルボニル基;カルバモイル基、
N−フェニルカルバモイル基等のカルバモイル基;(N
−(アセトキシ)プロピルカルバモイル)オキシ基等の
カルバモイルオキシ基;スルホン酸、その金属塩(例え
ばナトリウム、リチウム塩など)等のスルホン酸基が挙
げられる。
α環の窒素原子に結合し得る他のもうひとつの置換基
であるYmR2のYは炭素数1〜20の有機基であるが、その
具体例としては、メチレン基、プロピレン基などのアル
キレン基、 (aは自然数を示す)などのアルキレンオキシ基、フェ
ニレン基、ナフチレン基などのアリーレン基、などが挙
げられる。ここで、Yで表される置換基はα環中に含ま
れる窒素原子とN−C−結合で存在するものである。
また、mは1でなければならない。さらに、R2はラジカ
ル重合性官能基であるが、その具体例としては、アクリ
ロキシ基、メタクリロキシ基、メタクリルアミド基、p
−ビニルベンゾイロキシ基、m−ビニルベンジル基、
(2−(メタ)アクリロキシアルキル)アミノ基、N−
(2−(メタ)アクリロキシ)アルキルカルバモイル
基、(N−(3−(メタ)アクリロキシ)アルキルカル
バモイル)オキシ基などが挙げられる。
以上のYmR2基は、α環中の窒素原子以外、およびβ環
中の各原子上、また、R1中などにも置換が可能であり、
その場合にはmは0であっても1であってもよい。ま
た、YmR2の一般式(I)中に含まれる官能基数であるn
は1以上の整数であるが、nが2以上の場合には、その
YmR2はそれぞれ同種であっても、異種であっても何ら問
題はない。
一方、α環と同様に一般式(I)に含まれるところの
β環はベンゼン環、ナフタレン環、アントラセン環、フ
ェナンスレン環、キノリン環、ジベンゾフラン環、ジベ
ンゾチオフェフン環、カルバゾール環およびベンゾナフ
トチオフェン環から選ばれて成るものである。
α環およびβ環中には各種の置換基導入が可能であ
り、置換基の導入により、フォトクロミック特性のひと
つである発消色速度のコントロール、さらには発色色調
のコントロールなどを行うこともできる。導入可能で好
ましく適用される置換基の具体例としては、炭素数1〜
20のアルキル基、炭素数7〜20のアラルキル基および炭
素数6〜19のアリール基、さらにはα環中の3′位の炭
素を含めて炭素数3〜10のシクロアルキル基あるいはヒ
ドロキシ基、アミノ基、炭素数1〜20の有機置換アミノ
基、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数7〜20のアラ
ルコキシ基、炭素数6〜19のアリーロキシ基、炭素数2
〜20のアシルオキシ基、ハロゲン基、シアノ基、カルボ
キシ基、ニトロ基、炭素数2〜20のアシル基、炭素数2
〜20のアルコキシカルボニル基、カルバモイル基、カル
バモイルオキシ基、およびスルホン酸基から選ばれる置
換基を挙げることができる。
また、β環中にヘテロ原子を含むものは、その発色種
を短波長化させたり、吸収極大波長を複数個含ませるた
めの手段として、とくに有効である。中でも窒素原子を
含んだカルバゾール環や、酸素原子を含んだジベンゾフ
ラン環は合成が比較的容易であり、かつ前記特性が顕著
に発現されるという観点から好ましく用いられる。
以上の本発明フォトクロミック化合物は、特開昭63−
93788号公報、特開昭63−199279号公報、特開昭63−250
380号公報などにて開示されており、当然、これらも本
発明で使用可能なフォトクロミック化合物である。
これらのフォトクロミック化合物は1種のみならず、
2種以上を併用して発色種の吸収波長をブロード化、混
合色化、さらには見掛けの耐久性向上などを行うことが
可能である。
本発明のフォトクロミック重合体としては、以上の本
発明フォトクロミック化合物のみからなる重合体を用い
てもよいが、他の共重合可能なモノマー成分との共重合
体を用いてもよい。共重合体を用いる場合、フォトクロ
ミック化合物が共重合体中に含有される割合は、該共重
合体使用における目的とする機能によって異なるが、十
分な発色濃度と経済性を考慮して決められるものであ
り、一般的には、共重合体中、0.2重量%以上、60重量
%以下の割合で含有されることが好ましい。この含有割
合が0.2重量%未満では、発色時に充分な濃度が得られ
にくい。また、60重量%を越えると得られた硬化物の価
格が高くなる。
かかる本発明フォトクロミック化合物とともに、共重
合体を形成する重合性モノマーとしては、共重合可能な
ものであればいかなるものでも用いることができるが、
重合度コントロール、モノマー選択が容易であること、
さらにはポリマー中に任意の状態で導入が可能であるこ
となどから、特にラジカル重合性官能基を有するモノマ
ーを用いることが好ましい。
ラジカル重合性官能基を有するモノマーとしては、本
発明のフォトクロミック性材料は、上記のフォトクロミ
ック重合体を、アルキルエーテル化メチロールメラミン
により硬化させることによって得られることから、かか
る硬化反応に有効な重合体を形成し得る官能基を有する
モノマーを好ましい例として挙げることができる。その
ような官能基を有するモノマーとしては、水酸基含有
側鎖を有する化合物、カルボキシル基を有する化合物
などが挙げられる。
これらの官能基はフォトクロミック化合物に含まれて
いても良いが、フォトクロミック特性のコントロール、
化合物の合成の容易さなどの観点から、その他の共重合
モノマー中に含有せしめることが好ましい。
このようなモノマーの具体例として、前記の化合物
としては、アリルアルコール、N−ヒドロキシメチルア
クリルアミド、N−ヒドロキシメチルメタクリルアミ
ド、N−(2−ヒドロキシエチル)アクリルアミド、N,
N−ジヒドロキシメチルアクリルアミド、N,N−ジ(2−
ヒドロキシエチル)メタクリルアミド、2−ヒドロキシ
エチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレ
ート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、2−ヒド
ロキシプロピルメタアクリレート、1,4−ブチレングリ
コールモノアクリレート、1,4−ブチレングリコールモ
ノメタクリレート、グリセロールモノメタクリレート、
ヒドロキシアリルメタクリレート、ヒドロキシメチルア
ミノメチルアクリレート、ヒドロキシメチルアミノメチ
ルメタクリレート、2−ヒドロキシエチルアミノメチル
アクリレート、2−(2′−ヒドロキシエチルアミノ)
エチルメタクリレート、N,N−ジ(ヒドロキシメチル)
アミノメチルアクリレート、N,N−ジ(ヒドロキシメチ
ル)アミノメチルメタアクリレート、N,N−ジ(ヒドロ
キシエチル)アミノメチルアクリレートなどが挙げられ
る。
また、の化合物の具体例としては、アクリル酸、メ
タクリル酸、クロトン酸、ビニル酢酸、マレイン酸、イ
タコン酸などが挙げられる。
また、その他のラジカル重合性官能基を有するモノマ
ーとしては、耐候性、造膜性、硬度、発消色性などをコ
ントロールする目的から各種の共重合可能なモノマーを
挙げることができる。例えば、アミノ基含有側鎖を有
する化合物、ヒンダードアミノ基を有する化合物など
を挙げることができる。
の化合物の具体例としては、アクリルアミド、メタ
クリルアミド、クロトンアミド、N−メチルアクリルア
ミド、N−メチルメタクリルアミド、N−エチルアクリ
ルアミド、N−エチルメタクリルアミド、N−プロピル
アクリルアミド、N−プロピルメタクリルアミド、N,N
−ジメチルアクリルアミド、N,N−ジメチルメタクリル
アミド、N,N−ジエチルアクリルアミド、N,N−ジエチル
メタクリルアミド、N,N−ジプロピルアクリルアミド、
N,N−ジプロピルメタクリルアミド、N−ブトキシメチ
ルアクリルアミド、N−iso−ブトキシメチルメタクリ
ルアミド、2−(N−メチルアミノ)エチルアクリレー
ト、2−(N−メチルアミノ)エチルメタアクリレー
ト、2−(N,N−ジメチルアミノ)エチルアクリレー
ト、2−(N,N−ジエチルアミノ)エチルアクリレー
ト、2−(N,N−ジエチルアミノ)エチルアクリレー
ト、2−(N,N−ジエチルアミノ)エチルメタクリレー
ト、3−(N,N−ジエチルアミノ)プロピルアクリレー
ト、3−(N,N−ジエチルアミノ)プロピルメタクリレ
ートなどのモノマーが挙げられる。
さらに前記の化合物の具体例としては、2,2,6,6−
テトラメチル−4−ピペリジニルアクリレート、2,2,6,
6−テトラメチル−4−ピペリジニルメタアクリレー
ト、1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジニル−ア
クリレート、1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジ
ニル−メタクリレートなどのモノマーが挙げられる。
さらに、以上のラジカル重合性官能基を有するモノマ
ーの他に、重合性官能基として、アクリル基、メタクリ
ル基、スチリル基、ビニル基などを有するモノマーなど
も好適に用いることができる。具体例としては、スチレ
ン、スチレン誘導体、ジビニルベンゼン、アクリル酸エ
ステル、メタクリル酸エステル、エチレングリコールジ
メタクリレート、アクリロニトリル、メタクリロニトリ
ル、メチルビニルケトン、ブタジエン、無水マレイン
酸、塩化ビニリデン等が挙げられ、また高いガラス転移
点を付与する点で好ましいモノマとしてはビニルカルバ
ゾール、N−置換マレイミド、α−メチルスチレン等が
挙げられる。
なお、以上の重合性化合物は、単独で用いることも、
2種以上を併用して用いることもできる。
共重合については、各種のラジカル開始剤、例えば、
ベンゾイルパーオキシドなどのパーオキシド類、アゾビ
スイソブチロニトリルなどのアゾ系化合物を用いて行う
ことが可能である。さらには、紫外線や電子線などの活
性光線にて重合させることもできる。特に、重合中にお
ける分解を防止するという点からはアゾ系開始剤が好ま
しく適用される。
本発明においては、以上のフォトクロミック化合物を
含有する重合体をアルキルエーテル化メチロールメラミ
ンで架橋硬化させるが、かかるアルキルエーテル化メチ
ロールメラミンとしては、モノメチロールメラミンから
ヘキサメチロールメラミンまでとくに限定されることな
く、また、アルキルエーテル化のためのアルキル基とし
ては、特に限定されるものではないが、中でも炭素数1
〜4のアルキル基を用いることが好ましい。具体例とし
ては、ヘキサスメトキシメチルメラミン、ヘキサメチロ
ールメラミンペンタメチルエーテル、ヘキサメチロール
メラミンテトラメチルエーテル、テトラメチロールメラ
ミントリメチルエーテル、ヘキサキスブトキシメチルメ
ラミン、テトラメチロールメラミントリブチルエーテル
等が挙げられる。これらアルキルエーテル化メチロール
メラミンは単独もしくは2種以上併用してもよい。ま
た、その使用量は、一般に前記フォトクロミック重合体
10重量部あたり5〜40重量部、より好ましくは10〜30重
量部の割合で使用される。
また、フォトクロミック化合物とアルキルエーテル化
メチロールメラミンとの硬化反応においては、架橋反応
を促進させる目的から、例えば、塩酸、塩化アンモニウ
ム、硝酸アンモニウム、チオシアン酸アンモニウムなど
を適宜使用することが可能である。
さらに、硬化反応は通常加熱によって達成され得る
が、その温度,反応時間としては、通常50℃以上、より
好ましくは100℃以上で、10〜400分間反応硬化させるこ
とが好ましい。
本発明フォトクロミック性材料の使用形態としては、
種々の使用形態が可能であるが、特に使用範囲が広く、
容易に使用できるという点から、被塗布物の表面に塗布
して使用することが好ましい。
被塗布物への塗布、いわゆるコーティング剤として用
いる場合には、架橋にはあずからないが、コーティング
組成物の表面平滑剤として各種の界面活性剤を添加する
ことが好ましい。また、フォトクロミック特性、例え
ば、発色濃度の向上などを目的に各種の増感剤や紫外線
吸収剤の添加なども好ましく用いられる。
また、コーティング組成物として適用する際に使用さ
れる溶剤としては、各種の有機用材が使用可能であり、
具体的には各種アルコール、ケトン類、エーテル類、エ
ステル類、芳香族(ハロゲン化)炭化水素類、脂肪族
(ハロゲン化)炭化水素類、セロソルブ類、各種ホルム
アミド類、スルホキシド類などマトリックス樹脂と他成
分を溶解させるものであればとくに限定されるものでは
ない。
本発明によって得られるフォトクロミック性材料は、
その発色濃度などの点から0.5μm〜50μmの厚さを有
することが好ましい。耐候性の観点からは、5.0μm以
上であることが特に好適である。また、被塗布基材とし
ては、無機ガラス、布帛、木材、紙、金属、プラスチッ
ク、セラミックスなど、各種のものが使用可能である。
また、被塗布基材の形状としては、フィルム、シート、
成型品など、とくに限定されるものではない。塗布方法
としては、従来のコーティング業界で行われている方
法、例えば、浸漬塗装、スピン塗装、フローコート、ロ
ールコート、カーテンフローコート、バーコート、刷毛
塗り方法など、さらには、スクリーン印刷法などの方法
も適用可能である。
一方、前述の成分以外により一段と耐光性を高めるた
め、さらには耐熱性、酸化防止性を向上せしめる目的か
ら、酸化防止剤、一重項酸素クエンチャーなどの添加を
行って、さらに実用性能を高めることも可能である。
本発明におけるフォトクロミック性材料の実用性をさ
らに改良する目的から、該材料上にハードコート性を有
する被覆を設けて物品の傷つきにくさを改良することも
好ましい。
本発明における好ましい実施態様としては、レンズな
どに本発明フォトクロミック性材料を被膜として被覆さ
せたフォトクロミック成型品が挙げられる。さらには、
本発明フォトクロミック性材料を無機ガラス板などでサ
ンドイッチ状に積層したものも好ましいものである。
本発明のフォトクロミック性材料は、サングラスや矯
正用レンズなどの光学物品、自動車用、家庭用、オフィ
ス用などの窓ガラスなど、とくに太陽光にかかわる光調
節を必要とする目的に好ましく利用されるものである。
[実施例] 以下に本発明の趣旨を明瞭にするために実施例を示す
が、本発明はこれらの実施例に限定されるものではな
い。
実施例1 (1)フォトクロミックポリマーの調製 メタクリル酸オクチル40重量部、メタクリル酸n−ブ
チル19重量部、メタクリル酸メチル10重量部、2,2,6,6
−テトラメチル−4−ピペリジニル−メタクリレート10
重量部、1,3,3−トリメチル−9′−メタクリロキシイ
ンドリノスピロナフトオキサジン10重量部、メタクリル
酸2−ヒドロキシエチル10重量部、メタクリル酸1重量
部をアゾビス系開始剤を用いて、窒素雰囲気下、重合温
度70〜80℃、重合時間約7時間の条件で重合し、固形分
率50重量%のフォトクロミックポリマーを調製した。
(2)被覆用コーティング組成物の調製 前記(1)のフォトクロミックポリマー100重量部に
対して、“ユーバン122"(三井東圧化学(株)製メラミ
ン樹脂)20重量部を配合し、フォトクロミック性被覆用
コーティング組成物を調製した。
(3)塗布および加熱硬化 前記(2)で得られたコーティング組成物を、厚さ1.
0mmのガラス板上に流し塗り法で約20μmの厚みに塗布
した。塗布したガラス板は130℃で1時間の加熱硬化を
行った。
(4)性能試験および結果 それぞれ以下の試験を行った。その結果を第1表に示
す。
(イ)フォトクロミック性能 ケミカルランプにより2.8mW/cm2(オーク製作所
(株)、ORC紫外線照度計UV−302A型にて測定)の紫外
線を照射した時の発色濃度を測定し、全光線透過率で表
した。
(ロ)硬度 三菱鉛筆“ユニ”を用いて、被膜に500gの荷重をかけ
て引掻き、傷の入り易さより鉛筆硬度として表した。第
1表中、○は5回のテストでほとんど傷が入らなかった
ことを、×は2回以上傷が入ったことを示す。
(ハ)耐熱水性 90℃の熱水に2時間浸漬した後、外観変化の有無を観
察した。第1表中、○は外観変化がなかったことを、×
は外観変化があったことを示す。
(ニ)耐ブリードアウト性 塗布、加熱硬化したガラス板を40℃、90%RHの条件で
1か月間保存した後、評価した。第1表中、○は外観変
化がないものを、×はフォトクロミック化合物のブリー
ドアウトにともない外観変化の認められたものを示す。
実施例2 実施例1において、フォトクロミックポリマー用モノ
マーとして、メタクリル酸を用いず、さらに、コーティ
ング組成物として“キャタリスト6000"(三井東圧化学
(株)製硬化触媒)0.1重量部を添加した以外は、実施
例1と同様にしてフォトクロミック性被膜を有するガラ
ス板を得て、同様にして性能試験を行った。その結果を
第1表に示した。
比較例1 コーティング組成物として、“ユーバン122"を用いな
い以外は、実施例1と同様にして、フォトクロミック性
被膜を有するガラス基板を得、同様にして性能を評価し
た。その結果を第1表に示した。
比較例2 コーティング組成物として、“ユーバン122"を用いな
い以外は、実施例2と同様にして、フォトクロミック性
被膜を有するガラス基板を得、同様にして性能を評価し
た。その結果を第1表に示した。
比較例3 実施例1において、フォトクロミックポリマーを調製
する際、1,3,3−トリメチル−9′−メタクリロキシイ
ンドリノスピロナフトオキサジンの代わりに重合性官能
基を有しない1,3,3−トリメチル−インドリノスピロナ
フトオキサジンを用いる以外は実施例1と同様にして、
フォトクロミック性被膜を有するガラス基板を得て、同
様にして性能を評価した。その結果を第1表に示した。
[発明の効果] 本発明のフォトクロミック性材料は、硬度、耐光性お
よび耐久性,さらには耐熱水性に優れる。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】重合性成分として、少なくとも下記一般式
    [I]で示される化合物を含む重合体を、アルキルエー
    テル化メチロールメラミンにより硬化させてなることを
    特徴とするフォトクロミック性材料。 (式中α環は、ピロリジン環、ピロール環、ピペリジン
    環、テトラヒドロピリジン環、ジヒドロピリジン環、イ
    ンドリン環、ベンズインドリン環、テトラヒドロキノリ
    ン環、アクリジン環、ベンゾオキサゾリン環およびベン
    ゾチアゾリン環から選ばれる一種であり、かつα環中の
    窒素原子はYmR2または有機基Rと結合したものである。
    ここで、Rは炭素数1〜20のアルキル基、炭素数2〜20
    のアルケニル基、炭素数7〜20のアラルキル基、炭素数
    6〜19のアリール基から選ばれる置換基を表す。 β環は、ベンゼン環、ナフタレン環、アントラセン環、
    フェナンスレン環、キノリン環、ジベンゾフラン環、ジ
    ベンゾチオフェン環、カルバゾール環およびベンゾナフ
    トチオフェン環から選ばれる1種である。 R1は水素、炭素数0〜20のアミノ基、炭素数1〜20のア
    ルコキシ基、炭素数7〜20のアラルコキシ基、炭素数6
    〜14のアリーロキシ基、炭素数2〜20のアシルオキシ
    基、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数7〜20のアラル
    キル基および炭素数6〜20のアリール基から選ばれる置
    換基を表す。 R2は、ラジカル重合性官能基を表す。 nは1以上の整数である。 Yは炭素数1〜20の有機基を表す。 mは、0または1を表す。ただし、YmR2がα環中の窒素
    原子と結合している場合は、mは1を表す。
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