JP5564467B2 - 調光組成物 - Google Patents

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Description

本発明は、フォトクロミック化合物と高分子材料の組み合わせからなる調光組成物およびフォトクロミック製品に関する。更に、詳しくは、フォトクロミック化合物としてヘキサアリールビイミダゾール(ヘキサアリールビスイミダゾール類:以下“HABIs”と称することがある。)系化合物を用いる調光組成物に係る発明である。
なお、以下の説明で、配合単位を示す「%」および「部」は、特に断らない限り「質量単位」である。
「フォトクロミズム」とは、「ホトクロミズム、フォトクロミー(photochromy),
光互変(または光可逆変色phototropy)ともいう。ある種の物質が固体又は溶液の状態で光(紫外線又は短波長の可視光線)の照射により色を変え、暗所で再びもとの色に戻る現象(一般に元の色に戻る速度は遅い)。」のことである(「岩波理化学辞典 第5版」1998年、株式会社岩波書店発行)。
フォトクロミズムを示す化合物(以下、フォトクロミック化合物)は、光の作用により分子量を変えることなく、構造変化(異性化)を起こし、異なる吸収スペクトルを示す。
そして、フォトクロミック化合物は、Hg322、ZnS等の無機化合物もあるが、アゾベンゼン系、スピロピラン系、ナフトピラン系、スピロオキサジン系、ヘキサアリールビスイミダゾール系等の有機化合物が多用されるようになってきている。有機化合物には、無色あるいは淡黄から青、紫、赤紫などに変わるフォトクロミズム性の著しいものが多い(同文献同項参照)。
そして、フォトクロミック化合物の特性を利用して、フォトクロミック化合物を含有させた調光組成物からなる塗料を塗布したり、フィルムとして被覆したり、更には、直接製品素材に配合して、ガラスやレンズとして、建物の窓、メガネのほか、インクや光量計に好適に使用されてきた。
しかしながら、フォトクロミック化合物は、上記文献に記載の如く、一般的に元の色に戻る速度が遅い。即ち、発色速度(UV光を照射し始めてから発色濃度が飽和に達するまでの速度)に比べて退色速度(UV光の照射を止めてから元の状態に戻るまでの速度)が小さく、数分から数秒の時間を要する。そして、フォトクロミック化合物を樹脂に練りこんだ場合には、溶液中に比べて退色速度がさらに低下することが知られている。特許文献1段落0004・0005を次に引用する。
「フォトクロミック性はフォトクロミック化合物が光エネルギーを吸収して可逆的な構造変化を起すことにより発現するのであるが、練り込み法で得られるフォトクロミック性プラスチックレンズにおいては、フォトクロミック化合物が硬化体マトリックス中に分散しているため、発色濃度や退色速度といったフォトクロミック特性に関してフォトクロミック化合物が本来有する特性を十分に発揮できないことが多い。これは、溶液中に比べてこのようなマトリックス中では自由空間が圧倒的に小さいため、このような構造変化が制約を受け易いという理由による。特に硬度及び耐熱性の高い硬化体マトリックスに高分子量のフォトクロミック化合物を分散させた場合にその傾向は顕著である。たとえば、プラスチックレンズ基材として汎用されている硬化体組成物に分子量300以上のフォトクロミック化合物を分散させた場合には、フォトクロミック化合物の退色半減期は大幅に長くなり(退色速度が大幅に低下)、硬化体マトリックス中の退色半減期は溶液中の退色半減期の50倍以上になってしまうことがある。
このような問題のない、即ち優れたフォトクロミック特性を有し硬度及び耐熱性が高いフォトクロミック性硬化体を与える硬化体組成物としては、(A)単独重合したときに得られる重合体のLスケールロックウエル硬度が40以下である重合性単量体、(B)単独重合したときに得られる重合体のLスケールロックウエル硬度が60以上である3官能以上の重合性単量体、(C)単独重合したときに得られる重合体のLスケールロックウエル硬度が60以上である2官能の重合性単量体及び(D)フォトクロミック化合物を含んでなる重合硬化性組成物(以下、従来組成物ともいう)が知られている(特許文献1参照:<註>本願における特許文献2に対応)。」
そして、特許文献2において、上記「単独重合したときに得られる重合体のLスケールロックウエル硬度が40以下である重合性単量体」の例として、本発明で使用する「アクリル酸エステル」が例示され、「フォトクロミック特性における発色濃度や、退色速度に優れる硬化体を得る観点からは、アクリル酸エステルがメタクリル酸エステルより好ましい。」旨記載されている(第21頁第3段)。
しかし、当該記載は、本発明の調光組成物における、特定のフォトクロミック化合物と特定の単独重合体又はコモノマー成分とする共重合体との組合わせによる、予測できない顕著な効果(退色時間の格段の短縮:後述の表1参照)を開示若しくは示唆するものではない。
そして、本発明で使用するフォトクロミック化合物のひとつであるHABIについて、非特許文献1p7256〜7257の[1.緒言(introduction)]の第2〜3柱には、下記記載がある(部分要約)。
「ヘキサアリールビイミダゾール類(HABIs)は、固体および溶液状態において、紫外線照射により、ラジカルを生成することが知られている。熱や光、圧力等の種々の刺激により、容易に開裂して一対の2,4,5−トリフェニルイミダゾリルラジカル(TPIRs;ロフィルラジカル)となる。この一対のTPIRsは、熱反応により再結合して元のイミダゾール二量体となる。
HABIsのフォトクロミズムは、イミダゾール環のC‐N結合の均等開裂及び再結合によるものである。有機溶剤中におけるTPIRからHABIへの熱戻り反応は、室温で数分から数時間を要する。・・・
他方、フェニル基より大きな芳香族基を導入することは、HABI誘導体のフォトクロミック特性を改善するのに有効な手段である。すなわち大きな芳香族基を導入したHABI誘導体は、感度が高くなり長波長側に吸収帯を持つようになる。HABI誘導体の光反応量子収率が高い(ほぼ1に近い)ため、分子の感度を増大させるためには、長波長側に大きな吸収を持つことが重要である。」
なお、参考のために、非特許文献1における、ベンゼン溶液中(濃度:3.7×10-5M)におけるPy−HABIのUV照射前後の吸収スペクトル図を図1として、また、そのときのフォトクロミック反応の機構図を図2として引用する。即ち、点線は紫外線照射前を示し、実線は紫外線照射後を示す。「Py−L」は「ピレニルロフィルラジカル」を、「Py−HABI」は「テトラフェニルジピレニルビスイミダゾール」を意味する。
本発明は、退色時間が極端に短くなるフォトクロミズムを示すものの設計が容易となる、フォトクロミック化合物であるヘキサアリールビスイミダゾール類(HABIs)と高分子材料からなる調光組成物を提供することを目的とする。
本発明者らは、フォトクロミック化合物としてヘキサアリールビスイミダゾール類(HABIs:HABIおよびその誘導体を含む。)とアクリル酸エステル系またはエチレンを主とする共重合高分子材料の組み合わせによって得られる調光組成物が、退色速度が著しく増大することを知見して下記構成の調光組成物に想到した。
フォトクロミック化合物と高分子材料の組み合わせからなる調光組成物であって、
前記フォトクロミック化合物が下記一般式(1-1)で示されるヘキサアリールビスイミダゾール類であるとともに、
Figure 0005564467
(但し、R1〜R6:アリール基若しくは置換アリール基から選択されるいずれか。)
前記高分子材料が、モノマーが下記一般式(11)で示される一・二置換エチレンの単独重合体又はエチレンをコモノマー成分に含む共重合体であることを特徴とする。
CH2=CR78 (11)
(但し、R7:水素又はメチル基、R8:水素又は極性基を有する基)
本発明の調光組成物は、溶液中で紫外線を照射すると発色し照射を止めると徐々に退色するフォトクロミック化合物における高分子膜中での退色速度が格段に増大して、退色時間が大幅に短縮される。その結果、塗料や高分子フィルムを介して製品基材の一部又は全部を被覆した場合、種々の製品を高機能化できる。
したがって、本発明は、光メモリなどの記録媒体、紫外線チェッカーなどのセンサ材料、窓ガラス、サングラスなどの調光材料、プリントシャツなどの繊維製品のほか、印刷インク、装飾材、玩具等の広い分野に応用が期待できる。
非特許文献1における、ベンゼン溶液中におけるPy−HABIのUV照射前後の吸収スペクトル図である図1の引用図。 図1のUV照射におけるフォトクロミック反応を示す機構図。
本発明の調光組成物は、[1]特定フォトクロミック化合物と、[2]特定の高分子材料との組合わせであることを特徴とする。
[1]特定フォトクロミック化合物:
特定フォトクロミック化合物は、前記一般式(1-1)で表されるヘキサアリールビスイミダゾール類(HABIs)である。
Figure 0005564467
(但し、R1〜R6:アリール基又は置換アリール基から選択されるいずれか。)
上記において、R1およびR4がピレニル基である下記一般式(1-2)で示されるものが退色速度の観点から望ましい。その理由は、下記の如くであると推定される。
本発明者らが結晶構造解析をした結果によると、ピレニル基を導入したものはピレニル基同士のπ−π相互作用によるスタッキング(積み重ね)構造をとっている。そのためR1およびR4がフェニル基である場合に比べて、分子間相互作用が強いため、紫外線照射後も構造変化が小さいと考えられる。これが高分子材料中であっても同様であり、そのため、大きな退色速度が維持されると考えられる。
Figure 0005564467
(但し、R2,R3,R5,R6:アリール基又は置換のアリール基から選択されるいずれか。)
更に、本発明で使用可能なHABIsとして、下記各構造式で示されるものを挙げることができる。
Figure 0005564467
Figure 0005564467
Figure 0005564467
Figure 0005564467
Figure 0005564467
Figure 0005564467
上記化合物は、ベンゼン、クロロホルム、酢酸エチル等の汎用の有機溶媒に溶解する。
このような有機溶媒に溶解したとき、太陽光あるいは紫外線を照射すると速やかに発色し、光を遮断すると可逆的に退色するフォトクロミズムを示す。
(2)特定高分子材料:
下記一般式(11)で示される、一・二置換エチレンの単独重合体又はエチレンをコモノマー成分に含む共重合体である。
CH2=CR7R8 (11)
(但し、R7:水素又はメチル基、R8:水素又は極性基を有する基)
ここで、極性基(R8)とはヘテロ原子を少なくとも1原子以上有する基のことであり、ヘテロ原子としては、窒素原子、酸素原子、硫黄原子などが挙げられる。このような極性基としては、たとえばエステル基、カルボニル基、カルボキシル基、カルボキシエステル基、アミド基、ニトリル基、エーテル基、水酸基、ニトロ基、アミノ基、カーボネート基、チオエーテル基、チオエステル基、チオカーボネート基、等である。また、極性基を有する基としては例えば上記のような極性基自体、あるいは上記のような極性基部分と炭化水素基部分又はグリシジル基部分を含む基を挙げることができる。
炭化水素基としてはメチル基、エチル基、プロピル基、メチレン基、エチレン基、プロピレン基などを例示できる。
より具体的には、一般式(11)において、R8:COOH又はCOOR9(但し、R9:炭素数20以下のアルキル基又はグリシジル基)で示されるアクリル酸、アクリル酸エステルの単独重合体が望ましい。特に、R9は炭素数1〜6のアクリル酸エステルの単独重合体が望ましい。
当然、R8が、フェニルやピリジルである、ポリスチレン(PS)やポリビニルピロリドン(PVP)は除かれる。
なお、高分子材料は、アクリル酸エステル又はメタクリル酸エステルと、エチレン又は前記一般式(11)で示されるアクリル酸エステルを除く一置換エチレン又は二置換エチレンの群から選択される1種又は2種以上のラジカル重合性モノマーとの共重合体でもよい。
例えば、上記アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、エチレン、ブチレン等の単独重合体、共重合体を挙げることができる。より具体的には、ポリブチルメタクリレート(PBMA)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、エチレンメタクリレートグリシジルメタクリレート共重合体(EMAGMA)、エチレン・エチルアクリレート共重合体(EEA)、ポリアクリロニトリル(PAN)等を挙げることができる。
また、これらの高分子材料は、適宜、一種または二種以上を混合して使用したり、また、上記高分子材料を主体(例えば、50%以上)として、それら以外の高分子材料、例えば、ポリカーボネート(PC)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリビニルブチラール(PVB)、ナイロン6(縮合系ポリアミド)等の極性高分子材料や、さらには、PS、PVP等の非極性高分子材料を混合したりしたポリマーアロイも使用可能である。
これらの中でも、特に、アクリル酸等の極性基の一置換エチレンをモノマー主体とする、ポリブチルアクリレート(PBA)、ポリエチルアクリレート(PEA)、もしくはエチレン・メチルアクリレート・グリシジルメタクリレート共重合体(EMAGMA)が、後述の如く、好適に用いられる。これは大きな退色速度を与える。なお、EMAGMAの各モノマー組成は、エチレン:60〜99%、メチルアクリレート:1〜40%、グリシジルメタクリレート:0〜10%とする。
上記高分子材料に、フォトクロミック化合物を分散させる方法としては、慣用手段を使用できる。例えば、高分子材料とフォトクロミック化合物を有機溶剤に溶解させたり、高分子材料が液状の場合そのまま混合させるなどして行う。
このとき、フォトクロミック化合物の高分子材料に対する配合量は特に限定されず、用途に応じて適宜決定することができる。一般に、調光組成物の退色速度は或る程度までフォトクロミック化合物の配合量に比例する。
しかし、過剰配合は配合量に見合った発色濃度が得られないばかりでなく、かえってフォトクロミズムの耐久性を損なう場合がある。
発色濃度に対する本発明の効果の観点から、高分子材料100部に対するフォトクロミック化合物配合量は、0.01〜10部、より好ましくは0.1〜3部の範囲から適宜選定する。
本発明の調光組成物の使用形態としては、種々の使用形態が可能であるが、特に使用範囲が広く、容易に使用できるという点から、各種基材の表面に塗布して使用することが好ましい。
また、フォトクロミック化合物を高分子材料中に溶解及び/又は分散して得られた調光組成物は、無機ガラス、紙、プラスチックなどの各種基材へ塗布することが可能である。塗布方法は、特に限定されず、公知の方法を採用できる。具体的には、スピンコーティング、スプレーコーティング、ディップコーティング等を挙げることができる。
このような方法により塗布されるコーティング層(塗膜)の厚さ(硬化後のコート層の厚さに対応する)は、特に限定されない。例えば、0.1〜100μmの範囲から適宜選定する。
本発明においてはフォトクロミック化合物を添加しているため、コーティング層の厚さが厚い場合や、または、フォトクロミック化合物の濃度が高い場合には、コーティング層にフォトクロミック化合物に基づく黄ばみが顕現し易くなり、また、初期の退色速度は変わらないが、完全に戻るのに時間がかかることがある。
高分子材料に対してフォトクロミック化合物の濃度が低くても十分な発色濃度が得られる。
具体的には、フォトクロミック化合物を3%添加した場合、膜厚50μm以下であることが好ましい。
基材に塗布された調光組成物を乾燥させる温度は、室温であることが好ましい。
このような、本発明で得られる調光組成物は高い発色濃度と大きな退色速度を有する。
なお、本発明の調光組成物は各種基材に被覆して使用することができる。また、フィルム、シート、プレート、ロッド等の素材成形品、更には、ディスプレイ、光量計、装飾品、ファンシーグッズなどの二次元、三次元の各種製品成形品の材料としても使用することができる。
以下、本発明の効果を確認するために、参照例、比較例とともに行なった実施例について説明する。
化合物として下記一般式(1−3)で示されるPy−HABIに、表1に示す少量のクロロホルムで溶解させたものを用いた。また、調光組成物の組成は、表1に示すものとして、各実施例・比較例・対照例の試験片を調製した。
Figure 0005564467
Figure 0005564467
<実施例1>
高分子材料は、市販のポリエチルアクリレート(PEA)を、溶媒であるトルエンを減圧留去して使用した。
上記PEAの88%クロロホルム溶液に、PEAに対して化合物(1−3)を3%になるように混合した。これをPETフィルム上に塗布し、溶媒を除去した後、PETフィルムでラミネートすることで薄膜(膜厚:47μm)を得た。
<実施例2>
市販のポリブチルアクリレート(PBA)について、実施例1と同様にして薄膜を得た。
<実施例3>
市販のエチレン・メチルアクリレート・グリシジルメタクリレート共重合体(EMAGMA)の95%クロロホルム溶液に、EMAGMAに対して化合物(1‐3)を3%になるように混合した。これをガラス基板に塗布し溶媒を除去することで薄膜を得た。なお、EMAGMAは、モノマー組成(質量比)、エチレン:メチルアクリレート:グリシジルメタクリレート=67:25:8のものを用いた。
参照例1
実施例3において、EMAGMAをポリメチルメタクリレート(PMMA)に代えて、同様にして薄膜を得た。
参照例2
同じく、EMAGMAをポリブチルメタクリレート(PBMA)に代えて、同様にして薄膜を得た。
<比較例1>
同じく、EMAGMAをポリビニルピロリドン(PVP:置換基芳香族環)に代えて、同様にして薄膜を得た。
<比較例2>
同じく、EMAGMAをポリスチレン(PS:置換基芳香族環)に代えて、同様にして薄膜を得た。
<対照例>
化合物(1−3)は、ベンゼンに0.04mmol/Lとなるように溶解し、光路長10 mmの石英製分光セルを用いて評価を行った。
<退色性評価>
上記で調製した各試験体について、1)1/2退色速度を下記方法により測定するとともに、2)退色時間を目視判定で行なった。
1)1/2退色速度
環境温度25 ℃にて紫外線光(UV-LED 365nm 照度: 550 mW/cm2 を10秒間 または レーザー光355 nm、パルス幅5ナノ秒、出力8 mJ)を照射して発色させた後の最大吸収波長550 nmにおける差光学濃度をΔO.D.(10)、紫外線光照射前のその波長における差光学濃度をΔO.D.(0)としたとき、差光学濃度がΔO.D.(10)から、[ΔO.D.(10) - ΔO.D.(0)]の1/2まで低下するのに要する時間を1/2退色速度とする。この時間が短いほど退色速度が大きく、フォトクロミック性が優れているといえる。
<試験結果および考察>
試験結果を示す表2から、実施例1〜3、参照例1・2の高分子膜は、エチレン置換基が非極性基(芳香族環)である比較例1・2よりも高い退色速度を示した。そして、モノマーが一置換エチレンであるアクリル酸エステルを含む実施例1〜3は、モノマーが二置換エチレンであるメタクリル酸エステルである参照例1・2よりも退色速度が格段に高いことがわかる。
即ち、フォトクロミック化合物が高分子材料中に存在するにも拘わらずベンゼン溶液(対照例)よりも、実施例1では1/400倍、実施例3でも1/130倍と、退色速度が格段に増大する。
なお、参照例1参照例2では、1/2退色速度と目視による色が戻るまでの時間が逆転しているが、その理由は下記の如くであると推定される。
ここでの退色速度はいずれも単純な1次反応および2次反応には従わず、複雑な反応過程を有していると考えられ、1/2退色速度が大きいものでも、その後、退色速度の低下が見られることがある。参照例1・2で比較すると、参照例1の退色速度の低下が参照例2に比べて大きいため、逆転するような結果になっている。
Figure 0005564467

Claims (5)

  1. フォトクロミック化合物と高分子材料の組み合わせからなる調光組成物であって、
    前記フォトクロミック化合物が下記一般式(1−2)で示されるヘキサアリールビスイミダゾール類であるとともに、
    Figure 0005564467
    (但し、R2,R3,R5,R6:アリール基又は置換アリール基の群から選択されるいずれか。)
    前記高分子材料が、下記一般式(11)においてR7が水素又はメチル基で、R9が炭素数20以下のアルキル基又グリシジル基である一・二置換エチレンの群のうちから選択される一置換エチレンの単独重合体、又は、エチレンと前記一・二置換エチレンの群から一置換エチレンを含んで選択される1種又は2種のコモノマーとの共重合体であることを特徴とする調光組成物。
    CH2=CR78 (11)(但し、R8: COOH、COOR9
  2. 前記高分子材料が前記一般式(11)においてR 7 :水素、R 8 :COOR 9 であるアクリル酸エステルの単独重合体であることを特徴とする請求項1記載の調光組成物。
  3. 前記高分子材料が、前記一般式(11)においてR 7 :水素、R 8 :COOR 9 であるアクリル酸エステルと、エチレン及び/又は前記一般式(11)においてR 7 :メチル、R 8 :COOR 9 であるメタクリル酸エステルの群から選択される1種又は2種以上のコモノマーとの共重合体であることを特徴とする請求項1記載の調光組成物。
  4. 基材の少なくとも1つの面の全部または一部が請求項1、2又は3記載の調光組成物で被覆されてなることを特徴とするフォトクロミック製品。
  5. 請求項1、2又は3記載の前記調光組成物で成形されてなることを特徴とするフォトクロミック成形品。
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