JPH0543870A - フオトクロミツク性組成物 - Google Patents

フオトクロミツク性組成物

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JPH0543870A
JPH0543870A JP20958891A JP20958891A JPH0543870A JP H0543870 A JPH0543870 A JP H0543870A JP 20958891 A JP20958891 A JP 20958891A JP 20958891 A JP20958891 A JP 20958891A JP H0543870 A JPH0543870 A JP H0543870A
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JP
Japan
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group
photochromic
ring
carbon atoms
weight
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Application number
JP20958891A
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English (en)
Inventor
Keiichiro Yamamoto
圭一郎 山本
Takashi Taniguchi
孝 谷口
Setsuo Baba
節雄 馬場
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Toray Industries Inc
Original Assignee
Toray Industries Inc
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Publication date
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  • Addition Polymer Or Copolymer, Post-Treatments, Or Chemical Modifications (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【構成】フォトクロミック性を有する化合物を共有結合
によって含むポリマを、2種以上混合してなるフォトク
ロミック性組成物。 【効果】本発明により、着色時の色調を容易に調製し得
るフォトクロミック組成物を提供することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、種々の色調を容易に選
択可能なフォトクロミック性組成物に関し、サングラス
等の光学物品、自動車等の窓ガラスなどの色調の調節に
好適に使用される。
【0002】
【従来の技術】近年、紫外線照射の有無によって可逆的
に色調の変化を示すフォトクロミック物質の利用が調光
材料、記録材料等の分野において注目され始め、特にそ
の色調変化の程度が大きいこと、各種の樹脂を始めとす
る諸材料に対する適用性が良好なことから有用視されて
いる。
【0003】これまでに、フォトクロミック化合物をフ
ォトクロミック性を付与する物質に溶解、分散させる方
法が用いられてきた。しかし、フォトクロミック化合物
がブリードアウトするため外観が低下したり、繰り返し
耐久性が低い、さらには、フォトクロミック特性が不十
分である等の問題を有していたため、広範囲に実用化さ
れるに至っていなかった。これらの問題を解決するため
に検討されている技術としては、フォトクロミック化合
物に重合生官能基を導入して共重合によりポリマ中に共
有結合により含有せしめる方法が、USP−00151
061、特開平2−20576号公報に、さらに、水酸
基を含有させたフォトクロミック化合物をエポキシ樹脂
またはウレタン樹脂と反応させる方法が、特開昭63−
51492号公報に開示されている。
【0004】しかしながら、これらの技術においては、
紫外線照射時のフォトクロミック化合物の着色時の色調
が単色であり、種々の色調を取り揃えるには、これらの
色調に対応するフォトクロミック化合物を種々開発する
必要があるといった開発効率および生産性の点で大きな
問題があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、かかる従来
技術の欠点を解消しようとするものであり、フォトクロ
ミック化合物の着色時の色調を希望する色にコントロー
ルできる、樹脂相溶性および耐光性に優れたフォトクロ
ミック性組成物を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記目的を達
成するために下記の構成を有する。
【0007】「フォトクロミック性を有する化合物を共
有結合によって含むポリマを、2種以上混合してなるフ
ォトクロミック性組成物。」本発明において用いられる
フォトクロミック性を有する化合物(以下、フォトクロ
ミック化合物という)としては、特に限定されるもので
はなく、スピロピラン、スピロオキサジン、アゾ化合
物、フルギド化合物、トリアリルメタン化合物、サリチ
リデンアニリン化合物およびジアリルエテン等が挙げら
れる。これらのフォトクロミック化合物をポリマ中に共
有結合により含有せしめる方法としては、たとえばフォ
トクロミック化合物に水酸基を導入してエポキシ樹脂ま
たはウレタン樹脂と反応させる方法、あるいは、同様に
重合性官能基を導入して重合性モノマーとし、単独また
は他の共重合性モノマーとラジカル重合する方法などが
挙げられる。
【0008】中でもフォトクロミック化合物として、発
色濃度、フォトクロミック特性の繰り返し耐久性、得ら
れた物品の耐久性およびフォトクロミックポリマの製造
が容易なことから、下記一般式(A)で示される重合性
官能基を有するスピロオキサジン系化合物を好ましい例
として挙げることができる。
【0009】
【化1】
【0010】(式中、α環は、窒素原子1個を含む五員
環または六員環、および、ベンゼン環、ナフタレン環ま
たはピリジン環と連結した窒素原子1個を含む五員環ま
たは六員環から選ばれる1種であり、かつα環中の窒素
原子は有機基R1 と結合して存在し、
【0011】
【化2】
【0012】で表わされる。
【0013】ここでR1 は炭素数1〜20のアルキル
基、炭素数2〜20のアルケニル基、炭素数7〜20の
アラルキル基および炭素数6〜20のアリール基から選
ばれる置換基を表す。
【0014】R2 は、炭素数0〜20のアミノ基、炭素
数1〜20のアルコキシ基、炭素数7〜20のアラルコ
キシ基、炭素数6〜20のアリーロキシ基、炭素数2〜
20のアシルオキシ基、炭素数1〜20のアルキル基、
炭素数7〜20のアラルキル基および炭素数6〜20の
アリール基から選ばれ、かつ付加重合性官能基を少なく
とも一つ有する置換基を表す。
【0015】R3 は水素、炭素数0〜20のアミノ基、
炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数7〜20のアラ
ルコキシ基、炭素数6〜20のアリーロキシ基、炭素数
2〜20のアシルオキシ基、炭素数1〜20のアルキル
基、炭素数7〜20のアラルキル基および炭素数6〜2
0のアリール基から選ばれる置換基を表す。
【0016】β環は、炭素数4〜10の不飽和脂肪族炭
化水素環を含む炭化水素環、炭素数6〜18の芳香族炭
化水素環および炭素数3〜16のヘテロ芳香環から選ば
れる一種である。
【0017】Xは、OまたはSを表す。)一般式(A)
で表されるスピロオキサジン系化合物において、α環と
は、窒素原子1個を含む五員環または六員環、および、
ベンゼン環、ナフタレン環またはピリジン環と連結した
窒素原子1個を含む五員環または六員環から選ばれる1
種である。その具体例としては、ピロリジン環、ピロー
ル環、ピペリジン環、テトラヒドロピリジン環、ジヒド
ロピリジン環、インドリン環、ベンズインドリン環、テ
トラヒドロキノリン環、アクリジン環、ベンゾチアゾリ
ン環、ベンゾオキサゾリン環、ピリドピロリジン環など
が挙げられる。
【0018】このα環に含まれる窒素原子は、有機基R
1 と結合して存在し、すなわち、
【0019】
【化3】
【0020】で表される形で存在する。R1 は炭素数1
〜20のアルキル基、炭素数2〜20のアルケニル基、
炭素数7〜20のアラルキル基および炭素数6〜20の
アリール基から選ばれる置換基を表す。R1 の具体例と
しては、メチル基、エチル基、オクタデシル基などの鎖
状アルキル基、イソプロピル基、2-メチルペンチル基な
どの分枝状アルキル基、シクロヘキシル基、ノルボニル
基、アダマンチル基などのシクロアルキル基、ビニル
基、アリル基、イソプロペニル基、1,3-ブタジエニル基
などのアルケニル基、ベンジル基、フェネチル基、(2-
ナフチル)メチル基などのアラルキル基、フェニル基、
1-ナフチル基などのアリール基が挙げられる。
【0021】R1 が置換されている場合、置換基の具体
例としては、ヒドロキシ基;アミノ基、ジベンジルアミ
ノ基、(2-メタクリロキシエチル)アミノ基などのアミ
ノ基;メチキシ基、tert−ブトキシ基などのアルコキシ
基;ベンジロキシ基、フェネチロキシ基などのアラルコ
キシ基;フェノキシ基、2-ナフチロキシ基などのアリー
ロキシ基;アセトキシ基、ベンゾイロキシ基、メタクリ
ロキシ基などのアシルオキシ基;N-フェニルカルバモイ
ルオキシ基、N-(2-メタクリロキシエチル)カルバモイ
ルオキシ基などのカルバモイルオキシ基;メチル基、ト
リフルオロメチル基、グリシジル基などのアルキル基;
ベンジル基、フェネチル基などのアラルキル基;フェニ
ル基、1-ナフチル基などのアリール基;クロロ基、ブロ
モ基などのハロゲン基;シアノ基;カルボン酸基、カル
ボン酸ソーダ基、エトキシカルボニル基、(2,2,6,6-テ
トラメチルピペリジノ)オキシカルボキシ基などのカル
ボン酸基;ニトロ基;アクリル基、メタクリル基などの
アシル基;N-メチルカルバモイル基などのカルバモイル
基;スルホン酸ソーダ基、スルホン酸基などのスルホン
酸基;スルファモイル基が挙げられる。
【0022】α環が置換されている場合、その置換基と
しては、R1 における置換基と同様の置換基が好ましい
例として挙げられる。
【0023】また、R2 は、炭素数0〜20のアミノ
基、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数7〜20の
アラルコキシ基、炭素数6〜20のアリーロキシ基、炭
素数2〜20のアシルオキシ基、炭素数1〜20のアル
キル基、炭素数7〜20のアラルキル基および炭素数6
〜20のアリール基から選ばれる置換基であって、例え
ば、その具体例としては、水素;アミノ基、ピペリジノ
基、5,6,7,8-テトラハイドロイソキノリル基、ジエチル
アミノ基、(2-メタクリロキシエチル)アミノ基などの
アミノ基;メトキシ基、tert−ブトキシ基などのアルコ
キシ基;ベンジロキシ基、フェネチロキシ基などのアラ
ルコキシ基;フェノキシ基、2-ナフチロキシ基などのア
リーロキシ基;アセトキシ基、ベンゾイロキシ基、メタ
クリロキシ基などのアシルオキシ基;メチル基、トリフ
ルオロメチル基などのアルキル基;ベンジル基、フェネ
チル基などのアラルキル基;フェニル基、1-ナフチル基
などのアリール基などが挙げられるが、かつ、これらの
置換基に付加重合性官能基が少なくとも1つ含まれるこ
とが必要である。
【0024】ここでR2 に含まれる付加重合性官能基と
しては、ラジカル重合性官能基、開環重合性官能基など
を挙げることができる。具体例としては、アクリル基、
アクリルオキシ基、アクリルアミド基、メタクリルオキ
シ基、N-(2-メタクリルオキシエチル)カルボモイルオ
キシ基、p-ビニルベンジル基、3,4-エポキシブチル基、
4-アクリルオキシピペリジノ基、4-メタクリルオキシピ
ペリジノ基、4,4-ジメタクリルオキシピペリジノ基、3-
[N-(2-メタクリルオキシエチル)カルバモイルオキ
シ]ピペリジノ基、2-メタクリルオキシメチルピペリジ
ノ基、2-メタクリルオキシエチル基、2-グリシジルオキ
シエトキシ基、3-アリルオキシピペリジノ基、4-メタク
リルピペラジノ基、4-(2-メタクリルオキシエチル)ピ
ペラジノ基などが挙げられる。
【0025】R3 は水素、炭素数0〜20のアミノ基、
炭素数1〜20のアラルコキシ基、炭素数7〜20のア
ラルコキシ基、炭素数6〜20のアリーロキシ基、炭素
数2〜20のアシルオキシ基、炭素数1〜20のアルキ
ル基、炭素数7〜20のアラルキル基および炭素数6〜
20のアリール基から選ばれる置換基を表す。
【0026】一方、β環は、炭素数4〜10の不飽和脂
肪族炭化水素環を含む炭化水素環、炭素数6〜18の芳
香族炭化水素環および炭素数3〜16のヘテロ芳香環か
ら選ばれる一種である。炭素数4〜10の不飽和脂肪族
炭化水素環を含む炭化水素環とは、炭素数4〜10の不
飽和脂肪族炭化水素環、あるいは、芳香環と不飽和脂肪
族炭化水素環とが連結し、その炭素数が4〜10である
炭化水素環を意味する。
【0027】β環の具体例としては、シクロヘキセン
環、シクロオクテン環、シクロオクタジエン環、シクロ
デセン環、ノルボルネン環、ビシクロ[2,2,2-]オクテ
ン環、ジヒドロナフタレン環、ベンゼン環、ナフタレン
環、アントラセン環、フェナンスレン環、キノリン環、
ジベンゾフラン環、ジベンゾナフトチオフェン環、ベン
ゾフラン環、インドール環、ピリジン環、ピリミジン環
などが挙げられる。
【0028】また、一般式(A)において、Xは、Oま
たはSを表す。
【0029】かかる重合性官能基を付与したスピロオキ
サジン化合物としては例えば、1-(メタ)アクリロキシ
エチル-3,3- ジメチルインドリノスピロナフトオキサジ
ン、1-(メタ)アクリルアミドエチル-3,3- ジメチルイ
ンドリノスピロナフトオキサジン、1,3,3-トリメチル-
9'-(メタ)アクリロキシインドリノスピロナフトオキ
サジン、1,3,3-トリメチル-5'-(メタ)アクリロキシメ
チルインドリノスピロナフトオキサジン、1,3,3-トリメ
チル-9'-ビニルベンゾイロキシインドリノスピロナフト
オキサジン、および、特開平1−52783号公報、特
開平1−207292号公報、特開平3−11081号
公報等に記載されたフォトクロミック化合物などが挙げ
られる。
【0030】また、これら重合性官能基を有するフォト
クロミック化合物と共重合可能なモノマーとしては、 I)カルボキシル基含有単量体、例えばアクリル酸、メ
タクリル酸、クロトン酸、イタコン酸、マレイン酸、フ
マル酸など: II)ヒドロキシル基含有単量体、例えば2-ヒドロキシエ
チルアクリレート、ヒドロキシプロピルアクリレート、
2-ヒドロキシエチルメタクリレート、ヒドロキシプロピ
ルメタクリレート、ヒドロキシブチルアクリレート、ヒ
ドロキシブチルメタクリレート、アリルアルコール、メ
タアリルアルコールなど: III )含窒素アルキルアクリレートもしくはメタクリレ
ート、例えばジメチルアミノエチルアクリレート、ジメ
チルアミノエチルメタクリレートなど: IV)重合性アミド、例えばアクリルアミド、メタクリル
アミドなど: V)重合性ニトリル、例えばアクリロニトリル、メタク
リルニトリルなど: VI)アルキルアクリレートもしくはメタクリレート、例
えばメチルアクリレート、メチルメタクリレート、エチ
ルアクリレート、n-ブチルアクリレート、n-ブチルメタ
クリレート、2-エチルヘキシルアクリレートなど: VII )重合性芳香族化合物、例えばスチレン、α−メチ
ルスチレン、ビニルトルエン、t-ブチルスチレンなど: VIII)α−オレフィン、例えばエチレン、プロピレンな
ど: IX)ビニル化合物、例えば酢酸ビニル、プロピオン酸ビ
ニルなど: X)ジエン化合物、例えばブタジエン、イソプレンな
ど: XI)イオン性基含有モノマー、例えばスチレン、スルホ
ン酸ナトリウム、2-アクリルアミド-2- メチルプロパン
スルホン酸、(3-スルホプロピル)−メタクリル酸カリ
ウム、N-(3-スルホプロピル)-N- メタクリロキシエチ
ル-N、N-ジメチルアンモニウムベタインなどが例示され
る。
【0031】開始剤としては有機アゾ化合物、過硫酸塩
過酸化水素および無機水溶性開始剤と重亜硫酸塩、第1
鉄塩、アスコルビン酸などの還元剤との組み合わせで得
られるレドックス系開始剤が挙げられる。
【0032】これらのラジカル重合は、一般的な溶液重
合で行われ用いられる有機溶媒としては、通常の溶液重
合で一般に用いられている酢酸エチル、酢酸ブチル等の
エステル系溶剤、エタノール、イソプロピルアルコール
等のアルコール系溶剤、アセトン、メチルエチルケトン
等のケトン系溶剤、エチルセロソルブ等のアルキレング
リコールアルキルエーテル系溶剤、トルエン等の芳香族
系溶剤、ヘキサン、シクロヘキサン等の炭化水素系溶剤
等が例示される。
【0033】かかるフォトクロミック性を有するポリマ
中に含まれるフォトクロミック化合物の含有量として
は、使用されるフォトクロミック化合物の種類、適用さ
れるフォトクロミック性物品に要求される特性などによ
って決定されるべきものであるが、通常は0.5重量%
から50重量%の範囲で好ましく使用される。
【0034】本発明においては、フォトクロミック化合
物を含むポリマ(以下、フォトクロミックポリマとい
う)を2種以上混合するため、その混合割合を変えるこ
とによって、単一のポリマのみでは成し得なかった、種
々の色調を有するフォトクロミック組成物を容易に提供
することができるのである。2種以上のフォトクロミッ
クポリマに含有されるそれぞれのフォトクロミック化合
物の着色時の最大吸収波長が、30nm以上異なっている
ことが、混合色としての特徴が大きく発揮されるために
好ましい。
【0035】本発明のフォトクロミック性を有するポリ
マは、それ単独でもフォトクロミック性を有する物品に
使用可能であるが、ウレタン樹脂、メラミン樹脂、およ
びエポキシ樹脂などの硬化剤、架橋剤を用いて通常の一
般的な条件で架橋させる方法が、フォトクロミック特性
の耐光性、特に、製品の耐久性向上に好ましく用いられ
る。
【0036】本発明フォトクロミック性組成物の使用形
態としては、種々の使用形態が可能であるが、とくに使
用範囲が広く、容易に使用できるという点から、被塗布
物の表面に塗布して使用することが好ましい。
【0037】非塗布物への塗布、いわゆるコーティング
剤として用いる場合には、架橋にはあずからないが、コ
ーティング被膜の表面平滑剤として各種の界面活性剤を
添加することが好ましい。また、フォトクロミック特
性、例えば、発色濃度の向上などを目的に各種の増感剤
や紫外線吸収剤の添加なども好ましく用いられる。
【0038】また、コーティング溶液として適用する際
に使用される溶剤としては、各種の有機溶剤が使用可能
であり、具体的には各種アルコール、ケトン類、エーテ
ル類、エステル類、芳香族(ハロゲン化)炭化水素類、
脂肪族(ハロゲン化)炭化水素類、セロソルブ類、各種
ホルムアミド類、スルホキシド類などマトリックス樹脂
と他成分を溶解させるものであればとくに限定されるも
のではない。
【0039】また、このフォトクロミック性を有するポ
リマをコーティング溶液として適用する場合の溶液中の
固形分濃度は、適用する塗布方法および塗布条件によっ
ても異なるが、1重量%から50重量%、より好ましく
は5重量%から40重量%の範囲で用いられる。
【0040】本発明によって得られるフォトクロミック
性組成物は、その発色濃度などの点から0.5μm〜5
0μmの厚さを有することが好ましい。耐候性の観点か
らは、5.0μm以上であることが特に好適である。ま
た、非塗布基材としては、無機ガラス、布帛、木材、
紙、金属、プラスチック、セラミックスなどの各種のも
のが使用可能である。また、非塗布基材の形状として
は、フィルム、シート、成型品など、とくに限定される
ものではない。塗布方法としては、従来のコーティング
業界で行われている方法、例えば、浸漬塗装、スピン塗
装、フローコート、ロールコート、カーテンフローコー
ト、バーコート、刷毛塗り方法など、さらには、スクリ
ーン印刷法などの方法も適用可能である。
【0041】一方、前述の成分以外により一段と耐光性
を高めるため、さらには耐熱性、酸化防止性を向上せし
める目的から、酸化防止剤、一重項酸素クエンチャーな
どの添加を行って、さらに実用性能を高めることも可能
である。
【0042】本発明におけるフォトクロミック性組成物
の実用性をさらに改良する目的から、該ポリマ被膜上に
ハードコート性を有する被覆を設けて物品の傷つきにく
さを改良することも好ましい。
【0043】本発明における好ましい実施態様として
は、レンズなどに本発明のフォトクロミック性組成物を
被膜として被覆させたフォトクロミック成型品が挙げら
れる。さらには、本発明のフォトクロミック性を有する
ポリマを無機ガラス板などでサンドイッチ状に積層した
ものも好ましいものである。
【0044】本発明のフォトクロミック性を有するポリ
マは、サングラスや矯正用レンズなどの光学物品、自動
車用、家庭用、オフィス用などの窓ガラスなど、とくに
太陽光にかかわる光調節を必要とする目的に好ましく利
用されるものである。
【0045】
【実施例】以下に本発明の趣旨を明瞭にするために実施
例を示すが、本発明はこれらの実施例に限定されるもの
ではない。
【0046】実施例1 (1)フォトクロミックポリマの調製 A.青系ポリマの調製 メタクリル酸オクチル40重量部、メタクリル酸n-ブチ
ル19重量部、メタクリル酸メチル10重量部、2,2,6,
6-テトラメチル-4- ピペリジニル−メタクリレート10
重量部、最大吸収波長600nmの青色を有するフォトク
ロミックモノマーとして1,3,3-トリメチル-9'-メタクリ
ロキシインドリノスピロナフトオキサジン8重量部、最
大吸収波長530nmの赤色を有するフォトクロミックモ
ノマーとして1,3,3-トリメチル-4,7- ジクロロ-6'-(4-
メタクリロイルオキシピペリジーノール)スピロ[イン
ドリン-2,3'-[3H]−ナフト[2,1-6](1,4) オキサジン
2重量部、メタクリル酸2-ヒドロキシエチル10重量
部、メタクリル酸1重量部をアゾビス系開始剤を用い
て、窒素雰囲気下、重合温度70〜80℃、重合時間約
7時間の条件でトルエン溶媒を用いて重合し、固形分率
50重量%のフォトクロミックポリマを調製した。
【0047】B.赤系ポリマの調製 メタクリル酸オチル40重量部、メタクリル酸n−ブチ
ル19重量部、メタクリル酸メチル10重量部、2,2,6,
6-テトラメチル-4- ピペリジニル−メタクリレート10
重量部、1,3,3-トリメチル-4,7-ジクロロ-6'-(4- メタ
クリロイルオキシピペリジ-1- ル)スピロ[インドリン
-2,3'-[3H]- ナフト[2,1-b](1,4)オキサジン]、メタ
クリル酸2-ヒドロキシエチル10重量部、メタクリル酸
1重量部をアゾビス系開始剤を用いて、窒素雰囲気下、
重合温度70〜80℃、重合時間約7時間の条件でトル
エン溶媒を用いて重合し、固形分率50重量%のフォト
クロミックポリマを調製した。
【0048】(2)コーティング溶液の調製 前記(1)の青系ポリマ、赤系ポリマを90:10(重
量部)、80:20(重量部)と10重量部ずつ配合割
合を変えて10:90(重量部)まで、9種類の割合で
配合し、調製した紫系ポリマを固形分濃度30%に希釈
してコーティング溶液を調製した。
【0049】(3)塗布および加熱乾燥 前記(2)で得られたコーティング溶液を、厚さ1.0
mmのガラス板上に流し塗り法で約20μmの厚みに塗布
した。塗布したガラス板は130℃で1時間の加熱乾燥
を行った。
【0050】(4)性能試験および結果 ケミカルランプにより2.8mW/cm2 (オーク製作所
(株)、ORC紫外線照度計UV−302A型にて測
定)の紫外線を照射した時の色調と着色濃度を測定し
た。この結果、得られたコーティング被膜は、どれも透
明性の良い、優れた外観を有し、それぞれUV光線の照
射で濃い紫色あるいは薄い紫色に着色したものが得られ
た。
【0051】このように、青系ポリマと赤系ポリマの配
合割合を変えることにより、任意の色調の紫色を調製す
ることが可能になった。
【0052】実施例2 (1)フォトクロミックポリマの調製 実施例1のAおよびBと同様にして、青系と赤系のフォ
トクロミックポリマを調製した。
【0053】(2)コーティング溶液の調製 前記(1)の(2)と同様にして調製した種々の紫系の
フォトクロミックポリマ100重量部に対して、それぞ
れ“ユーバン122”(三井東圧化学(株)製メラミン
樹脂)20重量部を配合し、固形分濃度30%に希釈し
てコーティング溶液を調製した。
【0054】(3)塗布および加熱硬化 実施例1の(3)と同様にしてサンプルを調製した。
【0055】(4)性能試験および結果 実施例1の(4)と同じ条件で紫外線を照射した。この
結果、実施例1と同様、種々の紫色に着色し、さらに、
これらのフォトクロミック性コーティング膜は、硬さ、
外観、特に耐摩擦性等に関する耐久性の点で優れてい
た。
【0056】比較例1 (1)フォトクロミックポリマの調製 A.紫系ポリマの調製 メタクリル酸オクチル40重量部、メタクリル酸n-ブチ
ル19重量部、メタクリル酸メチル10重量部、2,2,6,
6-テトラメチル-4- ピペリジニル−メタクリレート10
重量部、1-(2,4- ジクロロベンジル)5,6- ジクロロ-3,3
- ジメチル-9'-メタクリロキシスピロ[インドリン-2,
3'-[3H]- ナフト[2,1-b](1,4)オキサジン]10重量
部、メタクリル酸2-ヒドロキシエチル10重量部、メタ
クリル酸1重量部をアゾビス系開始剤を用いて、窒素雰
囲気下、重合温度70〜80℃、重合時間約7時間の条
件でトルエン溶媒を用いて重合し、固形分率50重量%
のフォトクロミックポリマを調製した。
【0057】(2)コーティング溶液の調製 前記(1)の紫系ポリマを用いて、固形分濃度30%に
希釈したコーティング溶液を調製した。
【0058】(3)塗布および加熱硬化 前記(2)で得られたコーティング溶液を、厚さ1.0
mmのガラス板上に流し塗り法で約20μmの厚みに塗布
した。塗布したガラス板は130℃で1時間の加熱硬化
を行った。
【0059】(4)性能試験および結果 ケミカルランプにより2.8mW/cm2 (オーク製作所
(株)、ORC紫外線照度計UV−302A型にて測
定)の紫外線を照射した時の発色時の色調および濃度を
評価した。この結果、紫色の色調は得られたが、種々の
色調の紫色を有するポリマは得られなかった。
【0060】
【発明の効果】本発明により、着色時の色調を容易に調
製し得るフォトクロミック組成物を提供することができ
る。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】フォトクロミック性を有する化合物を共有
    結合によって含むポリマを、2種以上混合してなるフォ
    トクロミック性組成物。
  2. 【請求項2】請求項1において、2種以上のフォトクロ
    ミック性を有する化合物の着色時の最大吸収波長が、3
    0nm以上異なることを特徴とする請求項1記載のフォト
    クロミック性組成物。
  3. 【請求項3】請求項1において、フォトクロミック性を
    有する化合物がポリマ中に0.5重量%以上、50重量
    %以下含有されることを特徴とするフォトクロミック性
    組成物。
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