JP2727116B2 - 自動現像機の起動制御方法 - Google Patents

自動現像機の起動制御方法

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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 フィルムまたはシート感光材料を自動的に現像処理す
る自動現像機の起動時の制御によるエネルギー節減方法
に関する。
〔従来の技術〕
第4図はフィルムまたはシート感光材料(以下感光材
料と呼ぶ)3を自動的に現像処理する前記自動現像機の
主要機構を示す。前記自動現像機本体2に付属するメイ
ンスイッチ20を入れることにより前記感光材料3の搬送
稼働に先立って機器が未稼働の状態から定常の稼働状態
の諸条件に復帰させるため現像処理液5a、定着処理液6a
および乾燥部8の温度調節、給水などの準備作業(以下
セットアップと呼ぶ)を行う必要がある。即ち現像液槽
5、隣接する定着液槽6に収容されている現像液5a、定
着液6aおよび乾燥部8の温度調節がそれぞれに配設され
たヒータ9,11,13によって加熱が開始される。一方前記
各処理槽に収容されている前記各々の液5a,6aの液面位
置は図示しないセンサーによって検知され、もし所定の
位置より液面が低下している液がある場合は図中下方に
位置する現像液補充槽18、定着液補充槽19に収容されて
いる現像補充液および定着補充液が必要に応じそれぞれ
に配設された供給パイプ18a,19aおよびポンプ18b,19bを
介して該補充液の各々が前記各処理槽に供給され前記各
液が原液であり希釈の必要があるときは図示しないポン
プによって給水し撹拌して所定の濃度を備えた液と液面
位置が得られる。
前記各液5a,6aの液温および前記乾燥部8の室温は前
記各部に配設された液温センサー10,12、乾燥部温度セ
ンサー13aおよびヒータ9,11,13によって設定温度のコン
トロールがなされる。従って前記メインスイッチ20を入
れた直後は各々の前記処理槽内の液は前記自動現像機稼
働開始時の設定条件に対しそれぞれ異なった要件を持っ
ている。この要件を満たすため所定の時間をかけて前記
セットアップがなされる。前記セットアップにより前記
各処理槽5,6に収容されている各液5a,6aが定められた濃
度、液面位置に達し乾燥室温度が適温に達すると前記感
光材料3の搬送を開始し、処理することができる。
例えば給紙台上1の露光済み感光材料3は入口搬送ロ
ーラ対4および中間搬送ローラ対4aの回転によって前記
現像槽5に導かれ前記現像液5aによって現像されたのち
隣接する前記定着槽6に前記中間搬送ローラ対4a群によ
って搬送され前記定着液6aで処理され次いで前記水洗槽
7の水洗液7aによって水洗処理が施される。現像液循環
ポンプ14および定着液循環ポンプ15は各々の前記処理液
が前記感光材料3に対し安定した処理が出来るようムラ
なく槽内で循環出来るように配設されている。
前記感光材料3は前記入口搬送ロール対4と等線速回
転を持つ中間搬送ローラ対4a群によって乾燥部8に送ら
れる。空気孔17から取入れた空気をファン16によりヒー
タ13を介して前記乾燥部8に送風し所定の温度による乾
燥工程を通過したのち自動現像機外に排出されて現像処
理が完了する。
上述したように前記自動現像機は前記感光材料3に対
し前記セットアップを含む一連の現像処理工程を自動的
に連続して行うものである。
〔発明が解決しようとする課題〕
上述したように通常前記自動現像機は前記メインスイ
ッチ20を入れても直ちに前記感光材料3が稼働されるの
ではなく必ず前記セットアップを伴うものである。即ち
前記現像液5a、定着液6a、水洗液7aを収容する前記各処
理槽5,6,7の容量差や液面位置の相違および液の劣化な
どにより前記各補充槽18,19に収容されている各補充液
が前記処理槽に供給され同時に給水、撹拌されるため各
液の液温の相違により必然的に温度調節の時間が異な
る。加えて前記自動現像機の機内および機外室温などの
環境温度によって更に前記各処理液5a,6aの温度調節の
時間が異なるなど多くの相違したそれぞれの要因を持っ
ている。
これらの多くの相違した要因を前記感光材料3の稼働
に必要な設定条件を満足するためには多大の前記セット
アップの時間を必要とする。例えば前記定着液6aは既に
設定条件が満たされて準備完了していても前記現像液5a
は今だ準備中であるとか、或いは各単位作業がシリーズ
態様でセットアップがなされるなど計画的な対応が取ら
れていないため前記各機能のセットアップに要する時間
が増大するばかりでなく完了時刻も一定でない。従って
前記自動現像機各機能の無駄なON,OFF作動時間が持続し
電力などのエネルギー消費がこれに伴って増加する欠点
がある。加えて生産形態が多品種少量生産の場合のよう
に機械の休止、稼働の繰返しが多ければ多いほど前記セ
ットアップの頻度が増し前記自動現像機のエネルギー消
費効率は更に低下する。
本発明はこのような課題を解決して前記自動現像機の
電力などのムダを省くようにするための自動現像機の起
動制御方法の提供を課題目的とする。
〔課題を解決するための手段〕
この目的は、フィルムまたはシート感光材料を自動的
に現像処理する自動現像機のタイマー運転において、該
自動現像機が前記感光材料の現像処理に先行して各機能
が定常状態に達するための温度調節、給水などの準備作
業が完了する時刻または経過時間をあらかじめマイクロ
コンピュータに記憶入力することにより前記準備作業に
必要な時間を演算算出し該マイクロコンピュータの制御
によって前記各機能が最短時間の作動で前記準備作業が
完了するように自動的に負荷がONされることを特徴とす
る自動現像機の起動制御方法によって達成される。
〔実施例〕
第1図は本発明による前記自動現像機の前記セットア
ップに必要なタイマー運転の順序を示す実施例である。
第2図は環境温度(室内など)の変化によって生ずる一
定時間加熱温度調節した時の液温の変化を示し第3図は
本発明による前記現像液5a、定着液6a、水洗液7aのそれ
ぞれが持つ液温、液面位置、液の劣化度、前記各処理槽
の容量、機内温度或いは前記環境温度などの多くの異な
った条件を満たすに必要な前記セットアップを最短時間
でしかも同時に完了させるための負荷ONを示す図例であ
る。しかし本発明は本実施例に限定されるものではな
い。
第1図に示す如く前記自動現像機内の各処理液5a,6a
に配設されたセンサー21は前記各処理液の温度、濃度、
劣化度などのデータを情報として矢印で示すマイクロコ
ンピュータ22に入力し該マイクロコンピュータ22によっ
て機器の状態を常に監視すると共に前記セットアップに
当たり単位作業の負荷ONの時期と完了時刻を演算し最短
時間で前記セットアップが完了する組み方を算出し次の
ステップである負荷23に命令する。
前記負荷23は前記マイクロコンピュータ22の指令した
順序に従って負荷ONし例えば前記現像液5aに対しヒータ
による加熱が開始されるとか、或は必要に応じ前記処理
槽への処理液補充、給水用の電磁弁を作動させるとか、
前記マイクロコンピュータ22の指令に基づいて必要な単
位作業を次々と計画的に負荷ONし前記セットアップ完了
に導く。
第2図は前述した如く前記各処理液が室温の相違によ
る液温の上昇差としてとらえ標準設定の特性を得る1例
を示す。縦軸に温度℃、横軸に時間Tを取り本図にある
P0点は温度調節前の初期温度C1と負荷ONされる前の時刻
T1との交点である。室温温度A,B,Cの各異なった条件に
対し所定の適正温度C2まで上昇させるため時刻T3まで一
定の時間T2をかけた時前記室内温度AはP1点に達し所定
の温度を満足するが室温Bおよび室温Cでは所定温度に
達しないでP2,P3で示される液温となり傾きも当然異な
ることは図示の通りである。従って所定の温度に達する
室温Aの点P0〜P1の傾きを特性としてあらかじめ前記マ
イクロコンピュータ22に入力して各室温の変化に即応し
て前記セットアップ時間を算出することができる。
第3図は前記負荷23のONの状態を示した図例である。
図中縦方向に単位作業を表す各々R1,R2,R3,R4…(Rm)
を取り横軸に前記単位作業に対する所要時間各々t1,t2,
t3,t4…で示す。例えば負荷R1は前記マイクロコンピュ
ータによって算出された最も長い時間を要する単位作業
t1で他に優先してr1で負荷ONさせ、次いでR2の単位作業
t2をr2点で負荷ONさせる。このような順序で順次必要な
単位作業を前記R1の前記所要時間t1の範囲でずらして負
荷ONさせ、各単位作業の前記R1,R2,R3,R4…(Rm)を前
記セットアップ完了の位置r0で同時に終了するように設
定したものである。
かくして前記セットアップ完了した前記自動現像機は
該セットアップ完了の指示を受けて自動的に前記感光材
料3の稼働用スイッチが入り該感光材料3の搬送が開始
され前述した一連の前記現像処理工程および前記乾燥工
程を経て所定の現像工程が完了する。
〔発明の効果〕
本発明によって前記感光材料3の稼働開始前の前記自
動現像機の前記セットアップにおいて前記現像液5a、前
記定着液6a、前記水洗液7aおよび前記乾燥部8或は環境
温度などの各々異なった要件を持つ単位作業をそれぞれ
に配設された前記センサー21による情報を前記マイクロ
コンピュータ22に取り込みあらかじめ入力されたデータ
との比較演算によって負荷ONの時期と時間を算出し最も
長時間を要する単位作業を優先して始動しこの範囲内で
順次他の必要単位作業を負荷ONするように前記マイクロ
コンピュータ22で制御したので各条件変化に即して最短
時間でしかも各単位作業が同時に完了する前記セットア
ップが出来た。このため前記自動現像機の稼働電力など
のエネルギーのムダを省く経済的効果は多大である。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明による自動現像機セットアップの運転方
法の図、第2図は本発明による液温調節に関するデータ
入力例の図、第3図は本発明による異なった単位作業に
対する負荷ONの図例、第4図は自動現像機の主要機構お
よび補助機構を示す側面図。 1……供給台、2……自動現像機本体 2……感光材料(フィルムまたはシート感光材料) 4……入口搬送ローラ対、4a……中間搬送ローラ対 5……現像槽、5a……現像液 6……定着槽、6a……定着液 7……水洗槽、7a……水洗液 8……乾燥部、9……現像ヒータ 10……現像液温度センサー 11……定着ヒータ、12……定着液温度センサー 13……乾燥部ヒータ 13a……乾燥部温度センサー 14……現像液循環ポンプ、15……定着液循環ポンプ 16……乾燥ファン、17……空気孔 18……現像液補充槽、18a……現像液補充パイプ 19……定着液補充槽、19a……定着液補充パイプ 20……メインスイッチ 21……センサー(第1図中S) 22……マイクロコンピュータ(第1図中CPU) 23……負荷(第1図中R)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】フィルムまたはシート感光材料を自動的に
    現像処理する自動現像機のタイマー運転において、該自
    動現像機が前記感光材料の現像処理に先行して各機能が
    定常状態に達するための温度調節、給水などの準備作業
    が完了する時刻または経過時間をあらかじめマイクロコ
    ンピュータに記憶入力することにより前記準備作業に必
    要な時間を演算算出し該マイクロコンピュータの制御に
    よって前記各機能が最短時間の作動で前記準備作業が完
    了するように自動的に負荷がONされることを特徴とする
    自動現像機の起動制御方法。
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