JP2726036B2 - パック容器の開口構造 - Google Patents
パック容器の開口構造Info
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Description
【発明の詳細な説明】
【０００１】
【産業上の利用分野】本発明は、液体内容物に使用さ
れ、紙のキャリア材料と熱可塑性材料の層からなるパッ
クラミネート材料により、全体的または部分的に作られ
ている形式のパック容器の開口構造に係る。この開口構
造は、予め設けられた注ぎ口と、当該注ぎ口の上部に付
着された引きはがしカバーストリップとを有している。 【０００２】 【従来の技術】返却の不要な形式のパック容器は、ミル
ク、ジュースおよびワインといった液体食品をパッケー
ジするために広範囲に使用されている。一般には、パッ
ク容器は予め製造されてあるラミネートパック材料から
作られている。前記ラミネートパック材料は、例えば紙
のような繊維状材料のキャリア層を備えている。前記キ
ャリア層は、少なくとも一方の側を、通常では両側を、
例えばポリエチレンの薄い熱可塑性材料からなる防水層
で覆われている。この種のパックラミネート材料は、全
体の厚みが約０．４ｍｍであるため非常に可撓性があ
り、折り曲げと加熱シールを行なうことで、所望の形状
例えば平行六面体形状をしたパック容器に組み立てられ
るようになっている。また、パック容器は、一般に、パ
ック容器壁の注ぎ口を覆って防水状態にシールされた例
えば引き裂きまたは切断部あるいは引きはがしカバース
トリップ（いわゆる引っ張りタブ）といったある種の形
の開口構造を備えている。材料に予め打ち抜き加工され
た注ぎ口と、この注ぎ口を覆って防水状態に設けられた
引きはがしカバーストリップとを持つ形式の開口構造
は、取り扱いが簡単で事前にパック材料に取り付けてお
くことができる多くの利点がある。すなわち、パック材
料は、箇々のパック容器に組み立てる以前に既にウエブ
の形に作られており、従ってコストが安い。しかし、液
体内容物を詰める際、孔を打ち抜くことで露出したパッ
クラミネート材料の縁を、適当な方法で内容物から保護
する必要がある。保護しないと、繊維状キャリア層が内
容物を吸収し、ラミネート材料が溶けて内部強度が低下
し外観も損われる。従って、吸収を防ぐためにこの種の
パック容器には、外側のカバーストリップ以外にも例え
ば熱可塑性材料からなる内側の保護層を設けることがよ
くある。前記内側の保護層は内容物に面したパックラミ
ネート材料の側面に置かれ、注ぎ口並びにこの注ぎ口の
廻りを覆うようになっている。カバー層は、注ぎ口を介
してカバーストリップにシールされ、カバーストリップ
を引きはがすことでカバー層を破り、注ぎ口を通じて内
容物を注ぎ出すことができるようになっている。しか
し、予め覆われているラミネート材料の切断縁が露出さ
れているため、注ぎ出す際に内容物が切断縁に接触して
しまいある程度の吸収がおこる。この作用は衛生的にも
美観的にも好ましいことではない。 【０００３】例えば、殺菌されたミルクのような無菌内
容物をパッケージ詰めする際、外観の美しいパッケージ
が用いられる。前述したパック容器は、ほとんどのもの
が同じ構造と形状をしている。しかし、本明細書で言う
パックラミネート材料は、一般には１つまたは１つ以上
の新たな層を備え、ラミネート材料のガス遮断性を高め
るようになっている。通常、ガス遮断層として、例えば
アルミニウムホイルのような金属ホイルが使用されてい
る。前記金属ホイルはラミネート材料の内部に設けら
れ、例えばポリエチレンのような熱可塑性材料の別に設
けた層により覆われている。ここで特に重要なことは、
密封されたパック容器に内容物を詰める時だけでなく、
開いたパック容器から内容物を注ぎ出したりあるいは内
容物を残したままにしておく際、金属ホイルと内容物と
が接触するのを防止することである。このことは、酸化
タイプの内容物例えばジュースやワインの場合特に必要
とされている。これら内容物が金属ホイルとの接触によ
って、食品の味覚を悪くする化学変化を起こすためであ
る。このことは、パック容器を開封するまでにまたは注
ぎ出した後にでも、パック容器に内容物を残したまま長
期間保管する場合にも同じことがいえる。注ぎ口の廻り
に付着した内溶液の残液、金属ホイルに長時間接触した
後の残液は、パック容器に滴化して戻り、また何れの場
合も、内容物を注ぎ出す度に同じことが繰り返される。 【０００４】予め開けられた注ぎ口と引きはがしカバー
ストリップを備えた無菌パック容器に関して、前述した
問題を解消する様々な解決策が試みられているが、何れ
も比較的複雑であり、またラミネートストリップの形態
をした内側のカバー層を備えている。前記ラミネートス
トリップは、内容物と注ぎ口の切断縁とが接触するのを
防ぐだけでなく、内容物と前記切断縁との間に充分なガ
ス遮断層を形成する必要がある。このように構成しない
と、切断縁とパックラミネート材料の外側の熱可塑性層
を通じて周囲の外気との間でガス交換が生じることがあ
るためである。また、ラミネート材料のガス遮断層（金
属ホイル）は、ラミネート材料の内側に配置されている
ためである。従って、周知のガス遮断防水内側ストリッ
プは、ガス遮断層として働くポリビニリデンクロライド
の層を備えている。この層は、ＥＶＡ（エチレンビニー
ルアルコール）の中間シール層を介して両側をポリエチ
レンで被覆されている。そうしたストリップは比較的価
格が高く、しかも２つの欠点のあることが判明した。す
なわち、一方では、パック容器を開口する際に異なった
ストリップ層が互いに剥離してしまい、カバーストリッ
プを引きはがす際、このカバーストリップに特定の層だ
けが付着してはがれる。このため、他の層が残って内容
物を注ぐのを阻害することがある。他方では、内側層ま
たはストリップを被せる際、パックラミネート材料の切
断縁と相対する位置に極く小さい穴（いわゆるピンホー
ル）が形成されることである。この現象は、当該区域の
ストリップを延伸工程に晒らし、同時にラミネート材料
の中間の熱可塑性層並びに注ぎ口を介して外側のカバー
ストリップに熱溶着することによって生じる。 【０００５】 【問題点を解決するための手段】本発明の目的は、無菌
パック用に適していて、周知の開口構造に関連して説明
したような欠点の生じない、前述した形式の開口構造を
提供することにある。本発明の他の目的は、内側のカバ
ー層を用いなくてもガス遮断性と防水性が得られるよう
に注ぎ口の縁を保護してある、開口構造を提供すること
にある。本発明のさらに他の目的は、無菌食品用のパッ
ク容器に求められる非常に高度の要求事項を満たせる、
開口構造を提供することにある。 【０００６】これらの目的並びに他の目的は、本発明に
よって達成された。すなわち、本発明は、本明細書の冒
頭に記載した形式の開口構造において、注ぎ口の方向に
向いたキャリア層の縁が、該キャリア層の両側に設けら
れ該注ぎ口の方向に張り出された熱可塑性層により、該
縁から間隔をおいて覆われており、これら熱可塑性層は
互いに対面して合わさり防水状態に接着され、該注ぎ口
が、対面して合わさった熱可塑性層に、少なくとも該防
水状態の接着を残して、孔をあけて形成され、カバース
トリップと外側の熱可塑性層との間で該注ぎ口の廻りに
シールを形成していることを特徴とする。 また、本発明
は、本明細書の冒頭に記載した形式の開口構造におい
て、パックラミネート材料のキャリア層に設けられた所
定の形状と大きさを持つ第１の孔と、該キャリア層の各
側に接合され、ガス遮断材料と防水材料との少なくとも
一方からなる層を含む熱可塑性層であって、前記第１の
孔があけられた区域では、前記熱可塑性層が互いに対面
して、キャリア層の第１の孔の縁から間隔をおいて熱溶
着シールされている熱可塑性層と、前記第１の孔と同じ
位置のシールされた熱可塑性層に該第１の孔より僅かに
小さくなるようにあけられて形成され、前記パックラミ
ネート材料の外側の互いにシールされた熱可塑性層の残
部により縁取られた注ぎ口と、前記注ぎ口を覆って前記
パックラミネート材料の外部に引きはがせるようにシー
ルされた外側のバーストリップと、を有することを特徴
とする。 【０００７】本発明に係る開口構造の構成により、カバ
ーストリップを引きはがしてパック容器が開いた後にお
いても高い防水性が保証され、注ぎ口の廻りの区域でパ
ックラミネート材料のキャリア層に内容物が吸収される
のを防止し、この開口構造をガス遮断層を持つパックラ
ミネート材料に用いる場合、高いガス遮断性が得られ、
内容物とガス遮断層とが接触するのを阻止できるように
なる。 【０００８】本発明に係る開口構造の好ましい実施例に
つき、添付の図面によって詳細に説明する。図面は、本
発明に係る開口構造を含むパックラミネート材料の断面
を拡大して示している。図面は、わかりやすくするため
に、本発明を理解するために必要な事柄の一部だけを示
している。 【０００９】 【実施例】図１に示した本発明に係る開口構造の第一の
実施例は、その他の実施例のものにも類似している。こ
の第一の実施例は、主に、周知の形式のパック容器に使
用されるものである。周知の形式のパック容器は、ウエ
ブまたはシートの形態をした可撓性のあるパックラミネ
ート材料から作られている。この形式のパック容器は、
一般に平行六面体形状からできている。また、パック容
器の壁に接して上側表面の縁を形成する縁線の１つに近
接して、開口構造がパック容器の上側表面に適当に配置
されている。 【００１０】前述した形式の周知のパック容器を作るの
に広く用いられているパックラミネート材料が、添付の
図面にその一部が示されている。このパックラミネート
材料は、参照番号１で表わされている。パックラミネー
ト材料は、紙のキャリア層２を備えている。キャリア層
の両側には、熱可塑性材料、例えばポリエチレンの防水
層３，４が設けられている。無菌パック容器、例えば無
菌食品を詰めるためのパック容器を製造するのにこのパ
ックラミネート材料を用いる場合には、充分なガス遮断
性質を備えた金属（アルミニウム）ホイルまたはその他
の適当な材料からなるガス遮断層５が取り付けられる。
このガス遮断層は、パック材料の内側にある熱可塑性層
４に接着されている。ガス遮断層５の内側（すなわち、
パック容器の内側に向いた面）には、熱可塑性材料から
なる別の層６が設けられている。この層には防水性があ
り、内容物とガス遮断層５とが接触するのを防いでい
る。 【００１１】本発明によれば、パックラミネート材料１
は、さらに、適当な位置にあけられた注ぎ口７を備えて
いる。この注ぎ口は、パックラミネート材料１の材料層
のすべてを通り抜けている。パックラミネート材料の外
側には、注ぎ口７を覆うカバーストリップ８が設けられ
ている。前記カバーストリップは、例えばアルミニウム
ホイルからなる遮断層９と、例えばポリエチレンの熱可
塑性材料からなり前記遮断層にラミネートされた層１０
とで構成されている。カバーストリップ８の熱可塑性層
１０と、パックラミネート材料の外側の熱可塑性層３と
は、互いに熱溶着され、注ぎ口７の廻りに防水シールを
形成している。従って、注ぎ口７は、防水状態に閉じら
れ、パック容器をあけようとする場合、カバーストリッ
プとパックラミネート材料との間のシールを簡単に破
り、注ぎ口７を通じて内容物を注ぎ出すことができる。 【００１２】開口構造の領域でパック容器の防水性とガ
ス遮断性とを改善するために、パックラミネート材料の
熱可塑性層３，４および６は互いに防水状態に接合され
る。これら熱可塑性層３，４および６は、注ぎ口を覆う
ことなく注ぎ口の廻りにシール１１を形成している。こ
のシールにより、熱可塑性層は、注ぐ口の方向に向いた
キャリア層２の縁１２を完全に覆いしかも当該縁を密封
することができる。このことは重要な事柄であり、もし
そうした構成をとらなければ、内容物が切断縁１２を通
じて繊維状キャリア層２の内部に浸透してしまい、強度
並びに衛生的な観点からパックラミネート材料に好まし
くない影響が及ぶ。内容物と周囲の外気との間で何らか
のガス交換の生じるのを防ぐために、切断縁１２の廻り
にカバーストリップ８に向かう方向にシールを形成する
際、ガス遮断層５を一緒に折り曲げ、互いにシールされ
る熱可塑性層３，４，６の内部に完全に封じ込められ
る。このようにして、遮断層５は理想的な形状にされ、
カバーストリップ８に設けられた遮断層９と共に開口区
域にガスが進入するのを効果的に阻止している。同時
に、注ぎ口７の区域にて、ガス遮断層５は熱可塑性材料
により完全に覆われている。このことは、ガス遮断層と
内容物とが接触するのを防ぐ上で重要である。ガス遮断
層と内容物との接触は、ガス遮断層が金属ホイルででき
ている場合、特に好ましくない。 【００１３】図２に示した本発明に係る開口構造の第２
の実施例は、図１に図示したものとほぼ同じである。従
って、同一の部分には同一の参照番号が付されている。
図１に示した実施例に関連して述べた金属層並びに細部
構造は、図２との関連では詳しくは説明されない。これ
ら以外に、第２の実施例の開口構造は、さらにシール層
１３を備えている。このシール層は、パックラミネート
材料の内側の熱可塑性層にシールされる新たな防水熱可
塑性ストリップの形態をしており、また好ましくはポリ
エチレンからできている。シール層１３は、パック容器
の内部に向いた注ぎ口７の側部を防水状態に覆ってい
る。このシール層を、注ぎ口７の廻りの区域を熱溶着し
て、パックラミネート材料の内側にある熱可塑性層６に
接合していることによる。そして、シール層１３は、カ
バーストリップ８の内側の熱可塑性層１０に熱溶着され
て接合されている。このことは、パック容器をあける場
合、カバーストリップに溶着されたシール層１３の一部
がカバーストリップ８と共に取り除かれることを意味し
ている。シール層の必要な部分を一緒に取り除けるよう
にするために、カバーストリップ８に溶着したシール層
１３の廻りに切取線を設けることもできる。 【００１４】第１の実施例のガス遮断性と防水性に関連
して述べてきたことは、第２の実施例についても当ては
まる。ただし、第２の実施例では、シール層１３を新た
に設けたことで液体の漏洩に対する安全性が増してい
る。ガスの漏洩に対しさらに安全性を求めるには、もち
ろん、シール層１３にもガスに対する新たな遮断層を設
けることもできる。しかし、この第２の実施例は、製造
するのが面倒で例外的なケースの場合だけに満足のいく
ものである。第１の実施例自体が優れたガス遮断性と防
水性を備えており、あらゆる通常形式の無菌パック容器
に満足のいく性能を備えているからである。前記無菌パ
ック容器には、滅菌を終えまたはその他の方法で処理さ
れて長期保存に耐えるようにした、例えば、ミルク、ジ
ュースまたはその他の食料品用のものがある。 【００１５】前述したように、本発明に係る開口構造の
製造は、パックラミネート材料の製造時に一緒に行なわ
れる。このパックラミネート材料は、その後、所望の形
状のパック容器に組み立てられる。この種のパックラミ
ネート材料は、ラミネート処理装置に送られる、互いに
密着したペーパウェブの形をした紙のキャリア層を備え
ている。キャリア層には、まず打ち抜きによって孔が設
けられ、パック容器製品の注ぎ口を形成している。これ
ら孔は、パック容器製品の所望の位置にくるようなある
種のパターンで周知のように配分されている。所定の形
状と大きさの孔をキャリア層に設けた後、前述した熱可
塑性材料の層３，４によりこのキャリア層を被覆する。
これら熱可塑性材料の層は、ウェブ上を横切って延びる
ダイスを通じて加熱された熱可塑性材料を押し出すこと
により、キャリア層２の両面に付着される。さらに、キ
ャリア層と付着直後の熱可塑性層とを互いに圧下された
２つの冷却ローラの間を通して、熱可塑性材料の一部を
キャリア層に浸透させ、当該キャリア層に確実に接合さ
れる。例えば、アルミニウムホイルのガス遮断層５を必
要とする場合、当該ガス遮断層はウェブの形態で供給さ
れ、一方の熱可塑性層に付着される。さらに、新たな熱
可塑性層６を重ねて、アルミニウムホイルを完全に覆
う。孔のあけられた区域では、押し出し成形時に２つの
熱可塑性層３と４は互いに圧接され、お互いに対してシ
ールされる。図３（ｂ）から明らかなように、ガス遮断
層５と内側の熱可塑性層６とは注ぎ口で互いに溶着され
ている。これらの層は、注ぎ口の位置で他の材料層と共
にラミネート処理に際して熱と圧力により溶着してい
る。これら熱と圧力は、材料ウェブが押し出しダイスと
ローラを通過する際、当該材料ウェブに作用する。 【００１６】キャリア層２に所望の数の材料層を付着さ
せた後、ラミネートウェブを第２の組の打ち抜き工具に
通す。この工具により、以前に打ち抜きを行なってある
材料ウェブの場所を再び打ち抜いて孔を形成する。ただ
し、第２の打ち抜き作業では、以前の打ち抜き作業によ
って作られたものより僅かに寸法の小さい孔があけられ
る。その結果、パックラミネート材料にあけられた孔
は、パックラミネート材料からなる幾つかの熱可塑性層
とガス遮断体として働く金属ホイルとで形成された縁に
より、全周を縁どられている。こうした状況の下では、
キャリア層２の切断縁１２は、縁１４に集まる熱可塑性
層により閉じられ、前記切断縁は内容物と接触すること
がない。縁１４を構成する層をお互いに完全に防水シー
ルし、また第２の打ち抜き作業の加えられる金属ホイル
５の切断縁を内容物に接触しないようにするために、後
で切断縁１４の加熱処理が行なわれる。この加熱処理に
より、熱可塑性層は互いに完全に溶着されると共に、こ
れら熱可塑性層は金属ホイル５の縁の廻りに流出され、
この金属ホイルの縁を封じ込める。この作業は、金属ホ
イル５の厚みが各熱可塑性層を合わせた厚みの極く一部
でしかないため、別に材料を用いなくても簡単に行うこ
とができる。 【００１７】使用する各層の厚みの標準値として、金属
ホイルは通常約７μｍの厚みを持ち、プラスチック層を
合わせた厚みは通常１００μｍを越えている。キャリア
層の切断縁１２と金属ホイル５の切断縁とを前述のよう
にシールするために、特殊な作業によって縁１４の加熱
処理を行うことができる。ただし、この作業と、カバー
ストリップ８をパックラミネート材料の外側に付着する
作業とを同時に行うことが望ましい。カバーストリップ
８は、パックラミネート材料の外側の所定の位置に置か
れ、さらに、縁１４の正面で直線状になったカバースト
リップ８の区域を熱に晒し、同時に縁１４と共に押圧す
る。この作業により、縁１４に面したカバーストリップ
８の熱可塑性層９は互いに防水状態に溶着される。その
結果、注ぎ口７の廻りに広がる接合シール１１が形成さ
れ、一方では、キャリア層とガス遮断層の切断縁を封じ
込め、また他方では、カバーストリップ８をパックラミ
ネート材料に防水状態に溶着する。縁１４を機械的に加
工してシールを形成するのに用いる適当な構造の工具を
介し、ガス遮断層５の相対する部分をカバーストリップ
８に対して折り曲げ、当該ガス遮断層をカバーストリッ
プの遮断層９に非常に接近して接触させ、開口区域に互
いに密着した実質的なガス遮断層を形成している。従っ
て、パック製品の内部と周囲の外気との間で、パックラ
ミネート材料のキャリア層２または外側の熱可塑性層３
を通じて、後でガス交換が生じるのを防いでいる。 【００１８】図２に図示した形式の開口構造を製造する
場合、注ぎ口にしなやかなストリップの形態をしたシー
ル層１３を後で被せ、当該シール層に熱と圧力を加え
て、パックラミネート材料の内側層６とカバーストリッ
プの熱可塑性層１０とに溶着する。前述した先行する作
業により縁１４を処理した後、シール層１３を外側のカ
バーストリップ８と同時に設置するのがもちろん有益で
ある。 【００１９】本発明に係る開口構造を製造する際、一緒
にパックラミネート材料の加工を終えると、当該パック
ラミネート材料は従来法によって取り扱われ、例えばパ
ッキング機械に搬送するためにロールに巻き取られる。
前記パッキング機械で、ラミネート材料は箇々のパック
容器に形造られる。このパック容器製造は従来法によっ
て行われ、予め形成してある開口構造に関して通常時に
は特別に配慮する必要はない。実用的に充分な機能を発
揮し、本発明による開口構造を設けて製造されたパック
容器は、防水性とガス遮断性に関する要望を完全に満た
せることが判明した。
れ、紙のキャリア材料と熱可塑性材料の層からなるパッ
クラミネート材料により、全体的または部分的に作られ
ている形式のパック容器の開口構造に係る。この開口構
造は、予め設けられた注ぎ口と、当該注ぎ口の上部に付
着された引きはがしカバーストリップとを有している。 【０００２】 【従来の技術】返却の不要な形式のパック容器は、ミル
ク、ジュースおよびワインといった液体食品をパッケー
ジするために広範囲に使用されている。一般には、パッ
ク容器は予め製造されてあるラミネートパック材料から
作られている。前記ラミネートパック材料は、例えば紙
のような繊維状材料のキャリア層を備えている。前記キ
ャリア層は、少なくとも一方の側を、通常では両側を、
例えばポリエチレンの薄い熱可塑性材料からなる防水層
で覆われている。この種のパックラミネート材料は、全
体の厚みが約０．４ｍｍであるため非常に可撓性があ
り、折り曲げと加熱シールを行なうことで、所望の形状
例えば平行六面体形状をしたパック容器に組み立てられ
るようになっている。また、パック容器は、一般に、パ
ック容器壁の注ぎ口を覆って防水状態にシールされた例
えば引き裂きまたは切断部あるいは引きはがしカバース
トリップ（いわゆる引っ張りタブ）といったある種の形
の開口構造を備えている。材料に予め打ち抜き加工され
た注ぎ口と、この注ぎ口を覆って防水状態に設けられた
引きはがしカバーストリップとを持つ形式の開口構造
は、取り扱いが簡単で事前にパック材料に取り付けてお
くことができる多くの利点がある。すなわち、パック材
料は、箇々のパック容器に組み立てる以前に既にウエブ
の形に作られており、従ってコストが安い。しかし、液
体内容物を詰める際、孔を打ち抜くことで露出したパッ
クラミネート材料の縁を、適当な方法で内容物から保護
する必要がある。保護しないと、繊維状キャリア層が内
容物を吸収し、ラミネート材料が溶けて内部強度が低下
し外観も損われる。従って、吸収を防ぐためにこの種の
パック容器には、外側のカバーストリップ以外にも例え
ば熱可塑性材料からなる内側の保護層を設けることがよ
くある。前記内側の保護層は内容物に面したパックラミ
ネート材料の側面に置かれ、注ぎ口並びにこの注ぎ口の
廻りを覆うようになっている。カバー層は、注ぎ口を介
してカバーストリップにシールされ、カバーストリップ
を引きはがすことでカバー層を破り、注ぎ口を通じて内
容物を注ぎ出すことができるようになっている。しか
し、予め覆われているラミネート材料の切断縁が露出さ
れているため、注ぎ出す際に内容物が切断縁に接触して
しまいある程度の吸収がおこる。この作用は衛生的にも
美観的にも好ましいことではない。 【０００３】例えば、殺菌されたミルクのような無菌内
容物をパッケージ詰めする際、外観の美しいパッケージ
が用いられる。前述したパック容器は、ほとんどのもの
が同じ構造と形状をしている。しかし、本明細書で言う
パックラミネート材料は、一般には１つまたは１つ以上
の新たな層を備え、ラミネート材料のガス遮断性を高め
るようになっている。通常、ガス遮断層として、例えば
アルミニウムホイルのような金属ホイルが使用されてい
る。前記金属ホイルはラミネート材料の内部に設けら
れ、例えばポリエチレンのような熱可塑性材料の別に設
けた層により覆われている。ここで特に重要なことは、
密封されたパック容器に内容物を詰める時だけでなく、
開いたパック容器から内容物を注ぎ出したりあるいは内
容物を残したままにしておく際、金属ホイルと内容物と
が接触するのを防止することである。このことは、酸化
タイプの内容物例えばジュースやワインの場合特に必要
とされている。これら内容物が金属ホイルとの接触によ
って、食品の味覚を悪くする化学変化を起こすためであ
る。このことは、パック容器を開封するまでにまたは注
ぎ出した後にでも、パック容器に内容物を残したまま長
期間保管する場合にも同じことがいえる。注ぎ口の廻り
に付着した内溶液の残液、金属ホイルに長時間接触した
後の残液は、パック容器に滴化して戻り、また何れの場
合も、内容物を注ぎ出す度に同じことが繰り返される。 【０００４】予め開けられた注ぎ口と引きはがしカバー
ストリップを備えた無菌パック容器に関して、前述した
問題を解消する様々な解決策が試みられているが、何れ
も比較的複雑であり、またラミネートストリップの形態
をした内側のカバー層を備えている。前記ラミネートス
トリップは、内容物と注ぎ口の切断縁とが接触するのを
防ぐだけでなく、内容物と前記切断縁との間に充分なガ
ス遮断層を形成する必要がある。このように構成しない
と、切断縁とパックラミネート材料の外側の熱可塑性層
を通じて周囲の外気との間でガス交換が生じることがあ
るためである。また、ラミネート材料のガス遮断層（金
属ホイル）は、ラミネート材料の内側に配置されている
ためである。従って、周知のガス遮断防水内側ストリッ
プは、ガス遮断層として働くポリビニリデンクロライド
の層を備えている。この層は、ＥＶＡ（エチレンビニー
ルアルコール）の中間シール層を介して両側をポリエチ
レンで被覆されている。そうしたストリップは比較的価
格が高く、しかも２つの欠点のあることが判明した。す
なわち、一方では、パック容器を開口する際に異なった
ストリップ層が互いに剥離してしまい、カバーストリッ
プを引きはがす際、このカバーストリップに特定の層だ
けが付着してはがれる。このため、他の層が残って内容
物を注ぐのを阻害することがある。他方では、内側層ま
たはストリップを被せる際、パックラミネート材料の切
断縁と相対する位置に極く小さい穴（いわゆるピンホー
ル）が形成されることである。この現象は、当該区域の
ストリップを延伸工程に晒らし、同時にラミネート材料
の中間の熱可塑性層並びに注ぎ口を介して外側のカバー
ストリップに熱溶着することによって生じる。 【０００５】 【問題点を解決するための手段】本発明の目的は、無菌
パック用に適していて、周知の開口構造に関連して説明
したような欠点の生じない、前述した形式の開口構造を
提供することにある。本発明の他の目的は、内側のカバ
ー層を用いなくてもガス遮断性と防水性が得られるよう
に注ぎ口の縁を保護してある、開口構造を提供すること
にある。本発明のさらに他の目的は、無菌食品用のパッ
ク容器に求められる非常に高度の要求事項を満たせる、
開口構造を提供することにある。 【０００６】これらの目的並びに他の目的は、本発明に
よって達成された。すなわち、本発明は、本明細書の冒
頭に記載した形式の開口構造において、注ぎ口の方向に
向いたキャリア層の縁が、該キャリア層の両側に設けら
れ該注ぎ口の方向に張り出された熱可塑性層により、該
縁から間隔をおいて覆われており、これら熱可塑性層は
互いに対面して合わさり防水状態に接着され、該注ぎ口
が、対面して合わさった熱可塑性層に、少なくとも該防
水状態の接着を残して、孔をあけて形成され、カバース
トリップと外側の熱可塑性層との間で該注ぎ口の廻りに
シールを形成していることを特徴とする。 また、本発明
は、本明細書の冒頭に記載した形式の開口構造におい
て、パックラミネート材料のキャリア層に設けられた所
定の形状と大きさを持つ第１の孔と、該キャリア層の各
側に接合され、ガス遮断材料と防水材料との少なくとも
一方からなる層を含む熱可塑性層であって、前記第１の
孔があけられた区域では、前記熱可塑性層が互いに対面
して、キャリア層の第１の孔の縁から間隔をおいて熱溶
着シールされている熱可塑性層と、前記第１の孔と同じ
位置のシールされた熱可塑性層に該第１の孔より僅かに
小さくなるようにあけられて形成され、前記パックラミ
ネート材料の外側の互いにシールされた熱可塑性層の残
部により縁取られた注ぎ口と、前記注ぎ口を覆って前記
パックラミネート材料の外部に引きはがせるようにシー
ルされた外側のバーストリップと、を有することを特徴
とする。 【０００７】本発明に係る開口構造の構成により、カバ
ーストリップを引きはがしてパック容器が開いた後にお
いても高い防水性が保証され、注ぎ口の廻りの区域でパ
ックラミネート材料のキャリア層に内容物が吸収される
のを防止し、この開口構造をガス遮断層を持つパックラ
ミネート材料に用いる場合、高いガス遮断性が得られ、
内容物とガス遮断層とが接触するのを阻止できるように
なる。 【０００８】本発明に係る開口構造の好ましい実施例に
つき、添付の図面によって詳細に説明する。図面は、本
発明に係る開口構造を含むパックラミネート材料の断面
を拡大して示している。図面は、わかりやすくするため
に、本発明を理解するために必要な事柄の一部だけを示
している。 【０００９】 【実施例】図１に示した本発明に係る開口構造の第一の
実施例は、その他の実施例のものにも類似している。こ
の第一の実施例は、主に、周知の形式のパック容器に使
用されるものである。周知の形式のパック容器は、ウエ
ブまたはシートの形態をした可撓性のあるパックラミネ
ート材料から作られている。この形式のパック容器は、
一般に平行六面体形状からできている。また、パック容
器の壁に接して上側表面の縁を形成する縁線の１つに近
接して、開口構造がパック容器の上側表面に適当に配置
されている。 【００１０】前述した形式の周知のパック容器を作るの
に広く用いられているパックラミネート材料が、添付の
図面にその一部が示されている。このパックラミネート
材料は、参照番号１で表わされている。パックラミネー
ト材料は、紙のキャリア層２を備えている。キャリア層
の両側には、熱可塑性材料、例えばポリエチレンの防水
層３，４が設けられている。無菌パック容器、例えば無
菌食品を詰めるためのパック容器を製造するのにこのパ
ックラミネート材料を用いる場合には、充分なガス遮断
性質を備えた金属（アルミニウム）ホイルまたはその他
の適当な材料からなるガス遮断層５が取り付けられる。
このガス遮断層は、パック材料の内側にある熱可塑性層
４に接着されている。ガス遮断層５の内側（すなわち、
パック容器の内側に向いた面）には、熱可塑性材料から
なる別の層６が設けられている。この層には防水性があ
り、内容物とガス遮断層５とが接触するのを防いでい
る。 【００１１】本発明によれば、パックラミネート材料１
は、さらに、適当な位置にあけられた注ぎ口７を備えて
いる。この注ぎ口は、パックラミネート材料１の材料層
のすべてを通り抜けている。パックラミネート材料の外
側には、注ぎ口７を覆うカバーストリップ８が設けられ
ている。前記カバーストリップは、例えばアルミニウム
ホイルからなる遮断層９と、例えばポリエチレンの熱可
塑性材料からなり前記遮断層にラミネートされた層１０
とで構成されている。カバーストリップ８の熱可塑性層
１０と、パックラミネート材料の外側の熱可塑性層３と
は、互いに熱溶着され、注ぎ口７の廻りに防水シールを
形成している。従って、注ぎ口７は、防水状態に閉じら
れ、パック容器をあけようとする場合、カバーストリッ
プとパックラミネート材料との間のシールを簡単に破
り、注ぎ口７を通じて内容物を注ぎ出すことができる。 【００１２】開口構造の領域でパック容器の防水性とガ
ス遮断性とを改善するために、パックラミネート材料の
熱可塑性層３，４および６は互いに防水状態に接合され
る。これら熱可塑性層３，４および６は、注ぎ口を覆う
ことなく注ぎ口の廻りにシール１１を形成している。こ
のシールにより、熱可塑性層は、注ぐ口の方向に向いた
キャリア層２の縁１２を完全に覆いしかも当該縁を密封
することができる。このことは重要な事柄であり、もし
そうした構成をとらなければ、内容物が切断縁１２を通
じて繊維状キャリア層２の内部に浸透してしまい、強度
並びに衛生的な観点からパックラミネート材料に好まし
くない影響が及ぶ。内容物と周囲の外気との間で何らか
のガス交換の生じるのを防ぐために、切断縁１２の廻り
にカバーストリップ８に向かう方向にシールを形成する
際、ガス遮断層５を一緒に折り曲げ、互いにシールされ
る熱可塑性層３，４，６の内部に完全に封じ込められ
る。このようにして、遮断層５は理想的な形状にされ、
カバーストリップ８に設けられた遮断層９と共に開口区
域にガスが進入するのを効果的に阻止している。同時
に、注ぎ口７の区域にて、ガス遮断層５は熱可塑性材料
により完全に覆われている。このことは、ガス遮断層と
内容物とが接触するのを防ぐ上で重要である。ガス遮断
層と内容物との接触は、ガス遮断層が金属ホイルででき
ている場合、特に好ましくない。 【００１３】図２に示した本発明に係る開口構造の第２
の実施例は、図１に図示したものとほぼ同じである。従
って、同一の部分には同一の参照番号が付されている。
図１に示した実施例に関連して述べた金属層並びに細部
構造は、図２との関連では詳しくは説明されない。これ
ら以外に、第２の実施例の開口構造は、さらにシール層
１３を備えている。このシール層は、パックラミネート
材料の内側の熱可塑性層にシールされる新たな防水熱可
塑性ストリップの形態をしており、また好ましくはポリ
エチレンからできている。シール層１３は、パック容器
の内部に向いた注ぎ口７の側部を防水状態に覆ってい
る。このシール層を、注ぎ口７の廻りの区域を熱溶着し
て、パックラミネート材料の内側にある熱可塑性層６に
接合していることによる。そして、シール層１３は、カ
バーストリップ８の内側の熱可塑性層１０に熱溶着され
て接合されている。このことは、パック容器をあける場
合、カバーストリップに溶着されたシール層１３の一部
がカバーストリップ８と共に取り除かれることを意味し
ている。シール層の必要な部分を一緒に取り除けるよう
にするために、カバーストリップ８に溶着したシール層
１３の廻りに切取線を設けることもできる。 【００１４】第１の実施例のガス遮断性と防水性に関連
して述べてきたことは、第２の実施例についても当ては
まる。ただし、第２の実施例では、シール層１３を新た
に設けたことで液体の漏洩に対する安全性が増してい
る。ガスの漏洩に対しさらに安全性を求めるには、もち
ろん、シール層１３にもガスに対する新たな遮断層を設
けることもできる。しかし、この第２の実施例は、製造
するのが面倒で例外的なケースの場合だけに満足のいく
ものである。第１の実施例自体が優れたガス遮断性と防
水性を備えており、あらゆる通常形式の無菌パック容器
に満足のいく性能を備えているからである。前記無菌パ
ック容器には、滅菌を終えまたはその他の方法で処理さ
れて長期保存に耐えるようにした、例えば、ミルク、ジ
ュースまたはその他の食料品用のものがある。 【００１５】前述したように、本発明に係る開口構造の
製造は、パックラミネート材料の製造時に一緒に行なわ
れる。このパックラミネート材料は、その後、所望の形
状のパック容器に組み立てられる。この種のパックラミ
ネート材料は、ラミネート処理装置に送られる、互いに
密着したペーパウェブの形をした紙のキャリア層を備え
ている。キャリア層には、まず打ち抜きによって孔が設
けられ、パック容器製品の注ぎ口を形成している。これ
ら孔は、パック容器製品の所望の位置にくるようなある
種のパターンで周知のように配分されている。所定の形
状と大きさの孔をキャリア層に設けた後、前述した熱可
塑性材料の層３，４によりこのキャリア層を被覆する。
これら熱可塑性材料の層は、ウェブ上を横切って延びる
ダイスを通じて加熱された熱可塑性材料を押し出すこと
により、キャリア層２の両面に付着される。さらに、キ
ャリア層と付着直後の熱可塑性層とを互いに圧下された
２つの冷却ローラの間を通して、熱可塑性材料の一部を
キャリア層に浸透させ、当該キャリア層に確実に接合さ
れる。例えば、アルミニウムホイルのガス遮断層５を必
要とする場合、当該ガス遮断層はウェブの形態で供給さ
れ、一方の熱可塑性層に付着される。さらに、新たな熱
可塑性層６を重ねて、アルミニウムホイルを完全に覆
う。孔のあけられた区域では、押し出し成形時に２つの
熱可塑性層３と４は互いに圧接され、お互いに対してシ
ールされる。図３（ｂ）から明らかなように、ガス遮断
層５と内側の熱可塑性層６とは注ぎ口で互いに溶着され
ている。これらの層は、注ぎ口の位置で他の材料層と共
にラミネート処理に際して熱と圧力により溶着してい
る。これら熱と圧力は、材料ウェブが押し出しダイスと
ローラを通過する際、当該材料ウェブに作用する。 【００１６】キャリア層２に所望の数の材料層を付着さ
せた後、ラミネートウェブを第２の組の打ち抜き工具に
通す。この工具により、以前に打ち抜きを行なってある
材料ウェブの場所を再び打ち抜いて孔を形成する。ただ
し、第２の打ち抜き作業では、以前の打ち抜き作業によ
って作られたものより僅かに寸法の小さい孔があけられ
る。その結果、パックラミネート材料にあけられた孔
は、パックラミネート材料からなる幾つかの熱可塑性層
とガス遮断体として働く金属ホイルとで形成された縁に
より、全周を縁どられている。こうした状況の下では、
キャリア層２の切断縁１２は、縁１４に集まる熱可塑性
層により閉じられ、前記切断縁は内容物と接触すること
がない。縁１４を構成する層をお互いに完全に防水シー
ルし、また第２の打ち抜き作業の加えられる金属ホイル
５の切断縁を内容物に接触しないようにするために、後
で切断縁１４の加熱処理が行なわれる。この加熱処理に
より、熱可塑性層は互いに完全に溶着されると共に、こ
れら熱可塑性層は金属ホイル５の縁の廻りに流出され、
この金属ホイルの縁を封じ込める。この作業は、金属ホ
イル５の厚みが各熱可塑性層を合わせた厚みの極く一部
でしかないため、別に材料を用いなくても簡単に行うこ
とができる。 【００１７】使用する各層の厚みの標準値として、金属
ホイルは通常約７μｍの厚みを持ち、プラスチック層を
合わせた厚みは通常１００μｍを越えている。キャリア
層の切断縁１２と金属ホイル５の切断縁とを前述のよう
にシールするために、特殊な作業によって縁１４の加熱
処理を行うことができる。ただし、この作業と、カバー
ストリップ８をパックラミネート材料の外側に付着する
作業とを同時に行うことが望ましい。カバーストリップ
８は、パックラミネート材料の外側の所定の位置に置か
れ、さらに、縁１４の正面で直線状になったカバースト
リップ８の区域を熱に晒し、同時に縁１４と共に押圧す
る。この作業により、縁１４に面したカバーストリップ
８の熱可塑性層９は互いに防水状態に溶着される。その
結果、注ぎ口７の廻りに広がる接合シール１１が形成さ
れ、一方では、キャリア層とガス遮断層の切断縁を封じ
込め、また他方では、カバーストリップ８をパックラミ
ネート材料に防水状態に溶着する。縁１４を機械的に加
工してシールを形成するのに用いる適当な構造の工具を
介し、ガス遮断層５の相対する部分をカバーストリップ
８に対して折り曲げ、当該ガス遮断層をカバーストリッ
プの遮断層９に非常に接近して接触させ、開口区域に互
いに密着した実質的なガス遮断層を形成している。従っ
て、パック製品の内部と周囲の外気との間で、パックラ
ミネート材料のキャリア層２または外側の熱可塑性層３
を通じて、後でガス交換が生じるのを防いでいる。 【００１８】図２に図示した形式の開口構造を製造する
場合、注ぎ口にしなやかなストリップの形態をしたシー
ル層１３を後で被せ、当該シール層に熱と圧力を加え
て、パックラミネート材料の内側層６とカバーストリッ
プの熱可塑性層１０とに溶着する。前述した先行する作
業により縁１４を処理した後、シール層１３を外側のカ
バーストリップ８と同時に設置するのがもちろん有益で
ある。 【００１９】本発明に係る開口構造を製造する際、一緒
にパックラミネート材料の加工を終えると、当該パック
ラミネート材料は従来法によって取り扱われ、例えばパ
ッキング機械に搬送するためにロールに巻き取られる。
前記パッキング機械で、ラミネート材料は箇々のパック
容器に形造られる。このパック容器製造は従来法によっ
て行われ、予め形成してある開口構造に関して通常時に
は特別に配慮する必要はない。実用的に充分な機能を発
揮し、本発明による開口構造を設けて製造されたパック
容器は、防水性とガス遮断性に関する要望を完全に満た
せることが判明した。
【図面の簡単な説明】
【図１】閉じた状態にある、本発明に係る開口構造の第
１の実施例を示す断面図である。 【図２】閉じた状態にある、本発明に係る開口構造の第
２の実施例を示す断面図である。 【図３】（ａ）、（ｂ）、（ｃ）は、本発明に係る開口
構造の各部分を構成する、注ぎ口を製造する際の３つの
連続する段階を示している。 【符号の説明】 １ パックラミネート材料 ２ キャリア層 ３，４，６ 防水層 ５ ガス遮断層 ７ 注ぎ口 ８ カバーストリップ ９ ガス遮断層 １０ 防水層 １１ シール １２ キャリア層の縁 １３ シール層 １４ 縁
１の実施例を示す断面図である。 【図２】閉じた状態にある、本発明に係る開口構造の第
２の実施例を示す断面図である。 【図３】（ａ）、（ｂ）、（ｃ）は、本発明に係る開口
構造の各部分を構成する、注ぎ口を製造する際の３つの
連続する段階を示している。 【符号の説明】 １ パックラミネート材料 ２ キャリア層 ３，４，６ 防水層 ５ ガス遮断層 ７ 注ぎ口 ８ カバーストリップ ９ ガス遮断層 １０ 防水層 １１ シール １２ キャリア層の縁 １３ シール層 １４ 縁
Claims (1)
- (57)【特許請求の範囲】 １．液体内容物に使用され、紙のキャリア材料の層と熱
可塑性材料の層とを含むパックラミネート材料により、
全体的または部分的に作られている形式のパック容器用
の開口構造であって、予め設けられた注ぎ口（７）と、
該注ぎ口（７）の上部に付着された引きはがしカバース
トリツプとを有する開口構造において、 前記注ぎ口（７）の方向に向いたキャリア層（２）の縁
（１２）が、該キャリア層（２）の両側に設けられ該注
ぎ口（７）の方向に張り出された熱可塑性層（３，４）
により、該縁（１２）から間隔をおいて覆われており、
これら熱可塑性層（３，４）は互いに対面して合わさり
防水状態に接着され、該注ぎ口（７）が、対面して合わさった熱可塑性層
（３，４）に、少なくとも該防水状態の接着を残して、
孔をあけて形成され、 カバーストリップと外側の熱可塑性層（３）との間で 該
注ぎ口（７）の廻りにシール（１１）を形成しているこ
とを特徴とする開口構造。 ２．金属ホイル層（５）を有する形式のパックラミネー
ト材料（１）の前記熱可塑性層（３，４，６）が、前記
注ぎ口（７）の方向に向いた金属ホイル層（５）の縁を
封じ込めていることを特徴とする請求項１に記載の開口
構造。 ３．シール層（１３）が、前記パック容器の内部に向い
た前記注ぎ口（７）の側部を覆い、このシール層（１
３）は、一方では、前記注ぎ口（７）の廻りに位置する
区域内で前記パックラミネート材料（１）の熱可塑性層
（６）に接合され、他方では、外側の前記カバーストリ
ップ（８）に接合されていることを特徴とする請求項１
または２に記載の開口構造。 ４．前記シール層（１３）が、前記パックラミネート材
料（１）の内側の熱可塑性層（６）にシールされた別体
の防水熱可塑性ストリップから構成されていることを特
徴とする請求項３に記載の開口構造。 ５．前記パックラミネート材料（１）の内側の熱可塑性
層（６）並びに前記シール層（１３）がポリエチレンか
ら作られていることを特徴とする請求項４に記載の開口
構造。６．液体内容物に使用され、紙のキャリア材料の層と熱
可塑性材料の層とを含むパックラミネート材料により、
全体的または部分的に作られている形式のパック容器用
の開口構造であって、予め設けられた注ぎ口（７）と、
注ぎ口（７）の上部に付着された引きはがしカバースト
リップとを有する開口構造において、 前記パックラミネート材料（１）のキャリア層（２）に
設けられた所定の形状と大きさを持つ第１の孔と、 該キャリア層（２）の各側に接合され、ガス遮断材料と
防水材料との少なくとも一方からなる層を含む熱可塑性
層（３，４，６）であって、前記第１の孔があけられた
区域では、前記熱可塑性層が互いに対面して、キャリア
層（２）の第１の孔の縁（１２）から間隔をおいて熱溶
着シールされている熱可塑性層（３，４，６）と、 前記第１の孔と同じ位置のシールされた熱可塑性層
（３，４，６）に該第１の孔より僅かに小さくなるよう
にあけられて形成され、前記パックラミネート材料
（１）の外側の互いにシールされた熱可塑性層（３，
４，６）の残部により縁取られた注ぎ口（７）と、 前記注ぎ口（７）を覆って前記パックラミネート材料
（１）の外部に引きはがせるようにシールされた外側の
バーストリップ（８）と、 を有することを特徴とするパック容器の開口構造。 ７．金属ホイル層（５）を有する形式のパックラミネー
ト材料（１）の前記熱可塑性層（３，４，６）が、前記
注ぎ口（７）の方向に向いた金属ホイル層（５）の縁を
封じ込めていることを特徴とする請求項６に記載の開口
構造。 ８．シール層（１３）が、前記パック容器の内部に向い
た前記注ぎ口（７）の側部を覆い、このシール層（１
３）は、一方では、前記注ぎ口（７）の廻りに位置する
区域内で前記パックラミネート材料（１）の熱可塑性層
（６）に接合され、他方では、外側の前記カバーストリ
ップ（８）に接合されていることを特徴とする請求項６
または７に記載の開口構造。 ９．前記シール層（１３）が、前記パックラミネート材
料（１） の内側の熱可塑性層（６）にシールされた別体
の防水熱可塑性ストリップから構成されていることを特
徴とする請求項３に記載の開口構造。 １０．前記パックラミネート材料（１）の内側の熱可塑
性層（６）並びに前記シール層（１３）がポリエチレン
から作られていることを特徴とする請求項９に記載の開
口構造。
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