JP5032945B2 - カットテープおよびカットテープ付き包装袋 - Google Patents
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Description
しかしながら、袋本体のフィルムを直線的に引き裂くことは難しく、所定の位置で開封できる仕組みが望まれている。
そこで、ガイドの補強糸と誘導テープを設け、誘導テープが補強糸にガイドされて直線的に引き裂かれることによって開封される包装袋が考えられている(例えば、特許文献1)。
また、切断糸を用いてフィルムを直線的に引き裂いて開封する技術もある(例えば、特許文献2)。
また、特許文献2でも同様に、一般の製袋機での加工が難しく、汎用性がないため、製品としては扱いにくかった。
さらに、直線的に引き裂くことができたとしても、引き裂いた後の包装袋の切り口は袋本体の2枚のフィルムが一直線になってしまい、フィルムの間に指が入らず、包装袋の開口部が掴みにくいという問題もあった。
前記袋体の一方の内面に帯状に融着される誘導部と、前記誘導部の前記袋体の一方の内面側の面とは対向する面に積層され、前記誘導部の一部が露出する露出部を有する積層部、および、前記積層部に連続して設けられ、前記袋体内面に融着される本体部を有する基部と、を備え、前記誘導部および前記基部を構成する樹脂は互いに非相溶性の樹脂で形成されることを特徴とする。
積層部は、前記誘導部が帯状に露出する露出部を有している。露出部は、例えば、積層部の長手方向に沿って帯状の孔を形成し、この帯状の孔から誘導部が露出している部分である。なお、この露出部は、包装袋を開封したときの開口部となるため、誘導部に沿って帯状に形成されることが好ましい。
本体部は、誘導部が設けられている側の面が袋体の内面に融着される。
例えば、非相溶の樹脂を共押出し、15mm片にカットし、デジタルフォースゲージ(株式会社イマダ製、製品名「高性能デジタルフォースゲージZPシリーズ」)を用い、速度300mm/minで垂直方向に引っ張ったときの値(接着強度)が、20N/15mm以下であることが好ましい。より好ましくは1N/15mm以上8N/15mm以下である。接着強度が20N/15mmを超えると、接着強度が強すぎて開けづらくなったり、開けられなくなったりするので好ましくない。
このような構成であれば、開口部の周囲は基部で囲まれた状態となり、開口部を指で開口する際、指が周囲の基部に引っ掛かりやすいため、容易に大きく開口することができ、易開封性に優れている。
また、袋体のフィルムは誘導部にガイドされるように引き裂かれるので、袋体のフィルムを直線的に引き裂くことができ、引裂性に優れている。
また、このカットテープを袋体に取り付ける際には、1本の帯状のカットテープを袋体を形成する2枚のフィルムの間に挟んでシールするだけでよいので、一般の製袋機で簡単に取り付けることができる。
このような構成であれば、第一の基部の積層部と第二の基部の積層部との間に露出部が形成され、この露出部は誘導部によって被覆されている状態となる。そして、このカットテープが取り付けられた包装袋を開封したとき、誘導部と第一の基部および第二の基部との間で剥離するので、露出部が開口部となる。
このように、第一の基部と第二の基部の間に露出部が形成されるので、露出部を形成する手間を省くことができる。そして、確実に露出部を形成することができるので、開封したときに確実に開口部が露出し、易開封性に優れる。
また、カットテープは、第一の基部、第二の基部、および誘導部からなる非常に簡単な構成となっているので、共押出成形法などにより簡単に製造することができる。
また、凸部の形状は、断面略台形であることがより好ましい。特に、凸部の斜面を誘導部側に設けることにより、誘導部の融着面と凸部の融着面との距離を十分に保つことができ、カットテープを袋体に取り付けたときに誘導部と凸部とが一体化しない。したがって、高品質の製品を提供することができる。
したがって、誘導部の表面上露出部を形成することにより、易開封性に優れたカットテープを提供することができる。
このように、誘導部と凸部との間に0.1mm以上前記誘導部の幅未満の隙間を設けることにより、易引裂性と高効率性を実現することができる。
この発明は、前述のカットテープを備えた包装袋であるので、前述と同様の作用効果を奏するカットテープ付き包装袋を提供することができる。
この発明によれば、チェックテープ付きの包装袋にも、前述のカットテープを取り付けることができる。したがって、再封可能なチェックテープの機能と、前述のカットテープの作用効果を奏するカットテープ付き包装袋を提供することができる。
<カットテープ付き包装袋の構成>
図1は、本発明の一実施形態のカットテープ付き包装袋の正面図、図2は、図1のII−II断面図である。
図1に示すように、本実施形態のカットテープ付き包装袋100は、包材となる基材フィルム111を重ね合わせて、その周縁にサイドシール部112およびトップシール部113を形成することによって形成される袋体110を備え、袋体110の一方の内面にはカットテープ120が取り付けられている。また、基材フィルム111のカットテープ120の両端の位置には切込部115が形成され、カットテープ120の誘導部121の端部1211を把持できるようになっている。
袋体110を形成する包材である基材フィルム111としては、基材層1112にシーラント層1111を積層した構成の積層フィルムを使用することが好ましいが、要求される性能に応じて、基材層1112とシーラント層1111との間に、中間層として図示しないガスバリアー層、遮光層、強度向上層などを積層した構成の積層フィルム層を使用してもよい。
中間層をガスバリアー層とする場合、中間層には、エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物(EVOH)、ポリ塩化ビニリデン(PVDC)、ポリアクリロニトリル(PAN)などのフィルムのほか、アルミニウム箔、或いは、シリカ、アルミナ、アルミニウムなどの蒸着層やPVDCの塗膜層を使用することができる。
これらのうち、アルミニウム箔とアルミニウム蒸着層は、不透明であるため遮光層を兼ねることもできる。
基材層1112と中間層のフィルムの積層には、公知のドライラミネーション法または押し出しラミネーション法(サンドイッチラミネーション法)を用いることができる。
なお、シーラント層1111の積層は、上記の樹脂をフィルム状に製膜し、ドライラミネーション法または押出ラミネーション法で積層してもよく、また、前記の樹脂を押し出しコートして積層し、基材フィルム111を得ることができる。
誘導部121は、長尺状に形成され、シール層124を介してシーラント層1111に融着されている。なお、誘導部121は、シーラント層1111に融着される側を融着面121A、融着面121Aと対向する面を対向面121Bとする。
第二の基部123は、第一の基部122と略同じ形状をしており、誘導部121の対向面121Bに積層される積層部1231と、シーラント層1111に融着される本体部1232と、を有している。積層部1231は対向面121Bに融着され、本体部1232はシーラント層1111側に突出し、誘導部121側に斜面を有する断面略台形状の凸部1233が形成されている。
積層部1221および1231の厚みは特に限定されないが、カットテープ120を袋体110に融着させる際のシール性を考慮して、例えば、50μm以上300μm以下の範囲とする。
第一の基部122および第二の基部123は、誘導部121の対向面121B上で互いの積層部1221および1231が対向する位置に配置される。これにより、積層部1221および1231との間には、誘導部121が露出した露出部1212が形成される。
距離Aは、誘導部121と凸部1223とが接触しない程度の距離を設ける必要があり、例えば、0.1mm以上誘導部121の幅未満とする。距離Aが、0.1mm未満であると、カットテープ120を袋体110に取り付ける際、シールすることで凸部1223と誘導部121とが一体化するおそれがある。なお、本実施形態のように、凸部1223を断面略台形状としていることにより、シール位置が多少ずれたとしても、距離Aは、凸部1223の斜面1223Bにより形成される距離A´を保つことができる。
幅Bおよび幅Cの長さは特に限定されない。包装袋のデザインや、用途に応じて適宜調整すればよい。
距離Dは露出部1212の幅であり、0.1mm以上誘導部121の幅未満である。なお、距離Dは、第一の基部122の積層部1221および第二の基部123の積層部1231が誘導部121の対向面121Bに接着できる程度の幅に形成されることが好ましい。
なお、誘導部121にシール層124が積層されていない場合は、凸部1223および1233の基部融着面1223Aおよび1233Aが、誘導部121の融着面121Aと同一面内となる厚みにする。
具体的には、低密度ポリエチレン(LDPE)/ランダムポリプロピレン(RPP)、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)/RPP(一部、m−LLも含む)、LDPE/ホモポリプロピレン(HPP)、LLDPE/HPP(一部、m−LLも含む)、LDPE/ポリスチレン(PS)、LLDPE/PS(m−LLも含む)、RPP/PS、HPP/PS、LDPE/ポリエチレンテレフタレート(PET)、LLDPE/PET、RPP/PET、HPP/PET、PS/PET、LDPE/ナイロン(Ny)、LLDPE/Ny、RPP/Ny、HPP/Ny、PS/Nyなどが挙げられる。これらの樹脂は、誘導部121と第一の基部122および第二の基部123のどちらに用いてもよいが、誘導部121がシーラント層1111およびシール層124と相溶性の高い樹脂となるように選択される。
まず、上述の構成のカットテープ120を製造する。カットテープ120は、誘導部121と第一の基部122と第二の基部123とを、共押出成形法により一体化して得ることができる。
そして、前述の基材フィルム111とカットテープ120とから、一般的に用いられている三方シール製袋機等を用いてカットテープ付き包装袋100を製造する。
三方シール製袋機は、包材送出部から送り出された一対の基材フィルム111の間に、テープ送出部から送り出されたカットテープ120を位置させて、カットテープ120と基材フィルム111を融着させる。このとき、カットテープ120は、第一の基部122の基部融着面1223Aと、第二の基部123の基部融着面1233Aと、誘導部121の融着面121Aと、を同時に融着する。そして、基材フィルム111を搬送し、この搬送方向に対して所定間隔で基材フィルム111を融着および溶断してカットテープ付き包装袋100を形成する。
次に、図1、図4および図5を用いて本実施形態のカットテープ付き包装袋100を開封する状態を説明する。
図1に示すように、カットテープ120の誘導部121の両方の端部1211の基材フィルム111には、誘導部121を挟むように切込部115がそれぞれ2本ずつ形成されている。
(1)誘導部121と、第一の基部122および第二の基部123と、に非相溶性の樹脂を用いたので、袋体110に取り付けられたカットテープ120の誘導部121の端部1211と誘導部121と重なっている基材フィルム111を把持して引っ張ると、誘導部121と第一の基部122、および誘導部121と第二の基部123との間で簡単に剥離することができる。すなわち、引裂抵抗なく開封することができる。
また、基材フィルム111は、誘導部121にガイドされた状態で引き裂かれるので、袋体110を誘導部121に沿って直線的に引き裂くことができる。
特に、凸部1223および1233は断面略台形状に形成されているので、シール位置がずれたとしても、距離A´を確保することができる。したがって、易開封性を備えたカットテープ付き包装袋を確実に製造することができ、不良品を少なくすることができる。
例えば、前記実施形態において、袋体110の内面にカットテープ120のみを取り付けたが、図6(A)に示すように、包装袋200は、カットテープ220よりも内容物側の袋体210の内面にチャックテープ230を取り付けてもよい。
この場合、前述と同様の手順でカットテープ220誘導部221と誘導部221に融着している基材フィルム211とを同時に把持し、袋体210から離れる方向に引き裂いて開封する(図6(B)参照)。開封後は、チャックテープ230の雄部材231と雌部材232との咬合を外してさらに開封する(図6(C)参照)。再封する場合は、雄部材231と雌部材232とを再び咬合させればよい。
土台樹脂に密度が926kg/m3、MFRが1.5g/10minの低密度ポリエチレン、引裂き誘導片に密度が900kg/m3、MFRが7.0g/10minのランダムポリプロピレン、引裂き誘導片に積層したシール層に密度が900kg/m3、MFRが4g/10minの直鎖状低密度ポリエチレンを用いて、共押出によりカットテープを得た。カットテープの寸法は、図3において、A=1mm、B=3.5mm(厚み350μm)、C=1.5mm(厚み600μm)である。
このカットテープと二軸延伸ナイロンフィルム(厚み15μm)と直鎖状低密度ポリエチレンフィルム(厚み50μm)をドライラミネートしたフィルムを一般的に使用されているチャックテープ付き三方製袋機で製袋しチャックテープ付き包装袋を得た。なお、チャックテープ付き包装袋の周縁をヒートシールした後、カットテープの両端に切り込みを形成した。
カットテープの寸法が異なる以外は、実施例1と同様にしてカットテープを得た。
カットテープの寸法は、図3において、A=3.5mm、B=3.5mm(厚み350μm)、C=1.5mm(厚み600μm)である。
そして、実施例1と同様にしてチャックテープ付き包装袋を得た。
特開平10−59384号公報に記載された補強糸と延伸処理したポリエチレン製モノフィラメントとを用い、誘導テープにポリエチレンを用いて同公報実施例1の袋を得た。
実施例1、2および比較例1で得られた包装袋を開封し、引裂抵抗、引裂性について評価した。評価内容は以下の通りである。
○:抵抗がなく切れやすい
△:抵抗があるが切れる
×:抵抗があり切れない
○:直線的に引裂可能で開封しやすい
△:直線的に引裂可能であるが、カット部分が波打つ
×:直線的に引裂けないため開封しにくい
一方、実施例3では、誘導テープを引っ張っても包装袋が切れず、かろうじて切れたとしても、直線的に引裂くことができなかった。
110 袋体
111 基材フィルム
112 サイドシール部
113 トップシール部
114 開口部
120 カットテープ
121 誘導部
122 第一の基部
123 第二の基部
124 シール層
Claims (8)
- 包装袋の袋体内面に取り付けられるカットテープであって、
前記袋体の一方の内面に帯状に融着される誘導部と、
前記誘導部の前記袋体の一方の内面側の面とは対向する面に積層され、前記誘導部の一部が露出する露出部を有する積層部、および、前記積層部に連続して設けられ、前記袋体内面に融着される本体部を有する基部と、を備え、
前記誘導部および前記基部を構成する樹脂は互いに非相溶性の樹脂で形成される
ことを特徴とするカットテープ。 - 請求項1に記載のカットテープにおいて、
前記基部は、前記誘導部を介して設けられた第一の基部と第二の基部とからなり、
前記第一の基部および前記第二の基部のそれぞれが、前記積層部と前記本体部とを有し、
前記第一の基部の前記積層部と前記第二の基部の前記積層部とが互いに対向して配置され、
前記露出部が前記第一の基部の前記積層部と前記第二の基部の前記積層部との間に形成されている
ことを特徴とするカットテープ。 - 請求項1または請求項2に記載のカットテープにおいて、
前記本体部は、前記袋体の一方の内面側に突出する断面略矩形状の凸部を有している
ことを特徴とするカットテープ。 - 請求項1から請求項3のいずれかに記載のカットテープにおいて、
前記露出部の前記誘導部の長手方向と直行する方向の幅は0.1mm以上前記誘導部の幅未満である
ことを特徴とするカットテープ。 - 請求項3に記載のカットテープにおいて、
前記誘導部と前記凸部との距離は、0.1mm以上前記誘導部の幅未満である
ことを特徴とするカットテープ。 - 請求項1から請求項5のいずれかに記載のカットテープにおいて、
前記誘導部の前記袋体の一方の内面側の面に、シール層が積層された
ことを特徴とするカットテープ。 - 請求項1から請求項6のいずれかに記載のカットテープが取り付けられた
ことを特徴とするカットテープ付き包装袋。 - 請求項7に記載のカットテープ付き包装袋において、
前記カットテープよりも内容物側の前記袋体内面にチャックテープが取り付けられた
ことを特徴とするカットテープ付き包装袋。
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