JP2723176B2 - LiFeO2粉末の製造方法及びその粉末からなる耐熱性黄色系顔料 - Google Patents

LiFeO2粉末の製造方法及びその粉末からなる耐熱性黄色系顔料

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JP2723176B2 JP7053188A JP5318895A JP2723176B2 JP 2723176 B2 JP2723176 B2 JP 2723176B2 JP 7053188 A JP7053188 A JP 7053188A JP 5318895 A JP5318895 A JP 5318895A JP 2723176 B2 JP2723176 B2 JP 2723176B2
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    • C04BLIME, MAGNESIA; SLAG; CEMENTS; COMPOSITIONS THEREOF, e.g. MORTARS, CONCRETE OR LIKE BUILDING MATERIALS; ARTIFICIAL STONE; CERAMICS; REFRACTORIES; TREATMENT OF NATURAL STONE
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    • H01ELECTRIC ELEMENTS
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    • H01F1/00Magnets or magnetic bodies characterised by the magnetic materials therefor; Selection of materials for their magnetic properties
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、LiFeO粉末の製
造方法及びその粉末からなる耐熱性黄色系顔料に関す
る。
【0002】
【従来技術とその課題】従来より黄色顔料としては、お
もに黄鉛(PbCrO)、カドミウム黄(CdS)、
黄色酸化鉄(α−FeOOH)等が用いられている。
【0003】しかしながら、黄鉛及びカドミウム黄は有
毒であるばかりでなく、耐熱性に欠けており、黄鉛では
120℃、カドミウム黄では250℃を超えるとそれぞ
れ変色してしまうため、例えば熱可塑性樹脂等の着色等
に用いることができない場合がある。このように、耐熱
性に優れた黄色顔料は、未だ開発されていないというの
が現状である。
【0004】一方、LiFeO粉末は、従来ではα−
FeとLiCOを出発原料として、約900
℃の高温で焼成することによって製造されている。しか
しながら、上記従来法では、得られるLiFeO粉末
の粒径が不均一であり、粒径の揃った微粉末を得ること
ができないため、上記粉末を種々の用途において利用す
ることが困難である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明は、形
状・粒径が比較的揃ったLiFeO粉末を提供するこ
とを主な目的とする。さらに、本発明の他の目的は、耐
熱性に優れた黄色系顔料を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記従来技
術の問題に鑑みて鋭意研究を重ねた結果、鉄化合物をL
iOH水溶液中で水熱合成して得た粉末を一定温度で熱
処理する場合には、粒径の揃ったLiFeO粉末が得
られることを見出し、さらにこの粉末が耐熱性に優れた
黄色系顔料として有用であることをも見出し、本発明を
完成するに至った。
【0007】すなわち、本発明は、下記のLiFeO
粉末の製造方法及びその粉末からなる耐熱性黄色系顔料
に係るものである。 1.鉄の水酸化物及び塩類から選ばれた少なくとも1種
の鉄化合物をLiOH水溶液中で水熱処理して得た粉末
を、500℃を超えない温度で熱処理することを特徴と
するLiFeO粉末の製造方法。 2.上記方法により得られ、かつ、実質的にLiFeO
粉末からなる耐熱性黄色系顔料。
【0008】以下、本発明について詳細に説明する。本
発明の製造方法における出発物質として、鉄化合物及び
水酸化リチウム(LiOH)を用いる。鉄化合物として
は、鉄の水酸化物及び塩類の少なくとも1種の鉄化合物
を用いることができる。これら鉄化合物の中でも、水酸
化酸化鉄、塩化鉄、硝酸鉄、硫酸鉄及びこれらの水和物
の少なくとも1種が好ましく、さらにはFeOOH、F
eCl・6HO、Fe(NO・9HO及び
Fe(SO・nHOの少なくとも1種を用い
ることがより望ましい。
【0009】なお、本発明においてFe(SO
・nHO、FeCl・nHO、Fe(NO
・nHO等は、無水塩及びすべての含水塩を包含す
る。他方、水酸化リチウムとしては、一水塩又は無水塩
のいずれを用いても良い。また、本発明では、特に出発
物質の種類を変えることによって、図1に示すように得
られるLiFeO粉末の粒径を制御することもでき
る。
【0010】まず、上記鉄化合物をLiOH水溶液中で
水熱処理を行う。水熱処理の方法は、特に制限されず、
例えば鉄化合物を水に溶解又は分散させ、これに水酸化
リチウムを添加して混合液とし、この混合液を加熱処理
することにより実施できる。
【0011】この場合の水熱処理の条件は、用いる出発
物質等によって異なるが、一般には130〜350℃程
度、好ましくは130〜220℃の温度で5〜30時間
程度とすれば良い。なお、加熱方法は、公知の水熱処理
で採用されている方法が適用でき、例えばオートクレー
ブ等を用いて行えば良い。
【0012】鉄化合物と水酸化リチウムとの割合は、目
的とするLiFeOの種類、出発原料の種類に応じて
適宜選択することができる。LiFeOを製造する場
合には、Li/Feモル比を通常20以上とすれば良
い。但し、用いる出発原料、反応条件等によっては、L
i/Feモル比がこれらの範囲外となっても良い。
【0013】より具体的には、例えば、FeOOHか
らLiFeOを製造する場合にはLi/Feモル比を
30以上、水熱処理温度130〜220℃、硝酸塩F
e(NO・9HOからLiFeOを製造する
場合にはLi/Feモル比を20以上、水熱処理温度2
20℃とすればそれぞれ実質的に単相として得ることが
できる。このように、出発原料、水熱処理条件等を適宜
設定することにより、所望の組成、結晶相等をもつLi
FeOを得ることができる。なお、本発明の製造方法
において、その製造条件等によってはヘマタイト(α−
Fe)が生成するが、これも工業的に有用であ
る。
【0014】以上のようにして得られる反応生成物を、
常法に従って蒸留水等で洗浄した後、濾過し、乾燥(通
常は100℃以下)すれば、本発明に係るLiFeO
がα−LiFeO、β−LiFeO等として得られ
る。
【0015】さらに、上記で得られたLiFeOを熱
処理することによって、異なる結晶相をもつLiFeO
が得られる。例えば、図2に示すように、α−又はβ
−LiFeOを500℃を超えない温度で熱処理すれ
ば、異なる結晶相のLiFeOがγ−LiFeO
面心正方晶LiFeO、面心斜方晶LiFeO等と
して得ることができる。上記熱処理によって得られるγ
−LiFeO、面心正方晶LiFeO、面心斜方晶
LiFeO等は耐熱性黄色系顔料として有用である。
このように、出発物質、熱処理の条件等を適宜変更する
ことによって、所望の結晶相に制御することができる。
【0016】
【発明の効果】本発明の製造方法によれば、鉄化合物を
水酸化リチウム水溶液中で水熱処理するので、高温焼成
することなく、比較的低温で形状・粒径の揃ったLiF
eO粉末を合成することができる。また、本発明の製
造方法により得られるLiFeO粉末は、形状・粒径
が比較的揃っているので、顔料等として有効に利用する
ことができる。特に、本発明方法によって得られるLi
FeO粉末は、耐熱性に優れた黄色系顔料として有用
である。
【0017】
【実施例】以下、実施例および比較例を示し、本発明の
特徴とするところをより明確にする。なお、実施例にお
いて得られた試料の結晶相は、X線回折分析によって確
認した。
【0018】実施例1 γ−LiFeO粉末を調製した。まず、FeOOH約
1gをポリテトラフルオロエチレン製ビーカーに入れ、
そこに蒸留水100mlを入れた。さらに、LiOH・
OをLi/Feモル比が30より大となるように加
えて混合した。この混合物をオートクレーブ中に静置し
て、220℃で5時間水熱処理を行った。反応生成物を
蒸留水で数回洗浄し、濾過した後、100℃で乾燥して
過剰のLiOHを除去して、α−LiFeOを得た。
このα−LiFeOは赤褐色であった。
【0019】次いで、上記のα−LiFeOを大気中
480℃で192時間焼成することによって、γ−Li
FeO粉末を得た。γ−LiFeO粉末は、黄味の
強い黄褐色を呈していた。なお、上記α−LiFeO
を大気中400℃で54時間焼成することによって、面
心斜方晶LiFeO粉末が得られた。
【0020】実施例2 面心正方晶LiFeO粉末を調製した。まず、Fe
(NO約4.6gを蒸留水100mlに溶解させ
た。次いで、得られた溶液を、Li/Feモル比が20
以上となるようにLiOH・HOを入れたポリテトラ
フルオロエチレン製ビーカーに注いで混合した。
【0021】この混合物をオートクレーブ中に静置し
て、220℃で5時間水熱処理を行った。反応生成物を
蒸留水で数回洗浄し、濾過した後、100℃で乾燥して
過剰のLiOHを除去して、β−LiFeOが混在す
るα−LiFeOを得た。なお、β−LiFeO
黄褐色を呈していた。
【0022】次いで、この試料を大気中330〜350
℃の範囲で48〜96時間焼成することによって面心正
方晶LiFeO粉末を得た。
【0023】試験例1 実施例で得られたα−LiFeO、γ−LiFeO
及び面心正方晶LiFeO粉末について、三刺激値に
より測色を行った。その結果を表1に示す。なお、比較
のため、α−Fe及びFeOOHの測色結果も併
記する。
【0024】
【表1】 この結果から、本発明に係るLiFeO粉末(特にγ
−LiFeO及び面心正方晶LiFeO粉末)は、
耐熱性(約480℃)に優れた黄色系顔料として好適に
利用できることがわかる。
【0025】試験例2 出発原料である(a)FeOOH−LiOH・H
系、及び(b)Fe(NO・9HO−LiOH
系によってそれぞれ得られる生成相における、水熱処理
条件とLiOH含量による影響を調べた。その結果を表
2に示す。
【0026】
【表2】 表2の結果より、同じ処理温度であれば、Li/Feモ
ル比が高いほど、LiFeOが生成しやすいことがわ
かる。
【0027】試験例3 本発明の製造方法により得られた各リチウムフェライト
粉末及びヘマタイト粉末を透過型電子顕微鏡(TEM)
で観察した。その結果を図1に示す。図1によれば、硝
酸塩から得られた(a)α−Fe、(b)β−L
iFe、(d)α−LiFeO(β−LiFe
が混在)は、いずれも粒径150nm以下の微粒子
から構成されており、各相の粒子の形状も比較的均一で
あることがわかる。また、FeOOHから調製した
(c)α−LiFeO粉末は、100〜1500nm
の立方体状の粒子から構成されており、比較的均質な微
粉末であることがわかる。
【0028】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の製造方法により得られた各リチウムフ
ェライト粉末及びヘマタイト粉末のTEM像である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平1−119520(JP,A) SOLID STATE IONIC S,79(1995),P.220−226

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】鉄の水酸化物及び塩類から選ばれた少なく
    とも1種の鉄化合物をLiOH水溶液中で水熱処理して
    得た粉末を、500℃を超えない温度で熱処理すること
    を特徴とするLiFeO粉末の製造方法。
  2. 【請求項2】鉄化合物とLiOH水溶液との配合比をL
    i/Feモル比で20以上となるようにする請求項1記
    載のLiFeO粉末の製造方法。
  3. 【請求項3】鉄化合物が、水酸化酸化鉄、塩化鉄、硝酸
    鉄、硫酸鉄及びこれらの水和物の少なくとも1種である
    請求項1又は2に記載のLiFeO粉末の製造方法。
  4. 【請求項4】水熱処理温度が130〜350℃である請
    求項1又は2に記載のLiFeO粉末の製造方法。
  5. 【請求項5】鉄化合物の種類を変えることによりLiF
    eO粉末の粒径を制御する請求項1乃至4のいずれか
    に記載の製造方法。
  6. 【請求項6】請求項1乃至5のいずれかに記載の方法に
    より得られ、かつ、実質的にLiFeO粉末からなる
    耐熱性黄色系顔料。
JP7053188A 1995-02-17 1995-02-17 LiFeO2粉末の製造方法及びその粉末からなる耐熱性黄色系顔料 Expired - Lifetime JP2723176B2 (ja)

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CN105236494A (zh) * 2015-10-19 2016-01-13 天津大学 以青海盐湖卤水为原料一步合成α-LiFeO2纳米粒子的方法
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