JP2720090B2 - コンクリート構造物斫り用ノズルヘッド - Google Patents

コンクリート構造物斫り用ノズルヘッド

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JP2720090B2
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祐輔 松下
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この発明は、コンクリート構造物におけるコンクリー
ト部分を超高圧水の噴射により斫る場合に使用するノズ
ルヘッドに関するものである。
〔従来の技術〕
従来、コンクリート構造物を斫るのに使用するノズル
ヘッドとしては、特開平1−190891号公報により公表さ
れているように、(1)超高圧水供給用中空回転軸に連
結されたノズルヘッド本体に、そのノズルヘッド本体の
回転中心延長線から等距離において、コンクリート面に
直角な方向に超高圧水を噴射する複数のノズルを取付け
たノズルヘッド、(2)超高圧水供給用中空回転軸に連
結されたノズルヘッド本体に、そのノズルヘッド本体の
回転中心延長線から等距離において、コンクリート面に
向かって相互に接近するように斜めに超高圧水を噴射す
る複数のノズルを取付けたノズルヘッドが知られてい
る。
〔発明が解決しようとする課題〕 前記(1)のノズルヘッドの場合は、超高圧水をコン
クリート面に対して垂直に噴射するので、超高圧水によ
り鉄筋の裏側のコンクリートを斫ることができず、かつ
鉄筋の裏側の錆び落としを行なうこともできない。
また超高圧水を任意の巾に拡げた状態でコンクリート
面に対し直角に噴射して、広い面積にわたってコンクリ
ートを斫る場合は、斫り残し部分をなくするために、コ
ンクリート面に対する超高圧水の吹付部分をオーバーラ
ップさせて斫る必要があり、そのオーバーラップ面積の
大小が斫り作業能率に影響を与える。
さらにオーバーラップした部分の斫り深さは、目標斫
り深さよりも過大となり、そのため斫り後の壁面に大き
な凹凸が生じる。
超高圧水の噴射による斫り能力(単位時間当りの斫り
面積と斫り深さとの積)は、超高圧水の吐出圧力(kg/c
m2)および吐出流量(/min)を一定としたとき、ノズ
ル移動速度と超高圧水の噴射巾とによって決定される
が、従来は、超高圧水の噴射巾を一定にして、ノズルの
移動速度(単位時間当りノズルが移動した時に斫れた深
さ)により調整を行なっている。
また前記(2)のノズルヘッドの場合は、斫り予定部
分の極く近くに障害物があると、ノズルヘッドがその障
害物に突き当たるので、斫り予定部分を完全に斫ること
はできないという問題がある。
さらにまた、前記(1)(2)のノルズヘッドの場合
は、複数のノズルの間隔を変更する必要が生じたとき、
ノズル本体全体が交換しなければならないので、不経済
である。
また吐出圧力および吐出流量を一定にして、任意の面
積を斫る場合の斫り能力は、超高圧水の吹付巾を一定に
して、所定斫り深さが得られるノズルヘッド移動速度に
よって決定されているが、超高圧水の吹付巾とノズルヘ
ッド移動速度との関係は、必ずしも一定でないので、効
率的な斫りを行なうことはできない。
この発明は、前記従来のノズルヘッドの問題点を有利
に解決できるコンクリート構造物斫り用ノズルヘッドを
提供することを目的とするものである。
〔課題を解決するための手段〕
前記目的を達成するために、この発明のコンクリート
構造物斫り用ノズルヘッドにおいては、超高圧水供給孔
を有する回転軸1の前端部に連結された分岐支持部材2
に、前記回転軸1内に接続されたV形の分岐送水孔3が
設けられ、送水孔4を有する複数本の送水連結部材5が
前方に向かって拡開する傾斜状態で配置され、各送水連
結部材5の後端部から前記分岐支持部材2の前端部に螺
合連結されると共に、前記送水連結部材5の送水孔4が
前記分岐支持部材2の分岐送水孔3に接続され、各送水
連結部材5の前端部に、ノズル6を嵌合したノズル保持
用キャップ7が螺合されている。
〔実施例〕 次にこの発明を図示の例によって説明する。
図面はこの発明の実施例に係るコンクリート構造物斫
り用ノズルヘッドおよびその使用例を示すものであっ
て、超高圧水供給孔を有する回転軸1の前端部にY字状
の分岐支持部材2の基端部が螺合連結され、その分岐支
持部材2の分岐腕8の先端部に分岐腕延長方向に突出す
る雄ねじ筒9が一体に設けられ、かつ前記分岐支持部材
2には回転軸1内に接続されたV形の分岐送水孔3が設
けられ、送水孔4を有する複数本の送水連結部材5が後
方から前方に向かって拡開する傾斜状態で配置され、前
記各送水連結部材5の後端部に設けられた雌ねじ部は前
記分岐支持部材2における雄ねじ筒9に螺合連結されて
いる。
前部中央に通水孔10を有するノズル保持用キャップ7
内にノズル6が嵌入され、そのキャップ7の後部に設け
られた雌ねじ部は、前記送水連結部材5の前部に設けら
れた雄ねじ部に螺合され、かつ送水連結部材5の前端面
とノズル6の後端面との間にシールリング11が介在さ
れ、前記分岐支持部材2と複数の送水連結部材5とによ
りノズルヘッド本体12が構成され、そのノズルヘッド本
体12とキャップ7により各送水連結部材5に取付けられ
たノズル6とによりノズルヘッドが構成され、前記各ノ
ズル6は、ノズルヘッド本体12の回転中心線13に直角な
直線上において、その回転中心線13から等距離に配置さ
れている。
前記回転軸1はケーシング14に挿通されて軸受15によ
り支承され、かつ減速機付き電動機からなる回転用駆動
装置16の回転軸に、前記回転軸1の後端部からカップリ
ング17を介して連結され、さらに回転軸1の中間部とケ
ーシング14の孔との間に、スイベルリング18が嵌入さ
れ、そのスイベルリング18の内側に環状溝21が設けら
れ、また前記ケーシング14に超高圧水供給用ホース19を
接続した通水孔20が設けられている。さらにまた前記ス
イベルリング18にその内側の環状溝21と通水孔20とを連
通させる通水孔が設けられ、かつ回転軸1には、環状溝
21を分岐支持部材2の分岐送水孔3に接続する超高圧水
供給孔22が設けられている。
前述のように構成された斫り装置は、台車23に設けら
れた昇降支持装置(図示を省略した)により昇降自在に
支持され、超高圧水例えば研磨材混入超高圧水を供給す
る超高圧水発生装置24に前記ホース19が接続され、その
超高圧水発生装置24により発生した研磨材混入超高圧水
通の超高圧水が、ホース19,超高圧水供給孔22,分岐送水
孔3および送水孔4を通って、複数のノズル6から前方
に向かって拡開するように噴射され、かつノズルヘッド
は回転用駆動装置16により回転されながら、台車23によ
り前進移動され、また所定の位置まで前進移動されたの
ち、斫り装置が上昇移動または下降移動され、次いで前
記台車23が後退移動され、以下この動作が反復して行な
われる。
超高圧水の吹付巾Dを調整する場合は、長さLが異な
る送水連結部材5と交換する。
前記台車23は走行用駆動装置を備えていてもよく、ま
た斫り装置を昇降移動可能に支持する昇降支持装置とし
ては、斫り装置のケーシング14に設けた雌ねじ部材に、
昇降用駆動装置により回転される縦螺杆を螺合し、昇降
用駆動装置により回転される縦螺杆を螺合し、かつ台車
23に固定した垂直ガイドレールに、前記ケーシング14に
設けたガイド部材を摺動自在に嵌合した構造のものを採
用してもよい。
〔発明の効果〕
この発明は前述のように構成されているので、以下に
記載するような効果を奏する。
従来のコンクリート構造物斫り用ノズルヘッドの場合
は、複数のノズルの間隔を変えてコンクリートの斫り巾
を変える必要が生じたとき、ノズルヘッド本体を交換す
る必要があるが、この発明のコンクリート構造物斫り用
ノズルヘッドの場合は、送水連結部材5を異なる長さも
のと交換するだけで、2つのノズル6の間隔を変えて超
高圧水の吹付間隔を変更できるので経済的であり、さら
に各ノズルから超高圧水がコンクリート面に向かって斜
めにかつ相互に離反する方向に噴射されるので、斫り予
定部分の極く近に障害物があっても、その障害物にノズ
ルヘッドを衝突させることなく、その障害物の極く近く
まで容易に斫ることができ、しかも鉄筋25がある場合
は、その鉄筋25の裏側のコンクリートをも容易に斫るこ
とができると共に、鉄筋25の裏側の錆びをも落とすこと
ができる。
また超高圧水をコンクリート面に垂直に噴射して任意
の面積を斫る場合は、斫り残しをなくするために、ノズ
ルからの超高圧水の噴射位置を5〜10mm程度オーバーラ
ップさせる必要があるが、この発明のノズルヘッドの場
合は、複数のノズル6から超高圧水がコンクリート面に
向かって斜めにかつ相互に離反する方向に噴射されるの
で、既に斫った個所をラップさせながら斫る必要がない
ので、ロスをなくすることができる。さらにまた、送水
連結部材5を長さの異なるものに交換するだけで、複数
のノズル6による超高圧水の吹付間隔を、所定の斫り深
さが得られるノズルヘッドの移動速度に適合する間隔に
容易に調整できるので、効率的に斫りを行なうことがで
きる。
【図面の簡単な説明】
図面はこの発明の実施例を示すものであって、第1図は
コンクリート構造物斫り用ノズルヘッドを有する斫り装
置の縦断側面図、第2図は第1図におけるノズルヘッド
とコンクリート構造物斫り部分とを拡大して示す縦断側
面図、第3図は前記斫り装置を車両に搭載した状態を示
す側面図である。 図において、1は超高圧水供給孔を有する回転軸、2は
分岐支持部材、3は分岐送水孔、4は送水孔、5は送水
連結部材、6はノズル、7はノズル保持用キャップ、8
は分岐腕、9は雄ねじ筒、12はノズルヘッド本体、14は
ケーシング、16は回転用駆動装置、18はスイベルリン
グ、19は超高圧水供給用ホース、22は超高圧水供給孔、
24は超高圧水発生装置である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平1−190891(JP,A) 特開 昭63−176569(JP,A) 特開 平2−292459(JP,A) 特開 昭64−48970(JP,A) 特開 昭61−21271(JP,A)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】超高圧水供給孔を有する回転軸1の前端部
    に連結された分岐支持部材2に、前記回転軸1内に接続
    されたV形の分岐送水孔3が設けられ、送水孔4を有す
    る複数本の送水連結部材5が前方に向かって拡開する傾
    斜状態で配置され、各送水連結部材5の後端部が前記分
    岐支持部材2の前端部に螺合連結されると共に、前記送
    水連結部材5の送水孔4が前記分岐支持部材2の分岐送
    水孔3に接続され、各送水連結部材5の前端部に、ノズ
    ル6を嵌合したノズル保持用キャップ7が螺合されてい
    るコンクリート構造物斫り用ノズルヘッド。
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