JP2004291421A - はつり装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】1台のウォータージェット噴射装置を用いて排水路等の内壁を効率よくはつることのできる壁面はつり装置を提供する。
【解決手段】壁面はつり装置1を、高圧の流体を噴射するウォータージェット噴射装置52を、昇降手段30のガイド部材31,31に沿って移動する水平移動手段40の横行ガイド41に取付けられた横行スライド部材42に搭載するとともに、上記昇降手段30を傾斜させる傾斜用シリンダ80と、走行手段10の基台11上に設置され、上記昇降手段30を旋回させる旋回台20とを備え、上記傾斜用シリンダ80と旋回台20とにより、ウォータージェット噴射装置52を搭載した上記ガイド部材31,31を傾斜させながら旋回できる構成とした。
【選択図】 図1
【解決手段】壁面はつり装置1を、高圧の流体を噴射するウォータージェット噴射装置52を、昇降手段30のガイド部材31,31に沿って移動する水平移動手段40の横行ガイド41に取付けられた横行スライド部材42に搭載するとともに、上記昇降手段30を傾斜させる傾斜用シリンダ80と、走行手段10の基台11上に設置され、上記昇降手段30を旋回させる旋回台20とを備え、上記傾斜用シリンダ80と旋回台20とにより、ウォータージェット噴射装置52を搭載した上記ガイド部材31,31を傾斜させながら旋回できる構成とした。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば、コンクリートダムの堤内仮排水路などの内壁表面の目あらし作業に用いられるはつり装置に関するもので、特に、断面形状の小さな排水路に用いられるはつり装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、コンクリートダムの堤内仮排水路や、火力発電所の導放水路などのような断面の小さな排水路の内壁のはつり作業を行う場合には、大型の重機類を使用することが困難であるため、作業員が上記排水路内に入って手作業もしくはジェットタガネ等の掻取装置を使用してはつり作業を行うのが一般的であった。しかしながら、排水路の断面が小さい場合には、はつり作業時に発生する粉塵を排出することが困難であるため、作業員は粉塵が蔓延する劣悪な環境で長時間作業しなければならなかった。
そこで、排水路内に小型のはつり装置を導入し、遠隔操作により上記はつり装置を制御してはつり作業を行う方法が提案されている。図10(a),(b)は、従来のはつり装置110の一構成例を示す図である。このはつり装置110は、排水路A内を走行する走行装置111の進行方向前部両側に一対のウォータージェット噴射装置112,112を、モータと送りネジとを組合わせた昇降装置113に取付けたもので、走行装置本体111a上に設置した駆動モータ114aと減速機114bとを備えた駆動装置114を介して上記走行装置111の車輪111bを駆動することにより上記はつり装置110を走行制御するものである(例えば、特許文献1参照)。
上記ウォータージェット噴射装置112,112は、排水路Aの外部に設置された高圧水発生装置115から可撓性送水管116を介して供給される高圧水を、旋回ヘッド112aに組込まれた複数の噴射ノズル112bから排水路Aの両側の内壁に同時に噴射するもので、走行装置111の走行に同期して上記ウォータージェット噴射装置112,112を上下動させることにより、上記高圧水による上記排水路Aの両側壁の洗浄や削り取り(はつり)を同時に行うことができる。なお、上記走行装置111の走行制御やウォータージェット噴射装置112,112の上下動の制御は、図外の操作盤により遠隔制御にて行う。
【0003】
【特許文献1】
実開平1−90822号公報(第5−9頁、第1図、第2図)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記はつり装置110では、排水路Aの両側の内壁に同時にはつるため、高価なウォータージェット噴射装置112を2台必要としているため、コストパフォーマンスが低いといった問題点があった。すなわち、ウォータージェット噴射装置112を1台とすると、排水路Aの両側の内壁をはつる場合には、例えば、左側の内壁をはつった後、はつり装置110を一旦排水路Aの外部へ戻して、ウォータージェット噴射装置112を昇降装置113の左側から右側に取付け直した後、右側の内壁をはつるようにしなければならないため、作業効率が悪くなる。また、上記はつり装置110では、排水路Aの内壁側面のみで、底面側ははつることができない構成であった。
【0005】
本発明は、従来の問題点に鑑みてなされたもので、1台のウォータージェット噴射装置を用いて排水路等の内壁を効率よくはつることのできるはつり装置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明の請求項1に記載のはつり装置は、高圧の流体を噴射するジェットノズルを備えたウォータージェット噴射装置と、このウォータージェット噴射装置を搭載しこれを上下方向に移動させる昇降手段と、上記昇降手段を傾斜させる傾斜手段と、走行手段を備えた基台上に設置され、上記昇降手段を水平面内で回転させる旋回手段とを備えたことを特徴とするものである。
請求項2に記載のはつり装置は、上記ウォータージェット噴射装置を水平方向に移動させる水平移動手段を設けたものである。
請求項3に記載のはつり装置は、上記ウォータージェット噴射装置の噴射面を回転させる噴射装置回転手段を設けたものである。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について、図面に基づき説明する。
図1は、本実施の形態に係るはつり装置1の構成を示す模式図で、同図では、図示しない排水路の一方の内壁側をはつる場合のセッティング状態を示す。同図において、10は基台11とこの基台11に取付けられた車輪12とを備え、基台11の底部に設置された図示しない駆動装置により上記車輪12を駆動して排水路内を走行する走行手段、20は上記基台11上に取付けられた旋回手段である旋回台、30は上下方向に延長する互いに並行な2本のガイド部材31と、昇降用モータ32及びこの昇降用モータ32のギヤボックス32aに結合された回転軸32bに取付けられたプーリ32cにそれぞれ連結され、上記ガイド部材31,31に沿って上下するスライド部材33,33とを備えた昇降手段、40は上記ガイド部材31,31に取付けられ、水平方向に延長する横行ガイド41と、上記横行ガイド41に沿って移動する横行スライド部材42と、上記横行ガイド41内に設けられた図示しないチェーンあるいはボールスクリュー等のスライド機構を駆動する水平移動用モータ43とを備えた水平移動手段、50は上記横行スライド部材42に取付けられた噴射装置回転手段51と、この噴射装置回転手段51に取付けられたウォータージェット噴射装置52とを備えたジェット水噴射手段である。
【0008】
上記ウォータージェット噴射装置52は、複数の高圧水噴出口52a(ここでは、2個)を有するノズルヘッド52bに、排水路の外部に設置された図示しない高圧水発生装置から高圧ホースを介して圧送される、例えば、100〜200MPa程度まで昇圧された高圧水を送るとともに、ヘッド回転用モータ52mにより上記ノズルヘッド52bを回転させて上記高圧水を上記高圧水噴出口52aから排水路の内壁表面のコンクリートに噴射し、その表面を数mm程度削り取ってコンクリート面を目あらしする。なお、各図において、図を簡明化するため、上記高圧ホースは省略した。
また、上記噴射装置回転手段51は、横行スライド部材42から突出し、上記横行スライド部材42に回転自在に取付けられた支持枠51aと、この支持枠51aの下部に取付けられたスライドジャッキ51bと、一端側が上記支持枠51aに回転自在に取付けられ、他端側が上記ウォータージェット噴射装置52のノズルヘッド52bを回転駆動する上記ヘッド回転用モータ52mを支持するモータ支持板52cに連結され、上記スライドジャッキ51bの伸縮により回転する腕部51c,51cと、上記支持枠51aを上記横行スライド部材42に対して回転させるための支持枠回転用モータ51nとを備えており、排水路の側面側をはつる場合には、図1に示すように、上記ウォータージェット噴射装置52の噴射面の向きが排水路の側面側を向くように、すなわち、上記腕部51c,51cの延長方向が鉛直方向を向くように上記スライドジャッキ51b及び支持枠回転用モータ51nを制御する。
【0009】
また、60は上記ガイド部材31,31の中央部よりもやや上部に取付けられ、上記ウォータージェット噴射装置52とは反対側に突出する水平板、61は上記水平板60と上記ガイド部材31,31間を連結する補強部材、70は一端側が上記旋回台20上に設けられたシリンダ装置72aに連結され、他端側が上記ガイド部材31,31の上記水平板60の下方側に上記ガイド部材31,31を橋絡するように取付けられた連結部材30cに回動自在に連結されたビーム状の可動片72bと、この可動片72bを案内するレール部材72cとを備えたスライド装置で、上記シリンダ装置72aを稼動して上記可動片72bを上記レール部材72cに沿ってスライドさせることにより上記昇降手段30と排水路の内壁側との距離を調節する。また、80は両端側が上記可動片72bと上記水平板60とにそれぞれ回転自在に取付けられた傾斜用シリンダで、後述するように、この傾斜用シリンダ80を伸縮させることにより、上記ガイド部材31,31を傾斜させる。
91A,91Bは上記水平板60上に設けられ、上記横行ガイド41の延長方向に並行に延長する2本の支持部材92,92の両端側にそれぞれ設けられ、排水路の側壁に対して垂直方向に突出する位置決め部材で、上記スライド装置70により上記ガイド部材31,31を排水路の内壁側に近づけた時に、上記位置決め部材91A,91Bの先端部に取付けられた位置決めゲージ91a,91bにより、上記ウォータージェット噴射装置52のジェット水噴射面の突出位置を規制する。また、93は上記基台11の側面から排水路の側壁に対して垂直方向に突出する走行ガイド用車輪で、はつり作業時には、上記走行ガイド用車輪93は引っ込めておくが、走行時には上記走行ガイド用車輪93を排水路の側壁方向に突出させて上記走行手段10の走行方向をガイドする。
【0010】
次に、図2に示すような、断面形状が矩形であるコンクリートダムの堤内仮排水路2の内壁の側面2a,2bの表面のコンクリートを、上記構成のはつり装置1を用いて1往復ではつり、次いで、底面2cと天井面2dの表面のコンクリートを次の1往復ではつる方法について、図3〜図7を参照して説明する。
まず、堤内仮排水路2内に、上記はつり装置1を、ウォータージェット噴射装置52のジェット水噴射面が上記堤内仮排水路2の内壁の側面2a側に対向するように設置する。このとき、昇降手段30により、ジェット水噴射手段50を最上部に位置させるとともに、水平移動手段40により、上記ジェット水噴射手段50を堤内仮排水路2の入口側に位置させ、更に、スライド装置70を駆動して上記ガイド部材31,31を堤内仮排水路2の内壁側に近づけ、位置決めゲージ91a,91bにより、上記ウォータージェット噴射装置52のジェット水噴射面の突出量を規制する。そして、図5に示すように、水平移動手段40によりジェット水噴射手段50を堤内仮排水路2の奥方向(同図の矢印の方向;進行方向)に水平移動させて上記側面2aの表面のコンクリートをはつった後、昇降手段30により、ジェット水噴射手段50を所定距離だけ降ろして、今度は上記ジェット水噴射手段50を堤内仮排水路2の入口方向に水平移動させて側面2aの表面のコンクリートをはつる。このような作業を繰り返すことにより、はつり装置1の停止位置にて、堤内仮排水路2の側面2aの、上記ウォータージェット噴射装置52の水平移動範囲の上部から下部までの広い面積をはつることができる。
次に、走行手段10により、上記はつり装置1を所定距離だけ前進させて停止させ、上記と同様の作業を行う。この一連の作業を繰り返すことにより、堤内仮排水路2の側面2a側のコンクリートのはつり作業が完了する。
これにより、ジェット水噴射手段50の上下動を走行手段10の走行に同期させることなく、広い面積をはつることができる。
なお、堤内仮排水路2の最奥側では、堤内仮排水路2の奥側の位置決め部材91Aが邪魔になるので、この場合には、上記位置決め部材91Aを水平板60側に水平移動させて、堤内仮排水路2の最奥側側面をはつるようにする。
【0011】
堤内仮排水路2の側面2a側のコンクリートのはつり作業が完了すると、他方の位置決め部材91Bについても水平板60側に水平移動させた後、傾斜手段である傾斜用シリンダ80により、ジェット水噴射手段50及び水平移動手段40を搭載した昇降手段30を傾斜させ、この状態で旋回台20を回転させて上記昇降手段30を他方の側面2b側に旋回させる。詳細には、図6に示すように、スライド装置70を駆動して上記ガイド部材31,31を堤内仮排水路2の側面2a側から所定量離した後、傾斜用シリンダ80の長さを縮小させる。上記傾斜用シリンダ80の両端側は水平板60と可動片72bとにそれぞれ回転自在に取付けられているので、傾斜用シリンダ80の長さを縮小させると、上記水平板60及びこの水平板60と一体となっている上記昇降手段30が上記可動片72b側、すなわち、基台11方向に傾斜する。そして、この状態で旋回台20を180度回転させた後、傾斜用シリンダ80を伸長させて元の長さに戻せば、上記ガイド部材31,31は鉛直方向に戻る。したがって、堤内仮排水路2の幅が狭い場合でも、ウォータージェット噴射装置52のジェット水噴射面を、上記はつりが完了した堤内仮排水路2の側面2a側とは反対側の側面2b側に対向する位置に容易に向けることができる。
なお、このとき、ジェット水噴射手段50はガイド部材31,31から突出しているので、ジェット水噴射手段50を上記ガイド部材31,31の下部に置いたままだと回転時に堤内仮排水路2の側面2aに接触する恐れがある。そこで、旋回動作時には、上記ジェット水噴射手段50をガイド部材31,31の中心付近、例えば、水平板60付近に移動しておく必要がある。
【0012】
はつり装置1の往復により、堤内仮排水路2の両側面2a,2bをはつり終えると、次に底面2cと天井面2dのはつり作業を行う。この場合には、予め旋回台20を90度回転させてガイド部材31,31を進行方向に向けておく。なお、堤内仮排水路2の両側面2a,2bをはつり終えた段階では、上記はつり装置1は堤内仮排水路2の入口側にあるので、これを堤内仮排水路2の外側まで誘導しておけば、傾斜用シリンダ80を用いなくても旋回動作を行うことができる。
底面2cのはつり作業を行う場合には、まず、図7(a)に示すように、スライドジャッキ51bを伸長させてウォータージェット噴射装置52を支持する腕部51c,51cを90度回転させ、ウォータージェット噴射装置52のジェット水噴射面を上向きになるようにした後、図7(b)に示すように、上記支持枠51a内に設けられた支持枠回転用モータ51nにより、上記支持枠51aを、横行ガイド41に取付けられている横行スライド部材42に対して180度回転させて、ウォータージェット噴射装置52のジェット水噴射面を下向きになるようにする。そして、図7(c)に示すように、昇降手段30により、横行スライド部材42をガイド部材31,31の下端側に移動させた後、上記ウォータージェット噴射装置52を水平方向に移動させながら、堤内仮排水路2の底面2cに高速ジェット水を噴出させてはつり作業を行う。次に、走行手段10により、上記はつり装置1を所定距離だけ前進させて停止させ、上記と同様の作業を行う。この一連の作業を繰り返してはつり装置1を堤内仮排水路2の奥側まで走行させることにより、堤内仮排水路2の底面2cのコンクリートのはつり作業を行う。
そして、はつり装置1が堤内仮排水路2の最奥側では、横行スライド部材42をガイド部材31,31の上端側に移動させるとともに、上記図7(b),(c)に示した順とは逆に、支持枠回転用モータ51nを駆動して支持枠51aを上記横行スライド部材42に対して180度回転させ、ウォータージェット噴射装置52のジェット水噴射面を上向きになるように制御する。そして、上記往路における底面2cのはつり作業の場合と同様に、復路においては、天井面2dをはつるようにすればよい。
本例では、上記のように、はつり装置1の往復により、堤内仮排水路2の底面2cと天井面2dのはつり作業を行うことができるので、効率よく、堤内仮排水路2のはつり作業を行うことができる。
【0013】
このように、本実施の形態では、排水路の内壁側をはつるはつり装置1を、高圧の流体を噴射するウォータージェット噴射装置52を、昇降手段30のガイド部材31,31に沿って移動する水平移動手段40の横行ガイド41に取付けられた横行スライド部材42に搭載するとともに、上記昇降手段30を傾斜させる傾斜用シリンダ80と、走行手段10の基台11上に設置され、上記昇降手段30を旋回させる旋回台20とを備え、上記傾斜用シリンダ80と旋回台20とにより、ウォータージェット噴射装置52を搭載した上記ガイド部材31,31を傾斜させながら旋回できる構成としたので、コンクリートダムの堤内仮排水路2のような幅の狭い排水路であっても、ウォータージェット噴射装置52のジェット水噴射面を一方の側面側から他方の側面側に移動させることができる。したがって、はつり装置1を往復させることにより、1台のウォータージェット噴射装置52で排水路の両側面を効率よくはつることができる。
また、本例では、上記ウォータージェット噴射装置52のジェット水噴射面を回転させる噴射装置回転手段51を設けたので、排水路の両側面だけでなく、天井面と底面も同一の装置を用いてはつることができるので、作業効率を更に向上させることができる。
【0014】
なお、上記実施の形態では、断面形状が矩形であるコンクリートダムの堤内仮排水路2の内壁表面のコンクリートをはつる場合について説明したが、これに限るものではなく、図10に示した火力発電所の導放水路(排水路A)などのような、天井が開放されている排水路にも適用可能である。
また、天井面の断面形状が円弧状の場合には、上記水平移動手段40に代えて、図8(a)に示すような、旋回する腕部103を有する噴射装置旋回手段100の上記腕部103の先端側にウォータージェット噴射装置52を搭載するようにすれば、天井面3dの断面形状が円弧状である堤内仮排水路3の上記天井面3dのはつり作業を効率よく行うことができる。上記噴射装置旋回手段100は、昇降手段30のガイド部材31,31に取付けられた水平板60Zに搭載されたモータ支持台101と、このモータ支持台101に設置される旋回用モータ102と、上記旋回用モータ102の回転軸に連結される腕部103とを備えており、この腕部103の先端側にウォータージェット噴射装置52が搭載される。ここで、上記腕部103の長さを伸縮自在としておけば、天井面3dの円弧の曲率が変わった場合でも対応可能である。このとき、上記ウォータージェット噴射装置52の回転中心、すなわち、上記円弧の中心点の高さの調整は、上記昇降手段30により行う。
なお、図8(b)に示すように、走行手段10の基台11に高さ調整装置100Hを取付け、この高さ調整装置100Hに上記噴射装置旋回手段100を取付けるようにしてもよい。
【0015】
また、上記例では、噴射装置回転手段51を用いてウォータージェット噴射装置52の噴射面の向きを制御するようにしたが、上記のように、往復で堤内仮排水路2の両側面をはつり終えたときには、はつり装置1は堤内仮排水路2の入口まで戻ってくるので、上記噴射装置回転手段51を省略することも可能である。具体的には、図9(a)に示すように、堤内仮排水路2の両側面2a,2bをはつる場合には、ウォータージェット噴射装置52を、例えば、支持枠回転用モータ51nにより回転するブロック材51Bを横行スライド部材42に、ジェット水噴射面の向きが横向きになるように取付ける。すなわち、ウォータージェット噴射装置52を上記ブロック材51Bの側面51sに取付ける。そして、はつり装置1が堤内仮排水路2の入口まで戻ってきた段階で上記ウォータージェット噴射装置52を一旦上記ブロック材51Bからはずして、その後、図9(b)に示すように、ジェット水噴射面の向きを、例えば、上向きなるように、ウォータージェット噴射装置52を上記ブロック材51Bの上面51pに取付けて、往路では天井面2dをはつる。復路では、図9(c)に示すように、上記ブロック材51Bを回転させて上記ウォータージェット噴射装置52のジェット水噴射面の向きを下向きとして底面2cをはつる。これにより、はつり装置1の構造をより簡素にすることができる。
なお、昇降手段30のガイド部材31,31を傾斜させる手段としては、上記傾斜用シリンダ80に限るものではなく、周知のリンク機構あるいは回転機構を用いて構成してもよい。また、噴射装置回転手段51の構成についても、上記スライドジャッキ51bで腕部51c,51cを回転させる構成に限るものではなく、周知の回転機構を用いて構成してもよい。
【0016】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明のはつり装置は、高圧の流体を噴射するジェットノズルを備えたウォータージェット噴射装置を搭載しこれを上下方向に移動させる昇降手段と、上記昇降手段を傾斜させる傾斜手段と、走行手段を備えた基台上に設置され、上記昇降手段を水平面内で回転させる旋回手段とを備えた構造としたので、幅の狭い排水路であっても、昇降手段を傾斜させた後上記昇降手段を水平面内で回転させることにより、ウォータージェット噴射装置のジェット水噴射面を他方の側面側に移動させることができる。したがって、上記はつり装置を往復させることにより、1台のウォータージェット噴射装置で排水路の両側面を効率よくはつることができる。
また、ウォータージェット噴射装置を水平方向に移動させる水平移動手段を設けたので、ウォータージェット噴射装置の上下動を走行手段の走行に同期させることなく、広い面積をはつることができる。
また、上記ウォータージェット噴射装置の噴射面を回転させる噴射装置回転手段を設けたので、排水路の両側面だけでなく、往復により、天井面と底面とをはつることができるので、作業効率を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施の形態に係るはつり装置の構成を示す図である。
【図2】本実施の形態に係る堤内仮排水路の模式図である。
【図3】本実施の形態に係るはつり装置による堤内仮排水路側面のはつり作業を説明するための平面図である。
【図4】本実施の形態に係るはつり装置による堤内仮排水路側面のはつり作業を説明するための側面図である。
【図5】本実施の形態に係るはつり装置による堤内仮排水路側面のはつり作業を説明するための正面図である。
【図6】本実施の形態に係るウォータージェット噴射装置の旋回方法を説明するため図である。
【図7】本実施の形態に係るはつり装置による堤内仮排水路底面のはつり作業を説明するための正面図である。
【図8】断面形状が円弧状の天井面を有する堤内仮排水路のはつり作業を説明するための図である。
【図9】ウォータージェット噴射装置の噴射面を変更する他の方法を示す図である。
【図10】従来のはつり装置の構成を示す図である。
【符号の説明】
1 はつり装置、2 堤内仮排水路、10 走行手段、11 基台、
12 車輪、20 旋回台、30 昇降手段、30c 連結部材、
31 ガイド部材、32 昇降用モータ、32a ギヤボックス、
32b 回転軸、32c プーリ、33 スライド部材、40 水平移動手段、
41 横行ガイド、42 横行スライド部材、43 水平移動用モータ、
50 ジェット水噴射手段、51 噴射装置回転手段、51a 支持枠、
51b スライドジャッキ、51c 腕部、51n 支持枠回転用モータ、
52 ウォータージェット噴射装置、52a 高圧水噴出口、
52b ノズルヘッド、52c モータ支持板、52m ヘッド回転用モータ、
60 水平板、61 補強部材、70 スライド装置、72a シリンダ装置、
72b 可動片、72c レール部材、80 傾斜用シリンダ、
91A,91B 位置決め部材、91a,91b 位置決めゲージ、
92 支持部材、93 走行ガイド用車輪。
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば、コンクリートダムの堤内仮排水路などの内壁表面の目あらし作業に用いられるはつり装置に関するもので、特に、断面形状の小さな排水路に用いられるはつり装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、コンクリートダムの堤内仮排水路や、火力発電所の導放水路などのような断面の小さな排水路の内壁のはつり作業を行う場合には、大型の重機類を使用することが困難であるため、作業員が上記排水路内に入って手作業もしくはジェットタガネ等の掻取装置を使用してはつり作業を行うのが一般的であった。しかしながら、排水路の断面が小さい場合には、はつり作業時に発生する粉塵を排出することが困難であるため、作業員は粉塵が蔓延する劣悪な環境で長時間作業しなければならなかった。
そこで、排水路内に小型のはつり装置を導入し、遠隔操作により上記はつり装置を制御してはつり作業を行う方法が提案されている。図10(a),(b)は、従来のはつり装置110の一構成例を示す図である。このはつり装置110は、排水路A内を走行する走行装置111の進行方向前部両側に一対のウォータージェット噴射装置112,112を、モータと送りネジとを組合わせた昇降装置113に取付けたもので、走行装置本体111a上に設置した駆動モータ114aと減速機114bとを備えた駆動装置114を介して上記走行装置111の車輪111bを駆動することにより上記はつり装置110を走行制御するものである(例えば、特許文献1参照)。
上記ウォータージェット噴射装置112,112は、排水路Aの外部に設置された高圧水発生装置115から可撓性送水管116を介して供給される高圧水を、旋回ヘッド112aに組込まれた複数の噴射ノズル112bから排水路Aの両側の内壁に同時に噴射するもので、走行装置111の走行に同期して上記ウォータージェット噴射装置112,112を上下動させることにより、上記高圧水による上記排水路Aの両側壁の洗浄や削り取り(はつり)を同時に行うことができる。なお、上記走行装置111の走行制御やウォータージェット噴射装置112,112の上下動の制御は、図外の操作盤により遠隔制御にて行う。
【0003】
【特許文献1】
実開平1−90822号公報(第5−9頁、第1図、第2図)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記はつり装置110では、排水路Aの両側の内壁に同時にはつるため、高価なウォータージェット噴射装置112を2台必要としているため、コストパフォーマンスが低いといった問題点があった。すなわち、ウォータージェット噴射装置112を1台とすると、排水路Aの両側の内壁をはつる場合には、例えば、左側の内壁をはつった後、はつり装置110を一旦排水路Aの外部へ戻して、ウォータージェット噴射装置112を昇降装置113の左側から右側に取付け直した後、右側の内壁をはつるようにしなければならないため、作業効率が悪くなる。また、上記はつり装置110では、排水路Aの内壁側面のみで、底面側ははつることができない構成であった。
【0005】
本発明は、従来の問題点に鑑みてなされたもので、1台のウォータージェット噴射装置を用いて排水路等の内壁を効率よくはつることのできるはつり装置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明の請求項1に記載のはつり装置は、高圧の流体を噴射するジェットノズルを備えたウォータージェット噴射装置と、このウォータージェット噴射装置を搭載しこれを上下方向に移動させる昇降手段と、上記昇降手段を傾斜させる傾斜手段と、走行手段を備えた基台上に設置され、上記昇降手段を水平面内で回転させる旋回手段とを備えたことを特徴とするものである。
請求項2に記載のはつり装置は、上記ウォータージェット噴射装置を水平方向に移動させる水平移動手段を設けたものである。
請求項3に記載のはつり装置は、上記ウォータージェット噴射装置の噴射面を回転させる噴射装置回転手段を設けたものである。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について、図面に基づき説明する。
図1は、本実施の形態に係るはつり装置1の構成を示す模式図で、同図では、図示しない排水路の一方の内壁側をはつる場合のセッティング状態を示す。同図において、10は基台11とこの基台11に取付けられた車輪12とを備え、基台11の底部に設置された図示しない駆動装置により上記車輪12を駆動して排水路内を走行する走行手段、20は上記基台11上に取付けられた旋回手段である旋回台、30は上下方向に延長する互いに並行な2本のガイド部材31と、昇降用モータ32及びこの昇降用モータ32のギヤボックス32aに結合された回転軸32bに取付けられたプーリ32cにそれぞれ連結され、上記ガイド部材31,31に沿って上下するスライド部材33,33とを備えた昇降手段、40は上記ガイド部材31,31に取付けられ、水平方向に延長する横行ガイド41と、上記横行ガイド41に沿って移動する横行スライド部材42と、上記横行ガイド41内に設けられた図示しないチェーンあるいはボールスクリュー等のスライド機構を駆動する水平移動用モータ43とを備えた水平移動手段、50は上記横行スライド部材42に取付けられた噴射装置回転手段51と、この噴射装置回転手段51に取付けられたウォータージェット噴射装置52とを備えたジェット水噴射手段である。
【0008】
上記ウォータージェット噴射装置52は、複数の高圧水噴出口52a(ここでは、2個)を有するノズルヘッド52bに、排水路の外部に設置された図示しない高圧水発生装置から高圧ホースを介して圧送される、例えば、100〜200MPa程度まで昇圧された高圧水を送るとともに、ヘッド回転用モータ52mにより上記ノズルヘッド52bを回転させて上記高圧水を上記高圧水噴出口52aから排水路の内壁表面のコンクリートに噴射し、その表面を数mm程度削り取ってコンクリート面を目あらしする。なお、各図において、図を簡明化するため、上記高圧ホースは省略した。
また、上記噴射装置回転手段51は、横行スライド部材42から突出し、上記横行スライド部材42に回転自在に取付けられた支持枠51aと、この支持枠51aの下部に取付けられたスライドジャッキ51bと、一端側が上記支持枠51aに回転自在に取付けられ、他端側が上記ウォータージェット噴射装置52のノズルヘッド52bを回転駆動する上記ヘッド回転用モータ52mを支持するモータ支持板52cに連結され、上記スライドジャッキ51bの伸縮により回転する腕部51c,51cと、上記支持枠51aを上記横行スライド部材42に対して回転させるための支持枠回転用モータ51nとを備えており、排水路の側面側をはつる場合には、図1に示すように、上記ウォータージェット噴射装置52の噴射面の向きが排水路の側面側を向くように、すなわち、上記腕部51c,51cの延長方向が鉛直方向を向くように上記スライドジャッキ51b及び支持枠回転用モータ51nを制御する。
【0009】
また、60は上記ガイド部材31,31の中央部よりもやや上部に取付けられ、上記ウォータージェット噴射装置52とは反対側に突出する水平板、61は上記水平板60と上記ガイド部材31,31間を連結する補強部材、70は一端側が上記旋回台20上に設けられたシリンダ装置72aに連結され、他端側が上記ガイド部材31,31の上記水平板60の下方側に上記ガイド部材31,31を橋絡するように取付けられた連結部材30cに回動自在に連結されたビーム状の可動片72bと、この可動片72bを案内するレール部材72cとを備えたスライド装置で、上記シリンダ装置72aを稼動して上記可動片72bを上記レール部材72cに沿ってスライドさせることにより上記昇降手段30と排水路の内壁側との距離を調節する。また、80は両端側が上記可動片72bと上記水平板60とにそれぞれ回転自在に取付けられた傾斜用シリンダで、後述するように、この傾斜用シリンダ80を伸縮させることにより、上記ガイド部材31,31を傾斜させる。
91A,91Bは上記水平板60上に設けられ、上記横行ガイド41の延長方向に並行に延長する2本の支持部材92,92の両端側にそれぞれ設けられ、排水路の側壁に対して垂直方向に突出する位置決め部材で、上記スライド装置70により上記ガイド部材31,31を排水路の内壁側に近づけた時に、上記位置決め部材91A,91Bの先端部に取付けられた位置決めゲージ91a,91bにより、上記ウォータージェット噴射装置52のジェット水噴射面の突出位置を規制する。また、93は上記基台11の側面から排水路の側壁に対して垂直方向に突出する走行ガイド用車輪で、はつり作業時には、上記走行ガイド用車輪93は引っ込めておくが、走行時には上記走行ガイド用車輪93を排水路の側壁方向に突出させて上記走行手段10の走行方向をガイドする。
【0010】
次に、図2に示すような、断面形状が矩形であるコンクリートダムの堤内仮排水路2の内壁の側面2a,2bの表面のコンクリートを、上記構成のはつり装置1を用いて1往復ではつり、次いで、底面2cと天井面2dの表面のコンクリートを次の1往復ではつる方法について、図3〜図7を参照して説明する。
まず、堤内仮排水路2内に、上記はつり装置1を、ウォータージェット噴射装置52のジェット水噴射面が上記堤内仮排水路2の内壁の側面2a側に対向するように設置する。このとき、昇降手段30により、ジェット水噴射手段50を最上部に位置させるとともに、水平移動手段40により、上記ジェット水噴射手段50を堤内仮排水路2の入口側に位置させ、更に、スライド装置70を駆動して上記ガイド部材31,31を堤内仮排水路2の内壁側に近づけ、位置決めゲージ91a,91bにより、上記ウォータージェット噴射装置52のジェット水噴射面の突出量を規制する。そして、図5に示すように、水平移動手段40によりジェット水噴射手段50を堤内仮排水路2の奥方向(同図の矢印の方向;進行方向)に水平移動させて上記側面2aの表面のコンクリートをはつった後、昇降手段30により、ジェット水噴射手段50を所定距離だけ降ろして、今度は上記ジェット水噴射手段50を堤内仮排水路2の入口方向に水平移動させて側面2aの表面のコンクリートをはつる。このような作業を繰り返すことにより、はつり装置1の停止位置にて、堤内仮排水路2の側面2aの、上記ウォータージェット噴射装置52の水平移動範囲の上部から下部までの広い面積をはつることができる。
次に、走行手段10により、上記はつり装置1を所定距離だけ前進させて停止させ、上記と同様の作業を行う。この一連の作業を繰り返すことにより、堤内仮排水路2の側面2a側のコンクリートのはつり作業が完了する。
これにより、ジェット水噴射手段50の上下動を走行手段10の走行に同期させることなく、広い面積をはつることができる。
なお、堤内仮排水路2の最奥側では、堤内仮排水路2の奥側の位置決め部材91Aが邪魔になるので、この場合には、上記位置決め部材91Aを水平板60側に水平移動させて、堤内仮排水路2の最奥側側面をはつるようにする。
【0011】
堤内仮排水路2の側面2a側のコンクリートのはつり作業が完了すると、他方の位置決め部材91Bについても水平板60側に水平移動させた後、傾斜手段である傾斜用シリンダ80により、ジェット水噴射手段50及び水平移動手段40を搭載した昇降手段30を傾斜させ、この状態で旋回台20を回転させて上記昇降手段30を他方の側面2b側に旋回させる。詳細には、図6に示すように、スライド装置70を駆動して上記ガイド部材31,31を堤内仮排水路2の側面2a側から所定量離した後、傾斜用シリンダ80の長さを縮小させる。上記傾斜用シリンダ80の両端側は水平板60と可動片72bとにそれぞれ回転自在に取付けられているので、傾斜用シリンダ80の長さを縮小させると、上記水平板60及びこの水平板60と一体となっている上記昇降手段30が上記可動片72b側、すなわち、基台11方向に傾斜する。そして、この状態で旋回台20を180度回転させた後、傾斜用シリンダ80を伸長させて元の長さに戻せば、上記ガイド部材31,31は鉛直方向に戻る。したがって、堤内仮排水路2の幅が狭い場合でも、ウォータージェット噴射装置52のジェット水噴射面を、上記はつりが完了した堤内仮排水路2の側面2a側とは反対側の側面2b側に対向する位置に容易に向けることができる。
なお、このとき、ジェット水噴射手段50はガイド部材31,31から突出しているので、ジェット水噴射手段50を上記ガイド部材31,31の下部に置いたままだと回転時に堤内仮排水路2の側面2aに接触する恐れがある。そこで、旋回動作時には、上記ジェット水噴射手段50をガイド部材31,31の中心付近、例えば、水平板60付近に移動しておく必要がある。
【0012】
はつり装置1の往復により、堤内仮排水路2の両側面2a,2bをはつり終えると、次に底面2cと天井面2dのはつり作業を行う。この場合には、予め旋回台20を90度回転させてガイド部材31,31を進行方向に向けておく。なお、堤内仮排水路2の両側面2a,2bをはつり終えた段階では、上記はつり装置1は堤内仮排水路2の入口側にあるので、これを堤内仮排水路2の外側まで誘導しておけば、傾斜用シリンダ80を用いなくても旋回動作を行うことができる。
底面2cのはつり作業を行う場合には、まず、図7(a)に示すように、スライドジャッキ51bを伸長させてウォータージェット噴射装置52を支持する腕部51c,51cを90度回転させ、ウォータージェット噴射装置52のジェット水噴射面を上向きになるようにした後、図7(b)に示すように、上記支持枠51a内に設けられた支持枠回転用モータ51nにより、上記支持枠51aを、横行ガイド41に取付けられている横行スライド部材42に対して180度回転させて、ウォータージェット噴射装置52のジェット水噴射面を下向きになるようにする。そして、図7(c)に示すように、昇降手段30により、横行スライド部材42をガイド部材31,31の下端側に移動させた後、上記ウォータージェット噴射装置52を水平方向に移動させながら、堤内仮排水路2の底面2cに高速ジェット水を噴出させてはつり作業を行う。次に、走行手段10により、上記はつり装置1を所定距離だけ前進させて停止させ、上記と同様の作業を行う。この一連の作業を繰り返してはつり装置1を堤内仮排水路2の奥側まで走行させることにより、堤内仮排水路2の底面2cのコンクリートのはつり作業を行う。
そして、はつり装置1が堤内仮排水路2の最奥側では、横行スライド部材42をガイド部材31,31の上端側に移動させるとともに、上記図7(b),(c)に示した順とは逆に、支持枠回転用モータ51nを駆動して支持枠51aを上記横行スライド部材42に対して180度回転させ、ウォータージェット噴射装置52のジェット水噴射面を上向きになるように制御する。そして、上記往路における底面2cのはつり作業の場合と同様に、復路においては、天井面2dをはつるようにすればよい。
本例では、上記のように、はつり装置1の往復により、堤内仮排水路2の底面2cと天井面2dのはつり作業を行うことができるので、効率よく、堤内仮排水路2のはつり作業を行うことができる。
【0013】
このように、本実施の形態では、排水路の内壁側をはつるはつり装置1を、高圧の流体を噴射するウォータージェット噴射装置52を、昇降手段30のガイド部材31,31に沿って移動する水平移動手段40の横行ガイド41に取付けられた横行スライド部材42に搭載するとともに、上記昇降手段30を傾斜させる傾斜用シリンダ80と、走行手段10の基台11上に設置され、上記昇降手段30を旋回させる旋回台20とを備え、上記傾斜用シリンダ80と旋回台20とにより、ウォータージェット噴射装置52を搭載した上記ガイド部材31,31を傾斜させながら旋回できる構成としたので、コンクリートダムの堤内仮排水路2のような幅の狭い排水路であっても、ウォータージェット噴射装置52のジェット水噴射面を一方の側面側から他方の側面側に移動させることができる。したがって、はつり装置1を往復させることにより、1台のウォータージェット噴射装置52で排水路の両側面を効率よくはつることができる。
また、本例では、上記ウォータージェット噴射装置52のジェット水噴射面を回転させる噴射装置回転手段51を設けたので、排水路の両側面だけでなく、天井面と底面も同一の装置を用いてはつることができるので、作業効率を更に向上させることができる。
【0014】
なお、上記実施の形態では、断面形状が矩形であるコンクリートダムの堤内仮排水路2の内壁表面のコンクリートをはつる場合について説明したが、これに限るものではなく、図10に示した火力発電所の導放水路(排水路A)などのような、天井が開放されている排水路にも適用可能である。
また、天井面の断面形状が円弧状の場合には、上記水平移動手段40に代えて、図8(a)に示すような、旋回する腕部103を有する噴射装置旋回手段100の上記腕部103の先端側にウォータージェット噴射装置52を搭載するようにすれば、天井面3dの断面形状が円弧状である堤内仮排水路3の上記天井面3dのはつり作業を効率よく行うことができる。上記噴射装置旋回手段100は、昇降手段30のガイド部材31,31に取付けられた水平板60Zに搭載されたモータ支持台101と、このモータ支持台101に設置される旋回用モータ102と、上記旋回用モータ102の回転軸に連結される腕部103とを備えており、この腕部103の先端側にウォータージェット噴射装置52が搭載される。ここで、上記腕部103の長さを伸縮自在としておけば、天井面3dの円弧の曲率が変わった場合でも対応可能である。このとき、上記ウォータージェット噴射装置52の回転中心、すなわち、上記円弧の中心点の高さの調整は、上記昇降手段30により行う。
なお、図8(b)に示すように、走行手段10の基台11に高さ調整装置100Hを取付け、この高さ調整装置100Hに上記噴射装置旋回手段100を取付けるようにしてもよい。
【0015】
また、上記例では、噴射装置回転手段51を用いてウォータージェット噴射装置52の噴射面の向きを制御するようにしたが、上記のように、往復で堤内仮排水路2の両側面をはつり終えたときには、はつり装置1は堤内仮排水路2の入口まで戻ってくるので、上記噴射装置回転手段51を省略することも可能である。具体的には、図9(a)に示すように、堤内仮排水路2の両側面2a,2bをはつる場合には、ウォータージェット噴射装置52を、例えば、支持枠回転用モータ51nにより回転するブロック材51Bを横行スライド部材42に、ジェット水噴射面の向きが横向きになるように取付ける。すなわち、ウォータージェット噴射装置52を上記ブロック材51Bの側面51sに取付ける。そして、はつり装置1が堤内仮排水路2の入口まで戻ってきた段階で上記ウォータージェット噴射装置52を一旦上記ブロック材51Bからはずして、その後、図9(b)に示すように、ジェット水噴射面の向きを、例えば、上向きなるように、ウォータージェット噴射装置52を上記ブロック材51Bの上面51pに取付けて、往路では天井面2dをはつる。復路では、図9(c)に示すように、上記ブロック材51Bを回転させて上記ウォータージェット噴射装置52のジェット水噴射面の向きを下向きとして底面2cをはつる。これにより、はつり装置1の構造をより簡素にすることができる。
なお、昇降手段30のガイド部材31,31を傾斜させる手段としては、上記傾斜用シリンダ80に限るものではなく、周知のリンク機構あるいは回転機構を用いて構成してもよい。また、噴射装置回転手段51の構成についても、上記スライドジャッキ51bで腕部51c,51cを回転させる構成に限るものではなく、周知の回転機構を用いて構成してもよい。
【0016】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明のはつり装置は、高圧の流体を噴射するジェットノズルを備えたウォータージェット噴射装置を搭載しこれを上下方向に移動させる昇降手段と、上記昇降手段を傾斜させる傾斜手段と、走行手段を備えた基台上に設置され、上記昇降手段を水平面内で回転させる旋回手段とを備えた構造としたので、幅の狭い排水路であっても、昇降手段を傾斜させた後上記昇降手段を水平面内で回転させることにより、ウォータージェット噴射装置のジェット水噴射面を他方の側面側に移動させることができる。したがって、上記はつり装置を往復させることにより、1台のウォータージェット噴射装置で排水路の両側面を効率よくはつることができる。
また、ウォータージェット噴射装置を水平方向に移動させる水平移動手段を設けたので、ウォータージェット噴射装置の上下動を走行手段の走行に同期させることなく、広い面積をはつることができる。
また、上記ウォータージェット噴射装置の噴射面を回転させる噴射装置回転手段を設けたので、排水路の両側面だけでなく、往復により、天井面と底面とをはつることができるので、作業効率を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施の形態に係るはつり装置の構成を示す図である。
【図2】本実施の形態に係る堤内仮排水路の模式図である。
【図3】本実施の形態に係るはつり装置による堤内仮排水路側面のはつり作業を説明するための平面図である。
【図4】本実施の形態に係るはつり装置による堤内仮排水路側面のはつり作業を説明するための側面図である。
【図5】本実施の形態に係るはつり装置による堤内仮排水路側面のはつり作業を説明するための正面図である。
【図6】本実施の形態に係るウォータージェット噴射装置の旋回方法を説明するため図である。
【図7】本実施の形態に係るはつり装置による堤内仮排水路底面のはつり作業を説明するための正面図である。
【図8】断面形状が円弧状の天井面を有する堤内仮排水路のはつり作業を説明するための図である。
【図9】ウォータージェット噴射装置の噴射面を変更する他の方法を示す図である。
【図10】従来のはつり装置の構成を示す図である。
【符号の説明】
1 はつり装置、2 堤内仮排水路、10 走行手段、11 基台、
12 車輪、20 旋回台、30 昇降手段、30c 連結部材、
31 ガイド部材、32 昇降用モータ、32a ギヤボックス、
32b 回転軸、32c プーリ、33 スライド部材、40 水平移動手段、
41 横行ガイド、42 横行スライド部材、43 水平移動用モータ、
50 ジェット水噴射手段、51 噴射装置回転手段、51a 支持枠、
51b スライドジャッキ、51c 腕部、51n 支持枠回転用モータ、
52 ウォータージェット噴射装置、52a 高圧水噴出口、
52b ノズルヘッド、52c モータ支持板、52m ヘッド回転用モータ、
60 水平板、61 補強部材、70 スライド装置、72a シリンダ装置、
72b 可動片、72c レール部材、80 傾斜用シリンダ、
91A,91B 位置決め部材、91a,91b 位置決めゲージ、
92 支持部材、93 走行ガイド用車輪。
Claims (3)
- 高圧の流体を噴射するジェットノズルを備えたウォータージェット噴射装置と、このウォータージェット噴射装置を搭載しこれを上下方向に移動させる昇降手段と、上記昇降手段を傾斜させる傾斜手段と、走行手段を備えた基台上に設置され、上記昇降手段を水平面内で回転させる旋回手段とを備えたことを特徴とするはつり装置。
- 上記ウォータージェット噴射装置を水平方向に移動させる水平移動手段を設けたことを特徴とする請求項1に記載のはつり装置。
- 上記ウォータージェット噴射装置の噴射面を回転させる噴射装置回転手段を設けたことを特徴とする請求項2に記載のはつり装置。
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