JPH0449517Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本考案は熱交換器の洗浄装置に係り、例えば石
油精製過程等で用いられる熱交換器のチユーブ外
面側の洗浄清掃等に利用することができる。

［背景技術とその問題点］ 従来、熱交換器のチユーブ外面側を洗浄する場
合には、熱交換器全体を回転可能かつチユーブ軸
方向に移動可能に支持し、この熱交換器を移動さ
せながらチユーブ外面に高圧流体を噴出させて洗
浄する方法が知られている。

このような洗浄に用いられる装置は、熱交換器
を管束の周方向に沿つて回転可能に支持する支持
部材と、この支持部材に設けられた車輪と、この
車輪に対応して敷設されたレールと、このレール
の一側近傍において固定的に設けられるととも
に、前記熱交換器のチユーブに向つて高圧流体を
噴出するノズルが設けられた流体噴出管と、この
流体噴出管から噴出された流体の飛散を防止する
防壁とにより構成されている。

前記従来装置は、熱交換器全体を人為的に移動
させるものであるため、大型の熱交換器の洗浄に
際しては、流体噴出位置に対する熱交換器の移動
作業も極めて大がかりなものとなり、洗浄作業に
際して多くの労力を費やさねばならず、洗浄効率
を低下させることとなり、また、作業者の安全面
においても必ずしも十分とは言い難かつた。

［考案の目的］ 本考案は、洗浄作業が簡単であるとともに、洗
浄効率も良好であり、かつ、安全面においても十
分保証された熱交換器の洗浄装置を提供すること
を目的とする。

［問題点を解決するための手段および作用］ 本考案は、駆動装置に併設された案内部材に沿
つて移動する移動片を有する移動部材と、この移
動片に連結された分配器に支持されたフレキシブ
ルホースの先端に取付けられたノズルと、このノ
ズルに流体を供給する高圧流体供給装置と、前記
移動片に連結された走行部材を介して前記移動部
材を移動させる駆動装置とを設けて構成し、前記
フレキシブルホースの先端に設けられたノズルを
熱交換器の管束に沿つて移動させながら高圧流体
を噴出させ、熱交換器の管束側を移動させること
なく洗浄できるようにしたものである。

［実施例］ 以下、本考案の一実施例を図面に基いて説明す
る。

第１図には本実施例に係る熱交換器の洗浄装置
の全体構成が示されている。この図において、洗
浄装置は１０は、熱交換器１１の管束を構成する
チユーブ１２に向つて高圧流体を噴出するノズル
１７を備えたホース１３と、このホース１３の前
記ノズル１７をチユーブ１２の軸方向に沿つて移
動させる移動部材１４と、この移動部材１４を移
動させる駆動装置１５と、この駆動装置１５を熱
交換器１１に対して位置調整可能に支持する位置
調整装置としてのフオークリフト１６とにより構
成されている。

前記ホース１３は、高耐圧フレキシブルホース
により構成されているとともに、その先端側に
は、ホース１３の外径よりも大径とされた分配管
１９が接続され、この分配管１９には熱交換器１
１のチユーブ１２に向つて高圧流体を噴出するノ
ズル１７が複数本、具体的には４本並設されてい
る（第２図参照）。前記ホース１３の後端側は高
圧流体供給装置としての注入ヘツダ１８に接続さ
れ、この注入ヘツダ１８から高圧流体がホース１
３内に圧送され、ノズル１７からチユーブ１２の
外面に向つて流体を噴出させることができるよう
になつている。この際、流体としては、水が用い
られているが、場合によつては温水なども用いら
れる。また、注入ヘツダ１８は水圧を100〜500
Kg／cm²の範囲内で流体供給が定量的に行ない得る
ように設けられている。

前記移動部材１４は、下方が開口された断面略
Ｃ字状の案内部材としてのチヤンネルビーム２１
に移動可能に支持されており、この移動部材１４
は、ビーム２１内を移動する移動片である角型の
移動ブロツク２２と、この移動ブロツク２２に一
端が埋設されるとともに、他端が前記分配管１９
に連結固定された支持軸２３とにより構成されて
いる。

前記チヤンネルビーム２１の両端部近傍位置に
は、プーリ２５がそれぞれ回転自在に支持される
とともに、これらプーリ２５間には走行部材であ
るワイヤ２６が巻回され、かつ、このワイヤの両
端部は、第１図中点線で示されるように、前記移
動ブロツク２２の両側部にそれぞれ連結されてい
る。また、前記プーリ２５の第１図中右側のプー
リ２５は、エアモータ２７の出力軸に連結され、
このエアモータ２７は、手動によるスイツチ切
換、図示しないタイマあるいはチヤンネルビーム
２１等に適宜間隔で設けられたリミツトスイツチ
からの信号等、適宜手段により所定のタイミング
でプーリ２５の回転方向を切換可能に設けられて
いる。従つてエアモータ２７を駆動させるとワイ
ヤ２６が回行されてホース１３の先端側に設けら
れたノズル１７がチヤンネルビーム２１に沿つて
移動されるようになつている。ここにおいて、プ
ーリ２５、ワイヤ２６およびエアモータ２７によ
り移動部材１４の駆動装置１５が構成されてい
る。

前記チヤンネルビーム２１は、このチヤンネル
ビーム２１の延出方向と平行に延長されるととも
に、一端側がフオークリフト１６の爪２９に片持
状に支持された支持腕２４に連結固定され、これ
により前記チヤンネルビーム２１および駆動装置
１５は昇降自在、かつ紙面直交方向に沿つて移動
可能とされ、熱交換器１１のチユーブ１２に対す
るノズル１７の流体噴出位置を調整できるように
なつている。

なお、図中３０はフオークリフト１６のタイヤ
である。

次に本実施例の作用について説明する。

まずフオークリフト１６を運転してチヤンネル
ビーム２１および駆動装置１５を移動し、ノズル
１７が熱交換器１１のチユーブ１２に対して所定
の高さに位置するように、例えば第１図に示され
るようにセツトする。

このようにして洗浄装置１０のセツト終了後、
エアモータ２７を駆動すると、移動部材１４およ
びこれに連結されているホース１３の先端側であ
るノズル１７は、ワイヤ２６の回行により第１図
中左右に往復移動されることとなる。この際、ホ
ース１３には注入ヘツダ１８から高圧水が供給さ
れ、この供給された水はノズル１７からのチユー
ブ１２の外面に向つて噴出される。

いま、第１図に示される状態からノズル１７が
高圧水を噴出しながら左側に移動してチユーブ１
２の左端部上方まで達したとすると、エアモータ
２７は、移動部材１４がチユーブ１２の端部位置
に至つた時に出力軸の回転方向を反転するように
予め設定されているため、今度は移動部材１４を
第１図中右側へ移動させるよう出力軸の駆動方向
を反転する。この後、移動部材１４が右方へと移
動してノズル１７がチユーブ１２の右端部上方位
置に達すると、エアモータは２７は、その出力軸
の回転方向を再び反転させ、前述と同様にノズル
１７を左側へ移動させるように作用し、以後これ
を反復繰返すことにより熱交換器の洗浄を行なう
ことができる。

上述のような本考案によれば、次のような効果
がある。

ホース１３の先端側にノズル１７を設けるとと
もに移動部材１４に支持させ、この移動部材１４
を駆動装置１５を介してチヤンネルビーム２１に
沿つて、すなわち熱交換器１１のチユーブ１２に
沿つて移動可能としたから、従来強いられていた
熱交換器の大がかりな移動作業を行なう必要が全
くないとともに、これに伴なう作業者の安全性も
飛躍的に向上させることができる。

また、移動部材１４は、熱交換器１１のチユー
ブ１２の長さに応じて、その移動方向がエアモー
タ２７により適宜切換えられるものであり、この
移動部材１４にホース１３の先端側を支持させる
構成としたから、チユーブ１２の洗浄を自動的か
つ迅速に行なうことができ、従来に比して極めて
洗浄効率の良いものとすることができる。

さらに、移動部材１４は、チヤンネルビーム２
１に支持され、このチヤンネルビーム２１は、駆
動装置１５と共にフオークリフト１６に支持され
ているため、洗浄装置１０全体の移動操作を難な
く簡単に行なうことができるとともに、熱交換器
１１のチユーブ１２に対するノズル１７の上下位
置を微調整することにより、小さいチユーブ間隙
で構成された熱交換器の洗浄にも十分適応させる
ことができる。因みに、本実施例においては８mm
程度のチユーブ間隔で所望の洗浄効果を得ること
ができた。

また、移動部材１４は、これに連結されたワイ
ヤ２６を介して駆動装置１５によつて移動するよ
うになつているので、構成が簡単であるという効
果も有する。

また、前記ホース１３は、フレキシブルホース
により構成したから、狭いスペースでの収納が可
能になるとともに、熱交換器１１のチユーブ１２
に沿つての移動を極めてスムースに行うことがで
きる。

さらに、前記チヤンネルビーム２１は剛性のあ
る部材により構成したので、ノズル１７に生ずる
高圧水の噴出反力（本実施例の場合100Kg）に十
分耐えることが可能である。

その上、駆動装置１５はエアモータ２７により
駆動されるものであり、爆発性雰囲気で火花を発
つする虞れも全くなく、安全性の高い洗浄装置と
することができる。

なお、第１図に示されている熱交換器１１の上
下位置を例えば180°回転させて初期の洗浄位置を
変更する場合には、図示しないベアリング等、適
宜な熱交換器の回転手段を用いることにより、熱
交換器１１の全チユーブ外面を等しく洗浄するこ
とが可能である。

また、本実施例においては、移動部材１４をチ
ヤンネルビーム２１に支持させる構成としたが、
チヤンネルビームに限らず、剛性のある部材から
構成されたその他の案内部材でもよく、移動部材
１４を熱交換器１１のチユーブ１２に沿つて移動
し得る構成であればよい、ただし、本実施例のよ
うなチヤンネルビーム２１によれば、前述のよう
な効果を得ることができる。

また、ノズル１７は分配管１９の４箇所に並設
したが、これらノズル１７の数は熱交換器の管束
直径に応じて適宜変更することができる。

さらに、駆動装置１５はエアモータ２７により
ワイヤ２６を回行させ、これにより移動部材１４
を移動させるものとして説明したが、進退可能な
エアシリンダに移動部材を直接連結するなどして
これに替えることもできる。

また、高圧流体としては水を用いる例について
説明したが、砂、金属粗粒または研磨材などを高
圧流体に混入して用いるサンドブラスト法も併用
することができる。

さらにまた、前記支持腕２４は、片持状にフオ
ークリフト１６に支持されているものとしたが、
支持腕２４の中央部位置でフオークリフト１６に
支持させる構成でもよく、位置調整部材もフオー
クリフト１６に限らず、駆動装置１５を前後、左
右動ならびに上下動、すなわち、三次元的に移動
し得る他の機構であつてもよい。

［考案の効果］ 上述のような本考案によれば、洗浄作業が簡単
であるとともに、洗浄に際しての安全性も十分確
保され、かつ、洗浄効率の優れた熱交換器の洗浄
装置を提供することができる。

【図面の簡単な説明】

図は、本考案の一実施例を示すもので、第１図
は熱交換器の洗浄装置の全体構成を示した概略構
成図、第２図は第１図の−線に沿つた矢視拡
大断面図である。 １０……洗浄装置、１１……熱交換器、１３…
…ホース、１４……移動部材、１５……駆動装
置、１７……ノズル、１８……高圧流体供給装置
としての注入ヘツダー、２１……案内部材として
のチヤンネルビーム、２７……エアモータ。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) 駆動装置に併設された案内部材に沿つて移動
   する移動片を有する移動部材と、この移動片に
   連結された分配器に支持されたフレキシブルホ
   ースの先端に取付けられたノズルと、このノズ
   ルに流体を供給する高圧流体供給装置と、前記
   移動片に連結された走行部材を介して前記移動
   部材を移動させる駆動装置とを備えていること
   を特徴とする熱交換器の洗浄装置。 (2) 実用新案登録請求の範囲第１項において、前
   記ノズルは、複数設けられていることを特徴と
   する熱交換器の洗浄装置。 (3) 実用新案登録請求の範囲第１項又は第２項に
   おいて、前記駆動装置は、エアモータを含んで
   構成されていることを特徴とする熱交換器の洗
   浄装置。