JP2719361B2 - 移動する材料ウェブの滅菌装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本発明は移動する、たとえば後にいわゆる無菌包装物
に変換される型の材料ウエブの滅菌装置に関し、本発明
の装置はウエブ用入口および出口ならびに滅菌ガス用入
口および出口を備えている。

［従来の技術］ 返還不能型消費者用包装物は、現在ウエブからまたは
予備成形された包装材料の素材から成形し、充填しかつ
包装を閉鎖する型の近代的な、高効率機械によつて製造
される。前記機械は、包装物をウエブから、まずウエブ
を強い重なり接合で縦方向端部区域を一緒に永久的に接
合して管に変換することによつて、製造する。形成され
た管はついで予定の内容物を充填され、実際の内容物の
高さより低いところで管の縦軸線の横方向に反復してシ
ールすることにより個々の充填された包装物ユニツトに
分割され、その後包装物ユニツトは作られた横方向シー
ルにおいて横に切断することにより互いに分離され、そ
の後最後成形され、完成した包装物として機械から排出
される。

これらのいわゆる返還不能型包装物の大群は、紙また
はカードボードの外装層およびプラスチツクとくに熱プ
ラスチツクの内外コーテイング層を含む材料から製造さ
れ、熱プラスチツクは包装物から液体が漏れないように
する他に包装物の製造中にいわゆる熱シールによつて前
記シールを実施するため使用される。

前記型の包装機械によつて、内容物の保存特性を延長
するため、ある型の敏感な、液体食品たとえばミルク用
のいわゆる無菌包装物を作ることも公知である。無菌機
械は主として前記機械と同じ方法で作動するが、重大な
相違点は包装物の製造が無菌状態で実施され、そのこと
は、内容物ならびに包装材料、および同様に管が形成さ
れかつ充填される機械の環境が、滅菌されなければなら
ないことを意味している。機械における無菌の環境はあ
る滅菌ガス、通常過熱された滅菌空気が管の内部ならび
に管に近い周囲に保持されることによつて得られ、その
結果機械外部の汚染された滅菌されない空気の漏洩は阻
止される。無菌の内容物は通常内容物を充填の前に被処
理することによつて得られ、それにより内容物は、有害
な微生物を除去するため、ある期間加熱され十分に高い
温度に保持される。一般にこれらの２つの滅菌要求を満
足することは容易であつたが、現在まで利用しうる方法
によつては、ウエブ状包装材料の簡単、有効な滅菌を達
成することは困難であつた。

包装材料ウエブの滅菌は、ウエブを管状に変換する前
に化学的滅菌剤、通常10〜35％の過酸化水素溶液のバス
を通過させて包装材料を湿らせ、ついで過剰な液体をウ
エブからカレンダシリンダによつて除去することによる
公知の方法によつて実施される。ウエブに残つた滅菌剤
は、ウエブを管に変換した後、加熱装置が材料管を薬剤
が蒸発して管上部の開放端から押出されるような温度に
することによつて除去される。

他の公知の方法によれば、包装材料ウエブは加熱され
たガス状滅菌剤、好ましくは過酸化水素と蒸気との混合
物を含有する室を通され、過酸化水素を材料ウエブ上へ
の凝縮によつて吸収する。この公知の方法においてもま
た残つた滅菌剤は蒸発によつて除去される。

［発明が解決しようとする問題点］ 液体滅菌剤を直接的にまたは凝縮により間接的に使用
する上記公知の方法は平らで、均一な面を備えた材料ウ
エブに対してはよく作用するけれども、表面の不規則性
をもつた包装材料ウエブ、たとえば準備された取出し口
をシールした開封帯（いわゆるプルタブ）の有効な滅菌
を達成することは一層困難であることが証明されてい
る。このことは、少なくとも部分的に、材料ウエブは滅
菌剤が浸透してそのような不規則性の容易に接触し得な
い空間に作用するには余りにも短い時間だけしか滅菌剤
と接触しないことにある。同様に液体滅菌剤を使用する
ことに関連し、またウエブがバスを通過するときとくに
明らかになる、他の課題は、たとえば容易に湿気を吸収
するウエブの縦方向切断端部に沿う区域において、自由
に露出した繊維層を有するウエブ部分における滅菌剤の
いわゆるエツジ吸収を防止することの困難性にある。

過酸化水素とガス状の水の混合物が温度上昇に伴つて
滅菌効果を向上することは公知であり、さらにガスは液
体に比較して面の不規則性をもつた材料ウエブに起る型
の容易に接触しえない区域に容易に進入できることは公
知であり、したがつて、上記公知の方法に必要な課題の
当然なかつ明らかな解決法は、液体の滅菌剤をガス状の
対応する滅菌剤に置換して、滅菌を例外なくガス相です
なわち凝縮なしに、実施することでなければならない。

材料ウエブの表面状態に関わりなく、ガス状態菌剤、
たとえば水／過酸化水素蒸気によつて実施されるべき有
効な滅菌に対するこれらの理論的必要条件にも係わら
ず、この方法を実現することは今日まで困難であつた。

したがつて、本発明の目的は移動する材料ウエブのガ
ス相滅菌を実際上可能となる装置を得ることにある。

本発明によつてこの目的を達成する本願明細書の導入
部に記載した上記型の装置は、室が中間室部分を通して
互いに連通しウエブが丁度自由に通りうるような大きさ
にされた入口および出口の間に配置された縮小区域を有
し、中間室部分が室部分に設けられた少なくとも１つの
入口開口によつて滅菌ガス源に連結され、縮小区域が該
区域に隣接して配置された１つ又はそれ以上のガス用出
口開口を通つて外部真空源に連結されたことを特徴とし
ている。

材料ウエブの入口および出口間に縮小区域として構成
された室の区域のため、中間室部分の入口開口（単数ま
たは複数）を通つて入るガスは、きわめて高速で前記縮
小区域の面積内を通過する材料ウエブに密に接触して押
し流され、材料ウエブの幅全体に亘つて接触し、したが
つて均一に分配された有効な滅菌作用を確実なものとす
る。

流入する滅菌ガスの分配空間として作用する中間室部
分は、室両側に位置する縮小区域よりいくぶん大きい自
由な横方向流れ面積を有し、材料ウエブ両側への滅菌剤
の有効な分配を促進しかつ確実にすることが好ましい。
しかしながら、本発明によれば、中間室部分はまた、縮
小区域と同じ横方向流れ面積を有し、実際に単一の連続
した縮小区域の中間部分を構成するように構成すること
もでき、意図する滅菌ガスの良い分配はこの場合、とく
に材料ウエブ両側に配置された、中間室部分の向かい合
つた入口開口によつて得られる。

さらにこの縮小要素のそれぞれの遠隔端が室のそれぞ
れ向かい合って位置する端壁から短い距離で配置され、
室の入口および出口にそれぞれ配置された対応する室部
分を形成し、その中に出口開口が設けられている。

本発明の簡単な実施例によれば、室は長い矩形の箱と
して配置され、材料ウエブの入口および出口は箱の両端
に前後に真直ぐに配置され、その結果材料ウエブを室の
いかなる部分にも接触することなく室を通つて案内する
ことができる。滅菌ガス用入口開口（単数または複数）
は、ウエブ用入口および出口間の中央に位置する室部分
に配置されている。縮小区域は、たとえば、長い縮小要
素または板によつて形成され、対をなして向かい合つて
位置し、それぞれ中間室部分と入口および出口との間に
配置されており、それらの間には狭い間隙状通路が形成
され、その大きさはウエブが丁度自由に通過しうるよう
になつている。懸架されまたは固定された、箱内壁上に
別のある適当な方法でシールされた板または対応する通
路画定要素は、それらの離れた端部を箱の隣接する端壁
からある距離離れて配置され、それぞれ入口および出口
に縮小区域または板の間に形成された通路より大きい自
由な流れ通路をもつて位置した端部室部分を形成するの
が好ましく、滅菌ガスの出口開口はこれらの端部部分に
直接通過するように配置されている。そのような出口開
口の位置のため、縮小区域から事実上完全な排出が促進
されかつ確保される。

本発明による装置が無菌包装容器の製造のため材料ウ
エブの滅菌に使用されるとき、滅菌ガスならびに材料ウ
エブは加熱されかつ滅菌ガスの露点以上の温度に維持さ
れ、材料ウエブ上のガスのいかなる凝縮をも阻止しなけ
ればならない。確実にそのような無凝縮滅菌をするた
め、本発明による装置は室前方および／または室に直ぐ
隣接して設地された加熱装置を備え、材料ウエブはその
側を通りまたは通過して案内され、室に入る前に加熱さ
れる。また室は、室壁の周りにまたは内部に配置され
た、適当な加熱要素、たとえば電気的加熱要素および／
または放射線源、たとえば紫外線源を備えるのが好まし
く、それとの共働作用を通じて滅菌効果を改善する可能
性を生じ、室壁を有効に加熱して室内壁に起る凝縮の危
険を回避する。

前記のように滅菌ガス用出口開口は外部真空源に連通
し、そのため室を通る迅速なガス流が得られる。真空源
は、たとえばいわゆる水リング圧縮機またはある他の適
当な減圧方式を備えることができそれによつて滅菌ガス
は再使用前に浄化される。

以下、本発明を図面に基づいて説明する。

［実施例］ 図面において、マガジンロール２から供給される材料
ウエブ１から、［全体的構造３を備えた］図示の包装機
械は完成した、充填された包装物４を製造し、その中で
ウエブ１は、ウエブの縦方向端部を縦方向の重なり接合
によつて一緒に永久的に接合することにより、まず管５
に変換される。管５は管の上方開放端を通して充填管６
から予定の内容物を充填され、かつ管の実際の内容物の
高さの下方で管の縦軸を横切つて横方向に反復してシー
ルすることにより個々の包装ユニツト４′に分割され、
その後包装ユニツト４′は、実施された横方向のシール
において切断することにより相互に分割される。包装ユ
ニツト４′はついで機械の最終成形ステーシヨンを通し
て案内され、機械の排出端において完成した包装物４と
して排出される。

もし包装物を無菌にしようとするならば、包装すべき
内容物および材料ウエブ１が滅菌されること、および機
械の充填区域７においてウエブを管に変換することを含
む全充填工程が無菌環境において実施されることが必要
である。内容物の無菌状態は内容物を充填する前に前記
特定された温度／時間計画に従つて熱処理をうけさせる
ことによつて達成され、充填区域７における無菌環境は
この区域内に高温滅菌空気にある圧力を維持することに
よつて得られ、その結果機械周囲からの汚染された非滅
菌空気の漏洩は阻止される。区域上端のシールされた入
口を通る機械の充填区域７に供給される材料ウエブ１の
無菌状態は、機械の頂部に示された［全体的に８で示さ
れた］本発明による装置によつて得られる。

本発明による装置８は、包装機械３の頂部に設けられ
た長い矩形の箱９を有し、その箱９は箱９の両端9aおよ
び9bのそれぞれすぐ前に設置された、材料ウエブ１の入
口11およい出口12を有する室10を備えている。たとえば
ここでは不銹鋼から作られた箱９は対をなして向かい合
つて位置した板要素13,14をそれぞれ有し、それらは固
定されて室10の内壁に対するシールを形成しかつそれら
の間に対をなして前後に真直ぐに位置した間隙状通路又
は縮小区域それぞれ10aおよび10bを形成している。縮小
区域10aおよび10bは材料ウエブ１が丁度自由に通過する
ことができるような大きさにされ、かつその間に設置さ
れた室部分10cによつて相互に連通している。互いに反
対に向いた板13および14の端部13aおよび14aは、箱９の
端壁9aおよび9bからそれぞれ短い距離に終るように配置
され、箱９に対応する端部にそれぞれ位置する内部室部
分10dおよび10eを形成している。明らかなように、縮小
区域10aおよび10bは端部10dおよび10eならびに室10の中
間部分10cより小さい自由な横方向流れ面積を有する。

中間室部分10cは、外部滅菌ガス源15と、室部分10cに
配置された入口開口16およびそこに連通した導管17を通
して連通し、一方、室の端部10dおよび10eは外部真空源
18に各端部に配置された出口開口19およびそこに連通し
た導管20を通して連通している。

真空源18は出口開口19を通つて流出する滅菌ガスの再
生を可能にする対応するいわゆる水リング圧縮機または
対応する減圧装置より成るのが好ましい。

さらに、本発明による装置８は室10の入口11の前方に
設置された加熱装置21を有し、それにより、箱９に入る
前に加熱装置21を通過するかまたは貫通する材料ウエブ
１は、使用される滅菌ガスの露点以上の温度に加熱され
てガスが箱９を通るとき材料ウエブ１上への滅菌ガスの
凝縮が防止される。さらに、箱９の壁にまたはその周り
には室の内壁を加熱するために電気的に加熱される加熱
要素22が設けられ、その上に凝縮物が形成するのを防止
する。

装置８は下記のように作用する。すなわち、加熱装置
21によつて予熱され、装置８によつて滅菌された材料ウ
エブ１は、矢印Ａの方向に偏向ローラを経て室10内にそ
して室10を通つて送られ、中間室部分10cの入口開口16
を通つて流入する滅菌ガスと密に接触せしめられ、ガス
は中間室部分10cにおいて材料ウエブの両側によく分布
して出口開口19に連通した真空源18を通つて圧送され、
それぞれ板13および14の間に形成された縮小区域10aお
よび10bの材料ウエブの両側に密接してきわめて高速で
流され、その結果これらの縮小室部分内でウエブの全幅
に沿つて滅菌ガスと通過する材料ウエブとの間に良い接
触が達成される。縮小区域10aおよび10bを通過した後、
滅菌ガスは再生および再使用のため室10から出口開口19
および導管20を通つて排出される。無菌材料ウエブ１は
室の出口開口12を通り、さらに無菌包装物４に変換する
ため第１図に示す包装機械３の無菌充填区域７内に、ま
たそこを通つて導出される。

上記本発明による装置は主として予測されるいかなる
移動材料ウエブ滅菌用にも使用しうるが、無菌包装容器
に変換する前記型の積層包装材料の滅菌においてとくに
有効に作用することが分つた。本発明による装置によつ
て、簡単な方法で、材料ウエブの表面構造に関わりな
く、包装材料ウエブの有効な滅菌を達成しうることが証
明された。

［発明の効果］ 本発明の移動材料の滅菌装置は、ガス状滅菌剤によつ
て、包装材料の表面が不規則であつても、万遍なく有効
に滅菌することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は包装材料のウエブから無菌包装容器を製造する
通常の型の包装機械に設置しかつ使用しうる、本発明に
よる装置を示す図であり、第２図は本発明による装置を
一層詳細に示す図である。 １……材料ウエブ、9a,9b……端壁、10……室、11……
ウエブ入口、10a,10b……縮小区域、10c……中間室部
分、10d,10e……室部分、12……ウエブ出口、13,14……
縮小要素、15……滅菌ガス源、16……ガス流用入口開
口、18……外部真空源、19……ガス流用出口開口、21…
…加熱装置、22……加熱要素。

Claims (3)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】移動する材料ウエブの滅菌装置であって、
   該装置がウエブ（１）用入口（11）および出口（12）な
   らびに滅菌ガス流用入口開口（16）および出口開口（1
   9）を備えた室（10）を有する滅菌装置において、 室（10）が入口（11）および出口（12）間に設けられた
   縮小区域（10a,10b）を有しそれら縮小区域が中間室部
   分（10c）を通して相互に連通しかつウエブが丁度自由
   に通りうるような大きさにされ、中間室部分（10c）が
   該中間室部分に設けられた少なくとも１つの入口開口
   （16）によって滅菌ガス源（15）に連通し、縮小区域
   （10a,10b）が外部真空源（18）と、該縮小区域に隣接
   して設けられたガス用出口開口（19）を通して連通して
   おり、 また室（10）が対をなして向かい合って位置した長い縮
   小要素（それぞれ13、14）を有しそれら縮小要素の間に
   縮小した自由流通面積を備えた長い間隙空間を画定して
   縮小区域（10a,10b）を形成しており、 さらにこの縮小要素（13、14）の遠隔端（それぞれ13a,
   14a）が前記室の向かい合って位置した端壁（それぞれ9
   a,9b）から短い距離に配置されて、前記室の入口（11）
   および出口（12）に配置された対応する室部分（それぞ
   れ10d,10e）を形成し、その中に前記出口開口（19）が
   設けられていることを特徴とする移動する材料ウエブの
   滅菌装置。
2. 【請求項２】室入口（11）の前方に設置された加熱装置
   （21）を備えそこを貫通し、またはそこを通過して、材
   料ウエブ（１）が案内され室（10）に入る前および／ま
   たは入る際に加熱されるようになっていることを特徴と
   する請求項１に記載の装置。
3. 【請求項３】室（10）の壁が電気的に加熱される加熱要
   素（22）および／または放射線源、たとえば紫外線源を
   備えたことを特徴とする、請求項１または２に記載の装
   置。