JP2718144B2 - 電界放出型冷陰極 - Google Patents
電界放出型冷陰極Info
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- Cold Cathode And The Manufacture (AREA)
- Electron Sources, Ion Sources (AREA)
Description
【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は電子源として用いる電界放出型冷陰極に関す
るものである。
るものである。
従来の技術 従来から電界放出型冷陰極を用いた電子源は数多く報
告されている。第4図は電界放出型冷陰極電子源の一例
を示す要部斜視図である。Si等の基板16上に形成された
円錐形状の冷陰極17と、SiO2等の絶縁層18の上に形成さ
れた貫通孔19を有する引き出し電極20とを対向させ構成
されている。冷陰極の尖端部は直径0.1μm以下の針状
に形成されており、冷陰極17と引き出し電極18との間に
所定の電圧を印加すると、冷陰極の尖端部には108V/cm
程度の強電界が発生し電子が放出される。電子は冷陰極
尖端部の微小面積から放出され電流密度の大きい電流が
流れるため、冷陰極材料としては、尖端部が溶融した
り、変形したりしないようにタングステン、モリブデ
ン、タンタル、炭素等の高融点金属が使用される。
告されている。第4図は電界放出型冷陰極電子源の一例
を示す要部斜視図である。Si等の基板16上に形成された
円錐形状の冷陰極17と、SiO2等の絶縁層18の上に形成さ
れた貫通孔19を有する引き出し電極20とを対向させ構成
されている。冷陰極の尖端部は直径0.1μm以下の針状
に形成されており、冷陰極17と引き出し電極18との間に
所定の電圧を印加すると、冷陰極の尖端部には108V/cm
程度の強電界が発生し電子が放出される。電子は冷陰極
尖端部の微小面積から放出され電流密度の大きい電流が
流れるため、冷陰極材料としては、尖端部が溶融した
り、変形したりしないようにタングステン、モリブデ
ン、タンタル、炭素等の高融点金属が使用される。
発明が解決しようとする課題 本発明が解決しようとする課題は印加電圧の低電圧化
と放出電子電流の安定化および長寿命化である。
と放出電子電流の安定化および長寿命化である。
一般に上記の電界放出型冷陰極では、電子放出を起こ
させるためには100V以上の印加電圧が必要であり、駆動
回路のIC化が困難となっている。さらに放出電子電流が
不安定(経時変化が大きい)で寿命が短いために、特殊
な用途以外には使用されていないのが現状である。通常
の電子管では、管内の真空度は10-8Torr程度であり、O
2,H2、H2O,CO,CO2,炭化水素などの残留ガスが存在
し、これらのガスが冷陰極表面に吸着して冷陰極表面の
仕事関数を大きくする。例えば、冷陰極材料としてタン
グステンを用いた場合、タングステンの仕事関数は4.5e
Vであるが、表面に酸素ガスが吸着すると6eV以上とな
り、放出電子電流は急激に減少する。さらに吸着ガスの
表面移動やイオン衝撃により放出電子電流が不安定とな
り寿命も低下するという欠点を有している。また、電子
は冷陰極尖端部から一様に放出されておらず、10-14cm2
程度の極めて限られた微小面積部分から放出される。こ
のような微小面積部分に電流が集中的に流れるため電子
放出部分は加熱され、さらに強い電界の影響により結晶
構造や表面形状が変化し放出電子電流の変動原因となっ
ている。
させるためには100V以上の印加電圧が必要であり、駆動
回路のIC化が困難となっている。さらに放出電子電流が
不安定(経時変化が大きい)で寿命が短いために、特殊
な用途以外には使用されていないのが現状である。通常
の電子管では、管内の真空度は10-8Torr程度であり、O
2,H2、H2O,CO,CO2,炭化水素などの残留ガスが存在
し、これらのガスが冷陰極表面に吸着して冷陰極表面の
仕事関数を大きくする。例えば、冷陰極材料としてタン
グステンを用いた場合、タングステンの仕事関数は4.5e
Vであるが、表面に酸素ガスが吸着すると6eV以上とな
り、放出電子電流は急激に減少する。さらに吸着ガスの
表面移動やイオン衝撃により放出電子電流が不安定とな
り寿命も低下するという欠点を有している。また、電子
は冷陰極尖端部から一様に放出されておらず、10-14cm2
程度の極めて限られた微小面積部分から放出される。こ
のような微小面積部分に電流が集中的に流れるため電子
放出部分は加熱され、さらに強い電界の影響により結晶
構造や表面形状が変化し放出電子電流の変動原因となっ
ている。
このような理由から従来の電界放出型冷陰極は、10
-10Torr以上の超高真空でないと安定に動作せず、真空
度が10-8Torr程度の通常の電子管には使用に耐えず、実
用化されていない。
-10Torr以上の超高真空でないと安定に動作せず、真空
度が10-8Torr程度の通常の電子管には使用に耐えず、実
用化されていない。
課題を解決するための手段 冷陰極基体に冷陰極基体材料より低い仕事関数を有す
る化学的に安定な抵抗材料を被覆もしくは含有する。
る化学的に安定な抵抗材料を被覆もしくは含有する。
作用 上記の構成によれば、冷陰極表面の微小面積部分に電
子放出が集中しようとすると、表面の抵抗材料の内部抵
抗によって表面電位が低下し、所定の電流密度以上にな
ることが抑制される。すなわち、従来技術による冷陰極
のように電子が限られた微小面積部分から放出されず、
冷陰極尖端部全面から放出され放出電子電流が安定化さ
れる。また被覆した場合、電子放出面が酸化物あるいは
炭化物であるため、酸素を主体とする残留ガスに対して
安定で比較的悪い真空度でも安定な放出電子電流が得ら
れる。さらに、低仕事関数材料を使用することにより、
100V以下の印加電圧で電界電子放出をうる低電圧動作が
可能になる。その結果残留ガスのイオン化によって起こ
る冷陰極表面のスパッタリングによる損傷が避けられる
ため放出電子電流が安定化するとともに寿命も長くな
る。
子放出が集中しようとすると、表面の抵抗材料の内部抵
抗によって表面電位が低下し、所定の電流密度以上にな
ることが抑制される。すなわち、従来技術による冷陰極
のように電子が限られた微小面積部分から放出されず、
冷陰極尖端部全面から放出され放出電子電流が安定化さ
れる。また被覆した場合、電子放出面が酸化物あるいは
炭化物であるため、酸素を主体とする残留ガスに対して
安定で比較的悪い真空度でも安定な放出電子電流が得ら
れる。さらに、低仕事関数材料を使用することにより、
100V以下の印加電圧で電界電子放出をうる低電圧動作が
可能になる。その結果残留ガスのイオン化によって起こ
る冷陰極表面のスパッタリングによる損傷が避けられる
ため放出電子電流が安定化するとともに寿命も長くな
る。
実施例 参考例1 第1図に本発明による電界放出型冷陰極の一参考例を
示す。円錐形状のタングステン冷陰極基体1の表面に低
仕事関数酸化物の一つであるLa2O3膜2を100A程度の厚
さに被覆し電界放出型冷陰極3を形成し、その近傍に従
来例と同様、直径1μm程度の貫通孔4を有する引き出
し電極5を絶縁層6上に形成する。上記の冷陰極と引き
出し電極間に約60Vの電圧を印加すると、冷陰極表面か
ら電子が放出される。さらに、印加電圧を80Vまで上げ
ると1μAの放出電子電流が得られた。また、放出電子
電流の経時変化をみると、1×10-7Torrの真空度にもか
かわらず、放出電子電流の変動は全電流の5%以内であ
った。従来のタングステン電界放出型冷陰極の電子放出
開始電圧が約100Vであり、放出電子電流変動が30〜40%
であるのに比較すると、本発明による電界放出型冷陰極
はかなり安定動作が可能である。これは、電極表面に被
覆されたLa2O3抵抗膜による負のフィードバック、すな
わちLa2O3膜の内部抵抗によって電子放出が微小面積部
分に集中せず冷陰極尖端部全面から放出されること、La
2O3膜の残留ガスへの安定性、さらには低電圧動作によ
るスパッタリング損傷の軽減によるものである。
示す。円錐形状のタングステン冷陰極基体1の表面に低
仕事関数酸化物の一つであるLa2O3膜2を100A程度の厚
さに被覆し電界放出型冷陰極3を形成し、その近傍に従
来例と同様、直径1μm程度の貫通孔4を有する引き出
し電極5を絶縁層6上に形成する。上記の冷陰極と引き
出し電極間に約60Vの電圧を印加すると、冷陰極表面か
ら電子が放出される。さらに、印加電圧を80Vまで上げ
ると1μAの放出電子電流が得られた。また、放出電子
電流の経時変化をみると、1×10-7Torrの真空度にもか
かわらず、放出電子電流の変動は全電流の5%以内であ
った。従来のタングステン電界放出型冷陰極の電子放出
開始電圧が約100Vであり、放出電子電流変動が30〜40%
であるのに比較すると、本発明による電界放出型冷陰極
はかなり安定動作が可能である。これは、電極表面に被
覆されたLa2O3抵抗膜による負のフィードバック、すな
わちLa2O3膜の内部抵抗によって電子放出が微小面積部
分に集中せず冷陰極尖端部全面から放出されること、La
2O3膜の残留ガスへの安定性、さらには低電圧動作によ
るスパッタリング損傷の軽減によるものである。
なお本参考例では、タングステン冷陰極基体1の表面
にLa2O3膜2を約100Aの厚さに被覆したが、冷陰極基体
材料、被覆材料およびその膜厚は本実施例に限定される
ものではない。冷陰極基体材料としてはタングステン以
外にモリブデン、タンタル、炭素等高融点金属を使用す
ることができる。また、被覆材料としてはLa2O3(仕事
関数は2.6eV)以外に、CeO2(3.0eV),Pr2O3(2.6eV)
等、仕事関数が2〜3eVの範囲にある高抵抗の希土類金
属酸化物を使用することができる。さらに、Y2O3,ZrO
2,ThO2、TiC,ZrC,HfC,TaC,NbC,SiC、MoC,WC等の低仕事
関数を有する高抵抗の金属酸化物および金属炭化物も使
用することができる。しかし、前記被覆材料は比抵抗が
大きく電子放出効率があまり大きくないため一つの冷陰
極から比較的大きな放出電流を取り出すには不都合であ
る。こうした問題点を解決するには、In2O3,SnO2,ZnO
などの比抵抗の比較的小さい金属酸化物、あるいはこれ
らの酸化物の混合物を前記低仕事関数の被覆材料と混合
して使用することができる。
にLa2O3膜2を約100Aの厚さに被覆したが、冷陰極基体
材料、被覆材料およびその膜厚は本実施例に限定される
ものではない。冷陰極基体材料としてはタングステン以
外にモリブデン、タンタル、炭素等高融点金属を使用す
ることができる。また、被覆材料としてはLa2O3(仕事
関数は2.6eV)以外に、CeO2(3.0eV),Pr2O3(2.6eV)
等、仕事関数が2〜3eVの範囲にある高抵抗の希土類金
属酸化物を使用することができる。さらに、Y2O3,ZrO
2,ThO2、TiC,ZrC,HfC,TaC,NbC,SiC、MoC,WC等の低仕事
関数を有する高抵抗の金属酸化物および金属炭化物も使
用することができる。しかし、前記被覆材料は比抵抗が
大きく電子放出効率があまり大きくないため一つの冷陰
極から比較的大きな放出電流を取り出すには不都合であ
る。こうした問題点を解決するには、In2O3,SnO2,ZnO
などの比抵抗の比較的小さい金属酸化物、あるいはこれ
らの酸化物の混合物を前記低仕事関数の被覆材料と混合
して使用することができる。
実施例1 第2図に実施例1の電界放出型冷陰極の要部を示す。
冷陰極基体材料であるタングステンに低仕事関数酸化物
の一つであるLa2O3を10モルパーセント含有し円錐形状
の電界放出型冷陰極7を形成し、その近傍に実施例1と
同様、直径1μm程度の貫通孔8を有する引き出し電極
9を絶縁層10上に形成する。上記の冷陰極と引き出し電
極間に約50Vの電圧を印加すると、冷陰極表面から電子
が放出される。さらに、印加電圧を70Vまで上げると1
μAの放出電子電流が得られた。また、放出電子電流の
経時変化をみると、1×10-7Torrの真空度にもかかわら
ず、放出電子電流の変動は全電流の10%以内であり、従
来の電界放出型冷陰極と比較して、本発明による電界放
出型冷陰極はかなり安定動作が可能である。
冷陰極基体材料であるタングステンに低仕事関数酸化物
の一つであるLa2O3を10モルパーセント含有し円錐形状
の電界放出型冷陰極7を形成し、その近傍に実施例1と
同様、直径1μm程度の貫通孔8を有する引き出し電極
9を絶縁層10上に形成する。上記の冷陰極と引き出し電
極間に約50Vの電圧を印加すると、冷陰極表面から電子
が放出される。さらに、印加電圧を70Vまで上げると1
μAの放出電子電流が得られた。また、放出電子電流の
経時変化をみると、1×10-7Torrの真空度にもかかわら
ず、放出電子電流の変動は全電流の10%以内であり、従
来の電界放出型冷陰極と比較して、本発明による電界放
出型冷陰極はかなり安定動作が可能である。
なお本実施例では、タングステン冷陰極基体にLa2O3
を含有したが、冷陰極基体材料および含有材料は本実施
例に限定されるものではなく、実施例1に示した材料の
使用が可能である。また、冷陰極基体材料に対する酸化
物および炭化物の含有量も本実施例に限定されるもので
はなく、5モルパーセントから60モルパーセントの範囲
まで含有することが可能である。
を含有したが、冷陰極基体材料および含有材料は本実施
例に限定されるものではなく、実施例1に示した材料の
使用が可能である。また、冷陰極基体材料に対する酸化
物および炭化物の含有量も本実施例に限定されるもので
はなく、5モルパーセントから60モルパーセントの範囲
まで含有することが可能である。
参考例2 第3図に参考例2の電界放出型冷陰極の要部を示す。
電極は絶縁性基板11の表面に冷陰極12と引き出し電極13
をお互いに平行平板状に対向させて構成されている。冷
陰極12および引き出し電極13は、厚さ200Aから1000Aの
タングステン冷陰極基体14の表面に低仕事関数酸化物の
一つであるLa2O3膜15を100A程度の厚さに被覆し形成さ
れる。上記の冷陰極と引き出し電極間に60〜80Vの電圧
を印加すると、冷陰極表面から電子が放出される。ま
た、放出電子電流の経時変化をみると、1×10-7Torrの
真空度にもかかわらず、放出電子電流の変動は全電流の
5%以内であり、従来の電界放出型冷陰極に比べかなり
安定な動作が得られた。
電極は絶縁性基板11の表面に冷陰極12と引き出し電極13
をお互いに平行平板状に対向させて構成されている。冷
陰極12および引き出し電極13は、厚さ200Aから1000Aの
タングステン冷陰極基体14の表面に低仕事関数酸化物の
一つであるLa2O3膜15を100A程度の厚さに被覆し形成さ
れる。上記の冷陰極と引き出し電極間に60〜80Vの電圧
を印加すると、冷陰極表面から電子が放出される。ま
た、放出電子電流の経時変化をみると、1×10-7Torrの
真空度にもかかわらず、放出電子電流の変動は全電流の
5%以内であり、従来の電界放出型冷陰極に比べかなり
安定な動作が得られた。
なお本参考例では、タングステン冷陰極基体にLa2O3
を約100Aの厚さに被覆したが、冷陰極基体材料、被覆材
料およびその膜厚は本実施例に限定されるものではな
く、参考例1に示した材料の使用が可能である。
を約100Aの厚さに被覆したが、冷陰極基体材料、被覆材
料およびその膜厚は本実施例に限定されるものではな
く、参考例1に示した材料の使用が可能である。
発明の効果 本発明によれば、低仕事関数の抵抗材料を冷陰極基体
に被覆あるいは含有することにより、低電圧動作が可能
でかつ放出電子電流が安定な長寿命の電界放出型冷陰極
が得られる。この電界放出型冷陰極を表示装置に利用す
れば100V以下での安定動作が可能となり、駆動回路の消
費電力が小さくなるだけでなく、IC化が可能となる。
に被覆あるいは含有することにより、低電圧動作が可能
でかつ放出電子電流が安定な長寿命の電界放出型冷陰極
が得られる。この電界放出型冷陰極を表示装置に利用す
れば100V以下での安定動作が可能となり、駆動回路の消
費電力が小さくなるだけでなく、IC化が可能となる。
第1図は、本発明の一参考例における電界放出型冷陰極
の部分断面図、第2図は、本発明の実施例1における電
界放出型冷陰極の部分断面図、第3図は、本発明の更に
他の参考例における要部斜視図、第4図は従来の電界放
出型冷陰極の要部斜視図である。 1、14……冷陰極基体、2、15……被覆膜、3、7、1
2、17……冷陰極、4、8、19……貫通孔、5、9、1
3、20……引き出し電極、6、10、11、18……絶縁層。
の部分断面図、第2図は、本発明の実施例1における電
界放出型冷陰極の部分断面図、第3図は、本発明の更に
他の参考例における要部斜視図、第4図は従来の電界放
出型冷陰極の要部斜視図である。 1、14……冷陰極基体、2、15……被覆膜、3、7、1
2、17……冷陰極、4、8、19……貫通孔、5、9、1
3、20……引き出し電極、6、10、11、18……絶縁層。
フロントページの続き (72)発明者 崎山 一幸 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電 器産業株式会社内 (56)参考文献 特開 昭50−141258(JP,A) 特開 昭60−225345(JP,A) 特開 昭57−191931(JP,A) 特開 昭58−216327(JP,A) 特開 昭63−274043(JP,A) 特開 昭51−48268(JP,A) 特開 昭51−25063(JP,A) 特開 昭54−134964(JP,A) 特開 平1−235124(JP,A) 実開 昭57−60367(JP,U)
Claims (5)
- 【請求項1】冷陰極基体に冷陰極基体材料より低い仕事
関数を有する化学的に安定な抵抗材料を含有し、前記冷
陰極基体の近傍に引き出し電極を設けたことを特徴とす
る電界放出型冷陰極。 - 【請求項2】抵抗材料が金属酸化物であることを特徴と
する請求項1に記載の電界放出型冷陰極。 - 【請求項3】抵抗材料が希土類金属酸化物、または希土
類金属酸化物の少なくとも1つを含有する酸化物である
ことを特徴とする請求項2に記載の電界放出型冷陰極。 - 【請求項4】抵抗材料が金属炭化物であることを特徴と
する請求項1に記載の電界放出型冷陰極。 - 【請求項5】抵抗材料が遷移金属炭化物であることを特
徴とする請求項1に記載の電界放出型冷陰極。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4085389A JP2718144B2 (ja) | 1989-02-21 | 1989-02-21 | 電界放出型冷陰極 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4085389A JP2718144B2 (ja) | 1989-02-21 | 1989-02-21 | 電界放出型冷陰極 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH02220337A JPH02220337A (ja) | 1990-09-03 |
JP2718144B2 true JP2718144B2 (ja) | 1998-02-25 |
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ID=12592124
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP4085389A Expired - Fee Related JP2718144B2 (ja) | 1989-02-21 | 1989-02-21 | 電界放出型冷陰極 |
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JP (1) | JP2718144B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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