JP2950689B2 - 電界放出型電子源 - Google Patents
電界放出型電子源Info
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Description
電子を放出する電界放出型電子源に関し、特に電界放出
型電子源の冷陰極に関する。
用いられている微細加工技術により、真空中の高電界に
おいて電子を放出する電界放出型電子源製造技術の進歩
はめざましく、特に極めて小型な構造を有する電界放出
型冷陰極が製造されている。この種の電界放出型冷陰極
は、3極管型の超小型電子管又は超小型電子銃を構成す
る主要部品の内、最も基本的な電子放出デバイスであ
る。
電子源は、例えば微小3極管や薄型表示素子等の構成要
素として考案されたもので、電界放出型電子源の動作及
び製造方法は、スタンフォード リサーチ インスティ
チュート(Stanford Research Institute )のシー.エ
ー.スピント(C.A.Spindt)らによるジャーナル オブ
アプライド フィジックス( Journal of Applied P
hysics)の第47巻、12号、5248〜5263頁(1976年12月)
に発表された研究報告により公知であり、エイチ.エ
フ.グレイ(H. F. Gray) 等によって米国特許第4,307,
507 号及び第4,513,308 号に開示されている。
示された従来の電界放出型電子源を表す。電界放出型冷
陰極50が、金属又は半導体材料で形成された基板電極51
の上に円錐状に形成され、電界放出型冷陰極50の周辺の
基板電極51の上には絶縁層52が形成され、更に絶縁層52
の上にはゲート電極53が積層されている。このような構
成において、電界放出型冷陰極50とゲート電極53との間
に電圧が印加されると、その間に高電界が発生し、電界
放出の原理によって電界放出型冷陰極50より電子が放出
される。
コン(Si)の他、タングステン(W)、モリブデン
(Mo)等の金属が用いられ、電子放出を発生させるた
めの動作電圧を低減するために電界放出型冷陰極50の形
状を最適化等する試みがなされている。
構成を示している。図12と同様に、電界放出型冷陰極
60の周辺の基板電極61の上には絶縁層62が形成され、更
に絶縁層62の上にはゲート電極63が積層されている。基
板電極61として、半導体又は金属が用いられており、電
界放出型冷陰極60の形成位置において、例えば、四角錘
の凸状に突出して形成されている。この凸部61a の上に
は、動作電圧を低減するためにセシウム(Cs)又はラ
ンタンヘキサボライド(LaB6 )等のように仕事関数
が低い電界放出型冷陰極被覆層60a が形成されている。
即ち、電界放出型冷陰極60は、基板電極61の凸部61a と
電界放出型冷陰極被覆層60a との積層構造を有してい
る。
に示す従来の電界放出型電子源では、電界放出型冷陰極
50としてタングステン(W)、モリブデン(Mo)、チ
タン(Ti)等の高融点金属を用いた場合、これらの材
料は熱的に強くかつ機械的特性に優れているが、仕事関
数は、タングステンが約4.3eV、モリブデンが約4.2eV
と大きいので、動作電圧が高いという問題点がある。
源では、電界放出型冷陰極被覆層60a の仕事関数は、セ
シウム(Cs)を用いた場合約2.1eV、ランタンヘキサ
ボライド(LaB6 )を用いた場合約2.7eVと小さく、
動作電圧を低減することができるが、電界放出型冷陰極
被覆層60a の材料と基板電極61の材料との熱膨張率の差
等のために熱的に不安定でありかつ機械的強度も十分で
ないという問題点がある。更に、電界放出型冷陰極被覆
層60a の材料が化学的に活性であるので仕事関数が変化
しやすいという問題点がある。また、セレン等の電界放
出型冷陰極被覆層60a の材料の電気抵抗が、金属や半導
体等の基板電極61に比べはるかに大きいため、両者の間
の電気伝導が悪くなり、電子放出が発生しにくくなると
いう問題点が生じる。
理的に安定であり、電気的特性及び機械的特性に優れ、
仕事関数が低い電界放出型電子源を提供するものであ
る。
は半導体材料で形成された基板電極と、この基板電極上
に設けられかつ基板電極に電気的に接続されている金属
炭化物、金属窒化物、金属酸化物又は金属ほう化物で形
成された複数の電界放出型冷陰極とを備えた電界放出型
電子源であって、電界放出型冷陰極を構成する炭素、窒
素、酸素又はほう素の組成比が、基板電極の近傍から電
界放出型冷陰極の先端に向かって除々に増加するように
構成された電界放出型電子源が提供される。また、金属
又は半導体材料で形成された基板電極と、この基板電極
上に設けられかつ基板電極に電気的に接続されている金
属炭化物、金属窒化物、金属酸化物又は金属ほう化物で
形成された複数の電界放出型冷陰極とを備えた電界放出
型電子源であって、電界放出型冷陰極を構成する炭素、
窒素、酸素又はほう素の組成比が、電界放出型冷陰極の
中心軸から外表面に向かって除々に増加するように構成
された電界放出型電子源が提供される。また、絶縁基板
上に形成された金属より成るエミッタ基部と、この金属
より成るエミッタ基部に物理的ならびに電気的に接続さ
れている金属炭化物、金属窒化物、金属酸化物又は金属
ほう化物で形成された電界放出型冷陰極とを備えた平面
型の電界放出型電子源であって、電界放出型冷陰極を構
成する炭素、窒素、酸素又はほう素の組成比が、電界放
出型冷陰極の先端から金属より成るエミッタ基部に向か
って除々に減少する領域が存在する電界放出型電子源が
提供される。
物、金属窒化物、金属酸化物又は金属ほう化物で形成さ
れる。この様に構成された電界放出型電子源では、金属
炭化物、金属窒化物、金属酸化物又は金属ほう化物の仕
事関数がモリブデン(Mo)、チタン(Ti)等の金属
と比較して小さいので電子放出を発生させるための動作
電圧を低減することができる。また、電界放出型冷陰極
の炭素、窒素、酸素又はほう素の組成比が基板から先端
に向かって除々に増加するような積層構造を形成するこ
とにより、基板電極の近傍から先端にかけて電気抵抗が
連続的に変化するため、または、電界放出型冷陰極の炭
素、窒素、酸素又はほう素の組成比が、電界放出型冷陰
極の中心軸から外表面に向かって除々に増加するように
構成されることにより、電界放出型冷陰極の中心軸から
外表面に向かって電気抵抗が連続的に変化するため、基
板電極上に直接冷陰極被覆層を積層する場合に比べ、冷
陰極内部での電気伝導性が改善される。さらに、積層間
の熱膨張差を低く抑えることができ、電界放出型冷陰極
と基板電極との接着性及び熱的な安定性を向上させるこ
とができるので、物理的に安定であって電気的特性及び
機械的特性に優れた電界放出型電子源を実現することが
できる。また、本発明によれば、平面型の電界放出型電
子源であって、絶縁基板上に形成された金属より成るエ
ミッタ基部と、この金属より成るエミッタ基部に物理的
ならびに電気的に接続されている金属炭化物、金属窒化
物、金属酸化物又は金属ほう化物で形成される電界放出
型冷陰極とを備える。この様に構成された電界放出電子
源では、金属炭化物、金属窒化物、金属酸化物又は金属
ほう化物の仕事関数がモリブデン(Mo)、チタン(T
i)等の金属と比較して小さいので電子放出を発生させ
るための動作電圧を低減することができる。また、電界
放出型冷陰極を構成する炭素、窒素、酸素又はほう素の
組成比が、電界放出型冷陰極の先端から金属より成るエ
ミッタ基部に向かって除々に減少する領域が存在するこ
とにより、電界放出型冷陰極の先端から金属より成るエ
ミッタ基部に向かって除々に電気抵抗が連続的に変化す
るため、金属より成るエミッタ基部に直接冷陰極被覆層
を積層する場合に比べ、冷陰極内部での電気伝導性が改
善される。さらに、積層間の熱膨張差を低く抑えること
ができ、電界放出型冷陰極と金属より成るエミッタ基部
との接着性及び熱的な安定性を向上させることができる
ので、物理的に安定であって電気的特性及び機械的特性
に優れた電界放出型電子源を実現することができる。
ついて図面を参照して説明する。
一実施例の電界放出型冷陰極の要部側面断面図である。
図2は、本実施例による電界放出型電子源の要部を示す
図であり、かつ電界放出型電子源の素子寸法を示す説明
図である。
にはチタン層11a が積層されており、チタン層11a の上
には、炭素の組成比が連続的に増加するようにチタン炭
化物層11b が積層され、更に最上部に炭化チタン層11c
が積層されている。この場合、炭化チタン層11c 、チタ
ン炭化物層11b 及びチタン層11a 全体が電界放出型冷陰
極11を構成する。
周辺の基板電極10の上には電界放出型冷陰極の周りを囲
む様に絶縁層12が形成され、更に絶縁層12の上にはゲー
ト電極13が積層されている。ゲート電極層13の上方には
真空間隙を介してアノード電極14が形成されている。
11は、底部が直径d=約0.8μm、高さh=約1μm
で形成され、基板電極10は厚さt1=約0.75mmで
形成されている。また、絶縁層12は厚さt2=約0.7
5μmで形成され、ゲート電極13は厚さt3=約0.5
μmで形成され、アノード電極14と基板電極10との間は
距離l=約10μmを有している。
ば、仕事関数が小さい金属炭化物で電界放出型冷陰極が
構成されたので、後述するように、動作電圧を低減する
ことができる。電界放出型冷陰極11は炭化チタン層11c
、チタン炭化物層11b 及びチタン層11a が積層された
構造を有しているので、チタン層11a と基板10との熱膨
張率の差が小さく、また炭化チタン層11c とチタン炭化
物層11b との間、チタン層11a とチタン炭化物11b の間
及びチタン層11a の各層間でも熱膨張率の差が小さいの
で、熱的に安定でありかつ機械的強度も十分である。ま
た、チタン層11a から先端の炭化チタン層11c にかけて
電気抵抗が連続的に変化するため、冷陰極内部での電気
伝導性が改善される。
型電子源の製造工程を説明する。
程を示す側面断面図、図4は、電界放出型冷陰極の詳細
な製造方法を示す説明図である。
(0.01Ω・cm)のシリコン基板電極10の上部表面
が約1100℃で熱酸化され、約0.75μmの厚さを
有する二酸化シリコン(SiO2 )の絶縁層12が形成さ
れる。更に、絶縁層12の上に、モリブデン金属により成
る約0.5μmのゲート電極13となる層が電子ビーム蒸
着又はスパッタによって形成される。次いで、ゲート電
極13の層の上に厚さ約1μmのレジスト(図示せず)が
スピンコートにより塗布されて、電子ビームによって直
径約1μmのスポットパターンが露光される。イソプロ
ピルアルコールで現像され、モリブデン上に直径約1μ
mのスポット開口部が形成される。次に開口部のモリブ
デン金属層及び絶縁層が選択的にエッチングされ、直径
約2μmの円形開口部15が基板電極10の上に形成され
る。次いで、レジストが有機溶剤で除去された後フッ酸
でエッチングされ、更にモリブデン金属より成る後にゲ
ート電極13となる層がアンダカットされて、図3(A)
に示すような構造が形成される。尚、本実施例ではゲー
ト電極13としてモリブデンが用いられたが、同等の性能
を有する金属であればこれに限られるものではない。ま
た、絶縁層12として二酸化シリコンが用いられたが、同
等の性能を有するものであればこれに限られるものでは
ない。
内に設置され、構造体のシリコン基板電極10が円形開口
部15の軸を中心軸として回転されて、図3(B)の矢印
Aに示す斜め上方からアルミニウムがゲート電極13の上
に蒸着され、円形開口部15の直径が上方ほど小さくなる
ようにアルミニウム層16が成膜されて、図3(B)に示
すような構造に形成される。
ように電界放出型冷陰極材料が電子ビーム蒸着され、シ
リコン基板電極10上に電界放出型冷陰極11が形成され
る。この時、図3(C)に示すように円形開口部15を介
して電界放出型冷陰極材料を矢印Bに示す方向から電子
ビーム蒸着すると、電界放出型冷陰極材料の堆積層11d
が形成されて円形開口部15の直径が徐々に減少し、やが
て円形開口部15が塞がり、結果として円錐状の電界放出
型冷陰極11が形成される。したがって、アルミニウム層
16及び堆積層11d を除去することによって、図3(D)
に示すような構造が形成される。尚、本実施例では、約
5000個の電界放出型冷陰極11が約10μmの間隔で
形成された。
(Ti)の金属蒸着源20と炭化チタン(TiC)の金属
炭化物蒸着源21とを用いる2源蒸着法によって電界放出
型冷陰極11を形成した。最初に、金属蒸着源20のみによ
りチタン層11a を蒸着し、次に、2つの蒸着源20、21の
蒸着レートを制御することにより、先端部分に近づくに
つれて炭素の比率が高い組成になるように組成比を連続
的に変化させてチタン炭化物層11b を成膜し、最後に金
属炭化物蒸着源21のみにより炭化チタン層11c を電界放
出型冷陰極11の最上部に形成した。尚、チタン(Ti)
の金属蒸着源20の代わりに、ジルコニウム(Zr)、モ
リブデン(Mo)、ハフニウム(Hf)等の金属蒸着源
を用いてもよく、また、炭化チタン(TiC)の金属炭
化物蒸着源21の代わりに、金属窒化物、金属酸化物又は
金属ほう化物等の金属蒸着源を用いてもよい。
と従来例による電界放出型電子源とおける、1素子当た
りに換算した電界放出による放出電流即ち放電電流密度
と動作電圧との関係を表すグラフを示す。ここで、動作
電圧とはアノード電極14と基板電極10との間に印加され
た電圧である。
おける放電電流密度と動作電圧との関係を示しており、
記号A4 で示した曲線は従来例の関係を示している。ま
た、記号A1 〜A4 はそれぞれ、電界放出型冷陰極の材
料として、炭化ジルコニウム、炭化チタン、窒化チタ
ン、モリブデンを用いた場合を示している。
準に基板電極10とゲート電極13との間に50Vの正電圧
V2 を印加し(図2参照)、アノード電極14と基板電極
10との間の印加電圧V1 (動作電圧)を変化させて放電
電流を測定することによって得られたものである。この
図から明らかなように従来例の関係A4 は、動作電圧の
閾値が約300Vであり、他方、本実施例の関係A1 〜
A3 は、動作電圧の閾値が約100V〜150Vであ
る。この動作電圧の大幅な低減化は、電界放出型冷陰極
の仕事関数低減によるものである。
説明する。
第2の実施例の電界放出型冷陰極31を示す要部側面断面
図、図7は、図6の電界放出型電子源の製造工程を示す
側面断面図である。
示すように電界放出型冷陰極31が形成される場所に、四
角錘形状の凸部30a が多数に形成されている(図中1つ
の電界放出型冷陰極を示す)。各凸部30a 上に、同様に
四角錘形状の電界放出型冷陰極31が形成されている。
尚、凸部30a 及び電界放出型冷陰極31の形状は四角錘形
状に限られるものではなく、円錐形状又は後に第3の実
施例に示すような表面積を大きくするためにエッジが鋸
歯形状を有するものであってもよい。
31a で形成されており、チタン層31a の上には、炭素の
組成比が連続的に増加するようにチタン炭化物層31b が
形成され、最上部は炭化チタン層31c で形成されてい
る。
出型電子源の製造工程を説明する。先ず、厚さが約0.
4mmの良導電性(0.01Ω・cm)のシリコン基板電
極30上を約1100℃で熱酸化し、厚さが約0.2μm
の二酸化シリコン(SiO2 )層を形成する。次いで、
この層の上にレジストを約1μmの厚さで塗布し、紫外
線によって露光した後現像を行いレジストマスク(図示
せず)を形成し、フッ酸及びフッ化アンモニウム混合液
により二酸化シリコン層のエッチングを行い酸化シリコ
ンマスク32を形成した後、レジストを有機溶剤で除去
し、図7(A)に示すような構造を得る。
チャントとして用いエッチングを行うと、シリコン基板
電極30上が浸食され、図7(B)に示すように四角錐状
の凸部30a が形成される。次いで、フッ酸及びフッ化ア
ンモニウム混合液により酸化シリコンマスク32を除去
し、図7(C)に示すように四角錐状の凸部30a が電界
放出型冷陰極31の基体として残される。尚、この種の四
角錐状の凸部30a は、水酸化カリウム、イソプロピルア
ルコール等のアルカリ混合液による異方性エッチングや
RIE等のドライエッチングによっても形成することも
できる。
の上に、スパッタリング法により後述するように電界放
出型冷陰極31の材料が成膜され、図7(D)に示すよう
な電界放出型冷陰極31を構成する各層が形成される。
尚、スパッタターゲットとしてはチタン等の金属が使用
され、反応ガスとしてアルゴン(Ar)、メタン(CH
4 )等の混合ガスが用いられ、反応性スパッタリングに
よって炭化チタン(TiC)の薄膜が形成される。
とにより、図6に示すように最初にチタン層31a が蒸着
され、次に、先端部分に近づくにつれて炭素の比率が高
い組成になるように組成比を連続的に変化させてチタン
炭化物層31b が成膜され、最後に炭化チタン層31c が電
界放出型冷陰極31の最上部に形成される。尚、スパッタ
ターゲットとしては、チタン(Ti)の代わりに、ジル
コニウム(Zr)やモリブデン(Mo)、ハフニウム
(Hf)等の金属を用いてもよい。また、反応ガスは、
窒化物の場合には窒素やアンモニウム等を用いることが
でき、酸化物の場合には酸素を用いることができる。
びゲート電極34が四角錐状の電界放出型冷陰極31の周辺
のシリコン基板電極30上に形成される。また、更にアノ
ード電極が形成されて(図示せず)、電界放出型電子源
の製造工程が終了する。
例と同様に、動作電圧を低減することができる。
製造については、CVD、MOCVD等の気相成長法や
他の成膜方法を使用することが可能であり、また、電界
放出型冷陰極の形状についても四角錐形状に限られるも
のではなく、これらの方法によって種々の形状を実現す
ることができる。例えば、気相成長法において、炭化チ
タンで形成するためには、四塩化チタンとメタンとを反
応させる方法が用いられる。
の第3の実施例として、冷陰極が四角錐形状以外の電界
放出型電子源の一実施例について図を参照して説明す
る。
の第3の実施例を示す平面図であり、水晶基板49上にエ
ッジが鋸歯形状の冷陰極エミッタ部41と、エッジが直線
のゲート部44とが対向した構造を有する電界放出型電子
源であり、冷陰極エミッタ部41の先端42より電子放出が
起こる平面型の電界放出型電子源である。図9は、本実
施例による電界放出型冷陰極の水平断面構造を示す図8
のA部拡大平面断面図である。エミッタ部の底部にチタ
ン(Ti)層41aがあり、表面に近づくにしたがいしだ
いに窒素(N)濃度が高くなるチタン窒化物組成変化層
41bの領域があり、最終的に窒化チタン(TiN)層41
cが表面にできるような積層構造で冷陰極エミッタ部41
が構成される。図10は、本実施例による電界放出型冷
陰極の垂直方向の断面構造を示す図9の線C−Cにおけ
る要部側面断面図である。側面からでも同様に、表面に
近づくにしたがいしだいに窒素濃度が高くなるような構
造が構成される。
は、図8に於いて、冷陰極エミッタ部41の先端42とゲー
ト部44のエッジ45の距離S1 が1μm、冷陰極エミッタ
部の隣合う先端44の間隔S2 が5μm、冷陰極エミッタ
部の先端42と基部43の距離S3 が5μmであり、図10
において、エミッタ部41の厚さS4 が0.5μmであ
る。
11は、図8の電界放出型電子源の製造工程を示す図8
の線B−Bにおける要部側面断面図である。
ォトエッチングプロセスにより、平面上に鋸歯形状の後
に冷陰極エミッタの下地部分と成る凸部48を有するパタ
ーンを形成し、図11(A)の構造を得る。次に、パタ
ーンの凸部48上にスパッタリング法によりチタンより成
る後に冷陰極エミッタ部と成る層40を形成し、更に、B
HF(フッ酸及びフッ化アンモニウム混合液)により水
晶基板のサイドエッチングを行い図11(B)の構造を
得る。次に、アルゴン(Ar)とアンモニア(NH3 )
等の混合ガスを用いて、アルゴンガスとアンモニアの流
量を制御し、徐々にアルゴンガスに対するアンモニアの
比率が高くなるようにガスの混合比を連続的に変化さ
せ、チタン冷陰極材料の窒化反応を約500〜900℃
の高温で行い、薄膜冷陰極41の表面に窒化チタン(Ti
N)層を形成し、図11(C)の構造を得る。この場
合、スパッタターゲットは、チタン(Ti)以外にも、
ジルコニウム(Zr)、モリブデン(Mo)等でもよ
く、反応性ガスはアンモニアのかわりに、窒素(N2 )
でもよい。
びゲート電極の蒸着を行うことによりゲート部44が形成
され、図11(D)の構造が得られ、電界放出型電子源
の製造工程が終了する。
放出型冷陰極は、金属又は半導体材料で形成された基板
電極と、この基板電極上に設けられかつ基板電極に電気
的に接続された金属炭化物、金属窒化物、金属酸化物又
は金属ほう化物で形成された電界放出型冷陰極とを有す
るので、電子放出を発生させるための動作電圧を低減す
ることができる。また、電界放出型冷陰極の炭素、窒
素、酸素又はほう素の組成比が基板から先端に向かって
除々に増加するような積層構造を形成することにより、
または、電界放出型冷陰極の炭素、窒素、酸素又はほう
素の組成比が、電界放出型冷陰極の中心軸から外表面に
向かって除々に増加するような積層構造を形成すること
により、積層間の熱膨張差を低く抑えることができる。
また、基板電極の近傍から先端にかけて、或いは電界放
出型冷陰極の中心軸から外表面に向かって電気抵抗が連
続的に変化するため、基板電極上に直接冷陰極被覆層を
積層する場合に比べ、冷陰極内部での電気伝導性が改善
される。さらに、電界放出型冷陰極と基板電極との接着
性及び熱的安定性を向上させることができ、物理的に安
定であって電気的特性及び機械的特性に優れた電界放出
型電子源を実現することができる。また、本発明による
平面型の電界放出型電子源は、絶縁基板上に形成された
金属より成るエミッタ基部と、この金属より成るエミッ
タ基部に物理的ならびに電気的に接続されている金属炭
化物、金属窒化物、金属酸化物又は金属ほう化物で形成
される電界放出型冷陰極とを有するので、積層間の熱膨
張差を低く抑えることができる。また、電界放出型冷陰
極を構成する炭素、窒素、酸素又はほう素の組成比が、
電界放出型冷陰極の先端から金属より成るエミッタ基部
に向かって除々に減少する領域が存在することにより、
電界放出型冷陰極の先端から金属より成るエミッタ基部
に向かって除々に電気抵抗が連続的に変化するため、金
属より成るエミッタ基部に直接冷陰極被覆層を積層する
場合に比べ、冷陰極内部での電気伝導性が改善される。
さらに、電界放出型冷陰極と金属より成るエミッタ基部
との接着性及び熱的安定性を向上させることができ、物
理的に安定であって電気的特性及び機械的特性に優れた
電界放出型電子源を実現することができる。
耐久性の向上した、実用上優れた特性を有する電界放出
型電子源が提供される。
界放出型冷陰極を示す要部側面断面図である。
出型冷陰極の断面図である。
断面図である。
す説明図である。
出型電子源とにおける、電界放出型冷陰極1素子当たり
に換算した電界放出による放出電流とゲート電極の印加
電圧との関係を示すグラフである。
電界放出型冷陰極を示す要部側面断面図である。
断面図である。
を示す平面図である。
す要部平面断面図である。
図である。
面断面図である。
冷陰極を示す要部側面断面図である。
型冷陰極を示す要部側面断面図である。
Claims (3)
- 【請求項1】 金属又は半導体材料で形成された基板電
極と、該基板電極上に設けられかつ該基板電極に電気的
に接続されている金属炭化物、金属窒化物、金属酸化物
又は金属ほう化物で形成された複数の電界放出型冷陰極
とを備えた電界放出型電子源であって、前記電界放出型
冷陰極を構成する炭素、窒素、酸素又はほう素の組成比
が、前記基板電極の近傍から前記電界放出型冷陰極の先
端に向かって除々に増加するように構成されたことを特
徴とする電界放出型電子源。 - 【請求項2】 金属又は半導体材料で形成された基板電
極と、該基板電極上に設けられかつ該基板電極に電気的
に接続されている金属炭化物、金属窒化物、金属酸化物
又は金属ほう化物で形成された複数の電界放出型冷陰極
とを備えた電界放出型電子源であって、前記電界放出型
冷陰極を構成する炭素、窒素、酸素又はほう素の組成比
が、前記電界放出型冷陰極の中心軸から外表面に向かっ
て除々に増加するように構成されたことを特徴とする電
界放出型電子源。 - 【請求項3】 絶縁基板上に形成された金属より成るエ
ミッタ基部と、該金属より成るエミッタ基部に物理的な
らびに電気的に接続されている金属炭化物、金属窒化
物、金属酸化物又は金属ほう化物で形成された電界放出
型冷陰極とを備えた平面型の電界放出型電子源であっ
て、前記電界放出型冷陰極を構成する炭素、窒素、酸素
又はほう素の組成比が、前記電界放出型冷陰極の先端か
ら前記金属より成るエミッタ基部に向かって除々に減少
する領域が存在することを特徴とする電界放出型電子
源。
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