JP2002093307A - 電子放出素子及び電子放出素子の製造方法及び電子源及び画像形成装置 - Google Patents

電子放出素子及び電子放出素子の製造方法及び電子源及び画像形成装置

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JP2002093307A
JP2002093307A JP2000280352A JP2000280352A JP2002093307A JP 2002093307 A JP2002093307 A JP 2002093307A JP 2000280352 A JP2000280352 A JP 2000280352A JP 2000280352 A JP2000280352 A JP 2000280352A JP 2002093307 A JP2002093307 A JP 2002093307A
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layer
cathode electrode
electrode layer
gate electrode
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Yoji Teramoto
洋二 寺本
Michiyo Nishimura
三千代 西村
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 電子ビーム径が小さく、低電圧による駆動及
び電子放出効率が高く、素子作製上のばらつきの軽減を
可能とする電子放出素子及び電子放出素子の製造方法及
びそのような電子放出素子を適用する電子源及び画像形
成装置を提供する。 【解決手段】 導電層109は、絶縁層103の一部に
よって電子放出層105から所定距離だけ隔てた位置に
設けられており、導電層109の一部はカソード電極1
02と接するようにし、この導電層109の一部は電子
放出層105の表面よりも、ゲート電極104の近傍に
位置するようにする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電圧を印加するこ
とによって電子の放出を行う電子放出素子及び電子放出
素子の製造方法及び電子源及び画像形成装置に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】従来、電子放出素子を適用した電子源と
して、熱電子源と冷陰極電子源の2種類が知られてい
る。このうち冷陰極電子源には、電界放出型(以下、F
E型と称する)、金属/絶縁層/金属型(以下、MIM
型と称する)や、表面伝導型電子放出素子等がある。
【0003】FE型の例としては、W.P.Dyke
& W.W.Dolan,“Field Emissi
on”,Advance in Electron P
hysics,8,89 (1956) あるいはC.
A.Spindt,“PHYSICAL Proper
ties ofthin−film field em
ission cathodes with moly
bdenium cones”,J.Appl.Phy
s.,47,5248(1976)等に開示されたもの
が知られている。
【0004】MIM型の例としては、C.A.Mea
d,“Operation of Tunnel−Em
ission Devices”,J.Apply.P
hys.,32,646(1961)等に開示されたも
のが知られている。
【0005】また、最近の例では、Toshiaki.
Kusunoki,“Fluctuation−fre
e electron emission from
non−formed metal−insulato
r−metal(MIM)cathodes Fabr
icated by low current Ano
dic oxidation”,Jpn.J.App
l.Phys.vol.32(1993)pp.L16
95,Mutsumi suzuki etal“An
MIM−Cathode Array for Ca
thode luminescent Display
s”,IDW’96,(1996)pp.529等が研
究されている。
【0006】表面伝導型の例としては、エリンソンの報
告(M.I.Elinson Radio Eng.E
lectron Phys.,10(1965))に記
載のもの等があり、この表面伝導型電子放出素子は、基
板上に形成された小面積の薄膜に、膜面に平行に電流を
流すことにより、電子放出が生ずる現象を利用するもの
である。
【0007】表面伝導型素子では、前記のエリンソンの
報告に記載のSnO2薄膜を用いたもの、Au薄膜を用
いたもの、(G.Dittmer.Thin Soli
dFilms,9,317(1972))、In23
SnO2薄膜によるもの(M.Hartwell an
d C.G.Fonstad,IEEE Trans.
ED Conf.,519(1983))等が報告され
ている。
【0008】電子放出素子を画像形成装置に応用するに
は、蛍光体を十分な輝度で発光させる放出電流が必要で
ある。また、ディスプレイの高精細化のためには蛍光体
に照射される電子ビームの径が小さいものである事が要
求される。そして、製造し易いという事が重要である。
【0009】従来のFE型の例としてSpindt型の
電子放出素子がある。Spindt型では、放出点とし
てマイクロチップが形成され、その先端から電子が放出
される構成が一般的であり、蛍光体を発光させるために
放出電流密度を大きくすると、電子放出部の熱的な破壊
を誘起し、FE素子の寿命を制限することになる。ま
た、先端から放出された電子は、ゲート電極で形成され
た電場によって広がる傾向があり、ビーム径を小さくで
きないという欠点がある。
【0010】このようなFE素子の欠点を克服するため
に、個別の解決策として様々な例が提案されている。
【0011】例えば、電子ビームの広がりを防ぐ例とし
ては、電子放出部上方に収束電極を配置した例がある。
これは放出された電子ビームを収束電極の負電位によっ
て絞るのが一般的だが、製造工程が複雑となり、製造コ
ストの増大を招く。
【0012】電子ビーム径を小さくする別の例として
は、Spindt型のようなマイクロチップを形成しな
い方法がある。たとえば、特開平8−096703号公
報及び特開平8−096704号公報に開示された技術
がある。
【0013】これは孔内に配置した薄膜から電子放出を
行わせるため、電子放出面上に平坦な等電位面が形成さ
れ電子ビームの広がりが小さくなるという利点がある。
【0014】また、電子放出物質として低仕事関数の構
成材料を使用することで、マイクロチップを形成しなく
ても電子放出が可能であり、低駆動電圧が図れる。さら
に、電子放出が面で行われるために、電界の集中がおき
ず、破壊がおこらず、長寿命である。
【0015】さらに電子ビーム径を小さく、駆動電圧を
低く抑える方法として、カソード電極の形状を改善する
手法を用いた例がある。たとえば、特開平8−2932
44号公報、特開平10−125215号公報、特開平
2000−67736号公報、USP5473218に
開示された技術がある。
【0016】これらは、カソード電極を凹型にし、その
溝中に電子放出材料を形成することで、前述したビーム
径及び駆動電圧を改善したものである。図10に、この
ようにカソード電極の形状に工夫を加えた先行技術の一
例として、特開平2000−67736号公報に開示さ
れた素子を模式的に示した。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
ような従来技術の場合には、下記のような問題が生じて
いた。
【0018】図10に示す素子は、基板10上に、カソ
ード電極(層)20,絶縁層30,ゲート電極(層)4
0の順に積層して、ゲート電極40側からカソード電極
20に潜り込む位置まで穴50を形成して、この穴50
の底に電子放出層となるカーボン膜60を形成した構造
である。
【0019】このような構造の場合には、カソード電極
20とカーボン膜60との段差距離が、電子放出層表面
に加わる電界に大きく依存している。つまり、段差を正
確に制御できなければ、安定的な電子放出特性を得るこ
とができない。
【0020】しかし、一般的にこのような段差距離の制
御は、非常に困難であるため、電界のばらつきを生じや
すく、これは放出電流のばらつきとして現れ、画像形成
時に画像の乱れとして現れる問題を有している。
【0021】本発明は上記の従来技術の課題を解決する
ためになされたもので、その目的とするところは、電子
ビーム径が小さく、低電圧による駆動及び電子放出効率
が高く、素子作製上のばらつきの軽減を可能とする電子
放出素子及び電子放出素子の製造方法及びそのような電
子放出素子を適用する電子源及び画像形成装置を提供す
ることにある。
【0022】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明の電子放出素子にあっては、基板上に積層され
るカソード電極層と、該カソード電極層に電気的に接続
するように形成される導電層と、これらカソード電極層
及び導電層上に積層される絶縁層と、該絶縁層上に積層
されるゲート電極層と、を備え、前記ゲート電極層の表
面から前記絶縁層を介してカソード電極層に至る位置ま
で貫く穴を設けると共に、該穴の中に、前記カソード電
極層の表面を覆うように電子放出層を設けた電子放出素
子であって、前記導電層の表面は、前記電子放出層の表
面よりも前記ゲート電極層側に位置し、かつ、該導電層
と電子放出層との間は前記絶縁層の一部によって隔てら
れることを特徴とする。
【0023】また、前記導電層と電子放出層との間の隔
てられた距離は、前記電子放出層からゲート電極層まで
の最短距離よりも短いことを特徴とする。
【0024】また、前記穴の基板表面に略平行な断面形
状は、円形,楕円形,多角形及びスリット形状のうちの
いずれか一つであることを特徴とする。
【0025】また、前記電子放出層の素材は、炭素を含
むことを特徴とする。
【0026】また、本発明の電子放出素子の製造方法に
あっては、基板上にカソード電極層を積層する工程と、
該カソード電極層上に導電層を形成し、その後エッチン
グにより導電層の一部を除去する工程と、前記カソード
電極層及び導電層上に絶縁層を積層する工程と、該絶縁
層上にゲート電極層を積層する工程と、前記ゲート電極
層の表面から前記絶縁層を介してカソード電極層に至る
位置まで、前記導電層との隔壁距離を制御しながらエッ
チングにより穴を形成する工程と、該穴によって露出し
たカソード電極表面上に、電子放出層を形成する工程
と、を有することを特徴とする。
【0027】また、本発明の電子放出素子の製造方法に
あっては、基板上にカソード電極層を積層する工程と、
該カソード電極層上に導電層を積層する工程と、前記導
電層上に第1絶縁層を積層する工程と、該第1絶縁層上
にゲート電極層を積層する工程と、前記ゲート電極層の
表面から前記第1絶縁層及び導電層を介してカソード電
極層に至る位置まで、エッチングにより穴を形成する工
程と、前記カソード電極層上に、前記導電層,第1絶縁
層及びゲート電極層を埋めるように第2絶縁層を積層す
る工程と、該第2絶縁層を、前記ゲート電極層が露出
し、かつ、前記穴の底にカソード電極層のみが露出する
ようにエッチングする工程と、該穴の底に露出したカソ
ード電極表面上に、電子放出層を形成する工程と、を有
することを特徴とする。
【0028】また、本発明の電子源にあっては、上記の
電子放出素子を複数個設け、各電子放出素子のゲート電
極層をゲート電極配線に電気的に接続し、かつ、カソー
ド電極層をカソード電極配線に電気的に接続することを
特徴とする。
【0029】また、前記複数の電子放出素子をマトリク
ス配線することを特徴とする。
【0030】また、本発明の画像形成装置にあっては、
上記の電子源と、該電子源から放出された電子が衝突さ
れることで画像を形成する画像形成部材と、を備えるこ
とを特徴とする。
【0031】また、前記画像形成部材は、電子の衝突に
より発光する発光体であることを特徴とする。
【0032】
【発明の実施の形態】以下に図面を参照して、この発明
の好適な実施の形態を例示的に詳しく説明する。ただ
し、この実施の形態に記載されている構成部品の寸法、
材質、形状、その相対配置などは、特に特定的な記載が
ない限りは、この発明の範囲をそれらのみに限定する趣
旨のものではない。また、カソード、ゲート、アノード
電極に印加される電圧、駆動波形等の条件も、特に特定
的な記載がない限りは、それらのみに限定する趣旨のも
のではない。
【0033】図1〜図4を参照して、本発明の実施の形
態に係る電子放出素子について説明する。
【0034】図1は本発明の実施の形態に係る電子放出
素子の模式図((a)は模式的断面図、(b)は模式的
平面図)であり、図2は本発明の実施の形態に係る電子
放出素子の駆動状態(カソード電極及びゲート電極に電
圧を印加した状態)を示す模式図であり、図3及び図4
は本発明の実施の形態に係る電子放出素子の製造工程図
である。
【0035】まず、特に図1を参照して、本実施の形態
に係る電子放出素子の概略構成について説明する。
【0036】図1に示すように、本実施の形態に係る電
子放出素子は、概略、基板101と、基板101上に積
層されるカソード電極層(以下、カソード電極102と
称する)と、カソード電極102と絶縁されたゲート電
極層(以下、ゲート電極104と称する)と、カソード
電極102に接続された電子放出層105と、を有して
いる。
【0037】そして、これらの電子放出部から空間的に
離れた所に、電子を引き出すためのアノード電極107
が設置されることによって、電子放出素子としての機能
を発揮するものである。
【0038】また、さらに詳しく説明すると、基板10
1上に、カソード電極102と、絶縁層103と、カソ
ード電極102と交叉するゲート電極104とを、この
順に有し、カソード電極102とゲート電極104の交
叉領域において、ゲート電極104および絶縁層103
(場合によっては、更にカソード電極102の厚さ方向
の一部)には、カソード電極102に臨んで開口する穴
を有している。
【0039】また、穴の底面はゲート電極104の表面
と平行な平面をなし、この底の表面には電子放出層10
5を有し、絶縁層103内に埋没するように、カソード
電極102上に導電層109を有している。
【0040】この導電層109は、絶縁層103の一部
によって電子放出層105から所定距離だけ隔てた位置
に設けられており、導電層109の一部はカソード電極
102と接している。
【0041】また、この導電層109の一部は電子放出
層105の表面よりも、ゲート電極104の近傍に位置
している。
【0042】更に、アノード電極107に対向するカソ
ード電極102の表面とアノード電極107との距離
が、アノード電極107に対向する電子放出層105と
アノード電極107との距離よりも長く、アノード電極
107に対向する電子放出層105の表面とアノード電
極107との距離がアノード電極107に対向するゲー
ト電極104の表面とアノード電極107との距離より
も長い。
【0043】ここで、図1中、W1は穴の直径であり、
W2は絶縁層103の一部によって隔てられた導電層1
09と電子放出層105の距離であり、W3は導電層1
09の幅であり、h1はゲート電極104から電子放出
層105までの距離であり、h2はゲート電極104か
ら導電層109までの距離であり、Hはアノード電極1
07からカソード電極102の距離である。
【0044】なお、穴の形状について、図1では基板表
面に略平行な断面形状が、円形の場合を示しているが、
これに限る必要はなく、楕円形,多角形あるいはスリッ
ト形状としても良い。
【0045】このうち、W1,W2,h2は、素子を構
成する材料や抵抗値、ゲート電極104の材料の仕事関
数と駆動電圧、必要とする電子放出ビームの形状により
適宜設定されるものであり、通常、数nmから数百μm
の範囲で設定され、好ましくは数十nmから数μmの範
囲で選択される。
【0046】ここで、本実施の形態では、h1とh2は
常にh1>h2の関係にあり、h1−h2の値は、数n
mから数百μmの範囲で設定され、好ましくは数十nm
から数μmの範囲で選択される。また、h1とW2との
間には、h1>W2の関係がある。
【0047】また、図中、Vaはカソード電極102と
アノード電極107の間に印加されている電圧であり、
Vbは電源106によって印加されるカソード電極10
2とゲート電極104の間に印加されている電圧の電位
差である。電子放出層105にかかる電界は、Va及び
Vbによって形成される。
【0048】また、図2は電子放出素子から電子を放出
させる場合の駆動を示す概略断面図であり、図中、20
1は、この時に電子放出層105付近に形成される等電
位面を示している。この時、カソード電極102の電圧
は0V、ゲート電極104の電圧は10Vである。
【0049】ここで、等電位面201の形状は、Vaの
大きさ及び素子を形成している各材料の厚さや幅により
決定される。
【0050】特に、導電層109がカソード電極102
と接しているため、導電層109はカソード電極102
と同電位となっている。このため等電位面201は、導
電層109の上面から電子放出層105の中央部に向け
て、沈み込んだ形となり、電子放出層105で電界の強
度が増す。
【0051】電子放出層105と絶縁層103との境界
付近は、中央部と比較して、電界が減少する。このた
め、電子放出層105の中央部から選択的に電子が放出
され、結果として放出される電子ビームのビーム径は小
さくなる。
【0052】本願発明者らの検討では、駆動時の電子放
出層105表面の電界を制御するためには、h1−h2
及びW2の値が重要になる事が分かった。すなわち、等
電位面201の形状は、h1−h2/W2値に強く依存
する。一方、素子を形成している各材料の厚さや幅は、
使用用途により好適な値を任意に選択することが出来
る。
【0053】ところで、先行技術の構造の場合には、h
1−h2の値のみに電子放出層105表面電界の強さが
大きく依存する。しかし、一般的にh1−h2の値を制
御することは難しい。
【0054】そこで、本発明の実施の形態では、W2の
値を制御することで、h1−h2の値の変化による電子
放出層105表面電界の変化を緩和することでこの問題
を解決することが可能となった。これにより、h1−h
2のマージンを大きく取ることが可能となり、電子放出
素子作製プロセスが容易になるとともに、安定した電子
放出特性を有する電子放出素子を作製できる。
【0055】次に、本実施の形態に係る電子放出素子の
製造方法について、特に図3及び図4を参照して説明す
る。
【0056】(工程1)予め、その表面を十分に洗浄し
た、石英ガラス、Na等の不純物含有量を減少させたガ
ラス、青板ガラス、シリコン基板等にスパッタ法等によ
りSiO2を積層した積層体、アルミナ等セラミックス
の絶縁性基板のうち、いずれか一つを基板101として
用い、基板101上にカソード電極102を積層する。
【0057】カソード電極102は一般的に導電性を有
しており、蒸着法、スパッタ法等の一般的真空成膜技
術、フォトリソグラフィー技術により形成される。
【0058】カソード電極102の材料は、例えば、B
e、Mg、Ti、Zr、Hf、V、Nb、Ta、Mo、
W、Al、Cu、Ni、Cr、Au、Pt、Pd等の金
属または合金材料、TiC、ZrC、HfC、TaC、
SiC、WC等の炭化物、HfB2、ZrB2、La
6、CeB6、YB4、GdB4等の硼化物、TiN、Z
rN、HfN等の窒化物、Si、Ge等の半導体、有機
高分子材料、アモルファスカーボン、グラファイト、ダ
イヤモンドライクカーボン、ダイヤモンドを分散した炭
素及び炭素化合物等から適宜選択される。
【0059】カソード電極102の厚さとしては、数十
nmから数mmの範囲で設定され、好ましくは数百nm
から数μmの範囲で選択される。
【0060】(工程2)次に、カソード電極102に続
いて導電層109を堆積する。導電層109はカソード
電極102と同様に導電性を有しており、蒸着法、スパ
ッタ法等の一般的真空成膜技術、フォトリソグラフィー
技術により形成される。
【0061】導電層109の材料は、例えば、Be、M
g、Ti、Zr、Hf、V、Nb、Ta、Mo、W、A
l、Cu、Ni、Cr、Au、Pt、Pd等の金属また
は合金材料、TiC、ZrC、HfC、TaC、Si
C、WC等の炭化物、HfB2、ZrB2、LaB6、C
eB6、YB4、GdB4等の硼化物、TiN、ZrN、
HfN等の窒化物、Si、Ge等の半導体、有機高分子
材料等から適宜選択される。
【0062】導電層109の厚さとしては、数nmから
数十μmの範囲で設定され、好ましくは、数十nmから
数μmの範囲で選択される。
【0063】(工程3)次に、導電層109上にフォト
リソグラフィー技術によりマスクパターン301を形成
する。
【0064】(工程4)次に、エッチングを行った後
に、マスクパターン301を剥離することによって、導
電層109の一部がカソード電極102から取り除かれ
た積層構造が形成される。ただし、本エッチング工程
は、カソード電極102上で停止しても良いし、カソー
ド電極102の一部がエッチングされても良い。エッチ
ング工程は、導電層109及びカソード電極102の材
料に応じてエッチング方法を選択すれば良い。
【0065】(工程5)次に、導電層109続いて絶縁
層103を堆積する。絶縁層103は、スパッタ法等の
一般的な真空成膜法、CVD法、真空蒸着法で形成さ
れ、その厚さとしては、数nmから数μmの範囲で設定
され、好ましくは数十nmから数百nmの範囲から選択
される。望ましい材料としてはSiO2、SiN、Al2
3、CaF、アンドープダイヤモンドなどの高電界に
絶えられる耐圧の高い材料が望ましい。
【0066】(工程6)堆積した絶縁層表面の平滑性が
悪い場合には、研磨により平坦化させる。
【0067】(工程7)更に、絶縁層103に続きゲー
ト電極104を堆積する。ゲート電極104は、カソー
ド電極102と同様に導電性を有しており、蒸着法、ス
パッタ法等の一般的真空成膜技術、フォトリソグラフィ
ー技術により形成される。
【0068】ゲート電極104の材料は、例えば、B
e、Mg、Ti、Zr、Hf、V、Nb、Ta、Mo、
W、Al、Cu、Ni、Cr、Au、Pt、Pd等の金
属または合金材料、TiC、ZrC、HfC、TaC、
SiC、WC等の炭化物、HfB2、ZrB2、La
6、CeB6、YB4、GdB4等の硼化物、TiN、Z
rN、HfN等の窒化物、Si、Ge等の半導体、有機
高分子材料等から適宜選択される。
【0069】ゲート電極104の厚さとしては、数nm
から数十μmの範囲で設定され、好ましくは数十nmか
ら数μmの範囲で選択される。
【0070】なお、カソード電極102、ゲート電極1
04及び導電層109は、同一材料でも異種材料でも良
く、また、同一形成方法でも異種方法でも良い。
【0071】(工程8)フォトリソグラフィー技術によ
りマスクパターン302を形成する。
【0072】(工程9)次に、エッチングを行った後
に、マスクパターン302を剥離することによって、絶
縁層103及びゲート電極104の一部がカソード電極
102から取り除かれた積層構造が形成される。これに
より穴が形成される。
【0073】ただし、本エッチング工程は、カソード電
極102上で停止しても良いし、カソード電極102の
一部がエッチングされても良い。エッチング工程は、絶
縁層103及びゲート電極104の材料に応じてエッチ
ング方法を選択すれば良い。
【0074】(工程10)次に、開口された穴の底に露
出されたカソード電極102の表面に、電子放出層10
5を成膜する。
【0075】電子放出層105は、蒸着法、スパッタ法
等の一般的真空成膜技術、フォトリソグラフィー技術に
より形成される。電子放出層105の材料は、例えば、
グラファイト、フラーレン、カーボンナノチューブ、ダ
イヤモンドライクカーボン、ダイヤモンドを分散した炭
素及び炭素化合物等から適宜選択される。好ましくは仕
事関数の低いダイヤモンド薄膜、ダイヤモンドライクカ
ーボン等が良い。電子放出層105の膜厚としては、数
nmから数μmの範囲で設定され、好ましくは数nmか
ら数百nmの範囲で選択される。
【0076】次に、本発明の実施の形態に係る電子放出
素子を適用した応用例について以下に述べる。本発明の
実施の形態に係る電子放出素子は、その複数個を基体上
に配列することによって、例えば電子源、あるいは画像
形成装置を構成することが出来る。
【0077】図7を用いて、本発明の実施の形態に係る
電子放出素子を複数配して得られる電子源について説明
する。図7において、601は電子源基体、602はX
方向配線、603はY方向配線、604は本発明の実施
の形態に係る電子放出素子、605は結線である。
【0078】X方向配線602は、Dx1、Dx2、…
Dxmのm本の配線から成り、真空蒸着法、印刷法、ス
パッタ法等を用いて形成された導電性金属等で構成する
ことが出来る。配線の材料、膜厚、幅は適宜設計され
る。Y方向配線603は、Dy1、Dy2、…Dynの
n本の配線から成り、X方向配線602と同様に形成さ
れる。これらm本のX方向配線602とn本のY方向配
線603との間には、不図示の層間絶縁層が設けられて
おり、両者を電気的に分離している。ここで、m及びn
は共に正の整数である。
【0079】不図示の層間絶縁層は、真空蒸着法、印刷
法、スパッタ法等を用いて形成されたSiO2等で構成
される。不図示の層間絶縁層は、例えば、X方向配線6
02を形成した電子源基体601の全面或いはその一部
に所望の形状で形成され、特にX方向配線602とY方
向配線603との交差部の電位差に耐え得るように、膜
厚、材料、製法が適宜設定される。X方向配線602と
Y方向配線603は、それぞれ外部端子として引き出さ
れている。
【0080】電子放出素子604を構成する一対の電極
層(不図示)は、m本のX方向配線602及びn本のY
方向配線603と導電性金属等から成る結線605によ
って電気的に接続されている。すなわち、これらの配線
のうちの一方がゲート電極配線としてゲート電極に接続
され、他方がカソード電極配線としてカソード電極に接
続される。
【0081】ここで、X方向配線602,Y方向配線6
03,結線605及び一対の素子電極を構成する材料
は、その構成元素の一部あるいは全部が同一であって
も、またそれぞれ異なっていても良い。
【0082】これら材料は、例えば、前述の素子電極で
あるカソード電極102及びゲート電極104の材料よ
り適宜選択される。素子電極を構成する材料と配線材料
が同一である場合には、素子電極に接続した配線は素子
電極ということも出来る。また、素子電極を配線電極と
して用いることも出来る。
【0083】X方向配線602には、X方向に配列した
電子放出素子604の行を選択するための、走査信号を
印加する不図示の走査信号印加手段が接続される。一
方、Y方向配線603には、Y方向に配列した電子放出
素子604の各列を入力信号に応じて変調するための、
不図示の変調信号発生手段が接続される。
【0084】各電子放出素子に印加される駆動電圧は、
当該素子に印加される走査信号と変調信号の差電圧とし
て供給される。
【0085】上記構成においては、単純なマトリクス配
線を用いて、個別の電子放出素子を選択し、独立に駆動
可能とすることが出来る。このような単純マトリクス配
置の電子源を用いて構成した画像形成装置について、図
8を用いて説明する。図8は画像形成装置の表示パネル
の一例を示す模式図である。
【0086】図8において、601は電子放出素子を複
数配した電子源基体、701は電子源基体601を固定
したリアプレート、706はガラス基体703の内面に
画像形成部材である蛍光体としての蛍光膜704とメタ
ルバック705等が形成されたフェースプレートであ
る。
【0087】702は支持枠であり、支持枠702に
は、リアプレート701、フェースプレート706がフ
リットガラス等を用いて接続されている。707は外囲
器であり、例えば、大気中あるいは窒素中で、400〜
500℃の温度範囲で10分以上焼成することで、封着
して構成される。
【0088】外囲器707は、上述した通り、フェース
プレート706、支持枠702、リアプレート701で
構成される。リアプレート701は主に電子源基体60
1の強度を補強する目的で設けられるため、電子源基体
601自体で十分な強度を持つ場合は、別体のリアプレ
ート701は不要とすることが出来る。
【0089】即ち、電子源基体601に直接支持枠70
2を封着し、フェースプレート706、支持枠702及
び電子源基体601で外囲器707を構成しても良い。
一方、フェースプレート706、リアプレート701間
に、スペーサーとよばれる不図示の支持体を設置するこ
とにより、大気圧に対して十分な強度をもつ外囲器70
7を構成することも出来る。
【0090】なお、本発明の実施の形態に係る電子放出
素子を用いた画像形成装置では、放出した電子軌道を考
慮して、電子放出素子604上部に蛍光体(蛍光膜70
4)をアライメントして配置する。
【0091】図9は、本件のパネルに使用した蛍光膜7
04を示す模式図である。カラーの蛍光膜の場合は、蛍
光体の配列により図8(a)に示すブラックストライプ
あるいは図8(b)に示すブラックマトリクスなどと呼
ばれる黒色導電材801と蛍光体802とから構成し
た。
【0092】本発明の実施の形態に係る画像形成装置
は、テレビジョン放送の表示装置、テレビ会議システム
やコンピューター等の表示装置の他、感光性ドラム等を
用いて構成された光プリンターとしての画像形成装置等
としても用いることが出来る。
【0093】次に、以上の実施の形態に基づくより具体
的な実施例を詳細に説明する。
【0094】
【実施例】(実施例1)本実施例では、基本的な構造
は、上記実施の形態で説明した、図1に示す構造と同一
であり、また、製造方法は図3及び図4に示す工程と同
一である。以下に、本実施例に係わる電子放出素子の製
造工程を詳細に説明する。
【0095】(工程1)まず、基板101に石英を用
い、十分洗浄を行った後、スパッタ法により、基板10
1上に、カソード電極102として厚さ300nmのT
iを成膜した。
【0096】(工程2)導電層109として厚さ200
nmのAlを、抵抗加熱蒸着法により成膜した。
【0097】(工程3)次に、フォトリソグラフィー
で、ポジ型フォトレジスト(AZ1500/クラリアン
ト社製)のスピンコーティング、フォトマスクパターン
を露光、現像し、マスクパターン301を形成した。こ
のとき、W2が400nmとなるようにマスクパターン
を形成した。
【0098】(工程4)マスクパターン301をマスク
として、熱リン酸により、導電層109をウエットエッ
チングし、カソード電極102でエッチングを停止させ
た。このときの導電層幅W3は1000nmになるよう
にした。
【0099】(工程5)次に、絶縁層103の作製のた
めに、原料ガスとしてSiH4、O2を使用してプラズマ
CVD法により、SiO2を約1500nm成膜した。
【0100】(工程6)次に、絶縁層103の表面の平
滑性を高めるためと、絶縁層103の膜厚を約1000
nmとするために、半導体プロセスで使用されている化
学的機械研磨法を用いて、絶縁層103の表面研磨を行
った。
【0101】(工程7)次に、絶縁層103上に、ゲー
ト電極104として、Alを200nmの厚さになるよ
うに抵抗加熱蒸着により成膜した。
【0102】(工程8)次に、フォトリソグラフィー
で、ポジ型フォトレジスト(AZ1500/クラリアン
ト社製)のスピンコーティング、フォトマスクパターン
を露光、現像し、マスクパターン302を形成した。こ
のときの穴の径W1を1μm、導電層109と電子放出
層105との距離W2を400nmとするようにした。
【0103】(工程9)マスクパターン302をマスク
として、熱リン酸により、ゲート電極104をウエット
エッチングし、引き続きCF4を用いたドライエッチン
グにより、絶縁層103をエッチングし、カソード電極
102でエッチングを停止させた。
【0104】(工程10)最後に、カソード電極上にプ
ラズマCVD法を用いて、電子放出層105としてダイ
ヤモンドライクカーボン膜を約100nm堆積させ、マ
スクパターン302を完全に取り除き、本実施例の電子
放出素子を完成させた。
【0105】以上のようにして作製した電子放出素子を
図2に示すように配置して電子を放出させた。印加電圧
はVa=10kVで、電子放出層105とアノード電極
107との距離Hを2mmとした。ここで、アノード電
極107として蛍光体を塗布した電極を用い、電子ビー
ムのサイズを観察した。ここで言う電子ビームサイズと
は、発光した蛍光体のピーク輝度が10%の領域までの
サイズのことをいう。電子ビーム径は径80μm/80
μm(x/y)となった。
【0106】(実施例2)本実施例に示した電子放出素
子についても、その基本的な構造は図1に示したものと
同一である。実施例1ではW2の大きさが400nmで
あったのに対して、本実施例では、W2の大きさを20
0nmとした電子放出素子を作製した。なお、以下の説
明は上記実施例1と重複した部分の説明は省略し、異な
る点のみを説明する。
【0107】本実施例では、上記(工程3)において、
フォトリソグラフィーで、ポジ型フォトレジスト(AZ
1500/クラリアント社製)のスピンコーティング、
フォトマスクパターンを露光、現像し、マスクパターン
301を形成した。このとき、W2が200nmとなる
ようにマスクパターンを形成した。
【0108】本実施例で作製した電子放出素子の電子放
出特性は、実施例1とほぼ同様であった。なお、本実施
例により、W2の長さが減少した場合においても、電子
放出特性はほとんど変化しない。本実施例により、W2
の減少による電子放出特性の変化は少なく、本発明が作
製上有用であることが分かる。
【0109】(実施例3)本実施例に示した電子放出素
子についても、その基本的な構造は図1に示したものと
同一である。実施例1ではW2の大きさが400nmで
あったのに対して、本実施例では、W2の大きさを60
0nmとした電子放出素子を作製した。なお、以下の説
明は上記実施例1と重複した部分の説明は省略し、異な
る点のみを説明する。
【0110】本実施例では、上記(工程3)において、
フォトリソグラフィーで、ポジ型フォトレジスト(AZ
1500/クラリアント社製)のスピンコーティング、
フォトマスクパターンを露光、現像し、マスクパターン
301を形成した。このとき、W2が600nmとなる
ようにマスクパターンを形成した。
【0111】本実施例で作製した電子放出素子の電子放
出特性は、実施例1とほぼ同様であった。なお、本実施
例により、W2の増加による電子放出特性の変化は少な
く、作製上有用であることが分かる。
【0112】(実施例4)本実施例に示した電子放出素
子についても、その基本的な構造は図1に示したものと
同一である。実施例1ではW3の大きさが1000nm
であったのに対して、本実施例では、W3の大きさを4
00nmとした電子放出素子を作製した。なお、以下の
説明は上記実施例1と重複した部分の説明は省略し、異
なる点のみを説明する。
【0113】本実施例では、上記(工程4)において、
マスクパターン301をマスクとして、熱リン酸によ
り、導電層109をウエットエッチングし、カソード電
極102でエッチングを停止させた。このときの導電層
幅W3は400nmとした。
【0114】本実施例で作製した電子放出素子の電子放
出特性は、実施例1とほぼ同様であった。本実施例によ
り、W3値の変動が、電子放出特性に与える影響は小さ
く、素子作製上有用である。
【0115】(実施例5)実施例5に係わる電子放出素
子について図5を参照して説明する。図5は本発明の実
施例5に係わる電子放出素子の模式的断面図である。
【0116】本実施例では、導電層109が図に示すよ
うに、段差をもった構造となるように作製した。なお、
作製法は実施例1に準ずる。
【0117】すなわち、導電層109を幅の略中央(図
示の例では拡大図に示すように400nmづつで区切っ
た位置)で、電子放出層105側が低くなるような段差
を設けるようにした。
【0118】これにより、拡大図中に示すように、等電
位面301の形状を制御することが可能となる。
【0119】本実施例で作製した電子放出素子の電子放
出特性は、実施例1とほぼ同様であった。なお、電子放
出層105に向かってh1−h2の値が小さくなるよう
な傾斜した形状を有する導電層109を用いてもよい。
【0120】(実施例6)図6を参照して、本実施例に
係わる電子放出素子の製造方法について説明する。
【0121】本実施例に係わる電子放出素子は、基本的
な構造は図1に示したものとほぼ同様であるが、上記実
施の形態あるいは実施例1における製造方法では、絶縁
層の構造を、主としてマスクパターンを用いたエッチン
グにより得ていたのに対して、本実施例では、絶縁層の
一部を、自己整列的なプロセスを用いて作成した点で異
なる。
【0122】図6は実施例6に係わる電子放出素子の製
造工程図である。以下に、本実施例の電子放出素子の製
造工程を詳細に説明する。
【0123】(工程1)まず、基板101に石英を用
い、十分洗浄を行った後、スパッタ法により、基板10
1上に、カソード電極102として厚さ300nmのT
iを成膜した。引き続きカソード電極102上に導電層
109としてAlを抵抗加熱蒸着法により、100nm
成膜した。その後、プラズマCVD法を用いて、第1絶
縁層としてSiO2を400nm積層させ、さらに抵抗
加熱蒸着法により、ゲート電極104としてAlを10
0nm積層させた。
【0124】(工程2)次に、フォトリソグラフィー
で、ポジ型フォトレジスト(AZ1500/クラリアン
ト社製)のスピンコーティング、フォトマスクパターン
を露光、現像し、マスクパターン501を形成した。こ
のときの穴の径が1μmとなるようにした。
【0125】(工程3)次に、実施例1に示したエッチ
ング技術により、図6に示すように、カソード電極10
2に達するまでエッチングを行った。その後、マスクパ
ターン501を除去した。
【0126】(工程4)次にプラズマCVD法によりS
iO2によって第2絶縁層502を作製した。
【0127】(工程5)工程4で作製した第2絶縁層2
を、リアクティブケミカルエッチングにて、図5に示さ
れるように、ゲート電極104が露出し、かつ、穴の底
にカソード電極102のみが露出するようまで、エッチ
ングした。
【0128】(工程6)最後に、穴の底に露出したカソ
ード電極102上にプラズマCVD法を用いて、電子放
出層105となるダイヤモンドライクカーボン膜を約5
0nm堆積させ、本実施例の電子放出素子を完成させ
た。
【0129】本実施例のような製造方法によっても、上
記実施の形態あるいは各実施例と同様に、電子放出層1
05と導電層109との間を、絶縁層103の一部によ
って所定距離だけ隔てる構造とすることができる。
【0130】本実施例の電子放出素子の電子放出特性
は、実施例1と同様であるので省略する。
【0131】本実施例を用いることにより、電子放出層
と導電層との距離W2を制御良く作製でき、電子放出素
子の特性の安定性が向上する。
【0132】(実施例7)本実施例では、上記実施例1
における製造工程のうち、工程1〜工程7で異なる点が
ある。以下、本実施例に係わる電子放出素子の製造方法
を説明する。
【0133】基板101に石英を用い、十分洗浄を行っ
た後、スパッタ法により、基板101上に、カソード電
極102として厚さ300nmのTiを成膜した。引き
続きカソード電極102上に電子放出層105をプラズ
マCVD法により、100nm堆積させた。
【0134】次に導電層109としてAlを抵抗加熱蒸
着法により、100nm成膜した。その後、プラズマC
VD法を用いて、絶縁層103としてSiO2を400
nm積層させ、さらに抵抗加熱蒸着法により、ゲート電
極104としてAlを100nm積層させた。
【0135】引き続く工程および電子放出特性は、実施
例2と同様であるので省略する。
【0136】本実施例を用いることにより、電子放出層
105と導電層109との段差距離h1−h2を正確に
制御でき、電子放出素子の特性の安定性を向上させるこ
とが可能となる。
【0137】(実施例8)上記各実施例に係わる電子放
出素子を用いて画像形成装置を作成した。
【0138】本実施例では、電子放出素子を10×10
のMTX状に配置した。配線は、図8のようにx側をカ
ソード電極層に、y側をゲート電極層に接続した。素子
は、横150μm、縦300μmのピッチで配置した。
素子上部には2mmの距離を隔てた位置に蛍光体を配置
した。蛍光体には10kVの電圧を印加した。この結
果、マトリクス駆動が可能で高精細な画像形成装置が形
成できた。
【0139】
【発明の効果】以上説明したように、本発明により、電
子ビーム径が小さく、電子放出面積が大きく、低電圧で
高効率な電子放出を可能とする電子放出素子を、安定的
に作製でき、素子作製上のばらつきを軽減できる。
【0140】また、このような電子放出素子を電子源や
画像形成装置に適用すると、性能に優れた電子源及び画
像形成装置を供給できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態及び各実施例に係る電子放
出素子の模式図である。
【図2】本発明の実施の形態に係る電子放出素子の駆動
状態を示す模式図である。
【図3】本発明の実施の形態に係る電子放出素子の製造
工程図である。
【図4】本発明の実施の形態に係る電子放出素子の製造
工程図である。
【図5】本発明の実施例5に係わる電子放出素子の模式
的断面図である。
【図6】本発明の実施例6に係わる電子放出素子の製造
工程図である。
【図7】本発明の実施の形態に係る単純マトリクス配置
の電子源を示す概略構成図である。
【図8】本発明の実施の形態及び実施例8に係る画像形
成装置の模式的斜視図である。
【図9】画像形成装置の表示パネルに使用される蛍光膜
の模式図である。
【図10】従来技術に係る電子放出素子の模式的断面図
である。
【符号の説明】
101 基板 102 カソード電極 102 カソード電極層 103 絶縁層 104 ゲート電極 105 電子放出層 106 電源 107 アノード電極 109 導電層 201 等電位面 301 マスクパターン 301 等電位面 302 マスクパターン 501 マスクパターン 502 絶縁層 601 電子源基体 602 X方向配線 603 Y方向配線 604 電子放出素子 605 結線 701 リアプレート 702 支持枠 703 ガラス基体 704 蛍光膜 705 メタルバック 706 フェースプレート 707 外囲器 801 黒色導電材 802 蛍光体

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】基板上に積層されるカソード電極層と、 該カソード電極層に電気的に接続するように形成される
    導電層と、 これらカソード電極層及び導電層上に積層される絶縁層
    と、 該絶縁層上に積層されるゲート電極層と、を備え、 前記ゲート電極層の表面から前記絶縁層を介してカソー
    ド電極層に至る位置まで貫く穴を設けると共に、 該穴の中に、前記カソード電極層の表面を覆うように電
    子放出層を設けた電子放出素子であって、 前記導電層の表面は、前記電子放出層の表面よりも前記
    ゲート電極層側に位置し、かつ、該導電層と電子放出層
    との間は前記絶縁層の一部によって隔てられることを特
    徴とする電子放出素子。
  2. 【請求項2】前記導電層と電子放出層との間の隔てられ
    た距離は、前記電子放出層からゲート電極層までの最短
    距離よりも短いことを特徴とする請求項1に記載の電子
    放出素子。
  3. 【請求項3】前記穴の基板表面に略平行な断面形状は、
    円形,楕円形,多角形及びスリット形状のうちのいずれ
    か一つであることを特徴とする請求項1または2に記載
    の電子放出素子。
  4. 【請求項4】前記電子放出層の素材は、炭素を含むこと
    を特徴とする請求項1,2または3に記載の電子放出素
    子。
  5. 【請求項5】基板上にカソード電極層を積層する工程
    と、 該カソード電極層上に導電層を形成し、その後エッチン
    グにより導電層の一部を除去する工程と、 前記カソード電極層及び導電層上に絶縁層を積層する工
    程と、 該絶縁層上にゲート電極層を積層する工程と、 前記ゲート電極層の表面から前記絶縁層を介してカソー
    ド電極層に至る位置まで、前記導電層との隔壁距離を制
    御しながらエッチングにより穴を形成する工程と、 該穴によって露出したカソード電極表面上に、電子放出
    層を形成する工程と、を有することを特徴とする電子放
    出素子の製造方法。
  6. 【請求項6】基板上にカソード電極層を積層する工程
    と、 該カソード電極層上に導電層を積層する工程と、 前記導電層上に第1絶縁層を積層する工程と、 該第1絶縁層上にゲート電極層を積層する工程と、 前記ゲート電極層の表面から前記第1絶縁層及び導電層
    を介してカソード電極層に至る位置まで、エッチングに
    より穴を形成する工程と、 前記カソード電極層上に、前記導電層,第1絶縁層及び
    ゲート電極層を埋めるように第2絶縁層を積層する工程
    と、 該第2絶縁層を、前記ゲート電極層が露出し、かつ、前
    記穴の底にカソード電極層のみが露出するようにエッチ
    ングする工程と、 該穴の底に露出したカソード電極表面上に、電子放出層
    を形成する工程と、を有することを特徴とする電子放出
    素子の製造方法。
  7. 【請求項7】請求項1〜4のいずれか一つに記載の電子
    放出素子を複数個設け、 各電子放出素子のゲート電極層をゲート電極配線に電気
    的に接続し、かつ、カソード電極層をカソード電極配線
    に電気的に接続することを特徴とする電子源。
  8. 【請求項8】前記複数の電子放出素子をマトリクス配線
    することを特徴とする請求項7に記載の電子源。
  9. 【請求項9】請求項7または8に記載の電子源と、 該電子源から放出された電子が衝突されることで画像を
    形成する画像形成部材と、を備えることを特徴とする画
    像形成装置。
  10. 【請求項10】前記画像形成部材は、電子の衝突により
    発光する発光体であることを特徴とする請求項9に記載
    の画像形成装置。
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