JP2000311587A - 電子放出装置及び画像形成装置 - Google Patents

電子放出装置及び画像形成装置

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JP2000311587A
JP2000311587A JP2000046829A JP2000046829A JP2000311587A JP 2000311587 A JP2000311587 A JP 2000311587A JP 2000046829 A JP2000046829 A JP 2000046829A JP 2000046829 A JP2000046829 A JP 2000046829A JP 2000311587 A JP2000311587 A JP 2000311587A
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electron
potential
side electrode
main surface
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JP2000046829A
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Takeo Tsukamoto
健夫 塚本
Daisuke Sasakuri
大助 笹栗
Shigeki Matsutani
茂樹 松谷
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Canon Inc
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    • H01JELECTRIC DISCHARGE TUBES OR DISCHARGE LAMPS
    • H01J1/00Details of electrodes, of magnetic control means, of screens, or of the mounting or spacing thereof, common to two or more basic types of discharge tubes or lamps
    • H01J1/02Main electrodes
    • H01J1/30Cold cathodes, e.g. field-emissive cathode
    • H01J1/316Cold cathodes, e.g. field-emissive cathode having an electric field parallel to the surface, e.g. thin film cathodes
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
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    • H01J31/00Cathode ray tubes; Electron beam tubes
    • H01J31/08Cathode ray tubes; Electron beam tubes having a screen on or from which an image or pattern is formed, picked up, converted, or stored
    • H01J31/10Image or pattern display tubes, i.e. having electrical input and optical output; Flying-spot tubes for scanning purposes
    • H01J31/12Image or pattern display tubes, i.e. having electrical input and optical output; Flying-spot tubes for scanning purposes with luminescent screen
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    • H01J31/125Flat display tubes provided with control means permitting the electron beam to reach selected parts of the screen, e.g. digital selection
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    • H01J2201/30Cold cathodes
    • H01J2201/316Cold cathodes having an electric field parallel to the surface thereof, e.g. thin film cathodes
    • H01J2201/3165Surface conduction emission type cathodes

Abstract

(57)【要約】 【課題】 電子放出効率の向上と電子軌道の集束を同時
に実現し得る電子放出装置及び画像形成装置を提供す
る。 【解決手段】 電子放出素子は、概略、基板1上に低電
位側電極2,絶縁層3,高電位側電極4が積層され、高
電位側電極4は両側を絶縁層3を介して低電位側電極2
に挟まれている。高電位側電極4及び絶縁層3の側面に
は、それぞれ高電位側電極4及び低電位側電極2に接続
された導電性膜7A及び7Bが間隙6を隔てて対向形成
されている。基板1に対向して上方にアノード電極が設
けられ、低電位側電極2・高電位側電極4間にVf,低電
位側電極2・アノード電極間にVaの電圧を印加し、素子
とアノード電極との距離をH, Xs=H*Vf/(π*Va)
とした場合に、高電位側電極4の幅WがXsの0.5倍以
上15倍以下である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、新規な構成の電子
放出装置並びに画像表示装置等の画像形成装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来、電子放出素子としては、大別して
熱電子放出素子と冷陰極電子放出素子の2種類のものが
知られている。冷陰極電子放出素子には電界放出型(以
下、「FE型」という。)、金属/絶縁層/金属型(以
下、「MIM型」という。)や表面伝導型電子放出素子
等がある。
【0003】FE型の例としてはW.P.Dyke&W.W.Dolan,
“FieldEmission“Advance in Electron Physics,8,
89(1956)あるいはC.A.Spindt,“PHYSICAL Properties
ofthin-film field emission cathodes with mo
lybdenium cones”J.Appl,Phys,.47,5248(1976)等に
開示されたものが知られている。
【0004】MIM型の例としてはC.A.Mead“Operatio
n of Tunnel-Emission Devices”, J.Apply.Phys.,
32,646(1961) 等に開示されたものが知られてい
る。
【0005】また、最近の例では、Toshiaki.Kusunoki,
“Fluctuation-free electron emission from non-
formed metal-insulator-metal(MIM)cathodes Fabric
atedby low current Anodic oxidation”,Jpn.J.Ap
pl.Phys.vol.32(1993)pp.L1695,Mutsumi suzuki e
tal “An MIM-Cathode Array for Cahtodelumines
cent Displays”,IDW'96,(1996) pp.529等が研究さ
れている。
【0006】表面伝導型の例としては、エリンソンの報
告(M.I.Elinson Radio Eng. Electron Phys.,10
(1965))に記載のもの等があり、この表面伝導型電子放
出素子は、基板上に形成された小面積の薄膜に、膜面に
平行に電流を流すことにより、電子放出が生ずる現象を
利用するものである。表面伝導型素子では、前記のエリ
ソンの報告に記載のSnO2薄膜を用いたもの、Au薄
膜を用いたもの、(G.Dittmer、Thin Solid Films.
9, 317 (1972))、In23/SnO2薄膜によるも
の(M.Hartwell and C.G.Fonstad, IEEE Trans. E
D Conf.,519(1983))等が報告されている。
【0007】これら表面伝導型のうち、図50に示すよ
うな平面型,図52に示すような垂直型の電子放出素子
も本出願人らによって提案されている。
【0008】図50は従来の表面伝導型電子放出素子の
概略図である。図50(a)が素子を真上から見た平面
模式図であり、図50(b)が横からみた断面模式図で
ある。1001は基板であり、1002は素子を構成す
る高電位側電極であり、1003は素子を構成する低電
位側電極であり、不図示の電源とつながっている。10
04および1005は導電性薄膜であり、1004は素
子を構成する高電位側電極1002と、1005は素子
を構成する低電位側電極1003と電気的に連結されて
いる。電極1002,1003の膜厚は、数10nmか
ら数μm程度のものである。他方、薄膜1004,10
05の膜厚は、1[nm]から数10[nm]程度のも
のである。1006は間隙で、薄膜1004と1005
とを電気的にほぼ不連続にしている。
【0009】従来、これらの表面伝導型電子放出素子に
おいては、電子放出を行う前に導電性薄膜を予め通電フ
ォーミングと呼ばれる通電処理によって電子放出部を形
成するのが一般的であった。即ち、通電フォーミングと
は前記導電性薄膜両端に直流電圧あるいは非常にゆっく
りとした昇電圧例えば1V/分程度を印加通電し、導電
性薄膜を局所的に破壊、変形もしくは変質せしめ、電気
的に高抵抗な状態にした電子放出部を形成することであ
る。
【0010】さらに真空内で有機ガスを導入し、通電を
行う活性化と呼ばれる工程により、間隙を置いて対向す
る導電性薄膜の先端に、炭素膜を堆積することでより電
子放出特性の向上した電子放出部が形成される。前記通
電フォーミング処理及び活性化処理をした表面伝導型電
子放出素子は、上述導電性薄膜に電圧を印加し、素子に
電流を流すことにより、上述電子放出部より電子を放出
せしめるものである。
【0011】従来、特に表示装置等の画像形成装置にお
いては、近年、液晶を用いた平板型表示装置がCRTに
替わって普及してきたが、自発光型でないため、バック
ライトを持たなければならない等の問題点があり、自発
光型表示装置が望まれてきた。自発光型表示装置として
は、表面伝導型電子放出素子を多数配列した電子源と電
子源より放出される電子によって、可視光を発光させる
蛍光体とを組み合わせた表示装置である画像形成装置が
挙げられる(例えば、USP5066883 )。多数の表面
伝導型電子放出素子を配列形成した例としては、並列に
表面伝導型電子放出素子を配列し、個々の表面電動型電
子放出素子の両端(両素子電極)を配線(共通配線)に
て各々結線した行を多数行配列(梯子状配列)した電子
源が挙げられる(例えば、特開昭64−31332、特
開平1−283749、特開平1−257552等)。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】上記表面伝導型電子放
出素子などを用いた平板型表示装置は、一般に、図53
に模式的に示したような構造を有する。図53におい
て、1はフェースプレート、2は外枠、3はリアプレー
ト、4は蛍光体層、5はアノード電極、6は複数の電子
放出素子から構成される電子源、7は接合部材である。
フェースプレート1、外枠2、リアプレート3により気
密容器が構成され、内部が減圧状態に維持される。
【0013】表面伝導型電子放出素子から放出された電
子ビームのアノード電極(陽極)上でのビーム径はVa
(低電位側電極とアノード電極との間に印加されている
電圧)とVf(素子を構成する高電位側電極と低電位側
電極との間に印加される電圧)の大きさ、素子とアノー
ド電極(陽極)までの距離Hでほぼ決定されることが知
られている(SID 98 Digest, Okuda, et, al)。
従来例で与えた電子源においてもその径はサブミリメー
トル程度であり、画像形成装置としては十分の解像度を
持っている。
【0014】しかしながら画像表示装置においては、近
年、より高精細な解像度が要求されている。
【0015】従って、本発明の解決しようとする課題
は、電子の軌道を制御してより高精細なビームを得るこ
とである。さらには、電子の軌道制御に関わる効率の低
下を防ぐために効率向上を実現する事にある。
【0016】高精細なビーム径を得るための従来例とし
ては例えば電界放出型電子放出素子では、特開平07−
006714に開示されているように、電子を収束させ
るための電極を電子放出部の上方に配置し、電子軌道を
集束する手法や、特開平09−063461に開示され
ているように、集束電極を電子放出部と同一平面上に配
置した構造等が提案されているが、作製方法の複雑さ
や、素子面積の増加、後に述べる電子放出効率の低下等
が問題であった。
【0017】一般的な表面伝導素子を使用した電子放出
装置では特開平1−311532、特開平1−3115
33及び、特開平1−311534において、対向する
電極が非対称な形状である素子が提案されている。
【0018】また、表面伝導型素子においては、特開平
3−20941で電子放出素子のサイズの小型化や、特
開平9−82214では高効率化の提案がなされている
が、いずれも、高精細画像形成装置の実現には不十分で
あった。また本件に類似の構成として特開平7−235
256等があるが簡便な電子放出素子の配置を目的とし
たものである。
【0019】本発明は、かかる従来技術の課題を解決す
るためになされたものであって、その目的とするところ
は、電子放出効率の向上と電子軌道の集束を同時に実現
し得る電子放出装置及び画像形成装置を提供することに
ある。
【0020】
【課題を解決するための手段】本発明の電子放出装置
は、即ち、対向する第1の主面と第2の主面とを有する
基板と、互いに間隔を置いて、前記第1の主面上に配置
された、第1の電位が印加される第1電極と第2の電位
が印加される第2電極とを有する電子放出素子と、前記
第1の主面に対向し、前記第1の主面から距離Hを置い
て配置されたアノード電極と、前記第1の電位に対して
Vfだけ高い第2の電位を、前記第2電極に印加する第1
電圧印加手段と、前記第1の電位に対して前記Vfよりも
大きいVaだけ高い電位を、前記アノード電極に印加する
第2電圧印加手段とを備え、前記アノード電極と前記電
子放出素子との間の空間は減圧状態に維持され、前記第
1の主面に対して実質的に垂直な平面において、Xs=H
*Vf/(π*Va)とした時に、前記第1の主面に実質
的に平行な方向における、前記第2の電極の幅Wが、前
記Xsの0.5倍以上15倍以下であることを特徴とする
ものである。
【0021】また、本発明の画像形成装置は、即ち、対
向する第1の主面と第2の主面とを有する第1の基板
と、互いに間隔を置いて、前記第1の主面上に配置され
た、第1の電位が印加される第1の電極と第2の電位が
印加される第2の電極とを有する電子放出素子と、前記
第1の主面に対向し、前記第1の主面から距離Hを置い
て配置されたアノード電極と、画像形成部材とを有する
第2の基板と、前記第1の電位に対してVfだけ高い第2
の電位を、前記第2の電極に印加する第1電圧印加手段
と、前記第1の電位に対して前記Vfよりも大きいVaだけ
高い電位を、前記アノード電極に印加する第2電圧印加
手段とを備え、前記アノード電極と前記電子放出素子と
の間の空間は減圧状態に維持され、前記第1の主面に対
して実質的に垂直な平面において、Xs=H*Vf/(π*
Va)とした時に、前記第1の主面に実質的に平行な方向
における、前記第2の電極の幅Wが、前記Xsの0.5倍
以上15倍以下であることを特徴とする。
【0022】また、本発明の電子放出装置、画像形成装
置においては、前記Wで規定される前記第2の電極の両
端部よりも外側に、前記第1の電極が配置されているこ
とをも特徴とする。
【0023】また、本発明の電子放出装置、画像形成装
置においては、前記第1の電極と第2の電極間に、導電
性膜が配置されており、該導電性膜はその一部に間隙を
有することをも特徴とする。
【0024】また、本発明の電子放出装置、画像形成装
置においては、前記第1の電極と第2の電極間に、第1
の導電性膜と、第2の導電性膜とが配置されており、前
記第1の導電性膜は前記第1の電極と接続しており、前
記第2の導電性膜は前記第2の電極と接続しており、前
記第1の導電性膜と第2の導電性膜とが間隙をおいて対
向して配置されてなることをも特徴とする。
【0025】また、本発明の電子放出装置、画像形成装
置においては、前記第2の電極が、前記第1の電極より
も、前記アノード電極に近く配置されることをも特徴と
する。
【0026】また、本発明の電子放出装置、画像形成装
置においては、前記第2の電極が、前記第1の電極上
に、絶縁層を介して積層されてなることをも特徴とす
る。
【0027】また、本発明の電子放出装置、画像形成装
置においては、前記第1の電極が、前記第2の電極より
も、前記アノード電極に近く配置されることをも特徴と
する。
【0028】また、本発明の電子放出装置、画像形成装
置においては、前記第1の電極が、前記第2の電極上
に、絶縁層を介して積層されてなることをも特徴とす
る。
【0029】また、本発明の電子放出装置、画像形成装
置においては、前記第1の電極および前記絶縁層が開口
部を有しており、前記第2の電極が、前記開口部におい
て露出していることをも特徴とする。
【0030】また、本発明の電子放出装置、画像形成装
置においては、前記第1の電極は、一対の電極からな
り、前記第1の電極のそれぞれは、前記第2の電極が露
出するように、絶縁層を介して前記第2の電極上に、互
いに離れて配置されてなることをも特徴とする。
【0031】また、本発明の電子放出装置、画像形成装
置においては、前記第2の電極と、前記第1の電極と
が、前記第1の主面と実質的に平行な平面内に配置され
ることをも特徴とする。
【0032】また、本発明の電子放出装置、画像形成装
置においては、前記第1の電極は、一対の電極からな
り、前記第1の電極間に、前記第2の電極が配置されて
なることをも特徴とする。
【0033】また、本発明の電子放出装置、画像形成装
置においては、前記第1の主面と実質的に平行な面にお
ける、前記第2の電極の外周に、外接する円のうち、最
小の円の直径Wmaxが、前記Xsの15倍以下であることを
も特徴とする。
【0034】また、本発明の電子放出装置、画像形成装
置においては、前記Wmaxが、前記Xsの0.5倍以上であ
ることをも特徴とする。
【0035】また、本発明の電子放出装置、画像形成装
置においては、前記第1の主面と実質的に平行な面にお
ける、前記第2の電極の外周に、内接する円のうち、最
大の円の直径Wminが、前記Xsの0.5倍以上であること
をも特徴とする。
【0036】また、本発明の電子放出装置、画像形成装
置においては、前記Wminが、前記Xsの15倍以下である
ことをも特徴とする。
【0037】また、本発明の電子放出装置、画像形成装
置においては、前記第1の主面と実質的に平行な面にお
ける、前記第2の電極の外周に内接する円のうち、最大
の円の直径Wmin、および、前記第1の主面と実質的に平
行な面における、前記第2の電極に外周に外接する円の
うち、最小の円の直径Wmaxが、前記Xsの0.5倍以上1
5倍以下であることをも特徴とする。
【0038】また、本発明の電子放出装置、画像形成装
置においては、前記第1の主面上に、前記電子放出素子
が複数配置されたことをも特徴とする。
【0039】また、本発明の電子放出装置は、対向する
第1の主面と第2の主面とを有する基板と、互いに間隔
を置いて、前記第1の主面上に配置された、第1の電位
が印加される第1の電極と第2の電位が印加される第2
の電極とを有する電子放出素子と、前記第1の主面に対
向し、前記第1の主面から距離Hを置いて配置されたア
ノード電極と、前記第1の電位に対してVfだけ高い第2
の電位を、前記第2の電極に印加する第1電圧印加手段
と、前記第1の電位に対して前記Vfよりも大きいVaだけ
高い電位を、前記アノード電極に印加する第2電圧印加
手段と、を備え、前記アノード電極側から見た際に、前
記第2の電極を、前記第1の電極が挟んで配置され、Xs
=H*Vf/(π*Va)とした時に、前記第1の電極が挟
んでいる前記第2の電極の幅Wが、前記Xsの0.5倍以
上15倍以下であることをも特徴とするものである。
【0040】また、本発明の画像形成装置は、対向する
第1の主面と第2の主面とを有する第1の基板と、互い
に間隔を置いて、前記第1の主面上に配置された、第1
の電位が印加される第1の電極と第2の電位が印加され
る第2の電極とを有する電子放出素子と、前記第1の主
面に対向し、前記第1の主面から距離Hを置いて配置さ
れたアノード電極と、画像形成部材とを有する第2の基
板と、前記第1の電位に対してVfだけ高い第2の電位
を、前記第2電極に印加する第1電圧印加手段と、前記
第1の電位に対して前記Vfよりも大きいVaだけ高い電位
を、前記アノード電極に印加する第2電圧印加手段と、
を備え、前記アノード電極側から見た際に、前記第2の
電極を、前記第1の電極が挟んで配置され、Xs=H*Vf
/(π*Va)とした時に、前記第1の電極が挟んでいる
前記第2の電極の幅Wが、前記Xsの0.5倍以上15倍
以下であることを特徴とするものである。
【0041】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態に係る電
子放出素子について説明する。
【0042】本発明の主目的である収束作用及び効率の
向上について説明を行う前に、図50及び51を用いて
上述した従来の表面伝導型電子放出素子についてより詳
細に説明する。
【0043】図50は従来の平面型の表面伝導型電子放
出素子を示し、その等電位面を図51に示した。図5
0、図51において、1001は基板であり、1002
は素子を構成する高電位側電極であり、1003は素子
を構成する低電位側電極であり、1004および100
5は導電性薄膜であり、1004は素子を構成する高電
位側電極1002と電気的に接続されている。また、1
005は素子を構成する低電位側電極1003と電気的
に接続されている。1006は間隙で、薄膜1004と
1005とを電気的にほぼ不連続にしている。
【0044】以下では、「素子を構成する高電位側電
極」を「高電位側電極」と呼び、また、「素子を構成す
る低電位側電極」を「低電位側電極」と呼ぶ。この高電
位側電極には、高電位側電極に接続される前記導電性膜
をも含む場合がある。同様に、上記低電位側電極には、
低電位側電極に接続される前記導電性膜をも含む場合が
ある。
【0045】図51は、素子上部の不図示の陽極に高電
圧を印加した場合の、間隙6の周囲のxz平面の等電位
面を示している。
【0046】電子放出素子から距離Hを隔てて陽極(ア
ノード電極)を構成したときに、高電位側電極と低電位
側電極との間に印加される電圧をVfとし、低電位側電
極と陽極(アノード電極)との間に印加されている電圧
Vaを印加する構成において、SID 98 Digest 、
Okuda.et.al によると、素子にはnmオーダーの間隙
があり、この素子にVfを印加すると低電位側電極の先
端から対向する高電位側電極に向かって電子がトンネリ
ングし、電子が高電位側電極の先端部で電子が等方的に
散乱することが開示されている。
【0047】高電位側電極から放出された電子の多く
は、高電位側電極で数回の弾性散乱(多重散乱)が繰り
返され、特徴距離Xsを越えた電子が陽極(アノード電
極)に到達する。特徴距離Xsは、淀み点ともよばれて
いる。
【0048】ここで Xs=H*Vf/(π*Va) ・・・式(1) 例えばVa=10[KV],Vf=15[V]、H=2
[mm]では約1μm程度である。
【0049】効率は多重散乱による電子がXsを越える
までの間に、多重散乱によって高電位側電極に一部吸収
されることによる電子数の減少に支配されている。数十
eV程度の電子の散乱に伴い散乱される割合βについて
は明らかではないが、一回につき0.1から0.5程度
と見積もられている。
【0050】このようなβが1以下である散乱機構によ
って、真空中に取り出される電子の量は散乱回数の増加
によってべき乗で減少していくことが分かる。
【0051】この後、Xsをこえて、真空に取り出され
た電子は陽極(アノード電極)と素子との間に形成され
た電位の影響を受けた軌道を描いて陽極(アノード電
極)に到達する。
【0052】また、従来の平面型電子放出素子のビーム
径については、SID 98 Digest 、Okuda.et.alよ
り、 Lh ≒ 4Kh√(Vf/Va)+L0 ・・・式(2a) Lw ≒ 2Kw√(Vf/Va)) ・・・式(2b) で記述できることが知られている。
【0053】前記Lhはビームの縦方向(y方向)、L
wはビームの横方向(x方向)のサイズを示している。
ここで、L0は、y方向に沿った電子放出部(間隙100
6)の長さである。また、Kh,Kwは素子構造によっ
て若干異なる場合があるが約1で近似できる。
【0054】以上、従来の平面型の表面伝導型電子放出
素子について説明をしたが、他に従来の素子として垂直
型の構成がある。
【0055】図52にこのような垂直型の素子の一例を
示した。図50と同じ部材には同じ番号を付した。垂直
型は、対向する電極1002、1003が段差形成部材
1007に介されて構成されている。
【0056】本構成では、電子放出機構は平面型と変わ
りないが、電位分布においては平面型と異なり、したが
って、平面型とは異なる特性となる場合があると考えら
れる。
【0057】本発明は放出された電子が電極の配置と電
位を反映した電位分布の影響を受けて軌道を変えて陽極
に到達するような集束作用をもつ構成を、その駆動条件
を考慮したうえで提案するものであり、そのような構成
をより単純に実現されるように鋭意検討されたものであ
る。
【0058】さらに、電子放出素子の構成を工夫し、電
子の高電位側電極での散乱の回数(落下の回数)を減少
させ、電子放出効率を向上させるように鋭意検討された
ものである。
【0059】以下に本発明における第1実施形態、第2
実施形態、第3実施形態について、順に説明する。
【0060】第1実施形態、第2実施形態は、高電位側
電極がX方向において低電位側電極に幅Wで挟まれた構
成をとるものである。第1実施形態は、間隙6が高電位
側電極の両側に存在する形態であり、第2実施形態は、
間隙6が高電位側電極の片側に存在する形態である。
【0061】また、第3実施形態は、高電位側電極がX
方向およびY方向において、低電位側電極によって最大
幅Wmax,最小幅Wminで囲まれた構成をとるものであ
る。
【0062】(第1実施形態)図1(a)は本発明の第
1実施形態の素子を上(アノード電極側)から見たとき
の構成図である。図1(b)は図1におけるA−A線で
の断面図である。この図1(a)、図1(b)において
2は低電位側電極、3は絶縁層、4は高電位側電極であ
り、6は間隙、7Aは高電位側電極4に電気的に接続さ
れた導電性膜、7Bは低電位側電極2に電気的に接続さ
れた導電性膜である。
【0063】図2は、本発明の第1実施形態の素子に電
圧を印加した場合の図である。
【0064】8は、高電位側電極と低電位側電極間に電
圧Vfを印加するための電源、9は陽極(アノード電極)
10に電圧を印加するための電源である。Vfは高電位
側電極と低電位側電極の間に印加される電圧、Ifはこ
の時に低電位側電極2と高電位側電極4間を流れる電
流、Vaは低電位側電極と陽極(アノード電極)との間
に印加されている電圧、Ieは陽極(アノード電極)1
0に捕捉された放出電流である。
【0065】ここで、効率(η)とは放出電流/素子電
流(=Ie/If)である。
【0066】上述の構成においてVfとして15Vを印
加した時の電位分布とこの電位分布による放出された電
子の軌道を計算(図内では便宜的に電子を1点の放出点
41からのみ放出させている)したのが図3である。図
3(a)は、Vfとして15Vを印加した時の電位分布の
様子を示す図である。図3(b)は、Vfとして15V
を印加した時の放出された電子の軌道を実線にて示し、
等電位面を破線にて示す図である。図3は、図2で示し
た装置駆動した際に、その電位分布の様子および放出電
子の軌道の様子をマクロ的に見たものである。つまり、
絶縁層3、高電位側電極4の厚みは、アノード電極10
と基板1との距離に比べればほとんど無視できる程度に
薄いので、図3では、X軸上に素子の間隙6の一部に相
当する41が配置される。
【0067】また、本発明の第1、第2、第3の各実施
形態の素子において、素子とアノード電極との距離H
は、厳密には、低電位側電極(例えば図1では2に相当
する)の表面からアノード電極までの距離である。しか
しながら、本発明の素子は、アノード電極と、素子との
間隔に比較して、素子の厚みは無視しえる程度に薄いの
で、実質的には、アノード電極と基板の第1の主面との
距離と考えて問題ない。
【0068】図3(a)、(b)において、図の下部は幅
Wの高電位側電極側を示し、図の上部は陽極(アノード
電極)側を示している。71は高電位側電極より低い電
位の等電位面、72は高電位側電極と同じ電位の等電位
面、73は高電位側電極より高い電位の等電位面であ
る。
【0069】尚、本発明の第1、第2、第3の各実施形
態の素子において、「素子を構成する高電位側電極」を
「高電位側電極」と呼び、また、「素子を構成する低電
位側電極」を「低電位側電極」と呼ぶ。この「高電位側
電極」には、「素子を構成する高電位側電極」(例えば
図1では4に相当する)に接続される前記導電性膜(例
えば図1では7Aに相当する)をも含む場合がある。同
様に、上記「低電位側電極」には、「素子を構成する低
電位側電極」(例えば図1では2に相当する)に接続さ
れる前記導電性膜(図1では7Bに相当する)をも含む
場合がある。
【0070】また、本発明の第1、第2、第3の各実施
形態の素子において、高電位側電極の幅Wは、素子が形
成された基板の第1の主面と、実質的に垂直な平面にお
ける、素子の断面図から求められるものである。そし
て、Wは、前記第1の主面と実質的に平行な方向におけ
る、「高電位側電極」の幅に相当する。ここで言う、
『「高電位側電極」の幅』には、高電位が印加される電
極自体(図1では4に相当する)の幅を指す場合、およ
び、高電位が印加される電極自体(図1では4に相当す
る)の幅に加えて、前記高電位側電極に接続する導電性
膜(例えば図1では7Aに相当する)の厚み(長さ)を
足したものを指す場合もある。しかし、導電性膜の厚み
(長さ)自体は、実質的には無視し得るほど微少なもの
であるので、上記『「高電位側電極」の幅W』は、高電
位が印加される電極自体(図1では4に相当する)の幅
に近似してなんら問題ない。
【0071】図から明らかなように高電位側電極の上部
および周囲には高電位側電極よりも低い(負の)電位を
持つ等電位面71が存在する。この負の等電位面71が
存在することにより、電子は高電位側電極の上部に形成
された低い(負)の電位の影響を受け、その軌道が曲が
り、陽極(アノード電極)10に到達する電子の領域が
限定される。
【0072】電子の軌道が曲げられることで到達した電
子のビーム径が小さくなる条件はVf,Va,Hをパラ
メータとして電界の数値計算を行うことで求められる。
【0073】図4は本発明の第1の実施形態の電子放出
素子を図2のように配置し、素子から距離Hのところに
配置した蛍光体に電子を当てたときに形成されるビーム
形状51を示している。
【0074】本発明においては、電子放出素子から放出
された電子ビームがアノード電極(蛍光体)上で形成す
るスポット形状のx方向のビーム径をBx、y方向のビ
ーム径をByとし、ビーム径は蛍光体のピーク輝度から
輝度が1/10になる場合の外周をビーム形状(スポッ
ト形状)とした。
【0075】本発明による第1実施形態の素子による
と,ビームの収束が大きく変化するのはX方向のビーム
径Bxであり、Y方向のビーム径Byはあまり変化しな
い。
【0076】これは素子がY方向に伸びた直線形状を持
つためであり、このためX方向には電子の軌道を曲げる
電界が形成されるが、Y方向には曲げる電界が形成され
ず、どこを切っても同じ電界が形成されていることによ
る。
【0077】高電位側電極幅Wを変化させた時のビーム
径の変化を図5に示す。図5に示すように、高電位側電
極幅Wが極端に広い場合は電子が距離Wから離れた2個
所から出ることを反映して、A点(A領域)に示すよう
にビーム形状は二つのビーム形状が観察される。
【0078】さらに高電位側電極幅Wを小さくすると、
特開平7−235256に示されているように、二つに
分離されていたビーム形状は一個所に集まり、二つのビ
ーム形状に分離することは出来なくなる点(B点)が存
在する。
【0079】さらに高電位側電極幅Wを小さくすると、
再びビーム径が広がる場合もあり(C〜Bの領域)、こ
れは、2つの放出部から放出された電子の軌道が交差す
るからである。
【0080】さらに高電位側電極幅Wを小さくすると、
再びC点以下でビーム径のX方向の幅Bxが急激に小さ
くなることが観察された。
【0081】このビーム径が急激に小さくなるところを
n2とすると、この点は、n2の値は前述したXsの約
15倍と見積もられた。
【0082】さらに高電位側電極幅Wを小さくするとビ
ームが全く観察されない点がある事がわかった(E
点)。これは図3(b)に示した高電位側電極よりの低
い(負の)電位の等電位面71が放出部上部を覆うよう
に形成され、放出された電子が、この電位をこえられず
に高電位側電極上で散乱を繰り返し、陽極(アノード電
極)に届かないような電界が形成されるためと考えられ
る。
【0083】この点をn1とするとn1の値は前述した
Xsの約0.5倍と見積もられた。
【0084】したがって、C点からE点までの領域Dに
おいて、ビーム径の縮小の作用が見られる。
【0085】本実施形態の素子の電子放出部を拡大した
ものが図6である。図6において、Dは導電性膜7Aと
導電性膜7Bとを分け隔てる間隙6の距離であり、T1
は間隙に面する導電性膜7Aの端部位置から高電位側電
極4の上部までの距離、T2は間隙に面する導電性膜7
Bの端部位置と低電位側電極2の上部までの距離であ
る。
【0086】ここで、高電位電極とは高電位側電極4と
導電性膜7Aを含む電気的に高電位側に接続された全て
の電極、即ち高電位領域の意味であり、低電位電極とは
同様に低電位側電極2と導電性膜7Bを含む全ての電
極、即ち低電位領域を意味する(以下、適宜、高電位側
電極を高電位側電極4自体あるいは高電位領域の意味で
使用し、低電位側電極も低電位側電極2自体あるいは低
電位領域の意味で使用する)。
【0087】この素子にVfを印加すると図6における
低電位電極の間隙6に面する先端から、対向する高電位
電極に向かって、電子31がトンネリングし、高電位電
極の先端部で電子が等方的に散乱する。
【0088】トンネリングした電子31の多くは、前述
の通り、高電位電極でさらに数回の弾性散乱(多重散
乱)が繰り返される。
【0089】前述のように表面伝導型電子放出素子で
は、散乱が繰り返されると、真空中に取り出される電子
の量はべき乗で減少していくことはあきらかである。
【0090】図6に示す垂直型の構成では、高電位側電
極のうち側壁部分の高電位側電極でも電子の散乱が起こ
る。しかしながら、側壁を超えた電子のうち陽極方向へ
の運動エネルギをもった電子は、再び散乱することなく
陽極(アノード電極)へ向かう電子が存在する。
【0091】散乱された電子の飛翔距離については、S
ID 98 Digest 、Okuda.et.alで開示されている。
【0092】散乱された電子の最大飛翔距離は間隙Dと
駆動電圧Vfおよび電極の仕事関数Wfの関数であり、
典型的には、間隙Dの100倍から200倍程度と見積
もられる。
【0093】したがって、電子の飛翔距離と同程度の距
離にT1を設定することで、高電位電極上での複数回の
散乱がおこらない電子が、陽極10上に到達可能とな
る。
【0094】これまでの説明で明らかなようにT1を可
能な限り小さく(薄く)構成することで、電子の散乱を
抑制することができる。
【0095】間隙Dは数nmから数十nmであるから、素子
作製上で実現可能な距離T1を5nmから200nmと
すれば、十分に効率の低下を防ぐことが可能となる。
【0096】これまで説明したように多重散乱に関わる
パラメータとしてT1が重要であるが、これは、絶縁層
3内に形成される間隙6の位置、すなわち間隙6に面す
る低電位電極端部位置と低電位側電極2との間の距離T
2とも密接に関わっている。詳細な検討によると図6で
示した構成では、間隙6の位置が絶縁層3の厚みdの半
分より上でT2が絶縁層3の厚みdの半分までは効率が
あまり大きく変化しないが、さらに間隙が絶縁層の下部
になり、T2がゼロに近づくと効率が激減することが分
かっている。これは間隙位置による効率化が大きいこと
を示している。
【0097】このため、絶縁層の側面(厚み方向の面)
に形成された間隙6の位置の平均を絶縁層の厚さの半分
より上にし、間隙から低電位側電極2表面までの平均距
離T2が該絶縁層の厚さdの1/2より大きくすること
で効率のばらつき、変動を押さえることができる。
【0098】図7に本実施形態の高電位側電極幅Wを変
化させた場合の効率、ビーム径について示した。
【0099】前述の垂直型にした作用で、図50に示す
ような平面型の従来例より効率が向上している。高電位
側電極幅Wがさらに小さくなり、前述のビーム径の小さ
くなるC点を過ぎると、効率も低下し、E点では、効率
が0に近づいている。しかしながら、ビーム径の収束す
る効果のある領域Dでも効率は従来の平面型より高くす
ることができる。
【0100】以上、述べた本発明の電子放出素子につい
て、別の実施態様を挙げて詳述する。
【0101】図8(a)は本発明による第1実施形態の
電子放出素子の別の一例を示す模式図、図8(b)は図
8(a)のB−B断面図を示す。
【0102】さらに図9(a)は本発明による第1実施
形態の電子放出素子の別の一例を示す模式図、図9
(b)は図9(a)のC−C断面図を示す。
【0103】前述したように本発明の第1実施形態で
は、X方向に高電位側電極が低電位側電極に挟まれた時
の幅Wが規定されたものである。この構造のもっとも単
純な例として図1に挙げられるような矩形があるが(以
下、この矩形の形状についてはリッジ型と呼ぶことがあ
る)この形状に限定されることはなく、少なくとも形状
の一部に低電位側電極に挟まれる高電位側電極の距離W
の幅を持つ形状でよい。
【0104】例えば、リッジ型の電子放出素子を画像形
成装置として素子駆動電圧Vf=15[V]、陽極電圧
Va=10[KV]、素子−陽極間距離H=2[mm]
とした場合、およそ15μm以下の幅を持つ電極を用い
ることが必要である。
【0105】また、同様のビーム径の縮小の効果を得る
ためには、図8で示した平面型の構造、図9で示した垂
直型で、かつ、高電位側電極4、絶縁層3、低電位側電
極2の順で積層され、矩形のスリットとなっているもの
(スリット型と呼ぶこととする)が別の実施形態として
考えられる。これらは、電位構造のみを陽極側(Z方
向)からみた場合に、同じく高電位電極が、低電位電極
で挟まれた構造であり、ビーム径に関しては、本構成が
重要となる。
【0106】ただし、図8、図9の構成では、リッジ型
(図1)で示した効率の向上の改善がみられない。
【0107】したがって、本発明の第1実施形態におい
て、低電位側電極2、絶縁層3、高電位側電極4の順で
積層されて垂直型を構成した、リッジ型が効率とビーム
径の高精細化の両立する最もこの好ましい構成として有
用である。
【0108】本発明の第1実施形態の電子放出素子の製
造方法の一例を図10に示した。製造方法について説明
する。
【0109】基板1の第1の主面上に低電位側電極2を
作製する(図10(a))前記絶縁性の基板1として
は、その表面を十分に洗浄した、石英ガラス、Na等の
不純物含有量を減少させKなどに一部置換したガラス、
背板ガラス及びシリコン基板等にスパッタ法等によりS
iO2を積層した積層体、アルミナ等のセラミックスの
絶縁性基板が挙げられる。
【0110】前記低電位側電極2は一般的に導電性を有
しており、蒸着法、スパッタ法等の一般的真空成膜技
術、フォトリソグラフィー技術により形成される。電極
の材料は、例えば、Be,Mg,Ti,Zr,Hf,
V,Nb,Ta,Mo,W,Al,Cu,Ni,Cr,
Au,Pt,Pd等の金属または合金材料から適宜選択
される。前記低電位側電極2の厚さとしては、数十nm
から数mmの範囲で設定され、前記高電位側電極の厚さ
としては、数nmから数百μmの範囲で設定され、好ま
しくは数十nmから数百nmの範囲で選択される。
【0111】次に絶縁層3、高電位側電極4を堆積す
る。(図10(b))。
【0112】前記絶縁層3は、スパッタ法等の一般的な
真空成膜法、熱酸化法、陽極酸化法等で形成され、その
厚さとしては、数nmから数十μmの範囲で設定され、
好ましく数十nmから数μmの範囲から選択される。望
ましい材料としてはSiO2,SiN,Al23,C
aFなどの高電界に耐えられる耐圧の高い材料が望まし
い。
【0113】前記高電位側電極4は、前記低電位側電極
2と同一材料でも異種材料でも良く、好ましくは高電位
側電極54は耐熱性材料が望ましい。また、その厚さと
して数nmから数μmの範囲で設定され、好ましくは、
数nmから数百nmの範囲から選択される。尚、この電
極の厚さが薄いために電位降下などが心配される時、あ
るいはマトリクス配列でこの素子を用いる場合は必要に
応じて低抵抗の配線用金属材料が電子放出に関与しない
部分で用いられることがある。
【0114】次に、フォトリソグラフィー技術により、
絶縁層3,高電位側電極4の一部が基板1から取り除か
れ、素子上部の陽極(アノード電極)から素子を見て高
電位側電極4が低電位側電極2に挟まれた構造が形成さ
れる(図10(c))。ただし、本エッチング工程は、
低電位側電極2上で停止しても良いし、低電位側電極2
の一部がエッチングされて停止しても良い。また、本工
程で基板から取り除かれる絶縁層3,高電位側電極4は
素子を駆動した状態で素子上部の陽極から素子を見た場
合、凸構造であっても良いし、凹構造であってもよい。
【0115】前記エッチング工程は平滑かつ垂直なエッ
チング面が望ましく、それぞれの電極及び絶縁層の材料
に応じて、エッチング方法を選択すれば良い。
【0116】また別の構造として、高電位側電極と低電
位側電極を同一平面状に配置した場合がある。この場
合、基板1上に電極を堆積し、フォトリソグラフィー技
術により低電位側電極2、高電位側電極4を形成する。
本工程で、高電位側電極4が低電位側電極2に挟まれた
構成を形成でき、該高電位側電極と該低電位側電極が同
一平面状にある電子放出素子が形成できる。この場合、
高電位側電極と低電位側電極の間隙は数nmから数百μ
mの間で設定される。
【0117】次に導電性膜7Aと7Bの間に間隙6を作
製する工程を行う。
【0118】前記導電性膜7A,7Bをスパッタ法等の
一般的な真空成膜法、熱酸化法、陽極酸化法等で形成さ
れる場合と活性化によって形成される場合とさらにこれ
らを組み合わせる場合がある。
【0119】前者の場合は低電位側電極2材料と同一材
料でも異種材料でも良く、好ましくはW,Ta,Mo等
の耐熱性の材料、あるいはTiC,ZrC,HfC,T
aC,SiC,WC等の炭化物、HfB2,ZrB2,L
aB6,CeB6,YB4,GdB4等の硼化物、TiN,
ZrN,HfN等の窒化物、Si,Ga等の半導体、有
機高分子材料、アモルファスカーボン、グラファイト、
ダイヤモンドライクカーボン、ダイヤモンドを分散した
炭素及び炭素化合物等などが良い。
【0120】一方活性化によって形成する場合は、活性
化工程と呼ばれる工程により形成される。この工程の前
にはフォーミング工程が一般的に用いられる。
【0121】フォーミング工程を用いる場合には、一般
に、まず、導電性膜5を堆積する(図10(d)) さらに、前記導電性膜6の両端に電圧を印加し、導電性
膜5に電流を流すことにより、導電性膜5を局所的に破
壊、変形もしくは変質させ、電気的に高抵抗な状態にす
る、すなわち、導電性膜5の一部に間隙6を形成する
(図10(e))。
【0122】導電性膜6に用いる材料としては、Pd,
Ru,Ag,Au,Ti,In,Cu,Cr,Fe,Z
n,Sn,Ta,W,Pd等の金属やこれらの合金、P
dO,SnO2,In23,PbO,Sb23等の酸化
物、HfB2,ZrB2,LaB6,CeB6,YB4,G
dB4等の硼化物、TiC,ZrC,HfC,TaC,
SiC,WC等の炭化物、TiN,ZrN,HfN等の
窒化物、Si,Ge等の半導体、カーボン、AgMg,
NiCu,Pb,Sn等であり、その抵抗値は、103
〜107Ω/□のシート抵抗値を示す。
【0123】導電性膜5の形成方法としては、蒸着法、
スパッタ法等の一般的真空成膜技術が使用される。ま
た、インクジェット法と熱処理法を組み合わせて形成さ
れる場合もある。
【0124】導電性膜5は、フォーミング工程後は、高
電位側電極に接続された導電性膜7Aと、低電位側電極
に接続された導電性膜7Bとに分離される。
【0125】次に活性化工程は、一般には、炭素化合物
が存在する雰囲気下で、電極間に電圧を印加することに
よって行われる。
【0126】図11に示すように、真空容器61に基板
1を配置し、真空排気ポンプ62により排気し真空雰囲
気にした後、炭素化合物(有機物質)ガス供給源63よ
り炭素化合物ガスを真空容器61に導入し、炭素化合物
のガスを含有する雰囲気下で、電極間に電圧を印加す
る。電圧波形は、パルス波形で繰り返し印加される。こ
れには、図12(a)で示されるようにパルス波高値を
定電圧としたパルスを連続的に印加する方法や、図12
(b)で示されるようにパルス波高値を増加させなが
ら、電圧パルスを印加する方法がある。また、このよう
に片極のパルスを繰り返す場合と、図12(c)で示す
ように、両極のパルスを繰り返す場合がある。
【0127】この活性化工程では炭素あるいは炭素化合
物からなるカーボン膜が導電性を有する形態として形成
される。カーボン膜とは、例えばグラファイト(いわゆ
るHOPG),PG,GCを包含する。HOPGはほぼ
完全なグラファイトの結晶構造、PGは結晶粒が20n
m程度で結晶構造がやや乱れたもの、GCは結晶粒が2
nm程度になり結晶構造の乱れがさらに大きくなったも
のを指す。)、非晶質炭素(アモルファス炭素及び、ア
モルファス炭素と前記グラファイトの微結晶の混合物を
指す)であり、その膜厚は、50nm以下の範囲とする
のが好ましく、30nm以下の範囲とすることがより好
ましい。
【0128】(第2の実施形態)次に本発明の示す第2
実施形態を説明する。第2実施形態は、電極形状は第1
実施形態とほぼ同じで間隙6が片側にのみ存在する形態
である。
【0129】図13は本発明の第2実施形態の図であ
る。図13(a)は断面図、図13(b)は素子を上か
ら見たときの構成図である。1は基板、2は低電位側電
極、3は絶縁層、4は高電位側電極であり、5は導電性
膜、6は間隙である。図16は、本実施形態の素子を駆
動した際の様子を模式的に示した図である。図16に用
いた符号のうち、図13に用いた符号と同一のものは、
同じ部材を指す。尚、図16中、10は陽極(アノード
電極)である。
【0130】図14は本発明の第2実施形態の製造方法
の図であり、間隙を作製する工程以外は第1実施形態と
ほぼ同じである。
【0131】片側に選択的に間隙を作製するために、所
望の領域にのみ導電性膜5を配置し、前述したフォーミ
ング工程、活性化工程を行うことにより形成する場合も
ある。前記導電性膜5の作成方法はフォトリソグラフィ
ー、斜方蒸着等から適宜選択される。
【0132】本発明の第2実施形態の電子放出素子で
は、上記の活性化工程を用いる場合と、活性化工程を用
いず、低電位側電極2と高電位側電極4の間の絶縁層3
の距離の制御、もしくは間隙6の形状制御による場合が
ある。本発明における第2実施形態の作用について説明
する。
【0133】本発明の第2実施形態の電子放出素子を図
16のように駆動した際における、高電位電極幅Wと電
子放出効率η、ビーム径Bxの関係を図15に示す。
【0134】第2実施形態においても、第1実施形態と
同様に効率とビーム径は特徴距離Xsで規格化できる。
【0135】したがって、横軸は、高電位電極幅Wを特
徴距離Xsで規格化したときのものである。
【0136】高電位電極幅Wが小さくなると、点Bから
ビーム径が小さく、効率が減少し始める。B点以下の領
域での高電位側電極幅Wは十分狭いために、電子は高電
位側電極4より低い(負の)電位71(図16参照)の
影響を受け始め、この結果、電子軌道が曲げられ陽極1
0上の電子分布が狭くなる。B点は高電位側電極幅Wが
特徴距離Xsの15倍になる。
【0137】さらにWが狭くなる点では、ビーム径が縮
小する。C点付近が本発明の第2実施形態最も望ましい
高電位側電極幅Wを示しているC点付近の本高電位側電
極幅Wは、特徴距離Xsの2倍から12倍の範囲である
さらにWが狭くなる点Dでは、ビーム径が縮小する。し
かしながら、D点ではビームの縮小効果が低下する。
【0138】D点において、ビーム径が小さくならない
説明を図16に示した。
【0139】図16において、71から73は等電位面
であり、71は高電位側電極4より低い電位(負)の等
電位面、72は高電位側電極4と同じ電位の等電位面、
73は高電位側電極4より高い電位(正)の等電位面で
ある。
【0140】間隙6から放出された電子は、高電位側電
極方向へと軌道を変え高電位側電極より低い電位(負
の)等電位面71の影響を受ける。この結果、陽極(ア
ノード電極)10での到達位置は放出部方向へと移動す
るが、電子の一部は図16に示したように前記高電位側
電極より低い電位(負の)等電位面71で逆向きに大き
く軌道を変えた結果、陽極10上では、放出部直上点を
またぐものが存在しはじめる。このような電子が存在す
る高電位側電極の幅Wでは、実質的なビーム径の縮小効
果が現われにくくなる。
【0141】さらにWが狭くなる点Eでは、電子放出効
率が低下する。これは、高電位電極幅Wが狭いため、前
記高電位側電極より低い電位(負の)等電位面71が電
子軌道を遮蔽するような働きをするため、陽極10に到
達する電子数が減少するためである。また、この場合、
等電位面71の領域を脱出した電子は、放出部直上のほ
ぼ1点に集中して到達しており、小さなビーム形状が得
られる。電子がほとんど観測されなくなる高電位側電極
幅Wは、特徴距離Xsの0.5倍以下である。
【0142】前述のとおり、H,Va,Vfは規格化す
るとほぼ同様の結果を示し、その範囲としては、本発明
の電子放出素子において、電子の散乱が同一の現象であ
ることを考慮してVfが30V以下、Va,Hは特に制
約は無いが、適当な範囲としてVaが数百Vから数十k
Vの範囲から選択される。
【0143】以上、第2実施形態について、図13で示
したようなリッジ型構造を説明したが、その他の実施形
態として、図17のように高電位側電極4と低電位側電
極2が同一平面状にある平面の構成や、図18で示した
垂直の型で、かつ、高電位側電極4、絶縁層3、低電位
側電極2の順で積層され、矩形のスリットとなっている
ものが別の実施形態として考えられる。これらの構成に
おいても、低電位側電極2間に露出している高電位側電
極4の幅Wが式(1)で表される特徴距離Xsの0.5
倍以上15倍以下の範囲で設定されることで、必要なビ
ーム径が得られる。、また、電子放出効率に関しては、
第1実施形態と同じことが第2実施形態にも当てはま
る。
【0144】すなわち、リッジ型構造では、前述の効率
の向上が見られるが、平面型およびスリット型では効率
は改善されない。したがって、電子放出効率によって最
適な構成を選択することができる。
【0145】(第3の実施形態)次に本発明の示す第3
実施形態を説明する。
【0146】第1実施形態、第2実施形態は、高電位側
電極がX方向において低電位側電極に幅Wで挟まれた構
成をとるものであったが、第3実施形態は、高電位側電
極がX方向およびY方向に低電位側電極に最大幅Wma
x,最小幅Wminで囲まれた構成をとるものである。
【0147】図19は本発明の第3実施形態の図であ
る。図19(a)は素子をアノード電極側から見たとき
の構成図、図19(b)は図19(a)のD−Dにおける
断面模式図である。1は基板、2は低電位側電極、3は
絶縁層、4は高電位側電極であり、5は導電性膜、6は
間隙である。
【0148】低電位側電極2と高電位側電極4間には、
層間絶縁層91があり、また、絶縁層3と層間絶縁層9
1の一部は取り除かれて、高電位側電極4が埋め込まれ
ている。本構造は、正方形の凸構造を有したものとなっ
ている。
【0149】最大幅Wmaxとは、アノード電極側から見
て、間隙6で囲まれる領域の最少外接円の直径であり、
最大幅Wminとは、間隙6で囲まれる領域の最大内接円の
直径である。
【0150】図20は本発明の第3実施形態の製造方法
の一例を示す図である。
【0151】まず、絶縁性の基板1の第1の主面上に高
電位側電極4の一部を作製する(図20(a))。
【0152】前記絶縁性の基板1としては、その表面を
十分に洗浄した、石英ガラス、Na等の不純物含有量は
減少させKなどに一部置換したガラス、背板ガラス及び
シリコン基板等にスパッタ法等によりSiO2を積層し
た積層体、アルミナ等のセラミックスの絶縁性基板が挙
げられる。
【0153】前記電極は一般的に導電性を有しており、
蒸着法、スパッタ法等の一般的真空成膜技術、フォトリ
ソグラフィー技術により形成される。素子電極の材料
は、例えば、Be,Mg,Ti,Zr,Hf,V,N
b,Ta,Mo,W,Al,Cu,Ni,Cr,Au,
Pt,Pd等の金属または合金材料から適宜選択され
る。前記電極の厚さとしては、数十nmから数mmの範
囲で設定され、前記電極の厚さとしては、数nmから数
百μmの範囲で設定され、好ましくは数十nmから数百
nmの範囲で選択される。
【0154】次に、層間絶縁層91、を堆積する(図2
0(b))。
【0155】前記層間絶縁層91は、スパッタ法等の一
般的な真空成膜法、熱酸化法、陽極酸化法等で形成さ
れ、その厚さとしては、数nmから数十μmの範囲選択
される。望ましい材料としてはSiO2,Al23など
の酸化物,SiNなどの窒化物、他の絶縁性材料などか
ら選択される。
【0156】次に、低電位側電極2を堆積し、パターニ
ングする(図20(c))。
【0157】次に、絶縁層3を堆積し、パターニングす
る(図20(d))。
【0158】前記絶縁層3は、スパッタ法等の一般的な
真空成膜法、熱酸化法、陽極酸化法等で形成され、その
厚さとしては、数nmから数十μmの範囲で設定され、
好ましく数十nmから数μmの範囲から選択される。望
ましい材料としてはSiO2,SiN,Al23,Ca
Fなどの高電界に耐えられる耐圧の高い材料が望まし
い。
【0159】さらに、絶縁層3の一部に高電位側電極4
を露出させるように、コンタクトホールを形成する(図
20(e))。
【0160】コンタクトホールの作製方法は、フォトリ
ソグラフィー法とエッチングによって作製される。
【0161】次に、前記コンタクトホールに、高電位側
電極4の一部を埋め込む(図20(f))。
【0162】次に、コンタクトホールと絶縁層3上に、
高電位側電極4を堆積する(図20(g))。
【0163】前記高電位側電極4は、前記低電位側電極
2と同一材料でも異種材料でも良く、好ましくは高電位
側電極4は耐熱性材料が望ましい。またその厚さとして
数nmから数μmの範囲で設定され、好ましく数nmか
ら数百nmの範囲から選択される。
【0164】次に導電性膜5を作製し(図20
(h))、間隙6を前述したフォーミング工程などによ
り作製する工程を行う。
【0165】これ以後の工程については、第1実施形態
と同じであるので説明を省略する。
【0166】本発明における第3実施形態では、高電位
側電極は、XおよびY方向の2次元で囲まれた構造をと
るために、高電位側電極の電極の取り出しが工夫される
必要がある。そのために、図20で示したようなコンタ
クトホールが利用される場合がある。
【0167】一方、高電位側電極の一部が外部に連結す
る延長部を形成している場合もある。
【0168】本発明における第3実施形態の作用を説明
する。
【0169】図19で示した第3実施形態の等電位面を
図21に示す。図21(a-1)から図21(c-2)
は、高電位側電極4の幅Wが変化した場合の等電位面の
変化(図21(a-1)、図21(b-1)、図21(c
-1))と、電子ビームの軌道の変化(図21(a-
2)、図21(b-2)、図21(c-2))をそれぞれ
示す。図21中、符号41は、電子放出点(間隙6)に
相当する。
【0170】第1実施形態と同様に、高電位側電極4の
幅Wにより、ビームの縮小の効果がみられる。ただし、
第3実施形態では、高電位側電極4は、X方向だけでな
く、Y方向にも、低電位側電極2ではさまれた構造と考
えることができ、ビーム径の縮小が、X方向だけでなく
Y方向にも起こる。本形態の素子においても、ビーム径
の縮小は、第1実施形態のビーム変化と同様であり、さ
らに、第1実施態様と同様の効率変化が確認された。こ
の特性は、図26(a)で示されている。また、本実施
形態のような正方形の構成では、第1実施態様と類似の
現象であることを考慮すると、高電位側電極幅は四角形
の辺の長さを置き換えて、ほぼ第1実施形態の適用範囲
が設定されることが明らかである。
【0171】すなわち、ビームの縮小効果が得られるの
は、前記特徴距離Xsの15倍以下であり、また、効率
が下がり、ビームが観察できなくなるのは、Xsの1/
2以下である。
【0172】また、素子の上部(アノード電極側)から
眺めた際の形状は正方形だけでなく円形や楕円形、長方
形等でもかまわない。
【0173】本発明においては、外接する円のうち最も
面積の小さい円の直径をWmax、内接する円のうち最も
大きい円の直径をWminとすれば、前記特徴距離Xsに
より規格化された適用範囲が、定義可能である。
【0174】すなわち、適用範囲の上限を決めるビーム
径の縮小効果は、WmaxをWと置き換えればよく、適用
範囲の下限を決める効率の低下する効果は、WminをW
と置き換えればよい。図19中には、正方形の場合のW
maxとWminの定義を示した。正方形の辺の長さWは、W
min、とWmaxの間に定義されている。
【0175】また、同様のビーム径の縮小の効果を得る
ためには、図22で示した垂直型で、かつ、高電位側電
極4、絶縁層3、低電位側電極2の順で積層され、2次
元図形の凹構造となっているもの、図24で示した平面
型の構造になっているものが別の実施形態として考えら
れる。これらは、電位構造のみを陽極(アノード電極)
側(Z方向)からみた場合に、高電位側電極が、低電位
側電極で囲まれた構造である。
【0176】図22に示した、2次元図形の凹構造の作
製方法は図23(a)〜(d)に示した。また、図24
に示した平面型の作製方法は図25(a)〜(e)に示
した。
【0177】図22に示した凹構造の場合は、コンタク
トホールは必要なく、第1実施形態と類似の工程にな
り、簡略になる。図24に示した平面型も凸構造に比
べ、工程数が短縮できる可能性がある。
【0178】また、図19に示した凸構造、図24に示
した平面構造、図22に示した凹構造の、効率とビーム
径の関係をそれぞれ図26に示した。
【0179】図26(a)は凸構造、図26(b)は平
面構造、図26(c)は凹構造の、効率とビーム径の関
係である。
【0180】第3実施形態においても、効率は凸構造が
もっとも高くなり、凸構造が好ましい。
【0181】次に、第3実施形態の他の形態で新たな効
果を有する例を示す。
【0182】図27は、高電位電極が、アノード電極側
から見て、十字形状をしているもので、図27(a)
は、間隙6が、十字の全域に渡って形成されている場合
を示している。また、図27(b)は、間隙6が十字の
一部、特に、高電位電極側に凸である領域に選択的に形
成されている場合である。
【0183】尚、本発明の第1、第2、第3の実施形態
において、「アノード電極側から見た図」とは、基板1
の主平面に実質的に平行な面における断面図、あるいは
平面図ということができる。
【0184】図27(a)の断面Eと断面Fでの等電位
線を記した図が図28である。図28(a)が断面Eに
図27(b)が断面Fに相当している。図中、斜線で示
した領域(r3、r4)は、高電位電極の電位よりも低
い電位(負の)の等電位面71の影響が及ぼされる領域
であり、電子は、高電位電極へと向う力を受ける(負の
勾配領域)領域である。
【0185】図からも判るが、高電位電極側に凸な領域
(図27(a)のR1)から電子がでた場合、Xs程度の高
さまでは高電位電極の等電位面がひずみ、負の勾配領域
(図28のr4)が弛み小さくなるので効率がよくなる
ことが理解できる。他方、Xs以上の高さになると上述
図19などで示した4角形の場合と同様に電子軌道が曲
がり、電子は収束されることとなる。また、低電位電極
側に凸な部分(図27のR2)に関しては、負の勾配領
域(図28のr3)が大きくなり電子は陽極10に届か
なくなるため、それらの部分のビーム径への寄与は無視
できる。
【0186】更に、図27(a)に示した形態にする
と、電子の放出する領域である間隙6の長さが実質的に
長くなることとの効果とあいまって、陽極10に到達す
る電子量が増え、放出電流Ieが図19などで示した正
方形の場合より増えることが期待される。
【0187】また、図27(b)のように導電性膜5の
領域を限定して、間隙部を制限することで、効率の大き
な部分のみから電子を放出させることもできる。この場
合の電界分布も、本発明の適用する範囲の高電位側電極
幅の領域であれば、前述と同様の現象となることは明ら
かである。このようにすれば、電子は効率をあまり下げ
ることなくビーム径を小さくすることが可能である。
【0188】以上、説明したように、本発明における第
1実施形態、第2実施形態、第3実施形態、では、高電
位側電極を、低電位側電極で挟む、もしくは囲み、前記
低電位側電極で挟まれた、もしくは囲まれた前記高電位
側電極の幅を、本発明で提案する範囲に設定すること
で、ビーム径の縮小の効果が期待される。
【0189】また、さらに、高電位側電極4が、低電位
側電極より上部(陽極側)にあることで、効率の向上が
期待でき、高精細と、高効率の両立も期待できる。
【0190】以上説明した、第1から第3の形態の電子
放出素子が好ましく適用可能な応用例については以下に
述べる。本発明の電子放出素子を複数個、基体上に配列
することで、例えば電子源あるいは、画像形成装置が構
成できる。
【0191】電子放出素子の配列については、種々のも
のが採用できる。
【0192】一例として、並列に配置した多数の電子放
出素子の個々を両端で接続し、電子放出素子の行を多数
個配し(行方向と呼ぶ)、この配線と直交する方向(列
方向と呼ぶ)で、該電子放出素子の上方に配した制御電
極(グリッドとも呼ぶ)により、電子放出素子からの電
子を制御駆動するはしご状配置のものがある。これとは
別に、電子放出素子をX方向及びY方向に行列状に複数
個配し、同じ行に配された複数の電子放出素子の電極の
一方を、X方向の配線に共通に接続し、同じ列に配され
た複数の電子放出素子の電極の他方を、Y方向の配線に
共通に接続するものが挙げられる。このようなものは、
所謂単純マトリクス配置である。まず単純マトリクス配
置について以下に詳述する。
【0193】本発明の電子放出素子(第1から第3の実
施形態の素子)の基本的な特性を、図29に示した。
【0194】本発明の電子放出素子からの放出電子は、
しきい値電圧Vth以上では、対向する素子電極間に印
加するパルス状電圧の波高値と幅で制御できる。一方、
しきい値電圧Vth以下では、殆ど放出されない。この
特性によれば、多数の電子放出素子を配置した場合にお
いても、個々の素子に、パルス状電圧を適宜印加すれ
ば、入力信号に応じて、表面伝導型電子放出素子を選択
して電子放出量を制御できる。
【0195】以下、この原理で基づき、本発明の電子放
出素子を複数配して得られる電子源を用いた画像形成装
置について、図30を用いて説明する。図30におい
て、151は電子源基板、152はX方向配線、153
はY方向配線である。154は本発明の電子放出素子、
155は結線である。
【0196】m本のX方向配線は152は、DX1
X2,・・・DXmからなり、真空蒸着法、印刷法、スパ
ッタ法等を用いて形成された導電性金属等で構成するこ
とができる。配線の材料、膜厚、幅は、適宜設計され
る。Y方向配線153は、DY1,D Y2,…DYnのn本の
配線よりなり、X方向配線152と同様に形成される。
これらm本のX方向配線152とn本のY方向配線15
3との間には、層間絶縁層91が設けられており、両者
を電気的に分離している(m,nは、共に正の整数)。
【0197】層間絶縁層91は、真空蒸着法、印刷法、
スパッタ法等を用いて形成されたSiO2等で構成され
る。例えば、X方向配線152を形成した基体151の
全面或いは一部に所望の形状で形成され、特に、X方向
配線152とY方向配線153の交差部の電位差に耐え
得るように、膜厚、材料、製法が、適宜設定される。X
方向配線152とY方向配線153は、それぞれ外部端
子として引き出されている。
【0198】表面伝導型放出素子154は構成する一対
の電極(不図示)は、m本のX方向配線152とn本の
Y方向配線153と導電性金属等からなる結線155に
よって電気的に接続されている。
【0199】配線152と配線153を構成する材料、
結線155を構成する材料及び一対の素子電極を構成す
る材料は、その構成元素の一部あるいは全部が同一であ
っても、またそれぞれ異なってもよい。これら材料は、
例えば前述の電極の材料より適宜選択される。素子電極
を構成する材料と配線材料が同一である場合には、素子
電極に接続した配線は素子電極ということもできる。
【0200】X方向配線152には、X方向に配列した
表面伝導型放出素子154の行を、選択するための走査
信号を印加する不図示の走査信号印加手段が接続され
る。一方、Y方向配線153には、Y方向に配列した表
面伝導型放出素子154の各列を入力信号に応じて、変
調するための不図示の変調信号発生手段が接続される。
各電子放出素子に印加される駆動電圧は、当該素子に印
加される走査信号と変調信号の差電圧として供給され
る。
【0201】上記構成においては、単純なマトリクス配
線を用いて、個別の素子を選択し、独立に駆動可動とす
ることができる。
【0202】このような単純マトリクス配置の電子源を
用いて構成した画像形成装置について、図31を用いて
説明する。図31は、画像形成装置の一例を示す模式図
である。図31において、151は電子放出素子を複数
配した電子源基板、161は電子源基板151を固定し
たリアプレート、166はガラス基体163の内面に蛍
光膜164とメタルバック165等が形成が形成された
フェースプレートである。162は、支持枠であり該支
持枠162は、リアプレート161、フェースプレート
166がフリットガラス等を用いて接続されている。1
67は気密容器であり、例えば大気中あるいは、窒素中
で、400〜500度の温度範囲で10分以上焼成する
ことで、封着して構成される。
【0203】154は、本発明の電子放出素子に相当す
る。152,153は、本発明の電子放出素子の一対の
素子電極と接続されたX方向配線及びY方向配線であ
る。
【0204】気密容器167は、上述の如く、フェース
ープレート166、支持枠162、リアプレート161
で構成される。リアプレート161は主に基体161の
強度を補強する目的で設けられるため、基体151自体
で十分な強度を持つ場合は別体のリアプレート161は
不要とすることができる。即ち、基体151を直接支持
枠162を封着し、フェースプレート166、支持枠1
62及び電子源基板151で気密容器167を構成して
も良い。一方、フェースープレート166、リアプレー
ト161間に、スペーサーとよばれる不図示の支持体を
設備することにより、大気圧に対して十分な強度をもつ
気密容器167を構成することもできる。
【0205】次に、上記単純マトリクス配置の電子源を
用いて構成した表示パネル(前記気密容器167に相当
する)に、NTSC方式のテレビ信号に基づいたテレビ
ジョン表示を行う為の駆動回路の構成例について、図3
3を用いて説明する。図33において、181は画像表
示パネル(前記気密容器167)、182は走査回路、
183は制御回路、184はシフトレジスタである。1
85はラインメモリ、186は同期信号分離回路、18
7は変調信号発生器、VxおよびVaは直流電圧源であ
る。
【0206】表示パネル181は、端子Dox1乃至D
oxm、端子Doy1乃至Doyn、及び高圧端子Hv
を介して外部の電気回路と接続している。端子Dox1
乃至Doxmには、表示パネル内に設けられている電子
源、即ち、M行N列の行列状にマトリクス配線された表
面伝導型電子放出素子群を一行(N素子)ずつ順次駆動
する為の走査信号が印加される。
【0207】端子Dy1乃至Dynには、前記走査信号
により選択された一行の表面伝導型電子放出素子の各素
子の出力電子ビームを制御する為の変調信号が印加され
る。高圧端子Hvには、直流電圧源Vaより、例えば1
0K[V]の直流電圧が供給されるが、これは表面伝導
型電子放出素子から放出される電子ビームに蛍光体を励
起するのに十分なエネルギーを付与する為の加速電圧で
ある。
【0208】走査回路182について説明する。同回路
は、内部にM個のスイッチング素子を備えたもので(図
中、S1ないしSmで模式的に示している)ある。各ス
イッチング素子は、直流電圧源Vxの出力電圧もしくは
0[V](グランドレベル)のいずれか一方を選択し、
表示パネル181の端子Dx1ないしDxmと電気的に
接続される。S1乃至Smの各スイッチング素子は、制
御回路183が出力する制御信号Tscanに基づいて
動作するものであり、例えばFETのようなスイッチン
グ素子を組み合わせることにより構成することができ
る。
【0209】直流電圧源Vxは、本例の場合には表面伝
導型電子放出素子の特性(電子放出しきい値電圧)に基
づき走査されていない素子に印加される駆動電圧が電子
放出しきい値電圧以下となるような一定電圧を出力する
よう設定されている。
【0210】制御回路183は、外部より入力する画像
信号に基づいて適切な表示が行なわれるように各部の動
作を整合させる機能を有する。制御回路183は、同期
信号分離回路186より送られる同期信号TSYNCに基づ
いて、各部に対してTSCANにおよびTSFTおよびTMRY
各制御信号を発生する。
【0211】同期信号分離回路186は、外部から入力
されるNTSC方式のテレビ信号から同期信号成分と輝
度信号成分とを分離する為の回路で、一般的な周波数分
離(フィルター)回路等を用いて構成できる。同期信号
分離回路186により分離された同期信号は、垂直同期
信号と水平同期信号より成るが、ここでは説明の便宜上
SYNC信号として図示した。前記テレビ信号から分離さ
れた画像の輝度信号成分は便宜上DATA信号と表し
た。該DATA信号はシフトレジスタ184に入力され
る。
【0212】シフトレジスタ184は、時系列的にシリ
アルに入力される前記DATA信号を、画像の1ライン
毎にシリアル/パラレル変換するためのもので、前記制
御回路183より送られる制御信号TSFTに基づいて動
作する(即ち、制御信号TSFTは、シフトレジスタ18
4のシフトクロックであるということもできる。)。シ
リアル/パラレル変換された画像1ライン分(電子放出
素子N素子分の駆動データに相当)のデータは、Id1
乃至IdnのN個の並列信号として前記シフトレジスタ
184より出力される。
【0213】ラインメモリ185は、画像1ライン分の
データを必要時間の間だけ記憶する為の記憶装置であ
り、制御回路113より送られる制御信号TMRYに従っ
て適宜Id1乃至Idnの内容を記憶する。記憶された
内容は、I′d1乃至I′dnとして出力され、変調信
号発生器187に入力される。
【0214】変調信号発生器187は、画像データI′
d1乃至I′dnの各々に応じて表面伝導型電子放出素
子の各々を適切に駆動変調する為の信号源であり、その
出力信号は、端子Doy1乃至Doynを通じて表示パ
ネル181内の素子に印加される。
【0215】前述したように、本発明の電子放出素子は
放出電流Ieに対して以下の基本特性を有している。
【0216】即ち、電子放出には明確なしきい値電圧V
thがあり、Vth以上の電圧を印加された時のみ電子
放出が生じる。電子放出しきい値以上の電圧に対して
は、素子への印加電圧の変化に応じて放出電流も変化す
る。このことから、本素子にパネル状の電圧を印加する
場合、例えば電子放出閾値以下の電圧を印加しても電子
放出は生じないが、電子放出閾値以上の電圧を印加する
場合には電子ビームが出力される。その際、パルスの波
高値Vmを変化させる事により出力電子ビームの強度を
制御することが可能である。また、パルスの幅Pwを変
化させることにより出力される電子ビームの電荷の総量
を制御する事が可能である。
【0217】従って、入力信号に応じて、電子放出素子
を変調する方式としては、電圧変調方式、パルス幅変調
方式等が採用できる。電圧変調方式を実施するに際して
は、変調信号発生器187として、一定長さの電圧パル
スを発生し、入力されるデータに応じて適宜パルスの波
高値を変調するような電圧変調方式の回路を用いること
ができる。
【0218】パルス幅変調方式を実施するに際しては、
変調信号発生器187として、一定の波高値の電圧パル
スを発生し、入力されるデータに応じて適宜電圧パルス
の幅を変調するようなパルス幅変調方式の回路を用いる
ことができる。
【0219】シフトレジスタ184やラインメモリ18
5は、デジタル信号式のものをアナログ信号式のものを
も採用できる。画像信号のシリアル/パラレル変換や記
憶が所定の速度で行なわれれば良いからである。
【0220】デジタル信号式を用いる場合には、同期信
号分離回路188の出力信号DATAをデジタル信号化
する必要があるが、これには186の出力部にA/D変
換器を設ければ良い。これに関連してラインメモリ18
5の出力信号がデジタル信号かアナログ信号かにより、
変調信号発生器187に用いられる回路が若干異なった
ものとなる。即ち、デジタル信号を用いた電圧変調方式
の場合、変調信号発生器187には、例えばD/A変換
回路を用い、必要に応じて増幅回路などを付加する。パ
ルス幅変調方式の場合、変調信号発生器187には、例
えば高速の発振器および発振器の出力する波数を計数す
る計数器(カウンタ)及び計数器の出力値と前記メモリ
の出力値を比較する比較器(コンパレータ)を組み合わ
せた回路を用いる。必要に応じて、比較器の出力するパ
ルス幅変調された変調信号を表面伝導型電子放出素子の
駆動電圧にまで電圧増幅するための増幅器を付加するこ
ともできる。
【0221】アナログ信号を用いた電圧変調方式の場
合、変調信号発生器187には、例えばオペアンプなど
を用いた増幅回路を採用でき、必要に応じてレベルシフ
ト回路などを付加することもできる。パルス幅変調方式
の場合には、例えば、電圧制御型発振回路(VCO)を
採用でき、必要に応じて電子放出素子の駆動電圧まで電
圧増幅するための増幅器を付加することもできる。
【0222】このような構成をとり得る本発明を適用可
能な画像表示装置(図31)においては、各電子放出素
子に、容器外端子Dox1乃至Doxm、Doy1乃至
Doynを介して電圧を印加することにより、電子放出
が生ずる。高圧端子Hvを介してメタルバック165、
あるいは透明電極(不図示)に高圧を印加し、電子ビー
ムを加速する。加速された電子は、蛍光膜164に衝突
し、発光が生じて画像が形成される。
【0223】ここで述べた画像形成装置の構成は、本発
明を適用可能な画像形成装置の一例であり、本発明の技
術思想に基づいて種々の変形が可能である。入力信号に
ついては、NTSC方式を挙げたが入力信号はこれに限
られるものではなく、PAL,SECAM方式など他、
これよりも、多数の走査線からなるTV信号(例えば、
MUSE方式をはじめとする高品位TV)方式をも採用
できる。
【0224】本発明の画像形成装置は、テレビジョン放
送の表示装置、テレビ会議システムやコンピューター等
の表示装置の他、感光性ドラム等を用いて構成された光
プリンターとしての画像形成装置等としても用いること
ができる。
【0225】
【実施例】以下、本発明の実施例を詳細に説明する。
【0226】[実施例1]図34(a)に本実施例によ
り作製したリッジ型の電子放出素子を素子上部(アノー
ド電極側)から見た様子を示し、図34(b)に図34
(a)のG−H線で切った時の電子放出素子の断面図、
図34(c)に図34(a)のJ−J線で切った時の電
子放出素子の断面図を示す。
【0227】図35に図34のG−H断面における、本
実施例の電子放出素子の製造方法の一例を示した。ここ
で1は基体、2は低電位側電極、3は絶縁層、4は高電
位側電極、5は導電性膜、91は低電位側電極と高電位
側電極を分離するための層間絶縁層である。
【0228】以下に、図35を用いて本実施例の電子放
出素子の製造工程を詳細に説明する。
【0229】(工程1)基板1に石英基板を用い、十分
洗浄を行った後、低電位側電極2としてスパッタ法によ
り厚さ300nmのTaによる電極を堆積した。
【0230】次に、フォトリソグラフィー工程で、ポジ
型フォトレジスト(AZ1500/クラリアント社製)
を用いてレジストパターンを形成した。
【0231】次に、パターニングした前記フォトレジス
トをマスクとし、Ta層をCF4ガスを用いてドライエ
ッチングし低電位側電極2を形成した(図35
(a))。
【0232】(工程2)層間絶縁層91として厚さ50
0nmのSiO2をRFスパッタ法を用いて堆積した。
【0233】次に、フォトリソグラフィー工程で、ポジ
型フォトレジスト(AZ1500/クラリアント社製)
を用いてレジストパターンを形成した。
【0234】次に、パターニングした前記フォトレジス
トをマスクとし、層間絶縁層(配線間絶縁部材に相当す
る)91をフッ酸系のウエットエッチングを行い、低電
位電極2で停止させた(図35(b))。この工程にお
いては、エッチングにおいて形成される斜めの断面形状
が重要である。ここの傾斜が緩くなるようにエッチング
手法を適宜選択することが好ましい。
【0235】(工程3)絶縁層3としてSiO2を厚さ
50nm、高電位側電極4としてTaを厚さ約20nm
を堆積した。
【0236】ここで、絶縁層3、高電位側電極層4を形
成しホトリソグラフィー等による適当な方法で好ましい
形状にエッチングし再び低電位側電極を露出させ、リッ
ジの形状を作製する。このようなリッジの形成手法とし
ては、フォトレジストのスピンコーティング、マスクパ
ターンの露光及び現像を行い、ウェットエッチングもし
くはドライエッチングで絶縁層3及び高電位側電極の一
部を取り除く。エッチング工程は平滑かつ垂直なエッチ
ング面が望ましく、それぞれの電極及び絶縁層の材料に
応じて、エッチング方法を選択すれば良い。
【0237】本実施例では、フォトリソグラフィー工程
で、ポジ型フォトレジスト(AZ1500/クラリアン
ト社製)を用いてレジストパターンを形成した。
【0238】次に、パターニングした前記フォトレジス
トをマスクとし、絶縁層3、高電位電極4をRIEによ
りエッチングした。高電位側電極層4のエッチングガス
にはCl2ガスを選択し、絶縁層3のエッチングガスに
はCHF3ガスを選択した。またドライエッチング時の
他の条件は装置のサイズや構成、基板サイズで異なる
が、本実施例では圧力20mTorr、放電電力100
0W(ただし基板サイズ300mm×300mm)を用
いた。このときの絶縁層3と低電位側電極2とのエッチ
ング選択比が2倍以上あることを利用して低電位側電極
2でエッチングを停止させた(図35(c))。
【0239】(工程4)次に、フォトリソグラフィー技
術を用いてフォトレジストに図34(a)に示すような
50μm角の開口部を形成した。
【0240】次に、導電性膜6として厚さ4nmのPt
−Pdを堆積した。この後フォトレジストを剥離し、図
34(a)に示す膜5を素子上に形成した(リフトオフ
法)(図35(d))。次に、本素子を大気中で低電位
側電極2及び高電位側電極4に15Vのパルス電圧(O
N時間:1msec/OFF時間:9msec)を印加
した。(本工程をフォーミング工程と称す)。
【0241】フォーミング工程は、上下電極間の抵抗が
10MΩとなった時点で終了した。
【0242】このフォーミング工程により、Pt−Pd
膜は低電位側電極2に電気的に接続されている膜7B
と、高電位側電極4に電気的に接続されている膜7Aに
分離される。より詳細に述べれば、フォーミング工程に
より導電性膜5の一部に間隙6が形成されているフォー
ミング工程で間隙を作製するときの導電性膜5の抵抗値
は、103〜10 7Ω/□のシート抵抗値を示すものが適
宜選択される。
【0243】(工程5)本素子を図11に示すような真
空装置61に設置し、真空排気装置62によって2×1
-6Paに到達するまで十分に排気した。
【0244】次に、有機性ガス材料53としてBN(ベ
ンゾニトリル)を、1×10-4Paになるように真空装
置61に導入し、有機性ガス雰囲気中で低電位側電極
2,高電位側電極4に図12(c)で示すようなパルス
電圧を印加し、間隙6の周辺部にカーボン膜を生成した
(本工程を活性化と称す)。
【0245】前記活性化工程は、低電位側電極2、高電
位側電極4に流れる電流が飽和した時点で終了した。
【0246】このように活性化工程は、有機物質のガス
を含有する雰囲気下で、通電フォーミングと同様に、パ
ルスの印加を繰り返すことで行うことができる。この雰
囲気は、例えば油拡散ポンプやロータリーポンプなどを
用いて真空容器内を排気した場合に雰囲気内に残留する
有機ガスを利用して形成することができる他、上述のよ
うにイオンポンプなどにより一旦十分に排気した真空中
に適当な有機物質のガスを導入することによっても得ら
れる。このときの好ましい有機物質のガス圧は、前述の
応用の形態、真空容器の形状や、有機物質の種類などに
より異なるため場合に応じ適宜設定される。このような
活性化処理により、雰囲気中に存在する有機物質から、
カーボン膜が素子上に堆積し、素子電流If、放出電流
Ieが、著しく変化するようになる。
【0247】適当な有機物質としては、アルカン、アル
ケン、アルキンの脂肪族炭化水素類、芳香族炭化水素
類、アルコール類、アルデヒド類、ケトン類、アミン
類、ニトリル類、フェノール、カルボン、スルホン酸等
の有機酸類等を挙げることが出来、具体的には、メタ
ン、エタン、プロパンなどGnH2n+2で表される飽
和炭化水素、エチレン、プロピレンなどGnH2n等の
組成式で表される不飽和炭化水素、ベンゼン、トルエ
ン、メタノール、エタノール、ボルルアルデヒド、アセ
トアルデヒド、アセトン、メチルエチルケトン、メチル
アミン、エチルアミン、フェノール、ベンゾニトリル、
アセトニトリル、蟻酸、酢酸、プロピオン酸等が使用で
きる。
【0248】次に、再び2×10-6Paに到達するまで
十分に排気後、図2に示したように高電圧電源9を用い
て陽極(アノード電極)10に高電圧Vaを印加し、素
子には駆動電圧Vf=15Vからなるパルス電圧を印加
して流れる素子電流Ifと電子放出電流Ieを計測し
た。
【0249】素子からH=2mm離れた陽極(アノード
電極)10に、電圧としてVa=10KV印加したとき
のビーム径を表1に示す。
【0250】また、従来例は、図50で示した平面型の
例であり、高電位側電極の幅WはXsの150倍に相当す
るものを用いた。
【0251】
【表1】 前述したように高電位側電極の幅WをXsの0.5倍で
は到達しないためにほとんどビームを計測できなかった
が、2,3,7,15倍に変化させるとビーム径が増大
した。
【0252】図7は前記の条件で計測したときの高電位
側電極の幅Wを変化させたときのビーム径と効率をプロ
ットしたものである。図からおよそXsの15倍からビ
ーム径が小さくなることがわかった。このことから、集
束作用はXsの0.5倍から15倍の範囲であると見積
もられた。効率はXsの15倍からビームの集束ととも
に減少し、Xsの0.5倍でほとんど0になった。
【0253】また、本電子放出素子の高電位側電極の幅
WをXsの2倍のときの効率は従来の平面型の表面伝導
型素子(効率約1%)と比較して約3倍以上が得られ
た。
【0254】本実施例ではPt−Pdを使った導電性膜
が用いられているが、この導電性膜は必ずしも必要では
なく場合によっては用いない構成とすることも可能であ
る。
【0255】また、本実施例では、層間絶縁層を電子放
出素子の素子部の両側に設けて素子部を取り囲む構造に
なっているが、片側の側方のみに設けてもよい。
【0256】[実施例2]第2の実施例として、素子を
上部から見たときの構成としては図34(a)と同じで
あるが、J−J断面形状が異なる構成について図36に
示す。
【0257】なお作製工程は第1の実施例の作製工程に
おいて工程1,3が違うのみで、工程2,4,5は実施
例1と同様なので省略する。
【0258】(工程1)基板1に石英を用い、十分洗浄
を行った後、スパッタ法により厚さ300nmのAlに
よる第1の低電位側電極層2Aを堆積した。
【0259】次に、ポジ型フォトレジスト(AZ150
0/クラリアント社製)を用いてレジストパターンを形
成した。
【0260】次に、パターニングした前記フォトレジス
トをマスクとし、燐酸系のAlエッチング液を用いてウ
エットエッチングした第1の低電位側電極2Aを形成し
た。
【0261】(工程3)次に厚さ50nmのTaによる
第2の低電位側電極2B、厚さ50nmの絶縁層3と厚
さ20nmのTaによる高電位側電極層4を連続して堆
積した。
【0262】次に、パターニングした前記フォトレジス
トをマスクとし、高電位側電極4、絶縁層3、第2の低
電位側電極2BをCF4によるエッチングガスによって
ドライエッチングし、第1の低電位側電極2Aと第2の
低電位側電極2Bの材料すなわち、AlとTaとのエッ
チングガスによる選択比の違いを利用して第1の低電位
側電極2A上で停止させ、前記リッジ構造を形成した。
【0263】以下実施例1と同様に作製した。
【0264】実施例1と同様に、十分に排気後、素子を
Vf=15Vで駆動し、素子からH=2mm離れた陽極
10に、Va=10KV印加して素子の評価を行った。
その結果、実施例1の素子に対し、それぞれのWの素子
において、さらに1.1倍から1.5倍程度の効率が向
上した。また、実施例1の素子と、実施例2の素子をそ
れぞれ50素子使用して、その効率のばらつきを比較し
た、その結果、実施例1で15%のばらつきだったもの
に比較して実施例2の素子では、12%のばらつきに低
減した。
【0265】これは、図6における断面形状におけるT
2の効果である。すなわち、T2を大きくしたことで、
間隙6の周辺の電界が変化し、電子が側壁へ向う力が弱
まる効果により側壁での散乱が抑制されて効率が向上し
た。
【0266】素子間の効率のばらつきは、素子長すなわ
ちY方向にそった間隙位置の変化によりT1が異なるこ
とがその一因であると考えられるが、実施例2では、実
施例1より、リッジ全体の高さが高いために、そのばら
つきが見かけ上小さくなり、効率のばらつきも小さくな
ったものと考えられる。
【0267】[実施例3]第3の実施例として、素子を
上部から見たときの構成としては図34(a)と同じで
あるが、J−J断面形状が異なる構成について図37に
示す。
【0268】なお作製工程は第1の実施例において工程
3が違うのみで後は同一である。
【0269】工程1,2,4,5は実施例1と同様なの
で省略して、工程3について説明する。
【0270】(工程3)厚さ50nmのSiNによる第
1の絶縁層3A、厚さ10nmのSiO2による第2の
絶縁層3B、厚さ20nmのTaによる高電位側電極4
を連続して堆積した。
【0271】その後、フォトリソグラフィー工程で、ポ
ジ型フォトレジスト(AZ1500/クラリアント社
製)をスピンコーティング後、フォトマスクパターンを
露光、現像し、レジストパターンを形成した。その後、
パターンニングした前記フォトレジストをマスクとし、
高電位側電極4、第2の絶縁層3B、第1の絶縁層3A
をRIEにより連続エッチングした。高電位側電極4の
エッチングガスにはCl2ガスを選択し、第2の絶縁層
3BのエッチングガスにはCHF3ガス、第2の絶縁層
3AのエッチングガスにはSF6ガスを選択した。ま
た、RIE条件は装置のサイズや構成、基板サイズで異
なるが、本実施例では圧力5.32Pa、放電電力15
00W(ただし基板サイズ300mm×300mm)で
あった。このときの第1の絶縁層3Aと低電位側電極2
とのエッチング選択比が3倍以上あることを利用して低
電位側電極2でエッチングを停止させ、第37に示した
リッジ構造を形成した。
【0272】次に実施例1と同条件にて(工程4)(工
程5)の処理を行ったところ、間隙6がリッジ部断面の
第1の絶縁層3Aより、第2の絶縁層3Bに近い部分に
すなわち、より高電位側電極4に近い部分に形成され
た。
【0273】以上のようにした作製した素子を実施例
1、2と同様に、Vf=15Vで駆動し、素子からH=
2mm離れた陽極10に、Va=10KV印加した。実
施例3においては、実施例1に比較して素子の効率が
1.5倍から2倍よくなり、素子間の効率ばらつき約3
%が低減した。
【0274】これは、実施例2と同様に、素子の断面形
状が実施例1とは異なったためと考えられる。すなわ
ち、本実施例では、T1が小さくなり、同時にT2も大
きくなっている。
【0275】本実施例で、フォーミング工程により、間
隙6が、第2の絶縁層3Bに選択的に形成される理由は
明確ではないが、材料の誘電率や、熱伝導率、また、そ
の他の要因が考えられる。第1の絶縁層3Aとしては、
Al23、Ta25、TiO2などを用いることが可能
である。
【0276】本実施例では第1の絶縁層3Aの膜厚を5
0nm、第2の絶縁層3Bの膜厚を10nmとしたが、
それに限るものではない。
【0277】[実施例4]本実施例の素子の作製工程
は、第1の実施例と比較して工程4が違うものである。
図38は、本実施例の素子の平面模式図である。
【0278】工程1,2,3は実施例1と同様なので省
略し、工程4について説明し、断面形状は実施例1と同
じであるので、平面図のみを示す。
【0279】(工程4)インクジェット噴射装置を用い
て酢酸パラジウムの0.1wt%水溶液を、図38に示
した部分に選択的に液滴の状態で付着させた後に350
℃、10分間、空気中で加熱処理を行って酸化パラジウ
ム(PdO)膜5を形成した。このようにして形成され
たPdO膜のシート抵抗は103〜105Ω/□であっ
た。
【0280】次に、本素子を1×10-3Pa以下に排気
した後にN298%−H22%混合ガス雰囲気中で低電位
側電極2及び高電位側電極4に図12(a)で示すよう
な7Vのパルス電圧(ON時間:1msec/OFF時
間:9msec)を印加し、前記PdO膜に電流を流し
間隙6を形成した(本工程を、フォーミング工程と称
す)。フォーミング工程は、電極間の抵抗が10MΩと
なった時点で終了した。
【0281】以上のようにして作製した素子を実施例1
と同様にVf=15Vで駆動し、素子からH=2mm離
れた陽極10に、Va=10KV印加した。
【0282】本実施例では実施例1と同様の効率およ
び、ビーム径が得られた。
【0283】[実施例5]第2の実施形態の実施例とし
て実施例5を示す。
【0284】図13に本実施例で形成した電子放出素子
の断面図、および平面図の一例を示す。また、図14に
本実施例の電子放出素子の製造方法の一例を示した。以
下に、本実施例の電子放出素子の製造工程を詳細に説明
する。
【0285】(工程B1)基板1に石英を用い、十分洗
浄を行った後、スパッタ法により低電位側電極2として
厚さ300nmのTa、絶縁層3として厚さ50nmの
SiO2、高電位側電極4として厚さ25nmのTaを
この順で堆積した(図14(a))。その後、フォトリ
ソグラフィー工程で、ポジ型フォトレジスト(AZ15
00/クラリアント社製)のスピンコーティング、フォ
トマスクパターンを露光、現像し、マスクパターンを転
写した。その後、パターニングした前記フォトレジスト
をマスクとし、絶縁層3、高電位側電極4をCF4ガス
を用いてドライエッチングし、低電位側電極2で停止さ
せ、幅Wが5μmの高電位側電極4を形成した(図14
(b))。
【0286】(工程B2)次に、図14(c)に示すよ
うに、厚さ2nmのPt−Pd導電性膜5を前記高電位
側電極4、絶縁層3、低電位側電極2上に堆積した(図
14(c))。この時、Pt−Pdの堆積した長さL0
は30μmとした。前記Pt−Pd導電性膜は、フォト
リソグラフィー技術を用いて、高電位側電極片側をレジ
ストでマスクしイオンスパッタ法で選択的に堆積した。
【0287】(工程B3)次に、低電位側電極2及び高
電位側電極4に図12(b)で示めすような波形で、最
高電圧が15Vのパルス電圧(ON時間:1msec/
OFF時間:9msec)を印加した(フォーミング工
程)。この工程により間隙6を形成した(図14
(d))。フォーミング工程は、電極2,4間の抵抗が
10MΩとなった時点で終了した。
【0288】(工程B4)次に、本素子を、図12で示
す真空容器61に配置し、内部を真空ポンプ62で真空
に排気した後、有機材料63としてBN(ベンゾニトリ
ル)2×10-6Torr雰囲気中で低電位電極2と高電
位側電極4間に図12(c)で示したような、パルス電
圧(ON時間:1msec/OFF時間:9msec)
を印加し、前記間隙にカーボン膜を生成した(活性化工
程)。この活性化工程は、前記電極間に流れる電流が飽
和した時点で終了した。この結果、Pt−Pd膜を堆積
した片側のみに電子放出部が形成できた。
【0289】以上のようにして作製した素子を、図2の
ように真空容器に配置し、駆動した。駆動電圧は、Vf
=15V,Va=10kV、電子放出素子と陽極10と
の距離HをH=2mmとした。ここで、陽極10として
蛍光体を塗布した電極を用い、電子ビーム径を観察し
た。その結果、ビーム径115μmの収束した電子ビー
ムが得られ、電子放出素子の高電位側電極と低電位側電
極間に流れる電流Ifと素子上部の陽極に到達した電子
による電流Ieの比で表される電子放出効率Ie/If
は、2.0%であった。本駆動条件では、図7のDに示
す領域であり、ビーム径が小さく、効率のよい電子放出
素子が形成できた。
【0290】上述の素子構造と同様で、高電位側電極幅
Wが8μmの場合、ビーム径が125μmで、電子放出
効率が2.5%であった。本駆動条件では、図7のCに
示す点であり、ビーム径は前述の素子より大きいが、効
率のよい電子放出素子が形成できた。
【0291】[実施例6]第2実施形態の実施例とし
て、実施例6を示す。
【0292】実施例5と同様の工程で低電位側電極2、
絶縁層3、高電位側電極4からなるリッジ構造を形成し
たのち、図40に示すように間隙6を形成する側の側壁
にPt−Pd導電性膜5を2nmの厚さで斜方上部より
開口30μmの金属マスクを配置して堆積した。
【0293】さらに実施例5と同様にフォーミング工
程、活性化工程を行った。
【0294】実施例5と同様に駆動を行った結果、実施
例5と同様のビーム径、電子放出効率が得られた。
【0295】本方法でも導電性膜5の作製にフォトリソ
グラフィー工程が不要でかつ、第2実施形態である素子
の作製が実現できる。
【0296】[実施例7]実施例5と同様にしてリッジ
構造を形成した。次にリッジ構造の両方の側壁にかけて
所望の開口を有した金属マスクを用いて、Pt−Pdか
らなる導電性膜5を堆積し、片側の側壁のPt−Pdか
らなる導電性膜5をFIB法でイオンを照射し、除去し
た。その後、実施例5と同様に、フォーミング工程、活
性化工程を行った。その結果、実施例5と同様に片側の
側壁のみに間隙6が形成された。
【0297】実施例5と同様の駆動を行った結果、実施
例5と同様の電子放出性能が得られた。
【0298】本方法では、Pt−Pdからなる導電性膜
5を側壁の片側にのみ堆積するための、アライメント精
度が不要で、例えば高電位側電極幅Wが狭いような場合
でも実施例5と同様に側壁の片側にのみ間隙6が確実に
形成できる。
【0299】[実施例8]本実施例で作成した素子を、
図41を用いて、その製造方法とともに示す。 (工程B1’)実施例5と同様にして高電位側電極幅W
5μmのリッジ構造を形成した(図41(a),図41
(b))。ただし、本実施例では、高電位側電極4及び
絶縁層3であるSiO2をドライエッチングする工程
で、さらに、厚さ300nmの低電位側電極2を深さ5
0nmまでエッチングした時点で停止した。 (工程B2)実施例5と同様に導電性膜5を形成し(図
41(c))、フォーミング工程及び活性化工程を行
い、側壁の片側のみに間隙6を形成した(図41
(d))。
【0300】実施例5と同様に、駆動を行った結果、T
2が大きくなり、電子放出効率が2.5%に向上した。
【0301】[実施例9]本実施例で作成した素子を図
42に、また、その製造方法を図43に示す。
【0302】(工程B1’’)十分に洗浄した石英基板
上1に、厚さ300nmのAlからなる第1の低電位側
電極2Aを真空蒸着により堆積し、続いてTaよりなる
第2の低電位側電極2Bをスパッタ法により300nm
堆積した。更に、30nmのSiO2からなる絶縁層3
をスパッタ法で堆積し、さらにTaからなる高電位側電
極4を20nm堆積した(図43(a))。
【0303】実施例5と同様にフォトリソグラフィー技
術により、高電位側電極幅W=5μmのリッジ構造を形
成した(図43(b))。
【0304】ただし、本実施例では第2の低電位側電極
2BのTaをエッチングし、第1の低電位側電極2Aの
上を露出させた。
【0305】(工程B2)以下、導電性膜5形成以後は
(図43(c),(d))は上述の実施例5と同様であ
るので説明を省略する。
【0306】本実施例に係る素子について実施例5と同
様の駆動を行ったこの結果、前述実施例8と同様に、T
2の距離が大きくなり、実施例5の素子より効率が向上
した。また、T2の距離が、エッチング時間の制御で決
定される実施例8と比べて、T2の距離が積層された第
2の低電位側電極2Bの膜厚で規定されるために、T2
の距離の作製の再現性が向上した。
【0307】[実施例10]図44に本実施例の電子放
出素子を、そして、その製造工程を図45に示す。
【0308】(工程1)基板1に石英を用い、十分洗浄
した後、CVD法で多結晶シリコン層2を300nm、
シリコン窒化膜391を300nm堆積した(図45
(a))。前記多結晶シリコン2は低電位側電極2とし
て用いるため、イオン注入によりP+イオンを2×10
16ions/cm2注入し、800℃の熱処理を行い電
気的に活性化した。
【0309】(工程2)次に、フォトリソグラフィー技
術により前記シリコン窒化膜391を5μmの幅でパタ
ーニングし、その後、熱酸化を行った。本工程により、
前記シリコン窒化膜391はマスクとして働き、シリコ
ン窒化膜391が堆積していない領域の前記多結晶シリ
コン2は厚い酸化膜が絶縁層3として形成され、また、
前記シリコン窒化膜391が堆積している領域では薄い
酸化膜が絶縁層3として形成された(LOCOS法)
(図45(b))。
【0310】(工程3)次に、前記シリコン窒化膜39
1を除去し、高電位側電極4として25nmの厚さで、
幅が5μmのTaをスパッタ法で堆積し(図45
(c))、前記Taからなる高電位側電極4をマスクと
し前記熱酸化膜からなる絶縁層3をドライエッチングし
た(図45(d))。
【0311】(工程4)次に、実施例5の工程4Bと同
様に活性化を行い、リッジ構造の薄い酸化膜からなる絶
縁層の側壁側にのみ選択的に間隙6を形成した。尚、本
実施例では、前述した導電性膜5の形成、およびフォー
ミング工程は行わない。
【0312】さらに、本実施例の場合、薄い領域の酸化
膜の膜厚を制御することで、工程4で示す活性化工程無
しで間隙6を形成することも可能である。
【0313】もちろん、実施例5で示されているよう
に、導電性膜5を片側の側壁にのみ作製し、フォーミン
グ工程、活性化工程をへて、間隙6を作製することも可
能である。
【0314】[実施例11]次に本発明の示す第2実施
形態の実施例11を示す。
【0315】図17は、平面型の構造とその特性、図1
8は、スリット型の構造とその特性である。
【0316】スリット型の製造方法は、実施例5とほぼ
同様で、エッチングのパターンが違うだけなので省略
し、平面型の製造方法について簡単に説明する。
【0317】(工程1)十分に洗浄した石英基板1に、
スパッタ法でTaを300nm堆積した。次に、フォト
リソグラフィー工程で、Taの一部をエッチングし、高
電位側電極4と低電位側電極2を同時に形成した。ここ
で、高電位側電極4は2つの低電位側電極2で挟まれて
おり、高電位側電極4の幅Wは5μmとし、高電位側電
極4と2つの低電位側電極2の隙間は100nmに設定
されている。
【0318】(工程2)次に、Pt−Pdからなる導電
性膜5を高電位側電極4と低電位側電極2の一方の間隙
をつなぐように配置した。
【0319】実施例5と同様にフォーミング工程、活性
化工程を行い間隙6を形成した。
【0320】本実施例に係る素子を実施例5と同様の条
件で駆動した結果、平面型では、ビーム径140μm、
効率0.6%が、はスリット型では、ビーム径140μ
m、効率0.45%が得られた。
【0321】また、高電位側電極幅Wに対しては、図1
7(a)、図18(a)の特性となった。
【0322】平面型、スリット型で、ビーム径の縮小の
相対的な関係はリッジ型とかわらず、Xsの15倍以下
より、ビームが縮小した。また、両者の効率の相対的な
関係もリッジ型とかわらずXsの15倍以下より、効率
が低下しはじめた。
【0323】ただし、両者ともに、リッジ型より、ビー
ム径がひろがり効率が悪くなった。
【0324】[実施例12]図19、図20に本発明の
示す第3実施形態の実施例を実施例12として示す実施
例12は、高電位側電極4が低電位側電極2より、上方
部に配置させた凸構造の実施例であり、図19(a)は
素子を真上(アノード電極)からみた平面図であり、図
19(b)は横から素子中央部をみたD−D断面図であ
る。
【0325】高電位側電極4のの上部と低電位側電極2
の上部の高低差h3を300[nm]とした。また、間
隙6から高電位側電極4の上部までの距離h4(=T
1)は200nm程度になるようにしている。
【0326】図20は、本実施例の電子放出素子の製造
方法を示している。
【0327】(工程1)図20(a)において、基板1
として石英を用い、十分洗浄した後にスパッタ法により
厚さ300[nm]のTaによる高電位側電極4の一部
となる膜を堆積する。その後、フォトリソグラフィー技
術によって、パターニングしレジストパターンを作成し
ドライエッチングして所望の形状の高電位側電極4の一
部を作成する。
【0328】(工程2)図20(b)において、フォト
リソグラフィー技術によって、パターニングし、レシ゛ス
トパターンを作成し、層間絶縁層91としてSiO2
100[nm]堆積させた。
【0329】(工程3)図20(c)において、フォト
リソグラフィー技術によって、パターニングし、レジス
トパターンを作成し、Taからなる低電位側電極2を1
00nmの厚さ、積層させた。
【0330】(工程4)図20(d)において、フォト
リソグラフィー技術によって、パターニングしてレジス
トパターンを作成し、絶縁層3としてSiO2を300
[nm]堆積させた。
【0331】(工程5)図20(e)において、フォト
リソグラフィー技術によって、パターニングし、レジス
トパターンを作成し、絶縁層3の一部をドライエッチン
グによって取り除いた。
【0332】(工程6)図20(f)において、ホール
を開け、さらに作製予定の高電位側電極4の下層部との
つながりができるようにTaを前記ホール部分に積層し
た。
【0333】(工程7)図20(g)において、フォト
リソグラフィー技術によって、パターニングし、レジス
トパターンを作成し、ホール部分が埋まるように高電位
側電極4を100[nm]積層した。
【0334】(工程8)図20(h)において、フォト
リソグラフィー技術によって、パターニングして厚さ4
nmのPt−Pd膜5を堆積させ、その後フォトレジス
トを剥離した。
【0335】(工程9)この後、実施例1と同様にフォ
ーミング工程、活性化工程によって、Pt−Pd導電性
膜5の一部に間隙6を形成した。
【0336】本実施例の素子を、実施例1と同様に図2
に示したように高電圧電源9を用いて素子からH=2m
m離れた陽極10に高電圧Va=10kVを印加し、素
子には駆動電圧Vf=15Vからなるパルス電圧を印加
して流れる素子電流Ifと電子放出電流Ieを計測し
た。また、陽極10に蛍光体を使用しビーム径を測定し
た。
【0337】ビーム形状に関しては、電子放出素子の丁
度真上に輝度パターンが、形成され、その中心と電子放
出素子の中心はほぼ一致している。また、本実施例の場
合、輝度パターンはほぼ円形をしている。
【0338】図26(a)に、本実施例の電子放出素子
を構成する、実質的に正方形の高電位側電極4の一辺の
幅WをXsで規格化したものを横軸にとり、効率とビー
ム径を縦軸にしたグラフを示した。このグラフより、W
がXsの15倍以下になるようにすると集束する効果が
有ることが判る。
【0339】表2に図50で示した従来例で示した電子
放出素子のビーム径と本実施例の素子の高電位側電極の
幅W(本実施例では、正方形の1辺の長さとした)が1
[μm],2[μm],6[μm]の場合のビーム径を
示した。この表よりWが小さいほどビーム径が小さくな
っていることが判る。つまり、高精細になっている。
【0340】
【表2】 他方、高電位側電極幅Wが小さくなると効率が極端に小
さくなり、電子が陽極(アノード電極)に到達しない場
合が出てくる。そのため、Wの大きさはXsの2分の1
より大きいことが望まれる。
【0341】また、一般的に本実施例のように高電位側
電極4が低電位側電極2より陽極10側に存在すると従
来例よりも効率が2倍から10倍程度良いことが判る。
【0342】また、図19において、間隙6から、高電
位側電極までの高さh4(=T1)が小さければ小さい
程、電子の陽極10への到達率が増すことが判ってい
る。従って、h4は短くすることが望まれる。
【0343】また、図48のように、絶縁層3を二段構
成にすることに加えて、積層するPt−Pd導電性膜5
の厚さを制御し、間隙6の形成位置を制御することも可
能である。。図48(a)は素子を真上(アノード電極
側)からみた平面図であり、図48(b)は横からみた
断面図である。図48においては、h4をほぼ60nm
程度にし、h3を300[nm]程度になるようにh
3,h4を積層したものと、h4をほぼ200nm程度
にし、h3を300[nm]程度になるようにしたh
5,h6を積層したものとを比較した結果、効率が、前
者の方が後者の5倍程度の差を持っていた。
【0344】よって、h4<h3/2であることが望ま
れる。
【0345】また、本実施例において、図48におい
て、h5に相当する絶縁層の部分を変化させ、薄くした
際、Pt−Pd導電性膜5を積層しない段階において、
図2の真空装置内に入れ、電圧Vf,Vaを印加したと
ころ、IeとIfが流れ、輝度パターンが前述の素子と
同様に小さなものとなった。このように、本発明は、電
子放出素子の製造方法の詳細に因らずに成り立つもので
ある。
【0346】[実施例13]本発明の第3実施形態の他
の実施例を示す図を図22に、その製造方法を図23に
示す。
【0347】本実施例は、高電位側電極4、絶縁層3、
低電位側電極2の順で積層され、2次元図形の凹構造と
なっているものである。
【0348】図22(a)は素子を真上からみた平面図
であり、図22(b)は横から素子中央部をみた断面図
である。
【0349】本実施例では、上部から眺めた電位は実施
例12と同様で、断面形状では、高電位側電極4の位置
が低電位側電極2より低くなっている。本実施例ではそ
の高低差h1を200[nm]とした。
【0350】図23は、本実施例の電子放出素子の製造
方法を示している。
【0351】(工程1)図23(a)において、基板1
として石英を用い、十分洗浄した後にスパッタ法により
厚さ300[nm]のTaによる高電位側電極4となる
薄膜を堆積する。その後、フォトリソグラフィー技術に
よって、パターニングしレジストパターンを作成しドラ
イエッチングして所望の形状の高電位側電極4を作成す
る。
【0352】(工程2)図23(b)において、フォト
リソグラフィー技術によって、パターニングしレジスト
パターンを作成し、絶縁層3としてSiO2を100
[nm]堆積させた。
【0353】(工程3)図23(c)において、フォト
リソグラフィー技術によって、パターニングしレジスト
パターンを作成し、低電位側電極2として、Taを10
0nmの厚さ、積層させた。
【0354】(工程4)図23(d)において、フォト
リソグラフィー技術によって、パターニングした厚さ4
nmのPt−Pd導電性膜5を堆積させ、その後フォト
レジストを剥離した。
【0355】(工程5)この後、実施例12と同様にフ
ォーミング工程、活性化工程を行い、Pt−Pd導電性
膜5の一部に間隙6を形成した。
【0356】このような構成では、2次元の図形にして
も、低電位側電極2の電極取り出しが簡易にできるため
に、実施例12のようなホールによる電極取り出しは必
要なく、プロセスが簡単になった。
【0357】また、ビーム径に関しては、表3に示し
た。
【0358】
【表3】 図26(c)に、電子放出素子を構成する高電位側電極
4の正方形の一辺の幅WをこのXsで規格化したものを
横軸にとり、ビーム径を縦軸にしたグラフを示した。こ
のグラフより、Wがxsの15倍以下になるようにする
と集束する効果が有ることが判る。他方、高電位側電極
幅Wが小さくなると効率が極端に小さくなり、電子が陽
極に到達しない場合が出てくることとなる。そのための
大きさはxsの2分の1より大きいことが望まれる。一
方、効率は、実施例12でしめした凸構造と同様の変化
をしているが、実施例12で示した凸構造に比べて、そ
の相対値が全体的に小さくなっていることがわかる。
【0359】[実施例14]図24に本発明の示す第3
実施形態の別の実施例を実施例14として示す。
【0360】図24(a)が素子を真上から見たもの
で、図24(b)が横からみた素子中央部の断面図であ
る。
【0361】本実施例では、上部から眺めた電位は実施
例12と同様で、断面形状では、高電位側電極4の位置
低電位側電極2とほぼ同じである平面型の構造となって
いる。
【0362】高電位側電極と低電位電位電極のほぼ中央
部が、高電位側電極の幅W=1[μm],2[μm],
6[μm]となるように、作製する電極サイズとその間
隔を設計した。
【0363】図25は、本実施例の素子の製造方法の図
である (工程1)図25(a)において、基板1として石英を
用い、十分洗浄した後にスパッタ法により厚さ300
[nm]のTaによる高電位側電極4の一部を堆積す
る。その後、フォトリソグラフィー技術によって、パタ
ーニングしレジストパターンを作成しドライエッチング
して所望の形状の高電位側電極4を作成する。
【0364】(工程2)図25(b)において、フォト
リソグラフィー技術によって、パターニングしレジスト
パターンを作成し、Taを200[nm]堆積させ、高
電位側電極4の上層部を作成する。
【0365】(工程3)図25(c)において、フォト
リソグラフィー技術によって、パターニングしレジスト
パターンを作成し、絶縁層3としてSiO2を200
[nm]堆積させた。
【0366】(工程4)図25(d)において、フォト
リソグラフィー技術によって、パターニングしレジスト
パターンを作成し、低電位側電極2を積層させた。
【0367】(工程5)図25(e)において、フォト
リソグラフィー技術によって、パターニングして厚さ4
nmのPt−Pd導電性膜5を堆積させ、その後フォト
レジストを剥離した。
【0368】(工程6)この後、の実施例12と同様に
フォーミング工程、活性化工程によって、Pt−Pd導
電性膜5の一部に間隙を形成し、電子が放出されるよう
にした。
【0369】次に、実施例12と同様に駆動して素子の
特性を測定し、ビーム径に関して、表4に示すような結
果が得られた。
【0370】
【表4】 図26(b)に、本実施例の電子放出素子を構成する高
電位側電極4の正方形の一辺の幅WをこのXsで規格化
したものを横軸にとり、ビーム径を縦軸にしたグラフを
示した。このグラフより、WがXsの15倍以下になる
ようにすると集光する効果が有為であることが判る他
方、高電位側電極幅Wが小さくなると効率が極端に小さ
くなり、電子が陽極に到達しない場合が出てくることと
なる。そのための大きさはXsの2分の1より大きいこ
とが望まれる。一方、効率は、実施例12で示した凸構
造と同様の変化をしているが、実施例12で示した凸構
造に比べて、その相対値が全体的に小さくなっているこ
とがわかる。
【0371】[実施例15]次に本実施例で作成した素
子を図27に示す。
【0372】本実施例では、図27(a),図27
(b)に示すように十字形状の素子を作成した。断面形
状は図24に対応する実施例14と同じであり、作製方
法は図25に対応する。十字のサイズは、図27(a)
の形状における間隙6の位置を基準とし、十字の最小外
接円の大きさをWとし、十字の辺の長さは、どれも同じ
であるような形状とした。Wは6μmとした。
【0373】図27(a)では、実施例14に比べて、
放出部が長くなった分だけ、電子放出量が増え放出電流
Ieが増加した。
【0374】図27(b)では、放出部を、十字型の中
央部に限定することで、実施例14および、(a)に比
べて、効率を落とすことなく、ビーム径が若干小さくな
った。
【0375】また、導電性薄膜5は、インクジェット噴
射装置を用いても形成することができる。
【0376】[実施例16]図46に本発明の第3実施
形態の別の実施例として第16実施例の図を示し、図4
7にその製造方法を示す。図46(a)は平面図、図4
6(b)は、図46(a)のM−M断面図、図46(c)
は図46(a)のN−N断面図である。
【0377】本実施例は、実施例15で示した図27
(b)に示す電子放出素子とほぼ同様の効果を示す。
【0378】以下、図47に基づいて、本実施例の製造
方法を説明する。
【0379】(工程1)基板1に、石英を用い、洗浄後
にスパッタ法により厚さ300nmのAlからなる低電
位側電極2を堆積した。さらに、厚さ50nmのSiO
2からなる絶縁層3と厚さ20nmのTaからなる高電
位側電極4を堆積した(図47(a))。
【0380】(工程2)フォトリソグラフィ法で、図4
6(a)の十字の形状にレジストパターンを作製して、
それをマスクとして、高電位側電極4と絶縁層3をドラ
イエッチ法で除去して十字形とした(図47(b))。
十字の幅(W1)は、2μmとした。
【0381】(工程3)さらに、十字の中心部分にフォ
トリソグラフィー法で6μm角の開口を作製し、厚さ4
nmのPt−Pd膜を堆積させたのち、マスクを取り除
いた。
【0382】さらに、低電位側電極2と高電位側電極4
の間に図12(b)で示すような、波高値15Vまでの
のパルス電圧(On時間:1msec,Off時間:9ms
ec)を印加し、間隙を形成した(フォーミング工程)。
【0383】さらに、実施例1と同様に活性化工程を行
い、間隙6を形成した(図47(c))。
【0384】本素子を、低電位側電極を0V、高電位側
電極を15Vとし、Vf=15Vで駆動し、素子からH
=2mm離れた陽極(アノード電極)にVa=10kV
を印加した。
【0385】本実施例では、W1=3μmであるから、
Wmin=3.6μm、6μm角に放出部が限定されてい
るから、Wmax=8.49μmとなっている。
【0386】そして、実施例12の正方形でW=6μm
の場合に比較して、わずかに小さいビーム径が観察され
た。
【0387】また、効率については、実施例12の凸型
構造と同様に実施例15で示した平面型に比べて、効率
が高くなった。
【0388】本実施例では、これまでの第3実施形態の
他の実施例と比較して、高電位側電極4が低電位側電極
2に完全にはとり囲まれてはおらず、十字形の高電位側
電極4の四方に突出する腕部が低電位側電極2を分割し
て外部に連結する延設部を形成している。しかしなが
ら、本実施例でビーム収束の効果を有するのは、取り囲
んだ低電位側電極2が十分広く、また、ビーム収束に効
果が小さく効率が低くビーム径に寄与しない図27
(a)のR2に相当する領域には本実施例に係る素子が
電子放出部を有しないので、本実施例での間隙6の存在
する領域が受ける電位が、図27(b)に示される実施
例とほぼ同等とみなされるためである。
【0389】間隙6の存在する領域の幅が本発明の適用
範囲を越えたり、十字部の幅W1が間隙6の存在する領
域以外で幅広くなり、低電位側電極2の面積が小さくな
ったりすれば、同様の十字形状でも、本発明において重
要なビームの収束の効果はなくなる。
【0390】本実施例では、X方向、Y方向の2次元方
向のビーム収束効果を得られながら、高電位側電極が2
次元にが取り囲まれていないために、高電位側電極の印
加が行いやすく、したがって、実施例12のような高電
位側電極4への電圧印加に必要な多段な作製プロセスが
簡略化できるという利点がある。
【0391】本実施例では、十字のいずれの方向にも高
電位側電極が引き続いた例を示したが、電極の取り出し
は、いずれか4方向のうちの少なくとも1方向だけでも
よい、即ち、低電位側電極2を分割する延設部が少なく
とも1つであってもよい。
【0392】さらに、このような形状の素子においても
高電位側電極4の形状はどのようなものでもよいことは
明らかである。
【0393】[実施例17]本発明の電子放出素子を複
数配して得られる電子源を用いた画像形成装置につい
て、図30を用いて説明する。
【0394】なお、本実施例においては、図34で示し
た実施例1の電子放出素子においてW=2μmとしたも
のを用いた。
【0395】図30において、151は電子源基体、1
52はX方向配線、153はY方向配線である。154
は本発明の本発明の電子放出素子、155は結線であ
る。
【0396】図30に示すマトリクス配線においては、
複数配置したことに伴い素子の容量が増大するため、パ
ルス幅変調に伴う短いパルスを加えても、容量成分によ
り波形がなまり、期待した階調が取れないなどの問題が
生じる。このため本実施例では実施例1に示したように
1素子内で効率、ビーム径などの電子放出特性に大きな
変化が起こらないことを考慮して、電子放出部の放出部
から離れた脇に、図34の91に示す層間絶縁層(配線
間絶縁部材)を配し、電子放出部以外での容量成分の増
加を低減する構造を採用した。
【0397】図30においてm本のX方向配線152は
DX1,DX2,…DXmからなり、スパッタ法より形
成された厚さ0.3μm、幅300μmのTaで構成さ
れている。本実施例では、X方向配線は、低電位側電極
を兼ねている。配線の材料、膜厚、幅は、その他適宜設
計することが可能である。Y方向配線153は厚さ0.
05μm、幅200μmのTaより形成されたDY1,
DY2,…DYmのn本の配線よりなる。本実施例で
は、Y方向配線は、高電位側電極を兼ねている。。これ
らm本のX方向配線152とn本のY方向配線153と
の間には、層間絶縁層91と絶縁層3が積層されてが設
けられており、両者を電気的に分離している(m,n
は、共に正の整数)。
【0398】層間絶縁層91は、スパッタ法等を用いて
厚さ約0.5μmのSiO2と0.05μmのSiO2
構成された。X方向配線152を形成した基体151の
全面或いは一部に所望の形状で形成され、特に、X方向
配線152とY方向配線153の交差部の電位差に耐え
得るように、本実施例では1素子当たりの素子容量が1
pF以下、素子耐厚30Vになるように層間絶縁層の厚
さが決められた。X方向配線152とY方向配線153
は、それぞれ外部端子として引き出されている。
【0399】本発明の放出素子154を構成するの低電
位側電極および高電位側電極は、それぞれm本のX方向
配線152とn本のY方向配線153と導電性金属等か
らなる結線155によって電気的に接続されている。
【0400】X方向配線152には、X方向に配列した
本発明の電子放出素子154の行を、選択するための走
査信号を印加する不図示の走査信号印加手段が接続され
る。一方、Y方向配線153には、Y方向に配列した本
発明の電子放出素子154の各列を入力信号に応じて、
変調するための不図示の変調信号発生手段が接続され
る。各電子放出素子に印加される駆動電圧は、当該素子
に印加される走査信号と変調信号の差電圧として供給さ
れる。本発明においてはY方向配線は高電位、X方向配
線は低電位になるように接続された。したがって、ここ
では、Y方向配線が高電位供給用配線に相当し、X方向
配線が低電位供給配線に相当する。このように接続する
ことで、本発明の特徴である、ビームの収束効果が得ら
れた。
【0401】上記構成においては、単純なマトリクス配
線を用いて、個別の素子を選択し、独立に駆動可能とす
ることができる。
【0402】このような単純マトリクス配置の電子源を
用いて構成した画像形成装置について、図31を用いて
説明する。図31は、ガラス基板材料としてソーダライ
ムガラスを用いた画像形成装置の表示パルスを示す図で
ある。
【0403】図31において、151は電子放出素子を
複数配した前記電子源基体、161は電子源基体151
を固定したリアプレート、166はガラス基体163の
内面に蛍光膜(画像形成部材に相当する)164とメタ
ルパック165等が形成されたフェースプレートであ
る。162は、支持枠であり該支持枠162には、リア
プレート161、フェースプレート166がフリットガ
ラス等を用いて接続されている。167は気密容器であ
り、真空中で、450度の温度範囲で10分焼成するこ
とで、封着して構成される。
【0404】154は、図34における電子放出素子に
相当する。152,153は、本発明の電子放出素子の
一対の素子電極と接続されたX方向配線及びY方向配線
である。
【0405】気密容器167は、上述の如く、フェース
ープレート166、支持枠162、リアプレート161
で構成され、フェースープレート166とリアプレート
161の間にスペーサーとよばれる不図示の支持体を設
置することにより、大気圧に対して十分な強度が確保さ
れている。
【0406】図32は、本発明のパネルに使用した蛍光
膜を示す模式図である。
【0407】カラーの蛍光膜の場合は、蛍光体の配列に
より図32(a)に示すブラックストライブあるいは図
32(b)に示すブラックマトリクスなどと呼ばれる黒
色導電材171と蛍光体172とから構成されるう。
【0408】ブラックストライブの材料としては、本実
施例では通常用いられている黒鉛を主成分とする材料を
用いた。
【0409】図31において蛍光膜164の内面側に
は、通常メタルバック165が設けられた。
【0410】メタルバックは、蛍光膜作製後、蛍光膜の
内面側表面の平滑化処理(通常、「フィルミング」と呼
ばれる。)を行い、その後Alを真空蒸着等を用いて堆
積させることで作られた。
【0411】フェースプレート166には、更に蛍光膜
164の導電性を高めるため、蛍光膜164の外面側に
透明電極(不図示)を設けた。
【0412】前述の封着を行う際には、カラーの場合は
各蛍光体と電子放出素子とを対応させる必要があり、十
分な位置合わせが不可欠となる。
【0413】本実施例では電子源の真上に対応する蛍光
体が配置された。
【0414】次に、このようにして構成した表示パネル
167に、NTSC方式のテレビ信号に基づいたテレビ
ジョン表示を行う為の駆動回路の構成例について、図3
3を用いて説明する。図33において、181は画像表
示パネル(前記気密容器167に相当する)、182は
走査回路、183は制御回路、184はシフトレジスタ
である。185はラインメモリ、186は同期信号分離
回路、187は変調信号発生器、VxおよびVaは直流
電圧源である。
【0415】走査回路182について説明する。同回路
は、内部にM個のスイッチング素子を備えたもので(図
中、S1ないしSmで模式的に示している)ある。各ス
イッチング素子は、直流電圧源Vxの出力電圧もしくは
0[V](グランドレベル)のいずれか一方を選択し、
表示パネル181の端子Dx1ないしDxmと電気的に
接続される。S1乃至Smの各スイッチング素子は、制
御回路183が出力する制御信号Tscanに基づいて
動作するものであり、例えばFETのようなスイッチン
グ素子を組み合わせることにより構成することができ
る。
【0416】直流電圧源Vxは、本例の場合には本発明
の電子放出素子の特性(電子放出しきい値電圧)に基づ
き走査されていない素子に印加される駆動電圧が電子放
出しきい値電圧以下となるような一定電圧を出力するよ
う設定されている。
【0417】制御回路183は、外部より入力する画像
信号に基づいて適切な表示が行なわれるように各部の動
作を整合させる機能を有する。制御回路183は、同期
信号分離回路186より送られる同期信号TSYNCに基づ
いて、各部に対してTSCANにおよびTSFTおよびTMRY
各制御信号を発生する。
【0418】同期信号分離回路186は、外部から入力
されるNTSC方式のテレビ信号から同期信号成分と輝
度信号成分とを分離する為の回路で、一般的な周波数分
離(フィルター)回路等を用いて構成できる。同期信号
分離回路186により分離された同期信号は、垂直同期
信号と水平同期信号より成るが、ここでは説明の便宜上
SYNC信号として図示した。前記テレビ信号から分離さ
れた画像の輝度信号成分は便宜上DATA信号と表し
た。該DATA信号はシフトレジスタ184に入力され
る。
【0419】シフトレジスタ184は、時系列的にシリ
アルに入力される前記DATA信号を、画像の1ライン
毎にシリアル/パラレル変換するためのもので、前記制
御回路183より送られる制御信号TSFTに基づいて動
作する(即ち、制御信号TSFTは、シフトレジスタ18
4のシフトクロックであるということもできる。)。シ
リアル/パラレル変換された画像1ライン分(電子放出
素子N素子分の駆動データに相当)のデータは、Id1
乃至IdnのN個の並列信号として前記シフトレジスタ
184より出力される。
【0420】ラインメモリ185は、画像1ライン分の
データを必要時間の間だけ記憶する為の記憶装置であ
り、制御回路113より送られる制御信号TMRYに従っ
て適宜Id1乃至Idnの内容を記憶する。記憶された
内容は、I′d1乃至I′dnとして出力され、変調信
号発生器187に入力される。
【0421】変調信号発生器187は、画像データI′
d1乃至I′dnの各々に応じて本発明の電子放出素子
の各々を適切に駆動変調する為の信号源であり、その出
力信号は、端子Doy1乃至Doynを通じて表示パネ
ル181内の本発明の電子放出素子に印加される。
【0422】前述したように、本発明を適用可能な電子
放出素子は放出電流Ieに対して以下の基本特性を有し
ている。即ち、電子放出には明確なしきい値電圧Vth
があり、Vth以上の電圧を印加された時のみ電子放出
が生じる。電子放出しきい値以上の電圧に対しては、素
子への印加電圧の変化に応じて放出電流も変化する。こ
のことから、本素子にパネル状の電圧を印加する場合、
例えば電子放出閾値以下の電圧を印加しても電子放出は
生じないが、電子放出閾値以上の電圧を印加する場合に
は電子ビームが出力される。その際、パルスの波高値V
mを変化させる事により出力電子ビームの強度を制御す
ることが可能である。また、パルスの幅Pwを変化させ
ることにより出力される電子ビームの電荷の総量を制御
する事が可能である。
【0423】従って、入力信号に応じて、電子放出素子
を変調する方式としては、電圧変調方式、パルス幅変調
方式等が採用できる。電圧変調方式を実施するに際して
は、変調信号発生器187として、一定長さの電圧パル
スを発生し、入力されるデータに応じて適宜パルスの波
高値を変調するような電圧変調方式の回路を用いること
ができる。
【0424】パルス幅変調方式を実施するに際しては、
変調信号発生器187として、一定の波高値の電圧パル
スを発生し、入力されるデータに応じて適宜電圧パルス
の幅を変調するようなパルス幅変調方式の回路を用いる
ことができる。
【0425】シフトレジスタ184やラインメモリ18
5は、デジタル信号式を用いた。
【0426】本実施例では、変調信号発生器187に
は、例えばD/A変換回路を用い、必要に応じて増幅回
路などを付加する。パネル幅変調方式の場合、変調信号
発生器187には、例えば高速の発振器および発振器の
出力する波数を計数する計数器(カウンタ)及び計数器
の出力値と前記メモリの出力値を比較する比較器(コン
パレータ)を組み合わせた回路を用いた。
【0427】ここで述べた画像形成装置の構成は、本発
明を適用可能な画像形成装置の一例であり、本発明の技
術思想に基づいて種々の変形が可能である。入力信号に
ついては、NTSC方式を挙げたが入力信号はこれに限
られるものではなく、PAL,SECAM方式など他、
これよりも、多数の走査線からなるTV信号(例えば、
MUSE方式をはじめとする高品位TV)方式をも採用
できる。
【0428】[実施例18]実施例5の素子を用いて画
像形成装置を作製した例について示す。この場合の電子
放出素子は、図39(a)及びそのK−K断面図である
図39(b)に示すように、電子放出に関係する高電位
側電極4以外の領域の絶縁層を具体的には、素子から離
れて、素子の両脇に層間絶縁層91を1μmと厚く設計
し寄生容量を低減し、マトリクス駆動中に発生する信号
遅延を防止した。
【0429】実施例5の素子をマトリクス状に配置し
た。配線は、実施例16ようにX方向配線を高電位側電
極にY方向配線を低電位側電極に接続した。素子は、横
150μm、縦300μmのピッチで配置した。素子上
部には3mmに距離を隔てた位置に実施例17とは異な
り、素子の真上ではなく、電子軌道のX方向のずれを考
慮して蛍光体をアライメントして配置した。蛍光体には
8kVの電圧を印加した。この結果、実施例17と同様
に容量成分の低減効果によるマトリクス駆動が可能で高
精細な画像形成装置が形成できた。
【0430】[実施例19]本発明を適用可能な電子放
出素子を複数配した電子源を用いた画像形成装置につい
て、別の実施例の画像形成装置について説明する。
【0431】本実施例では、図19に示す実施例12の
電子放出素子でW=2μmの素子を用いた。
【0432】図49において、151は電子源基体、1
52はX方向配線、153はY方向配線である。154
は本発明の電子放出素子、155は結線である。
【0433】Y方向配線153は厚さ0.3μm、幅約
150μm、DY1,DY2…DYnのn本の配線より
なり高電位側電極4と兼ねるように基板のすぐ上に積層
されて形成される。
【0434】m本のX方向配線152はDX1,DX
2,…DXmからなり、蒸着法にて形成された厚さ約
0.1幅約150μmのTaで素子の低電位側電極2と
兼ねるように凸構造の凸部を除いた領域に構成されてい
る。
【0435】これらm本のX方向配線152とn本のY
方向配線153との間には厚さ0.1μmのSiO2
間絶縁層91が設けられており、両者を電気的に分離し
ている(m,nは、共に正の整数)。層間絶縁層91
は、スパッタ法等を用いて形成されたSiO2で構成さ
れる。
【0436】本実施例では、上述した電子源を図31で
示す画像形成装置に実施例17と同様に配置している。
【0437】そのために、基板として、ガラス材料とし
てソーダライムガラスを用いたここで、本実施例におけ
る電子放出素子の電子ビームの蛍光膜での到達位置は、
素子の位置をz方向に蛍光膜に射影した位置(素子の真
上)を中心としてほぼ円形の輝度パターンを形成するの
で、本実施例においても実施例17と同様に各画素に相
当する蛍光体は素子の真上に位置するように設計されて
いる。
【0438】この結果、実施例17と同様にマトリクス
駆動が可能で高精細な画像形成装置が形成できた。
【0439】また、本実施例では、X方向とY方向で同
じサイズの画素サイズとすることができていて、Y方向
に対しての、高精細化がはかられている。
【0440】
【発明の効果】以上説明した様に、本発明による電子放
出素子を用いると、ビーム径の小さい電子源が実現でき
る。
【0441】さらに、本発明の電子放出素子では、ビー
ム径が小さく、かつ、高効率な電子源も実現できる。
【0442】また、画像形成装置においては、前記電子
源より構成され、入力信号に基づいて画像を形成するた
め、より高精細な画像形成装置例えば、カラーフラット
テレビが実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本発明による第1実施形態の基本的な電
子放出素子の一例を示す図である。
【図2】図2は本発明による第1実施形態の素子および
陽極を含めた断面図及び構成図である。
【図3】図3(a)は本発明による電子放出素子を構成
したときの素子断面に構成される等電位面であり、図3
(b)は同電子放出素子から放出された電子の軌道を示
す図である。
【図4】図4は本発明による基本的な電子放出素子およ
びそのビーム径の関係を示す図である。
【図5】図5は高電位側電極幅Wとビーム径の関係を示
す図である。
【図6】図6は図1における電子放出部を拡大した断面
図である
【図7】図7は高電位側電極幅Wと効率及びビーム径の
関係を示す図である。
【図8】図8は本発明による第1実施形態の電子放出素
子の他の一例を示す図である。
【図9】図9は本発明による第1実施形態の電子放出素
子の他の一例を示す図である。
【図10】図10は第1実施形態の基本的な電子放出素
子の製造方法の一例を示す図である。
【図11】図11は本発明による電子放出素子の製造装
置、製造プロセスの一例を示す図である。
【図12】図12は活性化工程において電極間に印加さ
れる電圧のパルス波形を示す図である。
【図13】図13は本発明による第2実施形態の基本的
な電子放出素子の一例を示す図である。
【図14】図14は本発明による第2実施形態の製造方
法の一例を示す図である。
【図15】図15は本発明による第2実施形態の基本的
な電子放出素子の高電位側電極幅Wとビーム径及び効率
の関係を示す図である。
【図16】図16は本発明による第2実施形態の電子放
出素子による電位分布を示す図である。
【図17】図17は本発明による第2実施形態の電子放
出素子の他の一例を示す図である。
【図18】図18は本発明による第2実施形態の電子放
出素子の他の一例を示す図である。
【図19】図19は本発明による第3実施形態の基本的
な電子放出素子の一例を示す図である。
【図20】図20は本発明による第3実施形態の製造方
法の一例を示す図である。
【図21】図21は本発明による第3実施形態の電子放
出素子による等電位面及び放出される電子の軌道を示す
図である。
【図22】図22は本発明による第3実施形態の電子放
出素子の他の一例を示す図である。
【図23】図23は本発明による第3実施形態の電子放
出素子の他の一例の製造方法を示す図である。
【図24】図24は本発明による第3実施形態の電子放
出素子の他の一例を示す図である。
【図25】図25は本発明による第3実施形態の電子放
出素子の他の一例の製造方法を示す図である。
【図26】図26は本発明による第3実施形態の基本的
な電子放出素子の高電位側電極幅wとビーム径及び効率
の関係を示す図である。
【図27】図27は本発明による第3実施形態の電子放
出素子の他の一例を示す図である。
【図28】図28は本発明による第3実施形態の素子の
等電位面を示す図である。
【図29】図29は本発明による電子放出素子のVI特
性を示す図である。
【図30】図30は本発明の電子源のマトリクス構成を
示す図である。
【図31】図31は本発明による画像形成装置の表示パ
ネルの概略構成図である。
【図32】図32は蛍光体の実施例を示す図である。
【図33】図33は画像形成装置の駆動回路の概略構成
図である。
【図34】図34は本発明の第1実施例を示す図であ
る。
【図35】図35は本発明の第1実施例の製造方法を示
す図である。
【図36】図36は本発明の第2実施例を示す図であ
る。
【図37】図37は本発明の第3実施例を示す図であ
る。
【図38】図38は本発明の第4実施例を示す図であ
る。
【図39】図39は本発明の第5実施例を示す図であ
る。
【図40】図40は本発明の第6実施例を示す図であ
る。
【図41】図41は本発明の第8実施例を示す図であ
る。
【図42】図42は本発明の第9実施例を示す図であ
る。
【図43】図43は本発明の第9実施例の製造方法を示
す図である。
【図44】図44は本発明の第10実施例を示す図であ
る。
【図45】図45は本発明の第10実施例の製造方法を
示す図である。
【図46】図46は本発明の第13実施例を示す図であ
る。
【図47】図47は本発明の第13実施例の製造方法を
示す図である。
【図48】図48は本発明の第15実施例を示す図であ
る。
【図49】図49は本発明の第19実施例の電子源の配
線図である。
【図50】図50は従来の平面型の表面伝導型電子放出
素子を示す図である。
【図51】図51は従来の平面型の表面伝導型電子放出
素子の等電位面を示す図である。
【図52】図52は従来の垂直型の表面伝導型電子放出
素子を示す図である。
【図53】図53は電子放出素子を用いた画像形成装置
の断面模式図である。
【符号の説明】
1 基板 2 低電位側電極 3 絶縁層 4 高電位側電極 5 導電性膜 6 間隙 7 電極に接続された導電性膜材 8 素子の低電位側電極と高電位側電極に電圧を印加す
る電源 9 陽極に電圧を印加する電源 10 陽極 31 低電位側電極から高電位側電極へトンネリングし
た電子 32 高電位側電極上で散乱する電子の軌道 91 層間絶縁層

Claims (38)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】対向する第1の主面と第2の主面とを有す
    る基板と、互いに間隔を置いて、前記第1の主面上に配
    置された、第1の電位が印加される第1電極と第2の電
    位が印加される第2電極とを有する電子放出素子と、 前記第1の主面に対向し、前記第1の主面から距離Hを
    置いて配置されたアノード電極と、 前記第1の電位に対してVfだけ高い第2の電位を、前記
    第2電極に印加する第1電圧印加手段と、 前記第1の電位に対して前記Vfよりも大きいVaだけ高い
    電位を、前記アノード電極に印加する第2電圧印加手段
    と、を備えた電子放出装置であって、 前記アノード電極と前記電子放出素子との間の空間は減
    圧状態に維持されており、 前記第1の主面に対して実質的に垂直な平面において、
    Xs=H*Vf/(π*Va)とした時に、前記第1の主面に
    実質的に平行な方向における、前記第2の電極の幅W
    が、前記Xsの0.5倍以上15倍以下であることを特徴
    とする電子放出装置。
  2. 【請求項2】 前記Wで規定される前記第2の電極の両
    端部よりも外側に、前記第1の電極が配置されているこ
    とを特徴とする請求項1に記載の電子放出装置。
  3. 【請求項3】 前記第1の電極と第2の電極間に、導電
    性膜が配置されており、該導電性膜はその一部に間隙を
    有することを特徴とする請求項2に記載の電子放出装
    置。
  4. 【請求項4】 前記第1の電極と第2の電極間に、第1
    の導電性膜と、第2の導電性膜とが配置されており、前
    記第1の導電性膜は前記第1の電極と接続しており、前
    記第2の導電性膜は前記第2の電極と接続しており、前
    記第1の導電性膜と第2の導電性膜とが間隙をおいて対
    向して配置されてなることを特徴とする請求項2に記載
    の電子放出装置。
  5. 【請求項5】 前記第2の電極が、前記第1の電極より
    も、前記アノード電極に近く配置されることを特徴とす
    る請求項2、3,4のいずれかに記載の電子放出装置。
  6. 【請求項6】 前記第2の電極が、前記第1の電極上
    に、絶縁層を介して積層されてなることを特徴とする請
    求項5に記載の電子放出装置。
  7. 【請求項7】 前記第1の電極が、前記第2の電極より
    も、前記アノード電極に近く配置されることを特徴とす
    る請求項2、3,4のいずれかに記載の電子放出装置。
  8. 【請求項8】 前記第1の電極が、前記第2の電極上
    に、絶縁層を介して積層されてなることを特徴とする請
    求項7に記載の電子放出装置。
  9. 【請求項9】 前記第1の電極および前記絶縁層が開口
    部を有しており、前記第2の電極が、前記開口部におい
    て露出していることを特徴とする請求項8に記載の電子
    放出装置。
  10. 【請求項10】 前記第1の電極は、一対の電極からな
    り、前記第1の電極のそれぞれは、前記第2の電極が露
    出するように、絶縁層を介して前記第2の電極上に、互
    いに離れて配置されてなることを特徴とする請求項8に
    記載の電子放出装置。
  11. 【請求項11】 前記第2の電極と、前記第1の電極と
    が、前記第1の主面と実質的に平行な平面内に配置され
    ることを特徴とする請求項2、3,4のいずれかに記載
    の電子放出装置。
  12. 【請求項12】 前記第1の電極は、一対の電極からな
    り、前記第1の電極間に、前記第2の電極が配置されて
    なることを特徴とする請求項11に記載の電子放出装
    置。
  13. 【請求項13】 前記第1の主面と実質的に平行な面に
    おける、前記第2の電極の外周に、外接する円のうち、
    最小の円の直径Wmaxが、前記Xsの15倍以下であること
    を特徴とする請求項2、3,4のいずれかに記載の電子
    放出装置。
  14. 【請求項14】 前記Wmaxが、前記Xsの0.5倍以上で
    あることを特徴とする請求項13に記載の電子放出装
    置。
  15. 【請求項15】 前記第1の主面と実質的に平行な面に
    おける、前記第2の電極の外周に、内接する円のうち、
    最大の円の直径Wminが、前記Xsの0.5倍以上であるこ
    とを特徴とする請求項2、3,4のいずれかに記載の電
    子放出装置。
  16. 【請求項16】 前記Wminが、前記Xsの15倍以下であ
    ることを特徴とする請求項15に記載の電子放出装置。
  17. 【請求項17】 前記第1の主面と実質的に平行な面に
    おける、前記第2の電極の外周に内接する円のうち、最
    大の円の直径Wmin、および、前記第1の主面と実質的に
    平行な面における、前記第2の電極に外周に外接する円
    のうち、最小の円の直径Wmaxが、前記Xsの0.5倍以上
    15倍以下であることを特徴とする請求項2、3,4の
    いずれかに記載の電子放出装置。
  18. 【請求項18】 前記第1の主面上に、前記電子放出素
    子が複数配置されたことを特徴とする請求項2、3,4
    のいずれかに記載の電子放出装置。
  19. 【請求項19】 対向する第1の主面と第2の主面とを
    有する第1の基板と、 互いに間隔を置いて、前記第1の主面上に配置された、
    第1の電位が印加される第1の電極と第2の電位が印加
    される第2の電極とを有する電子放出素子と、 前記第1の主面に対向し、前記第1の主面から距離Hを
    置いて配置されたアノード電極と、画像形成部材とを有
    する第2の基板と、 前記第1の電位に対してVfだけ高い第2の電位Vfを、前
    記第2の電極に印加する第1電圧印加手段と、 前記第1の電位に対して前記Vfよりも大きいVaだけ高い
    電位を、前記アノード電極に印加する第2電圧印加手段
    と、 を備えた画像形成装置であって、 前記アノード電極と前記電子放出素子との間の空間は減
    圧状態に維持されており、 前記第1の主面に対して実質的に垂直な平面において、
    Xs=H*Vf/(π*Va)とした時に、前記第1の主面に
    実質的に平行な方向における、前記第2の電極の幅W
    が、前記Xsの0.5倍以上15倍以下であることを特徴
    とする画像形成装置。
  20. 【請求項20】 前記Wで規定される前記第2の電極の
    両端部よりも外側に、前記第1の電極が配置されている
    ことを特徴とする請求項19に記載の画像形成装置。
  21. 【請求項21】 前記第1の電極と第2の電極間に、導
    電性膜が配置されており、該導電性膜はその一部に間隙
    を有することを特徴とする請求項20に記載の画像形成
    装置。
  22. 【請求項22】 前記第1の電極と第2の電極間に、第
    1の導電性膜と、第2の導電性膜とが配置されており、
    前記第1の導電性膜は前記第1の電極と接続しており、
    前記第2の導電性膜は前記第2の電極と接続しており、
    前記第1の導電性膜と第2の導電性膜とが間隙をおいて
    対向して配置されてなることを特徴とする請求項20に
    記載の画像形成装置。
  23. 【請求項23】 前記第2の電極が、前記第1の電極よ
    りも、前記アノード電極に近く配置されることを特徴と
    する請求項20,21,22のいずれかに記載の画像形
    成装置。
  24. 【請求項24】 前記第2の電極が、前記第1の電極上
    に、絶縁層を介して積層されてなることを特徴とする請
    求項23に記載の画像形成装置。
  25. 【請求項25】 前記第1の電極が、前記第2の電極よ
    りも、前記アノード電極に近く配置されることを特徴と
    する請求項20,21,22のいずれかに記載の画像形
    成装置。
  26. 【請求項26】 前記第1の電極が、前記第2の電極上
    に、絶縁層を介して積層されてなることを特徴とする請
    求項25に記載の画像形成装置。
  27. 【請求項27】 前記第1の電極および前記絶縁層が開
    口部を有しており、前記第2の電極が、前記開口部にお
    いて露出していることを特徴とする請求項26に記載の
    画像形成装置。
  28. 【請求項28】 前記第1の電極は、一対の電極からな
    り、前記第1の電極のそれぞれは、前記第2の電極が露
    出するように、絶縁層を介して前記第2の電極上に、互
    いに離れて配置されてなることを特徴とする請求項26
    に記載の画像形成装置。
  29. 【請求項29】 前記第2の電極と、前記第1の電極と
    が、前記第1の主面と実質的に平行な平面内に配置され
    ることを特徴とする請求項20,21,22のいずれか
    に記載の画像形成装置。
  30. 【請求項30】 前記第1の電極は、一対の電極からな
    り、前記第1の電極間に、前記第2の電極が配置されて
    なることを特徴とする請求項29に記載の画像形成装
    置。
  31. 【請求項31】 前記第1の主面と実質的に平行な面に
    おける、前記第2の電極の外周に、外接する円のうち、
    最小の円の直径Wmaxが、前記Xsの15倍以下であること
    を特徴とする請求項20,21,22のいずれかに記載
    の画像形成装置。
  32. 【請求項32】 前記Wmaxが、前記Xsの0.5倍以上で
    あることを特徴とする請求項31に記載の画像形成装
    置。
  33. 【請求項33】 前記第1の主面と実質的に平行な面に
    おける、前記第2の電極の外周に、内接する円のうち、
    最大の円の直径Wminが、前記Xsの0.5倍以上であるこ
    とを特徴とする請求項20,21,22のいずれかに記
    載の画像形成装置。
  34. 【請求項34】 前記Wminが、前記Xsの15倍以下であ
    ることを特徴とする請求項33に記載の画像形成装置。
  35. 【請求項35】 前記第1の主面と実質的に平行な面に
    おける、前記第2の電極の外周に内接する円のうち、最
    大の円の直径Wmin、および、前記第1の主面と実質的に
    平行な面における、前記第2の電極に外周に外接する円
    のうち、最小の円の直径Wmaxが、前記Xsの0.5倍以上
    15倍以下であることを特徴とする請求項20,21,
    22のいずれかに記載の画像形成装置。
  36. 【請求項36】 前記第1の主面上に、前記電子放出素
    子が複数配置されたことを特徴とする請求項20,2
    1,22のいずれかに記載の画像形成装置。
  37. 【請求項37】 対向する第1の主面と第2の主面とを
    有する基板と、 互いに間隔を置いて、前記第1の主面上に配置された、
    第1の電位が印加される第1の電極と第2の電位が印加
    される第2の電極とを有する電子放出素子と、 前記第1の主面に対向し、前記第1の主面から距離Hを
    置いて配置されたアノード電極と、 前記第1の電位に対してVfだけ高い第2の電位を、前記
    第2の電極に印加する第1電圧印加手段と、 前記第1の電位に対して前記Vfよりも大きいVaだけ高い
    電位を、前記アノード電極に印加する第2電圧印加手段
    と、 を備えた電子放出装置であって、 前記アノード電極から見た際に、前記第2の電極を、前
    記第1の電極が挟んで配置されており、 Xs=H*Vf/(π*Va)とした時に、前記第1の電極が挟んで
    いる前記第2の電極の幅Wが、前記XSの0.5倍以上1
    5倍以下であることを特徴とする電子放出装置。
  38. 【請求項38】 対向する第1の主面と第2の主面とを
    有する第1の基板と、 互いに間隔を置いて、前記第1の主面上に配置された、
    第1の電位が印加される第1の電極と第2の電位が印加
    される第2の電極とを有する電子放出素子と、 前記第1の主面に対向し、前記第1の主面から距離Hを
    置いて配置されたアノード電極と、画像形成部材とを有
    する第2の基板と、 前記第1の電位に対してVfだけ高い第2の電位を、前記
    第2の電極に印加する第1電圧印加手段と、 前記第1の電位に対して前記Vfよりも大きいVaだけ高い
    電位を、前記アノード電極に印加する第2電圧印加手段
    と、 を備えた画像形成装置であって、 前記アノード電極から見た際に、前記第2の電極を、前
    記第1の電極が挟んで配置されており、 Xs=H*Vf/(π*Va)とした時に、前記第1の電極が挟んで
    いる前記第2の電極の幅Wが、前記XSの0.5倍以上1
    5倍以下であることを特徴とする画像形成装置。
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