JP2903880B2 - 冷陰極電子銃 - Google Patents

冷陰極電子銃

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JP2903880B2 JP18484392A JP18484392A JP2903880B2 JP 2903880 B2 JP2903880 B2 JP 2903880B2 JP 18484392 A JP18484392 A JP 18484392A JP 18484392 A JP18484392 A JP 18484392A JP 2903880 B2 JP2903880 B2 JP 2903880B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は冷陰極電子銃に関し、特
に真空マイクロエレクトロニクス技術を適用した冷陰極
を用いた冷陰極電子銃に関する。
【0002】
【従来の技術】図3は従来の熱陰極を用いたCRT(陰
極線管)用の電子銃の一例の断面図である。
【0003】図3は示すように、熱陰極31は、図には
示されていないヒータによって加熱される。第1の電極
(以下、G1電極と記す)2は熱陰極31に対し負の電
圧が印加されている。第2の電極(以下、G2電極と記
す)3は熱陰極31に対し数100Vの正の電圧が印加
されている。第3の電極(以下、G3電極と記す)4は
熱陰極31に対し数kVの正の電圧が印加されている。
熱陰極31の表面には電子放出材料35が塗布されてお
り、熱陰極31が高温に加熱されると電子放出材料35
から電子が放出され、G1電極2,G2電極3,G3電
極4で作られた電界分布に従って電子ビーム6が形成さ
れる。
【0004】図4は従来の冷陰極を用いたCRT用電子
銃の一例の断面図である。
【0005】図4に示すように、冷陰極1は図3に示す
電子銃の熱陰極31の位置に置かれ、その他の電極すな
わちG1電極2,G2電極3,G3電極4は図3と同じ
位置に置かれ、ほぼ同じ電圧が印加されている。冷陰極
1の表面には、図3の電子放出材料35の代わりに冷陰
極チップ5が取り付けらている。
【0006】図5は図4の冷陰極チップの部分拡大断面
図である。
【0007】図5に示すように、従来の冷陰極チップ5
は、基板7,絶縁膜8,ゲート電極9,エミッタ10で
構成されている。エミッタ10の先端は極めて鋭利に作
られており、このすぐ近くにはこれを取り囲むようにゲ
ート電極9が配置されている。このため、エミッタ10
に対しゲート電極9に数10V以上の電圧を印加する
と、エミッタ10の先端には極めて高い電界が加わり、
冷陰極チップ5の全面から電子が放出される。放出され
た電子の一部すなわち冷陰極チップ5の中央部から放出
された電子はG1電極2,G2電極3,G3電極4で作
られた電界分布に従って電子ビーム6が形成される。他
方、冷陰極チップ5の周辺部から放出された電子は負の
電圧が印加されたG1電極2によって反射されゲート電
極9に達する。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】図3に示す従来の熱陰
極の電子銃においては、熱陰極31を700〜1000
℃に保つため、1〜4Wのヒータ電源と電力が必要であ
る。さらに、熱陰極31周辺の電極等の構造物も熱陰極
31によって加熱され温度が上昇する。この結果、熱陰
極31の加熱時と非加熱時とでは各構造物の寸法が変化
するので、寸法の温度変化の小さい材料を使用したり、
温度変化に伴なう寸法変化を考慮した設計が必要にな
る。さらに、温度によって陰極材料の一部が蒸発し、陰
極放出電流が経時的に減少してゆく現象があり、この現
象によって陰極寿命が決定されるという問題点がある。
【0009】図4及び図5に示す従来の冷陰極の電子銃
においては、電子は冷陰極1の全面にわたって冷陰極チ
ップ5のゲート9に印加した正の電圧によって引き出さ
れるので、周辺部のエミッタ10より放出された電子は
負の電圧が印加されたG1電極2によって反射され、ゲ
ート電極9に達する。この結果、ゲート電極9は加熱さ
れ、ゲート電極9の変形やガス放出による放電等が発生
し、冷陰極1の劣化や破壊が発生するという問題点があ
る。
【0010】本発明の目的は、劣化や破壊がなく、長寿
命の冷陰極電子銃を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明は、導電性と半導
電性とのうちのいずれか一方の基板と、前記基板上に積
層した絶縁層と、該絶縁層の上に積層した金属層と、該
金属層と前記絶縁層の一部分に設けられた穴の中に形成
され先端が尖鋭化した導電性と半導電性とのうちのいず
れか一方の電子放出電極とで形成された微小冷陰極を多
数並べた冷陰極チップと、該冷陰極チップと近接した位
置に配置された中央部に穴の開いた第1の電極と、該第
1の電極と近接した位置に配置された中央部に穴の開い
た第2の電極とを有する冷陰極電子銃において、前記電
子放出電極の先端を前記金属層の表面よりも突き出させ
る。
【0012】
【作用】冷陰極表面付近にエミッタに対して正でしかも
ある程度以上の電位の等電位面が形成された部分のエミ
ッタ先端からのみ電子が放出され、この放出された電子
は、全て電子ビームの成分になるため、冷陰極、特にゲ
ート電極に戻ることはない。このため、ゲート電極の加
熱に伴うゲート電極の変形やガス放出による放電等のた
めの冷陰極の劣化や破壊の発生が防止できる。
【0013】これに加えて、冷陰極は加熱する必要がな
いため、加熱用の電源と電力が不要で、陰極を高温に保
持する必要がないため、熱設計が容易で、特別な材料を
使用する必要がなく、さらに、材料の蒸発がないため、
放出電流の経時劣化の可能性の少ない電子銃を実現でき
る。
【0014】
【実施例】次に、本発明の実施例について図面を参照し
て詳細に説明する。
【0015】図1(a),(b)は本発明の第1の実施
例の断面図及びその冷陰極チップの部分拡大断面図であ
る。図において、1は冷陰極,2はG1電極,3はG2
電極,4はG3電極,5は冷陰極チップ,6は電子ビー
ム,7は基板,8は絶縁層,9はゲート電極,10はエ
ミッタである。
【0016】第1の実施例は、図1(a),(b)に示
すように、冷陰極チップ5の特徴は、エミッタ10の先
端がゲート電極9よりも突き出していることである。エ
ミッタ10の先端がゲート電極9とほぼ同じ面上にある
従来の構造では、エミッタ10から放出される電流量は
ゲート電極9とエミッタ10の間の電圧によって決まる
のに対し、エミッタ10からの放出電流量はゲート電極
9,G1電極2,G2電極3の電位によって決定される
〔インターナショナル・エレクトロンデバイス・ミーテ
ィング(Internaticnal Electro
n Device Meeting)1991テクニカ
ルダイジェスト、213〜215頁〕。
【0017】この電子銃を動作させるには、例えば、冷
陰極1,基板7およびエミッタ10を同電位としてこれ
らを基準としてG1電極2に直流の−40V,G2電極
3に直流の500V,G3電極に直流の7kVを印加
し、ゲート電極9には直流の正あるいは負の電圧を印加
する。電子ビーム6の電流量を制御するためには制御電
圧をG1電極2おるいはゲート電極9に重畳する。
【0018】次に、制御電圧をG1電極2に加える時の
動作を説明する。冷陰極1とG1電極2の間及びG1電
極2とG2電極3の間は極めて狭く作られているので、
G2電極3に印加した電圧はG1電極2の穴を通して冷
陰極チップ5の表面付近に正の電界を作る。G1電極2
が−40Vの時、エミッタ10の先端の電界は1×10
7 V/cm程度であるとする。この時エミッタ10の先
端の電界は電流を放出する閾値のすぐ下にある。G1電
極2の電位を−30Vにすると、冷陰極チップ5の中心
部のエミッタ10の先端がおよそ4×107 V/cmを
超えて、この部分から電流が放出される。周辺部ではエ
ミッタ10の先端の電界はこの閾値以下であるので、電
流は放出されない。G1電極2の電位がさらに高くなる
と、エミッタ10の先端の電界が閾値を超える部分はさ
らに広くなり、同時に中心部のエミッタ10の先端の電
界もさらに強くなり、より多くの電流が放出される。し
かし、G1電極2と直接対面する冷陰極チップ5の周辺
部では負の電圧を印加されたG1電極2の電位の影響が
強く、G2電極3の電位の影響を受けないため、電子の
放出はない。
【0019】このように、本実施例においては、G1電
極2およびG2電極3に開けられた穴に対応する部分か
らのみ電子が放出され、周辺部からは電子が放出されな
い。従って、本実施例においては、電子放出がゲート電
極9とコレクタ電極(本実施例のG1電極2とG2電極
3の複合に相当)の電位に影響されるという前述の参考
文献に示される効果ばかりでなく、G1電極2とG2電
極3の穴の中央部のみから電子が放出され、周辺部から
の電子の放出を抑えることができ、冷陰極1より放出さ
れた電子がG1電極2やゲート電極9に到達する可能性
がないという効果が得られる。
【0020】なお、G1電極2の電位が正であっても、
ゲート電極9の電位を適切に設定することによって、G
1電極2と直接対面する冷陰極チップ5の周辺部ではエ
ミッタ10の先端の電界を閾値以下に保ち、電子が放出
されないようにすることが可能である。
【0021】図2は本発明の第2の実施例の冷陰極付近
の部分拡大断面図である。
【0022】第2の実施例は、図2に示すように、電子
を放出するエミッタ10はG1電極2およびG2電極3
に開けられた穴とほぼ同じ位置に、ほぼ同じ大きさの部
分にのみ存在し、この周辺部にはエミッタ10ならびに
ゲート電極9は存在しない構造とすることによって、G
1電極2の電圧により放出電流量および電流を放出する
冷陰極1の領域が決定され、周辺部のエミッタ10から
放出される電子が電子ビームにはならずにゲート電極9
に戻る電子がないのは第1の実施例と同じである。 さ
らに、本実施例においてはG2電極に直接対面する部分
には電子を放出するエミッタ10がないため、異常な電
圧が各電極に印加されてもG1電極2ならびにゲート電
極9に過大な電流が流れる恐れはない。
【0023】さらに、ゲート電極9とエミッタ10の間
の静電容量は必要最小限となるため、ゲート電極9とエ
ミッタ10の間に制御信号を印加する場合でも、駆動回
路の負荷を軽くできる。
【0024】なお、第1,第2の実施例においては、制
御信号をG1電極2に印加する動作方式を示したが、制
御信号をエミッタ10あるいはゲート電極9に印加する
場合にも同様の効果が期待できる。
【0025】
【発明の効果】以上説明したように本発明は、陰極を加
熱する必要がなく、加熱用の電源と電力が不要で陰極を
高温に保持する必要がないため、熱設計が容易で特別な
材料を使用する必要がなく、電子ビームの電流密度が高
く、さらに、材料の蒸発がないため、放出電流の経時劣
化の可能性の少ない電子銃を実現できる効果がある。
【0026】また、ゲート電極に電流が流れ込まないた
め、ゲート電極の変形やガス放出による放電等のための
陰極の劣化や破壊の発生が防止できる効果がある。
【0027】さらに、G2電極を制御して電子ビーム電
流量を変えると、多くの電流が必要な時には冷陰極チッ
プ5の電流放出面積が増加するのでひとつのエミッタ当
りの電流の増加は抑圧され、より安定な動作が期待でき
る効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例の断面図及びその冷陰極
チップの部分拡大断面図である。
【図2】本発明の第2の実施例の冷陰極付近の部分拡大
断面図である。
【図3】従来の熱陰極を用いたCRT用電子銃の一例の
断面図である。
【図4】従来の冷陰極を用いたCRT用電子銃の一例の
断面図である。
【図5】図4の冷陰極チップの部分拡大断面図である。
【符号の説明】
1 冷陰極 2 G1電極 3 G2電極 4 G3電極 5 冷陰極チップ 6 電子ビーム 7 基板 8 絶縁層 9 ゲート電極 10 エミッタ 31 熱陰極 35 電子放出材料

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 導電性と半導電性とのうちのいずれか一
    方の基板と、前記基板上に積層した絶縁層と、該絶縁層
    の上に積層した金属層と、該金属層と前記絶縁層の一部
    分に設けられた穴の中に形成され先端が尖鋭化した導電
    性と半導電性とのうちのいずれか一方の電子放出電極と
    で形成された微小冷陰極を多数並べた冷陰極チップと、
    該冷陰極チップと近接した位置に配置された中央部に穴
    の開いた第1の電極と、該第1の電極と近接した位置に
    配置された中央部に穴の開いた第2の電極とを有する冷
    陰極電子銃において、前記電子放出電極の先端を前記金
    属層の表面よりも突き出させたことを特徴とする冷陰極
    電子銃。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の冷陰極電子銃において、
    電子放出電極の分布を第1の電極の中央部の穴の位置な
    らびに大きさにぼぼ一致させたことを特徴とする冷陰極
    電子銃。
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