JP3258215B2 - 発光素子 - Google Patents

発光素子

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JP3258215B2
JP3258215B2 JP26822495A JP26822495A JP3258215B2 JP 3258215 B2 JP3258215 B2 JP 3258215B2 JP 26822495 A JP26822495 A JP 26822495A JP 26822495 A JP26822495 A JP 26822495A JP 3258215 B2 JP3258215 B2 JP 3258215B2
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cathode
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善一郎 原
洋司 山口
耕三郎 柴山
典久 長谷川
和典 龍田
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Mitsubishi Electric Corp
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  • Cathode-Ray Tubes And Fluorescent Screens For Display (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、競技場等で使用
される大画面表示装置を構成する発光素子に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】図6は従来の発光素子を示す正面図、図
7は図6のA−A’断面図、図8は従来の発光素子の要
部を示す斜視図であり、図において、1は真空容器の前
面パネル、2は真空容器の背面パネル、3は真空容器の
スペーサ、4は真空容器内にマトリクス状に配設され、
熱電子を放出する線状カソード、4aは線状カソード4
の中心点、5は線状カソード4を架線するために線状カ
ソード4を支持する支持電極、6は線状カソード4と対
向するように前面パネル1にマトリクス状に配設され、
線状カソード4から熱電子を照射されると発光する蛍光
体、7は線状カソード4と蛍光体6の間に設けられ、熱
電子の流れを制御するデータ電極、7aは線状カソード
4から放出された熱電子を通過させるデータ電極7の開
口部、7bは開口部7aの中心点、8は背面パネル2に
配設され、線状カソード4から放出された熱電子の流れ
を制御する走査電極、9は真空容器の排気部である。
【0003】次に動作について説明する。まず、発光素
子は、図6に示すように、RGB3種類の蛍光体6が前
面パネル1に規則的に配設され、カラー表示が行えるよ
うになっている。そして、この種の発光素子が多数配列
されることによって大画面表示装置が構成される。ただ
し、大画面表示装置では、各発光素子間の継目が目立た
ないようにするため、図6に示すように、蛍光体6の配
置間隔Gpに相当するギャップが、各発光素子の間に設
けられている。
【0004】次に、発光素子の発光原理について説明す
る。まず、線状カソード4は、図示せぬ電源等から電流
を供給されると、加熱して熱電子を放出することにな
る。そして、線状カソード4から放出された熱電子の流
れは、データ電極7及び走査電極8により制御され(下
記に示すように、データ電極7の電位と走査電極8の電
位を組み合わせることにより熱電子の流れを制御す
る)、その熱電子がデータ電極7及び走査電極8によっ
て加速されると、その熱電子がデータ電極7の開口部7
aを通過して蛍光体6に衝突し、その結果、蛍光体6が
励起して発光することになる。
【0005】(1)データ電極7及び走査電極8の電位
が、線状カソード4の電位に対してプラス側の電位であ
る場合 走査電極8の電位がプラス側の電位であるため、線状カ
ソード4近傍の電位が正電位となり、線状カソード4か
ら熱電子が放出される。そして、その熱電子は、データ
電極7及び走査電極8により加速され、データ電極7の
開口部7aを通過する。そして、その熱電子は蛍光体6
に衝突し、蛍光体6が発光する。 (2)データ電極7の電位が線状カソード4の電位に対
してマイナス側の電位であり、走査電極8の電位が線状
カソード4の電位に対してプラス側の電位である場合 走査電極8の電位がプラス側の電位であるため、線状カ
ソード4近傍の電位が正電位となり、線状カソード4か
ら熱電子が放出される。しかしながら、線状カソード4
から放出された熱電子は、データ電極7がマイナス側の
電位であるためデータ電極7により反発され、蛍光体6
に到達することができない。このため蛍光体6は発光し
ない。
【0006】(3)データ電極7の電位が線状カソード
4の電位に対してプラス側の電位であり、走査電極8の
電位が線状カソード4の電位に対してマイナス側の電位
である場合 走査電極8の電位がマイナス側の電位であるため、線状
カソード4近傍の電位が負電位となり、線状カソード4
からの熱電子の放出が抑制される。このため蛍光体6は
発光しない。 (4)データ電極7及び走査電極8の電位が、線状カソ
ード4の電位に対してマイナス側の電位である場合 走査電極8の電位がマイナス側の電位であるため、線状
カソード4近傍の電位が負電位となり、線状カソード4
からの熱電子の放出が抑制される。このため蛍光体6は
発光しない。
【0007】以上で明らかなように、線状カソード4の
電位に対して、プラス側の電位を有するデータ電極7
と、プラス側の電位を有する走査電極8の交点に位置す
る線状カソード4から放出された熱電子のみが、データ
電極7の開口部7aを通過して蛍光体6を励起させるこ
とができるので、適宜、データ電極7の電位と走査電極
8の電位を制御することによって、任意の表示を得るこ
とができる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】従来の発光素子は以上
のように構成されているので、複数の発光素子によって
構成される大画面表示装置の解像度を高くするために
は、発光素子の外形寸法を大きくすることなく、1つの
発光素子に配設する線状カソード4及び蛍光体6の数を
増やす必要がある。しかしながら、発光素子の外形寸法
を大きくせずに線状カソード4の数を増加するには、線
状カソード4の長さを短くしなければならず、下記に示
す不具合を生じる課題があった。 (1)熱電子を放出する領域が狭くなるため、線状カソ
ード4の熱電子放出能力が低下し、蛍光体6の輝度が低
下するとともに、線状カソード4の負荷が増大して線状
カソード4の寿命が短くなる不具合を生じる。 (2)所定の熱電子放出量を確保する必要上、線状カソ
ード4の温度を所定の温度に保つ必要が生じ、そのため
線状カソード4を支持する支持電極5からの熱放散が大
きくなり、線状カソード4の効率が低下する不具合を生
じる。
【0009】この発明は上記のような課題を解決するた
めになされたもので、解像度の向上に伴って線状カソー
ドの数を増加する必要がある場合でも、線状カソードの
必要な長さを十分確保できる発光素子を得ることを目的
とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明に係
る発光素子は、第1の制御電極における開口部の中心点
に対して線状カソードの長手方向における最も外側の
線状カソードの中心点が、上記長手方向における内側
ずれるようにその線状カソードを配設したものであ
る。
【0011】請求項2記載の発明に係る発光素子は、第
1及び第2の制御電極における開口部の中心点に対し
線状カソードの長手方向における最も外側の線状カ
ソードの中心点が、上記長手方向における内側にずれる
ようにその線状カソードを配設したものである。
【0012】
【0013】
【0014】
【0015】
【0016】請求項3記載の発明に係る発光素子は、シ
ールド電極における開口部の中心点に対して線状カソ
ードの長手方向における最も外側の線状カソードの中心
点が、上記長手方向における内側にずれるようにその
線状カソードを配設したものである。
【0017】
【0018】
【0019】
【0020】
【0021】
【発明の実施の形態】以下、この発明の実施の一形態を
説明する。 実施の形態1.図1はこの発明の実施の形態1による発
光素子を示す断面図であり、図において、1は真空容器
の前面パネル、2は真空容器の背面パネル(線状カソー
ドの背面)、3は真空容器のスペーサ、5は線状カソー
ド10を架線するために線状カソード10を支持する支
持電極、6は線状カソード10と対向するように前面パ
ネル1にマトリクス状に配設され、線状カソード10か
ら熱電子を照射されると発光する蛍光体、7は線状カソ
ード10と蛍光体6の間に設けられ、熱電子の流れを制
御するデータ電極(第1の制御電極)、7aは線状カソ
ード10から放出された熱電子を通過させるデータ電極
7の開口部、7bは開口部7aの中心点、8は背面パネ
ル2に配設され、線状カソード10から放出された熱電
子の流れを制御する走査電極(第2の制御電極)、10
は真空容器内にマトリクス状に配設され、熱電子を放出
する線状カソード、10aは開口部7aの中心点7bか
ら所定長ΔLだけずれた位置にある線状カソード10の
中心点である。
【0022】次に動作について説明する。まず、発光素
子は、図6に示すように、RGB3種類の蛍光体6が前
面パネル1に規則的に配設され、カラー表示が行えるよ
うになっている。そして、この種の発光素子が多数配列
されることによって大画面表示装置が構成される。ただ
し、大画面表示装置では、各発光素子間の継目が目立た
ないようにするため、図6に示すように、蛍光体6の配
置間隔Gpに相当するギャップが、各発光素子の間に設
けられている。
【0023】次に、発光素子の発光原理について説明す
る。まず、線状カソード10は、従来のものと同様に、
図示せぬ電源等から電流を供給されると、加熱して熱電
子を放出することになる。そして、線状カソード10か
ら放出された熱電子の流れは、従来のものと同様に、デ
ータ電極7及び走査電極8により制御され(下記に示す
ように、データ電極7の電位と走査電極8の電位を組み
合わせることにより熱電子の流れを制御する)、その熱
電子がデータ電極7及び走査電極8によって加速される
と、その熱電子がデータ電極7の開口部7aを通過して
蛍光体6に衝突し、その結果、蛍光体6が励起して発光
することになる。
【0024】(1)データ電極7及び走査電極8の電位
が、線状カソード10の電位に対してプラス側の電位で
ある場合 走査電極8の電位がプラス側の電位であるため、線状カ
ソード10近傍の電位が正電位となり、線状カソード1
0から熱電子が放出される。そして、その熱電子は、デ
ータ電極7及び走査電極8により加速され、データ電極
7の開口部7aを通過する。そして、その熱電子は蛍光
体6に衝突し、蛍光体6が発光する。 (2)データ電極7の電位が線状カソード10の電位に
対してマイナス側の電位であり、走査電極8の電位が線
状カソード10の電位に対してプラス側の電位である場
合 走査電極8の電位がプラス側の電位であるため、線状カ
ソード10近傍の電位が正電位となり、線状カソード1
0から熱電子が放出される。しかしながら、線状カソー
ド10から放出された熱電子は、データ電極7がマイナ
ス側の電位であるためデータ電極7により反発され、蛍
光体6に到達することができない。このため蛍光体6は
発光しない。
【0025】(3)データ電極7の電位が線状カソード
10の電位に対してプラス側の電位であり、走査電極8
の電位が線状カソード10の電位に対してマイナス側の
電位である場合 走査電極8の電位がマイナス側の電位であるため、線状
カソード10近傍の電位が負電位となり、線状カソード
10からの熱電子の放出が抑制される。このため蛍光体
6は発光しない。 (4)データ電極7及び走査電極8の電位が、線状カソ
ード10の電位に対してマイナス側の電位である場合 走査電極8の電位がマイナス側の電位であるため、線状
カソード10近傍の電位が負電位となり、線状カソード
10からの熱電子の放出が抑制される。このため蛍光体
6は発光しない。
【0026】以上で明らかなように、線状カソード10
の電位に対して、プラス側の電位を有するデータ電極7
と、プラス側の電位を有する走査電極8の交点に位置す
る線状カソード10から放出された熱電子のみが、デー
タ電極7の開口部7aを通過して蛍光体6を励起させる
ことができるので、適宜、データ電極7の電位と走査電
極8の電位を制御することによって、任意の表示を得る
ことができる。
【0027】次に、線状カソード10を配設する位置に
ついて説明する。図7に示す従来例の場合、データ電極
7における開口部7aの中心点7bと、線状カソード4
の中心点4aが一致するように、線状カソード4を配設
していたが、この実施の形態1の場合、図1に示すよう
に、データ電極7における開口部7aの中心点7bに対
して線状カソード10の中心点10aが、その線状カソ
ード10の長手方向にΔLの長さだけずれる位置にその
線状カソード10を配設するようにしている。
【0028】このように、線状カソード10の中心点1
0aの位置をΔLの長さだけずらすことによって、線状
カソード10の長さを、従来の線状カソード4の長さよ
り2×ΔLだけ長くすることができる。例えば、線状カ
ソード10の左端の位置を、従来の線状カソード4の左
端の位置と同じにして、線状カソード10の中心点10
aを開口部7の中心点7aから右側にΔLだけずらせ
ば、線状カソード10の右端の位置は、従来の線状カソ
ード4の右端の位置より右側に2×ΔLだけずれるの
で、線状カソード10の長さは、従来の線状カソード4
の長さより2×ΔLだけ長くなる。
【0029】ここで、線状カソード10の中心点10a
を、開口部7の中心点7aに一致させ、線状カソード1
0の両端をΔLだけ長くすれば、上記のように中心点を
ずらさなくても、全体として2×ΔLの長さだけ長くな
るが、上記のように中心点をずらすのは下記の理由から
である。即ち、隣接する他の発光素子の線状カソードと
隣り合う位置に配設される線状カソード10は(例え
ば、図1の右側の発光素子において、左側に位置する線
状カソード)、真空容器のスペーサ3がある関係上、真
空容器のスペーサ3と接触しない範囲で、できる限りス
ペーサ3に近づけて配設しないと、隣接する他の発光素
子の線状カソードとのギャップが大きくなり過ぎてしま
うので(ギャップがGk以上になってしまう)、当初か
ら線状カソード10はスペーサ3から極めて近い位置に
配設されており、もはや線状カソード10の長さをスペ
ーサ3側に伸ばす余地がないからである。
【0030】上記のように、中心点をずらして線状カソ
ード10を配設した場合、熱電子が最も多く放出される
線状カソード10の中心点10aが、熱電子が通過する
開口部7aの中心点7bからずれてしまう問題を生じる
が、データ電極7あるいは走査電極8の電位を十分高く
すると、線状カソード10から放出される熱電子が安定
するので、線状カソード10の長さを長くしたことによ
る効果が優先され、十分な熱電子の放出量が確保され
る。因に、ΔLの値は線状カソード10の長さLの値に
よって異なるが、ΔL/L=3.5〜15%程度であれ
ば、線状カソード10を長くしたことによる効果が十分
に認められる。例えば、線状カソード10の長さLが7
mmの場合、ΔLの値としては0.25〜1mm程度と
なる。なお、ΔLの値は前記の通りであるが、他の電極
の配置が考慮されることは言うまでもない。
【0031】以上より、この実施の形態1によれば、デ
ータ電極7における開口部7aの中心点7bに対して線
状カソード10の中心点10aがその線状カソード10
の長手方向にΔLの長さだけずれるようにその線状カソ
ード10を配設したので、従来のものより線状カソード
10の長さを2×ΔLだけ長くすることができるように
なり、そのため解像度の向上に伴って線状カソード10
の数を増加する必要がある場合でも、線状カソード10
の必要な長さを十分確保することができる。従って、線
状カソード10の効率が高められるとともに、長寿命化
が図られることになる。
【0032】実施の形態2.上記実施の形態1では、走
査電極8を背面パネル2に配設したものについて示した
が、図2に示すように、走査電極8を線状カソード10
と蛍光体6の間に設け、走査電極8における開口部8a
の中心点8bをデータ電極7における開口部7aの中心
点7bと一致させるとともに、走査電極8における開口
部8aの中心点8bに対して線状カソード10の中心点
10aが、その線状カソード10の長手方向にΔLの長
さだけずれる位置にその線状カソード10を配設するよ
うにしてもよく、上記実施の形態1と同様の効果を奏す
ることができる。
【0033】ただし、図2に示すように、走査電極8の
配設位置が必ずしもデータ電極7の下部である必要はな
く、データ電極7の上部に配設してもよい。なお、上記
実施の形態1と比較して、走査電極8の位置が異なる
が、位置が異なっても、熱電子の流れは、上記実施の形
態1と同様の条件(データ電極7と走査電極8の電位の
組み合わせ条件が同一)で制御されるので、その説明は
省略する。
【0034】実施の形態3.上記実施の形態1では、特
に言及しなかったが、走査電極8を形成する場合、その
走査電極8の電極材料であるカーボンあるいは銀などの
導電粒子をフリットガラス成分とともに溶剤で液状化し
てスクリーン印刷したのち、加熱して焼結することによ
り形成している。この場合、走査電極8の表面は、図3
に示すように、導電粒子の導電部とガラス質の絶縁部が
まだらな構造となる。因に、図3は走査電極8の厚みが
15μmのときの走査電極8の表面を示す拡大図であ
り、実験結果に基づいて作成した図面である。
【0035】走査電極8の表面において、例えば、図3
に示すように、ガラス質の絶縁部の割合が多い場合、ガ
ラス質の絶縁部表面には熱電子が帯電する性質があるた
め、帯電した熱電子の量が増加する。そして、その帯電
した熱電子は、走査電極8の表面電位を低下させるとと
もに、線状カソード10近傍の電位を低下させるので、
熱電子の放出量が制限され、蛍光体6の輝度が低下する
原因となる。ここで、ガラス質の絶縁成分は、スクリー
ン印刷後の焼結時に、導電膜の表面に析出する性質があ
るので、導電粒子と絶縁成分の比率が同じでも、走査電
極8の膜厚が厚くなるにしたがって、表面に析出する絶
縁成分の量が増大し、ガラス質の絶縁部が走査電極8の
表面を占める割合が高くなる。
【0036】この実施の形態3では、絶縁部が走査電極
8の表面を占める割合を低下させ、走査電極8の表面に
析出する絶縁成分の量を実用上問題ないレベルにするた
め、走査電極8の膜厚が10μm以下になるように、走
査電極8を形成する。因に、図4は走査電極8の厚みが
10μmのときの走査電極8の表面を示す拡大図(実験
結果に基づいて作成した図面)であるが、走査電極8の
厚みが10μmの場合には、線状カソード10近傍の電
位低下はわずかであり、実用上問題ないレベルであるこ
とが実験によって確認されている。なお、走査電極8の
膜厚は、導電粒子をフリットガラス成分とともに溶剤で
液状化したときの粘度に依存するので、粘度を管理する
ことによって、膜厚を決定することができる。
【0037】以上より、この実施の形態3によれば、走
査電極8を形成する際、その走査電極8の厚みが10μ
m以下になるように、その走査電極8の電極材料をスク
リーン印刷して形成したので、走査電極8の表面に析出
される絶縁成分が減少するようになり、その結果、熱電
子の放出量を十分に確保することができる。
【0038】実施の形態4.上記実施の形態3では、走
査電極8の厚みが10μm以下になるように、その走査
電極8の電極材料をスクリーン印刷して形成するものに
ついて示したが、走査電極8を形成する際、その走査電
極8の電極材料を真空蒸着して形成するようにしてもよ
い。このように、電極材料であるアルミ等を真空蒸着し
て走査電極8を形成すると、走査電極8の厚みとは関係
なく、走査電極8の表面が均質な導電性を有し、走査電
極8の表面に熱電子が帯電する不具合を生ずることがな
くなる。この結果、走査電極8の表面電位を低下させる
ことなく、十分な熱電子の放出量を確保することができ
る。また、線状カソード10の温度が比較的低温(例え
ば、700℃)でも、十分な熱電子の放出量を確保で
き、線状カソード10の長寿命化を図ることができる。
【0039】実施の形態5.上記実施の形態4では、走
査電極8を形成する際、その走査電極8の電極材料を真
空蒸着して形成するものについて示したが、走査電極8
を形成する際、その走査電極8の電極材料をイオン化し
て形成するようにしてもよい。走査電極8を真空蒸着し
て形成した場合、走査電極8の付着強度が弱く、走査電
極8が剥離する可能性があるが、イオンプレーティング
等によって電極材料をイオン化して走査電極8を形成し
た場合には、走査電極8の形成を電界によって制御でき
るので、走査電極8を強固に付着させることができる。
なお、電極材料をイオン化して走査電極8を形成した場
合にも、走査電極8の厚みとは関係なく、走査電極8の
表面が均質な導電性を有するので、走査電極8の表面電
位を低下させることなく、十分な熱電子の放出量を確保
することができるとともに、線状カソード10の長寿命
化を図ることができる。
【0040】実施の形態6.図5はこの発明の実施の形
態6による発光素子の要部を示す斜視図であり、図にお
いて、11は線状カソード10と蛍光体6の間に設けら
れ、陽極側(蛍光体6側)の高電圧(約10KV)の影
響が陰極側(線状カソード10側)に及ばないように遮
蔽するシールド電極、11aは線状カソード10から放
出された熱電子を通過させるシールド電極11の開口
部、12は真空容器の背面パネル2に配設され、線状カ
ソード10から放出された熱電子の流れを制御するデー
タ電極(制御電極)、13は真空容器の背面パネル2に
配設され、線状カソード10から放出された熱電子の流
れを制御する走査電極(制御電極)である。
【0041】次に動作について説明する。上記実施の形
態1では、データ電極7を線状カソード10と蛍光体6
の間に設ける一方、走査電極13を背面パネル2に設
け、データ電極7における開口部7aの中心点7bに対
して線状カソード10の中心点10aが、その線状カソ
ード10の長手方向にΔLの長さだけずれるようにその
線状カソード10を配設したものについて示したが、図
5に示すように、データ電極12と走査電極13の双方
を背面パネル2に設けるとともに、シールド電極11を
線状カソード10と蛍光体6の間に設け、そのシールド
電極11における開口部11aの中心点に対して線状カ
ソード10の中心点10aが、その線状カソード10の
長手方向にΔLの長さだけずれるようにその線状カソー
ド10を配設するようにしてもよく、上記実施の形態1
と同様の効果を奏することができる。
【0042】なお、上記実施の形態1と比較して、デー
タ電極の位置が異なるが、位置が異なっても、熱電子の
流れは、上記実施の形態1と同様の条件(データ電極1
2と走査電極13の電位の組み合わせ条件が同一)で制
御されるので、その説明は省略する。因に、シールド電
極11は、陽極と陰極間を遮蔽するために設けたもの
で、通常、線状カソード10の電位に対してプラス側の
電位が印加されており、発光素子を多数配列してディス
プレイを構成する際、個々のばらつきを補正するため
に、発光素子毎に微調整される。
【0043】実施の形態7.上記実施の形態3〜5で
は、走査電極8を形成する際、その走査電極8の電極材
料をスクリーン印刷して形成、真空蒸着して形成、ある
いはイオン化して形成するものについて示したが、図5
におけるデータ電極12又は走査電極13の電極材料を
形成する際、そのデータ電極12又は走査電極13の電
極材料をスクリーン印刷して形成(ただし、データ電極
12又は走査電極13の厚みは10μm以下)、真空蒸
着して形成、あるいはイオン化して形成するようにして
もよく、上記実施の形態3〜5と同様の効果を奏するこ
とができる。
【0044】
【発明の効果】以上のように、請求項1記載の発明によ
れば、第1の制御電極における開口部の中心点に対し
て、線状カソードの長手方向における最も外側の線状カ
ソードの中心点を、上記長手方向における内側にずらし
て配設するように構成したので、従来のものより、線状
カソードの長さを長くすることができるようになり、そ
のため解像度の向上に伴って線状カソードの数を増加す
る必要がある場合でも、線状カソードの必要な長さを十
分確保することができる効果がある。
【0045】請求項2記載の発明によれば、第1及び第
2の制御電極における開口部の中心点に対して、線状カ
ソードの長手方向における最も外側の線状カソードの
心点を、上記長手方向における内側にずらして配設す
ように構成したので、従来のものより、線状カソードの
長さを長くすることができるようになり、そのため解像
度の向上に伴って線状カソードの数を増加する必要があ
る場合でも、線状カソードの必要な長さを十分確保する
ことができる効果がある。
【0046】
【0047】
【0048】
【0049】
【0050】請求項3記載の発明によれば、シールド電
極における開口部の中心点に対して、線状カソードの
手方向における最も外側の線状カソードの中心点を、上
記長手方向における内側にずらして配設するように構成
したので、従来のものより、線状カソードの長さを長く
することができるようになり、そのため解像度の向上に
伴って線状カソードの数を増加する必要がある場合で
も、線状カソードの必要な長さを十分確保することがで
きる効果がある。
【0051】
【0052】
【0053】
【0054】
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施の形態1による発光素子を示
す断面図である。
【図2】 この発明の実施の形態2による発光素子を示
す断面図である。
【図3】 走査電極8の厚みが15μmのときの走査電
極8の表面を示す拡大図である。
【図4】 走査電極8の厚みが10μmのときの走査電
極8の表面を示す拡大図である。
【図5】 この発明の実施の形態6による発光素子の要
部を示す斜視図である。
【図6】 従来の発光素子を示す正面図である。
【図7】 図6のA−A’断面図である。
【図8】 従来の発光素子の要部を示す斜視図である。
【符号の説明】
1 前面パネル、2 背面パネル(線状カソードの背
面)、6 蛍光体、7データ電極(第1の制御電極)、
7a,8a,11a 開口部、7b,8b 開口部の中
心点、8 走査電極(第2の制御電極)、10 線状カ
ソード、10a線状カソードの中心点、11 シールド
電極、12 データ電極(制御電極)、13 走査電極
(制御電極)。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 柴山 耕三郎 東京都千代田区丸の内二丁目2番3号 三菱電機株式会社内 (72)発明者 長谷川 典久 三重県伊勢市上野町字和田700番地 伊 勢電子工業株式会社内 (72)発明者 龍田 和典 三重県伊勢市上野町字和田700番地 伊 勢電子工業株式会社内 (56)参考文献 特開 平5−325845(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01J 31/15 H01J 31/12

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 真空容器内にマトリクス状に配設され、
    熱電子を放出する線状カソードと、上記線状カソードと
    対向するように上記真空容器の前面パネルにマトリクス
    状に配設され、上記熱電子を照射されると発光する蛍光
    体と、上記線状カソードと上記蛍光体の間に設けられ、
    その線状カソードから放出された熱電子を通過させる開
    口部を有し、その熱電子の流れを制御する第1の制御電
    極と、上記線状カソードの背面に配設され、上記線状カ
    ソードから放出された熱電子の流れを制御する第2の制
    御電極とを備えた発光素子において、上記第1の制御電
    極における開口部の中心点に対して上記線状カソード
    長手方向における最も外側の線状カソードの中心点
    、上記長手方向における内側にずれるようにその線
    状カソードを配設したことを特徴とする発光素子。
  2. 【請求項2】 真空容器内にマトリクス状に配設され、
    熱電子を放出する線状カソードと、上記線状カソードと
    対向するように上記真空容器の前面パネルにマトリクス
    状に配設され、上記熱電子を照射されると発光する蛍光
    体と、上記線状カソードと上記蛍光体の間に設けられ、
    その線状カソードから放出された熱電子を通過させる開
    口部を有し、その熱電子の流れを制御する第1及び第2
    の制御電極とを備えた発光素子において、上記第1及び
    第2の制御電極における開口部の中心点に対して上記
    線状カソードの長手方向における最も外側の線状カソー
    ドの中心点が、上記長手方向における内側にずれるよう
    その線状カソードを配設したことを特徴とする発光
    素子。
  3. 【請求項3】 真空容器内にマトリクス状に配設され、
    熱電子を放出する線状カソードと、上記線状カソードと
    対向するように上記真空容器の前面パネルにマトリクス
    状に配設され、上記熱電子を照射されると発光する蛍光
    体と、上記線状カソードと上記蛍光体の間に設けられ、
    その線状カソードから放出された熱電子を通過させる開
    口部を有するシールド電極と、上記線状カソードの背面
    に配設され、上記線状カソードから放出された熱電子の
    流れを制御する制御電極とを備えた発光素子において、
    上記シールド電極における開口部の中心点に対して
    記線状カソードの長手方向における最も外側の線状カソ
    ードの中心点が、上記長手方向における内側にずれるよ
    うにその線状カソードを配設したことを特徴とする発
    光素子。
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