JP2718082B2 - 鞍乗型四輪車のシート装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この発明は、四輪に低圧タイヤを装着し、上部のシー
トに跨って着座し、バーハンドルで前二輪を操舵してエ
ンジンで走行する鞍乗型四輪車のシート装置に関する。

〔従来の技術とその問題点〕

鞍乗型四輪車は、バギー車などとも称されていて、装
着した四輪の低圧タイヤの性能から、路面の悪い場所や
湿地や農地なども走行でき、農作業などにも利用されて
いる。従って路面の悪い場所では、車体の振動も大き
く、ライダーは単にシートに跨って着座するだけでなく
太股の内側で車体を挟むようにして乗車姿勢を安定させ
ている。通常、シートの前側には、燃料タンクやフロン
トカバーが取付けられ、この下側にフロントフェンダー
の左右後端が連っていて、この部分を太股で挟むように
している。しかし、塗装されたものや合成樹脂で型成形
された部品であるので、太股で挟んでいても、滑り易い
不都合がある。

〔発明の目的〕

この発明は、シート前部左右の前方に突出するニーグ
リップ部を設けて太股で挟み易くて安定度を高めること
ができ、シートの取付けも簡単にでき、フロントフェン
ダー左右後端とのつながりもよくてシートの表皮の破損
が少ない鞍乗型四輪車のシート装置を得ることを目的と
する。

〔発明の構成〕

以下、本発明を図面に示す実施例によって説明する。

シート１は、後部に同乗車を乗せることができるよう
に前後に長くしてあり、又、後部は巾広にしてある。シ
ート１の前部は、断面が略逆Ｕ字状で、前部両側を、上
部前端より前方に突出させてあって、ライダーが太股で
挟めるニーグリップ部２に形成してある。取付け金具３
は、横バー４の両端にブレース５を溶着してあり、中央
近く左右にボス６を突設してある。取付け金具３は、フ
レーム７の前上部に設けたブラケット８に締着する。そ
して、上部のボス６に、フロントカバー９とカバートッ
プ10の後端をビスを用いて締着する。又、左右のブレー
ス５には、左右前輪11の上側を覆ったフロントフェンダ
ー12の左右後端を締着する。シート１の底板13には、前
部に前方に突出するステー14が設けてあり、取付け金具
３の横バー４に後側から差込んで係止め、シート１の後
部をフレーム７の後部にボルトで締着するようにしてあ
る。シート１は、底板13の上に置いたクッション材15を
側面から底板13の端を回して内側まで覗かせてあって、
表皮16で覆ってあって、端縁部分を厚くしてある。フロ
ントフェンダー12の左右後端近くには、後端に沿って段
部17が設けてあり、シート１のニーグリップ部２の厚く
した端縁が段部17に合さるようにしてある。

〔発明の作用〕

フレーム７に締着した取付け金具３に、フロントカバ
ー９とカバートップ10の後端を締着し、又、フロントフ
ェンダー12の左右後端を締着するので、フロントカバー
９とフロントフェンダー12の取付け位置を正確に保て、
同じ取付け金具３にシート１のステー14を差込んで掛止
めるので、シート１の前部取付けが簡単で、取付け関係
位置も正確にできる。シート１は跨って着座したとき
に、左右前方にニーグリップ部２が突出して位置するの
で、太股で挟むことができ、柔かく弾力もあって挟み易
く滑ることも少なくて、乗車姿勢が安定する。又、シー
ト１は、底板13を巻いてクッション材15が設けてあっ
て、端縁が厚くしてあるので、フロントフェンダー12の
段部17に染んで合さり、隙間なくできて外観もよく、太
股で挟んだときの変形などによっても、表皮16が破れた
りして破損することがない。

〔発明の効果〕

以上説明したように、この発明は、フレームに締着し
た取付け金具にフロントカバーを締着し、フロントフェ
ンダーの左右後端を締着し、更にシートのステーを差込
んで掛止めるので、部品の関係位置が正確にできる。そ
して、シートは、前側左右にニーグリップ部が突出して
いて、太股で挟むことができ、ニーグリップ部の内側に
はブレースがあって支えになり、柔かくて挟みよく、滑
ることも少なくできて、安定した姿勢にできる。そし
て、シートは、端縁にクッション材を回してあって、厚
く、隣りの部品との隙間を塞ぐことができて体裁よくで
き、クッション材が変形できるので、表皮の破れも少な
くできる。又、シートにニーグリップ部を設けたので、
車体の振動がライダーに伝わるのを少なくできる。

【図面の簡単な説明】

図は本発明の一実施例を示し、 第１図は要部の分解斜視図、 第２図は同側面図、 第３図は全体側面図、 第４図は同平面図、 第５図は第４図Ａ−Ａ矢視拡大断面図である。 １……シート、２……ニーグリップ部、３……取付け金
具、４……横バー、５……ブレース、６……ボス、７…
…フレーム、９……フロントカバー、12……フロントフ
ェンダー、13……底板、14……ステー、15……クッショ
ン材、16……表皮、17……段部。

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】車体フレームの上側に跨がって着座するシ
   ートを設け、 該シートの左右側面を上面の前端より前方に突出させて
   ニーグリップ部とし、横バーの両端にブレースを一体に
   連結してなる取付け金具を車体フレームに固設し、 前記取付け金具に対し、その横バーにはシート前方の車
   体フレーム上方を覆うフロントカバーの後端を、前記ブ
   レースには左右の前輪を覆うフロントフェンダの泥除け
   部から後方に延出してシート前方の車体フレーム側方を
   覆うフロントフェンダの後端をそれぞれ締着し、かつ前
   記フロントフェンダ及びフロントカバーに隣接するシー
   トの前端部を前記取付金具に掛止する一方、 前記シートのニーグリップ部前縁を、前記フロントフェ
   ンダ後端の段部に対応する厚さ及び形状に形成してニー
   グリップ部とフロントフェンダとを略面一に形成すると
   共に、 前記ニーグリップ部を取付金具のブレース外面に外方よ
   り重なるように配置したことを特徴とする鞍乗型四輪車
   のシート装置。