JP2716928B2 - 高分子量スチレン系重合体粒子の製造方法 - Google Patents

高分子量スチレン系重合体粒子の製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、重量平均分子量が10
0万以上の高分子量スチレン系重合体粒子の製造方法に
関するものある。
【0002】
【従来の技術】従来より、静電荷像を乾式現像するため
のトナー用ポリマーとして、着色剤を分散含有させたス
チレン系重合体の微粒子が用いられている。このトナー
用ポリマーとしては、定着性、耐オフセット性の向上の
観点から、分子量分布の広いスチレン系の重合体が望ま
しいことが知られている。この広い分子量分布を有する
スチレン系重合体を得る方法として、低分子量重合体と
高分子量重合体をそれぞれ異なる重合条件下で作成して
組み合わせる方法が提案されている(特公昭55−68
95号公報、及び特開昭63−223014号公報)。
しかし近年、写真、印刷技術の高度化に伴いトナー用ス
チレン系重合体も、一層分子量分布の広いものが求めら
れており、低分子量重合体の分子量はより低く、高分子
量重合体の分子量はより高くする必要性が生じている。
【0003】低分子量重合体の分子量を更に低くするこ
とは、重合開始剤や連鎖移動剤の添加量を増やしたり、
溶媒の存在下で重合することにより比較的容易に実現可
能である。しかしながら、高分子量重合体の分子量を更
に高くすること、具体的にはGPC(Gel Perm
eation Chromatography)で測定
した重量平均分子量が80万以上の非常に高分子量のス
チレン系重合体を安定的に得ることは難しいという問題
があった。
【0004】即ち、スチレン系重合体粒子を懸濁重合法
により製造する場合、一般にラジカル重合開始剤として
ベンゾイルパーオキサイドが使用されるが、重合温度と
しては、充分に遊離ラジカルを発生させて開始反応を引
き起こすように、ベンゾイルパーオキサイドの分解温度
(ベンゼン中における10時間半減期温度)以上の温度
領域の80〜100℃が選ばれる。また、重合開始剤
は、通常、スチレン系単量体に対して0.1〜0.5重
量%使用され、重合体の分子量は、専ら重合開始剤の添
加量の増減によって行なわれ、高分子量のものを得るに
は減らし、逆に低分子量のものを得るには増やすことに
より調整される。しかし、このようにして得られるスチ
レン系重合体の重量平均分子量は約10〜60万程度で
あった。
【0005】そこで本出願人は、先にスチレン系単量体
又はスチレン系単量体を主成分としてこれと共重合可能
な単量体との混合物を、ラジカル重合開始剤を用いて重
合させてスチレン系重合体を製造する方法において、重
合転化率が少なくとも60重量%に達するまでは、ラジ
カル重合開始剤の分解温度より5〜30℃低い温度で重
合させることにより重量平均分子量が80万以上の重合
体を形成させることを特徴とする高分子量スチレン系重
合体の製造方法を提案した(特願平3−34988
号)。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】この方法によれば、重
量平均分子量が80〜100万程度の高分子量スチレン
系重合体粒子が得られるが、本発明者は、更に分子量の
高いスチレン系重合体粒子を安定的に製造する方法につ
いて鋭意研究を重ねた結果、スチレン系重合体粒子を水
中に懸濁させた後、この懸濁液中にスチレン系単量体を
添加してラジカル開始剤の存在下に重合を行い、しかも
重合温度を使用するラジカル重合開始剤の分解温度より
特定の温度だけ低く設定することによって、重量平均分
子量が100万以上の高分子量重合体粒子が容易にしか
も安定的に得られることを見い出し、本発明を完成する
に至った。
【0007】
【課題を解決するための手段】即ち本発明は、スチレン
系重合体粒子5〜60重量部を水性媒体中に懸濁させ、
この懸濁液にスチレン系単量体95〜40重量部を添加
し、ラジカル重合開始剤の存在下で重合させてスチレン
系重合体を製造するにあたり、重合転化率が少なくとも
60重量%に達するまでは、ラジカル重合開始剤の分解
温度より5〜30℃低い温度で重合させることにより、
重量平均分子量が100万以上の重合体粒子を得ること
を特徴とする高分子量スチレン系重合体粒子の製造方
法、を要旨とするものである。
【0008】本発明におけるスチレン系重合体として
は、スチレンの単独重合体、叉はスチレンを主成分とす
る共重合体が使用できる。スチレンと共重合可能な他の
単量体としては、α−メチルスチレン、アクリロニトリ
ル、アクリル酸もしくはメタクリル酸と1〜8個の炭素
原子を有するアルコールとのエステル、無水マレイン酸
等を挙げることができる。本発明において用いられるス
チレン系重合体粒子は、公知の懸濁重合方法、塊状重合
方法等の技術により得ることができるが、特に懸濁重合
によって得られる重量平均分子量が30万以上、更に好
ましくは60万以上の真球状重合体粒子が好適に使用さ
れる。用いるスチレン系重合体粒子の重量平均分子量が
30万未満であると、分子量が100万以上の高分子量
重合体粒子を得ることが難しい。
【0009】本発明におけるスチレン系単量体として
は、スチレン叉はスチレンを主成分としてこれと共重合
可能な他の単量体との混合物が使用される。このスチレ
ンと共重合可能な単量体としては、アクリル酸、メタク
リル酸、無水マレイン酸などの有機酸類、アクリル酸メ
チル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル
酸2−エチルヘキシルなどのアクリル酸エステル類、メ
タクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸
ブチル、メタクリル酸イソブチルなどのメタクリル酸エ
ステル類、マレイミド、N−フェニルマレイミド、N−
シクロヘキシルマレイミドなどのマレイミド類、ブタジ
エン、イソプレンなどの共役ジオレフィン類、及びα−
メチルスチレン等を挙げることができる。これらの単量
体はスチレンを主成分として使用され、50重量%未満
の範囲で1種もしくは2種以上を併せて用いることがで
きる。また、ジビニルベンゼン、ポリエチレングリコー
ルジメタクリレートなどの多官能性単量体を少量併用す
ることもできる。
【0010】本発明において使用されるラジカル重合開
始剤としては、例えばジ−t−ブチルパーオキシヘキサ
ヒドロテレフタレート(83℃)、1,1−ジ(t−ブ
チルパーオキシ)3,3,5−トリメチルシクロヘキサ
ン(90℃)、1,1−ジ(t−ブチルパーオキシ)シ
クロヘキサン(91℃)、2,2−ビス(4,4−ジ−
t−ブチルパーオキシシクロヘキシル)プロパン(92
℃)、ジエチレングリコールビス(t−ブチルパーオキ
シカーボネート)(97℃)、t−ブチルパーオキシイ
ソプロピルカーボネート(98℃)、2,5−ジメチル
−2,5−ジ(ベンゾイルパーオキシ)ヘキサン(10
0℃)、2,2−ジ(ターシャリブチルパーオキシ)ブ
タン(103℃)、t−ブチルパーオキシベンゾエート
(104℃)、ジ−t−ブチルパーオキシイソフタレー
ト(107℃)、トリス(t−ブチルパーオキシ)トリ
アジン(110℃)、ジクミルパーオキサイド(117
℃)、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパー
オキシ)ヘキサン(118℃)、t−ブチルクミルパー
オキサイド(120℃)等の有機過酸化物、2−t−ブ
チルアゾ2−シアノブタン(82℃)、1,1’−アゾ
ビス(1−シクロヘキサンカーボニトリル)(88
℃)、2,2’−アゾビス(2,4,4−トリメチルペ
ンタン)(110℃)等のアゾ系化合物等が挙げられ
る。
【0011】これらの開始剤は、単独で或いは混合して
用いられる。また上記の中で特に分解温度(ベンゼン中
における10時間半減期温度)が80〜110℃のもの
が、更に好ましくは90〜110℃のものが、高分子量
重合体を安定的に製造する観点から好適に使用される。
ラジカル重合開始剤の好ましい使用量は、単量体の仕込
み量に対して、0.01〜2重量%であり、更に好まし
くは0.05〜0.5重量%である。0.01重量%未
満では開始剤としての作用効果が実質的に現れず、ま
た、2重量%を越えると高分子量の重合体が得られなく
なる。
【0012】本発明の方法を具体的に説明すれば次の通
りである。まずスチレン系重合体粒子を、分散剤を加え
た水性媒体中に懸濁する。この分散剤としては、例えば
ポリビニルアルコール、メチルセルロース、燐酸カルシ
ウム、ピロリン酸マグネシウム、炭酸カルシウム、界面
活性剤等が用いられ、これらの分散剤は一般に水に対し
て0.01〜5重量%添加して使用される。
【0013】次いでスチレン系重合体粒子を分散した懸
濁液中に、スチレン系単量体及びラジカル重合開始剤を
添加する。この添加方法は、連続的に徐々に滴下しても
よく、或いは断続的に加えてもよい。スチレン系単量体
とラジカル重合開始剤とは、別々に添加してもよく、或
いは予め重合開始剤をスチレン系単量体に溶解叉は混合
したものを添加してもよい。また重合開始剤を重合反応
に支障を来たすことのないベンゼン、トルエン等の溶剤
に溶解して使用することもできる。
【0014】スチレン系重合体粒子は、最終的に得られ
る重合体全量に対して5〜60重量部、より好ましくは
10〜40重量部、スチレン系単量体は95〜40重量
部、好ましくは90〜60重量部の組成割合となるよう
用いられる。スチレン系重合体の使用量が5部未満で、
スチレン系単量体の使用量が95重量部を越えると、最
終的に得られる重合体の重量平均分子量が高くなりにく
く、逆に重合体の使用量が60重量部を越え、単量体の
使用量が40重量部未満の場合にも、重量平均分子量が
100万以上の高分子量重合体粒子が得られない。
【0015】なお、水性媒体をスチレン系単量体が重合
可能な温度まで加温しておいて、これに上記のスチレン
系単量体と重合開始剤とを添加することが好ましいが、
常温で添加した後、重合可能な温度まで加温してもよ
い。
【0016】本発明においては、スチレン系単量体の重
合転化率が60重量%に達するまでは、水性媒体の温度
を上記ラジカル重合開始剤の分解温度より5〜30℃低
い温度に維持して重合させる。例えば、分解温度が90
℃の1,1−ジ(t−ブチルパーオキシ)3,3,5−
トリメチルシクロヘキサンの場合、重合温度は60〜8
5℃の範囲にする。なお、重合開始剤を2種以上併用す
る場合には、最も分解温度の低いものの温度範囲が適用
される。
【0017】ラジカル重合開始剤の分解温度より5℃低
い温度を越えた高い温度で重合すると、目的とする重量
平均分子量が100万以上の高分子量重合体粒子が得ら
れない。一方、分解温度より30℃低い温度よりも更に
低い温度で重合すると、遊離ラジカルの発生はほんの僅
かとなり、重合体を得るにはかなりの時間が必要となり
工業的に実施することができない。ラジカル重合開始剤
の分解温度より、5〜30℃低い温度範囲で重合を行な
うことによってのみ、遊離ラジカルは徐々に発生し、し
かも途中で消費消滅することもなく本発明の目的とする
重量平均分子量が100万以上の高分子量重合体粒子が
得られるものである。
【0018】またスチレン系単量体の重合転化率が少な
くとも60%に達するまでは、上記の重合温度を保持す
る必要がある。重合転化率が60%を越える以前に、開
始剤の分解温度より5℃低い温度を越える温度に昇温す
ると、急激に遊離ラジカルが発生し、比較的低い分子量
の重合体が生成してしまい好ましくない。
【0019】次いで重合転化率が60重量%を越えた
後、水性媒体の懸濁液をラジカル重合開始剤が分解する
温度以上(例えば110〜150℃)に加熱し、この温
度を約2〜20時間保持して重合を完結させる。
【0020】
【実施例】以下本発明を実施例及び比較例を挙げて更に
詳細に説明する。 (実施例1)内容積5lの重合用容器に水2000g、
ピロリン酸マグネシウム5.0g及びドデシルベンゼン
スルホン酸ソーダ0.1gを入れ、続いて懸濁重合法に
より得られた平均粒子径0.5mmのスチレン単独重合
体(GPC測定の重量平均分子量75万)500gを撹
拌しながら入れ、回転数320rpmで攪拌し、容器内
温度を80℃に昇温した後、スチレン1500gに、
1,1−ジ(t−ブチルパーオキシ)3,3,5−トリ
メチルシクロヘキサン2.25gを溶解した単量体溶液
を、連続的に1時間当たり300gの割合で、定量的に
5時間かけて添加した後、そのまま80℃で18時間保
持し重合させた。この時、一部をサンプリングして重合
転化率を測定した。その後、重合用容器を110℃に昇
温してから4時間重合を行なった。得られた重合体粒子
の重量平均分子量(Mw)をGPC(島津製作所製、カ
ラム:HSG−60×2本、HSG−40×1本、HS
G−20×1本、カラム温度:40℃、移動相:TH
F、流量:1ml/min、試料濃度:0.1W/V %、注入
量:500μl、検出器:RID−6A)で測定した。
測定結果を表1に示す。
【0021】(実施例2〜4)実施例1において、ラジ
カル重合開始剤の種類を2,2−ビス(4,4−ジ−t
−ブチルパーオキシシクロヘキシル)プロパン(実施例
2)、t−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネート
(実施例3)、2,2−ジ(ターシャリブチルパーオキ
シ)ブタン(実施例4)に変更した以外は同様に重合を
行なった。測定結果を表1に示す。
【0022】(実施例5)実施例1において、ラジカル
重合開始剤の種類を2,2−ジ(ターシャリブチルパー
オキシ)ブタンに、重合温度を90℃に変更した以外は
同様に重合を行なった。測定結果を表1に示す。
【0023】(実施例6)実施例1において、ラジカル
重合開始剤の種類をジ−t−ブチルパーオキシヘキサヒ
ドロテレフタレートに、重合温度を70℃にして28時
間保持した以外は同様に重合を行なった。測定結果を表
1に示す。
【0024】(実施例7)内容積5lの重合用容器に水
2000g、ピロリン酸マグネシウム5.0g及びドデ
シルベンゼンスルホン酸ソーダ0.1gを入れ、続いて
平均粒子径0.5mmのスチレン−アクリル酸ブチル共
重合体(スチレン75重量部、アクリル酸ブチル25重
量部、重量平均分子量65万)500g撹拌しながら入
れ、回転数320rpmで攪拌し、容器内温度を80℃
に昇温した後、スチレン1125g、アクリル酸ブチル
375gに、1,1−ジ(t−ブチルパーオキシ)3,
3,5−トリメチルシクロヘキサンを2.25gを溶解
した単量体溶液を、連続的に1時間当たり300gの割
合で定量的に添加し、そのまま80℃で18時間保持し
重合させた。この時、一部をサンプリングして重合転化
率を測定した。その後、重合用容器を密閉し、110℃
に昇温してから4時間重合を行なった。得られた重合体
粒子の重量平均分子量をGPCで測定した。測定結果を
表1に示す。
【0025】(実施例8)実施例7において、ラジカル
重合開始剤の種類を2,2−ビス(4.4−ジ−t−ブ
チルパーオキシシクロヘキシル)プロパンに変更した以
外は同様に重合を行なった。測定結果を表1に示す。
【0026】(比較例1)実施例1において、重合温度
を95℃にした以外は同様に重合を行なった。測定結果
を表1に示す。ラジカル重合開始剤の分解温度より高い
温度で重合すると、目的とする高分子量の重合体粒子は
得られなかった。
【0027】(比較例2)実施例1において、重合温度
を50℃にした以外は同様に重合を行なったが、18時
間目の重合転化率は22.0%であった。ラジカル重合
開始剤の分解温度より30℃低い温度未満の温度で重合
すると、重合は進まず、実質的に重合体は得られなかっ
た。
【0028】(比較例3)内容積5lの重合用容器に水
2000g、ピロリン酸マグネシウム5.0g及びドデ
シルベンゼンスルホン酸ソーダ0.1gを入れ、続いて
平均粒子径0.5mmのスチレン単独重合体(重量平均
分子量75万)500gを攪拌しながら入れ、続いて回
転数320rpmで攪拌し、容器内温度を80℃に昇温
した後、スチレン1500gに、1,1−ジ(t−ブチ
ルパーオキシ)3,3,5−トリメチルシクロヘキサン
2.25gを溶解した単量体溶液を、連続的に1時間当
たり300gの割合で定量的に5時間かけて定量的に添
加し、そのまま80℃で9時間保持し重合させた。この
時、一部をサンプリングして重合転化率を測定したとこ
ろ51.3重量%であった。その後、重合用容器を密閉
し、110℃に昇温してから8時間重合を行なった。得
られた重合体粒子の重量平均分子量をGPCで測定し
た。測定結果を表1に示す。重合転化率が60%に達す
るまでにラジカル重合開始剤の分解温度より5℃低い温
度を越える温度で重合すると、目的とする高分子量の重
合体粒子は得られなかった。
【0029】(比較例4)内容積5lの重合用容器に水
2000g、ピロリン酸マグネシウム5.0g及びドデ
シルベンゼンスルホン酸ソーダ0.1gを入れ、続いて
懸濁重合法により得られた平均粒子径0.5mmのスチ
レン単独重合体(重量平均分子量75万)500gを撹
拌しながら入れ、回転数320rpmで攪拌し、容器内
温度を90℃に昇温した後、スチレン1500gに、ベ
ンゾイルパーオキサイド1.5gを溶解した単量体溶液
を、連続的に1時間当たり300gの割合で定量的に5
時間かけて定量的に添加し、そのまま90℃で18時間
保持し重合させた。この時一部をサンプリングして重合
転化率を測定した。その後、重合容器を密閉し、4時間
重合を行なった。得られた重合体粒子の重量平均分子量
をGPCで測定した。測定結果を表1に示す。ベンゾイ
ルパーオキサイドの使用量が少ないだけでは、高分子量
の重合体粒子は得られなかった。
【表1】
【発明の効果】本発明方法によれば、スチレン系重合体
粒子5〜60重量部を水性媒体中に懸濁させ、この懸濁
液にスチレン系単量体95〜40重量部を添加し、ラジ
カル重合開始剤の存在下で重合させてスチレン系重合体
を製造するにあたり、重合転化率が少なくとも60重量
%に達するまでは、ラジカル重合開始剤の分解温度より
5〜30℃低い温度で重合させることにより、重量平均
分子量が100万以上の高分子量重合体粒子を容易にし
かも安定的に得ることができる。本発明により得られた
高分子量スチレン系重合体粒子は、静電荷を乾式現像す
るためのトナー用ポリマーとして好適に使用される他、
他の用途への使用も期待できるものである。

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】スチレン系重合体粒子5〜60重量部を水
    性媒体中に懸濁させ、この懸濁液にスチレン系単量体9
    5〜40重量部を添加し、ラジカル重合開始剤の存在下
    で重合させてスチレン系重合体を製造するにあたり、重
    合転化率が少なくとも60重量%に達するまでは、ラジ
    カル重合開始剤の分解温度より5〜30℃低い温度で重
    合させることにより、重量平均分子量が100万以上の
    重合体粒子を得ることを特徴とする高分子量スチレン系
    重合体粒子の製造方法。
  2. 【請求項2】ラジカル重合開始剤の分解温度が80〜1
    10℃である請求項1記載の高分子量スチレン系重合体
    の製造方法。
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