JP2715091B2 - 医療用バッグ - Google Patents

医療用バッグ

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JP2715091B2
JP2715091B2 JP63055405A JP5540588A JP2715091B2 JP 2715091 B2 JP2715091 B2 JP 2715091B2 JP 63055405 A JP63055405 A JP 63055405A JP 5540588 A JP5540588 A JP 5540588A JP 2715091 B2 JP2715091 B2 JP 2715091B2
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bag
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正年 渡辺
卓 大谷
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Kawasumi Laboratories Inc
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、血液成分を収納し、これらを分離する際に
使用される血液バッグ、血漿プールバッグ及び/又は薬
液を封入してなる輸液バッグ等の医療用バッグの改良に
関する。
[従来の技術] 現在、使用されている血液バッグ等の医療用バッグ
は、軟質のポリ塩化ビニルやポリエチレン等のポリオレ
フィン系樹脂からなり、製品として出荷する際には、高
圧蒸気滅菌処理を施して、アルミ箔、プラスチック容器
等に折畳むか又は重ねて包装して出荷している。
しかし高圧蒸気滅菌処理時における熱覆歴や包装時の
物理的圧力によって医療用バッグの袋状本体を構成する
シートの内面同士又は外面同士(例えば、血液バッグの
場合、親バッグと子バッグの場合)が密着しやすい(以
下「ブロッキング」と称す)という欠点を有していた。
そこで、これらのブロッキングを軽減もしくは解消す
るためにこれらシート内面の両方又は一方にエンボス加
工により凹凸が形成されている。
例えば、第6図に示すようになだらかな起状31を不規
則に形成したものやあるいは第7図に示すように同一形
状の突起32を規則正しく一定の間隔で形成したものがあ
る。
しかしながらこれらの凹凸の形状では、必ずしもブロ
ッキングを解消するのに満足できる程度には充分な効果
は得られなかった。
さらに近年、親バッグと子バッグから構成される血液
バッグにおいて、血液成分を分画処理するに際して、通
常親バッグ内に血液を採集した後、子バッグと共に遠心
分離バケット内に充填して遠心力を付与するため、血液
がバッグの底部に移動して親バッグの底部が該血液の圧
力に押されるため、親バッグと子バッグの底部付近にブ
ロッキングが生じやすくなっていることが確認されてい
る。
このようにブロッキングした親バッグと子バッグを引
きはがすのには、相当の力を要し必要以上の力を加える
とせっかく分離した親バッグ内の各血液成分の界面が乱
れてしまい再び遠心処理をやり直さねばならないという
問題が生じていた。
以上の課題を解決するために本発明者は、鋭意検討を
重ねた結果、次の発明に到達するに至った。
[課題を解決するための手段] (1)本発明は親バッグと子バッグからなり、前記親バ
ッグは突起を形成したシートよりなる袋状本体より構成
され、 前記袋状本体の上部の対向する内面にはそれぞれ一種
類の突起が形成され、前記袋状本体のブロッキングを生
じやすい下部の対向する内面及び前記子バッグと対向す
る外面にはそれぞれ形状及び/又は高さの異なる二種類
以上の突起を形成した医療用バッグを提供する。
(2)本発明は突起を形成したシートよりなる袋状本体
より構成され、前記袋状本体の対向する内面にそれぞれ
形状及び高さの異なる二種類の突起を交互に規則的に形
成した医療用バッグを提供する。
[実施例] 以下、血液バッグの場合について説明する。第1図
は、血液バッグ1の概略図を示す。
血液バッグ1は、採血した血液を収納する親バッグ2
と該親バッグ2中に収納された血液を収納するための第
1、第2の子バッグ3、4からなる。
親バッグ2の中には、CPD、ACD−A、ACD−B溶液等
の血液の保存液が封入されている。
親バッグ2は、供血者の血管に刺通して血液を導入す
るための採血針5、採血チューブ6、輸血口7、プロテ
クター8、連通ピース9を内部に取付けた接続チューブ
10から構成されている。
親バッグ2と子バッグ3、4は連通チューブ11、12、
13と分岐管14を介して取付けられている。
第2図は、第1図の親バッグ2と子バッグ3の袋状本
体2a、3b、4aを構成するシート15の拡大図を示す。
シート15の内面には、お互いに形状と高さの異なる突
起16、17が形成されている。
突起16は立方体で、高さh、幅wに形成され突起17は
半球状で、高さH、幅Wに形成されている。
突起16と17の高さH、h及び幅W、wの関係はH>
h、W>wの関係にある。
第3図は、シート15aの内面及び外面にお互いに形状
と高さの異なる突起16a、17aを形成したものである。
本発明の血液バッグを構成するシートの内面及び/又
は外面に形成される突起の具体的形状は、前述した立方
体、半球状のものの他に、直方体、直角柱、傾角柱、直
角錐台、直円柱、直円錐台、球状帯の特定の形状を有す
るものから選ばれる少なくとも二種類以上のものを組み
合せて形成することができる。
また三種類以上の突起を形成する場合は突起の高さ
は、少なくとも2つの突起の高さが異なっておれば良
い。
また、これら二種類以上の突起をシート表面上に配列
する態様として次の実施例が考えられる。
(1)第4図に示す様に袋状本体のブロッキングを生じ
やすい位置に二種類以上の突起を形成し、他の部分は一
種類の突起を形成した態様。
(2)第5図に示す様に袋状本体の対向する内面全域
(シートの融着部は除く)に、それぞれ形状及び高さの
異なる二種類の突起を交互に規則的に形成した態様。
以上の二種類の突起は、最大の高さHは200μ以下が
好ましく、200μ以上では血液バッグの外観、特に透明
性を阻害し、血液成分の損傷を招きやすくなる傾向があ
る。
他方最小の高さhは5μ以上が好ましい。5μ以下で
は、ブロッキングの防止効果が充分でない。
4 最大の幅Wは500μ以下が好ましく500μ以上では突
起同士の接触面積が大となり、ブロッキングが生じやす
くなる。
最小の幅wは20μ以上が好ましい。20μ以下ではブロ
ッキングに対する効果は減少するし加工も困難となる。
以上説明した本発明の血液バッグ(実施例1、実施例
2)と従来の血液バッグ(比較例1、比較例2)のブロ
ッキング防止効果について試験を行ない比較検討した。
ここで、実施例1とは、突起を第2図に示す形状(突
起16、17)及び第5図に示す配列(突起16f、17f)に形
成した一対のシートよりなる血液バッグ。
実施例2とは、突起を第3図に示す形状(突起16a、1
7a)及び第4図に示す配列(突起16e、17e)に形成した
一対のシートよりなる血液バッグ。
比較例1とは、突起を第6図に示す不規則な形状、配
列(突起31)に形成した一対のシートよりなる血液バッ
グ。
比較例2とは、突起を第7図に示す規則的な形状、配
列に形成した血液バッグである。
実施例1及び比較例1、比較例2をオートクレーブ中
で121℃で20分間高圧蒸気滅菌した後、引っ張り試験を
行ない両シートのはがれる強度を比較したところ 実施例1>比較例1>比較例2の順ではがれやすかっ
た。
また実施例2を血液成分の分画処理に用いたところ、
遠心分離後に、親バッグと子バッグの底部間のブロッキ
ングは全く認められなかった。
[発明の作用効果] 請求項1の発明では親バッグのブロッキングの生じや
すい箇所に前記それぞれ形状及び/又は高さの異なる二
種類以上の突起を形成することにより確実にブロッキン
グを防止することができる。
請求項2の発明では、シートの対向する突起の接触面
が交互に疎の部分と密の部分となるので、バッグ内に存
在する空気をバッグ内に拡散して分散しやすくなりシー
ト同士のブロッキングを減少させることができる。
等の優れた効果を有する発明である。
【図面の簡単な説明】
第1図は、血液バッグの概略図、第2図と第3図は第1
図の血液バッグを構成するシートの一部拡大図、第4図
と第5図は、2種類の以上の突起をシート表面上に配列
する場合の実施例を示す概略図、第6図、第7図は、従
来の血液バッグを構成するシートの一部拡大図、 図中、1は血液バッグ、2は親バッグ、3、4は子バッ
グ、5は採血針、6は採血チューブ、7は輸血口、8は
プロテクター、9は連通ピース、10は接続チューブ、1
1、12、13は連結チューブ、14は分岐管、15、15a、15
e、15fはシート、16、16a、16e、16f、17、17a、17e、1
7fは突起を示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭60−246757(JP,A) 特開 昭62−201154(JP,A) 実開 昭61−26538(JP,U) 特表 平1−502489(JP,A)

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】親バッグと子バッグからなり、前記親バッ
    グは突起を形成したシートよりなる袋状本体より構成さ
    れ、 前記袋状本体の上部の対向する内面にはそれぞれ一種類
    の突起が形成され、前記袋状本体のブロッキングを生じ
    やすい下部の対向する内面及び前記子バッグと対向する
    外面にはそれぞれ形状及び/又は高さの異なる二種類以
    上の突起を形成した、ことを特徴とする医療用バッグ。
  2. 【請求項2】突起を形成したシートよりなる袋状本体よ
    り構成され、前記袋状本体の対向する内面にそれぞれ形
    状及び高さの異なる二種類の突起を交互に規則的に形成
    したことを特徴とする医療用バッグ。
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