JP4316744B2 - 包装されたプレフィルドシリンジ - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、包装されたプレフィルドシリンジに関する。
【0002】
【従来の技術】
患者に輸液を投与するのに先立って、輸液容器内に充填された輸液にビタミン剤、ミネラル類、抗生物質のような様々な薬剤を必要に応じて配合することが行われている。また、救急医療の現場では注射器によって自律神経作用薬、昇圧薬などの複数併用および大量投与が行われている。このような薬剤の配合や投与は、バイアル瓶から注射器によって薬液を吸引し、次いで輸液容器あるいは直接血管に薬液を注入することによって行われている。しかしながら、このような薬剤の配合および投与は操作が煩雑であり、配合に要する時間、投与に要する時間が長くかかるという欠点がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
そこで、予め薬液が充填されるいわゆるプレフィルドシリンジが提案されている。プレフィルドシリンジは、包装容器に収納された状態にて提供される。
従来の容器は、ブリスター成形されたボトム材(容器本体)とボトム材の天面開口部に剥離可能に接着されたシート状のトップ材(封止フィルム)とからなり、ボトム材の底部は、収納される注射器に外部からの衝撃が伝わらないように極力注射器が該底部に接触しないような形状を有している。
しかし、実際は注射器との距離をある程度とっていても、底部に与えられた衝撃は注射器に充填された薬液に気泡を発生させる等の問題が生じてしまう場合があった。
そこで、本発明の第1の目的は、容器底部に衝撃が与えられても、その衝撃がシリンジに伝達されにくくすることができるプレフィルドシリンジ用収納容器を用いた包装されたプレフィルドシリンジを提供するものである。
また、本発明の第2の目的は、プレフィルドシリンジの容器内での水平前後方向の移動を確実に抑制し、シリンジの後端部(プランジャーの押圧版)に容器本体を介して外部より衝撃が伝達されにくくすることができるプレフィルドシリンジ用収納容器を用いた包装されたプレフィルドシリンジを提供するものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】
上記第1の目的を達成するものは、以下のものである。
(1)プレフィルドシリンジ用収納容器本体と、外筒と該外筒内に収納されたガスケットおよび該ガスケットに取り付けられたプランジャーと前記外筒内に収納された薬液とを備え、かつ前記収納容器本体のプレフィルドシリンジ収納用凹部に収納されたプレフィルドシリンジと、該プレフィルドシリンジを収納した前記容器本体の凹部開口を封止する剥離可能な封止フィルムとからなる包装されたプレフィルドシリンジであって、前記プレフィルドシリンジ用収納容器本体の前記プレフィルドシリンジ収納用凹部は、前記外筒の注射針取付部付近を実質的に接触することなく収納する外筒先端部収納部と、前記外筒の中間部の外周面に接触するとともに外筒の水平横方向の移動を阻止および垂直方向の移動を規制するように外筒の中間部を収納する外筒中間部収納保持部と、該外筒中間部収納保持部の底部に設けられ、前記外筒外面と接触しない軸方向に延びる保護用凹部と、前記外筒の基端部でありかつフランジ形成部分より先端側部分を実質的に接触することなく収納する外筒基端部収納部と、前記外筒のフランジ形成部分を収納するフランジ形成部分収納部と、前記プランジャー部分を収納するプランジャー収納部とを備え、前記外筒先端部収納部は、前記シリンジが前記収納容器本体内において最も先端側に寄った状態において、前記シリンジの前記外筒の先端と前記外筒先端部収納部の先端側面間には隙間が形成され、前記プランジャー収納部は、前記シリンジが前記収納容器本体内において最も後端側に寄った状態において、前記プランジャーの後端に設けられた押圧板と前記プランジャー収納部の基端側面との間に間隙を形成する状態にて該プランジャー部分を収納可能な大きさを備え、さらに、前記外筒中間部収納保持部は、所定長さ長手方向に延びかつ内径が前記外筒の外径とほぼ等しい断面円弧状部分と、該断面円弧状部分より上方に広がるように延びる平板部分からなり、前記断面円弧状部分と前記平板部分の境界である屈曲部間の距離は、前記外筒の外径より若干小さいものとなっている包装されたプレフィルドシリンジ。
(2) 前記外筒基端部収納部の底面には、前記外筒の外面に接触可能な平坦突出面を備える外筒保持補助用突出部が設けられており、かつ該外筒保持補助用突出部の平坦突出面の高さは、前記断面円弧状部分の最低部とほぼ同じ高さとなっている(1)に記載の包装されたプレフィルドシリンジ。
(3) 前記外筒先端部収納部は、シリンジ収納時の前記外筒の注射針取付部の中心線の延長線が通過する先端側面に前記収納容器本体の内側もしくは外側に突出する複数の変形抑制用突出部を備えている(1)または(2)に記載の包装されたプレフィルドシリンジ。
【0005】
そして、第2の目的を達成するものは、以下のものである。
(4) プレフィルドシリンジ用収納容器本体と、外筒と該外筒内に収納されたガスケットおよび該ガスケットに取り付けられたプランジャーと前記外筒内に収納された薬液とを備え、かつ前記収納容器本体のプレフィルドシリンジ収納用凹部に収納されたプレフィルドシリンジと、該プレフィルドシリンジを収納した前記容器本体の凹部開口を封止する剥離可能な封止フィルムとからなる包装されたプレフィルドシリンジであって、前記プレフィルドシリンジ用収納容器本体の前記プレフィルドシリンジ収納用凹部は、前記外筒の注射針取付部付近を実質的に接触することなく収納する外筒先端部収納部と、前記外筒の中間部の外周面に接触するとともに外筒の水平横方向の移動を阻止および垂直方向の移動を規制するように外筒の中間部を収納する外筒中間部収納保持部と、該外筒中間部収納保持部の底部に設けられ、前記外筒外面と接触しない軸方向に延びる保護用凹部と、前記外筒の基端部でありかつフランジ形成部分より先端側部分を実質的に接触することなく収納する外筒基端部収納部と、前記外筒のフランジ形成部分を収納するフランジ形成部分収納部と、該フランジ形成部分収納部の先端側に設けられ、前記フランジが当接可能な外筒先端側移動抑制部と、前記フランジ形成部分収納部の後端側に設けられ、前記フランジが当接可能な外筒後端側移動抑制部と、該外筒後端側移動抑制部に前記外筒の前記フランジが当接する状態においてもプランジャーの後端に設けられた押圧板との間に間隙を形成する状態にて前記プランジャー部分を収納するプランジャー収納部とを備え、前記外筒先端部収納部は、前記シリンジの前記フランジが前記外筒先端側移動抑制部に当接する状態において、前記シリンジの前記外筒の先端と前記外筒先端部収納部の先端側面間には隙間が形成されるものであり、
さらに、前記外筒中間部収納保持部は、所定長さ長手方向に延びかつ内径が前記外筒の外径とほぼ等しい断面円弧状部分と、該断面円弧状部分より上方に広がるように延びる平板部分からなり、前記断面円弧状部分と前記平板部分の境界である屈曲部間の距離は、前記外筒の外径より若干小さいものとなっているプレフィルドシリンジ。
(5) 前記プランジャー収納部は、後端側面に前記収納容器本体の内側もしくは外側に突出する複数の変形抑制用突出部を備えている(1)ないし(4)のいずれかに記載の包装されたプレフィルドシリンジ
(6) 前記外筒基端部収納部の底面には、前記外筒の外面に接触可能な平坦突出面を備える外筒保持補助用突出部が設けられており、かつ該外筒保持補助用突出部の平坦突出面の高さは、前記断面円弧状部分の最低部とほぼ同じ高さとなっている(4)または(5)に記載の包装されたプレフィルドシリンジ。
【0008】
【発明の実施の形態】
そこで、本発明のプレフィルドシリンジ用収納容器および該容器により包装されたプレフィルドシリンジを図面に示す実施例を用いて説明する。
図1は、本発明の一実施例の包装されたプレフィルドシリンジの平面図であり、図2は、図1に示した包装されたプレフィルドシリンジの正面図であり、図3は、図1に示した包装されたプレフィルドシリンジより封止フィルムを剥離した状態を示す図(言い換えれば、本発明の一実施例のプレフィルドシリンジ用収納容器の容器本体にプレフィルドシリンジを収納した状態を示す図)であり、図4は、図1に示した包装されたプレフィルドシリンジならびに本発明のプレフィルドシリンジ用収納容器に使用される容器本体の一例の平面図であり、図5は、図1に示した包装されたプレフィルドシリンジの左側面図であり、図6は、図1のA−A線断面図であり、図7は、図1のB−B線断面図であり、図8は、図1のC−C線断面図であり、図9は、図1のD−D線断面図である。図10は、他の実施例のプレフィルドシリンジ用収納容器に使用される容器本体の一例の平面図であり、図11は、図10の右側面図である。図12は、プレフィルドシリンジ用収納容器の容器本体と封止フィルムのシール形態を説明するための説明図である。
そこで、図面を用いて詳細に説明する。
【0009】
本発明のプレフィルドシリンジ用収納容器10は、外筒11と外筒11内に収納されたガスケット13およびガスケット13に取り付けられたプランジャー14と外筒11内に収納された薬剤とを備えるプレフィルドシリンジ5のための容器である。プレフィルドシリンジ用収納容器10は、プレフィルドシリンジ収納用凹部23を備える容器本体21と、容器本体21の凹部開口を封止する剥離可能な封止フィルム22とからなる。容器本体21のプレフィルドシリンジ収納用凹部23は、外筒11の注射針取付部付近を実質的に接触することなく収納する外筒先端部収納部24と、外筒11の中間部の外周面に接触するとともに外筒11の水平横方向の移動を阻止するように外筒11の中間部を収納する外筒中間部収納保持部25と、外筒中間部収納保持部の底部に設けられ、外筒外面と接触しない軸方向に延びる保護用凹部26と、外筒11の基端部でありかつフランジ形成部分より先端側部分を実質的に接触することなく収納する外筒基端部収納部27と、外筒11のフランジ形成部分を収納するフランジ形成部分収納部28と、プランジャー14部分を収納するプランジャー収納部29とを備えている。
【0010】
また、本発明のプレフィルドシリンジ用収納容器10は、外筒11と外筒11内に収納されたガスケット13およびガスケット13に取り付けられたプランジャー14と外筒11内に収納された薬剤とを備えるプレフィルドシリンジ5のための容器である。プレフィルドシリンジ用収納容器10は、プレフィルドシリンジ収納用凹部23を備える容器本体21と、容器本体21の凹部開口を封止する剥離可能な封止フィルム22とからなる。容器本体21のプレフィルドシリンジ収納用凹部23は、外筒11の注射針取付部付近を実質的に接触することなく収納する外筒先端部収納部24と、外筒11の中間部の外周面に接触するとともに外筒11の水平横方向の移動を阻止するように外筒11の中間部を収納する外筒中間部収納保持部25と、外筒11の基端部でありかつフランジ形成部分より先端側部分を実質的に接触することなく収納する外筒基端部収納部27と、外筒11のフランジ形成部分を収納するフランジ形成部分収納部28と、フランジ形成部分収納部の先端側に設けられ、フランジ16が当接可能な外筒先端側移動抑制部31と、フランジ形成部分収納部の後端側に設けられ、フランジ16が当接可能な外筒後端側移動抑制部32と、外筒後端側移動抑制部に外筒11のフランジ16が当接する状態においてもプランジャー14の後端に設けられた押圧板との間に間隙を形成する状態にてプランジャー部分を収納するプランジャー収納部29とを備えている。
【0011】
そして、本発明の包装されたプレフィルドシリンジ1は、図1ないし図9に示すように、上述したようなプレフィルドシリンジ用収納容器10と、収納容器の容器本体21に収納されたプレフィルドシリンジ5とからなり、プレフィルドシリンジ5は、容器本体21のプレフィルドシリンジ収納用凹部に収納され、かつ、プレフィルドシリンジ5を収納した容器本体21の凹部開口が剥離可能な封止フィルム22により封止されている。
【0012】
本発明において包装対象であるプレフィルドシリンジ5は、図3に示すように、外筒11と、外筒11内に摺動可能に収納されたガスケット13と、ガスケットに取り付けられたプランジャー14と、外筒11の注射器の注射針取付部に取り付けられたシールキャップ12と、外筒11とガスケット13とシールキャップ12により形成される空間内に収納された薬剤とを備えている。
外筒11は、透明もしくは半透明材料により、好ましくは、酸素透過性の少ない材料により形成された筒状体であり、先端には、先端が開口するとともに先端に向かってテーパー状となっている注射針取付部が、後端には、垂直方向に突出する環状かつ平板状のフランジ16が設けられている。フランジ16は、向かい合う幅広となった2つの把持部を備えている。ガスケット13は、ほぼ同一外径にて延びる本体部と、この本体部に設けられた3つの環状リブを備え、これらリブが、外筒11の内面に液密に接触する。そして、ガスケット13には、その後端部より内部に延びる凹部が設けられ、この凹部は、雌ねじ状となっており、プランジャー14の先端部に形成された突出部41の外面に形成された雄ねじ部と螺合可能となっている。両者が螺合することにより、プランジャー14は、ガスケット13より離脱しない。なお、プランジャー14は、取り外しておき、使用時に取り付けるようにしてもよい。プランジャー14は、上述したように、先端部に筒状に突出する突出部41を備え、突出部の外面には雄ねじが形成されている。また、プランジャー14は、断面十字状の軸方向に延びる本体部42と、後端部に設けられた押圧板43と備えている。そして、外筒11の先端には、シールキャップ12が液密に取り付けられている。
【0013】
そして、プレフィルドシリンジ5には、図7および図8に示すように、外筒11とガスケット13とシールキャップ12により形成される空間内に薬剤15が収納されている。薬剤としては、生理食塩水、高濃度塩化ナトリウム注射液、ビタミン剤、ミネラル類、抗生物質などの薬液、さらには、粉末状もしくは凍結乾燥薬剤が使用される。
プレフィルドシリンジ用収納容器10は、プレフィルドシリンジ収納用凹部23を備える容器本体21と、容器本体21の凹部開口を封止する剥離可能な封止フィルム22とからなる。
プレフィルドシリンジ収納用凹部23は、図1ないし図4に示すように、収納されるシリンジ5の外筒11の先端側より、外筒先端部収納部24、外筒中間部収納保持部25と、外筒基端部収納部27、外筒先端側移動抑制部31、フランジ形成部分収納部28と、外筒後端側移動抑制部32、プランジャー収納部29の順に各部を備えている。
【0014】
外筒先端部収納部24は、図1および図1のA−A線断面図である図6に示すように、外筒11の注射針取付部付近を実質的に接触することなく収納可能な十分の大きさを有するように形成されており、外筒先端部収納部24の底部には、図2および図4に示すように、補強用、言い換えれば変形抑制用の線状凸部24bが長手方向に延びるように形成されている。線状凸部は、容器本体21の内側に突出するとともに、収納されるシリンジ5の中心軸とほぼ平行となっている。さらに、外筒先端部収納部24は、図3、図4および図5に示すように、シリンジ収納時の外筒11の注射針取付部の中心線の延長線が通過する先端側面に連続して延び、かつ容器内側に突出する複数の変形抑制用(補強用)突出部24aを備えている。この実施例では、線状凸部24bと変形抑制用突出部24aは連続したものとなっており、突出部24aは、容器本体21の底面より垂直に上方に延びている。なお、線状凸部24bと変形抑制用突出部24aは、容器本体21の外側に突出する突出部であってもよい。そして、図2に示すように、シリンジ5の外筒11の先端部と外筒先端部収納部24間、言い換えれば、外筒先端部収納部24の底部には、必要により脱酸素剤もしくは乾燥剤が収納され、これらも衝撃吸収剤として機能する。また、図2に示すように、シリンジ5のフランジ16が後述する外筒後先端側移動抑制部31に当接する状態においても、言い換えれば、シリンジ5が収納容器内において最も先端側に寄った状態においても、シリンジ5の外筒11の先端(この実施例では、シールキャップの先端)と外筒先端部収納部24の突出部24aが形成された先端側面間には隙間が形成されている。このため、外筒先端部収納部24の先端側面に衝撃が加わってもそれがシリンジ5に伝達されにくいものとなっている。さらに、外筒先端部収納部24は、先端側面に突出部24aを備えるため、衝撃負荷時における外筒先端部収納部24の先端側の変形が少なく、シリンジ5先端への衝撃が伝達をより少ないものとしている。
【0015】
外筒中間部収納保持部25は、図3および図1のB−B線断面図である図7に示すように、シリンジ5の外筒11の中間部の外周面にかなりの面積を持って接触するとともに外筒11の水平横方向の移動を阻止するように外筒11の中間部を収納するとともに保持する部分である。外筒中間部収納保持部25は、所定長さ長手方向に延びかつ内径が外筒11の外径とほぼ等しい断面円弧状部分(破断円筒状部分)25aと、断面円弧状部分25aより上方に広がるように延びる平板部分25bからなっている。このため、容器内に収納したシリンジ5の水平方向への移動を規制している。さらに、断面円弧状部分25aと平板部分25bの境界である屈曲部間の距離は、外筒11の外径より若干小さいものとなっている。このため、容器内に収納したシリンジ5の垂直方向への移動も規制している。さらに、外筒中間部収納保持部25の底部には、外筒外面と接触しない軸方向に延びる保護用凹部26が設けられている。この保護用凹部26を設けることにより、外筒中間部収納保持部25の底部に衝撃が加わっても、保護用凹部26部分が緩衝し衝撃が外筒に伝達されることを抑制する。
【0016】
外筒基端部収納部27は、シリンジ5を取り出す際にシリンジ5の保持を行うための部位であり、外筒11の基端部でありかつフランジ形成部分より先端側部分を実質的に接触することなく収納可能であり、かつ、指を入れて外筒基端部部分を把持できる大きさを有している。さらに、外筒基端部収納部27の底面には、図2、図4および図8に示すように、外筒11の外面に接触可能な平坦突出面を備える外筒保持補助用突出部33が設けられている。この外筒保持補助用突出部33の平坦突出面の高さは、断面円弧状部分25aの最低部とほぼ同じ高さとなっており、シリンジ5を容器本体21内においてほぼ平行となるように保持する。このため、容器本体21に収納されたシリンジ5は、図2に示すように、後述するフランジ収納部に収納されたフランジ16の底部がフランジ収納部の底面に接触しないので、容器本体21の底面に衝撃が加わっても、フランジ下端への伝達を抑制している。なお、この実施例では、外筒保持補助用突出部33は、容器本体21の長手方向に直交する方向に長い平坦突出面を備えるものとなっているがこれに限られるものではなく、平坦突出面は、容器本体21の長手方向に平行に長いもの、もしくは円形、多角形状であってもよい。
【0017】
フランジ形成部分収納部28は、フランジ16の向かい合う幅広の部分がフランジ形成部分収納部28の左右端(図3では、上下)に位置する状態において収納可能な幅を備えている。また、フランジ形成部分収納部28は、あまり長くないものの容器本体21の長手方向に所定の長さを備えている。そして、フランジ形成部分収納部28の先端側には、フランジ16が当接可能な、具体的には、フランジ16の向かい合う幅広の部分の端部が当接可能な外筒先端側移動抑制部31が設けられている。また、フランジ形成部分収納部28の後端側には、フランジ16が当接可能な、具体的には、フランジ16の向かい合う幅広の部分の端部が当接可能なと外筒後端側移動抑制部32が設けられている。外筒後端側移動抑制部32は、後述するプランジャー収納部29の端部でもある。このため、シリンジ5のフランジ部分は、外筒先端側移動抑制部31と外筒後端側移動抑制部32間に位置するフランジ形成部分収納部28内に収納されるとともにフランジ形成部分収納部28を越えて水平方向前後に移動しない。さらに、フランジ形成部分収納部において、把持されていないので、シリンジ5を容器本体21より取り出す際の障害にならず、シリンジ5の取り出しも容易である。
【0018】
プランジャー収納部29は、この実施例では、外筒後端側移動抑制部に外筒11のフランジ16が当接する状態においても、言い換えれば、シリンジ5が収納容器内において最も後端側に寄った状態においても、プランジャー14の後端に設けられた押圧板43との間に間隙を形成する状態にてプランジャー部分を収納可能な大きさを備えている。このため、プランジャー収納部29の後端側面29aに衝撃が加わってもそれがプランジャー14に伝達されにくいものとなっている。さらに、図10および図11に示す容器本体21の変形例のように、プランジャー収納部29の後端側面に複数の容器本体21内に突出する変形抑制用突出部45を設けてもよい。このようにすることにより、プランジャー収納部29の後端側面への衝撃負荷時における後端面の変形が少なく、プランジャー14への衝撃伝達をより少ないものとすることができる。なお、突出部45は、容器外側に突出するものであってもよい。
【0019】
容器本体21の材質としては、ある程度の強度と硬度を有することが好ましく、例えば、ポリプロピレン、ポリエチレンなどポリオレフィン、塩化ビニル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリスチレン/ポリプロピレン樹脂などが好適に使用でき、さらに、それらの透明性を有するものがより好ましい。また、シリンジに収納される薬剤が光の影響を受けやすい場合には、容器本体の形成材料に、各種顔料、紫外線吸収剤を含有させてもよい。さらに、上記樹脂にガス難透過性および水蒸気難透過性を有する樹脂(例えば、ポリ塩化ビニリデン、エチレンービニルアルコール共重合体、ポリエチレンテレフタレート)からなる厚さ30〜70μm程度の層を備えることが好ましい。具体的には、ポリエチレンテレフタレート/エチレン−ビニルアルコール共重合体/ポリプロピレンの三層からなるもの(ガスバリヤー性仕様)、ポリプロピレン単独からなるものが好適である。
【0020】
容器本体21の上面には、プレフィルドシリンジ収納用凹部を封止するように封止フィルム22が気密に固着されている。
封止フィルム22は、ガスバリヤー性フィルムと、このガスバリヤー性フィルムの下面の少なくとも外周部分に固着された接着性樹脂層と、ガスバリヤー性フィルムの上面に設けられた表面保護層から形成されているものが好ましい。ガスバリヤー性フィルムは、容器内部からの水分の透過、または外部からの酸素の透過を抑制する。ガスバリヤー性フィルムとしては、アルミニウム、銀、金などの金属箔またはアルミニウム、銀、金などが表面に蒸着された金属蒸着フィルム、SiOなどが表面に蒸着された無機物蒸着フィルム、ガスバリヤー性樹脂フィルム、例えば、ポリ塩化ビニリデン、ポリ塩化ビニリデン−ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン−アクリル酸エステル共重合体、高密度ポリエチレン等のフィルムが好適に使用できる。
【0021】
接着性樹脂層は、ガスバリヤー性フィルムと容器本体21を剥離可能にヒートシールするためのものであり、次のような種々の易剥離機構を利用することができる。例えば、容器本体21のヒートシール面にポリプロピレンを用いる場合は、接着性樹脂層として、エチレン−酢酸ビニル系樹脂、エチレン−アクリル酸系樹脂、ポリプロピレンとポリエチレンとをブレンドしたものなどのオレフィン系樹脂や2液硬化型ウレタン系ドライラミネート接着剤などが好適に使用できる。また、容器本体21として、ポリ塩化ビニルを用いる場合は、接着性樹脂層として、エチレン−酢酸ビニル系樹脂、エチレン−アクリル酸系樹脂などのオレフィン系樹脂、ポリスチレンにスチレン−ブタジエンブロック共重合体をブレンドしたもの、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体や、2液硬化型ウレタン系ドライラミネート接着剤などが好適に使用できる。さらに、容器本体21として、ポリエステルを用いる場合は、エチレン−酢酸ビニル系樹脂、エチレン−アクリル酸系樹脂などのオレフィン系樹脂、コポリエステルや2液硬化型ウレタン系ドライラミネート接着剤が好適に使用できる。
【0022】
表面保護層としては、合成樹脂、例えば、ポリエステル、ポリプロピレン、ポリエチレン、ナイロン、PET、エポキシ樹脂、ポリアミド樹脂をコーティングすること、または上記の合成樹脂製フィルム、紙などを張り合わせることにより形成することが好ましい。そして、この表面保護層は、収納されるシリンジ5に充填された薬剤の名称、充填量などの必要事項を記載するための印刷層としても使用できる。なお、表面保護層とガスバリヤー性フィルム間に白色インキ等の遮光性材料を介在させて、遮光フィルムとしてもよい。
封止フィルム22の具体例としては、ポリエチレンテレフタレート/エチレン−ビニルアルコール共重合体/延伸ナイロン/接着性樹脂の4層からなるもの(ガスバリヤー性仕様)、ポリエチレンテレフタレート/延伸ナイロン/接着性樹脂の3層からなるものが考えられる。
【0023】
次に、図12を用いて、本発明の包装されたプレフィルドシリンジ1における容器本体21と封止フィルム22のシール形態について説明する。なお、シールとしては、ヒートシールを用いて説明するが、これに限らず接着剤を用いてもよい。
図12に示すように、包装されたプレフィルドシリンジ1は、使用時に封止フィルム22を剥離する際に把持するための非シール部分51がシリンジ5のプランジャー14の後端側に設けられている。そして、シール部分は、非シール部分51側より、第1のシール部分52、第2のシール部分53、第3のシール部分54を備えている。第1のシール部分52は、他のシール部分より幅が狭いもののフルシールされているため十分なシール強度を備えるとともに剥離時の抵抗もあまり大きくない。さらに、使用時までに、非シール部分51の角より外力が加わっても、第1のシール部分52に部分的剥離が生じにくいように、第1のシール部分52の角部分は内側に窪んだ形状としている。第2のシール部分53は、いわゆるパートシールされており、図12に示すように円形部分は非シール部分となっている。このため、シール幅は広いものの剥離のための力は、第1のシール部分より少なくてよい。このため、剥離時に、第1のシール部分の剥離が終了するとその勢いで容易に第2のシール部分を剥離できる。そして、第3のシール部分54もいわゆるパートシールされており、図12に示すように円形部分は非シール部分となっている。しかし、第3のシール部分54は、第2のシール部分53より非シール部分が少なく、第2のシール部分を剥離するための力よりも大きい力が必要となる。このため、剥離作業者は、第2のシール部分までの剥離が完了したことを知ることができる。第2のシール部分の端部は、シリンジ5を容器本体21より取り出す際に把持する部位となる外筒基端部収納部27に位置しているため、第2のシール部分までの剥離が完了すれば、容器本体21よりシリンジ5の取り出し作業を行うことが可能である。よって、投与作業時においては、ここまでの剥離を行えば十分である。そして、容器廃棄時には、分別するために、第3のシール部分を剥離することにより、容器本体21より封止フィルム22を完全に取り外すことも可能であり、第3のシール部分はパートシールされているためその剥離作業も容易である。なお、第3のシール部分は、必ずしも第2のシール部分とシール形態を異なるものとする必要はなく、第1のシール部分を除くシール部分(第2のシール部分および第3のシール部分)は同じシール形態(例えば、上述した第2のシール形態もしくは第3のシール形態)であってもよい。
【0024】
【発明の効果】
本発明の包装されたプレフィルドシリンジでは、プレフィルドシリンジ用収納容器本体と、外筒と外筒内に収納されたガスケットおよびガスケットに取り付けられたプランジャーと外筒内に収納された薬液とを備え、かつ収納容器本体のプレフィルドシリンジ収納用凹部に収納されたプレフィルドシリンジと、プレフィルドシリンジを収納した容器本体の凹部開口を封止する剥離可能な封止フィルムとからなる包装されたプレフィルドシリンジであって、プレフィルドシリンジ用収納容器本体のプレフィルドシリンジ収納用凹部は、外筒の注射針取付部付近を実質的に接触することなく収納する外筒先端部収納部と、外筒の中間部の外周面に接触するとともに外筒の水平横方向の移動を阻止および垂直方向の移動を規制するように外筒の中間部を収納する外筒中間部収納保持部と、外筒中間部収納保持部の底部に設けられ、外筒外面と接触しない軸方向に延びる保護用凹部と、外筒の基端部でありかつフランジ形成部分より先端側部分を実質的に接触することなく収納する外筒基端部収納部と、外筒のフランジ形成部分を収納するフランジ形成部分収納部と、プランジャー部分を収納するプランジャー収納部とを備え、外筒先端部収納部は、シリンジが収納容器本体内において最も先端側に寄った状態において、シリンジの外筒の先端と外筒先端部収納部の先端側面間には隙間が形成され、プランジャー収納部は、シリンジが収納容器本体内において最も後端側に寄った状態において、プランジャーの後端に設けられた押圧板とプランジャー収納部の基端側面との間に間隙を形成する状態にてプランジャー部分を収納可能な大きさを備え、さらに、外筒中間部収納保持部は、所定長さ長手方向に延びかつ内径が外筒の外径とほぼ等しい断面円弧状部分と、断面円弧状部分より上方に広がるように延びる平板部分からなり、断面円弧状部分と平板部分の境界である屈曲部間の距離は、外筒の外径より若干小さいものとなっている
このため、容器本体底部、特に、外筒中間部収納保持部底部に衝撃が与えられても、その衝撃が、保護用凹部により緩衝されるため、シリンジに伝達されにくく、シリンジ内の薬剤の泡立ち、さらには、シリンジの破損、薬液漏れなどを防止することができる。さらに、断面円弧状部分と平板部分の境界である屈曲部間の距離は、外筒の外径より若干小さいものとなっているので、容器内に収納したシリンジの垂直方向への移動も規制する。
【0026】
また、本発明の包装されたプレフィルドシリンジでは、プレフィルドシリンジ用収納容器本体のプレフィルドシリンジ収納用凹部は、外筒の注射針取付部付近を実質的に接触することなく収納する外筒先端部収納部と、外筒の中間部の外周面に接触するとともに外筒の水平横方向の移動を阻止および垂直方向の移動を規制するように外筒の中間部を収納する外筒中間部収納保持部と、外筒中間部収納保持部の底部に設けられ、外筒外面と接触しない軸方向に延びる保護用凹部と、外筒の基端部でありかつフランジ形成部分より先端側部分を実質的に接触することなく収納する外筒基端部収納部と、外筒のフランジ形成部分を収納するフランジ形成部分収納部と、フランジ形成部分収納部の先端側に設けられ、フランジが当接可能な外筒先端側移動抑制部と、フランジ形成部分収納部の後端側に設けられ、フランジが当接可能な外筒後端側移動抑制部と、外筒後端側移動抑制部に外筒のフランジが当接する状態においてもプランジャーの後端に設けられた押圧板との間に間隙を形成する状態にてプランジャー部分を収納するプランジャー収納部とを備え、外筒先端部収納部は、シリンジのフランジが外筒先端側移動抑制部に当接する状態において、シリンジの外筒の先端と外筒先端部収納部の先端側面間には隙間が形成されるものであり、さらに、外筒中間部収納保持部は、所定長さ長手方向に延びかつ内径が外筒の外径とほぼ等しい断面円弧状部分と、断面円弧状部分より上方に広がるように延びる平板部分からなり、断面円弧状部分と平板部分の境界である屈曲部間の距離は、外筒の外径より若干小さいものとなっている。
このため、容器本体底部、特に、外筒中間部収納保持部底部に衝撃が与えられても、その衝撃が、保護用凹部により緩衝されるため、シリンジに伝達されにくく、さらに、プレフィルドシリンジの容器内での水平前後方向の移動を確実に抑制し、シリンジの後端部(プランジャーの押圧版)に容器本体を介して外部より衝撃が伝達されにくいため、シリンジ内の薬剤の泡立ち、さらには、シリンジの破損、薬液漏れなどを防止することができる。さらに、断面円弧状部分と平板部分の境界である屈曲部間の距離は、外筒の外径より若干小さいものとなっているので、容器内に収納したシリンジの垂直方向への移動も規制する。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の一実施例の包装されたプレフィルドシリンジの平面図である。
【図2】図2は、図1に示した包装されたプレフィルドシリンジの正面図である。
【図3】図3は、図1に示した包装されたプレフィルドシリンジより封止フィルムを剥離した状態を示す図である。
【図4】図4は、図1に示した包装されたプレフィルドシリンジならびに本発明のプレフィルドシリンジ用収納容器に使用される容器本体の一例の平面図である。
【図5】図5は、図1に示した包装されたプレフィルドシリンジの左側面図である。
【図6】図6は、図1のA−A線断面図である。
【図7】図7は、図1のB−B線断面図である。
【図8】図8は、図1のC−C線断面図である。
【図9】図9は、図1のD−D線断面図である。
【図10】図10は、他の実施例のプレフィルドシリンジ用収納容器に使用される容器本体の一例の平面図である。
【図11】図11は、図10の右側面図である。
【図12】図12は、プレフィルドシリンジ用収納容器の容器本体と封止フィルムのシール形態を説明するための説明図である。
【符号の説明】
1 包装されたプレフィルドシリンジ
5 プレフィルドシリンジ
10 プレフィルドシリンジ用収納容器
21 容器本体
22 封止フィルム
23 プレフィルドシリンジ収納用凹部
24 外筒先端部収納部
25 外筒中間部収納保持部
27 外筒基端部収納部
28 フランジ形成部分収納部
31 外筒先端側移動抑制部
29 プランジャー収納部
32 外筒後端側移動抑制部

Claims (6)

  1. プレフィルドシリンジ用収納容器本体と、外筒と該外筒内に収納されたガスケットおよび該ガスケットに取り付けられたプランジャーと前記外筒内に収納された薬液とを備え、かつ前記収納容器本体のプレフィルドシリンジ収納用凹部に収納されたプレフィルドシリンジと、該プレフィルドシリンジを収納した前記容器本体の凹部開口を封止する剥離可能な封止フィルムとからなる包装されたプレフィルドシリンジであって、
    前記プレフィルドシリンジ用収納容器本体の前記プレフィルドシリンジ収納用凹部は、前記外筒の注射針取付部付近を実質的に接触することなく収納する外筒先端部収納部と、前記外筒の中間部の外周面に接触するとともに外筒の水平横方向の移動を阻止および垂直方向の移動を規制するように外筒の中間部を収納する外筒中間部収納保持部と、該外筒中間部収納保持部の底部に設けられ、前記外筒外面と接触しない軸方向に延びる保護用凹部と、前記外筒の基端部でありかつフランジ形成部分より先端側部分を実質的に接触することなく収納する外筒基端部収納部と、前記外筒のフランジ形成部分を収納するフランジ形成部分収納部と、前記プランジャー部分を収納するプランジャー収納部とを備え
    前記外筒先端部収納部は、前記シリンジが前記収納容器本体内において最も先端側に寄った状態において、前記シリンジの前記外筒の先端と前記外筒先端部収納部の先端側面間には隙間が形成され、前記プランジャー収納部は、前記シリンジが前記収納容器本体内において最も後端側に寄った状態において、前記プランジャーの後端に設けられた押圧板と前記プランジャー収納部の基端側面との間に間隙を形成する状態にて該プランジャー部分を収納可能な大きさを備え、
    さらに、前記外筒中間部収納保持部は、所定長さ長手方向に延びかつ内径が前記外筒の外径とほぼ等しい断面円弧状部分と、該断面円弧状部分より上方に広がるように延びる平板部分からなり、前記断面円弧状部分と前記平板部分の境界である屈曲部間の距離は、前記外筒の外径より若干小さいものとなっているものであることを特徴とする包装されたプレフィルドシリンジ。
  2. 前記外筒基端部収納部の底面には、前記外筒の外面に接触可能な平坦突出面を備える外筒保持補助用突出部が設けられており、かつ該外筒保持補助用突出部の平坦突出面の高さは、前記断面円弧状部分の最低部とほぼ同じ高さとなっている請求項1に記載の包装されたプレフィルドシリンジ。
  3. 前記外筒先端部収納部は、シリンジ収納時の前記外筒の注射針取付部の中心線の延長線が通過する先端側面に前記収納容器本体の内側もしくは外側に突出する複数の変形抑制用突出部を備えている請求項1または2に記載の包装されたプレフィルドシリンジ。
  4. プレフィルドシリンジ用収納容器本体と、外筒と該外筒内に収納されたガスケットおよび該ガスケットに取り付けられたプランジャーと前記外筒内に収納された薬液とを備え、かつ前記収納容器本体のプレフィルドシリンジ収納用凹部に収納されたプレフィルドシリンジと、該プレフィルドシリンジを収納した前記容器本体の凹部開口を封止する剥離可能な封止フィルムとからなる包装されたプレフィルドシリンジであって、
    前記プレフィルドシリンジ用収納容器本体の前記プレフィルドシリンジ収納用凹部は、前記外筒の注射針取付部付近を実質的に接触することなく収納する外筒先端部収納部と、前記外筒の中間部の外周面に接触するとともに外筒の水平横方向の移動を阻止および垂直方向の移動を規制するように外筒の中間部を収納する外筒中間部収納保持部と、該外筒中間部収納保持部の底部に設けられ、前記外筒外面と接触しない軸方向に延びる保護用凹部と、前記外筒の基端部でありかつフランジ形成部分より先端側部分を実質的に接触することなく収納する外筒基端部収納部と、前記外筒のフランジ形成部分を収納するフランジ形成部分収納部と、該フランジ形成部分収納部の先端側に設けられ、前記フランジが当接可能な外筒先端側移動抑制部と、前記フランジ形成部分収納部の後端側に設けられ、前記フランジが当接可能な外筒後端側移動抑制部と、該外筒後端側移動抑制部に前記外筒の前記フランジが当接する状態においてもプランジャーの後端に設けられた押圧板との間に間隙を形成する状態にて前記プランジャー部分を収納するプランジャー収納部とを備え
    前記外筒先端部収納部は、前記シリンジの前記フランジが前記外筒先端側移動抑制部に当接する状態において、前記シリンジの前記外筒の先端と前記外筒先端部収納部の先端側面間には隙間が形成されるものであり、
    さらに、前記外筒中間部収納保持部は、所定長さ長手方向に延びかつ内径が前記外筒の外径とほぼ等しい断面円弧状部分と、該断面円弧状部分より上方に広がるように延びる平板部分からなり、前記断面円弧状部分と前記平板部分の境界である屈曲部間の距離は、前記外筒の外径より若干小さいものとなっているものであることを特徴とする包装されたプレフィルドシリンジ。
  5. 前記プランジャー収納部は、後端側面に前記収納容器本体の容器内側もしくは外側に突出する複数の変形抑制用突出部を備えている請求項1ないし4のいずれかに記載の包装されたプレフィルドシリンジ。
  6. 前記外筒基端部収納部の底面には、前記外筒の外面に接触可能な平坦突出面を備える外筒保持補助用突出部が設けられており、かつ該外筒保持補助用突出部の平坦突出面の高さは、前記断面円弧状部分の最低部とほぼ同じ高さとなっている請求項4または5に記載の包装されたプレフィルドシリンジ。
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